第2回検討会において、看護師資格を持たない保健師、
助産師の看護業務に出された主な意見

(患者の視点)

 看護師資格を持たない保健師、助産師が、看護師として働いているという実態を知らなかった。驚きである。

 看護師資格を持たず保健師、助産師でも看護師の仕事ができるということが、仮に医療現場で常識になっているとすると、患者の不信をあおることになる。医療消費者の権利意識の高まりを踏まえた議論が必要ではないか。


(実態の把握)

 看護師資格を持たずに看護業務に従事している実態を把握しているのか。

 看護師資格を持たずに保健師として保健業務に従事している実態を把握しているのか。

 看護師資格を持たない保健師、助産師が看護業務を行うことによる不都合があるのか。ヒヤリハットなど、医療安全上の問題点などをデータとして把握することは可能か。

 実態から迫るのが難しいとすれば、理念の問題として議論することにならざるを得ないのではないか。


(見直しの視点、根拠)

 法律制度に不整合があると思うが、現実的な不都合があるのかどうか。実際問題として、看護師試験に落ちた人が保健師だけをやっているというのであればあまり問題ないのではないか。

 大学教育が増えてくると同時に、看護師免許を持たない保健師、助産師が今後増えていくことが見込まれる。これまでを問うより、これからを見据えて法整備をすべきではないか。

 保健師業務、助産師業務を行う上で、看護の能力が必要とされるのであれば、その能力の確認を制度的に担保すべきではないか。

 看護業務に必要な基本的な知識・技能の確認は、法改正せずとも対応できる方法はありうる。抜本的な法改正は別に議論するとしても、とりあえず一歩改善する方法はありうるのではないか。


(資格の意義)

保健師、助産師にとって、看護業務に関する技能は、国家試験合格レベルを必須とするのか、または、看護教育修了程度で良いとするのか。

 保健師、助産師とも看護教育を基礎として組み立てられており、さらに消費者に対する責任を全うするためには、看護教育を受けただけでなく、看護師資格を取得することによって、それが一定の水準に達していることを明らかにすることが当然ではないか。

 仮に看護業務のない独自の保健等の領域があるとすれば、それだけをやりたいという人についてどう考えるか。

 保健師、助産師について、独立した領域がないのであれば、また、看護業務もできない保健師、助産師はあまり意味がないということになれば、むしろ資格統一に向けて動いたほうがいいだろう。

 保健師の業務は、実際には保健指導と看護業務が複雑に入り組んでいるのが実態ではないのか。

 病院では、助産師であっても、業務の都合上、看護業務を担当することは十分ありうるとの前提で採用されている。看護師資格は最低限持っていないといけないのではないか。

 保健師、助産師とも当然、看護師であることが想定されており、かつては看護業務についての知識技能の確認が行われていた。それがなくなってしまったことがそもそもの原因ではないか。

 看護師国家試験合格者と不合格者が、同じ職場で一緒に働けるのか疑問である。看護師国家試験の意味は一体何なのかが問われるのではないか。


(その他)

 看護をベースとして、保健師、助産師に限らず、そこから派生する形のいろいろな分野がある。そうした全体を考えていかなければならないのではないか。

 現行法の枠組みの中でもできることは、とりあえず第一歩を進めてもいいのではないか。

 全体的な議論については、専門看護師、ないしはアドバンス・ナースの考え方を視野に入れながら、さらに検討を続けるということも考えられるのではないか。

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