05/04/27 中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会平成１７年４月２７日議事録


０５／４／２７　中央社会保険医療協議会
　　　　　　　　第５８回診療報酬基本問題小委員会議事録

(1)日時　　平成１７年４月２７日（水）１１：１７～１２：４５
(2)場所　　厚生労働省専用第１８会議室
(3)出席者　星野進保会長　村田幸子委員　土田武史委員　遠藤久夫委員
　　　　　 対馬忠明委員　小島茂委員 　宗岡広太郎委員　松浦稔明委員
　　　　　 櫻井秀也委員　松原謙二委員　黒﨑紀正委員　漆畑稔委員
　　　　　 岡谷恵子専門委員
　　　　　 ＜参考人＞
　　　　　 西岡清分科会長
　　　　　 ＜事務局＞
　　　　　 水田保険局長　中島審議官　麦谷医療課長　石原調査課長　　他
(4)議題　　○ＤＰＣについて
　　　　　 ○療養の給付と直接関係のないサービス等について
(5)議事内容

○星野小委員長
　それでは、どうも大変お待たせしました。
　ただいまより、第５８回中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会を開催い
たします。
　それでは、議事に入らさせていただきます。
　まず、「ＤＰＣ」について議題にしたいと思います。
　本日は、ＤＰＣ評価分科会の西岡清分科会長に御出席をいただいておりますので、
「ＤＰＣ導入の影響評価に関する調査及び評価」について、西岡さんより御説明をお願
いいたします。よろしくお願いいたします。

○西岡分科会長
　御紹介いただきました西岡でございます。
　お手元の資料をごらんいただきたいと思います。「ＤＰＣ導入の影響評価に関する調
査及び評価」というものがございます。それと、それに付随いたします参考資料がござ
います。私どものＤＰＣ評価分科会は、この基本問題小委員会の付託を受けまして、Ｄ
ＰＣ導入の影響を検証するために、その影響にかかわる「調査項目及び評価の視点」を
取りまとめて、具体的な調査設計について検討を行いました。この中段にございますよ
うな項目につきまして検討いたしまして、さらに下段にございます(1)から(9)の調査で
ございますが、これを施行しております。このうちの(1)と(2)の部分は、これは導入時
から毎年行われている調査でございまして、新たに、この(3)の再入院調査からアウト
カム評価に至るまでの調査を施行いたしましたので、その結果を御報告させていただき
ます。
　それでは、お手元の資料の３ページのところをおめくりいただきたいと思います。Ｄ
ＰＣ調査の影響評価に関する調査結果でございますが、まず一番初めに、平成１６年７
月から１０月までの退院患者に係る調査結果でございます。これは、ＤＰＣの対象病
院、８２病院、ＤＰＣ試行的適用病院、６２病院、ＤＰＣ調査協力病院、５１病院を対
象として調査しております。
　その主な結果でございますが、中段にございますように、平均在院日数でございま
す。これは参考資料というのがございますが、１ページ目の図をごらんいただきたいと
思います。これで見ますと、ＤＰＣ対象病院では在院日数が短縮しております。平成
１４年が２１．２２日、１５年が１９．７０日、１６年が１９．１１日でございます。
これをさらに詳しく検討いたしまして、診断群分類ごとの在院日数の変化による影響、
それから診断群分類ごとの患者構成の変化による影響、これは参考資料の２ページから
５ページまでのところに掲げられてございます。非常に細かい数値で申し訳ありません
が、それによって分析いたしましたところ、ＤＰＣ対象病院におけます在院日数の短縮
は、専ら診断群分類ごとの在院日数の短縮によるものでございまして、在院日数の短い
診断群分類に該当する患者が増加したということにはなっておりません。最初にこうい
った御指摘をいただいておりましたが、それは起こっていないということでございま
す。
　それから、入院経路でございますが、入院経路は参考資料の６ページ目にございま
す。この中で、特に他院からの紹介はどうであったかということでございます。これは
ＤＰＣ病院、試行病院、調査協力病院ともに出ておりますが、一番左の方にございます
のは、どちらも減少あるいは横ばいという数値になっております。ところが、ＤＰＣ病
院で見ていただきますと、真ん中のカラムにございますように、紹介患者数は、平成
１４年に比べまして１６年には増加しているといった結果が見られております。
　また、緊急入院の率及び数でございますが、これは７ページをごらんいただきたいと
思います。ここでも、ＤＰＣ病院の緊急入院の率を見ますと横ばいのデータになってお
りますが、真ん中のカラムでございますが、実数をごらんいただきますと、ここでは実
数は増加しております。緊急入院も増加しておりますし、また、８ページにございます
救急車による搬送でございますが、これも同じ傾向がございまして、実数では救急車に
よる搬送が増加している結果になっております。これらのデータから見ますと、割合と
しては減少しているのですが、受け入れ患者自体は増加しているということで評価でき
ると思います。
　次に、参考資料の９ページでございますが、退院先の状況でございます。ＤＰＣ対象
病院では、自院の外来への割合が増加しております。転院の割合が少し減少している傾
向にございます。
　このとき、退院時の転帰はどうなっているのかということの調査結果が資料の１０ペ
ージでございます。これをごらんになりますと、先ほどの退院先も同じでございます
が、治癒の割合が減少しておりまして、軽快の割合が増加しております。これは軽快と
治癒を合わせますと、ほぼ変化がないということで、この変化は、在院日数短縮の取り
組みの影響としてこういったことが出たのではないかと考えています。軽快の状態で、
日常生活にできるだけ早く戻っていただきたいということで、退院していただくといっ
た形になっているのではないかと思います。
　それでもう１つ次に、再入院率が１１ページ、１２ページにございます。再入院率が
増加しているのでございますが、これにつきましては、後ほど再入院に関する調査がご
ざいます、そこで詳しく御説明させていただきたいと思います。
　ＤＰＣの患者構成ですが、非常に楽な患者がたくさん集まってきているのではないか
という御批判を受けていたのですが、ＭＤＣの０６、これは消化器疾患を主としたもの
でございますが、これの患者数は比較的多く占めておりますが、全体を眺めまして、各
ＭＤＣ群の中での偏りはないということが言えると思います。
　次に、もとの資料の４ページに戻っていただきたいと思います。診断群分類の妥当性
に関する調査でございます。これは、全部で１６ありますＭＤＣのうちの、ＭＤＣの
１６がその他ということになっておりますので、１５のＭＤＣの研究班を組織いたしま
して、そこでのＭＤＣに関する調査をしていただいております。それが５ページにござ
いますように、ＭＤＣの作業班におきまして、診断群分類の妥当性の指標ということ
で、この５ページの上の段の４つの指標が出されておりまして、また、診断群分類に係
る検証の視点といたしまして、こちらにあります９つの視点から検証されております。
その結果でございますが、現在の診断群分類についてはおおむね妥当ではないかという
回答を各班からいただいております。
　ただ、その中で問題点となるものがあるのではないかということで、これは、その次
の６ページをごらんいただきたいと思いますが、例えば脳腫瘍におきますメトトレキセ
ートの大量療法、あるいは脳梗塞におきますエダラボンの使用による評価、それから、
各疾患の早期退院の評価をどうするのかということ、それから、パーキンソン病などで
行われますＳＰＥＣＴ・ＰＥＴをどういうふうに評価していくか、不整脈の検査・治療
に用いられます電極カテーテルの評価といったようなものが今後早急に検討すべきであ
るという提言をいただいております。これに関しましては、平成１６年度のデータに基
づきまして再度検討を行い、医療技術の進歩も踏まえて診断群分類の見直しを行ってい
く予定でございます。また、先ほど申し上げましたＭＤＣ１６にいろいろな疾患が混在
しております。その中で、精神疾患・行動の疾患につきましての分類を精緻化し独立し
たＭＤＣを設定するなど、検討してはどうかといった御意見をちょうだいしておりま
す。診断群分類の見直しに関しましては、可能な限り速やかに行っていくべきであると
いう御意見をいただいております。
　それでは次に、再入院に係る調査結果でございます。これは、参考資料の１４ページ
をごらんいただきたいと思います。ＤＰＣ病院で再入院率が、平成１４年から１５年、
１６年と増加してございます。また、ＤＰＣ試行病院、それからＤＰＣ調査協力病院で
も同様の傾向が見られております。
　この中で、どういった入院が多いのかという分析を行っております。それを計画的入
院と予期せぬ入院といった形で２つに大別しまして調査いたしました。
　資料の１５ページを見ていただきたいのでございますが、計画的入院が増加しており
ます。しかも、計画的入院の中で、化学療法・放射線療法を計画的に繰り返すといった
再入院が多くなっていること、それから、その１つ前の計画的手術・処置のために再入
院、これらが大部分を占めておりまして、他は変化はございません。同じような傾向が
試行的適用病院でも見られております。
　一方、参考資料の１６ページの方をごらんいただきたいと思いますが、予期せぬ再入
院における理由がどういったものがあったのかということを出してございます。ここで
は、予期せぬ疾患の悪化、再発のためというのが最も多くなっております。これはどう
いうことかというと、この項目の名前だけでは現実のところはわからないのですが、具
体例を申しますと、まず、虚血性心疾患で入院して治療を受けて軽快して退院すると、
その退院するときに、風邪を引いたりするとぐあいが悪いから、よく気をつけるように
という御指導の下に退院されるわけですが、ところが、退院１カ月ぐらいしたときに急
に風邪を引かれて心不全になって急に入院されるといった、医療側としては、ある程度
予測はできるのですが、そこまで予測できなかったといったような、そういったケース
をここのところに入れております。それが主な理由として入ってございます。
　それから次に、医療連携と退院後受療に係る調査でございます。これは、ＤＰＣ導入
による退院後の他医療機関での受療、他医療機関から見た評価についてアンケートを中
心とした調査を行っております。主なＤＰＣ病院の中で、主に紹介される紹介先をまず
提出いただきまして、その病院に対してどういった状況が起こっているかというアンケ
ート調査を行った結果が、これでございます。
　８ページをごらんいただきたいと思いますが、その結果といたしまして、主にＤＰＣ
病院から入院をお願いする場合の理由といたしましては、「ＤＰＣ病院での治療を継続
するため」というのが主でございます。それに次いで多いのが、「もともと御紹介をい
ただいたところへ御紹介する」という場合、あるいは「リハビリテーションのために他
院を御紹介する」といったようなものが多く数を占めております。実際に紹介先に対し
ましてのアンケート結果でございますが、ＤＰＣ導入以前に比べまして、これは、医師
・看護師、すべての職種での回答でございますが、紹介患者の状態が「変わらず、満足
できる」というのが６７．９％、「向上し、満足できるようになった」というのが
２０．５％、「変わらず、やや不満のまま」というのが９％といったような結果をいた
だいております。また、ＤＰＣ病院からの紹介患者の重症度についての調査でございま
すが、ＤＰＣ導入以前と比べまして、やはり全職種による回答でございますが、「重症
な患者が増えた」というのが２０％ございます。「変化はない」というのが７９．１
％、「軽症の患者が増えた」というのが０．９％であったと、こういった報告をいただ
いております。
　次に、医薬品・医療材料に係る調査及び検査・画像診断に関する調査でございます。
これで調べましたのが、特に御指摘いただいておりました後発品の導入はどうであるか
というのを調べたものがございます。参考資料の１７ページでございます。細かい数字
が並んでおりますが、これによりますと、ＤＰＣ対象病院あるいは試行的適用病院もと
もに後発品の品目数それから金額シェアというものが漸増しているという結果になって
ございます。
　また、次のページにございます高額薬剤の使用でございますが、抗がん剤の使用を見
てみますと、ＤＰＣ病院もその他の病院も、ともに化学療法のプロトコルの数が増加し
ておりますと同時に、抗がん剤の使用も平成１４年から１５年にかけまして増加する傾
向を示しております。
　次に、臨床検査の実施状況でございますが、これは、それぞれに対しましてアンケー
トをとってございます。ＤＰＣ対象病院におきましては、「外来でできる臨床検査につ
いては、それを外来で行うようにした」という意見が４１．２％、「臨床検査の内容を
見直し、必要な検査に絞るようにした」というのが２３．５％、「変化なし」が
２８．９％でございます。
　画像検査の実施状況におきましても同様の傾向が見られまして、「外来でできる画像
検査については、それを外来で行うようにした」が４６．１％、「画像検査の内容を見
直し、必要な画像検査に絞るようにした」というのが１５．８％でございます。
　それに続きまして、社会保険病院におきまして、長年のこういった調査は行われてお
りましたので、そのデータをいただきました。それによりますと、９ページの下半分の
ところに記載しておりますが、入院の検査では、平成１４年が２９２．５３点でござい
ますが、平成１６年になりますと２５８．８８点という、また入院の画像検査では平成
１４年が１６７．５１点から平成１６年が１４０．３０点となって、入院の検査が減少
する形になっています。これに対しまして外来の検査では、平成１４年から１６年に増
加しておりますし、外来の画像検査に関しましても増加しているということで、ＤＰＣ
の試行的導入が行われているわけでございますが、これらの病院では、入院検査、画像
検査については減少し、かわりに外来に移行したといったことが見られております。そ
の実例が９ページから１０ページにかけて示してございますが、そのような減少したＤ
ＰＣの分と、全く変わらないといった両方があるということで、その外来移行が可能な
部分に対しては効率化という意味でそちらに移行したということでございます。
　次に、医療の達成度、患者満足度に係る調査を行っております。主な結果でございま
すが、医療の達成度に対しましてＤＰＣ制度の理解度を聞いているのですが、ＤＰＣ制
度の診断群分類について、「あまり理解していない」が４１．４％、「全く理解してい
ない」が２２．１％となっておりまして、６割以上の職員がＤＰＣの診断群分類につい
て十分に理解していないという結果でございます。これはちょっと見方が異なります、
すべてを理解しているというのではなくて、各職員が自分の関係したＤＰＣに関しては
わかっているのですが、すべてを理解していないといったことがここに反映しているの
かと考えられます。
　ＤＰＣ導入後の医療内容の変化があったかどうかということ、これは非常に大事なこ
とで聞いております。それによりますと、「どちらとも言えない」が３９．９％と最も
多く、「あまり変化していない」が２７．３％、「少し変化した」というのが１７．８
％、「大きく変化した」が３．９％ということで、約２割の職員が、ＤＰＣ導入による
医療内容の変化を感じているという結果になっております。
　退院に当たりまして、入院目的の達成度合いをどのように感じているかということで
すが、約７０％以上の職員が入院目的が達成できていると回答しております。
　また、医療従事者としての退院の納得度でございますが、これに関しましても、６割
の職員が納得できているという結果になっております。
　次に、患者満足度調査でございますが、この入院医療費がＤＰＣ導入によって変わっ
たことを知っているか知っていないかということでございますが、これは知っていない
方が６６．５％ということで、算定方式の変化について十分認知されていないのではな
いかということが出ております。
　また、入院中の療養生活に対する支援の満足度でございますが、これは、「まったく
不満はなかった」が５３．９％、「あまり不満はなかった」が３２．４％となっており
まして、９０％近くの患者さんは療養生活に満足してくださっているのではないかとい
う結果が出ております。
　また、退院の時期でございますが、早く無理やり帰しているのではないかといったよ
うな御指摘があったのですが、この退院の時期に関しまして、「適切だった」が
５２．１％、「ほぼ適切だった」が２３．７％と、８割近くの患者さんが適切であると
いう評価をしていただいております。
　医療内容や入院期間の変化について、これはなかなか難しい調査なのでございます
が、こういったことにお答えいただきました患者さんからのお答えでは、ほぼ「変わら
ない」というのが３５．６％、「どちらとも言えない」が２６．２％、「あまり変わら
ない」が２２％で、８０％以上の患者さんがＤＰＣによる医療内容の変化は特に感じて
いないという結果でございます。
　次に、看護の必要度に係る特別調査でございますが、これは以前からこの看護必要度
を調査されておられます鹿児島大学病院の結果と、それから北里大学病院の結果と、そ
れからさらに共通の評価票を作りました看護必要度というものの調査を行っておりま
す。鹿児島大学の調査結果からいきますと、在院日数が短縮した症例では、やはり看護
必要度が増加したといったことが指摘されております。また、北里大学の調査結果で
は、これは２００１年ぐらいからずっと調査されているのですが、そのころから順にや
はり看護師１人当たりの看護業務量は徐々に増加してきているということで、これがＤ
ＰＣ導入に直接関係したのかどうかというのはさらに今後検討すべきであるという御意
見をいただいております。また、共通の評価票で見ますと、看護の観点からＤＰＣコー
ド上位１０桁まで一致するものの１入院期間の重症度・看護必要度を得点化いたしまし
て調べております。そういたしますと、非常に得点が高いのが、脳梗塞、手術なし、そ
れから胃の悪性腫瘍、手術あり、子宮頚・体部の悪性腫瘍、手術ありというのが高く、
最も低いのが白内障であったということで、疾患ごとに平均在院日数と重症度・看護必
要度の得点の伸びにそれぞれ特徴が出てきていることが認められております。
　それから、一番最後の調査でございますが、アウトカム評価・臨床指標／医療機能の
変化に係る調査でございます。これは膨大な資料で調査していただきました。その結果
でございますが、参考資料の１９ページをごらんいただきたいと思います。ここにござ
いますように、ＡＤＬが１０点未満の患者さんの受け入れというのがございますが、こ
れは平成１５年が３．８７％、平成１６年が３．９５％ということで、実数におきまし
ても逆に増加しているという結果を得ております。また、７０歳以上の患者さんの受け
入れでございますが、これにおきましてもやはり増加を示しているということが見られ
ております。
　次に、手術前後の入院日数がどのようになっているのかというのを調べております。
これは参考資料の２０ページ目のところに出ておるのでございますが、上が手術前の在
院日数ですが、これは減少傾向にございます。手術後の在院日数は変化がないと。です
から、手術前に患者さんに無駄な時間を消費させているといったようなことが、逆に効
率化されたという結果でないかと考えられます。また、退院に関しましても、手術後に
無理やり早期退院をさせるといったようなことは決して起こっていないということを示
しているものと思われます。
　あと、高度医療の提供状況といたしまして、参考資料の２１ページからリストアップ
されてございます。高度医療の提供ということで、参考資料の２２ページをごらんいた
だきたいと思うのですが、ここにありますように、高度先進医療の実施件数、申請中の
件数、治験契約件数、治験実施件数、治験完全実施率といったものが１４年から１６年
にわたって並べられております。ただ、ここで１６年分は前半の半年分のデータでござ
いますので、これを２倍していただくと１６年分に相当するデータになってまいりま
す。そういたしますと、これは１４年から１６年にわたっていずれも増加していること
が見られます。
　また、参考資料の２３ページでございますが、これも同じような統計でございまし
て、臓器移植がどうであったか、心臓、肝臓、腎臓、肺、造血細胞の移植といった件数
でございますが、これもいずれも増加していることが見られております。
　次に、教育機能でございます。教育機能に関しまして、指導医の数が参考資料の２４
ページにございます。これはＤＰＣ病院での資料でございますが、指導医の数が平成
１４年から１５年にわたって少し増加しております。１６年はややそれから減少という
ことが見られておりますが、平成１６年から導入されました臨床研修制度必修化といっ
たものが影響しているのかなと考えられます。
　それから、医療の質をあらわしますものといたしましては、病院での臨床病理検討会
の開催回数、クリニカルパスの設置とその導入状況といったようなものが問題になりま
すが、これもいずれも増加傾向を示しているという結果を得ております。
　それで、この「調査及び評価」の資料の２ページ目のところに戻っていただきたいと
思います。「ＤＰＣ導入の影響評価」ということで、今回いろいろ調査させていただき
ました。
　まず、診断群分類の妥当性でございますが、この分類の件数の構成割合については、
平成１４年から１６年の３年間で大きな変化は見られておりません。また、ハイリスク
患者の減少も見られない等、現在の診断群分類についてはおおむね妥当ではないかとい
う結論になっております。しかし、高額な薬剤の使用等による出来高点数、包括点数の
乖離が大きい事例については、可能な限り速やかに見直す必要があるとの意見が出され
てございます。これらを含めまして、診断群分類について、医療の進歩を反映させるた
めにも、今後引き続き見直しを継続していく必要があるという結論でございます。
　それから、診療内容の変化に関してでございますが、平均在院日数の減少が見られ、
入院患者数の増加、後発医薬品等の使用割合の増加、検査・画像診断の外来診療への移
行、がんの化学療法・放射線療法のための計画的再入院の増加等の医療の効率化の部分
が進展しているというふうに考えております。また、死亡の割合、あるいは術後在院日
数等に大きな変化はございません。その結果、退院患者の転院先の病院における評価・
患者満足度もおおむね高い回答を得ております。このことから考えますと、このＤＰＣ
導入によって一番問題とされておりました粗診・粗療にならないかといったことでござ
いますが、現時点では、それは認められていないという結果でございます。
　また、医療機関の機能変化でございますが、高度医療の提供の増加も見られますし、
クリニカルパスの導入も進行しておりまして、医療機関の機能が低下したという結果は
認められておりません。
　これが平成１６年度に行いました調査の結果でございまして、これを踏まえまして、
ＤＰＣの今後につきまして、さらに調査を行わなければならないということがございま
す。そこで、平成１６年度に行われました特別調査項目のうち、今後のＤＰＣ制度の評
価に有用なものにつきましては引き続いて調査するべきであると。ただ、今回の平成
１６年度で非常に膨大な調査をお願いいたしましたので、記入者の負担が非常に大きく
なりました。この記入者負担を軽減するということからも、可能な限り、例年行ってい
る調査の改善によって対応できるようにするのが必要でないかという御意見が多数出さ
れまして、これらを了解していただきました。
　その上で、ＤＰＣ対象以外の医療機関の調査、患者満足度調査、看護の必要度調査に
ついては、これはまだ十分でございませんので、さらに引き続いて調査を行うべきであ
るという御意見をいただいております。
　それから、これは今回はできなかったのですが、保険者側による調査もぜひとも行う
べきではないかという意見が出ております。
　もう１つ、先ほど来お話しいたしましたＭＤＣ１６のところに入ってございます精神
疾患・行動の疾患については、これを独立したＭＤＣとして精緻化するといったような
形での調査設計が今後必要になるのでないかという意見が出されてございます。
　私どもの行いました調査結果は、以上でございます。

○星野小委員長
　どうもありがとうございました。
　それでは、ただいまの説明つきまして何か御質問、御意見等がありましたら、どう
ぞ。

○櫻井委員
　たくさんお聞きしたいことがあるので、どこからどういうふうにお聞きしていいかわ
からないのだけれども、「ＤＰＣ導入の影響評価」という、今一番最後に西岡先生から
御説明いただいた２ページの１枚が全体をまとめたものだと思うので、それから始めま
す。そのIの「２．診療内容の変化等について」というのがあります。その診療内容の変
化について丸が３つ書いてあるのですが、主に変化について書いてあるのは一番上の丸
になるわけです。そこに書いてあることは、１番目が平均在院日数が減少しました、２
番目が後発医薬品等の使用の割合が増えました、３番目が検査や画像を外来へ移行させ
ました、４番目がいろいろなことのために計画的な再入院が増加しましたというのが４
つ書いてあるわけです。非常に意地悪な言い方をすると、これは病院が収入を増やすた
めにやりましたという診療内容の変化であって、診療内容がこれでよくなったとか、患
者さんのためによい医療ができたというところが見えないのですけれども、その点につ
いて西岡先生はどうお考えでしょうか。

○西岡分科会長
　非常に貴重な御意見だと思います。数値だけ見ますと、効率化だけが進んだと、ある
いは病院としての経営のための方策が進んだということになっておるのでございます
が、今までの医療で、櫻井委員がずっと今まで御指摘がありました、例えばある大学病
院などでは非常に長い在院日数を続けていた、その間に、実際には、患者さんに医療が
施されている期間と、患者さんがベッドで寝ているだけの期間といったようなものがあ
ったと思います。むしろ、患者さんの方からいたしますと、おうちで過ごされる方がは
るかにＱＯＬの高い医療ということになります。その部分がそぎ落とされていったとい
うことがございます。
　それから、再入院もやはり同じようなことで、化学療法を１回やりまして、次の化学
療法のクールが来るまでは、ずっとそのまま患者さんは何もすることなく病院で寝てお
られる。それは決して医療の質として高いものでございませんので、やはり必要なとき
に病院に来て治療を受けられ、そして必要でないときは日常生活に戻っていただくとい
ったことになろうかと思います。
　また、入院の今までの形態では、まず入院いたしまして、そこからいろいろな検査を
いたします。検査結果が出るまでの期間が、入院前の期間に加わってきます。その部分
をできるだけ効率化して、外来でできる検査は外来で、また、入院の検査も必要なもの
に絞り込むといったような形で入院医療を構築するといった行為が行われております。
これは医療の効率化という面が物すごく表面に出るのですが、それと同時に、医療を受
けられる方のＱＯＬといった面でかなりの進歩が起こっているのではないかと思ってお
ります。

○櫻井委員
　その在院日数の減少と計画的再入院の話は後でもう一遍議論したいので置いておきま
す。後発医薬品の使用というのは、前から後発品を使っていたのならいいのですけれど
も、今まで使っていた薬があったのに後発品にわざわざかえるというのは、患者さんに
とってどう見ても、良い点がない。薬が今までと違うということを考えたらＱＯＬの確
保もないし、同じ内容だから値段の低いものを使うというのは、この場合、ＤＰＣです
から、患者さんにとって負担は全然変わらないわけです。これは出来高であれば、患者
さんのコスト負担を減らすというインセンティブになるけれども、ＤＰＣの場合はそう
ならないわけだから、これは医療機関が収益を確保するためにやっただけのことです。
検査・画像を外来に移したというのが、どうしてＱＯＬの確保になったのか、これは、
検査・画像も入院してからやるとその分がＤＰＣに含まれてしまうから、外へ出して外
来でやったととられるのではないかという気がして仕方がないのです。だから、そこは
ちょっとおかしいのではないかと思います。危惧された粗診・粗療、もちろん粗診・粗
療が特定機能病院であるなどと私は思っていませんけれども、でも、こういう細かいこ
とまで考えると、それが本当に患者さんのための、あるいは医療の質のための診療の変
化だったかどうかということがよくわからないのです。やはりこれは収益のための変化
をしたのではないかというふうに思うのですけれども、いかがでしょうか。

○西岡分科会長
　御指摘のごとく、その分はあるのではないかと思います。いろいろな国立病院それか
ら国立大学病院も法人化が行われておりますので、そういった面ももちろんあるのかも
しれないと思います。ただ、例えば後発医薬品を平成１５年度に導入したといたします
と、その医療費がＥ／Ｆファイルで必ず１６年度にはね返るという形がＤＰＣのシステ
ムでございます。だから、そこで病院自身がすごく収益を上げたということは起こらな
いというシステムになっておりますので、後発医薬品は、これまでも政府の方針もござ
いまして、できるだけ導入できるものは導入しようという流れでございましたので、そ
れが導入されてきているのだろうというふうに考えております。特に著増したというわ
けではございませんで、むしろ全体が１％程度であったものが２％ぐらいのシェアに上
がったといったところでございますので、無理やりここでの経済効果をねらったという
ところには入っていかないのではないかと思われます。
　それから、検査が外来に移行したということ、これはむしろ入院の在り方というもの
を考え直されてきたことではないかと考えております。通常の場合ですと、先ほどお話
し申し上げましたように、何か病気で疑いがあった、即入院してしまって、そこから検
査を組み立てて、そして検査が出るまでお持ちいただいて、かつ、検査が出たところ
で、では手術をしましょうかといったような形で、その間ずっと患者さんは入院されて
いるわけでございます。ですから、在院日数は物すごく長くなりますのと、それにかか
る医療費自身も、かなり患者さんの負担が大きくなってくるということで、それをでき
るだけ迅速にする。実際には、先ほどお示しいたしました手術前の入院期間と手術後の
入院期間というのがございますが、手術後の入院期間は決して減少しておりません。で
すから、そこのところで患者さんの医療は十分に行われていると思うのですが、手術前
を効率化したということで、これは収益の部分と医療の効率化の内容というものとは裏
腹でございますので、なかなか櫻井委員の御質問に適切にお答えするのは難しいかと思
っておりますが、むしろ、私どもはこれは、本来あるべき姿に少しずつ戻っていってい
るのではないかというふうに考えております。

○櫻井委員
　関連のことですけれども、御報告の中に、膨大な資料なのでもしかしたら見落として
いるのかもしれませんが、病床利用率の報告はあったのでしょうか。最初の１ページの
項目のところには病床利用率というのが書いてあるのですけれども。

○西岡分科会長
　申し訳ございません。この資料の中にはちょっと入っておりません。

○櫻井委員
　入っていませんか。それはどうなっていますか。病床利用率の変化ですね。

○西岡分科会長
　病床利用率は全体的に８０％強ぐらいになっております。実際には、これは細かい数
値はこれからさらに検討しなければいけないのですが、特に都市部では、病床稼働率は
減少しておりません。ただ、地方に行きますと、病床利用率が減少する病院も出てきて
いるといったような、そういった傾向が見られております。

○櫻井委員
　在院日数の減少とすごく関係があるわけで、もしある地域の患者さんの数が一定であ
れば、在院日数が減れば病床利用率は落ちるはずです。病床利用率が落ちないというこ
とは、次の患者さんが次々に入ってくるから落ちないということです。だから、どんど
ん次の患者さんが入院されるということを前提に進んでいるというところが、病床利用
率が変わらないとすれば、あるわけです。病床利用率の結果は極めて重要な意味を持っ
ているので、在院日数の短縮と関係があるので、ぜひ出してほしいと思うのです。
　それの関連で、在院日数の減少と計画的再入院のことはあとで議論したいとさっき申
し上げたのですが、計画的再入院というのは、一連の一つの病気の治療ですね。これ
は、計画的でも再入院するとまた最初の入院第一日に戻るのですか、ＤＰＣでは。

○西岡分科会長
　はい。

○櫻井委員
　これはおかしいですよね。一つの治療をやって計画的に最後までやるというのが、そ
れが一つのＤＰＣの分類に入っているのであって、計画的に再入院するのは、おっしゃ
ったように、患者さんにとって大変いいことだけれども、それでも一つの分類の中であ
って、最後で何点と完結すべきだと思うのです。そうではなくて、そこからまた新しい
病気のように、入院初日から始めるという考え方は、それは計画的入院ではなくて、や
はり再発入院とかそういうときのことと同じでしかないのではないかと思うのです。こ
れは西岡先生に言っても仕方がないから、今後の検討課題ではないかと思います。計画
的再入院が増えているという話からそれを非常に感じたのです。
　それからもう１つ、いっぱいあって申し訳ないのですけれども、ここのページで言い
ますと、高度医療の提供が増加しているというふうに書いてあるのですが、具体的には
何が増加されたのですか。

○西岡分科会長
　これは参考資料の２２ページのところにあるものですが、ここで高度先進医療の実施
件数というのが出ております。この承認を受けている病院についてということで、ＤＰ
Ｃ病院、それから高度先進医療の申請中の件数といったものでございます。これが一つ
の新しい高度先進医療ということがございます。それから、臓器移植などがその次のペ
ージにございますが、これも増加しているということ。それから、新しい薬剤の治験の
契約件数、それから実施件数といったものも増加しているということでございます。

○櫻井委員
　ちょっとよろしいですか。私の聞きたいのは、ＤＰＣを導入することによって、つま
り医療機関の機能変化ですから、ＤＰＣを導入して変化した高度医療の提供の増加でな
いとあまり意味がないのです。高度先進医療というのはＤＰＣと関係ない話ですから、
それは特定機能病院でもともとやっていらっしゃったからやっていることで、ＤＰＣと
は無関係の話だと思います。治験も、治験とＤＰＣは直接関係ないのではないでしょう
か。治験をやられるということは、出来高で入院されている患者さんにとっても、ＤＰ
Ｃで入院したとしても、ＤＰＣだから治験が増えたとか、出来高だと治験ができないと
かということはちょっと考えにくいです。臓器移植の件数も、ＤＰＣを導入したから臓
器移植が増えたというのか、これもよくわからないのです。そうではなくて、ＤＰＣを
導入したことによってこのＤＰＣ導入後の特定機能病院が高度な医療を、出来高の枠に
縛られないでできるようになりましたということがないと、ＤＰＣを導入した意味がな
いのです。これだったらもともとの制度のままの方がよかったような気がするのです。
　なぜＤＰＣにした方がよかったのか。はっきり言わせてもらえば、先ほど医療費の動
向にも出ましたように、明らかにほかの病院がマイナス改定になって下がっているの
に、ＤＰＣ導入病院は収入が上がっているわけですから。そのことを僕は悪く言ってい
るのではないですよ、それはいいことなのです。でも、いいことというのは、良い医
療、それによって高度の医療なり患者さんのＱＯＬ野確保ができたということがわかれ
ば、「さすがは特定機能病院だ」ということで評価ができるから、それはすごくいいこ
となのですけれども、そうではなくて、収入だけは増えたのですと言われると、ちょっ
と疑問を感じざるを得ないのです。ＤＰＣが入ったら高度医療が増えたとかという説明
がないと、納得しにくい気がするのです。

○西岡分科会長
　御指摘、十分によくわかります。確かに先ほどの総会のところで、ＤＰＣ病院の医療
費が増加したということでございますが、それに関しましては、各病院における医療の
質を確保するための職員の増加、特にナースの増加などがその費用に充てられておりま
すし、また実際には病院のアメニティーの部分、それからまた、電算化の部分にもそれ
が配分されていくということでございますし、その中で、医療を効率化しながら各職
員、特に医師の場合には、特定機能病院では研究などの時間、あるいはそれに対する費
用もそちらに回すことが可能になってくる。今法人化しておりますので、その中でやら
なければいけないということがございますので、最終的な形で、高度先進医療を申請す
る数が増加したと、あるいはそれを実施できるというところは、やはりＤＰＣをうま
く、うまくと言ったらおかしいのですが、ＤＰＣによる効果ということの一つ、これは
すべてではございませんで、一つの指標とすることもできるのではないかということ
で、ここで挙げて調査いたしました。特に、特定機能病院における機能が減少していな
いかということが、このＤＰＣ導入によって大きく問われておりましたので、そういっ
た意味、これまでやってきております本来の活動が阻害されていないかどうかを見る指
標といたしまして、こういった指標をチェックさせていただいたというのが現状でござ
います。

○宗岡委員
　西岡先生はじめ御関係の方々が非常に詳細な調査をされましてこのようにレポートい
ただいたことに、まず感謝を申し上げたいと思います。先ほど松原先生から、日本医師
会は、大病院も含めて代表しているのだとおっしゃっていらっしゃるので、大病院を中
心とするこの対象の病院がこれに真摯に取り組んでいただいたということに対して、我
々は大いに感謝したいし、もともと私どもはこういうことを通じて、医療の質と効率と
いうものを両立させるということを期待をしていた。それに対してポジティブな結果が
出たということに対して我々は意を強くしたいと思います。いろいろもちろんまだ患者
さんあるいは医療スタッフについての理解の程度が足りないとか、いろいろ問題ありま
しょうけれども、マクロにはやはり日本の医療にとって非常に重要な一歩が踏み出され
たというふうに、このレポートを評価して受けとめたいと思います。ありがとうござい
ました。

○星野小委員長
　対馬委員も手が挙がっていましたね。

○対馬委員
　まずお礼を申し上げたいということです。今宗岡委員が言われましたので、私ども全
く同じような感想を持っております。
　今２号側の方からいろいろ疑問点なりもございましたけれども、ＤＰＣが万能薬とい
うわけではないわけでございまして、ただ、ＤＰＣの重要なポイントであった平均在院
日数が減少したということは、やはりこれは患者にとって、医療の質にとって非常にい
いことではないかなというふうに思いますし、また、医療機関がお互いに比較できると
いうことは、やはり医療の質の向上につながっていくだろうというふうに思いますの
で、全体的に今回のレポートというのは、非常によく、問題点は問題点として指摘しま
すけれども、全体的にはやはり一歩前に進んだのではないかと、こういうふうに私ども
受けとめていますので、その点を申し上げておきたいというふうに思います。

○星野小委員長
　ありがとうございます。

○櫻井委員
　まだ質問がいっぱいあるのですが、いいですか。

○星野小委員長
　皆さんの御了解を得て、少し時間を延ばしてよろしゅうございますか。

○櫻井委員
　もしかして誤解をされていると困るのでつけ加えます。さっき申し上げましたよう
に、私はこのＤＰＣの導入で特定機能病院の収入も増えて、いい医療が行われることは
いいことだと思っているわけで、この特定機能病院の包括定数、ＤＲＧではなくてＤＰ
Ｃでというような意見は、もともと日本医師会が持っていた意見ですから、そのことを
誤解しないでほしいのです。大変いいことですけれども、いい結果が得られるかどうか
をよく聞いておきたいということで質問しているわけですから、ぜひそれは誤解のない
ようにお願いしたいと思うのです。
　在院日数の減少のことの、関連で、診－１－１の４ページに、「退院時転帰の状況」
がありまして、「治癒」の割合が減少している、「軽快」と合わせると変わっていない
と。「この変化は在院日数短縮の取組みの影響によると推測される」という意味は、ど
うもこの言い方は、在院日数を短縮させるために治癒しないうちに帰しているというふ
うにも読めなくないのですけれども、これはどういう意味なのかの御説明をお聞きした
かったのです。

○西岡分科会長
　今までは完全治癒ということで、患者さんの方からいたしますと、全くもう完全に治
って元気になるまで病院にいたいという御希望ももちろんあったかと思うのですが、こ
れは急性期医療という医療の中でいろいろな病院の役割分担ということもございます。
実際の特定機能病院では、私たち医者の立場として「治癒」というのは絶対使わないの
です。多分櫻井先生もそうだと思うのですが、すべてが「軽快」のはずなのです。です
から、ここで「治癒」ときているのは、私個人としては少々不思議な感があるのです
が、実際にはこういう分類で出ておりますので、それを取り上げております。
　ただ、一般の生活に戻って大丈夫だという判断ができたところでもう退院していただ
くという形です。これは、医療の世界的傾向でございますが、長く病院にとどまらず
に、できるだけ普通の生活に戻っていただきたいという傾向がございます。それに対し
まして、今まではやはりそれが長くとどまり過ぎていたといったものがあったのではな
いかとうかがわれます。私自身の経験でも、少し長く入院されていたのではないかとい
うことも多々見受けておりました。その部分を医療としてはっきりとさせてきたという
のがこのデータではないかというふうに思っております。だから、このデータをごらん
になりますと、まだ治っていないのに無理やり帰したのではないかという櫻井委員の御
指摘になるかと思うのですが、決してそうではございませんで、十分に日常生活が行え
るという時点を判断して、できるだけ早く患者さんの日常生活に戻っていただく、そう
いった形の行動がここにあらわれたのではないかというふうに御理解いただけたらと思
います。

○櫻井委員
　その関連なのですけれども、よろしいですか。

○星野小委員長
　どうぞ。

○櫻井委員
　今のところの関連で、後ろの方の１０ページに、上の方に職員に関することがあっ
て、下の方に患者満足度調査がある。あまり時間がないから患者満足度の中でいきます
と、「退院の時期についての評価」が、「適切」が５２％で、「ほぼ適切」が２３％
で、８割近くの人が適切だと回答しているということは、大変皮肉な言い方をすると、
２割以上の人は適切ではなかったけれども退院したということになるというところがあ
るので、この辺が心配なのです。それがいいことであればいいのだろうけれども、患者
さんとの兼ね合いで、その辺をどうお考えになって、またどう説明しているか。という
のは、クリニカルパスの導入というのが強調されて、２割ぐらいにはクリニカルパスが
導入されていると言いますけれども、僕が言うのは釈迦に説法ですけれども、これはも
ともとクリティカルパスということで導入されたはずで、クリティカルを求めてのパス
だったはずなのが、いつの間にか、わかりやすいからかどうか知らないけれども、クリ
ニカルパスということになって、それだったら出来高の入院でもある。単に、入院治療
計画になってしまうのです。本来の、特に特定機能病院はクリティカルパスとしてきち
っとクリティカルを求めて、当然、退院後も含めてのクリティカルパスを考えるべきだ
と思います。だからこそさっきの計画的再入院などというのはまさにそれなのでして、
いかに入院を短くしてまた再入院するとかいうようなことをやる、それで無駄な入院日
数を減らすというのがクリティカルパスの考え方だったわけです。クリニカルパスとい
う、何かわかりやすいような、実際には、単に入院計画で出来高の普通の病院でもやっ
ているのではないのみたいなものをやらないでほしいという気がします。２割以上の患
者さんがどう考えているかを、もう時間ないですからお答え要りませんけれども、きち
っとやるべきだと思います。
　その下のアンケートも、ＤＰＣ導入後の医療内容に変わりがあったかなかったか、一
人の患者さんに聞いてわかるはずがないですね。ＤＰＣの前とＤＰＣの後と２回入院し
て、同じ治療を、同じ病気で２回入院した人を探すといっても、それは無理でしょう。
手術した人などは、前に手術してしまって今度もまた手術するわけないわけだから、比
較しようがない。これはどうやって調査したのか、非常に面白い調査だと思います。西
岡先生も御自分でこれは難しい調査とおっしゃったから、きっと疑問に思いながらやら
れたのだと思いますけれども、もう時間がないから、御回答は要りませんけれども、そ
ういう幾つもの疑問を持っているということです。
　きちんといいことが行われれば、私も、１号側の方がおっしゃったように大変いいこ
とだと思っています。
　以上でございます。

○西岡分科会長
　お答えした方かよろしいでしょうか。
　クリニカルパスとクリティカルパスの言葉なのですが、これは、パスの学会の人たち
が、初期は、最初はクリニカルパスで始まって、クリティカルパスに変わって、また最
近はクリニカルパスに変わったという、名前、経緯がございまして、本当の意味でクリ
ティカルパスという形であれば、櫻井委員がおっしゃるのはごもっともではないかとい
うふうに思います。学会の動向がございますので、ちょっとそこは私の方で言葉の定義
ができないところでございます。
　それから、実際には、これは以前の入院と比べてどうだったかということで、１年ぐ
らい前に入院されていた方を対象としてお伺いしておりますので、本当のところ、そこ
のところは、条件がそれぞれ違いますので、答えを出すのは非常に難しいのではないか
と、御指摘のとおりでございます。この患者満足度調査は、今回はかなり短い期間でや
ってしまいましたので、その分析が十分でございませんので、これは何度も繰り返して
さらに精度の高いものにしたいと考えております。

○星野小委員長
　ありがとうございました。

○岡谷専門委員
　今回このＤＰＣの調査の中で、「看護の必要度に係る特別調査」を加えていただきま
した。指標があまりなくて、２つの大学病院だけのデータですので、あまり一般化はで
きないかもしれないのですが、平均在院日数の短縮ということがやはり看護業務量を非
常に増やしていっているという、そういうデータが出たことは、実際現場で働いている
ナースの実感と、ここに出てきたデータとが非常に合致しているという点ではよかった
なというふうに思っています。
　ＤＰＣを導入した病院の収益が上がっているということですが、やはり看護業務量が
増えている分、今の看護職員の人員配置といったものが実際にどういうふうになってい
るのかということについても、次回の調査ではきちんと見ていただきたいというふうに
思っております。

○星野小委員長
　時間がなくなってしまったのですけれども、今、西岡先生とそれから櫻井先生、ある
いは１号側の各氏からの議論を聞いていて、ここで打ち切ってしまうのは大変もったい
ないなという気がするのですね、基本的には。つまり、櫻井先生も、いいことなのだか
らなおよくしたいという、こういう気持ちでいろいろ御質問されているわけですから、
そういう意味では、これからの調査のよりディープニングというかボーリングしていく
ための材料にする非常に貴重な意見なのではないかなと思うので、このままほっておく
のはもったいないのではないかと思いますので、委員の先生方には御面倒なのかもしま
せんけれども、この調査についての櫻井先生が幾つか挙げられたようなことを、むしろ
言い足りないところをメモにしてもらって、櫻井先生だけではなくて、１号側も当然あ
ると思うので、メモにしていただいて、西岡先生の方に御提供いただくと。それで、そ
の中継は医療課の方でやっていただきたいと思います。多分この後事務方から幾つか何
かあって、その中で今年度調査の話みたいなものがあるのでしょう、だから、それに役
立たせるのに非常に貴重だから、そんなことをやっていただけたら、もちろん公益委員
の方も同様でございますが、いかがでしょうか、そんな運びさせていただけたらと思い
ますが。よろしくお願いいたします。
　それでは、今度は事務方の方ですか、西岡先生の御討議についてはこの辺にして、
「平成１７年度におけるＤＰＣに関する調査」について、事務局から資料が出ているよ
うですから、それの説明をしてください。もう時間がないから、要領よくやっていただ
けませんか。

○事務局（福田企画官）
　それでは、お手元の資料の診－１－２をごらんいただきたいと思います。「平成１７
年度におけるＤＰＣに関する調査について」の事務局案でございます。
　調査項目についてでございますが、先ほど西岡先生の方から御発表がございましたけ
れども、診療報酬調査専門組織のＤＰＣ評価分科会における検討結果を踏まえまして進
めていけたらというふうに考えております。具体的には、下の参考のところにございま
すけれども、今後のＤＰＣ評価に有効なものについては引き続き調査をすることとする
が、可能な限り例年行っている調査の改善によって対応するということでございます。
そのほか、先ほど御議論もありましたけれども、患者満足度調査等、引き続き調査を実
施するものについては調査をしていきたいということでございます。
　具体的には、「調査項目」のところをごらんいただければと思いますけれども、薄い
字で書いてございますところが例年行っている調査でございまして、これにつきまして
は内容の若干の改善を図りながら引き続き進めていきたいというものでございます。黒
い字でアンダーラインの引いてございますのが、例年に加えて追加する調査項目という
ことで、先ほど意見がございましたが、患者満足度調査等を含めまして、また、これか
らいただく御議論、御意見なども踏まえまして調査設計をしていけたらというふうに考
えてございます。
　次のページをごらんいただきたいと思いますが、「調査対象施設について」でござい
ます。現行の調査対象病院につきましては、ＤＰＣ対象病院及びＤＰＣ試行的適用病院
はすべて引き続き対象とするということでございます。それ以外の調査協力病院につき
ましては、基本的に、データをきちっと出していただいております医療機関につきまし
ては引き続き御参加をいただきたいという形でございます。
　次の丸でございますが、ＤＰＣ調査協力病院への新規参加についてでございます。こ
れにつきましては、特定機能病院として新規になる可能性のある医療施設、それから、
包括評価制度の評価を行う一環としまして、医療機関の比較を行うためのデータを収集
することにしておりますけれども、昨年の募集におきまして、予算等の制約によりまし
て協力体制を整えられなかった国立、公立の医療機関につきましては、ＤＰＣ調査協力
病院に新たに加えてはどうかということを提案しているものでございます。
　以上でございます。

○星野小委員長
　どうもありがとうございました。
　ただいまの御説明に対しまして御質問、御意見等がありましたら、どうぞ。

○対馬委員
　ちょっと時間もないところ恐縮なのですけれども、２ページ目のところの調査対象の
施設の関係です。調査協力病院の新規参加ですが、国立、公立、公的医療機関は加えて
もいいと、ただし、民間はだめだと、こう読めるのですけれども、恐らく、これはそう
いうことではないのだろうと。恐らく規模の問題とか、ないしは疾病対象ということな
のだと思うのですが、国立、公立、公的医療機関、何らかの、こういった設立母体別の
基準ではなくて、もっと大きさでありますとか、ないしは疾病でありますとか、そうい
ったところで選定していただきたい。これだと、官はいいけれども民はだめだと、こう
読めないこともないので、その点、よろしくお願いしたいというふうに思います。

○櫻井委員
　私は、むしろこの調査協力病院を増やす必要はないと思っています。ＤＰＣ対象病院
の結果でさえまだまだいろいろな問題点があるのに、何か予算も足りないとか書いてあ
りますから、もっと対象病院をきちっと調べるべきですし、特定機能病院のような、ま
さに特定機能をやる病院においてＤＰＣを導入することによって、先ほどから何回も言
っていますように、患者さんにとっていい医療が行われること、それがＤＰＣ導入の目
的なのだと思います。そこをきちっと固めるべきなのであって、単に対象を拡大すると
いうことは、ＤＰＣ導入の本来の目的と違うことをどんどん広めていくことになるよう
な気がするのです。単に包括点数をやるというだけの話になってしまうので、公的病院
であっても、これ以上拡大する必要はないので、ここに書いてある中では、ＤＰＣ対象
病院と試行的適用病院だけに限って、そのかわりきちっとどういう成果、アウトカムが
あるのかを判断すべきだと思います。

○宗岡委員
　繰り返しになりますけれども、先ほどの西岡先生のレポートも、マクロ観としては非
常にこのＤＰＣというものについてポジティブな評価をされたというふうに理解をして
おりまして、そういう意味で、今回こういうことについても、やはり今後さらに拡大を
していくということが基本的な方向であるべきであろうと思いますし、それが国公立の
病院でなければいけないという必要は一切ないだろうというふうに思いますので、民間
で努力をしているところも幅広く受け入れて議論に参加させるということに意義がある
と私は理解をしております。

○星野小委員長
　ほかに御意見ございませんか。

○小島委員
　調査結果についてですが、これについては宗岡委員の指摘されたように、総体的な評
価としてはＤＰＣを入れた目的にそう方向になっているのではないかと評価できます。
　調査項目の中で、先ほど議論になりましたけれども、最終的には医療の質がどうかと
いうこと、これはやはり総合的にどう判断するかということになります。そのためには
やはり患者満足度、これをどう客観的な形で示すかとなると難しいところであります。
先ほどの調査の報告の中でも、８割ぐらいの患者さんは満足しているということです
が、では残りの２割の患者さんはどう考えるかというのはあります。
　それと関係でいえば、医療従事者の受けとめ方も大きなポイントになるのではないか
と思います。調査の結果の１－１の資料の１０ページの「医療達成度調査」の「(4)医
療従事者としての退院に対する納得度」です。この数字だけを拾うと、６割の職員は納
得しているということになっております。そうすると、４割の従事者はそこはどう考え
ているのか。ＤＰＣが導入されてまだ間がないので、従事者自身がこのＤＰＣの目的を
どこまで理解されているかということもあります。やはり従事者と患者との関係が、Ｄ
ＰＣ導入によっていい方向に向かっているかどうかがポイントだと思います。そのこと
をぜひこの調査の中では反映できるようなことにしていただければと思います。
　それと、調査協力病院についてですが、必ずしも特定機能病院に限定する必要はない
と思いますので、幅広く協力ができる医療機関については、協力を求めていくべきと思
っています。

○星野小委員長
　ありがとうございました。

○松浦委員
　それでは、私も一つ。
　皆さんおっしゃっていますから、私も民間は除いておく必要はないと思っています。
特に自治体病院は、今経営が非常に苦しくて、交付税を切られたらもたないというよう
な病院がたくさん出ておりますので、ですから私は、こういった時代には、むしろ民間
の病院も積極的に日本の医療を担ってもらわなければいかぬ、こう思っておりますか
ら、ぜひ民間も加えておくべきだと思っております。

○星野小委員長
　小島委員の御発言は、先ほど申し上げましたように、もしどうしてもということなら
紙にして事務方に出していただく。ただ、出したから必ずそのまま受けられるかどうか
というのは、またここでお約束してしまうと西岡先生の方も動きが狭くなってしまうこ
ともあるでしょうから、ただ、意見としては出していただくと。

○事務局（福田企画官）
　調査協力病院のことについてでございますが、ちょっと現状を申し上げたいと思いま
す。現状は、１５１の医療機関が、いわゆるコントロールといいましょうか、ＤＰＣの
適用を受けない形でございますけれども、それに関連しての同じようなデータを出すと
いうことで御協力をいただくということで手を挙げていただいております。しかしなが
ら、先ほど西岡先生の方からの御報告にもございましたけれども、実際に４カ月間のデ
ータを適切に提出いただけた医療機関と申しますのは約５０医療機関でございます。そ
のうち、１カ月とか何らかの形で御貢献をいただいたのは、残りの大体１００医療機関
ということで、全くやはり対応ができなかった医療機関が１０弱という、そういう状況
でございます。したがいまして、現在医療機関の数という形でいろいろな比較をとって
いくという観点からいたしますと、それぞれ５０以上ぐらいの数が整っているというよ
うなことは言えるかと思います。それ以上のところはちょっと私ども事務局の方で申し
上げるあれではございませんけれども、現状といたしましてはそのような形になってい
ると。
　私どもの方で御説明申し上げました公的機関というのは、やはり予算の制約があっ
て、いろいろ、やりたくてもできなかったということもございまして、その部分につい
ては勘案をしてもいいのではないかという部分で御提案を申し上げたものでございま
す。それから、１５１の機関のうち、いわゆる都道府県立が非常に少のうございます。
これは、やはり規模の問題と意思決定の問題がなかなか大変な部分もあろうかなという
ところはあるのでございますけれども、そういったようなことを踏まえまして、一応事
務局としては、先ほど御説明申し上げたような御提案をさせていただいたということで
ございます。

○星野小委員長
　どうもありがとうございました。

○松浦委員
　今の事務局のお話で、この「国立、公立、公的医療機関」でいいという意味のことを
言われたのですか、ではないのですか。

○事務局（福田企画官）
　そういう意味ではございません。現状を御説明をしたということでございます。

○松浦委員
　結構です。

○星野小委員長
　ほかにございませんか。
　今の対馬委員の御発言から始まった２ページの下の丸の問題につきましては、ＤＰＣ
を導入する段階からいろいろ経緯のある話でありまして、そういう意味では、今日ここ
ですぱっと決めるわけにいかないのではないかなというふうに思うのですが、どうでし
ょうか、これは率直な話は。したがって、ここの件に関してはもう少し時間をかしてい
ただくということにしていただきまして、それ以外の点については、よろしゅうござい
ますか、こういう調査を進めるということについて。というのは、調査について段取り
があると思いますので、調査設計の方はする。ただ、これは要するに対象を増やすかと
いう話ですから、調査設計と全く関係がないというわけではないでしょうけれども、対
象についてどうするかということについては、今日はここは打ちかけにしておいてもら
った方がいいのではないかなという気がするのですが、そういう前提で、この今事務方
が出した「調査について（案）」について、これはよろしゅうございますか、進めてい
いということで。

○事務局（福田企画官）
　例年、調査は７月からスタートいたしまして、その前に説明会を開かなくてはならな
いということでございます。昨年は６月の末にやはりなかなか決まらずに行ったという
経緯がございまして、それがまた、調査そのものに非常に負担を強いるという状況でご
ざいました。ということでございますので、私ども国公立というところに特にこだわっ
ているわけではございませんので、この点のところは、特にここから落としていただい
ても結構と。
　ただ、やはり現在の調査協力病院の実情を見てまいりますと、やはり早い段階で私ど
もの方としても、ちゃんと協力をしていただけるといいましょうか、そういったところ
を精査をする必要がございまして、そういう観点から、ちょうど２枚目の紙の１番目の
丸の２つ目の黒ぽつの部分と、それから２番目の丸の２つ目の黒ぽつの部分を総合して
今後進めさせていただければと。手は挙げていただくのですけれども、実際に調査に協
力をしていただくということについては、事務局の方で、具体的な要件を医療機関と調
整をさせていただいて、十分にやっていただけるというところについてスタートをさせ
ていただくという形にさせていただければありがたいなと。これ自体は、基本的にＤＰ
Ｃに、直ちに包括になるとか、そういう話ではなくて、いろいろなレベルの御関心が非
常に多いところでございますので、やはり事前に、我々としては調査のコントロールと
いうところがポイントでございますので、それがうまくいかないとどうにもならない
と。今後の、先ほどいろいろ御議論がございましたけれども、その分析というようなと
ころの精緻化、そういった部分をこのＤＰＣの向上という観点からやっているわけでご
ざいますので、そういった点に支障がない形で、なおかつ参加の門はなるべく開きなが
ら、実際実行する段階のところできちっと対応させていただくというような形で御理解
をいただければ、我々事務局としては一番進めやすいかなというふうに思っておりま
す。

○星野小委員長
　つまり、こういう紙を出しているのだから、そうしたら紙はどうやって変えたらいい
ですか、ここは。それで皆さんの御了解が得られるかどうか。

○事務局（福田企画官）
　２番目の丸の一番下の黒ぽつでございますけれども、「国立、公立、公的医療機関に
ついては」という部分だけを落としていただいて、あとはそういう形で進めていくとい
うことでよろしいでしょうか。

○松浦委員
　了解です。

○櫻井委員
　これ、議論するならきちんと議論させてもらわないといけないですね。その上の黒ぽ
つも問題だし、それから上の丸の下の黒ぽつについては、「見直しを行ってはどうか」
ということについて何も議論していませんね。

○事務局（福田企画官）
　「見直し」の部分でございますけれども、「見直し」というのは、調査対象機関から
外れていただくと、そういう意味でございます。

○星野小委員長
　どういうことですか。

○事務局（福田企画官）
　「データの提出時期や精度等から見た見直しを」というのは、データの提出時期とか
精度に問題がある医療機関については、調査の対象協力病院から降りていただくという
こと、そういう意味でございます。

○櫻井委員
　そういう意味ならそういうふうに書いておかないと、「見直し」と書いてあるのだか
ら、見直さなければならないと思うのだけれども、外すというのだったら外すと書くべ
きです。それで合意するかどうかという話ですから。そうしたら、そこも星野会長が言
ったように、何を外すとか、何か書いてくれないとわからない。これは、全部外してし
まうということですね、そうすると協力病院は。

○事務局（福田企画官）
　医療機関単位で募集をしてございますので、そういうことになろうかと思います。

○櫻井委員
　ですから、、外すと言っても何を外すかがわからないのでは。外す目的語がないと。

○星野小委員長
　「データの提出時期や精度等から見た見直しを行う」と本当は言いたいの、それとも
「どうか」と言うのですか。「現在のＤＰＣ調査協力病院も基本的に対象とするが、デ
ータの提出時期や精度等から見た見直しを行う」。要するに、ここで言っているのは現
在のＤＰＣ調査協力病院の話をしているのでしょう。それを基本的には対象とすると。
１００なら１００あるというのをやるけれども、しかし、データの提出時期や精度等か
ら見ると見直しを行いますよと、その１００を８０にしますよとかと、こういうことな
のですね。

○事務局（福田企画官）
　さようでございます。

○星野小委員長
　だったら、ここははっきり「見直しを行う」とやればいいではないですか。
　問題は下なのです。その次の丸のところをどう書くかなのです。だから、あなたの案
は、「協力体制を整えられなかった国立、公立、公的」を切ると、こういうことでしょ
う。「昨年の募集において予算等の制約から協力体制を整えられなかった国立、公立、
公的医療機関については、ＤＰＣ調査協力病院に加えてどうか。」、この心は何です
か、そうすると。

○事務局（福田企画官）
　基本的には、昨年度の調査というところの中でコントロールをきちっと確保して適切
な調査を行うというところであったかと思いますけれども、その時点で高い関心のあっ
た医療機関につきましては参加をしていただきたいということでございます。

○星野小委員長
　今そこについて１号側と２号側と議論しているわけですよ、でしょう。これはただ、
「なかった国立、公立、公的医療機関については、ＤＰＣ調査協力病院に加えてはどう
か。」と。それは言葉としてはそうかもしれないけれども、だけど、加えたものを持っ
てきたときにまた１号、２号と合わないということはあり得るわけですね。それを承知
の上でこの紙は作りましたと、こういうことになると思いますね。私は座長として今１
号と２号の言っている深い意味というのは知っているものだから、なおのこと、そう簡
単にはいかないのではないかと思うのだけれども、どうだろうか。だから、ここの文章
は打ちかけにしておいたらどうか、調整期間が必要なのではないのと言っているので
す。

○事務局（福田企画官）
　では、そのようにさせていただきたいと思います。

○星野小委員長
　時間の無駄だよ。

○櫻井委員
　その上の「今後、特定機能病院となる可能性のある施設は対象と」するというのも、
これも何か随分あいまいです。可能性と言うのだったら、病院はみんな可能性だけはあ
るだろうし、これは要らないのではないですか。何を言おうとしているのかわからない
けれども、「可能性のある施設」などと言い出したら・・・・。

○星野小委員長
　だから、この丸全部打ちかけにしましょう。そうしましょう。

○櫻井委員
　はい、わかりました。

○星野小委員長
　いや、これは非常に重要なポイントなのです。お互いに理解しなければ進まないのだ
から、でしょう。だから、そこは非常に大切にしながら両者の調整をとっていくという
ことが、それが中医協の精神なのです。それを言葉の上だけでごまかしていこうという
のは一番反対なんです、そういうのは。時間の無駄だよ、ということです。
　それから、この調査を進めるに当たってもう１点だけちょっとお決めいただかなけれ
ばならないのがあるのですよね。それだけ、申し訳ないけれども、時間をちょっとまだ
延長させていただきまして、ＤＰＣのあと１つあるでしょう、カテゴリーの話。

○事務局（麦谷医療課長）
　ＤＰＣに関する限りは、この案も打ちかけになりましたので、「可能な限り速やかに
行うことが必要との意見があった診断群分類の見直しについて」も、私どもからまた説
明をいたしますので。

○星野小委員長
　そうですね。それでは、今日のところはそういうことで、この今の今後の調査につい
ては、一等下の丸全体は打ちかけのままにしておいて、ほかのところは御了解を得られ
たという格好にしておいてやってください。

○事務局（麦谷医療課長）
　はい。

○星野小委員長
　それでは、そういうことで今日は議論を了解したいと思いますが、よろしゅうござい
ますね。
　　　　　　　　　　　　　〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○星野小委員長
　それでは、今日は西岡分科会長には、長時間どうもありがとうございました。
　　　　　　　　　　　　　　　〔西岡分科会長退席〕

○星野小委員長
　本日はもう１つありまして、「療養の給付と直接関係のないサービス等について」と
いうのを議題にするはずでしたが、今日はもう１時間弱延長していますので、それは次
回にさせていただきたいと思います。
　よろしゅうございますね、事務方も。

○事務局（麦谷医療課長）
　はい、結構です。

○星野小委員長
　それでは、本日の小委員会はこのあたりで終了したいと思います。どうもありがとう
ございました。


【照会先】
厚生労働省保険局医療課企画法令第１係
代表　０３－５２５３－１１１１（内線３２８８）