05/3/17 独立行政法人評価委員会第6回国立病院部会議事録             厚生労働省独立行政法人評価委員会                 国立病院部会第6回             平成17年3月17日(木)10:00〜11:45                厚生労働省9階省議室 出席者:井伊委員、大道委員、開原委員、住田委員、辻本委員、夏目委員 1.開会 ○部会長代理  それでは、まだ1分ぐらい早いのかもしれませんけれども、全員お集まりですので始 めさせていただきたいと思います。第6回独立行政法人評価委員会国立病院部会でござ います。委員の皆様におかれましてはお忙しい中お集まりいただきまして、大変ありが とうございました。きょうは黒川部会長が御都合で御欠席ということでございますの で、代わりまして私、開原が部会長代理として議事を進めさせていただきますので、ど うぞよろしくお願いいたします。本日は渡辺委員と山田委員が御欠席でございます。夏 目委員は御都合により途中で御退席と伺っております。  早速ですが、事務局から本日の議事について簡単に御説明をお願いいたします。 ○政策評価官  政策評価官でございます。本日もどうぞよろしくお願い申し上げます。  本日の議事第1は、国立病院機構の中期計画の変更について御説明しまして、部会か らの御意見をお願いしたいと存じます。  議事第2は、業務実績に関する評価基準細則、評価の視点につきまして、来年7月以 降に行っていただく実績評価の際に用いることになりますので、これについて御審議を お願いしたいと存じます。  議事は以上でございますが、参考資料について1点だけ御報告いたします。参考資料 1ということで、独立行政法人の役員退職金に係る業績勘案率の決定方法についてとい うものでございます。これにつきましては、昨年来この部会でも議論いただいておりま すけれども、12月1日に開催された評価委員会総会におきまして、新しいルールが決定 されたわけでございます。決定の前に各委員のお手元に事前にお送りしたものと内容は 変わっておりませんので、説明は省略させていただきたいと思います。以上でございま す。どうぞよろしくお願いいたします。 2.議事 (1)独立行政法人国立病院機構中期計画の変更について ○部会長代理  どうもありがとうございました。それでは早速議事に入らせていただきたいと思いま す。1番目は中期計画の変更についてということですけれども、国立病院機構において は平成16年度の補正予算成立に伴い、中期計画の変更を予定しておりまして、これにつ いて昨日3月16日付で国立病院機構から厚生労働大臣あてに申請があったところです。 このような中期計画の変更については、独立行政法人評価委員会の意見を聞いた上で、 厚生労働大臣が認可を行うこととされておりますので、きょうここでお諮りするという ことでございます。  それほど中身の大きな変更とかいうことではなくて、どちらかというと形式的、とい うと語弊がありますが、そういうことだと思いますので、早速でございますけれども、 事務局に説明をお願いいたします。 ○医政局国立病院機構管理室長  国立病院機構管理室長をしております池永と申します。私の方から資料に沿って御説 明させていただきます。  資料1−2をごらんいただければと思います。今、部会長代理の方から御紹介いただ いたことでもう尽きているような中身でございます。表紙は理事長からの申請書でござ いますが、内容は中期計画の変更ということでございます。2ページを開いていただき ますと、赤のところが修正事項でございます。今年度幾つかの台風と地震がございまし た。そういった災害に対して、災害復旧の関係の補正予算措置が行われました。こうい ったことに関係する独立行政法人すべて共通の取り扱いということでございますが、補 正予算に関するものについて中期計画の変更をするということが各法人共通の取り扱い となりました関係から、こういう形で中期計画の変更という形で出てきております。  内容は、2億を超える災害復旧の関係の補正をしたということで、予算のところ、3 ページの中期計画上の資金計画、施設整備の関係上、4ページの医療機器・施設整備に 関する計画も変更になるということでございます。  内容的には以上でございまして、評価委員会の方の御了解が得られれば厚生労働大臣 の認可をするという手続にさせていただきたいという案件でございます。以上でござい ます。 ○部会長代理  どうもありがとうございました。何か御意見はございますでしょうか。災害に伴うこ とでありますので、ある意味では当然の補正のための変更ということでございます。特 に御意見がなければ、このように認めてよろしゅうございましょうか。 〔委員了承〕 ○部会長代理  どうもありがとうございました。それではお認めいただいたということにいたしま す。 (2)独立行政法人の業務実績に関する評価基準細則(案)及び独立行政法人国立病院 機構評価の視点(案)について ○部会長代理  それでは次の議題、こちらの方が実質的な話でありますので、早速こちらに移らせて いただきたいと思います。来年度以降、国立病院機構の各事業年度に係る実績評価を行 う際に用いる評価基準細則、評価の視点、こういうものをこれからつくっていかなけれ ばいけないわけでありますが、きょうはそれについて御議論をいただきたいというわけ であります。これはきょうここで決めてしまうという話ではありませんで、きょうは御 意見をいろいろ出していただきたいということでございますので、ぜひ活発に御意見を いただければと思っております。  それでは基準細則について御説明お願いいたします。 ○政策評価官  それでは細則の説明をさせていただきますが、その前に資料2−4をごらんいただけ ればと思います。厚生労働省所管独立行政法人の業務実績に関する評価の基準というも のでございます。これは評価委員会の総会でお決めいただいている基準でありまして、 各部会に共通のルールであります。評価委員会において独立行政法人の評価を実施する に当たっては、本基準に基づき行うものとするということになっております。なお、評 価委員会に設置される各部会は、本基準に基づき、評価の基準についての細則を定める ことができるとございます。それぞれの部会において、部会単位で評価基準細則という ものをつくっていただいております。本日はそれについて、国立病院部会の細則につい て御審議をお願いしたいという趣旨でございます。  評価の基準の内容でありますが、各年度の実績評価、中期計画期間の終了に伴う実績 評価についての基本的な進め方について記述されているわけでございますが、ここに書 いてあることは全部取り込んだ上で本日の部会としての細則案をつくっておりまして、 細則案の方を御議論いただければ、この内容は全部カバーできているという案でござい ますので、この説明は省略させていただきまして、早速細則案の方の説明をさせていた だきます。  それでは資料2−1をごらんいただきたいと思います。独立行政法人の業務実績に関 する評価基準細則案、国立病院部会の決定案でございます。国立病院部会において、部 会所管の独立行政法人国立病院機構の評価を実施するに当たっては、本基準細則に基づ き行うものとする。  1、評価の概要。部会においては、次の2つの評価を行う。  (1)事業年度に係る業務の実績に関する評価。  各事業年度において、中期計画の実施状況を調査・分析し、業務の実績の全体につい て総合的な評定を行うことにより、以降の業務運営の改善に資する。事業年度に係る実 績評価をことしの夏以降、毎年お願いするということでございます。  (2)中期目標に係る業務の実績に関する評価。最終的には総会で評価をしていただ くことになるんですけれども、それに先立ちまして、部会において評価をしていただく ということで、一次評価と書いてございます。中期目標期間終了時において、中期目標 の達成状況を調査・分析し、中期目標期間における業務の実績の全体について総合的な 評定を行うことにより、業務の継続の必要性、組織のあり方その他、組織及び業務の全 般にわたる検討並びに次期中期目標の検討に資するということでございます。この評価 につきましては、中期目標期間の最終年度、5年目にお願いすることになります。  2、事業年度に係る業務の実績に関する評価。  業務実績全体の状況について行う総合的な評価と中期計画に掲げた項目ごとに行う個 別的な評価の2つをあわせて行うものとする。総合的な評価は、(2)の個別的な評価 の結果を踏まえ、国民の視点に立って、それぞれの法人の社会に対する中長期的な役割 に配慮しつつ、次のような観点から中期目標の達成度について評価するものである。  (1)法人の業務が公衆衛生の向上及び増進にどの程度寄与するものであったか。厚生 労働大臣から指示のあった中期目標に掲げられた政策医療の確実な提供及び時代に応じ て変化する医療需要に的確に対応するための取り組みを行っているか。2つ目として、 我が国の医療の向上に貢献するため、調査研究の実施及び質の高い医療従事者の養成に 努めているか。  (2)法人が、効率性、有効性、透明性等の観点から、適正に業務を実施したかどうか。 細かい項目としまして、法人の業務運営の透明化が図られているか。目標とする業績を 達成できるよう、法人の業務・組織の全体的な効率化が図られているか。法人の業務運 営が、関係法令等を遵守して適正になされているか。法人の長がリーダーシップを発揮 した的確な業務運営が行われ、法人としての利点を生かした法人のマネージメントがな されているか。  (2)個別的な評価。個別的な評価は、中期計画の個別項目ごとの進捗状況について 測定するものとする。個別項目ごとの、とございますけれども、後ほど評価の視点も御 審議いただくわけでございますが、評価の視点に沿って20弱の項目を設定していただい て、その項目ごとに測定をしていただくということでございます。  (1)個別的な評価に当たっては、以下のような方法により個々の業務の実施状況を幅 広く把握し、可能な限り客観的な評価の実施に努めるものとする。業務実績の目標数値 がある場合にはその達成度合、定性的な目標の場合には具体的な業務実績を把握して評 価するものとする。業務実績については、数量だけで判断するのではなく、その質につ いても考慮するものとする。業務実績に影響を及ばした要因、予期せぬ事情の変化等に ついても考慮するものとする。業務実績と中期計画との間に乖離が生じた場合にはその 発生理由等を把握し、妥当性等について評価するものとする。予算計画等について業務 ごとで計画と実績の差異がある場合にはその発生理由等を把握し、妥当性等について評 価するものとする。経年比較が可能な事項については、適宜その結果を参考にして評価 するものとする。業務実績のうち個別の研究課題に係る評価は、外部専門家等が行う研 究評価の結果を考慮するものとする。また、財務内容の評価に当たっては、法人の監事 の監査報告書や会計監査人の監査報告書を参考にするとともに、必要に応じて意見を聴 くこととする。最後のところでございますが、業務実績の評価に当たっては、個別の病 院において、それぞれ政策医療において果たすべき役割に応じた的確な業務運営が行わ れているか等について考慮することとする。  ここをちょっと説明させていただきますが、当機構につきましてはたくさんの病院を 抱えているということで、個別の病院の評価をどのように扱っていくかというのがポイ ントになろうかと思います。そこで、ちょっとわき道にそれますが、資料2−3という 横長の表を用意しております。これに基づきまして、評価等の制度的な枠組みで何が求 められているかということを御説明申し上げたいと思います。  縦軸の上の方が実績評価の枠。下の方は財務諸表の承認に当たっての意見。評価委員 会は事業年度のごとの実績評価をしていただく、それから中期目標期間に係る業務実績 評価をしていただくわけでありますが、そのほかに、毎事業年度終了後に、法人が大臣 に対して財務諸表を提出いたします。財務諸表について大臣は承認するわけですけれど も、承認に当たって評価委員会の意見を聞くということが通則法に定められておりま す。上の方の評価と財務諸表の承認に当たっての意見と、2つの作業をこの夏にもお願 いすることになるわけです。上の方につきましては他部会の例でも、かなり分厚い評価 書というのをおまとめいただく作業になりますし、下の方に意見につきましては、これ までの例ですと大臣が承認することが適当であるというような意見が他部会では出てお ります。  これが法人全体についての作業になるわけでございますけれども、右側で、この法人 固有の問題として、たくさんの個別病院がございます。個別病院については通則法上、 個別病院そのものの評価をまとめるということは制度的には求められていないところで ございます。一方で、施設別に財務諸表をつくって、これを厚生労働大臣に提出すると いうことが国立病院機構法の中で定められておりまして、これについては大臣は法人全 体の財務諸表について意見を聞くときに、施設別の財務書類についてもあわせて意見を 聞かなければならないとなっているわけでございます。そういうことで、評価に関して は法人全体についての評価をお願いし、財務諸表に関しては法人全体のものとあわせて 施設別の財務諸表についても意見を求められるという制度的枠組みになっているわけで あります。  これはあくまでも制度の枠組みでありまして、法人全体の評価を行っていく上で、ど の程度個別施設の業務実績に踏み込んでいくかというのは、国立病院部会で御判断いた だく事項かと思います。国立病院機構全体の評価に際して、個別施設の業務実績につい ても、それぞれの施設で政策医療において果たすべき役割に応じた的確な業務運営が行 われるか等について考慮していただくというのが1つの方法ではないかということで、 細則案の方に戻りまして、業務実績の評価に当たっては、個別の病院において、それぞ れ政策医療において果たすべき役割に応じた的確な業務運営が行われているか等につい て考慮することとする、という書き方にしているところでございます。  もとに戻りまして、(2)評価は以下の判定基準に基づく5段階評価とし、原則として その理由を付記するものとする。判定基準で、中期計画におおむね合致しているという のがBでございまして、中期計画を大幅に上回っていればS、中期計画を上回っている がA、以下、C、Dということでございます。  (3)また、個別的な評価に当たっては、以下の点に留意する。業務実績という結果だ けでなく、その結果を導くに要した費用についても考慮するものとする。独立行政法人 化の利点である、財務の弾力的運用等の活用状況についても勘案するものとする。中期 計画に掲げられている具体的な取り組み内容に対するものだけでなく、当該項目の評価 材料となる実績がある場合には、これらを考慮するものとする。中期目標の達成に向け て意欲的に取り組めるよう、インセンティブを与える制度や環境が整備されているか、 その制度や環境がモニタリング等により適切に見直されているかについても、考慮する ものとする。特に高い実績を上げた業務または著しく実績が悪化した業務があった場合 などについては、そのような業務の評価結果が人事や処遇等に適切に反映されているか などについても考慮するものとする。中期目標期間の終了に向け、個々の業務が、中期 的観点から法人業務全体の中でどのように扱われるべきか考慮しながら評価するものと する。  (4)その他、年度末に残った利益または運営費交付金債務の処理については、独立行 政法人制度の趣旨を踏まえて、以下の事項に留意する。法人から利益の残余を中期計画 に定めた剰余金の使途に充てるために承認申請がある場合には、それが法人の経営努力 により生じたものであるかを適切に確認するものとする。運営費交付金が全額収益化さ れず、運営費交付金債務として残されている場合には、当該債務の発生理由を把握し、 その妥当性について評価するものとする。  (3)部会における評価の具体的な実施方法ですが、(1)法人は、毎年6月末までに 前年度の業務実績に関する報告を提出する。(2)評価に当たっては、法人からヒアリン グを実施し、本基準細則に基づき評価を行う。(3)評価を決定した後、評価結果の法人 及び総務省政策評価・独立行政法人評価委員会への通知並びに公表を行う。  3、中期目標に係る業務の実績に関する評価ということで、ことしはこの作業をお願 いしないわけでございますけれども、中期目標期間につきましても、上記2の(1)及 び2の(2)に準じて行うこととする。  また、部会における評価の具体的な実施方法は次のとおりとする。  (1)評価結果を次期中期目標策定等へ反映させる観点から、次の手順により中期目 標期間最終年度において暫定評価を行うこととする。法人は、中期目標最終年度の6月 末までに中期目標期間の業務実績に関する暫定報告を提出する。暫定評価に当たって は、法人からヒアリングを実施し、本基準細則に基づき中期目標期間に係る一次評価を 行う。当該一次評価をもとに厚生労働省独立行政法人評価委員会総会において暫定評価 を決定するということであります。  (2)中期目標期間終了後、暫定評価結果を踏まえつつ、次の手順により最終評価を 行うことで、翌年度の6月末までに中期目標期間の業務実績に関する最終報告を提出し ていただいて、ヒアリングを実施し、部会において一次評価、総会で最終評価を決定す るということでございます。  以上が評価基準細則の案でございます。 ○部会長代理  それでは、今御説明を伺ったわけでありますが、次の評価の視点というのとも大いに 関係しておりますので、引き続き御説明を伺ってしまって、それから合わせて議論をし たいと思いますので、評価の視点(案)についての御説明をお願いいたします。 ○医政局国立病院機構管理室長  それでは私の方から評価の視点(案)について御説明させていただきます。資料2− 2をごらんいただければと思います。  まず中身に入ります前に注釈的なことを御説明させていただきます。昨年、中期計画 を御議論いただいた際、数量的な目標が定められている部分について、15年度の実績を もとに目標を書いている部分がございます。昨年御議論いただいたときには15年度実績 についてはあくまでも暫定値として推定値を書いておりましたが、今回の資料では確定 数字が出ましたので、確定数字に置きかえて資料を記載しておりますことを御了解いた だければと思っております。 1ページ、2ページをごらんいただきたいと思います。左の欄に中期目標、その次に中 期計画ということで、昨年御議論、御承認いただいたものを記載してございます。右か ら2番目の欄に16年度の年度計画ということで、国立病院機構からの届け出がありとい うことで、昨年5月の部会で御紹介したものでございます。一番右が今回御議論いただ く評価の視点ということでございます。各法人とも共通しているところですが、評価の 視点の考え方は、あくまでも評価自身は中期目標、中期計画に沿った事業実績を評価す るということでございますが、その中で特に中期計画の中のポイント、中心に見ていた だくウエイトの高いところを抜き出して書くという形が多ございます。そうした関係 上、この案につきましても、中期計画の中の一部を繰り返しているところがありますこ とは御了解いただければと思っております。  もう1つ、先ほど細則基準のところで御紹介しましたが、細則の中で各事業年度で総 合評価と個別評価というのがあり、個別評価は中期計画の個別項目ごとに評価する。そ の際はS〜Dの数量的な評価をしていただく。もちろんコメントあるいは定性的な評価 もあわせていただくわけですが、個別項目ごとに量的な評価をしていただくということ がございました。それに対応する形で、中期計画の中を幾つかの区分に分けなければい けないということで、あくまでも中期計画に沿ってということでございますが、例えば 1ページ、2ページですと、この内容を1つの区分として評価していただく、S〜Dの 評点をつけていただくということを念頭に置いて資料をつくっております。したがっ て、見開き2ページを1区分として原則評価していただくということで、区分のつけ方 についても、内容とともに御議論いただければありがたいと思っております。  それでは中身について御説明させていただきたいと思います。2ページの評価の視点 のところでございますが、診療事業の中の、患者の視点に立った医療の提供に関するこ とでございます。ここでは、患者の目線に立った医療を提供するため、患者の意見を取 り入れ、サービスを改善できる仕組みとなっているか。セカンドオピニオン制度を導入 し、利用しやすい体制となっているか。患者の視点でサービスを点検するため患者満足 度調査を実施し、その結果を踏まえ、サービスの改善を図っているか。こういうことを 視点として盛り込んでおります。  次のページをお開きいただければと思います。患者が安心できる医療の提供というこ とで、医療倫理の関係では、患者との信頼関係を醸成させるため、カルテの開示及び患 者のプライバシーの保護について適切に取り組んでいるか。臨床研究を実施するすべて の病院に倫理委員会を、治験を実施するすべての病院に治験審査委員会を設置するな ど、すべての臨床研究、治験について厚生労働省が定める倫理指針を遵守して実施して いるか。倫理委員会等の指摘事項をその医療に適切に反映させることに努めているか。 こういうことを視点として盛り込んでおります。  医療安全に関する事項については、リスクマネージャーを中心にヒヤリハット事例の 適正な分析等のリスク管理を推進しているか。院内感染対策に積極的に取り組んでいる か。新たな医療事故報告制度や医薬品等安全情報の報告を適切に実施し、我が国全体の 医療安全対策の推進に貢献しているか。それから、地域において必要とされる救急医療 ・小児救急に貢献しているか。救急患者・小児救急患者の受け入れ数について、中期計 画に掲げる目標値の達成に向けて取り組み、着実に進展しているか。  5〜6ページでございますが、質の高い医療の提供ということで、中期計画では5つ のカテゴリーに分けて目標を定めております。1点目は、クリティカルパスの実施件数 について、中期計画に掲げる目標の達成に向けて取り組み、チーム医療の推進、患者に 分かりやすい医療の提供や医療の標準化のため、クリティカルパスの活用を推進してい るか。EBMの推進に関しては、臨床評価指標の開発や情報データベース等の作成を推進 するとともに、ネットワーク機能を生かしてエビデンスに基づく医療を実践している か。3番目のカテゴリー、ボランティアの積極的な受け入れ等により、長期療養者の QOLの向上に取り組んでいるか。重症心身障害児者、進行性筋ジストロフィー児者を受 け入れている病院について、患者家族の宿泊施設の設置病院数を、中期計画に掲げる目 標値の達成に向けて着実に増加させているか。重症心身障害児者等の在宅支援が進展し ているか。  4番目が、病診連携の推進に関するものでございますが、すべての病院に地域医療連 携室を設置し、地域の医療機関と連携を図っているか。高額医療機器の共同利用数につ いて、中期計画に掲げる目標の達成に向けて取り組み、着実に進展しているか。紹介率 と逆紹介率について、中期計画に掲げる目標の達成に向けて取り組み、着実に進展して いるか。  5番目が、医療政策の適切な実施ということで、結核やエイズを初めとする感染症、 進行性筋ジストロフィーや重症心身障害等の攻策医療について、政策医療ネットワーク を活用して、適切に実施しているか。開発された臨床評価指標を活用して、政策医療の 質の向上を図っているか。こういうことを視点として盛り込んでおります。  以上が診療事業に関する3区分ということで、3つの区分に沿って評価をいただくと いう案になっております。  次が7〜8ページですが、この部分は臨床研究に関する部分でございます。(1)〜 (3)という形で3つ大きく分けられておりますが、エビデンスづくりの推進とそれに 基づいた診療ガイドラインの作成に関するものにつきましては、国立病院機構のネット ワークを活用した臨床研究をどのように推進し、標準的な診療指針の作成等に寄与して いるか。  2番目は、政策医療分野ごとにEBMの推進のため、政策医療ネットワークを活用した 臨床研究をどのように推進し、政策医療分野の疾患について標準的な診療・治療の指針 を作成しているか。  3番目が、臨床研究センター及び臨床研究部の評価を実施しているか。  2番目のカテゴリーが、治験の推進に関する事項でございます。質の高い治験を推進 するための必要な体制整備等を進めているか。治験実施症例数について、中期計画に掲 げる目標値の達成に向けて取り組み、着実に進展しているか。  3番目のカテゴリーが、高度先端医療技術の開発やその臨床導入は進展しているか。  以上が臨床研究に関するもので、こちらは1つの区分としてごらんいただくこととし て案をお示ししております。  次が教育研修事業でございますが、質の高い医療従事者の養成ということで、独自の 臨床研修プログラムに基づき質の高い臨床研修医の養成を行い、受け入れ研修医数につ いて、中期計画に掲げる目標値の達成に向けて取り組み、着実に進展しているか。良質 な医師を養成するため、レジデントの養成プログラムの見直しを行い、受け入れレジデ ント数についての中期計画に掲げる目標値の達成に向けて取り組み、着実に進展してい るか。医師のキャリアパス制度の構築など、良質な医師の養成と確保に努めているか。 看護師のキャリアパス制度の構築など、良質な看護師の養成と確保に努めているか。次 が看護師等の養成所について、看護師等養成所における第三者によるカリキュラム評価 を実施しているか。また、専任教官配置の充実に取り組んでいるか。養成所における地 域に開かれた公開講座を実施しているか。こういうことを視点として盛り込んでおりま す。  先ほどの臨床研究ともかかわる事項でございますが、政策医療ネットワークにおい て、EBMに基づく医療を提供するため、研修会等を開催し、良質な医療従事者の養成に 取り組んでいるか。研修会の関係では数量目標を中期計画上掲げておりますので、これ についての進捗状況についても記載してございます。  教育研修事業の2番目の大きなカテゴリーですが、地域医療に貢献する研修事業の実 施ということで、地域の医療従事者を対象とした研修会、研究会等の開催による地域医 療への貢献を行っているか。参加人数の数量的目標を記載してございますので、その進 捗度合を記載してございます。  以上が教育研修事業ということで1区分のまとまりでごらんいただければと思ってお ります。  次は11〜12ページでございますが、災害に関する活動に取り組むということになって おりますので、量的にはこれだけで区分としては小さいわけですが、性質が違うという ことで1区分にしております。災害に関する取り組み、実際に起きた場合の医療班の派 遣について迅速かつ適切な対応を図っているか。事前の研修等の準備を充実している か。  以上が災害に関するもので1区分でございます。  以上が診療事業3区分、臨床研究1区分、教育研修事業1区分、災害の関係1区分と いうことで、業務の内容を中心としたところになります。  次からは業務運営、あるいは財務的なところに当たるものでございます。業務運営の 効率的な体制を図っているかどうかということで、この部分は13〜16ページにかけて4 ページになりますが、これを1区分としてカテゴリーに分けてはどうかということでご らんいただきたいと思います。  まずは、効率的な業務運営体制の確立ということで、本部・ブロック組織について、 役割分担を明確にし、同一業務を分掌しない体制にするなど効率的な運営が可能な組織 としているか。また、各病院の組織については、効率的な体制の標準型に基づき、病院 の地域事情や特性を考慮した効率的な体制としているか。  16ページのところでございますが、職員配置数については、各職員の職務と職責を考 慮して、適切なものとするとともに、業務量の変化に対応した柔軟な配置ができる仕組 みになっているか。職員の業績を適切に評価する人事評価制度を導入しているか。独立 行政法人評価委員会の評価を業務改善に積極的に反映させるとともに、会計監査人によ る会計監査を有効に活用しているか。養成所の再編につきましては、看護師等養成所の 再編成が着実に進展しているかということでございます。  以上が業務運営の最初の区分でございます。  次が業務運営の見直しや効率化による収支の改善に関するところでございます。17〜 18ページでございます。各病院の特色・機能を十分発揮させるとともに、効率的な組織 編成や職員の適正配置を行うことにより、診療収入等の増収及び経費節減に努め、個々 の病院において収支相償ないしそれ以上を目指して取り組んでいるか。収支相償を超え る病院について、実績が評価される仕組みを導入しているか。  個別の業務運営のコスト削減に関する事項については、中期計画に掲げる経常収支率 に係る目標の達成に向けて、医薬品等の購入方法や業務委託の推進、点検等の取り組み を行うことにより、費用の節減等を図っているか。後発医薬品の採用促進、同種同効医 薬品の整理、共同購入等の調達方法及び対象品目等の見直しを行い、薬品費と消耗品費 等の材料費率の増の抑制を進めているか。  人件費率に関するところでございますが、適正な人員の配置等に取り組み、人件費率 と委託費率を合計した率について、業務の量と質に応じた病院運営に適正な率を目指し て抑制を図っているか。  次が、施設整備に関する事項で、病院建築単価の見直し等を進めるとともに、削減に 結びつく一括契約の導入等を図るなど、効率化を図っているか。  次が、院内の売店等に関する契約の見直しを適切に実施しているか。  5番目が、一般管理費の削減に関するものでございます。これも中期目標上、15%以 上削減するという目標を掲げていますから、それに沿って進捗をしているかということ でございます。  以上が業務運営の2番目の区分に当たるものでございます。  次が3番目の区分、医療資源の有効活用ということで、19〜20ページでございます。 1つは、医療機器の稼働率の向上、他の医療機関との共同利用など、効率的な利用を推 進しているか。病診連携・病病連携の推進等により、平均在院日教の短縮を図るととも に新規患者数を増加させる等により、収支の改善に努めているか。  次が21〜22ページでございますが、診療事業以外の事業、特に運営費交付金対象事業 については、自己収入の確保や費用節減に努めることにより、新規拡充業務を除いて、 その費用のうち運営費交付金等の割合を低下させているか。2点目は、臨床研究事業に ついては、外部の競争的研究費の獲得等に努め、研究の推進と効率化に取り組んでいる か。  2番目が教育研修事業についてですが、教育研修事業については、授業料等の改定及 び費用の縮減を図り、教育研修事業における収支率を中期計画に掲げる目標値の達成に 向けて改善させているか。  以上が業務運営の3番目のカテゴリーに当たるものでございます。  業務運営のカテゴリーの4番目に当たるものでございますが、財務会計システム導入 等のIT化の推進ということで、会計処理に必要なすべての病院共通の財務会計システム を導入し、部門別決算や月次決算を適切に行い、適切な業務運営と経営改善のために有 効に利用しているか。各病院の経営状況の比較等病院の財務状況を分析することによ り、経営改善に取り組んでいるか。  以上が業務運営の4番目の区分でございます。  次が財務関係に関するものでございますが、まずは経営改善ということで、中期計画 で掲げた経常収支率に係る目標値の達成に向けて取り組み、着実に進展しているか。  2番目のカテゴリーでございますが、ここは幾つかの性質の異なるものをまとめざる を得なくなっているところもございますが、固定負債の割合について、投資を抑制的に 行い、固定負債の減少を図っているか。また、個々の病院における建物や大型医療機器 の投資に当たって、長期借入金等の償還確実性等や一定の自己資金等を含め、基本的な 考え方等は整備されているか。2点目は、収支計画及び資金計画について、計画と実績 とを比較して乖離がある場合、その理由は合理的なものか。短期借入金について、借入 理由や借入額等の状況は適切なものと認められるか。  以上が財務に関する事項の2番目の区分でございます。  次の29ページからは、その他の業務運営に関する事項ということでまとめてございま すが、まずは人事に関する計画ということで、良質な医療を効率的に提供するために、 医師、看護師等の医療従事者を適切に配置しているか。また、適正な人員配置等により 人件費等の抑制に努めているか。技能職等の職種については、業務の簡素化・迅速化、 アウトソーシング化等による効率化を図り、中期計画に掲げる目標値の達成に向けて取 り組み、着実に進展しているか。良質な人材の確保、育成・能力開発、人事評価等につ いて、適切に行うようシステムの確立を図っているか。これが1点目の中身でございま す。  2番目の区分として、31〜32ページでございますが、医療機器・施設整備に関する計 画についてですが、費用対効果や法人全体の財務を総合的に勘案して、必要な医療機器 ・施設設備の整備を中期計画に沿って行っているか。  3番目が、再編業務の実施についてですが、9件、中期計画上予定されているわけで ございますが、再編成業務について、その経営に留意しつつ着実に実施しているか。  4番目のカテゴリーが、機構が承継する債務の償還に係るものでございますが、借入 金の元利償還を確実に行っているか。  以上がその他の業務についての4つの区分ということになっております。  以上、御説明したように、一応区分としては全体で17つの区分ということで、各法人 とも20前後ということになっていると聞いておりますが、大体それと同じぐらいになる ような形の区分としておりますが、診療事業では3区分、臨床研究では1区分、教育研 修事業では1区分、災害で1区分、業務運営に関するものは5区分、財務内容では2区 分、その他では4区分ということで、やや中身が重たいところ、量的には少ないとこ ろ、ウエイトが必ずしも同一ではないという部分がございますが、この点も含めて、区 分のあり方とともに内容について御議論いただければと思っております。私からの御説 明は以上でございます。 ○部会長代理  どうもありがとうございました。それでは基準細則と評価の視点と、あわせて議論し ていきたいと思います。どうぞ御自由に、お気づきになった点をどこからでも結構です からおっしゃっていただければと思います。いかがでしょうか。 ○大道委員  最初に基本的な確認的質問をさせていただきたいと思います。1つは、全体の評価と 個別的な評価というのは、国立病院機構の場合は病院が大変な数ですので、そのときの 評価、これは初めてやるので基本的な考え方をお示しいただければいいのかなと思うん ですが、各施設の平均的な状況を全部足し合わせた形で見ればいいのか、あるいは100 数十の中から多少とも個別事例的に我々は対応しなくてはならないのか、そのときにサ ンプリング的なのか、ユニークな事例をそれなりに対応すればいいのかとか、いずれに しても、法人全体の評価と個別の多くの施設との関係をもうちょっと具体的に、現段階 でおわかりになっている範囲、あるいは方針があればお聞かせいただきたいのが1点で す。  2つ目は、今御説明いただいた評価の視点なるものですけど、各法人ともおおむね20 枠組み程度ということは、ああそうですかということなんですが、各視点がドットで御 紹介いただいたんですが、これは増やせるのか、それとも、それぞれのドットは概ねこ れで定まったことで、これの解釈の範囲とかそういうところを議論するのかどうかとい うあたりをちょっと確認させていただきたいと。  結局のところ、S〜Dの評価判定のつく場所はどこにつくんでしょうか。この3つを 確認させていただきたいと思います。 ○医政局国立病院機構管理室長  まず私の方から御説明させていただきます。最初の、全体と個別病院の評価をどうす るかということでございますが、基本的にはこの評価委員会で御議論いただく大きなポ イントになるわけでございますが、評価の細則案、評価の視点案をつくりました事務局 としての考え方を御説明したいと思います。基本的には、評価自身は全体を評価してい ただくということになるわけでございますが、最後の御質問とも関係するんですが、個 別的な評価については中期計画の各項目ごとに沿ってS〜Dという形の評価をしていた だくと。その中では個別病院それぞれについてS〜Dという形の数量的な評価をしてい ただくことは、物理的な問題もありますしなかなか難しいだろうということで、あくま でも中期計画の項目に沿って全体としてS〜Dをつけていただく。個別病院ごとに数量 評価をしていただくことは今のところこの案では考えていないというのが1点でござい ます。  ただ、その中で各項目ごとに個別病院についても、去年の中期計画の議論の中でも、 これまでの部会の中でも御議論がありましたけど、何らかの形でわかりやすく個別病院 について、それが全体の中期計画への貢献といいましょうか、あるいはその一部にも当 たりますので、何らかの形で個別病院についてもごらんいただいた上で、それも考慮し ていただいた上で全体として評点をつけていただくと、こういうふうに考えておりま す。  その中で個別病院をどのように見せるのかということで、サンプル的なものか、ある いはユニークなものなのかということでございますが、これも各中期計画の項目ごとに 工夫が必要かなとは思っておりますが、各項目ごとに法人側からプレゼンテーションし ていただく中で、一定のカテゴリーに分ける等いたしまして、例えばその中で良好なと ころをよくごらんいただくか、あるいは課題といいましょうか、そういったところもお 見せしながら、個別病院についてのところも御説明した上で、全体を評価していただき たいと考えております。  それから2点目の視点でございますが、「・」で書いているところを増やせるのかと いう御質問ですが、まさに御議論でございます。この「・」の趣旨は、あくまでも中期 計画に沿って評価をしていただくというのが基本でございますが、中期計画の中で中心 として見ていただくというところを抜粋しているというんでしょうか、そういう考え方 で書いてございますので、場合によっては重点は低いというので落としていただく、あ るいは、こういうところに重点を置いて評価すべきだというところを御指摘いただけれ ば増やす、あるいは削るという作業をこの評価委員会の御議論を通じてしてまいりたい と思っております。  それから3番目でございますが、実際上S〜Dをどうつけるのかということですが、 私どもがほかの法人のやり方を聞いておりますところを含めて御説明しますと、例えば 1ページ、2ページをごらんいただくと、これが1つの区分ということで申し上げたわ けですが、この区分に沿って1つの評価シートというんでしょうか、それを設けまし て、その中には当然法人側の業務の実績の報告を記してございます。それからまた、法 人側の自己評点をS〜Dにつけたもの、その理由、コメント、特記事項のようなものを あわせて記載したもの、そういう評価シート。さらには、それに付随する説明資料のよ うなものを法人側から出してもらうということで、それに沿って法人側からプレゼンテ ーションをしていただき、評価委員会の立場からヒアリングをしていただき、質疑応答 をしていただいた上で、この区分ごとにS〜Dの評点、その中身についてのコメントを いただくということを想定しております。  さらに、全体的な説明も法人からしていただく予定にしていますが、全体的な説明に 対する定性的な評価、文章的なものになりますが、そういったこともコメントしていた だき、あるいは個別項目ごとの数量的な評価だけではおさまりきらない定性的なコメン トもあわせていただきながら、それを全体として集約していくというイメージでほかの 法人もやっておりますので、基本的にはそれにならった形の評価をしていただくイメー ジで、この基準案、視点案を作成してございます。 ○部会長代理  よろしいですか。最初の御質問は一番我々が今後頭を悩ますところだろうと思いま す。どうぞ。 ○井伊委員  個別にやるか全体にやるかということに関してですが、国立病院機構の中でも旧療養 所型のものと病院のものとは性格が違うと思います。ある程度個別に見て、それで平均 をとるとか評価をするということが必要だと思います。この案は何ページにもわたって よくできているものですが、2年ほど前に幾つか研究所の評価をしたときに非常に苦労 した覚えがあって、できればバランスドスコアカード的なダイアグラムをつくって、例 えばアウトカムに関して、4つの大きな項目、例えばアウトカムでしたら患者満足度で あるとか、財務、職員満足度、安全診療の指標、そういうような項目に関して、例えば 7〜8つぐらいの指標を挙げるなど整理していただくと評価しやすいのではないかなと 思いました。 ○部会長代理  ありがとうございました。どうぞ。 ○夏目委員  評価の視点についてなんですが、この評価はあくまでも、今御説明があったように、 各事業年度において、中期計画の実施状況という形を考えるからこうなるのかもしれま せんが、どちらかというと、見た感じとして、年度計画がきちんとあって、年度計画に 具体的な数値まで入れているにもかかわらず、評価の視点のところになると中期計画に 対して進捗しているかといったような形で、年度計画が意味がなくなってしまってい る、言い過ぎかもしれませんが、年度計画は一体何のためにつくったのかなという感じ がしないでもありません。例えば最初の1、2ページのところでいいますと、セカンド オピニオン制度の実施というところで、年度計画では担当する医師を養成するために研 修を行うということまで書いてあるにもかかわらず、評価の視点は、単に導入し、利用 しやすい体制となっているかといったような、一般的な視点になってしまう。年度計画 で養成するための研修を行うということまで書いてあるなら、その研修が実際どのくら いの規模で何人ぐらい行われたのかというのが評価の視点に入ってきた方がいいんじゃ ないかと思うし、例えば30ページのところで、人事に関する計画のところの人員に関す る指標というので、技能職について、中期目標714人の純減を図るということで、それ を今年度の計画は5分の1の143名の純減を図ると言ってつくったにもかかわらず、評 価の視点になると、そのとおり進んでいるか、目標達成に向けて着実に進展しているか ということで、143名純減が図られなくてもしょうがないですよと、1年目ですから、 あと5年間あるんだから5年以内には714名いくんでしょうという評価で終わってしま わざるを得ないからこうしているのか、要するに私の言いたいことは、年度計画をつく ったのなら、年度計画も評価の視点の中にきちんと入れるべきじゃないかと。この評価 の視点はあくまでも中期計画に対する進捗状況を見るということにこだわり過ぎている んじゃないか。一体何のために年度計画をつくったのかということが軽くなってきちゃ っているんじゃないかという意見なんですが、その点はいかがなんでしょうか。 ○医政局国立病院機構管理室長  評価の視点は、中期計画に沿ってつくるのを基本としているのは確かにございます。 言いかえますと、毎年度改訂することを想定していないでつくっている関係上、年度計 画に沿って見ていただくことにはなるわけですが、評価の視点そのものが、例えば16年 度の計画に応じてつくり、17年度の計画に応じて改訂するという形の位置づけではなく て、5年間通用するような形でつくったものですから、おっしゃるような点が少しどう なのかという疑問が出てきてしまいます。ただ、すべて年度計画を盛り込んでしまう と、毎年改正することになってしまうものですから、そこは位置づけが変わってくるこ とになるんですが、年度計画の中身によっては、その趣旨をもう少し入れてはどうかと いうのは場所によってはあると思いますので、その辺は少し工夫することは可能かと思 っております。 ○住田委員  極めて実務的なことをお聞きしたいんですけど、業務運営の効率化の中には財務数値 がかなり出てきますよね。そういう財務数値、あるいはさっきおっしゃった施設別の財 務諸表を添付しなければいけないとありますけれども、これは会計監査人が監査を終え た後、つまり監査報告書をもらった数値を我々は評価するわけですか。極めてタイミン グがタイトだと思うんですけれども、そういうことはどういうふうに……要するに、あ なた方がつくった資料を我々が見て評価して、後で会計監査人が調べようと言われた ら、これは非常に大きな問題になると思うんですけれども、そういうような実務的なタ イミングというのはどういうふうに考えていらっしゃるんですか。 ○医政局国立病院機構管理室長  6月末までに決算事業報告書が出てくる段階では、内部の監事、外部の監査人の監査 を経た上で提出されるものということでございますので、外部監査も含めた結果を評価 委員会で御提示した上で評価いただくことを予定しております。 ○辻本委員  1ページ、2ページなんですけれども、患者の目線に立った医療の提供、その指標と いうことをどうするのかということと、評価というのが非常に難しい点だなと感じてい ます。例えばセカンドオピニオン制度を導入して、利用されている数とか、あるいは4 ページのカルテの開示ということの数が評価になってくるのか、それは地域によってか なり患者さんの意識が違うという側面があるので、そのあたりをどのように評価してい くのかをお示し願いたいなということと、それから、4ページあたりでも、適切に取り 組んでいるか、適切に反映されているか、というような、「適切」というのをどういう ふうに私たちは考えていったらいいのかということを御説明願えればと思います。 ○部会長代理  適切にというのは難しいんですよね。個人情報保護法でも、「必要かつ適切に」と書 いてあって困ってるんですが。 ○医政局国立病院機構管理室長  最初のセカンドオピニオンについて、例えば利用の数の面で見るのか、地域における 状況をどのように考えるのかということでございますが、どういう形で結果をわかりや すく表示していくかということで、これから機構の方で工夫をしていただきたいと思っ ておりますが、実際にどのくらい利用されているかという量的な面はもちろん一つの尺 度にはなるでしょうし、利用されたからといってそれですべて終わりなのかということ もあるでしょうから、そのあたりは工夫してプレゼンテーションをしてもらいたいと思 っております。  地域による差というのも評価しにくいところでございますが、プレゼンテーションの 中で一定の工夫ができるようであれば、その辺も含めて工夫してもらいたいと思います が、地域差をどういうふうに見ればいいか、もし何らかのサジェッションがあればいた だければ、その中で工夫してもらいたいと思っております。  3番目の「適切に」ということですが、これもなかなかほかにいい言葉があれば具体 的に書きたいところではございますが、中期計画の中でもこれ以上の表現ができなかっ たということでもありますので、ここは中身で工夫していきたいと思っております。 ○住田委員  具体的なことですけど、大道先生の質問の延長というとあれなんですけど、評価とい うのは国民から見たら、国立病院はいい病院かということが非常にわかりやすい見方だ と思うんですね。そのときに、これはあっちゃ困ることだと思うんですが、頻繁に特定 の病院で医療事故とか医療訴訟が起きたときは、これは評価の項目として出てくるわけ ですか。あるいはそれに対して評価をしなきゃいけないわけですか。 ○医政局国立病院機構管理室長  医療安全に対する取り組みのところにつきましては、3〜4ページのところで中期計 画上載せておりますが、(2)の(2)のところが医療安全対策の充実ということで、こ ういう仕組みをとりながら医療安全に対する取り組みということが書いてございます。 そういう点で、個々の病院の医療事故をどう評価するかというのは、計画上はそこまで のことをごらんいただく形にはなってございません。 ○部会長代理  ほかに何かございますか。どうぞ。 ○辻本委員  16ページになるんですけれども、職員の配置について、配置基準というものが決めら れている中で、当然配置基準が満たされていることが前提だと思うんですけれども、例 えばナースをふやしているとか、資格を持たない人たちでサポートして、実際に資格を 持った人がしっかりと業務に取り組めるようなサポートをしているとか、どういうこと をここでは見ようとしているんでしょうか。 ○医政局国立病院機構管理室長  ここでは、全体が効率的な業務運営体制の確立ということですが、独立行政法人にな って国の機関のようにいろんな制約がなくなりましたが、そういう中でより効率的な業 務が行われるような職員の配置、これは定員法等の規制はないわけですが、機構自身が それぞれの部門において適切な業務の執行が図れるような形の職員配置、あるいは職責 を考慮した柔軟な配置が行われているかということを全体としてそういう仕組みになっ ているかということをごらんいただくという部分かと思っています。 ○井伊委員  地域医療に関係するところですが、例えば同じ地域内に競合する病院があるかどうか といった情報も、評価するときに重要なポイントになると思うのですが、いかがでしょ うか。 ○部会長代理  要するに、周辺の病院と連携がとれているかどうかというふうに言いかえてもいいか なとは思いますけど。 ○医政局国立病院機構管理室長  御指摘に関するところ、幾つかの項目に地域医療とのかかわりについては項目がござ います。例えば5〜6ページにかけて、病診連携等をどのように進めているかというこ ととか、例えば9〜10ページあたりは研修という関係でも地域医療への貢献にどのよう に取り組んでいるかというようなこと、組織運営に関しても地域医療連携室を設けてや っているかどうかということで、地域医療の中の貢献、あるいは取り組みということも この中に盛り込まれておりますので、それに沿ってごらんいただくということかと思っ ています。 ○部会長代理  少し雑談をしますと、今の話は結構大事な話です。この間甲府市へ行ってきました が、国立病院、市立病院、県立病院、社会保険病院など、それがお互いに立派な病院を 建てて競合しています。それぞれが協力し合ったらもっともっといい医療ができると思 いました。また、この間辻本さんもいらっしゃった高知は県立病院と市立病院を一緒に しています1つの医療センターをつくったとか、最近はいろんな工夫もあるとは思いま す。これからの病院は、それだけ存在しているというようなものでもないので、連携は これから非常に大事になるのではないかという感じはしています。 ○大道委員  これも極めて現実的な話でのお尋ねなんですが、この評価委員会が評価を行うための 情報の入手は、先ほどの話だとプレゼンテーションをしていただくんですかね。そのと きに、役員のような役回りの方がプレゼンテーションをされるのか、それとも現場から どういう立場の方がどのように出てきて、プレゼンテーションをする物理的な時間と か、そのときに我々はどの程度インタビューでコミュニケーションができるのかとか、 おおむね20区分という単位でおっしゃってますけど、それを1日でやるのか、幾日かに 分けるのか、そのあたりはどういうふうに考えるんですか。 ○政策評価官  ほかの部会の例に則して御説明したいと思います。労働部会、調査研究部会、その他 ございますけれども、1法人1部会というのは国立病院部会だけでございまして、国立 病院機構に関してはほかの法人に比べて時間が割けるということだろうと思います。ほ かの部会の例では、7月の初めにお集まりいただいて、各法人まず理事長さんから総括 的な状況について15分ぐらい御説明いただく。その後、20項目程度の評価シートに沿っ て個別の業務の状況について御説明をいただくというような形でやっております。国立 病院機構に関しては1部会で2カ月でやっていただくということでございますので、数 回に分けての審議は可能かと思いますけれども、先生方のお時間もございますので、御 説明いただくのはやはり2回程度かなと事務的には思います。  それから説明者ですけれども、ほかの法人の例ですと実務の部長さん方に御説明いた だいているのが実態でございまして、必要に応じて現場の先生方においでいただくこと も可能かと思います。以上でございます。 ○部会長代理  私の希望を申し上げると、できれば評価委員会の方からも、例えばだれの意見を聞き たいとか、そういうリクエストもできるようにしていただくといいと思うんですね。そ こまでいくのがいいかどうかは別として、どこかの病院の院長先生の意見を聞いてみた いんだけどアレンジしてくれとか、それはいいんでしょう。 ○政策評価官  可能でございます。 ○部会長代理  今までの御意見もそうだったんですが、そのときのプレゼンテーションのやり方の問 題が非常に大事だと思うんですね。それは最初に大道先生が言われたこととも関係する し、井伊先生の言われたこととも関係するんですけれども、総括的に、国立病院機構と しては黒字でうまくいってますよと言われてもどうしようもないんだと思うんですね。 そうではなくて、例えば何病院あるが、これだけの病院が黒字であって、これだけの病 院は赤字で、その上で総括的に見ると黒字であると。そういうふうに中身がわかるよう な形でプレゼンテーションしていただくということが大事ではないかなという感じがし ております。そのときに、国立病院一つ一つは非常に異質なんです。それぞれの病院が 個々に違うんですよね。旧療養所型と病院というふうに分ける分け方もあるかもしれな いし、重心に特化した病院とか、てんかんに特化した病院とか、いろいろタイプがあり ますから、それを全部総括してどうだと言われてもあまり意味がない。例えば療養所型 の病院だとこうなんだけど、急性期型の病院だとこうだというような、中身がわかった 上でそれを総括してどうなんだというプレゼンテーションの仕方をぜひお願いしたい。 あらかじめお願いしておいた方がいいと思うので、それが今の御意見の総意でもあるの ではないかなという気がするんです。  もう1つは、先ほど夏目委員の言われたこととも関係してくるんですけど、ここの視 点が全部プロセス的な視点なんですね。努力しているかとか、取り組んでいるかとか、 努めているかとか、確かにまだ1年目だからプロセスしか評価できないのかもしれない けど、アウトカムをもっとこの評価の中に入れないといけないという気がします。例え ば安全対策のところのリスクマネージャーを置いているかとか、先ほど住田委員のおっ しゃったことでもあるんですけど、感染対策に取り組んでいるかとか、そうではなく て、まだリスクマネージャーを置いていない病院が幾つあるのかとか、そんなの今はな いでしょうけど、例えば医療事故を起こした病院が何件あったのかとか、深刻な裁判事 件が起こったのが何病院あったのかとか、事実をきちんと踏まえた上で、だから院内安 全対策に積極的に取り組んでいるんだというプレゼンテーションの仕方をぜひお願いし たいと思っております。 ○夏目委員  そもそも論の質問になって恐縮なんですが、この評価の視点というのは、我々評価委 員会が評価する際に、この視点に基づいてやりましょうということをきょうみんなで議 論して決めるということで、実施状況のプレゼンテーションは、あくまでも中期計画の 進捗状況という形で出てくるのか、それとも、評価の視点をある程度国立病院機構の方 もわかったから、この評価の視点を踏まえて、この視点に沿って実施状況がまとめられ てプレゼンテーションされるのか、それとは関係なく、中期計画の実施状況だからプレ ゼンテーションは中期計画の進捗状況についてプレゼンテーションがされ、評価の視点 はあくまでも、我々評価委員はそれに対してこういう視点のところを皆さん見て評価し ましょうということをやっているのか、そこら辺の評価の視点というものの位置づけ は、もう一度確認させていただきたいんですが。 ○政策評価官  初めにおっしゃいましたように、この評価の視点は、評価委員会としてどういう視点 でこれから評価していくかということを、この部会の中でお決めいただく性格のもので ございます。法人からの業務の実績報告は中期計画の進捗状況について行うわけであり ますけれども、この時期に評価の視点を御審議いただいている意味といいますのは、あ らかじめ国立病院部会において、どういう視点で評価されるかということをむしろお示 しいただくことによって、夏の実績報告をする際に、その評価の視点に対応した形で適 切に報告ができるようにしたいということで、今の時期に評価の視点を御議論いただい ているということでございます。 ○部会長代理  ほかに何か御意見ございますでしょうか。どうぞ。 ○辻本委員  稚拙な意見でお恥ずかしいんですけれども、S〜Dという、これは中期計画に基づい てどうであるかという判定基準というふうに理解したんですけれども、国立病院が過去 において、一般の私立病院の企業努力に比べるとレベルが低いと私たち患者は感じてき たわけです。「やってあげてる」というような姿勢が過去において強く患者には印象づ けられている、そういう気持ちがある中でS〜Dという評価が、私なんかはかなり厳し い見方をしたくなってくるんですけれども、そういうものはどういうふうにお考えにな っていらっしゃるんでしょうか。もっと雑駁に言ってしまえば、国立病院は今までいば ってたんですよ。民間の病院というのは非常に努力をしてサービスをしている。例えば 給食サービスなどでも、国立病院で温かいものと冷たいものを分けていますとか、献立 を選べるようにしていますとか、そんなことは当たり前じゃないかと思うことを、今私 たちはそれを一生懸命やっていますと胸を張られても、基準が全然違ってきているとい うあたりをどういうふうに考えていいのか。私が個人として非常に逡巡しているもので すから、そのあたりのアドバイスをいただけたらいいなと、お考えを聞かせていただき たいと思います。 ○医政局国立病院機構管理室長  御質問の主旨は、S〜Dをつけるときに、中期計画という尺度だけでしか見ないの か、むしろ絶対的な別の意味の尺度で見るのかということかなと思うんですが、制度的 にはあくまでも中期計画に沿って、それを事後的にどれだけ成果が上がっているかとい うのが独立行政法人制度の趣旨かとは思いますが、その意味で御議論いただくのは、最 初の中期計画の目標をどう設定するかというところと本質的にはかかわるところにはな ろうかと思うんですが、ただ、御指摘のような点は、S〜Dの尺度があまり中期計画か ら離れてしまうと、全体の評価の軸がどこにあるのかという議論にもなりますから、そ れについてはあくまでも中期計画に沿ってということでございますが、もちろん全体と して定性的に評価していただくところがありますので、そういった点はその中で御意見 をいただければ、工夫が可能かなとは思っております。 ○政策評価官  夏にまとめていただく評価書のでき上がりの姿といいますか、イメージなんですけれ ども、まず個別の17のシートの中で法人からの報告をいただいた上で、各委員に事項ご とにS〜Dの評点をしていただきます。あわせて評点の理由というのを出していただく ようなことをほかの部会ではしております。各委員の評点を平均したものが、その事項 についてのこの部会の評価、AとかSとかいうことでありまして、さらにそれについて 各委員のコメントを集約して、理由なりコメントなりが添えられるということになりま す。それが17枚の評価シートについて評価書がつくわけであります。まずそれをまとめ ていただくという作業をしていただきます。その上で個別項目を全体に見まして、法人 の当該年度の実績について、この評価委員会としてどう考えるかということを文章で冒 頭にまとめていただくと。したがって、そういう文章編のものがあった上で、その前提 となりました個別事項についての評点表とコメントが後ろにつくというのが、ほかの部 会のやり方を念頭に置いた私どものイメージでございます。 ○住田委員  資料2−3の制度的枠組みのところですけど、中期目標にかかわる業務実績評価、本 年度はなしというのは何でしたっけ。 ○政策評価官  これは、5年間毎年度について実績評価をやっていただくのですけれど、それとは別 に、中期目標期間に係る業務実績評価は、5年間の終了時に次の期間に向けて目標設定 なり計画を作成しますので、そのために過去の5年間を振り返って評価をしていただく という意味でありますので、そういう意味で今年はないということです。 ○住田委員  そうしますと、さっき夏目委員もおっしゃってたけども、ことしの評価の中心は何と いっても事業年度の実績評価ですよね。これは間違いないですよね。実績評価しなけれ ば中期目標の過程なんかわからないわけだから。それと、大道先生が御質問になったの と同じことを考えているんですが、会計監査人の監査が終わった後でやるんですかと最 初にお聞きしたのは、タイムスケジュールのことをすごく考えていたわけですよ。極め てタイトになると思うんですけれども、今のお話だと文章を書くんでしょ。そうする と、我々も責任重大ですよね。ですから2時間とか3時間レクチャーを聞いて、ああそ うですかというのはなかなか難しいんじゃないかと思うんですね。よほど皆さんがスケ ジュールを企画してやっていただかないと、非常にタイトな仕事になると思うんですけ れども、言いわけじゃないですけど、事実僕は非常にタイトになると思うんですよ。会 計監査人の監査報告書というのは6月1日になんか出ませんよ。多分6月中旬以降です よ。それを土台にしていろんな実績のことを記すると、どうしても6月下旬になるわけ です。6月20〜30日というのは非常に忙しい時期になると思うんですけれども、そうい うことは想定されていますか。 ○政策評価官  想定させていただいておりまして、ほかの部会も同じなんですが、報告書がそろって 御審議いただくのはやはり7月に入ってからになるわけです。翌年度の概算要求前には 報告書をまとめていただくということで、7月、8月の2カ月間の作業になりますが、 その間に5回とか6回とか開催していただいて、通算10数時間の御審議の結果をまとめ ていただくという、夏場にあまり常識的でないような会議の設定をして作業をお願いし ているところでございまして、当部会につきましても早目に先生方の御都合をお伺いし て、適切な会議の設定をさせていただければと考えております。 ○住田委員  それはもう一度検討してもらわなきゃいけないのは、制度的には3カ月以内に出さな きゃいけないものがあるわけでしょ。評価委員の意見を聞いてという。財務省への提出 は3カ月以内でしょ。7月とか8月にやってたら我々の意見のないものが出ちゃうとい う感じになるんじゃないですか。 ○政策評価官  法人から大臣あてに財務諸表が提出されるわけですが、これが事業年度終了後3カ月 以内です。大臣はそれを受け取ってから財務諸表を承認するかどうかの判断をするわけ ですけれども、大臣が承認するかどうかに当たって評価委員会の意見を聞くということ ですので、評価委員会の作業は法人が大臣に提出した後でいいわけでございます。 ○部会長代理  ほかに何か御意見ありますか。どうぞ。 ○大道委員  先ほどの御説明で、自己評価シートとおっしゃったんですけど、それなりに施設が多 いことは繰り返し指摘されているんですが、初めてやるということもあって、なかなか 限られた時間の中で的確な判断をしなければいけないという中で、自己評価というのに 決して引きずられるつもりは正直ありませんけれども、御自身がみずから法人として1 年間の実績についてこのように受けとめ、その上でシートに自己評点をする、みずから S〜Dをやるようなことを考えていらっしゃるんですね。そういうことをやって、それ を我々が情報として入手できるようなことを考えていらっしゃるんですか。こういうこ とでいいんですか。 ○医政局国立病院機構管理室長  私どもが承知している限りでは、ほかの法人でもそのような形でシートなり報告の中 にS〜Dという数量的なところも含めて自己評点し、なぜそういう点をつけたか、理由 なり、それに付随する特記事項も含めてプレゼンテーションした上で評価委員の先生方 に御議論いただく、評点をつけていただくということをしておりますので、それになら った形でやりたいと思っています。 ○大道委員  それは当日になるんですかね。文書化された実績報告プラス自己評価、ないしは評点 というものが当日配付されて、それで見てやるのか、それとも若干事前になるのか、そ の辺はどういうふうに考えていらっしゃるのか。 ○政策評価官  評価の作業が何回かに分かれますけれども、その最初のときまでには全部自己評点も 含めて資料が届くわけでございまして、理事長の説明以降、順次お話を聞いていただい た後で採点をしていただくような格好でございます。初回の会議の開催前に資料をそろ えられれば当然その方がいいと思いますけれども、そこはなるべく早目にということか と思います。 ○大道委員  わかりました。 ○部会長代理  ほかに何かございますか。大体出尽くしましたですかね。きょうは御意見を伺うとい うことでいいわけなんですが、皆様の御意見を伺っていて、評価の視点のところはこの ままでもいいんだけれども、国立病院機構の評価というのはほかの法人と非常に違うと ころがある。それは1つではないんですよね。国立病院機構というのは実際は100数十 の病院の固まりを評価しているわけで、それをまとめて評価してもあまり意味がなく て、100数十がみんな違っているのを評価しなければいけないわけですから、中身の分 布がわかっていないとほんとのことは評価できないんだと思うんですね。すべての評価 の視点の前に、国立病院機構の100数十の病院のうち、何病院が評価視点を書くという、 そういう気持ちで評価視点を解釈するべきと思います。例えば、セカンドオピニオン制 度を導入し、利用しやすい体制となっているかという視点が書いてあるんですけれど も、これは国立病院機構が1つでこういう視点というのはあり得ないわけで、各病院が それぞれセカンドオピニオンに対して違うわけですから、実質的には100数十の病院の うちの何病院がセカンドオピニオン制度を導入し、利用しやすい体制となっているかと いうことだと思うんですね。それが100%だったら立派ですねということで、それが10 %だったらまだまだですねという話になるんだと思うんですね。その実態がわからない で、ただ国立病院機構というものがセカンドオピニオンを導入し、といったって、本部 が導入しているわけではなくて、導入するのは各病院ですから、すべての評価の視点の 頭に、「100数十の病院のうちの何病院が」という頭文字をつけて解釈するというのが いいのではないか、それが最初に大道先生が言われたことでもあるという感じがしてお りますので、最後に多少皆様の御意見のまとめ的なコメントを申し上げます。  特にほかに御意見がなければ、少し早目でも終わってもいいかと思うんですけれど も、何か特に御発言ありますでしょうか。どうぞ。 ○大道委員  評価の視点そのものは、この評価委員会の中でこういう視点で評価をするということ を、我々評価委員として認識するというか、相互に共有する視点というものを確認する という位置づけだということを聞かせていただいたんですが、私の場合ですと、各ドッ トは、その下位項目まで含めて、かなり病院評価事業はここまで普及しているんですか ら、2000の病院が実際行っているわけですので、かなり的確に判断できるんですけど、 一番の隘路は、個々の病院の判断をどうするのかというところになると、個々の病院で の具体的な情報が多分入ってこない、物理的には無理なんじゃないかという気がして、 例えば非常にしっかりした病院はこうですとか、なかなか難しい病院はこうですみたい なことがプレゼンテーションの中で出てくるのかなとか、今回の評価委員会の中で情報 入手の仕方の工夫をうまくしていかないと、判断のスケールというのは、それなりに価 値の軸というのは持ち得ると思うんですけれども、判断するときに一番困るのは今言っ たことです。全体的状況みたいなことを言われても困るなと。ただし、個別だと単なる 個々のデータですと。その関係をどうするかというあたりを事務局の方で整理していた だきたいという気がいたします。  例えば冒頭の、患者の目線に立った医療の提供、目線に立ったというのは非常に今日 的な言い方で悪くはないとは思いつつ、(1)、(2)、(3)とあって、(1)というあたりで は、患者の意見を取り入れ、サービスの改善ができる仕組みとなっているかという視点 ですと、いっぱいあるわけですよ、実際何を見るかというのは。相談窓口をつくってい るかとか、どういうインフォームドコンセントをやっているかとか、そういう視点で現 実に病院というのは評価されているわけです。そういうところを知っている者から見る と、それぞれどうなんですかと。相談窓口というのはどういう状況であるんですかと か、インフォームドコンセントでは、それぞれの病院ではどういう状況で、場合によっ ては各科がどうだとか、いろいろなところに広まってしまうんです。そこを総合的に判 断するというのはどうなのかなと。そのあたりが100数十の事業体を持つ国立病院機構 の独立行政法人としての評価の難しい……難しいと言ってもしょうがないので、考え方 をはっきりさせないと、あの場合はこうです、この場合はこうですということでやって いくと、非常にあいまいな結果が出てきて、ちょっとつらいなというところをきょう改 めて感じていますので、事務局にお考えくださいと申し上げて、我々も考えなきゃいけ ないんですけど、そういう問題意識を持たざるを得ないなと思っていますので、よろし くどうぞお願いいたします。 ○部会長代理  私も全く同感でございます。どうぞ。 ○辻本委員  お尋ねしたいんですけど、例えば各病院が、今年度、私たちはこういうことを中心に 改革に取り組みましたというようなサマリーみたいなものを書いていただく計画という のは特にないんですか。病院個々のアピールみたいな。 ○医政局国立病院機構管理室長  基本的には、中期計画に沿った項目ごとに全体をまとめて、その中で個々の病院につ いて幾つかのカテゴリーに分けて、その中で個別病院の実績もプレゼンテーションして いくという形で、すべての病院を全部並べて一から見ていただくというのは物理的にも 難しいと思っていますので、あくまでも中期計画の項目に沿って、その中で各病院の実 績を一定のカテゴリーに分けながら、実績が上がっているところ、課題を抱えていると ころ、そういったメリハリをつけながらごらんいただいた上で評価いただくということ を念頭に置いてつくっております。 ○部会長代理  よろしいですか。それでは、ほかに御意見がなければ、一応御意見はいただいたとい うことにいたしまして、今出たいろんな意見を事務局で整理していただきまして、当部 会はもう1回やることになっていますので、4月4日に開催予定でございますので、そ のときに今まとめたものを再度議論していただいて、この文書を最終のものとするとい うことにしたいと思いますが、そういうことでよろしゅうございますでしょうか。  それでは予定しておりました審議は以上でございますので、本日の部会はこれで終了 とさせていただきます。次回の予定について改めて説明をしてください。 (3)その他 ○事務局  次回につきまして御案内申し上げます。次回は4月4日、月曜日でございますが、15 時からを予定しております。本日に引き続きまして、評価の視点案等について御審議を ちょうだいしたいと存じます。後日文書にて改めて御案内させていただきます。以上で ございます。よろしくお願いいたします。 3.閉会 ○部会長代理  どうもありがとうございました。それではこれで終わりといたします。                                     (了) 照会先: 政策統括官付政策評価官室 政策評価第一係 電話 : 03−5253−1111(内線7784)