05/05/09 平成17年5月9日先進医療専門家会議議事録 05/05/09 平成17年度第1回先進医療専門家会議議事録 (1)日時  平成17年5月9日(月)14:58〜16:49 (2)場所  厚生労働省専用第18,19,20会議室 (3)出席者 猿田享男座長 吉田英機座長代理 赤川安正構成員 飯島正文構成員        越智隆弘構成員 片山容一構成員 金子剛構成員 北村惣一郎構成員        佐伯守洋構成員 笹子充構成員 竹中洋構成員  田中憲一構成員        田中良明構成員 谷川原祐介構成員 辻省次構成員  坪田一男構成員        寺岡暉構成員 永井良三構成員 樋口輝彦構成員 渡辺清明構成員        <事務局>        厚生労働大臣 保険局長 審議官 総務課長 医療課長  他 (4)議題  ○先進医療専門家会議の運営等について        ○これまでの経緯について        ○検討課題について        ○その他 (5)議事内容 1.開会 ○医療課長  ご案内いたしました時間より若干早うございますが、ご出席の返事をいただいた先生 方は、ほとんどお見えになっておられます。お一人だけ手術で遅れるという返事をいた だいておりまして、その他は全員おそろいでございますので、ちょっと時間が早うござ いますが、ただ今より第1回先進医療専門家会議を開催いたしたいと思います。開催に あたりまして尾辻厚生労働大臣より、一言ご挨拶を申し上げます。 ○厚生労働大臣  厚生労働大臣の尾辻でございます。先生方には、本会議へのご参加をお願い申し上げ ましたところ、たいへんにお忙しい先生方ばかりでございますけれども、快くお引き受 けを賜りまして、心から厚く御礼を申し上げたいと存じます。どうぞよろしくお願いを 申し上げます。  いわゆる「混合診療」の問題でございますけれども、昨年末に規制改革担当大臣と私 との間で、率直に申し上げますと、いろいろ、すったもんだもございましたけれども、 最後はご案内のとおり合意に至りまして、総理にもご了承をいただきました。その議論 の中で、大きな論点のひとつになりましたのが、高度先進医療として認められるまでに 時間がかかりすぎる、また、高度先進医療以外の技術については、保険導入のための手 続きがよくわからない、こういった患者さんでありますとか医療現場の切実なお声もご ざいました。そのことに対して、どう応えていくかということが論点のひとつでござい ました。  そのために、必ずしも高度でない先進技術を含めまして、新しい医療技術について、 安全性を確認しつつ、迅速かつ透明な手続きで患者さんに利用いただける仕組みを導入 することとしたところでございます。このために、本日お集まりの先生方のご尽力によ り、患者さんや医療現場の声に迅速に応えてまいりたいと考えておりますので、どうぞ 先生方のご指導をよろしくお願い申し上げたいと存じます。そうしたことでお集まりい ただいたわけでございますけれども、第1回の会議にあたりまして、今、きわめて大雑 把でございますが、この会議にお集まりいただくに至りました経緯、それから趣旨を若 干申し上げて、挨拶にかえさせていただきたいと存じます。どうぞよろしくお願いを申 し上げます。 ○医療課長  ありがとうございました。なお、大臣は公務のため、ここで退席をさせていただきた いと思います。 ○厚生労働大臣  たいへん申し訳ございませんが、どうぞよろしくお願いを申し上げます。 2.構成員の紹介および趣旨説明〜座長の選出 ○医療課長  それでは私のほうから、先進医療専門家会議の構成員の先生方を、五十音順にご紹介 させていただきます。  まず、歯科の分野の赤川先生。皮膚科の分野の飯島先生。整形外科の分野の越智先 生。脳神経外科の分野で片山先生。形成外科の分野で金子先生。心臓血管外科の分野で 北村先生。小児科の分野で佐伯先生。消化器の分野で笹子先生をご予定しております が、今、手術中ということで、終わり次第、お見えになるそうでございます。内科の分 野で猿田先生。耳鼻咽喉科の分野で竹中先生。産婦人科の分野で田中先生。放射線科の 分野で田中先生。薬学の分野で谷川原先生。神経内科の分野で辻先生。眼科の分野で坪 田先生。治験の分野で寺岡先生。循環器科の分野で永井先生。精神科の分野で樋口先 生。泌尿器科の分野で吉田先生。臨床検査の分野で渡辺先生。以上、私ども先進医療専 門家会議の構成メンバーでございます。  続きまして、出席しております保険局の幹部だけご紹介させていただきます。水田保 険局長でございます。中島審議官でございます。それから私の、皆様から向かって左 隣、間杉総務課長でございます。それから、申し遅れましたが、私、医療課長でござい ます。よろしくお願いいたします。  もう少し、私が司会を続けさせていただきます。実はこの会議は事務局が司会進行を するのではなくて、座長をお決めいただくことになっております。その座長をお決めい ただく開催要綱として、お手元の先-1という資料がございますので、それをご参照く ださい。タイトルが「先進医療専門家会議」開催要綱ということで、これは既に成案に なったものでございまして、これは今日お諮りするわけではなくて、このように決まっ ているということでございます。  目的でございますが、厚生労働大臣と内閣府特命担当大臣、行政改革担当、構造改革 特区・地域再生担当との間の「いわゆる「混合診療」問題に係る基本的合意」に基づき まして、先進医療への対応として、厚生労働大臣が、保険医療機関から届出がなされて から原則最長でも3か月以内に、医療技術ごとに実施可能な保険医療機関の要件を設定 するため、新規の医療技術について医療技術の科学的評価を行うことを目的として設置 されました。  何をやっていただくかということでございますが、この会議は保険医療機関から保険 給付との併用の希望があった医療技術について、その有効性および安全性が確保されて いることのほか、必ずしも高度である必要はないが、一定程度の先進性があり、効率的 であることや社会的に妥当であることなどを確認する、あわせて届出により実施可能と する保険医療機関の要件を設定する、これがこの会に課せられた課題のひとつでござい ます。  もうひとつございまして、先進医療専門家会議は、保険給付との併用が認められた技 術につきまして、実施保険医療機関からの定期的な報告を踏まえ、普及性、有効性、効 率性、安全性、技術的成熟度および社会的妥当性の観点から、保険導入に係る技術的問 題について検討を行う。つまり申請があった医療技術について、それを保険給付と併用 して実施してもいいかどうかということを、まずお決めいただき、しばらくしてから− その、しばらくというのが、どれぐらいの期間かはわかりませんが−それを今度、保険 に全面的に導入するかどうか、それについても検討していただくということになってい ます。  構成メンバーは今ご紹介したとおりでございます。この中から、構成員のうち1人を 座長として選出すると書いてございますので、それはこれからお願いいたします。  2ページ目、運営でございますが、先進医療専門家会議は、概ね月1回、定期的に開 催する予定でございますが、もし応募あるいは申請が多ければ、誠に申し訳ありません が、場合によっては月2回以上お集まりいただくことになるかもしれません。  それから、この会議は対象となる患者が特定されるなど、個人情報保護の観点から特 別な配慮が必要と認める場合を除き公開で行う。つまり原則公開でございます。今日ご 覧になってわかるとおり、うしろにたくさん傍聴人が来ていると思いますが、公開され ております。庶務は私ども医療課において処理をいたします。  以上が、この開催要項の説明でございますが、先ほど申し上げましたように、3の構 成のところで、座長の選出をお願いしたいと思いますが、どなたか座長にふさわしい方 をご推薦していただければありがたいと思います。いかがでしょうか。 ○飯島構成員  猿田先生はいかがでしょうか。 ○医療課長  今、慶應の猿田先生ということでご推薦がありましたが、皆さん、いかがでしょう か。 (異議なし) ○医療課長  それでは、猿田先生にお願いすることにいたします。猿田先生、申し訳ありませんが 座長席にお移りください。それでは以下の議事進行を、猿田先生、ひとつよろしくお願 いいたします。 ○猿田座長  ただ今、座長を仰せつかりました、慶應の猿田でございます。不慣れでございますけ れど、厚労省のいろいろな会議のことをやらせていただいているということで、務めさ せていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 3.先進医療専門家会議の運営等について ○猿田座長  それでは早速ですが、この先進医療専門家会議の運営につきまして、いろんな資料が 用意されておりますので、まず、その資料の説明をよろしくお願いいたします。 ○医療課長  医療課長でございます。資料の先-2をご覧ください。これは「(案)」とついてご ざいますように、もし何かご意見がございましたら、先生方のご意見によって修正する ことを前提としてお示ししております。  1ページをご覧ください。先進医療専門家会議の座長について、これは今、互選して いただきましたが、座長は構成員の中から互選するということ。また、座長は先進医療 専門家会議の事務を総理し、会議を代表するということ。それから、座長に事故がある ときは、あらかじめ座長の指名する構成員が、その職務を代行するということでござい ます。  それから、先進医療専門家会議の議論の進め方でございます。最初の「○」として、 会議は構成員の総数の2分の1以上の出席をもって会議を開きます。ただし議事となる 事項についてあらかじめ意見書を提出した構成員については出席したものとみなすとい うことにしたいと思います。それから議事につきましては座長を除く出席した構成員の 過半数をもってとりまとめ、可否同数のときは座長のとりまとめるところによることと する。それから保険給付との併用を希望する医療技術について、実施可能な保険医療機 関の要件の設定に係る届出を行っている保険医療機関に所属する構成員は、以下の事項 に係る検討に参加しないこととする。ただし座長が所属構成員の発言を必要と認めた場 合にあっては、当該所属構成員は、以下の事項に係る検討に参加することができること とする。なお、この場合にあっても、当該所属構成員は、とりまとめには参加しない。  最初の「・」でございます。保険医療機関から保険給付との併用の希望があった医療 技術の有効性、安全性、先進性、効率性、社会的妥当性等。  また、保険医療機関から保険給付との併用の希望があった技術を届出により実施可能 とする場合の、実施可能な保険医療機関の要件、ということでございます。  それから1ページ目の最後の「○」でございますが、構成員は、やむを得ない理由に より出席できない場合にあっては、議事となる事項について、あらかじめ意見書を提出 することができる。  それから3番目、先進医療専門家会議の公開でございますが、会議は公開とします。 ただし座長は、対象となる患者が特定されるなど、個人情報保護の観点から特別な配慮 が必要と認める場合にあっては非公開とすることができます。  議事は、会議の日時および場所、出席した構成員の氏名ならびに議事となった事項を 含め、議事録に記載いたします。議事録そのものも公開とします。ただし座長は、対象 となる患者が特定されるなど、個人情報保護の観点から特別な配慮が必要と認める場合 等にあっては、議事録の全部または一部を非公開とすることができることとする。これ により議事録の全部または一部を非公開とする場合にあっては、座長は、非公開とした 部分について議事要旨を作成し、これを公開する。  その他でございますが、会議の運営に関し必要な事項は、座長がこの専門家会議に諮 って定めることとするということで、これは運営の要領でございます。以上です。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。ただ今の説明に関しまして、どなたかご質問はござ いますでしょうか。今、この先-2の内容がいちばん重要なポイントでございますけれど も、どなたかご意見はありませんでしょうか。もしないようでしたら、今ご説明いただ いた運営の案に沿いまして、これから会議を運営させていただくことになりますけれ ど、よろしいでしょうか。 (異議なし) ○猿田座長  それでは、今、ご説明がありましたように、もうひとつ、この会議に関しまして、も し座長に事故があったときは、あらかじめ座長の指名する構成員がその職務を代行する こととするということがございましたので、私のほうから座長の代理を指名させていた だきたいと思いますけれど、よろしいでしょうか。もしよろしければ、私のほうから、 吉田先生にお願いしたいと思うんですが、よろしいでしょうか。 (異議なし) ○猿田座長  それでは吉田先生に、座長の代理をしていただくということに決めさせていただきま す。どうもありがとうございました。他に何か先生方のほうから、ご意見はございます でしょうか。 ○北村構成員  保険局がおやりになる会議で、先進医療の技術的評価ということは専門構成員会で十 分だと思うんですが、対効果費用あるいは対費用効果というようなことも、たいへん重 要なポイントになるような気がいたしますので、医療経済全体として、日本全体を見た 場合に、どのように医療費の動きが起こるのかというようなことも、ご意見があっては どうかと思います。そこで、どなたか医療経済の専門家を、この構成員会に加えていた だくことができないだろうかと感じています。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。今お話がありましたように、この会の非常に重要な ポイントは、医療経済のことが入ってくると思います。そういったことで、北村構成員 のほうから、どなたかそちらの方面に詳しい方にお入りいただければということでござ います。先ほどご紹介いただきました構成員を見ておわかりのとおり、医療経済の方が 抜けておりますので、そういった形で、もしよろしければ、北村先生のご意見に従いた いと思いますけれど、どなたかご意見はございませんでしょうか。とくにご意見がない ようでしたら、医療経済のどなたかを構成員として加えていただくということで、お認 めいただいたことにさせていただきますが、よろしいでしょうか。 (異議なし) ○猿田座長  ありがとうございました。具体的な構成員の人選として、どなたにするかということ に関しましては、これからまた事務局のほうで相談させていただいて、また、厚生労働 大臣のほうから任命という形になろうかと思いますけれど、その点もお含みいただきた いと思います。それでは、どうぞよろしくお願いいたします。事務局のほう、それでよ ろしくお願いいたします。 ○医療課長  はい、検討いたします。 ○坪田構成員  慶應の眼科の坪田ですが、先ほど、ルールをご説明いただきまして、だいたい予想と して、これでどのぐらいの技術の応募があるというふうに考えられているのか、だいた いの時間的な枠組みを教えていただければと思うんですが。先ほど麦谷さんのほうから 月2回になるかもしれないと言われましたけれど、本当に2回で対応できるのか。それ から、それを全部この会議でやるのか。たとえばひとつの案としては外科系と内科系を 分けるというふうにすれば2分の1の時間ですみますよね。そのへんの時間的割り振り について予想を教えていただきたいと思います。 ○猿田座長  それは非常に重要な問題で、これまで高度先進医療としての技術があって、それが 100ぐらいあったわけですけれど、それよりも今度はかなり、高度でない技術というこ とで入りますので、事務局のほうからご説明いただけますでしょうか。 ○医療課長  医療課長でございます。応募のボリュームというのは、もちろん予測がつかないわけ ですが、私どもで、実はこの制度を立ち上げるときにシミュレーションを行いました。 そうしましたら、今、保険に導入されていなくて、されていないけれども、今、現場で 使いたいと言われている技術が100技術ぐらいございました。したがって、当然、いっ ぺんに来るとは考えられませんが、100技術が、たとえば、もし3か月で来るとすると、 月に30技術ぐらいかなあ、と。そうすると20人おられますから、もし各科にきれいに分 配できれば−ひょっとしたらお一人にずっと行くかもしれませんが−それほどの負担に はならないのではないか、と。事務局としては、なかなか、初めから負担になるとは言 えませんので。そのように承知しております。  また、あとから申し上げようと思いましたが、先生方は自分で全部をやるのかと思わ れるかもしれませんが、もちろん、われわれで配分して、たとえば眼科の分野で坪田先 生はこれですと言いましたが、坪田先生は眼科の分野でもたとえば不得意な分野といい ますか、オールラウンドかもしれませんが……。 ○坪田構成員  いえ、不得意な分野もあります。 ○医療課長  不得意な分野がおありになれば、それはもう、坪田先生の責任で、いろんな方にお聞 きになったり、あるいはワーキンググループを自分の下につくりたいということであれ ば、それは私どもにご相談いただければ、いかようにも取り計らいます。 ○坪田構成員  ありがとうございました。 ○猿田座長  よろしいでしょうか。要するに、これから、この会議が開かれたということで、先に どんどん広がってきますと、それから増えてくるのではないかというふうに考えており ます。よろしければ、お認めいただいたこととさせていただきます。他にどなたかご意 見はございますでしょうか。 ○越智構成員  今、課長がおっしゃったワーキンググループは、必要ならば厚生労働省の名前でワー キンググループをつくることができると考えていいんですか。 ○医療課長  お答えします。それは、たとえば場所が必要であるとか旅費が必要といった場合−た とえば北海道の方がいらっしゃる場合など−そういうことがありましたらご相談くださ い。 ○猿田座長  他にどなたかご意見はございますでしょうか。越智先生、今のお答えでよろしいでし ょうか。 ○越智構成員  はい。 ○猿田座長  他にないようでしたら、早速、審議事項のほうに入らせていただきます。まず、いわ ゆる「混合診療」の問題につきまして、やはり資料が提出されておりますので、事務局 のほうからご説明をお願いいたします。 ○医療課長  医療課長でございます。この会議はもともと、いわゆる「混合診療」で取り上げられ た3つの大きな課題のうちのひとつをなしているもので、その全体像を簡単にご説明い たします。  まず、先-3-1をご覧ください。いわゆる「混合診療」問題に係る基本的合意。これ は先ほど申し上げた両大臣の合意書をそのままつけてございます。これはご参考のため に供しました。これは両大臣の合意でございます。あとでご覧ください。  それから先-3-2、いわゆる「混合診療」問題について。厚生労働省が12月15日に出 した紙でございます。これを読んでいただくと、いわゆる「混合診療」のコンポーネン トがすべてわかるようになっておりますが、これは大部でございますので、これを絵に したものが先-3-3でございます。「いわゆる「混合診療」問題について/平成16年12 月15日/厚生労働省」と書いてある横置きのA4の紙があろうかと思います。この中 で、先生方の関連のところだけ申し上げます。  まず、先ほど申し上げた3つのコンポーネントについて。2ページをお開きくださ い。これは、この先進医療専門家会議には直接関わりませんが、軽く話しておきます。 3つのコンポーネントの1つが、国内で未承認だった薬をどうするか。欧米で承認され ているにもかかわらず国内で未承認であるがために、その薬が使えないといったことが 起きておりましたので、そこに、いわゆる「混合診療」の形を導入いたしまして、未承 認の薬代だけを患者さんが負担すれば、あとは保険でいいですよという、いわゆる「混 合診療」の形をとったものでございます。これは薬でございますので、ここでご議論を いただくものではございません。  それから3ページ目。これが先生方にご議論いただくものです。先ほど猿田座長も言 われました、高度先進医療というものがございましたが、高度先進医療と言っていて も、窓口がここしかなかったものですから、いろんな技術が申請されてくる実態が実は ございました。そこで、高度でない先進技術についても、どこかでちゃんと議論して、 手続きの透明化・迅速化を図ってはどうかというようなご指摘がございまして、すぐに 保険導入するというのも、なかなか困難をきわめますので、必ずしも高度でない先進技 術について、保険導入を前提としながらも、保険診療との併用を認めるということで、 それを審査しようというのがこの、今日お集まりいただいた先進医療専門家会議の課題 というかマンデートでございます。  どういうふうにするかといいますと、最初に申請されてくる医療技術というのは、こ れは誰にもわからないわけですので、最初の医療技術はこの会議にかかって、ここで保 険診療との併用を認めるということになりましたら、その、認めるための要件−要件に は単純な要件も複雑な要件も、いろいろあろうかと思いますが、要件を設定していただ きます。たとえば心臓外科医がいるとかベッドがいくつ以上とか−まあ、べつになくて もいいんですけれど−診療所であれば、診療所であるからには後方のバックアップ病院 が契約上あるとか、そういう、いろんな要件をここで設定していただきます。第1例目 はそれでお認めいただきますが、第2例目は、その要件が外に開示されますので、それ を見た医療機関は、自分たちがその要件を満たしているということであれば、届出だけ で実施できるようにしようというシステムでございます。そのことを書いてあるのが3 ページ目でございます。  それから6ページ目。いちばん下の黄色い枠をご覧ください。新たに設けられる必ず しも高度でない先進技術。これは申請された医療技術ごとに一定水準の要件を、この会 議で設定していただきます。最初の1例目はここで審査を受けますが、2例目以降は、 該当する医療機関は届出により実施する。それから、今までの高度先進もそうですが、 申請したのにいつまでも返事が来ない、なしのつぶてだったと言われていますが、それ は真ん中の3つ目の「○」、要件の設定に係る届出がなされてから原則3か月以内に、 やってもいい、あるいはだめである、それから保留という返事を必ずするということ で、したがって先生方には、3か月以内に結論を出していただくということになりま す。  それから、今まで会議そのもの、議論そのものが透明でなかったと言われていますの で、2つ目の「○」でございますが、ご覧のとおり、この会議は公開されておりますの で、きわめて透明でございます。それから保留の条件ですが、これは倫理的に問題であ るとか、それから、先ほど坪田教授からも言われましたが、たとえばいきなりたくさん 来たという場合に事務処理能力を超えますので保留することがありますが、その2点以 外は保留しないということでやろうと思っています。  あとは、さっき3つのコンポーネントと言いましたのは薬と技術と、それから7ペー ジ目の−いわゆる「混合診療」のコンポーネントですが−制限回数を超える医療行為と いうのがありまして、これについては、ここでご議論していただくことではなくて、こ れは先ほど座長代理に任命されました吉田先生が構成員長をされている、医療技術評価 分科会というところで、この制限回数を超える医療行為については議論をしていただい ておりますので、これは先生方の責務ではございません。この3つがコンポーネントで ございます。  それをひとつの絵にしたのが10ページ目です。つまり現行は、高度先進医療、優れて 高度なものと、それから高度でない先進技術と、国内未承認薬と、制限回数を超える医 療行為と選定療養−選定療養というのは差額ベッドですとか180日を超えての入院です とか、そういったものが混在しておりましたが、今度、整理をして、必ずしも高度でな い先進技術、未承認薬、制限回数を超える医療行為について、審査をしながら、いわゆ る「混合診療」、つまり保険給付と保険給付外というものを併用して認めていこうとい うことになったということでございます。  以上、非常に簡単でございますが、いわゆる「混合診療」問題について説明させてい ただきました。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。今、「混合診療」に関してご説明がありましたが、 この会議でとくに重要なところは、先ほどお話がありました3ページ目のところの医療 技術の評価と、それから、医療機関に関する条件ということが、まず、ここの構成員会 での非常に大切なところでございます。それから第2番目は、6ページ目で、今お話が ありましたように、先ほどから、月1回の会議と出ておりますけれども、ここにありま すように、機関から出てきたものに対して3か月以内に返事をしなくてはいけない、こ こが非常に重要なポイントでございまして、たくさん出てきたときには、かなり時間の 関係でたいへんかと思います。それから、今、最後にまとめていただいた10ページ目の ところで、ここのところは必ずしも高度でない先進技術の評価ということでございます が、今のご説明についてご質問はございますでしょうか。 ○田中(憲)構成員  新潟大学の田中でございます。高度先進医療と、ここで審議するものとの区別という のはどこでされるんでしょうか。たとえばここに来て、しかし高度先進医療がよろしい と思えば、ここで高度先進医療に返すということをやるのか。あるいは事務局のほうで 振り分けをするとか、そういうふうになっているんでしょうか。 ○医療課長  これは事務局のほうで振り分けます。優れて高度なものと、それから、そうでないも のにつきましては事務局で振り分けて、高度先進医療の会議に提出したり、こちらに提 出したりいたしますが、もし、おたがいの会議で齟齬があれば、これは高度だからそっ ちでというようなことは、もちろん可能です。高度先進医療のほうも猿田先生が座長で ございますので、それは十分に可能です。 ○吉田構成員  従来どおり、届出をするのは社会保険事務局でいいんですか。それとも厚労省にする んですか。 ○医療課長  届出は社会保険事務局です。 ○猿田座長  ですから、おそらく、各先生方が出してくるときも、高度先進医療と今度の場合との 差というのが、多少、提出する先生方のほうで混乱するかもしれないんですけれど、こ れはすぐに、状況によってわかってくると思います。そのあたり、先ほどの割り振りの ことに関しては、事務局のほうでやっていただくということです。 ○北村構成員  そうすると社会保険事務局のほうには、申請において、「必ずしも高度でない先進医 療」というのは、これは既にひとつの固有名詞になっていると考えていいわけですか。 それと社会保険事務局のほうで、これは高度で扱うか、必ずしも高度でないと判断する かという、その相談ごとは、医療機関はできるんですか。 ○医療課長  すみません、ちょっと説明が不十分だったと思います。とにかく最初は、第1例目は −今は何もないわけですから、第1例目はすべて厚生労働省に申請していただきます。 それでここにかかります。ここにかかって通ったものだけが、要件が開示されます。そ れは全国に開示されますので、それを医療機関が見て、それはもう通ったんだなあとわ かったら、それはもう、社会保険事務局に届け出るだけです。そのときに、文言が「高 度でない先進技術」になるかどうかは、ちょっとまた、ここでご相談して、もうちょっ と短い、わかりやすい言葉を考えようと思っていますが、これは今日の会議以降、もう 少し、そういうことを、あと1〜2回の会議で、ここで決めていこうと思っています。 ○吉田構成員  これは医療技術分科会みたいに書式を決めますか。希望書というのを。決めないんで すか。バラバラの書式で出していいんですか。 ○医療課長  それはあとで詳しく話をしますが、その様式についても、もちろんひな形はつくりま すが、ここでご議論いただこうと思っています。 ○猿田座長  他にいかがでしょうか。今のところが、この会議のいちばん重要なポイントですの で、先に行く前にご意見のある方は、どうぞおっしゃっていただければと思います。だ いたい要領はおわかりいただいたということで、よろしいでしょうか。 ○田中(憲)構成員  先ほど課長が言われたワーキンググループのことですが、これはあくまでも、この構 成員の私的なワーキンググループとして、それで実際にかかる費用は役所が持つという ことですか。 ○医療課長  厳密に決めてはおりませんが、基本的には構成員の方々は個人の資格で答申というか 結果を出していただく。その際に、いろんな、誰かに聞くとか、あるいは専門家に集ま ってもらうといったようなことがあった場合、実費の費用負担は私どもにご相談くださ いということで、とくに決めてはおりませんが。 ○越智構成員  既に申し出がある100案件ですか、これが対象になっているということですが、それ 以外の案件がもし出れば、厚生労働省に届け出ればいいと考えたらいいんですか。 ○医療課長  失礼しました。その100というのは、私どもで、保険導入に至らなかった技術を過去 にさかのぼって調べたら、それぐらいあったということで、それはまだ全然、申請され ていませんので。いかなる技術も、いかなる医療機関も申請できというご理解でいいと 思います。 ○越智構成員  逆に、いかなる技術も、これから以後の新たな申請だと考えていいんですか。 ○医療課長  保険に入っていないものはそうです。 4.先進医療への対応について ○猿田座長  よろしいでしょうか。それでは、次に進ませていただきます。次は先進医療への対応 についてでございます。これも資料が提出されておりますので、事務局のほうからご説 明をお願いいたします。 ○医療課企画官  それでは、事務局のほうからご説明させていただきます。資料の先-4-1と、先-4- 2に基づき、先進医療への対応とおおまかな流れについて、まず、概要をご説明させて いただきたいと思います。課長のほうからのご説明と、いくつかだぶりますので、そう いった点につきましては、あらかじめご了承いただければと思います。  まず、先-4-1をご覧ください。先進医療への対応についてでございます。これにつ きましては先ほどもご説明にありましたが、厚生労働大臣と内閣府の特命担当大臣との 間の、いわゆる「混合診療」問題に係る基本的な合意を踏まえて、先進医療への対応と して、以下のような措置を講じ、本年夏までを目途に実現するということでございま す。したがいまして、今日、先生方にお集まりをいただいておりますが、ここでこれか ら具体的な進め方について、様式なども含めましてご議論をいただき、具体的な応募手 続き、そしてそれを踏まえての審議ということは、今年の夏を目途に、できれば7月と いうことでございますが、7月を目途に具体的な届出、そして審査の業務に入るという イメージで考えているところでございます。  こちらのほうに書かれております先進医療への対応というのは、大きく分けて2つご ざいまして、1つは1ページにあります、必ずしも高度でない先進技術の取り扱いにつ いて。これは本日、先生方にお集まりいただいている会議で議論していただくものでご ざいます。それから3ページのところでございますけれども、従来から行われておりま す高度先進医療の取り扱いについても、考え方を少し変更していくということで、説明 がされているところでございます。  まず1ページのほうの、必ずしも高度でない先進技術の取り扱いについてご説明をさ せていただきたいと思います。まず最初の「○」でございます。必ずしも高度でない先 進技術について、保険給付との併用を認めるため、医療技術ごとに医療機関に求められ る一定の要件を設定し、該当する医療機関は届出により実施可能な仕組みを新たに設け るというものでございます。具体的には、ここで「医療機関に求められる一定の要件を 設定し」という、この要件の設定も、この会議の場でお願いをしたいということになる わけでございます。また、「該当する医療機関は届出により実施可能な仕組みを」とい うことでございますが、具体的な届出様式、その内容についても、ここの場でまずご議 論をいただくということを考えております。  次の「○」でございますけれども、新規の医療技術について、医療技術の科学的評価 を行い、医療技術ごとに実施可能な医療機関の規準を設定するため、厚生労働大臣の設 置に係る専門家会議として、先進医療専門家会議−ここのことでございますけれども、 これを設けるということでございまして、当初、4月に立ち上げということでございま したが5月9日、本日、立ち上げになったということでございます。  その下の「・」でございますけれども、先進医療専門家会議においては、保険医療機 関等から保険給付との併用の希望のあった医療技術について、その有効性、安全性が確 保されていることのほか、必ずしも高度である必要はないが、一定程度の先進性があ り、効率的であることや社会的に妥当であることなどを確認する。あわせて、届出によ り実施可能とする医療機関の要件を設定する。繰り返しになりますが、こういうことを お願いするということでございます。  具体的なメンバーもここに書いてあるとおりでございまして、20名程度により構成す るということで、専門分野についてもここにお示しをしたとおりでございます。会議の 開催につきましては、概ね月1回程度を定期的に開催ということでございますが、必要 に応じて随時開催をするということでございます。  それから2ページの最初の「・」でございますけれども、基本的に、個人情報保護の 観点から、特別な配慮が必要な場合を除き、公開で行うということでございます。  それから次の「○」でございます。科学的な評価の結果については、厚生労働省より 中医協に報告し、中医協は、当該技術の保険給付との併用について検討するということ で、これに関連いたしまして、下の「○」でございますけれども、新規の医療技術につ いて、厚生労働省は、医療機関から要件の設定に係る届出がなされてから、原則最長で も3か月以内に、先進医療専門家会議による科学的な評価を受け、中医協への報告・検 討を経た後、支障なし、中止または変更、保留(期間の延長)のいずれかを書面によ り、理由を付して通知するということでございます。  その下にいくつか「・」がございますけれども、1番目の「・」は、審査に慎重な判 断を要するようなもの、また、その次でございますけれども、担当部局の事務処理能力 を超えるような多数の届出などがあった場合には、3か月を超える期間を定めることが できるというふうにしてございます。また、先ほどもご説明にありましたが、既に要件 が設定されている医療技術については、医療機関は、地方社会保険事務局長に、要件に 該当する旨の届出を行うことにより実施することができるというふうにしております。  その下の「・」でございますけれども、厚生労働省は、実施医療機関から定期的に報 告を求め、有効性、安全性に問題がある場合などにおいては、当該医療技術の中止等の 必要な指示を行うことができる、としております。また、実施医療機関は、安全性に問 題がある場合等は、遅滞なく厚生労働省に報告することとする、としております。  その次の「○」は、料金の設定や表示の部分についてでございます。  3ページをご覧ください。最初の「○」でございます。保険給付との併用を認めた技 術について、実施医療機関からの定期的な報告を踏まえ、普及性、有効性、効率性、安 全性、技術的成熟度および社会的妥当性の観点から、保険導入に係る技術的問題につい て検討を行う。中医協は、この検討結果も踏まえ、当該技術の保険導入の適否について 検討を行う。そういう概要となってございます。これが、この会議に直接関係する部分 のご説明でございます。  次に2の、高度先進医療の取り扱いについて。これは関連するところでございますの で、簡単にご説明をしたいと思います。最初の「○」でございますけれども、現行の高 度先進医療の制度についても、高度先進医療専門家会議において承認された技術ごとに 実施可能な医療機関の要件を設定するということ。そして2番目の「○」で、高度先進 医療につきましては、特定承認保険医療機関、これを承認しているわけでございます が、この承認要件につきましても、医療機関の規模にかかわらず、新しく高度な医療を 提供することが可能な医療機関であれば承認を受けることが可能となるように、医療技 術ごとに設定される、実施可能な医療機関の要件を踏まえつつ、承認要件を抜本的に緩 和するということでございまして、2の、高度先進医療の取り扱いにつきましても、基 本的には、先ほど申し上げました先進医療の取り扱いに、だんだんと、ある程度、整合 をとったような、そういう考え方で条件を整理していくというような考え方になってご ざいます。  次に、資料の先-4-2をご覧ください。こちらのほうが、先ほどもいくつかご質問が ありましたが、先進医療の届出の流れを簡単に、わかりやすいように絵にしたものでご ざいます。保険医療機関のほうから、まず、右側のラインのところをご覧いただきたい と思いますが、新しい技術について届出がなされますと、厚生労働省の本省を経由いた しまして、この先進医療専門家会議の場におきまして、新しい技術についての科学的評 価の依頼というものが、この会議になされるということでございます。  この先進医療専門家会議におかれましては、有効性、安全性などの確認、さらには医 療技術ごとの要件の設定などについて、ご議論をいただき、その評価結果をお出しいた だく。これが3番の部分でございまして、科学的評価の結果というものを、この会議で 整理していただくということでございます。厚生労働省のほうは、それを踏まえまし て、4のところでございますけれども、科学的評価の結果の通知をすることによりまし て、広く関係医療機関のほうに周知を図るということでございます。それがなされます と、今度は、既存の技術というもののひとつの枠組みが出てまいりますので、これは5 のほうになりますけれども、既存の技術については、その科学的な評価に基づく医療技 術ごとの要件というところに合う医療機関にあっては、届出によりまして、その実施を することが可能になるということでございます。  それから、先ほどもご説明申し上げましたけれども、安全性等で問題のある場合に は、中止等の必要な指示をすることが可能ということが、左側のラインのところに書い てございます。それから6番でございますけれど、定期的な実施状況の報告をしていた だき、その実施状況報告を踏まえまして、今度は右側のラインのいちばん下のところの 「○」になりますけれども、保険導入に係る技術的問題の検討ということにつきまして も、先進医療専門家会議の場でご議論をいただく、そのような流れになってございま す。  なお、下のところに(注)として書いてございますけれども、中医協のほうには新規 技術、それから保険導入に係る技術的問題の検討結果を報告するという、そういう全体 的な流れになってございます。届出が出ましてから、その結果を返していくまでに、先 ほどもご説明申し上げましたけれども、原則、最長3か月以内という中で、迅速に処理 をするという形での、全体的な流れを考えているというところでございます。事務局か らのご説明は以上でございます。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。今、先進医療への対応についての説明と、それから 先進医療の届出の流れということでご説明いただきましたけれど、どなたかご質問はご ざいますでしょうか。 ○佐伯構成員  先進医療への対応についてという資料、先-4-1の2ページの、いちばん上の「○」 のところに書いてございますけれども、厚生労働省はこの専門家会議における評価の結 果を中医協に報告して、中医協がそれを、保険給付との併用をするかどうかという検討 をして、そこで最終的に決まるということなんでしょうか。 ○医療課企画官  最終的な決定は、こちらのほうの4-2でもお示しをしてございますけれども、厚生 労働本省のほうからなされるということでございまして、こちらの専門家会議でご検討 いただきました科学的な観点を踏まえて、中医協のほうで大所高所からご議論をいただ き、それを踏まえまして、厚生労働省のほうで最終的に結論を出させていただくという 流れになるということでございます。 ○猿田座長  よろしいでしょうか。最終決定はまた厚生労働省のほうでということです。 ○辻構成員  東大神経内科の辻でございます。たいへん細かいことで恐縮ですが、先-4-1の1ペ ージの専門分野のところで「神経科」というふうに表現されています。いろいろな背景 はあろうかと思うんですけれど、「神経内科」と書いていただけるのであれば、そのほ うが混乱が少なくていいのではないか、と。先ほどの名簿のところも「神経科」となっ ておりましたが、「神経内科」と表現いただくことで差し支えなければ、そうしていた だければありがたいと思います。 ○猿田座長  よろしいでしょうか。これは重要な点ですので、「神経内科」としていただければと 思います。 ○北村構成員  この構成員会が、先進医療専門家会議となると、高度先進医療専門家会議との間の連 携というか、おたがいが何をやっているのか、あるいは申請者のほうも、どちらかとい うことの問題もあるし、それぞれ互い違いの構成員会で、たすき掛けにならないという ようなメカニズムについて、この2つの会議をどのようにお考えなのか。どこのレベル という、一定の線を引くのがたいへん難しい場合が少なくないと考えますので、そこは どのようにされるのか、ご意見をうかがいたいと思います。 ○医療課長  実際は、先ほど申し上げましたように窓口が1つしかなかったものですから、高度先 進医療専門家会議のほうに、実は高度でないものも、いっぱい申請されるんです。結 局、その中で処理せざるを得なくなっているというのが、今、現状でございます。それ から、今、特定承認保険医療機関というのが125ぐらいございますが、高度先進医療と いうのは、特定承認保険医療機関でしか実施できないわけです。そうであっても技術の 簡素化として、申請するだけですぐできるという、審査が必要でない、簡素化技術とい うのが、今、20ございます。それを広げる準備をしておりますので、そういうことをや っていきますと、特定承認保険医療機関の要件緩和も当然入ってきますから、どんどん 特定承認保険医療機関の要件を緩和していって、しかも届出だけでできるような簡素化 技術を拡大していきますと、そうすると最後は、ほとんどこれとマージしてしまうとい うふうに考えておりますので、本当に、私どももこちらに申請があって、これは明らか に、本当に先進中の先進だというのがあったら、そちらにお送りしますが、基本的に は、最終的にはマージして−構成員長も一緒ですので−全部ここでやろうというふうに 考えております。 ○北村構成員  わかりました。ありがとうございました。 ○猿田座長  今お話がありましたように、実際に私、やっていまして、どこまでが高度先進医療で どこまでが先進医療かという、そこのところは、たしかに非常に難しい問題なんです ね。ですからこれは、本部と一緒に相談しながらやっていきますということと、それか ら、いちばんの違いは、申請の出されるところが特定機能病院とか、今はそういうとこ ろから出ていますけれど、今度はそこをもっと幅広くして、いろんなところから出せる ようにしようというところが大きな違いです。ただ、技術的には非常に難しいので、そ れで各分野の専門家の先生方に入っていただいて議論をしていただくということになる と思います。 ○樋口構成員  国立精神神経センターの樋口でございます。この先進医療専門家会議において、有効 性、安全性を科学的に判断するというのが非常に大きな役割なんだろうと思いますが、 その場合の有効性、安全性の規準といいますか水準といいますか、そういったものはこ の会議の中で、取り決めがこれから行われていくと考えてよろしいのでしょうか。 ○猿田座長  はい、進め方その他、検討事項として、かなり、これからやっていきますよね。そう でないと、なかなか難しいところですので。どういうふうに届け出るかとか、そういっ たことも、これから議論させていただくということです。今日は第1回目ですので、大 筋でいろんな説明をさせていただいておりますけれど、今のところは非常に重要なポイ ントですから、これから先、やっていくということでお願いいたします。 ○笹子構成員  国立がんセンターの笹子といいます。既に保険として、保険医療で認められているも ので、たとえば胃がんの腹腔鏡の手術というのは認められているんですけれど、開腹手 術とまったく同じ保険の対象、同じ中身という形で認められている。ところが、エビデ ンスも不十分な部分もあるんですけれど、将来、どう考えても同じものとは思えない。 かかる経費だとか、そういったものも全然違うし、時間も違うし、同じものとは思えな い。そういった、既に保険で、変な格好で認められてしまっているけれどもという、そ れを是正するようなことも、将来的にこの内容に含むのかどうか。 ○医療課長  それはこの構成員会では対象といたしません。笹子先生が言われたようなものは、手 技といいますか手術の評価が不当に低いというようなことで、むしろ学会から出してい ただく、あるいは、それについてのエビデンスがなくて必要だと言われたら、むしろ吉 田先生の構成員会で、そういう調査をする予算がありますから、そのエビデンスを把握 するための調査を行う。この、どちらかの方法があると思います。 ○笹子構成員  ただ、今のような技術というのは保険で認める方向で行くよりは、むしろこういう位 置づけにしたほうがいいような技術というのが、いくつかあると思うんですけれど。い ろんな流れで、もう保険で普通に認められてしまっているけれども、実際はこういった 技術の位置づけをしたほうが、保険医療と併用できるようなものという位置づけのほう がふさわしいものがあるのではないか。たとえば腹腔鏡でやる前立腺の手術なんかは、 誰でもできる手術ではないし、そういう位置づけにするべきではないかという気がしま す。○医療課長 先生、あまり難しいことを言わないでください。それはちょっと厄介 ですので即答できかねます。 ○猿田座長  たとえば前立腺のほうの内視鏡的手術は、今、高度先進として扱っているんですね。 ○笹子構成員  ええ、前立腺はそうですけれど、胃がんの手術もあると思うんです。 ○猿田座長  おっしゃるとおりで、そのあたりはまた、今、たしかに課長が言うように、ちょっと 難しい問題も含んでいますので、先へ行って議論させていただくということになるかと 思います。 ○竹中構成員  医療技術ですので、あえて倫理性というのは問わないということになるんだろうと思 うんですけれど、申請する側は、院内の倫理規定をクリアしてから申請をするのか、そ れとも、ここで一定の結論が出てから、もう一度差し戻すんでしょうか。 ○医療課長  おそらく、医療機関で実施する場合には、やはり院内の倫理構成員会を先に通らない と、なかなか申請できないのではないかと思いますので。 ○竹中構成員  ということになりますと、この手続き論の前に院内手続きとしては倫理性をクリアす るんですよということですか。 ○医療課長  院内で実施する技術については院内の諸手続きをクリアしてもらわないと、私どもで は、ちょっと、どうしようもないですから。院内の手続きはそちらでクリアしていただ くということです。 ○猿田座長  たとえば今までの高度先進医療ですと、院内において専門家会議を開いていただい て、そこで承認されたものが出てくるという形をとっています。そこのところを、この 場合にはどうするかということは、ちょっとまた議論しなくてはいけませんが、一応、 やはり、そこの施設においてある程度議論してもらわないと困るということです。 ○金子構成員  国立成育医療センター形成外科の金子でございます。高度先進と先進の区別というの は、なんとなくわかったのですが、その下の、この先進技術と、あるいは学会から毎年 出している新設改正要望、あるいは外保連から出しているものと、その差はどういう形 になるのか、教えていただきたいと思います。 ○医療課長  そこも実は、ちょっと不分明なところがありまして、基本的に学会あるいはいろんな ところ、団体から出てくる要望は、たとえばそれが成育医療センターでしかできない技 術だということになれば、これはとても保険に入りません。つまり、どこでもできなく てはいけませんから。そういった面がありますので、それはしかし、そうするとこのよ うな対象になりますが、しかし、どこでもできるじゃないかといったら、むしろここで 議論するよりも、しかも有効性、安全性も確立されているということであれば、むしろ ここでご議論いただくよりも、むしろ学会とよく話をして、それでもう、いきなり保険 に入れるといった選択肢もあろうかと思います。 ○金子構成員  では、そういうチャンネルも残されていると考えてよろしいんですね。 ○猿田座長  他にいかがでしょうか。 ○田中(憲)構成員  やはりこれは、「先進」という言葉にこだわるんですね。やはり先進な技術だけを選 ぶというか。たとえば今までは、先進な技術でなくても保険審査されたものが、たくさ んあるわけですよね。たとえば難易度が高いとか。そうではなくて、ここではあくまで も先進技術ということにこだわって審議をしていくということが、この会議のスタンス と理解してよろしいんでしょうか。 ○医療課長  先進ということにこだわるかどうかということですが、何が先進かというのは、なか なか専門家の先生方によっても違いますし、先ほど笹子先生が言われましたが、誰でも できる手術ではないと言われれば、それは先進だという考えになります。しかし、今ま でずっと保険に入っていなかったので、それで出してくるというのは、なかなかご議論 も進まないのではないかと思っていますので、お答えとしては、やはり「先進」という ことを加味するということでよろしいかと思います。 ○佐伯構成員  そうなりますと、小児の領域というのは、たとえば内視鏡にしろ、成人のほうで先に 行われて一般化されてきたものが、それが小児の病気に転用されるといった場合もある わけです。そういうのは、技術としては必ずしも先進ではないんだけれど、小児には適 用されないという場合もありまして、そのへんは少し柔軟に考えていただければという ふうに思います。 ○医療課長  そこは先進に対する先生方の考え方だと思います。ですから、大人では既に普及して いるけれども子供は難しい−小さくて難しい、あるいは薬で言えば用法・用量がよくわ からないといったところで、やはり先進性があると先生方が判断されれば、ここでご議 論して、お認めいただいて結構だと思います。 ○佐伯構成員  わかりました。 ○永井構成員  東大病院の永井です。未承認の医療器材の使用が絡んでくるような場合は、どのよう に対応したらよろしいのでしょうか。 ○医療課長  未承認の医療器材につきましては、先ほどの薬と基本的には同じで、その医療器材の 治験が始まれば、その部分だけを患者さんからご負担いただくことによって、保険診療 との併用が可能になります。薬とまったく同じ扱いという理解です。 ○永井構成員  両方で審議するという形になるのでしょうか。技術プラス器材ということになってき ますね。 ○猿田座長  今まで、高度先進医療の場合には、両方の面から検討していたということです。非常 に高価な機械が出てきて、ある施設しかできないといった場合、両方の面でやっていま した。 ○医療課長  今、確認いたしました。そういうことをここで議論するかどうかも含めて、たとえば 2回目、3回目の会議のときにお決めいただければ結構です。 ○飯島構成員  皮膚科の飯島でございます。検査の扱いというのは、これはむしろ渡辺先生の管轄か もしれませんが、たとえば悪性黒色腫、ほくろのがんのときに5SCDという新しい腫瘍マ ーカーがあります。保険ではまったく顧みられていないんですが、これは転移がある場 合に非常に有用なマーカーです。たとえばこういうものを、一部、実費負担でやりたい というのは、まさにこの会議の趣旨かと思うんですが、そういうものの申請は医療機関 がやるわけですか、それとも検査会社がやるんでしょうか。 ○医療課長  申請できるのは医療機関だけです。 ○飯島構成員  ということは、自分で検査能力がないといけないということですか。外注では具合が 悪いんでしょうか。 ○医療課長  外注でも結構です。外注でもいいんですが、申請は医療機関です。 ○飯島構成員  わかりました。 ○坪田構成員  慶應大学の眼科の坪田です。先ほど未承認の器材ということが出てきましたけれど、 眼科領域でも、日本では承認されていないがアメリカのFDAで承認されているとか、CE マークを取っているというのが、かなりいろいろありまして、これは僕たち眼科の中で も、この会議に非常に期待されて、よく聞いてきてくださいと言われているんですけれ ど、それはたとえば、CEマークとかFDAの承認だったら、もう大丈夫とか、そういうよ うなことも、ここの会議でやるということですか。 ○医療課長  基本的なスキームは薬と同じだと思いますので、まったく未承認のもの、たとえばヨ ーロッパやアメリカで承認されていて、しかし日本では薬事法上承認されていないもの というのがあります。そういったものを、ここで使えるか使えないかというご議論はな かなかできないんですが、どこかの医療機関あるいは医師主導でその医療材料、医療器 材の承認のための治験をするといったことが始まれば、費用を取って保険診療と併用し てもいいというようなスキームはあるのではないかと思います。 ○渡辺構成員  さっき、外注の検査のことがあったんですが、ある医療機関からその検査を申請し て、外注検査もよいとなれば、外注の検査をやっているその技術だけが併用されるわけ ですか。それとも……。検査は院内検査と外注がありますよね。外注に出した検査は他 の医療機関でもOKということなんですか。 ○医療課長  そこの設定要件は、まさにここでお決めいただけばいいと思います。 ○渡辺構成員  そこは難しいですよね。 ○医療課長  両方いいとするのか、だめとするのかは、ここでご議論いただければと思います。 ○坪田構成員  しつこくて申し訳ありませんが、もともと、この混合診療問題が出たのは、主として 保険診療にならない技術や治療が使えないからというふうに、自分では理解しているん ですが、たとえば企業なんかでは、これは利益にならないからだめですよ、と。だけど 非常に限られた人には使えるようなものもありますよね。そうすると、どうなんでしょ うか、治験をやらない限りこれにはかからないというふうにしてしまったら、この会議 がすごく狭いものになってしまうような気がするんですが。 ○医療課長  簡単に言いますと、この会議が、今、動いている薬事法を超えてはできないんです。 簡単に言うと、そういうことです。つまり薬事法の承認には乗っているけれども、まだ 途中にあるといった場合はここでそれをお認めいただくことはできますが、まったく承 認申請をしないで、その部分だけ費用を取って使うということは、なかなか想定できか ねるということです。 ○坪田構成員  でも、医師の裁量権によって、たとえばFDAの認可のものを、まったくの自費で使え ますよね。実際にやっているわけですから。 ○医療課長  はい、まったくの自費では使えます。 ○坪田構成員  そこの部分を救うというのは、この会の目的にはないんですか。 ○医療課長  この会議の目的にはありません。 ○佐伯構成員  細かいことで申し訳ないんですが、この構成員の専門分野というところには、小児科 というのはあります。その小児科というのは、一般的には小児内科を指すわけですが、 小児には外科系の小児特有の病気もあり、小児特有の技術もあります。私は小児科分野 の専門家ということでここにいるんですが、小児外科系のことについても専門家という ことでよろしいんでしょうか。 ○医療課長  はい、これは小児すべてを先生が代表するということでご理解ください。 ○佐伯構成員  わかりました。安心しました。 ○猿田座長  他にいかがでしょうか。今日は何でも意見を出していただければと思います。 ○寺岡構成員  今のご議論の中で、入口のところの議論は非常にいろいろと出てくるんですが、実 際、併用が始まったり、あるいは場合によってはといいますか有効性、安全性、それか ら普及性、効率性が認められて、保険に導入されるという運びになる前に、届出をやる ということになっていますけれど、いわゆるアウトカムのところの評価というものを、 どのようにしていくかということを、かなり議論しておかないと、どんどん増えていっ てしまって、実際にはあまり有効ではないものがそのまま生き残ってしまうというよう なことが起こり得るわけです。そのために届出とかそういうことをやるわけですが、そ このところの評価の方法を、やはり議論しておく必要があるのではないかと思います。 ○猿田座長  そこはまだこれから議論することになります。非常に重要なポイントですので、これ から先、議論をしてそこのところを決めていく予定になっています。 ○寺岡構成員  それからもうひとつ、もう皆さんがご承認になったことですが、この構成員の中に医 療経済の専門家を入れてはどうかという、北村構成員からのご意見は、もっともなご意 見でもあるかと思うんですが、この要項の中で、新しい技術の有効性、安全性、あるい は先進性というものを科学的に評価するという、第一義的な意義があると思うんです が、そこに医療経済を考慮するということは、いわゆる効率性というようなところに関 わってくるんでしょうか。ちょっと、議論のレベルが違うような気がするんですが。 ○医療課長  おっしゃるとおりです。ここは技術を審査するところですので、先生がおっしゃると おり、そのようなことになろうと思いますが、おそらく北村先生が言われたのは、私ど もの理解では、効率性といっても、たとえば今、10日入院してやっている手術を、今 度、2日でできる新しい技術が出てきたとします。その事象だけを見れば安いのかもし れないけれど、トータルでどうなるのかというような話を、全体を見ながらご議論いた だける方がいたほうがいいということだというふうに理解しております。ですから、で きればMDで経済もわかる人というふうに考えております。 ○寺岡構成員  そのへんは十分よくお考えいただく必要があるだろうと思いますので、よろしくお願 いします。 ○笹子構成員  国立がんセンターの笹子です。全体の方向として、たとえば今、内視鏡的粘膜切除− 最近、粘膜下層切除と言われているようなもので、普通の人だと2〜3センチの切除が できるんですが、それを10センチぐらいやるテクニックというのがありまして、これは どう考えても、誰でもできるものではない。ただ、今は全体の流れとして、みんなでで きる方向を、みたいな流れもあるんですけれど、でも、絶対それは、まず不可能だし、 そっちへ行かないほうが患者さんの安全のためになると思われるような技術があるわけ です。今の保険のシステムですと、みんなそういうふうな方向でいろんなことが来てし まったという部分があるので、そういったものは、はっきりと、もう、こういうところ で、混合診療といいますか、こういう形でやっていくほうがふさわしい技術と、皆さん に普及してやっていったほうがいい技術というのを、どこかで先に向かって……。上が ってくるのを待っているだけでいいのかという問題です。申請してこないと、こういう ことは、ここには出てきませんよね。 ○猿田座長  ありがとうございました。非常に大切なところかと思いますけれど、事務局のほうか ら何かご意見はございますか。 ○医療課長  いえ結構です。 ○猿田座長  いろんな点で、たしかに議論していかなくてはいけないことが、いくつかあると思う んですけれど、一応、次に進ませていただいてよろしいでしょうか。 5.検討事項について ○猿田座長  続きまして、これからの検討事項に関しまして、これも事務局のほうからご説明をお 願いします。 ○医療企画官  資料の先-5-1、先-5-2、それからそのあとに1枚紙で先-6というものがござい ますので、この3つを用いてご説明させていただきます。  まず、先-5-1でございますけれど、検討事項ということで、1枚紙で6項目ほど書 いてございます。これから先生方に、いろいろとご意見をうかがいたい部分と、ご検討 いただきたい部分として、事務局として掲げたものがこちらでございます。先進医療に 係る届出書の様式について。先進医療の科学的評価方法について。実施医療機関の要件 設定について。先進医療の実施状況報告について。保険導入に係る技術的問題の検討に ついて。そして、その他ということでございます。先ほどからの先生方のご質問にも、 既に触れられている部分がいくつかあろうかと思います。  具体的なことについて、事務局としてのご説明に入ります前に、資料の先-6をご覧 いただきたいと思います。全体的なスケジュール感でございます。今後の予定と書いて ございますけれども、本日、5月9日が第1回の専門家会議でございまして、一応、6 月中に先進医療専門家会議を、第2回目と第3回目、あわせて2回ほど開催することを 予定しております。この第2回、第3回の中で、本日また先生方からいただく様々な議 論も踏まえまして、さらにここに書いてあります検討事項について、2回、3回のとこ ろで議論を深め、そして集約化を図っていきたいという形で考えております。そして6 月の下旬には、先進医療に係る届出書の提出方法等についての公表ということで、一 応、6月の下旬を目途にして、この会議における今後の進め方ということについて、基 本的なところが決められるということを目標としております。そして7月以降、具体的 に先進医療に係る届出書の受付開始ということで、両大臣の合意を踏まえた取り組みと いうことでの具体的なところが始まる、そういうスケジュール感でございます。  それでは、本日ご検討いただきたいことにつきまして、事務局のほうでいくつか資料 を、検討に資するという観点からご用意しておりますので、それをもとにいくつかご説 明させていただきます。資料の先-5-2をご覧ください。参考資料として1から8まで を添付してございます。具体的にこれに基づきまして、ご説明をさせていただきます。  まず、検討事項の1でございます。「先進医療に係る届出書の様式について」の関係 について、まずご説明をいたします。参考資料1をご覧ください。本日、ここにお示し しております参考資料の様式とか考え方は、高度先進医療に実際に使われているもの を、これからの議論のたたき台ということでお示ししておりますので、そういった観点 から、まず、高度先進医療専門家会議の概要について、これは先生方は既にご承知かと 思いますので、あまり詳しくはご説明いたしませんけれども、先ほどからご説明があり ますように、高度先進医療制度というのは、新しい医療技術の出現や医療ニーズの多様 化などに対応することを目的として創設されたものでございまして、高度先進医療に係 る療養のうち、一般の療養の給付と同等な基礎的診療部分については、特定療養費とし て保険給付を行うということでございます。  承認にあたっては、まず、医療機関について特定承認保険医療機関としての適格性を 審査・承認するとともに、技術についても医療機関ごとに個別に審査を行っているとい うことでございまして、その具体的な手続きについては、中医協のもとに、先進医療に 関し学識経験を有する専門家により構成される専門家会議において、専門的な検討を行 ったうえで、中医協にて審議し、承認することとしているということでございます。  具体的な実施状況は、そういうことでございますので、ここに(1)〜(3)として 掲げてございますが、特定承認保険医療機関の承認に関すること、そして高度先進医療 技術についての承認に関すること、さらには高度先進医療技術の保険適用等に係る評価 といったことを、高度先進医療専門家会議−猿田先生が構成員長でございますけれど も、そちらのほうでやっていただいているということでございます。この専門家会議で 用いられている様々な様式を、とりあえず、先生方の今日のご議論の参考に資するとい うことで、おつけしておりますので、以下、それについてご説明をさせていただきたい と思います。  参考資料2をご覧ください。こちらが、いわゆる申請に係る関係の書類でございま す。先ほどもご質問等がございましたけれども、これもページ数が10ページ強にわたっ ております。まず1枚目の紙のところでは、承認しようとする高度先進技術の名称と、 そして医療機関の概要というようなことが示されておりまして、2ページ目には、高度 先進医療技術の主な内容ということでございまして、名称、適応症、主な内容というよ うなことを記述する欄がございます。3ページ目には、当該医療機関における実績を記 述していただくという形でございまして、有効性が認められた事例を、全体として5例 以上記入してくださいという内容になっております。  4ページ目は、文献リストということで、当該技術について、どういう内容のもので あるのか、それから有効性を評価した原著論文、さらには当該医療機関における実績に 基づく論文または報告書、その他参考となる論文ということで、科学的な状況というも のを、文献リストとしてご提示いただくという形になっております。5ページ以降が、 当該医療に関する費用に関係する部分の様式でございまして、まず5ページのところは 全体としてどのくらい経費がかかったかということを、典型的な症例1つを選び出すこ とで、保険者の負担、被保険者の負担、特定療養費、高度先進医療に係る費用等々につ いて、全体像を記入する形になっております。  6ページから7ページのところは、その細かい内訳をお示しするような内容になって おります。6ページのところにもありますけれども、薬事法の承認番号等もこの中で求 めているというような状況になっております。それから8ページが、医療機関における 実施体制のことをお聞きしているものでございまして、実施科、実施体制ということに ついてご記入いただくという形になっております。それから9ページが、この特定承認 保険医療機関の承認要件といたしまして、そこで行われる技術について、医療機関内に 専門構成員会を設けて、そこで内部的に検討をするということが、ひとつ、要件として 入っておりますので、そこでの議論ということを、ここのところでお示しいただく。専 門構成員会の意見という形になっております。  それから10ページですけれど、他の特定承認保険医療機関等との連携体制ということ で、特定承認保険医療機関は要件として非常にハードルが高い部分もありますので、他 の医療機関との連携により、そういったところも一部クリアできるという形になってお ります。患者さんの容態急変時などにおける連携先の医療機関等々について、記入を求 めるような内容になっております。それから11ページ、最後になりますけれども、先進 医療の実施をする診療科などが変更になった場合、実施体制に変更が行われたような場 合には、高度先進医療の変更承認申請書ということで、内容に変更が生じた場合には、 そういった届出を出していただくという形になっております。1番の、先進医療に係る 届出書の様式の関係につきましては以上でございます。  ざっと流して説明させていただきたいと思いますが、次に2の、先進医療の科学的評 価方法についての関係でございます。これはお手元の参考資料3と4でございますけれ ど、まず、参考資料3をご覧ください。これも先ほどご質問があったかと思いますけれ ども、承認する際の規準についてということで、高度先進医療につきましては、ここに お示ししておりますように1から6までありまして、1のところで高度先進性というこ とが示されております。以下、有効性、安全性、社会的妥当性、検討の必要性、除外と いった点を規準として検討が行われるという形でございます。  次に参考資料4をご覧ください。これは高度先進医療の審査の流れということで、先 ほど、先進医療についても流れの概略をご説明いたしましたが、高度先進医療では、こ のような流れになっているということでございます。真ん中のところをご覧ください。 審査にあたっては担当構成員3名、うち技術2名、保険担当1名による事前の書類審査 という形で行われているということでございまして、高度先進医療の専門家会議の構成 メンバーとしては、技術担当16名、保険担当3名の構成員の先生方で議論をしていただ いているということでございます。  続きまして3になりますけれど、「実施医療機関の要件設定について」の関係につい て、ご説明をさせていただきます。参考資料5でございます。これは特定承認保険医療 機関の承認要件についてお示ししたものでございます。ここで一つひとつ読み上げるこ とはいたしませんけれども、特定承認保険医療機関の場合は、病床規模といいますか医 療機関の規模や、それから当直の体制なども含めまして、かなり高い水準のものが要求 されているということで、こういう水準を承認の要件として、承認をしているというこ とでございます。  それから、参考資料6でございます。これはまったく具体的な中身のところはお示し してございませんけれども、仮にここでご審議いただく先進技術の要件の例として、案 としてお示ししたというものでございます。項目といたしましては、たとえば技術担当 の医師の要件や施設の人員の配置体制、それから技術施行施設の設備要件、その他の体 制の要件というようなことが考えられるのではないかということで、事務局として、た たき台のたたき台をお示ししたということでございます。したがいまして、必ずしもこ れに囚われる必要はありませんが、一応、このようなイメージのものを、今後、検討し ていく必要があるということでございます。  それから次が4番目の項目になりますけれども、先進医療の実施状況の報告について ということで、これも先ほど、どういうふうに報告がなされてきて、アウトカムをどう いうふうに評価していくのかというご質問、ご意見がございましたけれども、それに関 係する部分でございます。参考資料7でございますけれども、こちらのところで、高度 先進医療につきまして、このような形で行われているというものをお示ししてございま す。固形癌と固形癌の治療以外のものという形で大きく2つに分かれておりまして、そ れぞれ総括表、そして3ページ以下になりますと、今度は個別の実績報告という形で構 成されております。  それから5番目の部分ですが、保険導入に係る技術的問題の検討についての関係でご ざいます。お手元の参考資料8をご覧ください。高度先進医療技術についての保険適用 の流れというのは、こちらにお示ししたようなフローチャートに乗った形でございま す。毎年の実績報告を踏まえまして、専門家会議で保険適用の適否を検討していただ き、診療報酬の改定時に具体的な保険適用なりが行われるというのが基本的な枠組みで ございます。その際には、高度先進医療専門家会議におきましては、技術の普及性、効 率性、有効性、安全性、技術的成熟度などを勘案して、改定時に保険適用の可否を決定 するという流れになっております。2ページのところは、高度先進医療を保険導入する にあたっての考慮すべき事項ということで、今申し上げた5つの点が、専門家会議の合 意事項としてなされているということをお示ししたものでございます。  最後の3ページ目で、具体的には、それはどういうふうに判断しているのかという部 分でございますが、高度先進医療の保険導入などに関する調査の規準ということで、こ ちらにお示ししたような形で、もう少し具体的にブレークダウンをした形で、それぞれ の評価がなされているということでございます。事務局からの説明は以上でございま す。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。駆け足でしたけれど、全体的な流れを、高度先進医 療のところを中心として説明していただきました。どなたかご意見はございますでしょ うか。今、ざっと読んだところでは、細かいところまでおわかりいただけたか……。 ○越智構成員  参考資料8に関連するかと思いますが、私どもの今までの感覚から言えば、先進では あるけれども、実際上の医療分野でのニードが、うまくいけば非常に高いだろうという のは、高度先進という申請よりも、むしろ地道に保険診療、新規の保険適用を申請して いったほうがいいのではないかなあという感覚で思っていたんですけれども、たとえば 今のこの先進医療、高度先進ではなくて先進医療のこの会議というのは、先ほどからデ ィスカッションに乗っているように、たとえば薬品にしろ技術にしろ、いわゆる治験が 始まればこれに乗せていい、と。そして将来的に新規の保険適用への道があるとした ら、ここに申請することによって、むしろ保険適用が遅れるのではないかという懸念は 持たなくていいのではないか、と。どちらなのかなあというのが、わからない部分があ るんですけれど、そのあたりはいかがでしょうか。 ○保険医療企画調査室長  保険医療企画調査室長の堀江でございます。これはいちばん最初のところの話なもの ですから、そもそも、この混合診療の話があったときの−猿田座長を前に何ですけれど −システムとしての高度先進医療というのが遅いという話があったわけでございまし て、先ほどのペーパーの中でも、資料でいきますと、たとえば先-3-3の6ページのと ころ、先ほど麦谷課長のほうから説明申し上げたところで、少し、時間の関係で飛ばし た部分でございますけれども、最近、だいぶ高度先進医療のほうも早くなってきていま すけれど、審査に要する期間が1年ぐらいかかるし、そのあとの道筋も見えないという ようなこともあったということで、そこに対して規制改革・民間開放推進会議のほうか ら、ある意味で、一定水準以上の医療機関にはすべて、どんな技術でもやっていただい ていいのではないかという中で、そこではしかし、個別に安全性や有効性などを見ず に、事後後追いで行ったために医療事故が起きてからそれを禁止するようなことになる のでは、おかしいのではないかということで、今回の、先進技術の枠組みというのがで きてきたのだと思っておりまして、それで今のところの6ページを見ていただきます と、届出により実施可能ですということですし、3か月以内に回答をして、少なくとも 新たな意味での制度的な混合診療−制度的なという言い方をさせていただきますけれど も−制度的な混合診療の枠組みには、乗る技術、乗らない技術というのを、迅速に判断 していただけるような仕組みになれば、国民の医療への要望に早く対応してほしいとい う要望に応えられるのではないかという話になったところでございまして、そういう意 味で、今、越智先生がおっしゃったとおりだと思います。  それから、たいへん失礼ですけれど、未承認医薬と、それから未承認医療用具の部分 というのは、実は限界線というのがいろいろあるなあと、さっきから聞きながら、いろ いろ思っているわけでございますけれども、一応、分けてございまして、先ほどのもの で申し上げますと、2ページのところに国内未承認薬の使用という枠組みがあって、そ れが大きな1つ目の柱ですというお話をさせていただきましたけれども、医療器具の部 分も同じように、治験に入れば、いわゆる、今で言うところの選定療養の枠組みの中に 位置づけられるわけでございまして、できるだけそれも、この治験というのが進みやす いようにしていくということで、大きな方向では、こちらのほうで対応しているという のが、今の枠組みでございます。用具と技術と薬とを、バラバラにできないではないか という部分について、いろいろとまたご議論いただかなくてはいけない部分があるなあ と感じつつも、理念としてはそういうふうに、医療機器なりは、この未承認薬の部分に 近い形で整理しておりますし、それから、先進技術の部分を、この先進医療の専門家会 議のほうでお願いするような枠組みで、頭の整理をしてまいりました。現実に、ややオ ーバーラップする部分があるというのは、よくわかっております。 ○猿田座長  ありがとうございました。 ○笹子構成員  今のご説明に関しての質問ですが、実際に高度先進医療の中にあるもので、早期癌に 対する腹腔鏡下センチネルリンパ節なんとかという、このセンチネルリンパ節というの は、薬を使っているはずです。それで、未承認のものではないかと思うんですけれど。 その場合、技術と1対1に切り離せない形でくっついていますよね。こういうものは、 どういう考えで行くんですか。高度先進のほうで、現実的にはどう考えて、やってこら れているのか。 ○猿田座長  事務局からお願いします。 ○医療課企画官  今、医薬品の問題、それから用具といいますか医療器具の関係のご質問がいろいろ出 てきていると思いますので、その点につきまして、また、先生方にわかりやすくご理解 いただけるよう、事務局のほうで資料を整理いたしまして、次回にご説明をさせていた だくという形で対応させていただければと思います。先生方のほうからは、この場で は、今おっしゃったような形での、様々な課題や問題点を、むしろ、ご意見として私ど ものほうに賜れれば幸いかというふうに思っております。 ○猿田座長  今、笹子先生からお話がありましたように、たしかに試薬が出てくるんですね。やは り何例か検討していただいて出てきて、一応、そこのところでは、安全性は大丈夫だと いうことで、高度先進医療としては認めたということだったんですが、その点は、これ から、やはり議論していかなくてはいけないと思います。ありがとうございました。 ○寺岡構成員  治験のことに関してですが、私、未承認薬の治験に関する検討構成員会にも出ており ますけれど、初回あるいは2回目の総論的な議論のところで、このシェーマにある、こ の仕組みを、薬だけではなくて医療用具に関しても適用するという議論はどうするのか ということは、その構成員会でも協議になりました。そのことに関しましても、今、事 務局で触れられましたように、この仕組みの中で検討するようにしていきたいというよ うな話はありましたけれど、具体的に医療用具を、この同じ構成員会でやるかどうかと いうことについては、まだ、はっきりした方針は出ていませんよね。しかしそこは大き な空白になっていますので、ぜひ、この保険局と、それから医薬局のほうとの連携をや っていただいて、それをどのような仕組みでやっていくのか、今後、どの仕組みの中に 入れていくのかということを、ぜひ、早く決めていただきたいと考えております。 ○医療機器審査管理室長  医薬食品局医療機器審査管理室長の山本でございます。今の先生のご指摘のとおりで ございまして、基本的に同じスキームで対応していくというのが、まず、方針でござい ます。ただ、まだ未承認薬ほどには、医療機器については、具体的にどのようなものに ついてやっていくかというところまで議論が詰まっていないのが現状でございまして、 それにつきましては、今後、この構成員会におけるご議論も踏まえながら、また次回、 その整理について、私どもからもご説明を申し上げながら進めていきたいというふうに 考えております。 ○猿田座長  ありがとうございました。全体的に他にご意見はございませんでしょうか。 ○北村構成員  高度先進医療のほうの保険との併用を混合診療という言葉を使わずに特定療養費とい う制度でやっていますが、この、必ずしも高度でない先進医療のほうも、やはり特定療 養費という形でまとめられるんですか。 ○保険医療企画調査室長  保険医療企画調査室長の堀江でございます。先ほどの資料をご覧いただければと思い ます。先-3-3の9ページ、10ページのところですが、先ほどは時間がなくて、そこま で説明が行き届かなかったかもしれません。申し訳ございませんでした。まず、9ペー ジをご覧いただきますと、改革の手順と書いてあるところがございます。要は、提起さ れている具体的事例について、まず、現行制度の枠組みの中で対応しますというふうに ございます。できるものから順次実施し、17年夏までを目途に実現。ただし未承認薬の 使用に係る施策については、16年度中に必要な措置を講じますということで、寺岡先生 も入っていただいている未承認薬のほうは、早くに、1月から動き出して進めておりま す。さらに現行制度について、将来的な保険導入を前提としているものであるかどうか といった観点から、名称も含め、法制度上の整備を行うとして、平成18年の通常国会に 提出を予定している医療保険制度全般にわたる改革法案の中で対応というふうになって おりまして、次の10ページをご覧いただきたいと思います。  この下半分のほうに絵がございます。現行のところでいきますと、真ん中の左のほう に高度先進医療がございます。今、高度先進医療は特定承認保険医療機関ということで 法律事項に既に入っております。それから右のほうにある選定療養も、今、法律に入っ ているわけでございます。そこに今回、必ずしも高度でない先進技術ということで、 今、この会議が中心的に見ていただく部分が左の「○」でございます。それから先ほど 寺岡先生からご紹介いただきました国内未承認薬の部分が真ん中の「○」でございま す。それに、先ほど麦谷課長のほうから、3つの柱と申し上げた、制限回数を超える医 療行為の部分が右のものでございます。今は、高度先進医療の部分は特定療養費制度の 中に入っておりますし、今回のこの先進医療については現行の法制度の中で、先進医療 という枠組みはないわけですので、そこは、いわばいちばん右にある選定療養−差額ベ ッドとか、いろいろございますけれども−の一類型として位置づけまして、当面、行か せていただきます。それはなぜかというと、早く国民のニーズに応えられるようにする べきだという要請に基づくものでございます。  ただし、高度先進医療があり、それから選定療養の中に先進医療があり、あるいは未 承認薬の問題がありといったようなものというのは、便宜でやっているようなもので、 言ってみれば、今、13種類ですか、選定療養の枠組みに入っているものというのが追加 されていって、便宜に便宜を重ねていくようなもので、体系がややいびつになってきて おりますので、そこを、下のほうにある見直し後というところに、次期医療制度改革の 中で再整理をいたしまして、保険導入検討医療(仮称)のほうに、高度先進医療と、必 ずしも高度でない先進医療というのを、あわせて位置づけて−実はあわせまして、治験 の関係もそうですが、その保険導入を検討する医療でございます、と。保険導入のため の評価を行うものでございます、というふうに位置づけさせていただこうということで ございます。  ここまで来ますと、先ほど麦谷課長のほうから申し上げましたように、課長はマージ という言葉を使っておりましたけれども、高度なのか、必ずしも高度でないかというと ころの線引きの議論を重ねていく実益というのは、あまりなくなってくる。その下の、 こういうスキームを使わずに保険に入る、入らないの話は残りますけれど、高度か高度 でないかという議論の実益がなくなってくるようなものに、ゆくゆくは持っていくとい う話でございます。 ○猿田座長  ありがとうございました。今、最後にご説明いただいたとおりでございまして、高度 先進では非常に時間がかかりすぎている。それから保険に持っていくかどうかのほう も、1年に1回の議論でやっていて、非常に遅かったわけです。それを少しでも早くし ていかなくてはいけないということで、この会議ができあがって、いずれは、この2つ は一緒になっていくだろう、と。要するに、早く国民に戻さなくてはいけないというこ とが、いちばんのポイントでございます。 ○寺岡構成員  ちょっと今のご説明はわかりにくいなあと思うんですが、制度上、先進医療というの はないから、法的整備ができるまでは、選定療養として扱うというふうにおっしゃいま したね。ということは、未承認薬のことを例に引いて恐縮ですけれど、ちょうど治験を やるのと同じように考えて、一定期間、治験ではないけれども、この選定療養という枠 組みの中で扱って、やがて下のような法の中にきちんと定義する、そういう意味です か。 ○保険医療企画調査室長  今、そのように申し上げました。 ○寺岡構成員  そうですか。 ○笹子構成員  僕もちょっと、今のお話は、制限回数を超える医療行為というようなところの話が選 定療養のところに、みたいな話だったんですけれど、必ずしも高度でない先進技術とい うのも、保険適用よりは選定技術のほうが向いているものもあるという考えでいいんで すか。そういうのも実際にあると思うんですけれど。 ○猿田座長  そのあたりは、どうでしょうか。 ○笹子構成員  たとえば未承認薬でも、僕はそうだと思うんですけれど、1万人対1万人なんかの RCTで2%勝ったとかというと、ものすごい高い薬、月に100万円もの薬剤費がかかるよ うな薬で、1人の人を助けるのに5,000人分を全部払うというような医療なわけです。 そういった方向で承認されている薬があって、アメリカなんかではもう、結構、薬がそ んな方向で動いている。だからそうではなくて、選定医療でいいというのが、薬でもた くさんあると僕は思うんです。医療技術でもあると思います。コスメティックな−たと えば腹腔鏡の手術というのは、コスメティックなメリット以外は、半年もしてしまった ら、ほとんどないという部分もたくさんありますよね。だから、そういうようなものの 考え方から、必ずしも先進技術は全部、保険を目指しているということではないのでは ないか。薬剤も同じだと思うんです。 ○保険医療企画調査室長  先進医療のこの会議のフレームで入ったものについて、その実績を見ていただいて、 評価をいただいたうえで保険導入をするのかしないのかというのは、やはりご議論いた だくのだと思います。すべてが一直線に行くものではないという意味では、先生がおっ しゃったことと一緒でございます。 ○笹子構成員  もう一言よろしいでしょうか。そういう誤解が生じるので、私はその選定療養という ものの中に一時的に入れるというのは、非常にわかりにくいと思うんです。このやり 方、仕組みというのは、私、今初めてこの場で聞いたんですが、そうではなくて、やは り、とりあえず保険導入検討医療(仮称)となっておりますけれど、その扱いで、ここ で保険医療との併用を認めて、そのあと、保険導入に決めるかどうかということを検討 するというステップになるのであって、その間は、選定療養に入れないと扱えないとい うのが、どうもよくわからないと思うんですが。 ○保険医療企画調査室長  説明が拙くて申し訳ございません。今の健康保険法上の仕組みの中で、こういう新し い先進技術についても、基礎的な部分は保険で見ていただきながら、その先進技術の部 分については自己負担でいただくというものを、どのように−法改正が実現する前の段 階でもできるか、7月から受付が開始できるかというようなことの便宜の話だけを申し 上げて……。 ○笹子構成員  いえ、でもそれはおかしいんじゃないですか。今はまだ、今の制度では特定療養費制 度というのが残っているわけですから。それを適用すればいいんじゃないですか。 ○保険医療企画調査室長  すみません、それは特定療養費制度を適用するという意味でございます。技術の話に はまって申し訳ございませんけれど、特定療養費制度の中に、高度先進医療と選定療養 がございますという外枠まで決まっているものですから、その中であえて位置づけるな らどこですかという話を申し上げただけでございまして。 ○笹子構成員  ですから、なぜ特定療養費制度ではいけないんですか。 ○保険医療企画調査室長  特定療養費制度で結構でございます。先進技術は、特定療養費制度の一類型になると いうことでございます。 ○笹子構成員  そうですよね。 ○猿田座長  現時点ではそれで行かなければいけないわけですからね。 ○金子構成員  国立成育療養センター形成外科の金子でございます。高度先進医療承認状況一覧とい う資料が参考資料1の中にありますけれど、この医科の中で、実は形成外科の「顔面 骨、頭蓋骨の観血的移動術」、これが昭和60年11月1日と、いちばん古いんですね。こ れはもう、全然、高度先進でも何でもなくて、大学病院ならどこでもやっているような ものです。ところが、これが7施設しか申請していないということの理由のひとつは、 患者さんの多くが小児であるために、この差額といいますか、保険外の費用負担を求め にくいというようなことがあって、多くの施設がこれを申請しなかったというような経 緯があります。要するに、このシステムで新しい医療が提供できるというのはいいので すけれど、小児の場合は問題が多いと思います.どれぐらいのスパンで保険適用になっ ていくかという見こみを、その目安を教えていただきたいと思います。 ○猿田座長  そこはこれからの議論のことかもしれませんけれど、ご意見はございますでしょう か。 ○医療課企画官  高度先進医療のほうにつきましては、先ほどもご説明いたしましたが、実績報告があ がってきて、それを踏まえて構成員会の中で評価をして、そして2年に1度の改定で反 映をされるという仕組みになっております。先進医療につきましても、今後また、具体 的な仕組みについては、ひとつの参考としてそういうやり方がありますけれども、より 迅速にというような観点から、また先生方のご意見をお聞きして、よりよい形につくっ ていくということになろうかと思います。 ○猿田座長  今、先生からご指摘のあった他にも、類似したものがいくつかあるんですね。そこは 今、議論されているところです。 ○寺岡構成員  今の規準のところですが、資料3に、高度先進医療技術を承認する際の規準というこ とで1〜6とあります。先進医療の専門家会議では、高度先進医療と同じ仕組みになる のかなあとは思いますが、保険診療と併用するといいますか、最初に認めるときの要件 と、それから保険に導入するかどうかということを検討するときの規準というのは、ま ったく同じ項目でやるんですか。そうではないですよね。最初から効率性とか経済性と いったものを考えて、保険診療との併用ということを議論するんでしょうか。ある程度 使ったうえで、それを保険に導入するかどうかというときに、あらためて、そのような 問題が起こってくるのかなあと思いますので、両者は同じ規準ではないのではないかと いうふうに思うんですが。 ○医療課企画官  一般的に申し上げまして、今、先生がおっしゃるとおりだと思います。先進医療のほ うに導入する際の規準というものと、それから、それが保険適用にされる部分の判断の 基準というものは、違ってしかるべきだというふうに思っております。具体的なところ は、まさにこういった場で、先生方のご議論を踏まえて、そういった規準なり考え方と いうものをつくっていただくということになろうかと思いますけれども、現状はまさに そういうことであろうかと思います。 ○寺岡構成員  文章の中に、効率性というのが入っているところと、入っていないところとがあっ て、場所によって記載が不ぞろいだと思いますので、そのへんは統一しておかないと混 乱が生じるのではないかと思います。 ○猿田座長  ありがとうございました。 ○坪田構成員  対象とするものは、一応、先進医療技術ということで、「技術」が非常に前面に出て いますが、これは一応、先進医療ということで、眼科の中で、ちょっとスペシフィック な質問になってしまうんですが、海外ドナー角膜というのが、混合診療ができないとい うことで、今、非常に問題になっておりまして、そういうふうなシステムなども、この 対象にはなるんでしょうか。技術とは言えないんですが……。 ○猿田座長  これは具体的にまたこの場での議論になるんじゃないでしょうか。 ○坪田構成員  ですから、技術だけではなくてシステムとか、そういう……。一般論でもいいんです けれど。 ○医療課企画官  ちょっとこの場での即答は、なかなか難しいので、先生のほうからそのようなご意見 があったということで、またこれからの、事務局のほうの検討とさせていただきたいと 思います。 ○猿田座長  よろしいでしょうか。これは大切なことですので、先へ行って議論させていただきた いと思います。 ○坪田構成員  構成員の1人としては、希望は、そういうニーズがありますので、技術だけに限定し ないで、国民のニーズということで、広くとらえていただければ、たいへんありがたい なあとは思います。 ○飯島構成員  ひとつ、保険導入のルールのところで憂えるのは、たとえば特定療養費として、患者 さんの自己負担で新しい技術が導入され普及したとします。医療経済から考えると、今 度それが保険導入されると、医療経済を非常に圧迫するということが将来考えられる。 そういう場合には、どのようなことが予想されるか、保険導入について事務方はどんな ことを考えておられるのか、ちょっとご意見をお聞かせいただければと思います。 ○猿田座長  それは非常に難しい問題だと思います。これから先へ行って、そこがいちばん問題に なりますから。これはまた、やはり、皆様方と議論していくことではないでしょうか。 私はそう考えますけれど。保険医療ということでは大切な問題ですから、やはり先へ行 っての議論ということではないでしょうか。  今日は全体的に、どういう会議であるかということと、どういうことを目的にしてい るかということ、そのあたりをよくおわかりいただいて、具体的にはその次のところ で、さらに一歩進んで議論していく。やはり、ここの議論の場で、皆様方につくりあげ ていってもらいたいということですね。実際に私、高度先進医療をやっていましても、 非常に問題があるわけです。保険導入も非常に遅れていますし、その点でやはり、皆様 方のように、それぞれ専門の先生方に入ってもらっているんですが、なかなか、その専 門の先生がカバーしきれないわけです。やはり非常に幅広いですから。そこを、ここで 皆様方とこれから議論しながら、一定の形のものをつくりあげていきたいというふう に、私は考えておりますけれども。 ○笹子構成員  評価の方法とか、先ほども出ていたアウトカム評価等に関しては、もう、過去の高度 先進医療技術というのは、ほとんどされていないので、まったくこういうのを頭に置い て考える必要はないと考えていいんでしょうか。 ○猿田座長  ここでのこととして考えていかなければいけないと思います。他にないようでした ら、そろそろ終わりの時間が近づいてまいりました。この次のときには、とくに届出の 様式など、その他、もう少し細かい点を議論して、先ほどお話がありましたように、7 月までに、ともかく体制をつくりあげなければいけないということで、先生方からご議 論をいただきたいと考えております。今日、いろんな資料が渡されましたけれど、もう 少し、資料をよくご確認いただきまして、この次までに、また意見がありましたら、い ただきたいということと、それから、この次は、もう一歩進んだ議論をさせていただき たいと思っておりますのでよろしくお願いいたします。事務局から他に何か追加するこ とはございますでしょうか。 ○医療課企画官  それでは、今後の予定につきまして、事務局からご説明したいと思います。次回の開 催につきましては、6月2日の木曜日を予定しておりまして、時間は15時から17時、本 日と同じ時間帯でございます。会場につきましては、現在、調整中でございますので、 決まり次第、追って連絡をさせていただきたいと思います。以上でございます。 ○猿田座長  どうも皆様方、お忙しいところをありがとうございました。第1回目の会議をこれで 終わらせていたあだきます。どうもありがとうございました。                                     (了)       【照会先】        厚生労働省保険局医療課医療係        代表 03−5253−1111(内線3276)