資料2


水産物の実態について


2005年5月25日

JF全漁連(全国漁業協同組合連合会)



水産物の実態について


1. 生産の概要
(1) 漁業種類

沿岸漁業
漁船漁業:各種釣り、底びき網、刺し網、はえ縄、定置網 など
採貝・採藻
養殖業:魚類(給餌)、貝類・海藻類(無給餌)

   ◇ 主に10トン以下の漁船を使用する漁業で、漁業種類も獲れる魚種も多種多様。大半が日帰りの操業。養殖業や定置網なども沿岸漁業に含まれる。

沖合漁業
大中型まき網、沖合底びき網、沖合いか釣、近海カツオ、近海マグロ、サンマ棒受網 など

   ◇ 主として日本近海で操業(一部はロシア水域でも)。20〜200トン程度の漁船を使用。漁業種類によって数日から1ヶ月程度(操業海域を変えながら)操業。

遠洋漁業
遠洋マグロ、遠洋カツオ、大型いか釣、遠洋トロール、海外まき網 など

   ◇ 主に海外の200海里水域内、あるいは原則として外国の制約を受けない公海を漁場とする。

内水面漁業
漁業、養殖業

   ◇ 河川、湖沼等の内水面で行われる漁業。


 * これらの漁業で漁獲・生産され、一般的に食用等に利用される種類は200〜300種類といわれている。(日本の近海では魚類だけでも約3,900種類が確認されている。)



2. 生産量・輸入量
(1) 国内生産量
国内生産量の表

(2) 主な魚種の生産量(海面漁業)
主な魚種の生産量(海面漁業)の表

(3) 主な魚種の生産量(養殖業)
主な魚種の生産量(養殖業)の表

(4) 主な魚種の輸入量
主な魚種の輸入量の表

(5) 主な輸入先別輸入量
主な輸入先別輸入量の表

資料: 農林水産省「漁業・養殖業生産統計年報」
財務省「貿易統計」



3. 水産物の特性(生態等)
(1) 移動範囲の広い魚類
カツオ類、マグロ類、シイラ、サンマ類、サメ類 (高度回遊性)
浮き魚全般(サバ類、サケ類、マス類、イワシ類、スルメイカ、ウナギ、その他多数)

(2) 移動範囲の狭い魚類
カレイ類、ヒラメ類、マダイ、カサゴ、カニ類 など

(3) 定着性のもの
貝類
海藻類



4. 魚介類の名称
 水産物は、地方や成長過程で様々な呼び方があり、また、最近では新たな種類の水産物が輸入されるなど特有の事情があることから、水産庁では魚介類の名称のあり方について検討し、魚介類の名称のガイドラインを策定した。
 ガイドラインでは、原則として標準和名を表示することとしているが、地方名や成長過程での名称も表示できることとし、併せて外国から輸入される水産物の名称についても整理した。

(1) 標準和名とその他の一般的名称(例)

  標準和名   その他の一般的名称
クロマグロ ホンマグロ
シログチ イシモチ
ババガレイ ナメタガレイ
ウバガイ ホッキガイ


(2) 地方名(例)

  標準和名   地方名
アナゴ ハモ (北海道・東北)
スルメイカ マイカ (北海道・三陸)
キダイ ハナダイ (神奈川)


(3) 成長段階や季節に応じた名称(例)

  標準和名   成長名
ブリ ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ(東京)
ツバス→ハマチ→メジロ→ブリ(大阪)

季節名
シロザケ アキアジ(秋頃の産卵回遊)
トキシラズ(春から初夏にかけて沿岸に回遊)


(4) 輸入物(例)

  標準和名又はその他の名称   使用しない名称
マジェランアイナメ、メロ など ギンムツ、ムツ
キングクリップ アマダイ
ナイルパーチ スズキ、シロスズキ



5. つくり育てる漁業
(1) 養殖業
 養殖業は大きく分けて、餌を与える魚類養殖と、無給餌の貝・海藻類養殖に分けられる。

 魚類・・・・ ブリ類、マダイ、トラフグ、ヒラメ など
 貝類・・・・ ホタテ、カキ など
 海藻類・・ ノリ、ワカメ、コンブ など

 また、その種の特性に応じて、育成段階等に応じて、養殖場所を移す場合がある。

 (1) ブリ
 ○ 種苗(モジャコ)→養殖地
 ○ 一定サイズまで育成した種苗→養殖地

 (2) ギンザケ
 ○ 孵化→種苗育成(内水面)→養殖地(海面)

 (3) ホタテ
 ○ 種苗を一定期間育成(半成貝)→養殖地

 (4) カキ
 ○ 種苗→養殖地

 (5) ワカメ
 ○ 種苗→養殖地


(2) 栽培漁業(種苗放流)
  シロザケ、マダイ、サクラマス、ヒラメ、トラフグ、クルマエビ、アワビ、ホタテ など

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