05/03/16 中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会平成17年3月16日議事録 05/3/16 中央社会保険医療協議会         第56回診療報酬基本問題小委員会議事録 (1)日時  平成17年3月16日(水)10:45〜11:42 (2)場所  霞が関東京會舘「ゴールドスタールーム」 (3)出席者 星野進保会長 村田幸子委員 土田武史委員       対馬忠明委員 小島茂委員 宗岡広太郎委員 松浦稔明委員       櫻井秀也委員 松原謙二委員 黒ア紀正委員 漆畑稔委員       岡谷恵子専門委員       <事務局>       中島審議官 麦谷医療課長 二川医政局経済課長 他 (4)議題  ○先進医療への対応について       ○制限回数を超える医療行為について (5)議事内容 ○星野小委員長  それでは、ただいまより第56回中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会 を開催いたします。  なお、本日、保険局長は、公務のため欠席させていただく旨の連絡を受けておりま す。  本日は、3月2日の小委員会に引き続き、「先進医療への対応」及び「制限回数を超 える医療行為等」について、議論することとしたいと思います。  それでは、議事に入らさせていただきます。  まず、「先進医療への対応」について、議題としたいと思います。前回の小委員会に おける議論を踏まえ、事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたし ます。 ○事務局(麦谷医療課長)  中医協診−1−1という資料をごらんいただきたいと思います。これは前回お出しし た資料と似ておりますが、前回のこの基本問題小委での議論を踏まえてかなり修正が加 えてございます。修正のうち、主な大きな修正点については下線を引いてございます が、一応上から順に御説明を申し上げたいと思います。  まず、紙の一番上、「厚生労働大臣」云々というパラグラフでございますが、これは 両大臣の合意に基づいて、先進医療技術に対する対応を以下のように事務局として措置 を考えたということでございまして、時期が入っていなかったという御指摘がございま したので、下線部、「本年夏までを目途に実現する。」と入れさせていただきました。 この意味は、本年夏から先進医療技術の募集を開始するというふうに御理解をいただき たいと思います。したがいまして、従前から御説明を申し上げましたが、募集を受け付 けてから3カ月以内に答えを返すということでございましたので、夏から募集を開始し ますと、3カ月後、秋口には、一番早いものが実施になろうかというスピードでござい ます。  続きまして、「1 必ずしも高度でない先進技術の取扱い」につきまして、最初の丸 でございますが、これは変更ございません。必ずしも高度でない先進技術について、保 険給付との併用を認めるため、医療技術ごとに医療機関に求められる要件を設定して、 それに該当する医療機関は届出により実施可能な仕組みを新たに設けるということで、 これも御説明を申し上げましたが、最初の第1例は専門家会議により審査されますが、 2例目以降は届出で実施できるような仕組みを設けたいと思っております。  2つ目の丸でございます。新規の医療技術について医療技術の科学的評価を行い、技 術ごとに実施可能な医療機関の基準を設定するために、厚生労働大臣の下に専門家の会 議として、仮称ではございますが、先進医療専門家会議というものを立ち上げます。そ れをいつ立ち上げるのかという明示がなかったということでございましたので、下線 部、「先進医療専門家会議は、本年4月に立ち上げ」ます。直ちに「科学的評価を開始 するための準備を行」います。4月に立ち上げまして、夏までに約3カ月ございますの で、この間に、この先進医療専門家会議の権能ですとかあるいは中医協とのかかわりで すとか、そういったことを御議論して、その都度中医協に御報告を申し上げたいと思っ ております。  次の黒ぽつ、これは、先進医療専門家会議においては、保険医療機関等から保険給付 との併用の希望があった技術について、有効性及び安全性が確保されていることのほ か、必ずしもその技術が高度である必要はないけれども、一定程度の先進性があり、あ るいは効率的であるというようなことを前回申し上げましたが、社会的な妥当性につい ても検討すべきではないかという御指摘がございましたので、下線部、「社会的に妥当 であることなどを確認する。」というのをつけ加えさせていただいております。  それからその次の黒ぽつでございます。前回は、この会議が、専門的学識経験を有 し、保険診療に精通した20名ということで終わっておりましたが、その20名の大ま かな専門分野はどのようなものかということを御指摘がございましたので、掲げてござ います。そこは、数えていただきますと19の分野しかございませんが、「等」で、も しこれ以外に必要なものがあればということで、19プラス「等」ということで、20 名程度掲げさせていただいております。分野でございますので、広げれば切りがござい ませんので、私どもとしては、この20名で、お一人お一人が責任を持って御審議いた だくということを考えておりまして、当然専門外の技術が提出される可能性は十分にご ざいますが、その場合は一番近いところの分野の専門家に依頼をいたしまして、その方 が、御自分の責任の範囲内でいろいろな専門家にお聞きになって、この会議に意見を出 していただくというような仕組みを考えております。集まって議論をしていただきます ので、20名程度が限界かなと、私どもでは思っております。  なお、この専門家会議は月1回定期的に開催を予定しておりますが、もし技術の提出 数が非常に多いということであれば、あるいは何か問題が生じた場合は随時開催するこ とを考えております。  2ページ目をお開きください。技術に関しましては、対象となる患者、特殊な疾病の 患者さんが例えば想定されますと、個人情報保護の観点から特別な配慮が必要ではござ いますが、そういった場合を除き、基本的には、この議論は公開で行おうと考えており ます。今実施されております高度先進医療専門家会議、これは公開されておりませんの で、これは大きな違いでございます。  それから次の丸、2ページ目の最初の丸でございますが、これは前回、1号側、2号 側両方から御指摘があったことでございますが、文章を書きかえてございます。読み上 げます。「先進医療専門家会議(仮称)における科学的評価の結果については、厚生労 働省より中医協に報告し、中医協は、これについて検討の後、厚生労働省に対し当該先 進技術の保険給付との併用の適否について、意見を述べることができる。」。前回はこ こが報告だけになっておりまして、それでは不十分だという御指摘を受けました。そこ で、実質中医協においてこれを検討して、保険給付、つまり、いわゆる「混合診療」に ふさわしくないと中医協で言われた場合は、それを中止するということでございます。 適否ということについて、中医協から意見をいただくというふうに書きかえさせていた だきました。これですべての技術が事前に中医協にかかり、そこで適否を論じていただ くことにさせていただきます。  それから次の丸でございますが、これも今の文言に呼応するように、「中医協への報 告」と以前なっていたものを、「報告・検討を経た後」というふうに入れさせていただ きまして、3カ月云々につきましては、従前と同じでございますが、その下線部、「中 医協への報告・検討を経た後」、(1)支障なし、(2)中止又は変更、(3)保留、のいずれ かを書面により、理由を付して通知するということにさせていただいております。  それから次の黒ぽつ、これは変更ございません。審査に慎重な判断を要する場合につ きましては、基本的に3カ月以内に回答を返すとしておりますが、非常に困難であると いう合理的な理由がある場合は、期限を延長するというようなことを考えております。  それから、施設基準等の要件が決まった技術につきまして、それぞれ実施する医療機 関は、地方社会保険事務局長に該当する旨の届出をするということでございます。  それから、その次の黒ぽつは変更事項がございます。厚生労働省は、実施医療機関か ら定期的に報告を求め、有効性及び安全性に問題がある場合等にあっては、当該医療技 術の中止等の必要な指示を行うことができる。それにつけ加えて、下線部、「また、実 施医療機関は、安全性に問題がある場合等には、遅滞なく厚生労働省に報告する」とい うことで、副作用とか、あるいは事故とか、何か問題があった場合は直ちに中止できる ような措置を講ずべきだという前回の御議論を踏まえて、この下線部を追加してござい ます。  その下の丸でございます。これは変更ございません。不当な患者負担の増大を防止す るために、関係する事項の提示、それから患者の自由な選択と同意、自費負担に係る徴 収額を明確にした領収書の交付等々、定期的な報告を求めるという事項でございます。  それから1枚めくっていただいて3ページ、保険導入にかかわる要件が不明確である という御指摘がございましたので、現在の高度先進医療の6つの事項をそのまま踏襲い たしました。最初の丸でございます、先進医療専門家会議においては、保険給付との併 用を認めた技術について、実施医療機関からの定期的な報告を踏まえ、「普及性、有効 性、効率性、安全性、技術的成熟度及び社会的妥当性の観点から」、保険導入に係る技 術的問題について検討を行う。中医協は、この検討結果も踏まえ、当該技術の保険導入 の適否について検討を行うということで、保険導入の適否につきましては、最終的には 中医協での御議論になろうかと思います。  それから、「2 高度先進医療の取扱いについて」ということで、これは現在の高度 先進医療はどうなるのかという御質問がございますので、整理をさせていただきまし た。1つ目の丸、これは基本的にはそれほど大きな変更はございません。現行の高度先 進医療の制度についても、高度先進医療専門家会議において、承認された技術ごとに実 施可能な医療機関の要件を設定する。  2つ目の丸、特定承認保険医療機関の承認要件について、医療機関の規模にかかわら ず、新しく高度な医療を提供することが可能な医療機関であれば承認を受けることが可 能となるように、医療技術ごとに設定される実施可能な医療機関の要件を踏まえつつ、 承認要件を抜本的に緩和する。例えば、今の特定承認保険医療機関ですと、300ベッ ド以上となっておりますが、そういった現在の基準を緩和して、例えば診療所でもでき るようにするということでございます。  3つ目の丸、承認された高度先進医療技術は、医療技術ごとに実施可能な医療機関の 要件が当然設定されますので、特定承認保険医療機関として一度承認を受けた医療機関 は、医療技術ごとの要件を満たしている限りは、既に承認されたすべての高度先進医療 技術について届出のみで実施できる仕組みとする。これは今も簡素化でできるのです が、これをさらに拡大いたしまして、先ほど御説明申し上げた高度ではない先進医療技 術にだんだん近づけるという趣旨でございます。  それから、保険導入は従前と同じでございまして、最後の丸、高度先進医療専門家会 議においては、保険給付との併用を認めた高度先進医療について、特定承認保険医療機 関からの定期的な報告を踏まえ、普及性、有効性、効率性、安全性、技術的成熟度及び 社会的妥当性の観点から、保険導入に係る技術的問題について検討を行う。中医協は、 この結果も踏まえ、当該技術の保険導入の適否について検討を行うということで、これ は、今まではどうしていたかと申しますと、高度先進医療専門家会議において、この6 つの観点から、専門家会議の構成メンバーに点数をつけていただきまして、その点数が 一定程度以上になりましたら、改定時に、最近では2年ごとの改定ですが、診療報酬点 数の改定時にこの専門家会議から中医協に提出があって、そこで、そうした6つの点数 を見ながら中医協で御議論いただいて保険に導入されてきた経緯がございます。したが いまして、適宜行われていたわけではなくて、診療報酬改定時に提出があったというこ とでございますが、これからは、適宜と申しますか、改定のタイミングがなくてもその ような提出を考えております。  以上です。 ○星野小委員長  ありがとうございました。  それでは、ただいまの説明につきまして何か御質問、御意見等がありましたら、どう ぞ。 ○櫻井委員  まず言葉上の質問です。ほかにも出てくるのですが、1ページの「1 必ずしも高度 でない先進技術の取扱い」の最初の丸のところですけれども、医療課長から説明があっ たように、両大臣の合意を踏まえてということなのでこうなっていると思うのですけれ ども、「必ずしも高度でない先進技術について、保険給付との併用を認めるため」とい う、この「保険給付との併用」という意味は、今のルールでいけば、特定療養費制度と いうか、特定療養費のことを言っていると解釈してよろしいですか。 ○事務局(麦谷医療課長)  今櫻井委員の御指摘のとおりでございます。特定療養費の中で対応するという御理解 で、そのとおりでございます。 ○櫻井委員  特定療養費という言葉をなくせという合意になっているのですね。 ○事務局(麦谷医療課長)  特定療養費の中でという意味でございます。 ○櫻井委員  今のルールだったら、そういうことですね。 ○対馬委員  前回の議論を踏まえて大分修文をいただいたのですけれども、ちょっとわかりにく い、特に2ページ目の中医協の方が保険給付との併用の適否について「意見を述べる」 と。従来ですと、高度先進医療などは中医協が高度先進医療の専門家会議の意見を求め ることができると、こうなっていたのですね。そこが逆になるような感じになる。その 次の丸でも、「中医協への報告・検討」と、また非常に難しいといいますか、表現にな っているので、このあたりは、恐らく事務局が相当苦心の産物だろうとは思うのですけ れども、ただ、中医協の役割といいますか任務といいますか、そことのかかわりで、本 当にこれでいいのかどうかというのを改めてちょっと事務局の方にただしたいといいま すか、説明を求めたいのです。  先般、中医協の在り方に関する有識者会議にも、中医協というのはそもそも何たるも のか、中医協の任務はどうかというような資料が出されたのですけれども、それで見ま すと、中医協というのは、基本的には保険診療の範囲、内容、品目表だと。品目を定め て、それに対しまして価格をつけるのだと、価格づけを行うのだと、これが中医協の基 本的な任務、中核的な任務であると、こういうことなのですね。もちろんこれは保険料 を使うということですけれども、そこに対しまして、今度の今申し上げました先進医療 専門家会議との関係でいいますと、中医協が「意見を述べることができる」、「中医協 への報告・検討を経た後」と、こういう表現になっているのですけれども、今の中医協 の役割、任務、今申し上げたようなことですけれども、それとの関係において確保され ているのかどうか、充足されているのかどうかということを改めてお聞きしたいという ふうに思います。 ○事務局(麦谷医療課長)  前回もたしか1号側からだったと思いますが、御指摘ありまして、高度でない先進医 療技術が保険給付との併用を実施する場合、その併用と言うからには、残りの基礎的部 分については保険給付なのでと、こういう御指摘があって、当然中医協で議論すべきだ ということを私ども忖度というか、理解をいたしまして、これは事実上すべての技術が この中医協の場に供されて議論されるわけでざいますので、適当なものについては当 然、これはむしろ併用よりも保険で収載すべきだという御議論があれば、そのようにい たしますし、併用して実施するのは適当ではないと言われたら、私ども仮に先進医療専 門家会議が適当だと言っても実施することはできませんので、事実上というか、実質 上、中医協の場で決定されるというふうに理解をしております。 ○星野小委員長  どうぞ、大いに議論してください。 ○松浦委員  それでは一つ。大変知識が不十分で、低級な質問をさせてもらいますが、先進医療専 門家会議は、この20人、各部門別から選んで、それで、例えば消化器科とか、そうい うことについて議論をするときに、実際に整形の先生とか、そういう方々も議論の中に 入ることができるのでしょうか。 ○事務局(麦谷医療課長)  これは、ものすごい専門的なことですと、ひょっとしたらなかなか対等に、例えば今 言われた消化器科の先生と整形外科の先生が、ある一つの事象で対等に議論できるかど うかは、それはわかりませんが、医療の技術ということであれば、例えば消化器外科の 先生であっても心臓胸部外科の技術の議論は十分にできると私どもでは思っておりま す。 ○松浦委員  私も元技術屋でございまして、技術屋というのは、割合自分の専門のところへ口を挟 まれるのを嫌がるものなのですが、その辺はうまくいくのでしょうか。すみません、ど うも。 ○事務局(麦谷医療課長)  お答えになるかどうかわかりませんが、できるだけ嫌がらない人を選びたいと思いま す。 ○星野小委員長  どうぞ、小島委員、さっき手を挙げていましたね。 ○小島委員  先ほどの対馬委員が指摘された2ページの1番目の丸のところです。専門家会議で検 討した結果を中医協が報告を受け、その報告に対して中医協で可否についての意見を述 べることができる。課長は、先ほど新技術の導入を認めるかどうかということは実質的 には中医協の判断になるという答えでした。そこは、対馬委員が、新しい技術を認める ところについては従来どおり、高度先進医療と同じように、中医協の判断にすべきだと いう意見を前回述べられている。今回のこの表現はその中間的な表現になっているが、 前回対馬委員が言った、新技術の導入を認めるかどうかということについては実質的に 中医協の判断にになるということで、理解していいのですか。 ○事務局(麦谷医療課長)  はい。そのような御理解でいいと思います。 ○松原委員  高度先進医療については、現在のところは、審議し、承認することとなっております が、これはそのままでよろしいのですか。 ○事務局(麦谷医療課長)  当面、そのままです。というのは、先ほど櫻井委員が御指摘のとおり、今度これは特 定療養費の範囲内でございますので、その限りにおいては、当分その特定療養費が存続 する限り、このままでございます。 ○松原委員  そうすると、特定療養費が一たん廃止されて、そして再構成されるときには変更され るということですか。 ○事務局(麦谷医療課長)  そこは整理したいと思っていますので、そのときはまた中医協にお諮りいたします。 ○松原委員  それであれば、やはりあるべき形は、先進医療も審議して承認する形が正しいのでは ないかと、私どもも思ってはおります。 ○宗岡委員  全体としましては、多分これは医療機関に勤めていらっしゃる方と、あるいは患者さ んにとって選択肢が広がると、そういう枠組みで私は理解しておりまして、そういう意 味で、全体としての方向性については異議はないのですけれども、ただ、これまでの事 務局からの御説明を承っていますと、そもそも高度でない先進医療技術とは何だという ことに関して、厚労省の技官の13名の方が100項目をピックアップして、それを2 ,000の医療機関が導入するであろうという見込みの下に考えているという御説明を 受けた記憶があるのですけれども、しかも、なおかつ、こういった先進医療というもの も、保険に収載されることが前提であるというふうに聞かされているわけです。という ことは、やはりこれは、日本の医療の全体の原資の中で、一体これはどういうふうにな っていくものなのか、100の技術といったのは本当に妥当なものなのか、そういうも のの判断は一体だれがするのか、そういう意味で、全体として、枠組みとしては私はい いと思うのですけれども、事の進め方についてはやはり慎重に進めていただきたいとい うことと、やはりこの医療保険制度の持続可能性ということが最大のテーマだと私は思 いますので、そういう観点からの視点が必ず一定のインターバルでこれに加わるという ふうなことをぜひお考えいただきたいというふうに申し上げたいと思います。 ○星野小委員長  すみません。今御発言の中で、慎重にと、こう言われたのは、社会保険にあまり重荷 がかからないようにという含意ですか。 ○宗岡委員  それは要するに、医療保険制度をサステーナブルにするという視点での慎重性という ことを特に主張しているつもりです。 ○星野小委員長  はい。 ○対馬委員  大臣の合意、これはもちろん最大限尊重といいますか、重みが非常に重たいものです から、そこは私どもも十分承知しているわけです。それで、今日の資料の中にも入って おりますけれども、これはどう読むのでしょうか。1−2の資料、「基本的合意(抄) 」の一番上の丸、そこに合意の中身が書いてあるわけですけれども、「届出により実施 可能な仕組み」というのは、これは全体、一般論ですね。一般的に言うと、概括的に言 うとこういうことだと。そして、「具体的には」というのが次にあるわけですね。具体 的な中身も、今の議論とのかかわりでいうと、私の理解では2つあって、まずは新規の 医療技術が出てくるときがあるでしょうと、それは要件を設定しなければいけないとい うのが一番上のぽつで、それからやや下の方に、3つ目のぽつで、既に要件が設定され ている医療技術については届出でいいのだと。ですから、下の方はまさに迅速性そのも のですからこれでよろしいのだろうと、もう既に要件が設定されれば。一番上のところ は、「新規の医療技術については、厚生労働省は、」と書いているわけですね、厚生労 働省は、この専門家会議における科学的評価を踏まえ、通知すればいいという、「厚生 労働省は、」という中には、従来の考え方でいうと、私どもは厚生労働大臣の諮問に答 えるという立場ですから、これは、中医協もこの中に入るという考え方ができるのでは ないかというふうに思うのです。そうしますと、これを踏まえていきますと、「厚生労 働省は、専門家会議による科学的評価を踏まえ、中医協の審議を経て3カ月以内に」と いうことが言えるのではないかなと、こういうふうに思うのですけれども、その点いか がなものでしょうか。  むしろこれは、医療課長というよりは公益の先生方の方がこの読み方などですとお詳 しいといいますか、客観的な見方ができるのかもしれないのですけれども。 ○松原委員  私どもも、合意の読み方は、対馬委員のおっしゃっているとおりではないかと思いま す。一番最初に出たものについては、厚生労働省が審議して決めるわけでございますの で、やはり中医協もその中の一部でありますし、届出を可能にするということでござい ますので、一定の要件が設定できれば、その後で届出により実施可能な仕組みを新たに 設けるということは、大臣の合意のとおりになっていると思います。したがって、審議 し、そして承認するという形であっても、厚生労働大臣と内閣府の担当大臣との合意に はまさにそのとおりになっているように思います。 ○土田委員  これを見て、僕もなかなかよくわからないなと思うところがあるのですが、診−1− 1の1ページの2つ目の丸の最初のぽつですが、「先進医療専門家会議(仮称)」云々 ときて、社会的妥当性があるかどうか確認するとあります。要するに、確認するわけで すね。それから次のページの最初の丸に行きまして、「中医協は、〜 意見を述べるこ とができる。」とあります。それから2つ目の丸では、「中医協への報告・検討を経た 後」というふうに書いていまして、結局、どこが承認するか、あるいはどこが決定する かということが一切ないわけです。ですから、一体どこで、そういう申請があった場合 にそれを承認するか、あるいはそれを現在の言葉で言うと、特定療養費の範囲内である というふうに決定するかという、その「承認」なりあるいは「決定」という言葉は一切 ありませんで、「確認」であるとか「意見を述べる」あるいは「通知する」ということ だけですので、そこはやはりある程度明確にしていく必要があろうかというふうに思い ます。 ○事務局(麦谷医療課長)  納得いただけるかどうかわかりませんが、このように考えていただけたらどうでしょ うか。例えば合意事項の「厚生労働省」、あるいは私どもが今日配付したいろいろな資 料の中に、「厚生労働省は、」、例えば2ページの丸の2つ目、「新規の医療技術につ いては、厚生労働省は、」云々かんぬんと書いてあって、最後に受けが、「理由を付し て通知する。」と、こういうことで書いてございます。合意文書も、「厚生労働省は、 」と書いてありますが、これは最終的には「厚生労働大臣」と。大臣がお決めになって そのようにすると御理解下さい。私ども事務方はその御指示に従って手続を行いますの で、したがって、大臣が判断する過程において、例えば中医協の意見を聴くといったよ うなことも、これはございますので、最終的には、そのような「厚生労働省は、」と言 っても、組織でございますので、それではその組織のだれかと言われると、最終的には 大臣と、このようにお考えいただけるといいのではないかと。ただ、そのときに、では 中医協はどうなるのかという、それは厚生労働大臣の諮問機関でございますので、大臣 がお聴きになりたいときは諮問するということで答申を受けて、それを尊重するという ことだと御理解いただければいいのではないかと思います。  ちょっとお答えになっていないかもしれません。 ○漆畑委員  事務局のお考え、もう考え方としては多分ここでの意見と齟齬がないと思うのです が、先ほど松原委員がおっしゃったように、高度先進医療の専門家会議があって、そこ での議論したものを中医協で議論をして、結果的にそれを承認するのと同じ手続の部分 というのは、必ずしも高度でない先進医療技術と高度先進医療と同じはずだと思うので す。ですから、この資料は、「先進医療への対応について」と書いてあるから、そこだ け書いてあるのですけれども、手続上は全く同じで、ただ、医療技術の部分で高度先進 医療を議論する場と、それから、必ずしも高度でない先進技術を議論する場が2つがあ って、そこが違うだけで、それ以後の手続は全く同じというふうに理解をしてよろしい のでしょうか。 ○事務局(麦谷医療課長)  手続的には、決まっておりますのは、例えば高度先進医療については中医協の承認を 受けると、これははっきり決まっております。ただし、今から始まる先進技術について はそのような決まりがございませんので、私どもとしては、そのようにお諮りするので はなくて、ここに報告をして検討していただきたいというような提案をしております。 ○松浦委員  「保険導入に係る技術的問題について検討を行う。中医協は、この結果も踏まえ、当 該技術の保険導入の適否について検討を行う。」ということが書いてあるのですが、や はり保険者としては、保険の財政というのは非常に気にかかることですので、例えば、 この100の技術のうち、例えば30ぐらい、1つでも2つでも構いませんが、この中 医協の審議の場に出てきた場合に、それを採用して保険導入して、その結果、当然スク ラップされる技術も出てくると。そうすると、その差額がどの程度になるのだというよ うな資料は提出が可能ですか。 ○事務局(麦谷医療課長)  当然、そういう資料については提出したいと思っておりますし、そのために、このい わゆる「混合診療」で行う技術については報告をさせようと思っております。 ○松浦委員  そうですか、はい。 ○星野小委員長  どうぞ、ほかにありませんか。 ○対馬委員  私どもとしては、今回新たに100技術で、2,000医療機関と、これはまだもち ろんはっきりしたわけではないのですけれども、そういうことだけで、あと私どもは意 見は述べられるのだけれども、決まるのはもう別なところで決まるのだということはや はりちょっとおかしいのではないかという感じがするのです。ですから、入り口と出口 ということでいいますと、入り口のところの100技術等々については、ここできっち り議論をして決めていくと。決まったものについては、確かにここに書いていますよう に、要件が設定された医療技術、それは届出でいいのだということで、恐らく適正手続 でありますとか、中身の透明性もありますけれども、今回のやつは迅速性ということを 一番強調されているのではないのかなと、こういうふうに思うのです。迅速性であれ ば、私どもとしても、中医協でおおむね100と言われている技術について迅速な審議 を行うということで、当然私どもやるつもりでございますし、また一たん決まった後に ついては、先ほど来申し上げていますとおり、届出でよいと、こうなっているわけです から、その意味で、大臣合意に反するということでない限りは、そういうことでよろし いのではないかなと、こういうふうに思うのです。 ○松原委員  私どもも、やはり迅速性が必要である。国民にとって、新しい技術がなかなか使えな いというところに大きな問題があったと思いますので、それを担保できるような仕組み ができたわけでございます。しかし、これで十分に大臣の合意には沿っているのではな いかと思います。保険の財政を使って一部を給付するわけでございますので、やはりこ れは中医協で審議し、承認すべきものだと思います。  むしろ、これは1号側と2号側とほぼ同じ意見でございますので、やはり公益委員の 先生方でよくそのあたりを御判断いただければよろしいのではないかと思いますが。 ○星野小委員長  今松原委員が球をこっちに投げていただいたものですから、別にこれから申し上げる のは、会長として申し上げるのではなくて、公益委員のワン・オブ・ゼムとして申し上 げたいと思うのですが、この2ページの丸についての文言がくどすぎるのですよね。 で、何か深い意味がこの裏にあるのではないかと思わせるような文言になり過ぎている から、誤解を招くのだと思うのです。どういう経緯があったか知らないけれども、事務 方の案は、いろいろなところに多分配慮し過ぎてしまって、かえってすぐ御用になるよ うな文章になったと、こういう感じがするのです。  したがいまして、私は、こんな案はどうかなと思うのです。「厚生労働省」まで切っ てしまって、「中医協は、当該先進技術の保険給付との併用の適否について、検討す る。」。そのまま「検討する」とやっておくと、次の丸に、途中に「中医協への報告・ 検討を経た後」という縛りがかかってきまして、したがって、それで、(1)支障なし、 (2)中止又は変更、(3)保留と、こう続くのだろうと思うので、今松原委員が言われた承 認事項ですかというのも、含意として含まれてしまうと思うのです。  もう一回繰り返すと、「中医協に報告し、中医協は、当該先進技術の保険給付との併 用の適否について、」、これは宗岡委員だとか松浦委員が言われるように、「適否につ いて、」というのは、当然財政事情、サステーナビリティーも含むわけですから、「つ いて、」と。それから、かねがね櫻井委員が、特定療養費、この中医協では最初に目を つけていろいろと御意見いただいて、特定療養費は恐らく「混合診療」問題が起こる前 から私は議論した覚えがあるわけで、それは医療の技術進歩を含めながら御発言されて いたと思うのですが、それを担保することなのですね、これは。だから、技術進歩を維 持しながら、しかも1号側が御心配になるような、いわゆる社会保険としてのサステー ナビリティーも担保するという意味では、当然中医協が検討しなければいかぬですよ ね。検討して、その意見に基づいて厚生労働大臣が最終御判断をされて、それぞれを交 通整理すると、こういうふうになるのが当たり前のことだと思うので、したがって、も し文言で「承認」だとかなんとかというのを高度先進医療と同じようにするのが今の段 階ではいろいろと御配慮が必要だというのだったら、「検討する」というところまでで とどめておいて、しかしながら、事務方はもう既に頭の中では承認に近いようなことを 考えているのだと思うので、それで丸の2つ目があって、そこで丸の2つ目の中では、 繰り返しですが、「中医協への報告・検討を経た後」というのが非常によくきいている のですね。したがって、そういうふうに訂正されたらどうかというのが、公益委員、中 立公益委員の一人としての具体的な意見でございます。 ○宗岡委員  いいのではないですか。 ○星野小委員長  事務方はどうですか。今度は会長になりました。 ○事務局(麦谷医療課長)  確認のために、今の会長からの修正案を読み上げさせていただきます。私の方でもし 間違っていたら御訂正いただきたいと思います。2ページの丸の1つ目、「○ 先進医 療専門家会議(仮称)における科学的評価の結果については、厚生労働省より中医協に 報告し、中医協は、当該先進技術の保険給付との併用の適否について、検討する。」。 ○星野小委員長  はい。それで万感みんな入ってしまっていると思います。  いかがでしょうか、今の案でよろしゅうございますか。 ○対馬委員  結構です。 ○星野小委員長  それでは、そういうことでおさめさせていただければありがたいと思います。  ほかにございますか。 ○小島委員  今の先進技術については一応そういうことで了解することになっています。3ページ の「高度先進医療の取扱いについて」、先ほど課長から御説明ありましたけれども、一 番下の4つ目の丸です。これは前回のときにはなかった文章がつけ加えられている。こ れは保険適用に当たっての手続について書いてあるところで、一番下の文章は、高度先 進医療専門家会議で、保険適用についての是非について検討して、その結果を踏まえて 中医協で導入の適否について検討を行う。「検討を行う」という表現になっております が、これは従来どおり承認を得るということを含んでいるという、説明でした。そこの 確認です。また、今までは2年に一度の改定時に合わせてということでしたけれども、 今回は専門家会議の方で、適時必要があれば中医協に上げてくるということに変わるの だということです。そうしますと、この3ページの一番上にある、先進技術について も、高度先進専門家会議と同じように、保険適用についての検討をこの専門家会議で検 討して、適時中医協の方に報告をして、中医協で承認するかどうかを検討するというこ とになるのですか。 ○事務局(麦谷医療課長)  従前は、高度先進医療に関しまして、まず第1点でございますが、保険導入の適否 は、これは中医協の専決事項でございますので、当然中医協で保険導入の適否、これは どのような技術もここで議論をして適否が決まります。  それから、高度先進医療は、従前からは途中で入れるのではなくて、最近では2年ご とにある診療報酬改定時に幾つかが入っております。それで、私が先ほど申し上げたの は、今度は、今までの高度先進と違って、高度ではない技術については数が非常に多う ございますので、例えば2年待つ必要があるのかどうか、1年ごとにむしろ処理してい った方がいいのではないか。ただ、それをいつ導入するかというのはここで御議論いた だいて、改定の間に告示を出すのかと、あるいはやはり2年ごとの改定時に一緒に、導 入は一緒だということにするのか、導入というか、導入するのはいいけれども、時期は 診療報酬改定時だというようなことも、それはここでお決めいただければいいと思いま す。 ○星野小委員長  ほかにございませんか。  他に御質問がないようでしたら、この問題については、先ほどの修正を含めまして、 当小委員会として了承するということでよろしゅうございましょうか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○星野小委員長  ありがとうございます。  それでは、そのようにさせていただきたいと思います。  それでは次に、「制限回数を超える医療行為」について議題としたいと思います。  この問題については、前回の小委員会において、おおむね合意が得られているものと 考えておりますが、事務局より資料が提出されておりますので、説明を願います。 ○事務局(麦谷医療課長)  資料は、中医協診−2−1という資料でございます。「制限回数を超える医療行為に ついて(案)」という表題がついてございます。これにつきましては、前回とほとんど 同じでございますが、修正部分について下線、それから、修正ではなくて、委員の御指 摘を受けて全く削除したパラグラフがございますので、それを御説明申し上げます。  まず最初の丸で、「制限回数を超える医療行為については」云々と書いてございます が、これは前回と全く同じ文言でございまして、「医療技術評価分科会において、保険 給付との併用を認めるものと認めないものとの区分けや、認める場合の必要な条件等に ついて検討」するということで、時期が書いてないということでございましたので、 「本年夏までに結論を得る。」というふうに追加をさせていただきました。  それから2つ目の丸、これは同じでございます。「医療技術評価分科会における検討 の結果を踏まえ、制限回数を超える医療行為の取扱いについて検討を行う。検討の過程 において、医学的な根拠が明確なものがあれば、保険導入について検討を行う。」、こ れも同じでございます。  その次に、実は回数を超えて行う場合の患者さんからお金を取るとした場合に、私ど もが、例えばその検査であれば、検査1回を外来で行うために、それだけのために医療 機関を訪れた場合、再診料を制限してはどうかというような文言を書いて、「保険の基 礎的部分について整理したいというようなことが書いてあったのですが、それは前回、 委員の方から、それこそ保険給付外との併用を認めるという趣旨で行ったので、それは おかしいという指摘を受けましたので、それは削除いたしました。したがって、その部 分は全くございません。  また、そういうことが、私どもが挙げた説明がたまたま検査でしたので、そのように なりましたが、いろいろな回数制限がございます。資料につきましては、本日の資料で いえば中医協診−2−2の資料の一番最後の3ページに「算定回数制限のある項目の例 」ということで、たくさんつけてございます。これは、検査はそのように単純に1回プ ラスでございますが、最後に書いてございますリハビリテーションですとか、あるいは 医療材料の数ですとか、異質なものがたくさん入っておりますので、場合によってはそ のようなことが、そのようなことというのは、保険給付の基礎的部分について制限をす る必要のあるものがひょっとしたらあろうかと思いますが、そういうことも含めて、医 療技術評価分科会で御議論いただいたらどうかというふうに思いまして、従前のパラグ ラフについては削除をいたしました。そのような趣旨でございます。  それから、最後の丸につきましては、これは同じでございまして、制限回数を超える 医療行為につきましても、不当な患者負担の増大を防止するために、関係する事項の掲 示、それから患者の自由な選択と同意、自費負担に係る徴収額と明確に区分した領収書 の交付等々、定期的な報告を求めるというのは全く同じでございます。  以上です。 ○星野小委員長  ありがとうございました。  それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問あるいは御意見等がございまし たら、どうぞ。 ○対馬委員  丸の2つ目の真ん中のところなのですが、「医学的な根拠が明確なものがあれば、保 険導入について検討を行う。」と、これはもちろんやぶさかではないのですけれども、 しかし、よく考えてみますと、まず、この特定療養費制度の中でやっていって、その後 で「医学的な根拠が明確」な場合というのは両方あって、保険導入をしなくてもいいと いうこともありますので、「医学的な根拠が明確なものがあれば、保険導入の可否につ いて検討を行う。」というのが筋ではないかなと、こういうふうに思います。 ○星野小委員長  事務方、何かありますか。 ○事務局(麦谷医療課長)  いえ、御指摘のとおり修正いたします。 ○星野小委員長  はい。  ほかにございませんか。  他に御質問等もないようでしたら、この問題については、医療技術評価分科会におい て御検討いただき、その結果を踏まえ、当小委員会で検討することとしたいと思います が、よろしゅうございましょうか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○星野小委員長  ありがとうございます。  どうもありがとうございました。それでは、本日の小委員会はこのあたりで終了した いと思います。  次回の日程については、事務局から何かありますか。 ○事務局(麦谷医療課長)  来週は開催いたしません。次回は3月30日水曜日に総会の開催を予定しておりま す。  以上です。 ○星野小委員長  ありがとうございます。  皆さんの御協力を得まして大変スムースに進みまして時間が早く終わりましたので、 本日の小委員会はこれにて閉会いたしたいと思います。ありがとうございました。 【照会先】 厚生労働省保険局医療課企画法令第1係 代表 03−5253−1111(内線3288)