05/04/14 薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会 平成17年4月14日議事録 薬事・食品衛生審議会 医薬品第一部会 議事録 1.日時及び場所   平成17年4月14日(木) 14:00〜   厚生労働省共用第8会議室 2.出席委員(12名)五十音順   井 上 和 秀、 岩  崎   学、 首 藤 紘 一、 田 島 知 行、    谷川原 祐 介、 土 屋 文 人、◎永 井 良 三、○長 尾   拓、    長谷川 紘 司、 早 川   浩、 樋 口 輝 彦、 村 勢 敏 郎、 (注) ◎部会長 ○部会長代理   欠席委員(2名) 青 柳 伸 男、 堺   秀  人 3.行政機関出席者   黒 川 達 夫(大臣官房審議官)、 川 原   章(審査管理課長)、    平 山 佳 伸(安全対策課長)、   豊 島   聰(医薬品医療機器総合機構審査センター長)    古 澤 康 秀(医薬品医療機器総合機構審議役)、    森   和 彦(医薬品医療機器総合機構新薬審査第一部長)、   坂 本   純(医薬品医療機器総合機構新薬審査第二部長)、   牧 野 ゆり子(医薬品医療機器総合機構新薬審査第三部長)、   田 中 克 平(医薬品医療機器総合機構生物系審査部長)  他 4.備  考   本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。 ○審査管理課長 それでは定刻になりましたので、薬事・食品衛生審議会の医薬品第一 部会を開催させていただきます。本日はお忙しい中お集まりいただきましてありがとう ございます。樋口先生が遅れておられまして当部会委員数14名のうち現在11名でござ いますけれども、12名の先生に御出席いただく予定となっております。したがいまして、 定足数に達しておりますことを御報告いたします。欠席は青柳委員と堺委員の2名で、 樋口先生は遅れてお見えになると思います。それでは永井先生、以後の進行をよろしく お願いいたします。 ○永井部会長 それでは審議に入りますが、まず事務局に人事異動があったということ でございますので、ごあいさつをお願いいたします。 ○生物系審査部長 医薬食品局総務課より4月1日付けで総合機構生物系審査部長とし て着任いたしました田中でございます。よろしくお願い申し上げます。 ○永井部会長 よろしくお願いいたします。それではまず事務局から配付資料の確認及 び資料作成に関与された委員の報告を行ってください。 ○事務局 それでは資料の確認をさせていただきます。資料1及び資料2-1と2-2につ きましては先生方に事前にお送りした資料でございます。それから本日の席上の配付資 料といたしまして議事次第、座席表、委員名簿のほかに当日配付資料といたしまして資 料3、新キットの承認についてという資料がございます。それから資料4といたしまし て審議品目の薬事分科会における取扱い等というタイトルの資料がございます。それか ら最後の資料5といたしまして専門委員のリストを配付させていただいております。ま たいわゆる関与委員でございますけれども、本日の審議品目につきまして資料作成に関 与された先生はいらっしゃいません。以上でございます。 ── 樋口委員着席 ── ○永井部会長 ありがとうございます。本日の議題ですが、審議事項が1題、報告事項 が2題となっております。早速審議事項に入らせていただきます。医薬品クリアクター 注ですが、機構からまず概要を御説明いただけますでしょうか。 ○機構 それでは資料1、クリアクター注40万、同80万、同160万につきまして審査 を担当しました医薬品医療機器総合機構から説明させていただきます。  本剤の有効成分はモンテプラーゼ(遺伝子組換え)であり、血栓溶解を目的とするt- PA tissue-Plasminogen Activator製剤です。申請者はエーザイ株式会社で、平成10 年4月10日には「急性心筋梗塞における冠動脈血栓の溶解」を効能・効果として承認さ れております。今般、「急性肺塞栓症における肺動脈血栓の溶解」の効能を追加する医 薬品製造承認事項一部変更承認申請が行われ、希少疾病用医薬品の指定を受けておりま す。  本剤の特徴は、静脈内投与時の消失半減期が他のt-PA製剤よりも長いことから、ア ルテプラーゼやチソキナーゼなど、他のt-PA製剤が点滴静注で用いられているのに対 して、本剤は単回静注で用いられるという点であります。  本品目の審査の概略については、臨床試験成績における有効性、安全性の評価を中心 に説明させていただきます。  臨床試験は、第II相試験として2用量非盲検群間比較試験、第III相試験として本剤及 びプラセボ群間のクロスオーバー比較試験、以上2試験が実施されております。  第II相試験は、急性心筋梗塞時に使用されている27,500IU/kg投与群及びその半量の 13,750IU/kg投与群で比較試験が行われ、主要評価項目である投与開始24〜48時間後の 肺塞栓をそれぞれ100%及び80%改善しました。副次評価項目である投与開始60分後の 改善率が、27,500IU/kg投与群で93.3%、13,750IU/kg投与群で50.0%であったことか ら、第III相試験では27,500IU/kg投与での有効性が確認されております。穿刺部出血、 歯肉出血及び皮下出血など出血性の有害事象は、13,750IU/kg投与群よりも27,500IU/kg 投与群で多く認められております。  本剤の用法・用量については、心筋梗塞の適応と同じ27,500IU/kgで申請されており ます。専門協議において、安全性を重視して13,750IU/kgを選択するか、有効性を重視 して27,500IU/kgを選択するかで議論がありましたが、慎重投与に該当する高齢者など の出血性有害事象のハイリスク集団に対して投与する場合には、13,750IU/kgが選択さ れるべきであり、また、積極的な血栓溶解療法を行う場合には27,500IU/kgが選択され るであろうという点では意見が一致し、通常用量は13,750〜27,500IU/kgとし、1回最 大投与量を27,500IU/kgとすることが妥当と判断しました。  効能・効果に関しては、本剤投与によるリスクとベネフィットを考えると、本剤は、 軽症例ではなく、ショックや低血圧が遷延する血行動態が不安定な重症例に限定して投 与されるべきであり、「不安定な血行動態を伴う急性肺塞栓症における肺動脈血栓の溶 解」とすることが妥当と判断しました。  以上のような検討を行った結果、本剤は希少疾病用医薬品であり、患者に対する投与 例は計60例であること、急性肺塞栓症患者に投与した場合の最終的な予後は検討されて いないこと、患者の状態に応じた至適用量の検討は不十分であることなどから、市販後 は投与症例全例を対象として、対象疾患などの患者背景、本剤の投与量、併用薬、最終 的な転帰を含めた安全性・有効性などの調査を行う必要があると考えました。しかし、 本剤は既に急性心筋梗塞を対象とした効能・効果を有し臨床現場で使用されていること から、全例調査は実質的に不可能であることを勘案し、承認条件として、「急性肺塞栓 症において可能な限り、再審査期間中の全投与症例を市販後調査の対象とした安全性及 び有効性に関する調査を実施し、集積された結果を定期的に報告すること。」を付した 上で、本申請を承認して差し支えないと判断しました。  本剤は希少疾病用医薬品であることから、再審査期間は10年と判断しております。薬 事分科会では報告を予定しております。御審議よろしくお願いいたします。 ○永井部会長 ありがとうございました。それでは御質問、御討論お願いいたします。 t-PA製剤が急性心筋梗塞に使われておりますけれども、肺動脈血栓塞栓症への適応拡 大ということでございます。重症例に限定するということでございますね。臨床データ の中に細かく書いてあると思いますが、ただ血栓が小さくなったというだけではなくて 実際に血行動態も改善したという、そこまで含めての改善ということですね。 ○機構 はい。これは実際に治験担当医師以外のフィルム読影委員会を設けまして、血 流の再開というのを確認しております。単に血栓が小さくなったということではありま せんで、肺動脈造影のフィルム全体を検討しております。 ○永井部会長 あとしばしばエコーで右室圧をチェックしますけれども、それも下がっ たと…。 ○機構 臨床現場でベッドサイドで取れるモニタリングの中では行われておりますけれ ども、それを副次評価項目には正式には入れてございません。ただし市販後調査の中で 一番ベッドサイドでできる指標として、右心負荷の状態をエコーでチェックするように 評価項目に入れてございます。 ○永井部会長 いかがでしょうか。 ○岩崎委員 私は専門委員としてこれには携わっていたわけですが、やはり希少疾病と いうことで症例数が非常に少ないので、専門協議のときもつまり今御説明があったよう に用量をどうするかということが議論になったわけですけれども、やはり高用量だけで はなくて低用量も選択肢に含めるということで妥当ではないかというふうに思いまし た。それからやはり情報が不足していますので、今市販後できる限り収集というお話だ ったのですけれども、大体どのくらいのことをお考えなのでしょうか。 ○新薬審査第二部長 まず第一に、先ほど申し上げましたように、このものにつきまし ては既に販売されておりますので、登録して全例調査ということは難しかろうというこ とがあります。それで今のところの計画では、あらかじめある程度の施設には事前にお 願いして登録して情報を取り、それからそれ以外の施設で使われた場合にはレトロスペ クティブになっても情報を取りにいくということで、可能な限りという言い方でそこの フォローもさせるということで市販後の計画を詰めさせているところでございます。例 数につきましては一応いろいろな試算はさせておりますけれども、そういうことがあり ますので後で取るような例数とかはなかなか読み難いところが正直あります。したがっ て、その辺も使用成績調査をしながら検討していく必要があると考えております。 ○永井部会長 そのほかいかがでしょうか。添付文書などで何かお気付きの点がござい ましたら。一番の副作用はやはり脳出血と重篤な出血ということになりますが、それに ついては警告でも記載してありますし、副作用についても相当細かく書かれているかと 思います。またヘパリンとの併用が必要であるということ、ヘパリンの使い方は活性化 部分トロンボプラスチン時間(APTT)が正常値の2倍前後になるように調整すること と、かなり丁寧に指導は入っていると思いますが。よろしいでしょうか。谷川原先生、 どうぞ。 ○谷川原委員 市販後の試験に関して少し確認させていただきたいのですが、承認用量 における薬物動態のデータがないということから、市販後に追加するというところの審 査報告書の中で、そのELISAによる抗原のみならずやはり活性を測定するべきだという 議論がありまして、現時点では活性測定法が確立されていないとか可能であるならばや るとか書かれているのです。一方類薬であるアルテプラーゼの方は既に合成基質による 活性測定法というのがもう論文になっていますので、それほど技術的には難しいとは思 えないのですが、この辺りは結局審査報告書を読む限りどちらかよく分からないのです けれども、いかがなのでしょうか。 ○新薬審査第二部長 審査報告書に書きましたように活性濃度測定は可能な限り実施す べきであると考えております。しかし、申請者側もやったことがないもので、これから 実際手順といいますか、そこを確認しますので、確認前にやるとは言えませんという言 い方になっております。したがって、今申請者側でも準備しておりまして、申請者側が 先般言ってきた話では本年の6月半ばぐらいまでには活性濃度の測定のやり方の大体の めどがつけるので、そこで報告してくるということになっております。そういった段階 で了解をしているということでございます。 ○永井部会長 よろしいでしょうか。もし御意見がなければそれで承認を可として薬事 分科会報告とさせていただきます。ありがとうございました。それでは次にまいります。 報告事項ですが、事務局から御説明いただきます。 ○機構 まず報告事項の議題1について説明いたします。議題1は医療用医薬品の再審 査結果についてということでございます。資料は、資料2-1のカルタン錠関係と、資料 2-2のイントロンA注射用関係の二つの医薬品再審査確認等結果通知書、再審査報告書 になります。これらの品目につきましては、市販後の使用成績調査・特別調査の成績等 に基づいて今般再審査申請が行われ、それぞれ審査の結果、いずれの品目についても薬 事法第14条第2項各号であります承認拒否事由のいずれにも該当しないこと、すなわ ち、効能・効果、用法・用量等の承認事項については変更の必要はない「カテゴリー1」 と判定したものであります。  なお、資料2-2のイントロンA関係について資料を見ていただきますと、報告書の3 ページの上部、2の上の*印の「セロタイプ(ジェノタイプ)別、ウイルス量別の治療成 績が十分とは言い切れないことから、市販後臨床試験を含む市販後調査を実施してセロ タイプ(ジェノタイプ)別、ウイルス量別の治療成績の収集を速やかに行い、その結果を 遅滞なく報告の上、適宜添付文書等に反映すること」という承認条件が付されていまし た。  これについては、特別調査等が再審査申請者において実施され、その結果は3ページ の一番下の段落、下から5行目ぐらいの状況にありました。総合機構においては、これ らの結果については、5ページの下部、「3.副作用及び感染症について」の上の段落の とおり、この承認条件をクリアしたと判断したということでございますので併せて御報 告申し上げます。なおこの結果につきましては、まためくっていただきますと8ページ に横の表がありまして、その内容で今後添付文書の方に反映することになるかと思いま す。これは前回にも説明しておりますが、今付いている添付文書につきましてはこの資 料配付当時の最新版でございますので、今後先ほど言いました8ページの内容が反映さ れるということになります。議題1については以上です。 ○永井部会長 ありがとうございました。御質問ございましたらお願いいたします。よ ろしいでしょうか。それではもし御意見なければ次に進ませていただきます。議題2、 新キットの承認についてよろしくお願いいたします。 ○機構 引き続き御説明させていただきます。議題2の新キットの承認についてでござ います。資料3でございます。先生方のお手元に大変たくさんの品目で誠に恐縮でござ いますが、サンプルを置かせていただいております。それについて資料3に従いまして 個別に御説明をさせていただければと思います。  まずエスクレ注腸用キット「500」でございます。こちらにつきましては有効成分が抱 水クロラールということでございまして、既存品では坐剤がございますけれども、本品 は直腸への投与が簡便にでき、また投与量の調節も容易であるということで、シリンジ 入り注腸用剤ということでございます。  次がオザペンバッグ注80mgでございます。こちらは有効成分がオザグレルナトリウム ということでございまして、そちらの黄色の遮光性の袋に入っておりますけれども、こ ちらは既存品でございますが、バイアル入りの凍結乾燥品でございます。さらにシリン ジ入りの注射剤もございます。本品につきましては既存品をあらかじめ希釈溶解して、 点滴専用となる輸液バッグに入れた製剤でございます。  次にコアテック注SB9mgでございます。こちらにつきましては塩酸オルプリノンを 有効成分といたしまして、既存品はアンプル製剤がございます。従来ですと5%ブドウ 糖液で希釈して使用していますけれども、これをあらかじめバッグ部の中に溶解してキ ットとして製造をしているものでございます。 次でございますが、ミノフィット注 20mL、40mL、60mLのシリンジでございます。こちらの三つの製剤が入っておりますけれ ども、こちらにつきましては既存品アンプル製剤でございます。これも現場において調 整して使用されているところでございますが、今回シリンジ入りの注射剤ということで 承認がなされております。  次でございますが、エレメンミック注キット-OPというものがございます。誠に恐縮 でございますが、こちらにつきましては既に注射器に入ったシリンジに入っている製剤 が販売されております。こちらにつきまして何が違うかと言いますと、シリンジの容器 を小型化いたしまして使用後の廃棄が容易になるというものでございます。  次にファモキシー点滴静注射用20mgでございます。こちらは海外で既に使用されてい るものということでございますが、既存品がアンプル入りの凍結乾燥品ということで、 こちらはあらかじめ溶解してバックに詰め込んだキット製剤でございます。  次でございます。メプチンクリックヘラー10μgでございます。先生方のところには このような形で配付されております。こちらの特徴でございますが、既存品につきまし ては噴射ガス入りのものがございます。今回のキット製剤につきましては噴射ガスを含 んでおりませんで、1回吸入分の薬剤を一定量に保って使用者自らが吸入するというも のでございまして、よりばらつきが少ない製剤ということでございます。  次でございますが、ミクロフィリン注シリンジ250mgでございます。これにつきまし ては既存製品はアンプル入り製剤のみということでございまして、今回このシリンジ用 注射剤ということで細菌汚染等の低減が期待されるものでございます。  次でございますが、ラジストミン注射液シリンジ10mgでございますが、こちらにつき ましても既存品がアンプル入り製剤のみということでございまして、シリンジ入りの注 射剤でございます。  1ページの一番下でございますが、ダルテパリンNaシリンジ5000「HK」というも のでございますけれども、こちらも既存品アンプル製剤で今回シリンジ入りの注射剤で ございます。  次のページをめくっていただきますと、一番上の塩酸B1注10mgシリンジ「NP」、 これから下から三番目のハイトコバミンM注500μgシリンジというものでございます が、こちらはいずれも同一のメーカーから申請されたものでございますけれども、いず れも既存品アンプル製剤のみということで今回シリンジ入りの注射剤を承認されている ものでございます。  最後から二番目でございますが、アルガトロバン注シリンジ10mg「マルコ」でござい ます。こちら若しくは一番最後の強力ネオミノファーゲンシー シリンジ20mLでござい ますが、既存品はいずれもアンプル製剤のみということでございまして、今回あらかじ めシリンジに入れた注射剤ということでキット製剤が承認されているものでございま す。以上、1年間にわたって新たに承認されましたキット製剤についてでございます。 ○永井部会長 ありがとうございました。御質問いかがでしょうか。 ○土屋委員 これだけ集めれば壮観だなという気がしますが、一方でこれだけ外観類似 とかそういうことが問題になっている、あるいは表示方法が問題になっているところで これだけのことをやっていいのかと。もちろん現場の利便性ということがございますが、 現実にヒヤリ・ハット事項でもう既にシリンジの取り違えというのが起きているのです。 ですからそういった中で、こういうものを本当にどうしていくのかということをもうち ょっと基本的に考えなければいけないのではないかという…。表示方法をどうするか。 これはもう外観類似ではなくて外観が一致しているわけでございまして、同一でOEM 生産をしたりしていますので、そういったことをどうコントロールしていくのかという ことが一つと。それからこれだけ入ってくると、実は935通知でシリンジについては注 射剤のカラーシリンジについてということで、一番最初に医療事故防止対策として注射 は無色、その他のものは有色というように分けたのです。ところが一つは押し子のとこ ろの色が、白は無色かどうかという議論もあるかと思いますが、現実に今色が付いてい るものに色を付けないようにしなさいとかという指導がなされているように聞いていま すが、そうなってくると識別がさっぱりつかない。一方押し子の色を勝手に自由に付け るようにしたらまたこれはいろいろなエラーが起こるということからいうと、医療事故 防止対策にこういうものを使うというふれ込みで結構いろいろ出てきているのですけれ ども、それが事故の誘因になるということからいうと、シリンジ製剤を作るということ は分かりますが、果たして本当にそれがシリンジでなければいけないかどうかというこ とをもう少しきちんと検討していかないといけないのではないかという気がいたしまし た。 ○永井部会長 いかがでしょうか。 ○土屋委員 それと一部のものは二次元バーコードが付いていますが、この二次元バー コードは何のためにあるかというと、あくまで製品がそのものであるかどうかをチェッ クするという、会社内部用のコードあるいは販売名ぐらいしか入っていないものであり まして、現在厚労省での検討会議でバーコード表示をやろうというときにはこれは逆に 外さなくてはいけなくなってくるのです。二つのコードが併存するということはあり得 ないですから、そういったことを含めてかなり大きなQRコードを使うのが果たしてい かがなものかということについてもやはり問題点としては出てきます。しかし、バーコ ードを読んだらこれでは何も読めない、最近は携帯でも読めますけれども、曲率が大き くなってくると誤読とかそういうものが出てきますので、果たしてその辺も含めていか がなものかと。表示が問題になってくるだろうなと。それから名前として「何とか注何 mgシリンジ」という名前で全部要するに強調点が一緒になってくるのです。そうすると 一見強弱がつけてあるようでみんな同じ並びになってくるので、これは935通知で名前 の順番までを指定しているのかどうかという疑問が業界からも出されていたと思います けれども、その辺の命名法の在り方も含めて検討していかないと今後かなり事故が起き ることが予想されるものだと。要するに逆に言えば量の間違いは減るかもしれないけれ ども、あるものは私は逆にシリンジで一挙に行ってしまうという可能性もあっていかが なものかという気はいたしますが、それだけではなくてシリンジが様々な取り違え事故 が起きる危ない剤形だということを認識させないといけないのかなという気がいたしま す。 ○永井部会長 ちょっと議論がなかなか難しいのですが、私が気が付いたものもこのキ シロカインとメピバカインを比べていただくと、どちらもパーセント表示で…。最近若 い人はパーセントを本当に知らなくて、この間の国家試験でも正解率が40%ぐらいで す。私は学生に1%注射液というのは1mL何mgかと聞くとほとんど答えられません。キ シロカインについては非常によく気を付けて書いてあると思います。どこから見ても50 mgが10mLと書いてあるのでまず大丈夫だと思うのですが、メピバカインの方は見る角度 によっては何も書いていないのです。書いてあるところも直接緑で書いてあるのでちょ っと見にくいです。ですからこの二つでもできが随分違うなという感じがします。 ○土屋委員 実は私どもはアイカメラを使ってこういうものが果たして識別できるかど うかということもチェックしたりしているのですけれども、現実に例えば今のメピバカ インで言えばほとんど50mg10mLが書いてあるだけで自己満足に終わっていて、そこに は目がいかないということもほとんどほかのものでもあります。ですからこの設計をど うしていくのかというのはかなり気を付けないと識別がつかないということと、ちょう ど巻き方のコントロールがどこまでされているのかと。要するにスタートがアンプルと 違ってプレフィルドのシリンジというのはころころ転がるものではありませんので、必 ず上下で決まるものなのです。逆にそのときにその位置に対して読むものが、要するに 重要なものが来ているかと、視野角との関係とかそういうことを今いろいろ見ていると、 そのコントロールはできるにもかかわらずやっていないところが結構あるのです。です からその辺は検討しなくてはいけないということ。もう一つあるのはパッケージがこう なったときに滅菌済みかどうかということが実は分かりません。みんなこれは滅菌済み だと思っているとこういうパックでのものが滅菌済みでないということがあって、それ に対して表示をきちんとしてくれという要求が既に既存のものに対して出ているので す。ですからその辺もきちんと表示をしていただかないとやはり困るかなという気がい たします。 ○永井部会長 そうですね。手術室などで清潔区域に出すときに問題になりますね。で はその辺まで含めていろいろまたメーカーと御相談いただければと。谷川原先生、どう ぞ。 ○谷川原委員 この中の品目でファモキシー点滴静、これは英語の表示なのですけれど も、これはこのまま出るのですか。 ○機構 ただいまの御質問でございますが、ファイルに入っているものでございますけ れども、先生方のサンプルの下のところに添付文書の案を…。きちんと日本語での記載 を予定しております。 ○永井部会長 ほかのシールのはっていないものもまだ未完成ということですか。 ○機構 はい。これはサンプルでございますので最終的にはきちんと表示もされて…。 ○谷川原委員 この場でせっかくいろいろな委員の先生方から表示に関する御意見を頂 くと思うので、できるだけそういう形のサンプルをこの場にお出しいただいた方がよろ しいのではないかと思うのですけれども。 ○機構 申し訳ございません。こちらの方は時間がございませんでしてこのようなもの を提出させていただきました。次回以降気を付けたいと思います。 ○永井部会長 そのほかいかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは以上の点を 御確認させていただいたということで報告させていただきます。議題は以上でございま すが、事務局から連絡事項をお願いいたします。 ○事務局 事務局でございますが、次回の本部会の予定でございますけれども、先生方 の御予定等を以前に聞かせていただきまして、5月27日金曜日午後2時からを予定して おりますのでよろしくお願いいたします。開催場所や議題につきましては追ってお手紙 の方で御連絡申し上げますので、よろしくお願いいたします。以上でございます。 ○永井部会長 よろしいでしょうか。それでは本日これで終了させていただきます。ど うもありがとうございました。 ( 了 ) 連絡先: 医薬食品局 審査管理課 課長補佐 佐藤(内線2734)      - 1 -