2−3 口腔ケアについて

口腔ケアプログラムに関する主な評価・意見等は、次のとおり。
参加者には、口腔ケアの向上が認められるが、人材や送迎の確保、事業終了後の継続のための方策などの課題が挙げられた。

(1)対象者について

口腔ケアについては、重度者についても必要ではないか。(京都府加茂町)


(2)プログラムの内容について

レクリエーション的要素を取り入れながら、集団的活動ができる場所の確保が必要である。(香川県東かがわ市)


(3)効果測定の方法について

口腔ケアの調査項目の一部の必要性が理解できなかった。(京都府加茂町)
アセスメントシートや歯科検診だけでは効果測定が十分ではなく、評価が難しい。口臭・咬合力・唾液検査・嚥下能力検査等を付加調査することによって、効果が科学的に調査することができた。(宮崎県宮崎市)


(4)効果について

歯磨きをせず受診拒否をしていた利用者が定期的に歯科通院しているほか、事業終了後に虫歯の治療を始めた方1名あり。(宮城県米山町)


(5)モデル事業の一般化について

短期間での効果はあまり期待できない。(岩手県宮古市)
口腔ケアのモデル事業のスタッフの確保は困難。特に歯科医師が毎週半日費やす必要はない。訪問によるアプローチも必要。(宮城県米山町)
家族がいても送迎ができない等、送迎者が不足しているため、送迎ボランティアが必要である。(宮崎県宮崎市)


(6)プログラム終了後の取組みについて

この事業を基に口腔マニュアル等を作り、他の事業所にも広めていく。研修会も開催予定。(長野県上田市)
事業終了後、一人暮らしの場合などでは、自宅で継続して口腔ケアをすることは困難であり、集団アプローチができる場所の確保が必要。(香川県東かがわ市)


(7)中断のケースについて
 (※中断したケースのうち中断の事情が記載されたものを整理した。)

2名中断。理由は、(1)体調を崩し入院、(2)不明。(岩手県宮古市)
4名中断。理由は、(1)ショートステイ利用開始、(2)入院(骨折、胆石)(2名)、(3)体調不良である。(長野県上田市)
5名中断。理由は、(1)利用者の思い(もっとリハビリ・運動がしたい)がプログラム内容があわなかった、(2)うつの状態が不安定で、夫と一緒に参加するなどがしたが、出かけることが精神的負担となった、(3)認知症が進行し、5分前のことを忘れてしまうため参加継続が困難となった、(4)自宅で脳梗塞を起こし入院となったこと、(5)家族が非協力的であったため、参加できなかった。(兵庫県篠山市)

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