第14回厚生科学審議会
医薬品販売制度改正検討部会
資料
1−2
平成17年5月20日

検討項目3、4及び5に関する第13回部会での発言等の整理



検討項目3「医薬品販売に従事する者の資質とその確保」及び検討項目4「医薬品販売に関する責任」について

1.医薬品販売に従事する者の資質とその確保
(論点14)医薬品のリスクの程度に応じ、実効性のある情報提供を行うため、医薬品販売に従事する者に求められる資質とその資質の確保のあり方について、どう考えるか。

(論点16)情報提供に関し、薬局・薬店の開設者、管理薬剤師、それ以外の薬剤師等、それぞれについての責務の内容やそのあり方について、どう考えるか。

(論点18)消費者への適切な情報提供、販売後の副作用発生時等への対応、医薬品の管理、従業員の監督等、各薬局・薬店における医薬品販売に関する責任を負うべき者について、どう考えるか。
 薬種商は情報提供・情報収集の重要性を認識し、努力もしている。しかし努力義務規定であり、また、薬種商販売業個人の資格でないため立場も曖昧で、報告がうまくいっていないように思う。そのためにも、資格化が必要。医薬品の管理や従業員の監督などはきちんと取り組んでいる。ただ受診勧奨は難しい。

 議論において、理想とミニマムスタンダードとが混在している。最低基準については、望むべき姿は顧客の選択の自由となり、制度的なマストの部分は顧客の保護となろう。また、これまでの議論では、一般販売業での話と薬局での話が入り交じっている。一般販売業に関する法律が未整備で、それが実態とのずれを生じている。

 許認可責任、製造物責任、自己責任の三つの責任の中で制度が担保されるのがあるべき姿。また、添付文書が均一な情報提供の基本。

 配置販売業は、各家庭を直接訪問して販売することから、口頭・パンフレットによる普及啓発が直接行えるメリットがある。また、使用期限の遵守についても適正使用のためには重要であり、配置においては、訪問時に期限切れが近づいている物については、事前に回収を図っている。

 医薬品の購入時には、販売者側からの見解のようなものも含めた説明が必要。受診勧奨については、病名の診断ではないのだから、医行為ではないのではないか。

 受診勧奨を行わなくて事故が起こったとしても、刑事責任までは負 わせるべきではない。

 販売者がどこまで関与するかを明確化すればよい。

 添付文書を超えた範囲での受診勧奨は、行き過ぎと考えており、販売者がどこまで関与するかの基準を議論してほしい。

 始めにあるべき姿を議論した上で、あとから現実的なところにもっていくべきで、これまでの議論の仕方に問題はない。 また、受診勧奨は医行為ではない。それから、PL法は、製造物責任だから別の話であり、販売者に責任はちゃんとある。その覚悟を持って販売すべき。

 添付文書の範囲を超えた指導はできないと厚生労働省からは昔聞いた。そもそもの問題は、4つの業態の法律がばらばらで、歪みがあることである。

 論点14において、「医薬品のリスクの程度に応じ」「実効性のある」とあるが、それが重要であり、それを意識して議論すべきである。また、添付文書を整備しただけではだめであり、患者にしっかり会って伝えなければならないこともある。

 薬学教育4年制と6年制との違いは、服薬指導で、情報伝達の質が上がるため、薬剤師の重要性は増す。そのため、今後は薬剤師の権能を増やすことに関する議論も出てくるのではないか。

 一般用医薬品を消費者に安全に使ってもらうための販売のあり方がどうあるべきかを考えるべきで、その結果法律の改正があり得る、ということだと思う。添付文書は、しっかりと説明をできる記述にもともとなっており、添付文書の範囲内で説明を行うこととの指導を逸脱しなくても情報提供は行える。

 現状では役割・責任の所在がどこにあるかを明言することはできないが、受診勧奨や副作用発生時への対応は高度な知識が必要。医薬品の管理も、適正な状態から外れていたものを使ってよいかどうかを判断するためには、科学的な知識が必要。

 添付文書だけの指導だと患者の様態がわからず、ネット販売と変わらなくなってしまう。また、会話を行いアドバイスできるなど、対面販売のメリットはある。服薬のアドバイスがあってこそ本当に役に立つ服用になる。

 添付文書には、「医師等に相談すること」などの記述もあり、相談及 び受診の指導はしっかりとできる。

 ユーザー側において添付文書をしっかり理解するかどうかは別の話。 使用環境はそれぞれ違うのだから、飲み方については、しっかり指導 してあげるべき。商品として売るのではなく、知識を持った人が情報 とともに供給する必要がある。
(論点15)薬学教育6年制の導入による薬剤師の専門性の向上も踏まえ、一般用医薬品の販売に関する薬剤師の今後の役割・責務について、どう考えるか。
 薬剤師の専門能力が上がることは社会的にもよいこと。販売者がどういう資格かが目に見えるとよい。

 一般用医薬品は複合剤が多く、その情報を持っている人は少ないのではないか。6年制により薬剤師は医療人としての資質が高まる。アメリカでは、医師と 薬剤師が共にインターンとして勤務し、連携を深めている。

 6年制により高まる能力の発揮に、金銭対価をどうするか、ということが問題になっている。対価となる収入が確保できる仕組みになっているかということであり、医薬品の利ざやだけでは難しいのではないか。理想論と現実との乖離につながりかねない。薬事法上の情報提供義務は厳しいので、経営としてやっていけるかを考えないと、空論になりかねない。

 6年制には、実務実習もあり、病院・薬局研修のうち薬局研修には4つの柱があって、一般用を含めたすべての医薬品の供給がある。消費者、患者と対話ができる人材を育成するシステムになる。

 薬種商もかなり高度な試験を受けており、数もそれほど増えていない。6年制を受けた薬剤師の職能は、医療で発揮されていくのではないかと考えており、医療機関と販売業とは分けて考えるべき。販売業として新しい資格を作り、持ち場ごとに能力を発揮すればよいのではないか。

 6年制で、薬剤師は、すべての医薬品を扱う知識を持った者が資質を高めることになるものであり、医療用だけ扱うべきということは考えられない。


2.医薬品販売に関する責任
(論点17)医薬品による副作用があった場合に、添付文書を作成した医薬品の製造業者の責任、薬局・薬店の情報提供に関する責任及び消費者のリスク認識等の関係について、どう考えるか。
 薬剤師とそれ以外の方の見分けがつかない。明確な区分が必要。また、情報提供は、紙に書き、提供者のサインも書いて行うべき。また、情報提供は、重みづけが重要。

 PL法では、店舗の責任も重要な責任としてある。また、医師及び薬剤師は、その技術に保険の担保がある。それから、一般用医薬品に係る情報提供の努力義務は、開設者にある。

 副作用についての情報は、因果関係が明確でないものについても収集できるようにしてほしい。

 メーカーでは、因果関係のわからない情報は、医師のコメントをつけて記録している。同じ事例が複数上がった際には、記録を見直して報告をしている。

 情報提供した人の職務・資格を明らかにすることで副作用の情報の収集もうまくいくのではないか。



検討項目5「消費者への周知等」について

1.消費者への周知等
(論点19)医薬品の効能効果、副作用の情報等について、消費者(国民)にどのように普及啓発していくか。
(論点23)消費者の適正使用を促すためのその他の方策について、どう考えられるか。
 医薬品の使用についての普及啓発は、学校教育に取り入れることが必要。また、学校薬剤師という方がいて、小中学校で啓発活動を行っている。適正使用について低年齢のうちから認識を持ってもらうことが大切。

 学校では副読本を作って啓発指導することも良い方法である。

 添付文書を集めた本のようなものはあるのか。また、そういったもののホームページはないのか。

 カタログのようなものはメーカーごとにあるようである。また、大衆薬協のホームページにも掲載されている。

 ITを使えば、一般の方に簡単に普及できると思う。

 今いる大人のことを考えると、薬のことだけの勉強ではなく、さりげなくテレビに織り交ぜるなどして、勉強してもらうのがよい。

 正しい使用といった基礎的な知識は、店頭における啓発が一番良く、役に立つと思う。現実的には売り場において充実させていくのがよい。

 たばこの害について啓発をしても、成果は依然として進んでいない。誰でも知っているということと効果があることとは別の話である。実効性を持たせるためには、わかりやすくかつ印象的なものにする必要がある。たとえば、リスクの分類など具体例があると良い。

 用量を守らないとどういうリスクがあるのかも示すべきではないか。製造物責任の議論でも、アメリカなどでは、ただ危険だというのではだめで、どうして危険かを説明する必要があるとされている。

 普及啓発の内容に薬害も入れるべき。

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