行政処分を受けた医師に対する再教育について(概要)

再教育の目的
 行政処分を受けた医師に対する再教育については、国民に対し安心・安全な医療、質の高い医療を確保する観点から、被処分者の職業倫理を高め、併せて、医療技術を再確認し、能力と適正に応じた医療を提供するよう促すことを目的とする。

  職業倫理に関する再教育(倫理研修) 医療技術に関する再教育(技術研修)
対象者
医業停止処分を受けた者(被処分者)全員
医療事故が理由で医業停止処分を受けた者
医業停止期間が長期に及ぶ者
再教育についての考え方
行政処分を受けた際に自ら省みる機会を提供する
行政処分の理由となった技術について評価を行い、能力と適性に応じた、医業再開の環境と条件を検討する機会とする
医業復帰に当たって、医学知識の不足と医療技術の低下を補うとともに、再就業先の環境に応じた医療技術の修得を支援する
再教育の内容
教育的講座の受講、社会奉仕活動、心身の鍛練、読書、執筆等の中から、助言指導者の支援のもとで、被処分者の置かれた状況にふさわしいものを組合わせて実施
(助言指導者による月に1回程度の定期的な面接)
専門的な知識・技術を有する医師が、被処分者の医学知識と医療技術の評価を行う
医学知識、医療技術に問題ないことを確認する
被処分者が、自らの医療技術上の問題点を認識して、自らの能力と適性に応じた就業環境を選択する旨の自己評価
助言指導者
研修内容について助言し、研修成果を評価する役割
医師以外の場合は、何らかの形で医療に関わった者であり、指導的な立場にある医師と連携のとれる者
被処分者の医療技術を評価する役割
当該医療分野において専門的知識・技術を有する医師
(必要に応じて、助言及び評価の補佐を行う医師を選任する)
再教育の提供者
助言指導者の他、医療関係団体、社会奉仕団体、公益団体、学校法人 など
助言指導者の他、当該医療分野において実績をもつ医療機関ないし医師個人 など
再教育期間
3か月〜1年程度
(処分事例ごとに定める)
専門的な知識・技術を有する医師のもとで、一定期間指導を受ける
(医行為を伴う技術研修については、医業停止期間が終了した後に行う)
再教育修了評価基準
医療を支える法制度等について理解がある
医師に求められる職業倫理について理解がある
行政処分を受けるに至った理由に対し、反省し、同様の問題を起こさない決意が確認できる
自分自身の内的要因を洞察し、改善を図る取組みができる など
医療事故を引き起こした領域における医学知識・医療技術に問題がないことが確認できる
医業再開後の業務内容を適切に選択できる
医学知識、医療技術に問題がないことが確認できる
再教育修了の認定
研修の実施後に、被処分者は研修実施報告書(被処分者が作成)及び研修評価書(助言指導者が作成)を厚生労働省に提出する
適切に研修が実施されたと認められる場合、再教育の修了を認定し、再教育修了通知書を発行する
免許取消処分を受けた者については、将来的に免許の再交付がなされる場合に、再教育を義務づけることが適当。

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