(1) |
拡張適用される産業部門労働協約・労使協定又は企業・事業場協約・協定において対象となる幹部職員の範囲及び概算見積合意の主たる形態・性格をあらかじめ定めた場合には、同協約・協定の範囲内で、個別労使の概算見積合意により週、月又は年単位で労働時間の長さを決定することができる。
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協約・協定を欠く場合には、週又は月単位でしか概算見積合意により労働時間の長さを決定することはできない。 |
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(2) |
年単位での労働時間数の概算見積を定める場合には、拡張協約・協定において法定労働時間の年間相当時間(1,600時間)と超過時間労働の年間枠(拡張協約・協定が定める時間又は180時間)とを合計した時間を超えない範囲で定めなければならない。また、休息及び休日に関する法定基準を遵守することを条件に、拡張協約・協定において、1日又は1週の最長労働時間(1日10時間、1週48時間、12週平均44時間)に代わる上限を定めることができる。 |
(3) |
労働時間数の概算見積合意の場合、その報酬額は、少なくとも当該企業に適用される最低賃金及び超過時間労働に対する加算・割増を考慮して当該労働者が受け取るであろう額以上のものでなければならない。概算見積合意における労働時間、報酬を超えて実労働がなされた場合には、超過時間労働として、使用者は割増賃金等を支払わなければならない。 |
(4) |
年単位での労働日数の概算見積を定める場合には、拡張協約・協定において年間217日超えない範囲内で労働日数を定めなければならない。実際の労働日数が協約・協定上の労働日数を超えた場合には、超過日数分の代替休日を翌年の最初の3か月以内に付与しなければならない。 |
(5) |
実質的な労働時間短縮を享受していない、若しくは、使用者から課される拘束とは無関係な報酬が支給されている場合には、当該幹部職員は、被った被害に応じて算定された賠償手当の支払いを求めて裁判所に訴えを提起することができる。 |