船員保険制度在り方検討会 資料7
平成17年6月1日

船員保険制度の在り方に関する議論の
今後の進め方について(議論の整理)

平成16年12月24日
船員保険制度の在り方に
関する検討会

 被保険者数の減少が続き保険料収入も減少を続けるなど、厳しい状況に直面するとともに、特別会計改革の議論の中で独立した保険事業としての必要性を検討すべきとの指摘を受けている状況を踏まえ、船員保険制度の今後の在り方について、一般制度への統合をも念頭におきつつ、真剣に議論することが必要であることは共通の理解である。

 検討に当たっては、これ以上の財政負担は反対であるとの船主側からの強い意見や、船員法、ILO条約との関係で単純な給付の切り下げは困難である、船員労働の特殊性を考慮する必要があるとの被保険者側の意見も踏まえつつ、職務上年金部門の財政問題は、解決策を先送りすれば、今後も被保険者数が減少し続けた場合に対処が困難となるとの認識の下に、更に検討を進め、来年秋頃までに方向性を取りまとめることとする。

 船員保険制度の長期的維持可能性や今後の在り方を検討するためには、可能な限り様々なデータを公表し、それに基づく議論を行っていくことが重要である。このためには、試算の前提について各委員の協力も得ながら議論を進め、船員保険制度の各部門の将来の収支について様々な試算を行うことが必要である。

 福祉事業について見直しを進めるとともに、事務の効率化、運営に関する情報公開、適用の促進、保険料徴収率の向上など財政健全化に向けた取組みを進める必要がある。

 以上のような点を踏まえて、これら以外の視点についても議論を行いながら、今後、更に検討を進めることとするが、議論を進めて行くに当たっては次のような点にも留意が必要である。

 ・  職務上年金部門については、本検討会において、労災保険に準じた積立方式とする等の一定の前提で行った機械的な試算では、多額の積立金の不足があることが明らかにされたところであるが、仮に被保険者数がこのまま減少し続けるとすれば、将来、積立不足の解消のための余力が少なくなると考えられることを踏まえ、今後、積立不足額について更に精査するとともに、積立不足を早期に解消する方策について検討する必要があること。

 ・  職務上疾病・年金部門については、船員法との関連が密接であること、一般制度に統合する場合は統合の在り方が一般制度である労災保険制度の給付体系等に影響を与え得ることから、一般制度への統合を検討するためには船員保険制度の議論だけでなく、船員法及び一般制度である労災保険制度との関係を整理する必要がある(この検討会における議論だけでは整理しきれないということもあり得る)こと。

 ・  失業部門及び職務外疾病部門の一般制度への統合を検討するためには船員保険制度の議論だけでなく、一般制度である雇用保険制度及び健康保険制度との関係を整理する必要がある(この検討会における議論だけでは整理しきれないということもあり得る)こと。

 ・  福祉事業については、今日における事業の意義を十分に精査した上で、なお必要と判断される船員に対する独自の事業については、仮に一般制度に統合する場合であっても、引き続き事業を実施できるよう、今後の事業の在り方について検討が必要であること。

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