05/03/16 第1回「子どもの心の診療に携わる専門の医師の養成に関する検討会」議事録                    第1回        子どもの心の診療に携わる専門の医師の養成に関する検討会       日時: 平成17年3月16日(水)16:00〜18:00       場所: 中央合同庁舎第5号館17階専用第21会議室  事務局/苗村課長  それでは定刻がまいりましたので、「子どもの心の診療に携わる専門の医師の養成に 関する検討会」の第1回というのを開催させていただきたいと思います。司会をさせて いただきます母子保健課長の苗村でございます。よろしくお願いします。  本日、先生方におかれましては大変お忙しい中、また大変遠くからも本日の会議にご 出席いただきまして誠にありがとうございます。また日ごろから私どもの厚生労働行政 に関しまして多大のご支援、ご協力、ご指導をいただいておりますことにこの場をお借 りいたしまして心からお礼を申し上げる次第でございます。  さて、今回「子どもの心の診療に携わる専門の医師の養成」ということで検討会をも たせていただくことになったわけでございまして、開会にあたりまして最初に私どもの 伍藤局長の方からごあいさつを申し上げるということで予定をしておったわけでござい ますが、ちょっと所用のために少し遅れてまいりますので、また局長がこちらにまいっ た段階でごあいさつを申し上げさせていただきたいと思っております。  それで、会議次第に則りまして最初に検討会の委員の先生方のご紹介ということで、 それぞれ各学会等の代表ということでお集まりいただいているということもございます ので、誠に申し訳ございませんが、お一人ずつできましたら自己紹介の形で1分なり2 分なりということでお願いしたいと考えております。それではアイウエオ順で、できま したら牛島先生の方からお願いできますでしょうか。  牛島委員  日本児童青年精神医学会を代表してまいりました牛島でございます。  昨年の4月まで東京慈恵医科大学の精神学講座におりましたが、3月で定年退任しま した後、現在はいわたにクリニックで診療をやりながら、そこで少し教育施設の機能を 持たせた精神療法研究所をやっております。それでまたこの4月から新たに東京女子大 学の心理学科の方に移ることになっております。そういう社会的な身分が安定しません が、こと子どものメンタルクリニックに関しては一貫して協力させていただきたいと思 っております。よろしくお願いします。  齊藤委員  国立精神・神経センター精神保健研究所の児童・思春期精神保健部の部長をやってお ります齊藤と申します。  私は学会の代表ということではなくて参加させていただいておりますが、児童・青年 精神医学会、精神神経医学会、小児精神神経医学会、小児心身医学会と今回参加してお られる学会のほとんどには会員でありまして、そんな立場からも発言させていただきた いと思います。ただ、私自身がおりますところが国立の研究機関でありますが、臨床的 には国府台病院という児童精神科をかなり昔から持っている部門で児童精神科医をやっ てきたものですから、今回のこのテーマのこの領域が認知されて社会的にそれを担う人 間が増えていくということは、何年も前から非常に悲願のようなところがございまし て、ぜひ議論に参加させていただきたいと思っております。よろしくお願いします。  杉山委員  あいち小児保健医療総合センターの心療科の部長をしております杉山と申します。  日本小児総合医療施設協議会という日本の子ども病院の集まったグループの代表とい う形をとらせていただいておりますが、私自身は初期研修を小児科で2年やりまして、 その後、精神科で、特に児童をずっとやってきました。児童精神科医としてずっと仕事 をしておりますが、その間に一度教育畑に出まして障害児教育の教官を6年半ほどして おりましたので、教育とのリンクということも意識しております。今、我々のあいち小 児センターの心療科というのは、曜日ごとの専門外来を4つ並べる形をとっておりまし て、火曜日が心身症、水曜日が不登校、引きこもりです。それで木曜日が虐待で、金曜 日が発達なんです。それで問題は発達の外来が、新患待機が3年です。年を超える待機 をつくってしまうと、我々の自助努力だけではどうにもならないものですから、そうい う状況でこの子どもの心の専門家の養成というのは本当に今の時代のニーズに合った会 だと思いますので、ぜひご協力ができればと意気込んでやってまいりました。どうぞよ ろしくお願いします。  冨田委員  日本小児心身医学会を代表してまいりました冨田と申します。  私は20年ほど前から大阪で、社団法人ですが、民間としてこういうことを小児科領 域からやってきております。それで民間の中でこういう医療をやっていくということ は、おそらくここにご出席の先生方のどなたよりも切実に20年間感じてきました。そ の中で、小児科医でこういう分野をやりたいという方をこれまで10人ぐらい研修もし ていただきました。ですからそういうことを踏まえて、日本小児心身学会の代表として でもありますが、民間でこういうことを20年間やってきてどういうことかということ も踏まえて発言できたらいいかなと。それで杉山先生は「はりきってやってきました」 と言われましたけど、私もそういう意味ではこういうことがやっと公に認められてきた 中で、実際にやったらどうだということをお話できればと思っております。よろしくお 願いします。  西田委員  三重県立子ども診療センターあすなろ学園の園長をしております西田と申します。そ れと全国児童青年精神科医療施設協議会という長たらしい名前なんですが、そこの代表 もしております。  それで「全児協」と略しているんですが、1971年1月にでき、児童病棟があり入 院中の学校教育が保証されている児童精神科医療施設が集まって研修会を毎年開いてい るんです。そこの代表をさせていただいております。ほとんどすべての子どもの精神疾 患で、幼児から20歳までの入院治療を引き受けている施設です。ただ、そこで働いて いる職員、医師もそうなんですが、すごく皆オーバーワークで、しかも子どもたちの問 題は本当に深刻で、そういう現場からいろいろな意見を述べさせていただきたいと思い ます。私たちのところも本当に切実なのが医師不足でして、若い先生にたくさん来てい ただくんですが、2〜3年でもどられます。私は31年になり臨床中心に仕事をしてき ました。そういう立場から意見を述べさせていただけたらありがたいかなと思って参加 させていただきました。よろしくお願いします。  柳澤委員  成育医療センターの柳澤と申します。  私は小児科医でございますが、長年に亘って大学の医学部の小児科、それからまた現 在は成育医療センターそういうところで子どもの心の問題に関してはずっと関心をもっ て教室または病院の管理運営、また指導もしてまいりました。厚生労働省がこういう現 在の社会状況を背景にこのような検討会を組織されたということに関して、深く敬意を 表する次第です。よろしくお願いします。  伯井委員  日本医師会からまいりました常任理事の伯井でございます。  日本医師会の役員で小児科の医師というのは割合少のうございまして、そういうわけ でもございませんでしょうが、何年も前から「子どもの医療」ということを叫ばれ、ま た「少子化」ということも叫ばれる割には、子どもの医療というものに対する考え方が 薄いと言いますか、財政的な配慮も少ないということを常に感じておりまして、私自身 も小児科医でございますが、小児科医性善説というようなことを私は考えております。 診療報酬の審査員もしておりますが、子どものレセプトを見ておりますと過剰診療をし ているというようなことは一切考えられません。泣く子をつかまえて採血したり検査し たりすることは最小必要限度にどうしてもしたいという気持ちがありますので、そうい う意味では診療報酬に対してももっと陽が当たらないと、最近言われておりますように 小児科医の数が少ないと言いますか、小児科専門医がなかなか開業医を含めて少なくな ってきている現状を見ますと、これは非常に憂えるべきことかなと思っております。医 師会の立場からそういうような医療行政の面に関しまして、特に母子保健の部分に関し ましてはこれからどんどん改善されるような声を挙げていきたいと思っておりますし、 私の背中に掛かっております要望というのは非常に強うございまして、そういう人たち は、自分自身が犠牲になってやってきておられる先生方がほとんどでありまして、もう 少しなにか報いられるような体制というものを考えなければいけないなと思っておりま す。  特にこの子どもの心のテーマでございますが、これは極めて遅れておりまして、数も 少ないし、なかなか言われている割には子どもの心のことに関する考え方が非常に弱 い。少子化対策を考えてみましても、預ける時間を長くするとか、あるいは待機児童を 少なくするというような方策はありますが、それも親の立場からの考え方でありまし て、子どもの心の立場から考えますとそれが本当に良いことかどうかという問題も投げ かけなければいけないかなという気持ちもしておりますので、学校保健も含めまして、 子どもの心というものにこれからどんどん関心を示して関与していかなければならない かなと思っておりますので、どうぞ皆様方のご協力をお願い申し上げたいと思います。 よろしくお願いします。  保科委員  社団法人日本小児科医会の副会長をしております保科と申します。  たまたま平成11年から日本小児科医会で第一線にいる小児科の先生に少しでも子ど もたちに接する場をうまくもっていただきたいということで、子どもの心研修会という のを開催して、今年度で6回目を終っております。ですから、そういう形でやっていた ものですから、医会からこういう場に出させていただきたいと思っておりますので、こ れからも第一線の先生を代表する意味で、どうしても精神神経医学会というと大学の先 生が主なので、大学にいる間はそれをやっているけど、実践に出ると普通の開業医と同 じになってしまうと。これはもう嘆かわしいことで、逆に今いる小児科の先生に少しは 働いていただこうということを考えています。いろいろ発言できればありがたいと思い ます。どうぞよろしくお願いします。  南 委員  読売新聞解説部の南と申します。どうぞよろしくお願いします。  日常的には医療を中心とする厚生行政の解説と、ときどき教育などにも取り組んでお ります。「子どもの心」ということで、先生方、ご専門の方々ばかりの中でほとんど素 人ですが、私ども、メディアからながめます医療というのはとかくいろいろの問題があ りまして、医療現場でがんばっておられる先生方にとっては一面的に医療を叩くような 報道が目につくと思われることと思いますが、これからはメディアも、患者のためと か、患者が主役ということでなく、誰にとっても良い医療、客観的に良い医療、という ものを目指すべきではないかと考えているつもりでございます。  そういう意味からしますと、「子どもの心」の診療というのは精神科医療と小児科医 療という2つの分野の接点にあって、これまで非常に手薄であったわけです。昨日今日 始まったことではなく、私が知っている限りでも20年ぐらい前には既にこの「子ども の心をどうにかすべきではないか」という問題が指摘されながら、なかなか良い形で結 実してこなかったという印象がございます。現在問題になっている医療のさまざまな問 題、医師の不足とか、医療経済の問題、また医師教育、研修医制度のあり方などほとん どすべての問題がここに集約して語れるというような側面がある分野である、とも言え ると思います。「国民にとって良い医療」という観点から子どもの心の診療に携わる専 門医の養成について考えることができればと思っております。どうぞよろしくお願いし ます。  桃井委員  自治医大小児科の桃井と申します。学会としては日本小児神経学会の代表として来さ せていただいていると理解させていただいております。  日本小児神経学会は平成3年に小児神経科専門医、当時は「認定医」と申しました が、小児神経科専門医を立ち上げまして現在で十数年経ちましたが、途中で日本専門医 認定制機構に属し、研修体制、研修項目、研修評価法、試験法などさまざまな体制を整 えてきた経緯がございます。それで、この問題に関しましては、日本神経科専門医は神 経、子どもの発達というものを神経の発達からみる、そしてその破綻、あるいは障害、 あるいはデヴィエーション、偏りを診療するというのが役割でございますので、心に関 しましても神経機能、つまり脳機能の発達の過程のデヴィエーションの表現が「心」で あれば、それも小児神経科の視点からみるという専門医でございます。基盤は多くの方 は、90%以上は小児科の専門医でございますが、その小児科専門医の上に立つサブス ペシャリティの専門医として、小児科領域では現時点では唯一のサブスペシャリティの 専門医として機能しております。子どもの神経、心と精神と、大人と違うのは心身一体 であって分離し難いような状態で子どもは発達しますので、その過程の破綻も、あるい はデヴィエーション、偏りもまた分離し難い形で表現系として現れてくるということが 大人とまったく違う点であるというように理解しておりまして、そのへんから考えます とやはり神経・脳機能から理解し、科学し、診療する面と、そして精神という領域の方 から診療する面と、そして子どものジェネラリストとして診療する面というものを十分 に議論していただいて、専門医あるいは専門に診療できる医師というものを国民の側か らみてわかりやすい、これは専門医体制と言っていいかどうかは現時点ではわかりませ んが、わかりやすい専門医師という形にしていくべきであろうと考えております。  山内委員  日本精神神経学会の理事長をしております山内でございます。どうぞよろしくお願い します。  私は精神科医として今までずっと仕事をしてきたわけで、最後は埼玉医科大学の教室 を主宰しておりましたが、現在は埼玉医科大学の学長という職にあります。私はこの話 を承ったときに、かつて精神神経学会でも、また学術会議の精神医学研連でも20〜2 5年ぐらい前から児童の精神医学を振興すべきであるということを何回も政府にいろい ろな機会を通して言っていたんですが、なしのつぶてだったのが、こういう形で実現し たというか、検討会を持たれるということは感慨深いものがあります。そういう意味で もぜひこの会が実りのあるものであってほしいと願っております。日本精神神経学会と いうのは、精神科医の集まりの親学会のようなものでありまして、今1万1千人ぐらい の会員数ですが、そこには現場で働いているさまざまな場を持った人たちがいますの で、ぜひここで検討されたようなものが良い形で実現されることに学会としても何か役 割を果たすことができればいい、と思っておりますので、どうぞよろしくお願いしま す。  吉村委員  全国医学部長病院長会議の会長をしております、北里大学の医学部長をしております 吉村と申します。  私の専門は実は胸部心臓外科でございまして、門外漢でございますが、全国医学部長 病院会議では11の専門部会がございまして、教育、診療、あらゆる問題を検討してお りますが、特にこの精神科とか小児精神についての特化したことは検討しておりません が、医学部の教育、学部教育全体のこと、あるいは卒後研修のこと、また実際の大学病 院を中心とした診療のことについてはかなり深く検討しておりますので、そういうとこ ろに意見を反映させていただければと思います。またちょっと話題がズレますが、ちょ うど3月から厚労省を中心に医師の需給の検討会も始まっておりまして、これは既に医 師数としては人口10万対150を超えて、まもなく200ということで、むしろオー バーするのではないかということが話題になっておりますが、やはりこの中で地域差、 僻地とかあるいは都市と郡部との違い。それとともに専門領域の違いという、特に小児 科、産科、救急麻酔科というのが足りないのではないかと。それをどうするか、どうバ ランスをとるか。それからもう一つはやはり時間帯、特に夜間が足りないとか、あるい は勤務医と開業医、あるいはそういう専門医との区分けの問題など、それは現在検討し ているところでございますけれど、やはり専門医の育成をどうするかということと、そ の分布、それをどういう仕組みに、あるいはインセンティブをつくるかというようなこ とを検討しておりますので、この委員会のご意見をぜひ参考にさせていただきたいと思 っております。よろしくお願いします。  事務局/苗村課長  委員の皆様方、どうもありがとうございました。それでは局長がまいりましたので、 私どもの雇用均等・児童家庭局長の伍藤からごあいさつを申し上げます。  伍藤局長  遅れまして申し訳ございません。厚生労働省の雇用均等・児童家庭局長の伍藤でござ います。この度はこの検討会にご参加を要請しましたところ、快くお引き受けいただき まして大変皆様お忙しい方ばかりだと思いますが、心から感謝を申し上げたいと思いま す。  私どもの仕事は名前のとおり、雇用・均等というのは女性の雇用問題、均等問題とい ったことでありますが、児童家庭局というのは子どもの問題全般を扱っておりますが、 特に最近は少子化問題ということで政府の少子化対策の多くの部分を担っておるという ことでございます。そういう観点から昨年末に今まではエンゼルプランということでず っと5年計画で2回ほどやってまいりましたが、もう少し視野を広げてということで、 今回はいろいろな企業の働き方の見直しとかそういうところまで踏み込んで新しいプラ ンを策定しまして、「子ども子育て応援プラン」という名前も少し変えてこれからやろ うとしているところでありますが、このプランの中でも子どもの心の健康に関する研修 を受けている小児科、精神科医の割合を今後5年間で100%にもっていくと、こうい う目標を掲げたところでございまして、こういう観点から少子化対策というような大き な枠組みの中でも、ぜひ子どものこういう問題について私どもは具体的に取り組んでい きたいというように考えておるところでございます。  それから片や虐待問題というのもなかなかこれは止まるところを知らないというか、 深刻さを増すばかりでございまして、こういうものにどう対応していくかということも いろいろ法制度の改正をはじめとして、いろいろな制度的な対応というのを図っており ますが、なかなかこれも難しい課題でございます。そこの中核的な機能を担っておるの が各都道府県の児童相談所でございますが、この児童相談所の機能強化を図っていくた めにもいろいろな具体的な事例を見ますと、やはり高度専門的な診断とか治療が必要な 事例が非常に多くなってきておりまして、医療機関との連携、児童精神科医の協力とい うのがどうしても欠かせないというような事例も非常に多くなってきておりますので、 こういう観点から現在10ヵ年で進めております「健やか親子21」という母子保健に 特化した計画がございますが、こういう中でも2010年までにすべての児童相談所に 児童精神科医を常勤で置くというような一応目標を掲げて、具体的に取り組んでいって おるところでございます。  それから昨年の12月には、これは「発達障害者支援法」というこういう新しい法案 が議員立法でありますが成立しまして、子どもの発達障害というものの診断・治療・ケ アこういうものを適切に行う小児科医、あるいは児童精神科医の需要もこれからますま す増えていくんではないかと、こういう観点からのアプローチも必要になってきており ます。  いろいろ課題はいろいろな角度から多面的な要請が、いろいろな要請があるわけであ りますが、子どもの心の問題に対応できる専門的な小児科医、あるいは児童精神科医の 先生方が日本においては非常に少ないということが先ほど来から話にあるとおりであり まして、こういう深刻化するいろいろな問題にどうやって対応していくかということを 総合的に研究して検討していただいて、方策をぜひとも具体化する足掛かりを私どもも 共有したいと思います。ぜひ、そういう方向でのご議論をお願いしたいということで今 回お願いしたわけでございます。いろいろ大変お忙しい中と思いますが、ぜひ検討会が 実りのあるものになりますよう、ご協力をぜひお願いしたいと思います。どうもありが とうございます。  事務局/苗村課長  それでは引き続きまして事務局の方を紹介させていただきます。  今、ごあいさつを申し上げましたのが伍藤局長でございます。それから、左の方は総 務課の児童虐待対策室の山本室長でございます。その隣が障害福祉部の企画課の山崎補 佐でございます。私が母子保健課の課長の苗村でございます。こちらの方は母子保健課 の補佐の齊藤でございます。後ろの方に文部科学省から初等・中等教育局の特別支援教 育課というのがございまして、そこの特別支援教育調査官の柘植様をはじめ3人の方、 それから高等教育局の医学教育課の小松様にお越しいただいております。よろしくお願 いします。  それでは次に座長及び副座長の選出に入りたいと思いますが、事務局の方からできま したら座長は柳澤先生にお願いをしまして、副座長は牛島先生ということで考えている ところでございますが、いかがでございましょうか。  全員  (拍手)  事務局/苗村課長  どうもありがとうございます。それでは座長は柳澤先生、副座長は牛島先生というこ とで、よろしくお願いしたいと思います。  それでは柳澤先生の方にこれから議事進行の方を、よろしくお願いします。  柳澤座長  ただ今、座長のご指名をいただきました柳澤でございます。大変不慣れではございま すが、各立場からお出でいただいた委員の方々のご協力を得て、1年間の討議を経て立 派な成果をつくり上げたいというように思っております。この検討会につきましては、 今日も朝刊を見ておりましたら、今日こういう検討会が開かれるというような記事が出 ておりましたし、大変社会的な関心が高いように見受けられます。そういう期待にも応 えるべく、我々も努力していかなければいけないと思いますし、そのためにもぜひ委員 の皆様の絶大なご協力・ご支援をお願いしたいと思います。  大変簡単ではございますが、まずは座長にご指名いただいたということでごあいさつ とさせていただきます。後の議事に関しては座って進めさせていただきます。どうぞよ ろしくお願いします。  それでは議事を進行させていただきますが、まず本日の議題に入ります前に事務局の 方からお手元にお配りしてあります資料の確認をお願いできますでしょうか。  事務局/苗村課長  それでは座ったままで失礼します。資料の確認をさせていただきたいと思います。  まず、座席表とか会議次第がございまして、それから検討会の資料1〜6まででござ いまして、合計で一番後ろが61頁まである資料を一部付けております。  次に二つ目は「健やか親子21」のリーフレットがございます。  次に三つ目は「子ども・子育て応援プラン」という冊子を資料として付けさせていた だいております。これは宣伝になるわけですが、「子ども家庭総合研究事業」というの を私どもの方で持っておりまして、その研究成果の発表会が3月17日に行われます。 さらに、シンポジウムが、子どもの心の問題ということで、これは主に小児科及び産科 の先生方の養成確保の、研究班が鴨下重彦先生に行っていただいておりまして、その研 究班での発表会に近いものですが、この中で特に小児精神保健分野、あるいはまた周産 期分野に関してご議論をいただくということになっております。  次に四つ目、普通の白い紙で出させていただいておりますが、これは牛島先生からご 提供いただきまして、子どものメンタルヘルス関連合同医学会のシンポジウムをこの年 度末に、3月26日に行われるということで、今日ご議論いただくような心の問題に関 して関連学会の先生方がご議論される、というご案内をさせていただいております。  最後に五つ目、こういう大きな一枚紙がございますが、これは杉山先生から追加資料 ということでいただいておりまして、これは先生方の全国の小児総合医療施設協議会の 中の各病院の現在において心の関係の専門外来があるかないか、そういうことを含めた 資料です。このような形で、主に小児病院を中心とした集まりのところで活動をしてお られるという資料でございます。以上でございます。  柳澤座長  どうもありがとうございました。資料の方はよろしいでしょうか。  それでは会議次第に沿って議事を進めていきたいと存じます。まず本検討会の開催趣 旨について、また今後の会議の進め方に関するスケジュール、それの案ですが、そうい うことについて事務局からご説明をお願いします。  事務局/苗村課長  それでは座ったままでご説明申し上げます。資料1をごらんいただきたいと思いま す。  先ほど局長の方からもごあいさつの中で、この検討会の意義等をご説明申し上げたと ころでございますが、この検討会は基本的には子どもの心の安らかな発達の促進と育児 不安の軽減ということが非常に重要なこれからの課題ということで認識しておりまし て、21世紀初頭の母子保健活動を推進していく上で「健やか親子21」というものを 国民運動として今推進してまいっておるわけでございますが、その重点課題としてこう いうものを取り上げ、かつ「子ども・子育て応援プラン」というものにおきまして子ど もの心の健康に関する研修を受けている小児科医とか精神科医の数を100%までもっ ていきたいといったようなことで、国としても積極的にこの分野で取り組んでいきたい というように考えているところでございます。  他方で今、児童虐待であるとか、あるいはまた心身の発達障害や子どもの心の問題を 抱える子どもさんたち、それから保護者の方々の育児不安というものが増えてまいって おりますので、こういう中で子どもの心の問題を解決することが児童虐待防止にもつな がるし、また児童虐待の子どもさん、あるいは親御さんたちに対応する上でも専門家の 方々の治療であるとか対応といったものも非常にこれから必要になってくるのではない かということで、専門家の確保というものが急務になってくると考えております。さら に、昨年12月に発達障害支援法ができまして、これに伴う総合的な地域支援を進めて いく上でも小児科医及び児童精神科医の需要というのが増大しておるわけでございます が、逆にこういう分野でがんばっていただける専門家の方々が非常に少ないといったよ うなことがございまして、この度雇用均等・児童家庭局長の下に検討会を設置させてい ただいてご検討いただくというようになったものでございます。  検討項目は3番にございますように、子どもの心の診療に関する現状と課題というの を分析するということと、今後の子どもの心の診療に携わる専門の医師の養成の方法に ついて、こういう主な2点をご検討いただきたいと考えております。  そして次の頁が委員の名簿でございまして、今回は残念ながら所用のために別所先生 と星加先生と森先生、3人の方がご欠席でございます。それ以外の先生方にご出席いた だいておるところでございます。  次に今後のスケジュールでございますが、大変お忙しい先生方ばかりということで、 前もって4月、5月の予定をいただきまして、こういう形にさせていただきたいという ことで、今日3月16日は問題提起ということで、主に行政サイド並びに社会的に見て この検討会でどういうことをご議論いただきたいのかという、そういうことに関してご 説明を主にさせていただくということで、次回におきまして4月20日に各委員の方々 からそれぞれの学会等においてこれまでの取組みであるとかそういう状況に関しまして ご報告をいただければということで、実態並びにこれまでどういう形で養成等に取り組 んでいただいているかといったようなことでご報告をいただいて、今の現状把握をまず 行わせていただきたいと考えております。  それから3回目の5月11日には、これは関係者からということでいろいろ今検討中 でございますが、場合によりましては患者会の方であるとか、あるいはまた児童相談所 の所長会とかさまざまなユーザーサイドの方々というか、そういう方々を何人か関係者 の方からのヒアリングをしていただいて、ご意見をここで発表していただいて、それを 参考にしていただきたいということで、第2回目にはフリートーキングもしていただく 予定でございますが、第3回目の関係者のヒアリングが終って本格的に今後の養成方法 に関しましてご議論いただくというようなことにさせていただければと思っておりま す。  そして大体8回ぐらいで来年の3月の中旬ぐらいには取りまとめということで、ただ 私ども予算要求等の関係もございますので、中間的な報告をひょっとしたらいただかな ければいけないかもわかりませんので、そのあたりのところはまたご相談させていただ きたいと思っております。とりあえずスケジュール関係は以上でございます。  柳澤座長  どうもありがとうございました。約1年間に亘って8回程度の検討会を開催して、平 成17年度の末には検討会としての報告を取りまとめるということのようでございま す。  以上につきまして、開催趣旨、それから今後のスケジュール案でございますが、今ま でのところで何かご質問、ご意見などございますでしょうか。  ないようでしたら、次にこの検討会を立ち上げるにあたって厚生労働省として現在ど のようなことを問題と認識しておられるのか。子どもの心の健康に関する取組みなどに ついてご説明をお願いしたいと存じます。母子保健、児童虐待、そしてまた発達障害と 3つの分野の捉え方ができると思いますが、その3つの分野についてご説明をいただく わけです。まず厚生労働省側からのご説明を全部いただいた上で、まとめて質疑応答の 時間をつくりたいというように考えております。それではお願いします。  事務局/苗村課長  それでは母子保健の関係からまずご説明を申し上げます。  資料3-1をごらんいただきたいと思いますが、現在平成13年から10年の国民運 動計画として「健やか親子21」というものを今推進しておりまして、これは基本的な 考え方の中にあります健やか親子21の性格というところで、21世紀の母子保健の主 要な取組みを提示して目標設定をして、国だけでなく地方自治体並びに関係団体を含め まして国民の方々と一緒に母子保健の状況をさらに良くしていくということを目指した 運動として今進めておるようなところでございます。  そういう中で、基本的な視点の中で母子保健の水準を低下させないとか、達成しきれ なかった課題を早期に克服する、あるいはまた20世紀終盤に顕在化して21世紀にさ らに深刻化が予想される新たな課題に対応する、児童虐待の問題とか、あるいはまた発 達障害は(2)ないし(3)そういうところに入ってくるものと思いますが、そういう基本的 な視点の中で重要視しているところでございます。  そして課題設定として4つの課題を、次の3節にございますが設定をしておりまし て、この4つの中で第一番目の「思春期の保健対策の強化と健康教育の推進」、それか らまた3つ目の「小児保健医療水準を維持・向上させるための環境整備」、並びに4番 目の「子どもの心の安らかな発達の促進と育児不安の軽減」、こういう中で私どもとし まして子どもの心の問題というのを非常に重要視した取組みを今進めているところでご ざいます。  次の10頁目をごらんいただきたいと思いますが、思春期の心の問題ということで は、ちょうど第1節の真ん中のところに黒で強調しておりますが、これは思春期の心の 問題におきまして家庭・学校等の地域関係の相談機能の強化とか、あるいは相互に学習 の場の提供とか、さまざまな心の問題に対応した体制について取り組んでいくというこ とで、診療報酬面であるとか、医科大学の課題であるとか、さまざまこういう形で挙げ させていただいておりまして、その中でも思春期の心の問題に対応できる医師とか児童 精神科医の育成と、そして児童精神科医の児童相談所や情緒障害児の短期治療施設への 配置の推進とか、そういうことを努力したいということを考えておるようなところでご ざいます。  そして第3節、次の11頁の下の方にまた強調させていただいておりますが、こうい う中で子どもたちが健やかに育つ支援ということで、子どもの保健と医療の課題といっ たようなものを挙げておりまして、現在小児救急医療の問題と、あるいはまた小児科医 師の志望者の減少等の問題がございますが、こういう中でも小児科並びに小児科領域か らのこういう心の問題の取組みを推進していただくといったことも重要ということで取 り上げさせていただいております。  さらに次の12頁をごらんいただきますと、第4節が下のほうにありますが、「子ど もの心の安らかな発達の促進と育児不安の軽減」ということで、母子保健の中での心の 健康というのが両親の育児不安、ストレスと子どもの心の関係であるとか、児童虐待に 代表される親子関係の大きな問題というのが存在しているので、こういうものに対して 母親を支援したりしていく必要性、あるいはまた子どもを支援する必要性というのが非 常に重要なものとしてあると。特に妊娠・出産・育児に関する母親の不安を軽減したい といったようなことを挙げておるようなところでございまして、こういう中で次の13 頁の具体的な取り組みの中でも、子どもの心と育児不安対策であるとか、また児童虐待 の対策を掲げまして取組みを進めたいということで、これまで進めてまいっておるとこ ろでございます。  そして15頁をごらんいただきますと、「各課題の取組みの目標」ということで、1 0年後の目標ですからまだもう少し先で、来年度で5年目を迎えますので中間評価を来 年したいと思っておりますが、こういう網掛けというか、黒で付けた部分が今回関係し ているようなところでございまして、思春期の方々、十代の自殺とか、最近は鬱の問題 が出てきておりますがそういう問題、あるいは思春期の痩せ症の問題とか。  次の16頁には、学校での対応ということでスクールカウンセラーを配置するとか、 あるいはまた精神保健福祉センターなどで思春期外来を増やしていくとかこういうよう なこと。それから19頁をごらんいただきますと、これは小児保健医療水準を向上させ る上での目標値ということで、3-19頁にございますが、小児一人当たり人口に対す る小児科医であるとか、新生児科の医師、それから児童精神科医と書いてありますが、 小児神経ないしは児童精神科ということで、心の問題を扱っていただけるような方とい うことで、この場合は「児童精神科」ということで書いておるようなところでございま して、こういう方々を増やしていきたいということを考えております。  それから20頁、「子どもの心の安らかな発達の促進と育児不安の軽減」、この中で は下の4項目ということで、常勤の児童精神科医がいる児童相談所を増やしていきた い。また情緒障害児の短期治療施設も、これも全都道府県に拡大できればと。また育児 不安とか虐待親のグループ活動の支援を実施している保健所を増やすとか、親子の心の 問題に対応できる技術をもった小児科医を増やしたいといったようなことで挙げておる ようなところでございまして、こういうものをより強力に推進するといった観点もござ いまして、21頁の「子ども・子育て応援プラン」におきましては、政府全体の対策と してこういう、特に子どもの心と身体の問題への対応という、(3)のところにあります ような子どもの心の健康支援の推進ということで、児童思春期における心の問題に対応 できる小児精神科、児童精神科等の医師、保健師等の養成を図るとともに、精神保健福 祉センター、児童相談所等における専門相談の充実を図るということで、5年後の目標 は可能であればできるだけ小児科医や精神科の先生方の中で、子どもの心の健康に関し て少しでも勉強していただいて対応していただける方が100%になるようにというこ とで目標を掲げさせていただいて、これからさまざまなこの検討会でのご意見も踏まえ ながら対策というものを国としても進めていきたいと考えておるところでございます。 以上でございます。  柳澤座長  どうもありがとうございました。それでは次に虐待防止対策室長に、児童虐待に関し てのご説明をお願いします。  事務局/山本室長  それでは児童虐待に関する現状と課題につきましてご説明申し上げます。お手元の資 料4をごらんいただければと思います。  まず虐待相談処理件数がどのような形で伸びてきたかということでございますが、平 成11年度は11,000件程度でございましたが、15年度は26,569件と、虐待 防止法という特別法が平成12年度に成立施行されておりますが、それ以前と現在とで は2倍以上の増加がみられているということでございます。これは法律ができたという ことで国民とか関係機関の認識・理解が高まってきたということもございますし、あと は核家族化の進行や、地域社会の変化を背景として養育力が不足している家庭が増えて きたという、この2つが要因として挙げられるのではないかと考えております。  それで施設入所者に占める割合、右側の図でございますが、児童養護施設の新規入所 児童の2人に一人、乳児院の新規入所児童の4人に一人が虐待を受けたことがあるとい うデータが出てきておりまして、心身に大きなダメージを受けた児童の割合が増えてい ることから、施設において個々の子どもの状況に応じたよりきめ細かいケアが必要とな ってきているということでございます。子どもの心身の健全な発達と自立を促すという 点でも重要ですし、さらには親への適切な指導・支援を通じて家族の再統合ができるの であればそちらを目指していくことになりますが、再統合とか家族の養育機能の再生強 化を図るために、親子関係を家族全体でみて支援をしていくことが必要になってきてい るということでございます。  次に、虐待が及ぼす影響についてですが、身体的虐待を受ければ当然身体的な障害と いうところにつながってくることになりますし、暴力を受ける体験をすることによって 心的外傷を負う、その結果、さまざまな精神症状が出てくるということになります。発 達障害であるとか、発達遅滞といったようなこともありますし、愛着形成ができないこ とから対人関係の障害が出てくる、具体的には引きこもり、乱暴といったような問題行 動が出てくる可能性がございます。また、低い自己評価ということにもつながってくる わけでございます。そういう子どもの心身の発達への影響ということと併せて、さらに 虐待を受けたお子さんが親になったときに同じような親子関係を再現してしまう、いわ ゆる世代間連鎖の例もあるということが言われており、世代を超えて大きな課題になっ ているということでございます。  一方、非行との関係でございますが、非行少年と高校生との間で、過去の虐待経験を 調べてみたところ、非行少年の方が虐待を受けた体験をしている割合が多かったという データがございます。思春期において、非行という形で出てくるのか、あるいは不登校 ・引きこもりという形で出てくるのかさまざまな形が考えられますが、過去の虐待経験 が思春期の頃の問題行動として表に現れてくることも指摘されております。  次の頁でございますが、こういう状況に対して施策の充実を求める指摘が出されてお ります。平成16年は、児童虐待防止法と児童福祉法が共に改正されたわけでございま して、一定の制度的な前進をみたわけでございますが、その改正に向けた検討の場とし て社会保障審議会児童部会の下に「児童虐待の防止等に関する専門委員会」を設けまし た。そこでは虐待を受けた子どもは複雑なトラウマを抱えており精神医学的な介入が必 要な子どもが多いことから、子どもに的確に対応できる医療関係の整備が必要だという 指摘がされております。また、虐待を受けた経験、あるいは精神疾患を抱えている保護 者に対する地域の医療機関による一層の専門的な支援であるとか、そのほか医療関係者 に対する教育・研修の充実、小児科医と精神科医の連携強化を図ることが重要というこ とが、取組みの方向性として指摘されております。  また、昨年の8月には全国児童相談所長会から、その内容をご紹介しますと、児童精 神科医、心理職員の配置基準を児童福祉司と同じく政令において明確に定めるべきであ り、それまでの暫定措置として、すべての児相に最低一人の児童精神科医を配置するこ とといった要請がされております。また、昨秋に児童福祉法の改正案について国会で審 議をしていただきましたが、その際の付帯決議におきましても虐待予防であるとか、児 童に対するケア、養育者へのカウンセリング等について研究についても充実を図るため に予算面、人員面で十分な配慮を行うことが決議されました。  次の頁は、私どもの政策目標でございます。「健やか親子21」は先ほど母子保健課 長の方からご説明させていただきましたように、2010年までに常勤の児童精神科医 がいる児童相談所の割合を100%にするというような目標を掲げております。ちなみ に現状でございますが、児童精神科医がいる児童相談所は17.6%、うち嘱託の方が ほとんどでございまして、常勤の方がいる児童相談所は7.1%という状況でございま す。また、昨年末に策定しました「子ども・子育て応援プラン」におきましては、虐待 対応のための協力医療機関の充実を全県で実施していくという目標を掲げております。 さらに虐待に対する最新の知見の集積及び調査・研究を5年間の計画期間に集中的に実 施するという目標を掲げております。  次に、関連施策でございます。一つ目は、児童相談所の医療的機能強化事業でござい ます。児童相談所ではさまざまな観点からの最終的な総合判定をして、さらに必要があ れば施設入所等の措置をする、さらに親や子どものケア、治療を行っていくという役割 を担っていくわけですが、高度な専門性が要求されるケースというのが増えております ので児童相談所の職員だけではなかなか対応しきれていないということでございます。 そこで、児相の機能強化を図るために外部の専門家の方々の協力を得て総合的な判断を していこうということでございまして、具体的には、医学的判断・治療が必要となるケ ースについて、地域の医療機関を協力病院として確保していくための経費を16年度は モデル事業としていくつかの自治体にモデルとしてやっていただきましたが、17年度 からは全都道府県、指定都市において実施ができるように予算措置をしていくことを考 えております。  二つ目は先駆的取組みの周知でございます。制度改正により、保護者指導をきっちり やっていくというような枠組みができておりますので、そのプログラムの開発と普及が 急がれてきているわけでございます。虐待というのはさまざまな要因が絡み合った大変 複雑なケースが多いので、なかなか汎用性のあるプログラムをつくるというところまで まだ行っておりませんが、現時点において行われているさまざまな先駆的事例をまとめ まして自治体に周知させていただいております。  最後に厚生労働科学研究等の推進でございまして、17年度におきましても虐待等に よる子どもの被害と子どもの問題行動の予防・介入・ケアに関する研究を総合的に実施 をしてまいりたいと思っております。以上でございます。  柳澤座長  どうもありがとうございました。それでは次に障害保健福祉の方から、発達障害者支 援の推進に関してご説明をお願いします。  事務局/障害保健福祉部 それでは発達障害者支援の推進につきまして、本日、先ほ ど来何回か出ております発達障害者支援法、こちらの考え方を中心にご説明をさせてい ただければと思います。  お手元の資料でございますが、資料5ということで、37頁から資料をご用意させて いただいております。37頁からはこの「発達障害者支援法の要綱」というところでご ざいますが、41頁〜54頁まで、法律でございますのでちょっと後ろから始まって、 54頁が法律の頭になっておりますが、法律の条文です。それで、あとは55頁以降に 参考資料を付けさせていただいております。  この発達障害者支援法ですが、いわゆる議員立法の形で昨年の臨時国会で提案されま して、昨年の12月3日に成立しております。この法律の施行が今年の4月1日からと いうところになってございます。要綱、法律の条文はお示ししたとおりでございます が、本日は時間等の関係もございますので、55頁からの参考資料の方で要点をご説明 させていただければと存じます。  まず発達障害者支援法で言うところの「発達障害者の定義」というところであります が、資料の56頁をごらんいただければと思います。この法律の中で定義しております 発達障害ということに関しましては、ここに少し図示してみたところでありますが、自 閉症、アスペルガー症候群などの広汎性発達障害という一つの障害のグループと、学習 障害という一つのグループ、そして注意欠陥/多動性障害というこの3つのグループ、 これが法律の本則というか、法律の中で出てまいりまして、法律ではその他これらに類 する脳機能の障害であって、通常は低年齢で発現するものという定義をしております。  これらの関係ですが、この絵の中で真ん中に「知的障害」というところが書いてござ います。それで、我が国の障害保健福祉施策、いわゆる「3障害」と言っていますが、 身体障害、知的障害、精神障害ということで、この3障害を軸にそれぞれの法律があっ て制度があるところでありますが、従来この自閉症、広汎性発達障害の一部で知的障害 を伴っている方、ちょうど絵で重なっているところでありますが、この方々には知的障 害者に対する福祉の枠組みの中での支援があったというところでございますが、この絵 で丸から外れているところについてはなかなか制度的な支援がなかったというところで ございます。この絵の中にそれぞれの障害の特徴等を簡単に記させていただいておりま すが、本日は専門の先生方がお集まりですので、そこのご説明のところは省かせていた だきたいと思います。  それでこれら発達障害の方々が今どのぐらいおられるのかというところですが、実は 医学的な診断等に基づく正確な統計というところがまだ把握しきれておりませんで、こ の資料の中では「小中学校児童の6%」というように書かせていただいております。こ れは文部科学省が実施されました小中学校の担任の先生に訊ねるという形での調査の中 で、学習面・指導面で著しい困難を抱えている生徒さんの割合ということで示されてい る数字でございますが、諸外国の数字、例えばアメリカで学習障害、注意欠陥/多動性 障害はそれぞれ5%前後ですとか、自閉症が英国ですと児童の0.6%ですとか、そう いうような研究報告を基にした数字もございますが、そういう数字から考えてもこの 「6%」というのはそうかけ離れたというか、少なくとも少なすぎる数字ではないので はないかと考えており、障害としても非常に頻度の高い障害ではないかというように認 識しているところでございます。  ちょっと1頁お戻りいただきまして、55頁をごらんいただきたいと思います。この 発達障害者支援法という法律が議員立法ということでできてきたわけでございますが、 その法律の提案に至ります背景と法律の狙いというところでございます。現状でござい ますが、今申し上げましたように発達障害は人口に占める割合は高いと、人口に占める 割合が高い障害であるにも関わらず法制度がなくて福祉制度の谷間になっておりまし て、従来の施策では十分な対応がなされていないという現状があったというのが一点で ございます。また、まさに本検討会の議題でもございますが、発達障害に関する専門家 が少なく、地域における関係者の連携も不十分だという現状でございます。そうした現 状からご家族、当事者の方も含めてご家族は大きな不安を抱えているという現状認識が ございまして、この法案の狙いとしてはまずそういう今の制度の狭間、そういうところ にいる方々の定義を法的にきちんとしようというところが第一点でございます。  それで第2点は、乳幼児期から成人期まで、ライフステージに応じた地域における一 貫した支援を促進する根拠を与えようというところが第2点でございます。それで第3 点目が、専門家の確保と関係者の緊密な連携の確保ということでございます。4点目が 発達障害者の支援を含めまして、その面から子育てに対する国民の不安の軽減を図ろう と。こうした狙いを持って提案された法律というように受け止めているところでござい ます。  それで1頁お捲りいただきまして57頁にこの法案の狙いと概要というところでござ います。狙いについては今申し上げましたところでございますので、2番の概要という ところでございます。定義については先ほど申し上げましたように、この法律ではこの ように定めているところでございます。  そして、その下に四角がいくつか並んでおりますが、これがライフステージに沿って おおむね左がライフステージの早い時期というように、左から右の方にいくイメージで 並べておりますが、数々の施策について国及び地方公共団体の実施の責務を定めている という法律の構成になっております。具体的には、まず乳幼児健診等によります早期発 見、また就学時検診における発見というところがございます。これはやはり早期発見、 早期支援がその後の発達に対して、非常に重要であるという観点からこういうところを 取り上げられているものでございます。そして専門的な発達支援、早期の発達支援とい うのがございまして、小中学校にあがってまいりますと教育が、これは文部科学省が実 施しておられますが、特別支援教育体制の推進ということが入ってまいります。また、 学童期でありましても、放課後についての放課後児童健全育成事業といったようなもの を活用した対応、また就学時期が終りますと発達障害者の特性に応じた適切な就労の機 会の確保ということで、就労の支援ということが入ってございます。またそのほか地域 における住居の確保といったようなことを含めた生活の支援、また権利擁護といったよ うなことがそれぞれ法律に書かれているところでございます。  そしてその下に発達障害者支援センターということで、これらさまざまな施策の関係 機関間の連携調整ですとか、発達障害の方、あるいはそのご家族の方への情報提供とい う機能を持った発達障害者支援センターというものをこの法律の中で位置付けていると ころでございます。また、「特定医療機関」と書いてございますが、発達障害に関して 専門的な診断や治療を担うことができる医療機関を都道府県が確保するということも法 律の中で謳われているところでございます。  次に国の責務としまして、専門的知識を有する人材確保と調査研究ということが挙げ られておりまして、特に専門的知識を有する人材確保ということについては、法律の2 3条、お手元の資料ですと43頁にその条文が記載されております。ちょっとここだけ 読ませていただきますと、第23条では「国及び地方公共団体は、発達障害者に対する 支援を適切に行うことができるよう、医療、保健、福祉、教育等に関する業務に従事す る職員について、発達障害に関する専門的知識を有する人材を確保するよう努めるとと もに、発達障害に対する理解を深め、及び専門性を高めるため研修等必要な措置を講じ るものとする」というようにされているところでございます。この法律の中でもまさに 専門的な人材の確保、これが非常に重要だということで取り上げられているところでご ざいます。  最後に資料の59頁で、この発達障害支援に関連します厚生労働省の予算関係のとこ ろを簡単にご紹介させていただきたいと思います。59頁は発達障害者への支援を行政 レベルで、国、都道府県、政令都市、あとは障害保健福祉圏域というものを定めており ますが、そういう圏域単位ということで整理してみたものでございます。国におきまし ては普及啓発といったこと。また専門家、あるいは自治体の発達障害支援の行政に当た ります職員に対する研修といったようなことを予算化しておりまして、実施していく予 定でございます。  それで都道府県レベルでは、先ほどご説明しました発達障害者支援センター、これは 現在は平成14年度から予算上の措置として「自閉症・発達障害支援センター」という ものをやってきておりますが、この法律ができましたことによってこの自閉症・発達障 害支援センターが法律上の発達障害者支援センターとして今後は位置付けられていくも のでございますが、こちらは今16年度まで予算上は20ヶ所でございますが、17年 度予算ではこれは全国で36ヶ所ということで、16ヶ所増の予算を計上させていただ いております。これは先ほどご紹介ありました「子ども・子育て応援プラン」の中に数 値目標が入っておりまして、平成19年度までに60ヶ所、全都道府県、政令市に1ヶ 所ずつということで目標を定めさせていただいているところでございます。この中では 県単位で発達障害児・者支援連携協議会、名前は仮称でございますが、教育の面と保健 福祉の面を通じた連携協議会を設置するとともに、各圏域におきまして教育委員会、文 部科学省の方で特別支援教育体制の推進ということで進めておられます。厚生労働省と しましては、早期発見、早期の発達支援体制の構築ということで、発達支援コーディネ ーターを配置して個別の支援計画を作成して支援していくこと、こうしたことをモデル 事業として実施したいと考えておりまして、その右の方に発達障害者支援体制整備事業 と、3年間を目標としたモデル事業ということで、こちらにありますように2億5千万 円弱の予算を平成17年度に計上させていただいているところでございます。  発達障害者の支援については以上でございます。  柳澤座長  どうもありがとうございました。ただ今、行政的な観点から子どもの心の問題、それ の3つの分野についてそれぞれのご説明をいただきましたが、なにか今までのご説明に ついてご質問、あるいはご意見はございますでしょうか。  桃井委員  詳細に重要な3視点からご説明いただきましたが、この検討委員会のタイトル、「子 どもの心の診療に携わる」ということになっておりまして、非常に広いんです。それで 子どもの身体の問題に関するという検討は、あまりにタイトルが漠然とし過ぎて論理的 な議論ができない。同様に子どもの心の問題というのはあまりに漠然と広すぎて、です から今後いろいろ討論する中では、私は心の問題のみならず、行動というのも非常に重 要な子どもの問題だと思いますし、子どものどの部分を指しているのかという、精神疾 患の部分なのか、行動上の問題の部分なのか、あるいは認知機能の障害の部分なのか、 それぞれ重なり合いますが、非常に違います。ですからそのへんの用語をお互いに共通 認識を持ちながら進めていくことが必要であると思います。  それからもう一つ、これも言葉の問題でございますが、「医師」という言葉が出てき ますが、やはり今日本全体で専門医をどのように位置付けるかということが大変重要な 問題になっております。そういう意味で、「医師」というときに何を指すのかというこ とも、これは言葉の使い方の問題ですが、専門医を指した議論なのか、一般的な医師を 指した標榜医を指した議論なのか、そのへんもやはり検討委員会の中で言葉の使い方を 明確にして進めていただきたいというように思います。  柳澤座長  今、大変重要なご指摘をいただいたと思います。そういうことに関してあるイメージ というものをそれぞれの方がお持ちかと思いますし、また事務局の方でも用意されてい るのではないかと思います。この資料6という模式図もございますので。そういうこと で、今の桃井委員のご質問に対してさらにご意見なり、あるいはそれについての事務局 側からの何か回答はございますでしょうか。  事務局/苗村課長  それでは事務局の方から若干今の点に関しましてご説明を申し上げたいと思います が、私たちもこの検討会を開催するに当たりまして、今おっしゃっていただいたような ある意味では心の問題と言われるものの検討の対象と言いますか、この検討会でどうい う対象を主に、「養成していただく専門の先生方」ということで考えるかということで いろいろと議論を行っておるわけでございますが、現在のところそういう面に関しまし ては、一つは児童虐待の関係で子どもさんたちが陥っておられるような状態に対して、 あるいはまた家族に対してどういう形で治療なり働き掛けができるのかとそういう専門 的な点からの問題と、それからもう一つは先ほど挙げておりますが、発達障害の方々の 問題というのを取り上げるというのが、最低限その2つの領域というものが、病気の名 前でいきますとだいぶ違ってまいると思いますが、そのあたりの領域を少なくとも頭の 中に置いていただきながら、さまざまな問題を子どもさんたちは持っておられますの で、そういう中では主に小児科、ないしは児童の精神科なり子どもさんたちの心身症の 科に掛かってこられるような、あるいは心療内科そういうところに掛かってこられるよ うな子どもさんたちを対象にするといったような考え方を持っておりますが、このあた りはよくこの場でご議論をいただいて一定の考え方というのを取りまとめいただきたい と。  それからもう一点の専門医の位置付けということで、この検討会の名前が「専門の医 師」ということで若干のそのあたりはあいまいにさせていただいたわけでございます が、「専門医の養成」と言いますとどうしても既にある学会とかそういうところでの専 門医制度であるとか、認定医制度との関係が非常に問題になってくる面もございますの で、そのあたりはまたこの検討会でどういう方向で養成した方がいいかというのをお考 えいただきながら、学会でそのあたりの制度に関してはまたご検討いただくということ にさせていただければと思っておりまして、ここに関しましては基本的には子どもの心 に対応できる、子どもさんと親御さんを同時に対応しないとおそらく無理なところが子 どもさんの対応においてはあると思いますので、そのあたりは両方に対応できるような 専門の医師を養成すると、そういう専門の分野の医師の養成ということで基本的にはお 考えいただきながら、もし可能であれば専門医をどうするかとかそういう領域まで踏み 込めるかどうかわかりませんが、ご議論の中でそこまで行くべきであるということにな るのか、あるいはもう少し手前で専門家の養成というところで止まるべきなのか、その あたりはご議論の中でまた進めていただければと考えております。  それで資料6に、私たちが大雑把にイメージさせていただいておるんですが、このあ たり子どもと家族、心の問題を持った方々の治療とか支援に当たっていただけるという ことで、何年間かの特別な研修と言いますか、そういうものをしっかり受けていただい た方というのが第3番目の「専門の医師」ということで、小児科の中でもやはりカウン セリングの技術であるとかさまざまそういう精神科領域が得意としておられるような領 域のことを勉強していただいた方、あるいはまた精神科の先生の中では逆に発達の課題 とかそういうものを勉強していただいたような方々といった、小児科と精神科の両方の 分野でそれぞれの専門性に依拠しながらさらにこういう領域に取り組んでいただける専 門的な方々、治療だけでなく研究なども行っていただける専門家の方というのを、これ はそんなにたくさんは簡単には養成できないと思いますが、こういう方々の養成も必要 になるだろうと。  それから真ん中の「短期の研修を終了した医師」ということで、小児神経科とか精神 科の中で今こういう分野に関わってもいいとか、あるいはまた少しでも関わっておられ る先生方の中で、いろいろ数日程度、あるいは1週間、あるいはもう少し長めの研修を 受けていただいてこういう分野に入ってきていただく方々もあり得るだろうということ で、これは小児科・精神科なんかの訓練を受けておられる方々でこういう分野に入って いただける方のための研修を行いたいという、そういう先生方。  それからもう一つは、1として挙げておりますのは、小児科・精神科だけに止まらず 内科なんかでもそうだと思いますが、先生方の中で少し子どもの心の問題に関して勉強 していただく、あるいは研修を受けていただいて、あるいはまたそれなりのマニュアル なり何なりを読んでいただいて、入口のところで少しでも関わっていただくというよう な方々というのも広範囲にこういう方々が必要になるだろうと。そして、この3つのレ ベルの方々をそれぞれ有機的にご活躍いただければ、できるだけ早い時期にいろいろな 形での対応が取りやすくなるのではないかということで、そういう3段階ぐらいの形で の専門家というか、あるいはまた研修といったものを考えるという考え方で私たちはと りあえず提供させていただきたいと思っております。  柳澤座長  ありがとうございました。ほかに、どうぞ。  牛島委員  この対象をどうするかという問題は一つ大きいんじゃないかという気がしますね。お そらくこの問題は無限に広がっているような気がするんです。症例を見ていると家庭全 体をみなければ問題となってきますので、ここで話す領域の問題でなくて、総理大臣が 出てきて我が国の家庭を考えようというレベルの話になりかねません。先ほど桃井先生 が神経の発達からこの問題をみたいとこういうような話でございましたが、もう一つ忘 れてならないのは、まだ小中学生ぐらいまではそう深刻ではないけど、高校生からヤン グアダルトに入ったところで問題になってくる自傷行為、過量服薬、家庭内暴力、校内 暴力をみていると、すでに小中学生に根があるのです。  この点に関してちょっと私見を述べさせていただくと、おそらく児童の精神科医であ ると自称してやっておられる先生方でも、そこらあたりになってくるとあまり関心がな いんですね。これはまた別の色合いの人たちがやっているような気がします。だから、 ここでどういうような対象にするかというのを明確にしておく必要があるだろうと思い ます。  杉山委員  対象とする心の医療ですから、心の医療が対象とするのはやはり精神科疾患だと思い ます。それで精神科疾患というのを定義すれば、精神病理を扱わなくてはいけない疾患 だと思います。もう少しわかりやすい言い方で言えば病的心理ですね。例えば小児神経 科のドクターが診断をされて、その後に家族に今何をすればいいのかという話まで指導 ができるかどうかという問題だと思います。ですから、児童の精神科疾患というのは情 緒障害、この代表が虐待ですね。それからもう一つの代表が発達障害で、情緒障害と発 達障害の臨床がきちんと両方ともできる、そういう医者をどうやって増やすかという議 論だと思います。  もう一つは、どのレベルの議論かということですが、専門家養成はとても大事だと思 います。ただ、先ほどから出ている6%とか、これは罹病率を加算してもらうとわかる んですが、例えば節食障害が2.5%とか、虐待が2%とか、乖離性障害が1〜2%と か、不登校が3%とか加算しますと、情緒障害が1割を超えるんですね。それから発達 障害は、自閉症圏が約2%、そしてADHDが控え目に見ても3%、学習障害が3% と、全部で結局児童の2割ぐらいになるんですね。これは専門医だけで対応できるかと いうと、それはできないんですね。そうしますと、この委員会での議論というのは2段 階の議論がたぶん必要になるわけで、一つは専門医をどうやって育てるかという議論 と、もう一つはボトムアップをどうするかです。たぶん私は今三次の医療機関にいるん だと思うんですが、ここに一次医療機関に行くべき患者と三次医療機関に行くべき患者 が一緒に来るんですね。例えば夜驚が来るんですね。夜驚は放っておけばいいんです。 だからその程度の基礎的な知識がない状態というのが今一般にあって、ジェネラルな小 児科医、あるいは内科医もそうかもしれませんが、あるいは成人の精神科医にしても児 童精神科領域は本当にお粗末ですから、この領域をどうやってボトムアップするのかと いう議論が一つ。それから、やはり非常に少ない専門医をどうやって育てていくかとい う2つの議論になると思います。  柳澤座長  今、杉山委員のご意見も本当にこれからの議論を進める上では大変重要な視点ではな いかと思います。この資料6のイメージ図を拝見すると、上の心の問題を持った子ども と家族というところは、これは心と行動の問題、あらゆる心と行動の問題をもって一般 の小児科医、また精神科などを訪れると。ですからその段階ではなにか特別な疾患を対 象にということではなくて、あらゆる訴え、行動の異常、そういうことに関して一般小 児科医、精神科医などが一応受け止めてその後の道筋をつくらなければいけないと。そ ういう一般小児科医、精神科医がこの「子ども・子育て応援プラン」で挙げられている 目標で言えば、子どもの心の健康に関する研修を受けている小児科医、精神科医、子ど もの診療に関わる医師の割合を100%にする、というような言い方をされているので はないかと思います。そこからさらに短期研修をした医師、さらに本当に子どもの心の スペシャリストとしての医師、そこで対象とする病気に関してはある程度きちんと限定 する必要があると、先生方のご議論を伺っていて私はそういうように感じたんですが。 なにか、ほかにございますか。  齊藤委員  ほかというわけではないんですが、類似の議論かもしれません。桃井先生がおっしゃ った心の問題ということについて、心の問題、行動の問題、認知の問題というように3 つに分けておっしゃった。これは非常にわかりやすい分類でして、私も今お聞きしてわ かったんですが、そのどれが対象かと言えばたぶんすべてですね。それで、これは児童 精神科医として臨床をやってきた私の感覚からしても、一人の子どもに今言いました3 つの領域の複数が係っている子どもはごく普通におりますし、3つ全部揃っている子ど もなんかも本当にたくさんおります。そういうところに対して専門性というのはいろい ろ現時点ではあろうかと思います。小児神経という専門性、児童精神医学という専門 性、あるいはそのほかの専門性、その専門性を背景にして医療の質が多少変わってくる というところは、これは包括的に共存すべきものだと思います。共存した上で、それぞ れが特徴に応じた連携と任務の分担ということをしていけば、自ずから統合はできてい くわけですから。  それで、そういう横の広がりの統合の問題と、もう一つはこのイメージ図にあります ような専門性の深さみたいなものの統合ということがあろうかと思いますが、これは基 本的には一番浅いところにいる1の関心を持っておられる、自分たちも子どものことに は関わりたいとおっしゃった小児科医、精神科医、ここらへんも既に専門集団の中に一 歩踏み込んでおられるというように私は考えていっていいような気がします。そこから 専門的関心と活動する場の特性によって専門性がより深まっていく、あるいはむしろジ ェネラルな方向に広がっていくという分担が行われていくんじゃないかと考えておりま す。  柳澤座長  どうもありがとうございました。ほかに、どうぞ。  保科委員  小児科の医会の方からいきますと、確かに先生がおっしゃるようにこの一番上の1の 部分は小児科の第一線にいる先生方皆感じているんですよ。なにかおかしいと。それで なにか小児科医ができるはずだと思うんですけど、ある程度少しおかしくなり始める と、最初は必ず小児科に来ているんですよね。ところがそれでチェックできないんです よ。そのチェックの段階をなんとかしたいというのが始まりだったんですけど。しかし だんだんと考えていくと、チェックしておかしいなと思って、ではそれをどこに送るの かと。送るところがないんです。それで自分の段階をこれは超すという判断を自分でし て、やっぱりそこから先の専門性がほしいとなったときに、ではどこに送るかというと 東京でも1ヶ所か2ヶ所しかないと。あれだけの人数の中で1ヶ所か2ヶ所ではとても 対応できない。地方に行ったらないんじゃないかと私は推測しているんですが。そうい う感じで、なんとか子どもに対応していく場所が、医者がいると。それでそれが実際的 にある程度進んだ段階で来てしまったものを、新規で起こって来る問題は確かにあると 思います。でもそれは初期の段階ではおそらく小児科に来ているんですよ。最終的なと ころが表現系としていろいろな形で出てきていると。リストカットにしても。それが実 際にどこでやってくれるのかというのがないんですよ。だから、そこらへんの専門性と いうのを連続性をきちんと図のとおりに行っていただければ私は非常にありがたいと思 うので、深いところももう少し全国的に広めていただきたい、中間層もそうですが。だ から、あまり限定されると、今度は逆に一般の小児科医が困ると思います。  牛島委員  私の言ったのがちょっと通じなかったのかと思いますけど、僕が言いたかったのはそ のへんなんですよ。早期発見、早期治療という言葉がございますが、ごく早期に発見さ れると。例えばこの子には発達障害があるということが発見されると、周りがそのこと をよく知り、扱い方が変わってくるんです。そうすると大きな問題にならずに済むとい う部分があるような気がします。例えば私は今、ある高校生を治療しているんですが、 小学校高学年では不登校で、高校になると人格障害があるのではないかということで治 療を求められたんですが、5〜6回ぐらい面接したところで明確になってきたのは、実 はADHDなんですね。子どもの行動ののろさにお母さんがヒステリックになってしま って、子どもを追い込んでしまっているという事態が生じて、結局専門家のところにも ってこないとどうにもならないということになってきているんですが、そのあたりでこ れは何もADHDだけでなく、ほかの情緒的な人格形成の問題を持った子どもたちでも 小児科の先生とか、もうちょっと幅広い一般精神科医の先生方もそのへんにもうちょっ と関心をもってもらうようになってもらいたい。専門医と称する人たちはある意味では 職人化しているんじゃないかと思うんです。発達障害の専門家という感じに。だから、 職人化した人、幅広い人と分けて考えていったほうがいいんだろうと、そういうような 意味でございます。だから保科先生のところに期待するところは非常に大きいんじゃな いかと思っています。  伯井委員  医師会の立場から申しますと、今、牛島先生がおっしゃったとおりで、専門医を育て るということはもちろん大事ですが、これは非常に数が少ないわけでして、現場はそれ ぐらいの数はとてもさばききれない。これは一番大事なのは学校保健とか母子保健、そ ういうところの現場でまず対応していくのが一番大事ではないかと思います。そういう 面では内科の先生も含めて、小児科の先生方は現場では対応しているわけですが、専門 医も必要ですが、その現場でやっている小児科とか、あるいは内科の先生方に対する研 修とかそういうのが一番大事ではないかと思います。少なくとも問題のあるボリューム は非常に大きくて、専門医だけではとてもさばききれないことは目に見えているわけで すし、あるいは早期発見ということに関しましても、ピックアップできるのは現場の小 児科医、あるいは学校医とか、母子保健を担当している地域の医師であろうと思います ので、そのへんの研修というのをまず実行するということが一番大事でありますし、専 門医をこれから育てるというのはなかなか時間も掛かりましょうし、数がそんなに増え るとはとても考えられないので、ピックアップした中で最終的には専門のところにもっ ていくということが一番大事ではなかろうかと思いますので、このイメージ図で言いま すか、どちらかと言うと1番の部分を一番広く重視していって、まず現場をある程度さ ばいていくということが一番大事ではないかと思います。  もう一つは、今言いましたように学校医、あるいは母子保健に関わっている医師がど こと関連するかというと保健所とか学校ですから、そことの連携というのが一番大事で はないかと。お母さんがおかしいなと思って専門の病院へ連れていった、あるいは小児 科で診療して、ちょっと紹介するから行っておいでというそのルートは非常にまだ少な い。むしろ現場の方がピックアップしやすいんじゃないかなという気がしますので、現 場でピックアップできるような研修というものを重視していくべきではないかなと思っ ております。いかがでしょうか。  保科委員  もう一つは虐待防止の問題ですが、これはそれを防止するためにプレネータルビジッ トとか盛んに厚生省も力を入れてやっていただいたわけですね。だからこれがそのまま ある2〜3の県だけで止まってしまっているんですね。これがこれからプレネータルじ ゃなくてペリネータルで、周産期全部でお母さんをバックアップしていくような形をす ればかなり減っていくだろうと。それはいろいろな法律をつくる前にそれがうまくうい ってくれれば、もっと自動的に減ってくる可能性が高い。そこをなんとか厚生労働省と しても力を入れていただけると、小児科では結果として出てくる虐待をされた子どもを 診る方なので、その前の段階でなんとか抑えることができないかというのも現場として は考えているところですので、よろしくお願いします。  齊藤委員  ちょっと追加をさせていただきます。今、伯井先生がおっしゃったこと、裾野を広げ るというか、一般的なプライマリーケアをなさる先生方の養成あるいは教育がまず最初 に行われるべきだという御意見だと思います。それは非常に賛成なんですが、同時に先 ほど保科先生がおっしゃった、プライマリーケアでピックアップしたケースをどう専門 治療につなげていくか、プライマリーケアで済むケースはいいんですが、その次に進め ていかねばならない例えば虐待が絡むような深刻なケースをどうしていくかという場合 に、たぶん西田先生がそういう部門を代表していると思いますが、地域に入院まで引き 受けることができるそういう専門機関を持つ地域と持たない地域でまったくその体系が 違うわけです。地域の子どもの心のケアをめぐる体系が違うわけですね。杉山先生がお っしゃったような、三次医療に当たるようなところまで引き受けることができるのは専 用病棟を持った子どもの心のケアの専門部門しかあり得ません。この部門がきちんと各 地域に、せめて都道府県にそうした中核的な医療機能があって、それにプライマリーケ アを引き受けていただける先生方の広がりがあってということがあって初めてこれは完 成すると思いますので、両方のところを今回しっかりと対象にしてアプローチしていく 必要があるのではないかと考えております。  柳澤座長  今、齊藤委員がこの検討会として目指すべき方向というのをある程度示してくださっ たのではないかなというように承りましたが。どうでしょうか。ほかに。  西田委員  今、齊藤先生がおっしゃったことの付け加えなんですが、結局、三次医療はあっても その医療が子どもの問題を抱え込むには、やっぱり割と顔が見えるようなエリアが要る んだと思います。本当に広いエリアになると後のフォローとか、引継ぎとかが有効に働 かなくなります。三次機能をもったところがその問題を解決しやすいレベルまで改善し て、それぞれ一次、二次の医療エリアに戻すような機能を果たしたとしても、つねに連 携をとり合う地域システムが要るんだと思います。最近市町村にいろいろな機能が委譲 していきますが、市町村と県の間で支え合うようなシステムをつくらないと絶対にだめ だと思うんです。三次機能のところで大変な子どもをずっと診ていても子どものために はなりません。必ずまた一次に戻さなければいけない。一次の方は、もう一度子どもと やり直して前回はうまくいかなかった問題を改善させる。そのことで一次機能がレベル アップするのだと思います。そのへんがやっぱり児童の問題の難しいところで、それに 専門家にしてもいろいろな専門家が必要で児童精神科医だけでもだめですし、小児科 医、心理、保健師、教師、保育士等いろいろな職種の人が集まってはじめて子どもの育 ちは支えられるんじゃないかといつも思っております。  柳澤座長  今日は今後の議論を進めていく上での道筋について委員の方々からご意見を伺うとい う形で発言していただいておりますが、ほかに、どうぞ。  桃井委員  先ほど「心」と「医師」という本検討会のキーワードに関して共通認識をもたないと 議論が錯綜してしまうのでそのように要望を申し上げて、各委員の先生方から大変ご意 見をいただいて、そのとおりであると思います。それで非常に私の中でも明確になって きたところがございまして、これを厚生労働省の方にどのような意図で心と医師を使っ ているのかを実はお伺いしたかったんですが、各委員の先生にご意見をいただいて大変 ある程度の共通認識ができたと思います。  そこですべての先生のご意見はそのとおりだと思いますが、一つ小児医療は御承知の ように児童精神医療も含めて大変大きな問題を抱えております。これは厚生労働省も御 承知のとおりでありますが。その小児医療体制、児童精神も含めてですが、精神医療体 制も大きな問題を抱えておられると思いますが、その小児医療体制の問題とどのように リンクさせるかもぜひ、大変大きな問題過ぎてこの検討会では無理かもしれませんが、 しかしながら医師の養成だけではその医師が十分に機能を発揮できる場が確保されなけ れば、これは診療報酬も含めてですが、確保されなければこれは医療の現場に乗りませ んので、ぜひそこも落さずに何らかの形で議論に入っていただければ大変うれしいと思 います。  吉村委員  ちょっと門外漢なのでズレるかもしれませんが、今議論になっております発達障害、 これはたぶん小児の精神科の先生がごらんになるのかなと思うんですが。それといわゆ る虐待等に伴う情緒障害とかそういうものもやはり小児の精神科の先生がごらんになる のか、あるいは小児科の先生と精神科の先生との住み分けがちょっと門外漢にはわから ないんです。  と申しますのは、今厚労省から出ましたのは児童相談所に精神科医を一人ずつ配置し ましょうと、「児童相談所」というものが出てまいりますね。それから情緒障害の「短 期治療施設」をつくりましょうと。あるいは保健所にCAPSというか虐待を支援する ような施設をつくりましょうと。それから発達障害については「発達障害支援センター 」というのを各都道府県につくりましょうと。その中に非常に幅広いいろいろなものが 入っていると思いますが、本当のいわゆる専門家としての小児精神医療の先生方という のはいったいどういうものを扱って治療をしておられるのか。それと、虐待のそれを実 際に受けるような部門における医師の関わり方、そのへんをちょっとわかるようにご説 明いただけるとありがたいんですが。  柳澤座長  今の吉村委員の質問に対する回答ということですが、どなたかお願いします。  杉山委員  虐待をなぜ児童精神科医がやらなければいけないのかと言いますと、虐待が深刻な後 遺症を残すんですね。まず最初の段階では反応愛着障害という、愛着の非常に拗れたパ ターンになって、それは実は一つの形は自閉症圏の障害と非常に鑑別が難しくなりま す。もう一つが、多動性行動障害を起してくるんですね。その後、今度は年々追ってい きますと乖離性障害が起きてきます。乖離性障害の極形というのは多重人格ですね。非 常に問題行動をいっぱい起すようになって非行につながると。今度それが大人になる と、これが虐待の世代間連鎖という問題になってきます。それから被虐待児というの は、例えば知能が正常でも大体学習障害が必発するんですね。境界性知能も非常に多い んです。そんな具合にこの虐待の問題というのは今はたぶん情緒障害の代表だと思いま すが、こういう小さい頃から育ちがうまくいかない場合というのも、まさに育ち全体の 障害になってきますので、児童精神科領域、小児精神科領域の対象になるんだと思いま す。  柳澤座長  吉村委員のご質問は、今杉山委員が言われたのもそういう一つのポイントだと思いま すが、ここにはもともと小児科医という、私もそうなんですが、それから精神科医と、 多くの方がそういう背景をもっていて、なおかつ両方とも、子どもの心というものに関 して強い関心をもっている、そういう立場でこれからこういう問題を検討していこうと いうことで、今までのいろいろな文書とか計画などに「児童精神科医」とかそういう言 葉が出てくるわけですが、それは私の解釈としては「それぞれの背景を持った医師で、 子どもの心というものに対して強い関心をもって、それを専門にしていこう」というよ うな医師と捉えておりますので、児童精神科医という言葉づかいをされていても、そう いう非常に限定された意味ではないというように私は思います。ほかに、どうぞ。  山内委員  これは対象をどうするかという最初の議論と関係があるんですが、子どもの問題を考 えていくと、そこには脳自体の障害といったような器質的なものもあるでしょうし、あ るいは成育過程でのいろいろな心理的なものもあるでしょうし、社会的なものもある と。牛島先生は「総理大臣」と言いましたが、ときにはそういう家庭全体のあり方も考 えなければならないと。そういう包括的なものなので、小児科医とか小児神経科医とか 精神科医として育ってきた視点が違うかもしれませんが、これは齊藤先生がおっしゃっ たように、やがては包括的横のつながりで全体として同じ考え方ができるようにならな ければいけないと。だから、そういう意味では出自というか、出てきたところは違うか もしれないけど、子どもの問題はそういう包括的な視点でもって考えるべきであるとい う点は共通の認識を持っていたほうがいいんじゃないかと思うんですよ。たとえば行動 だけ見れば虐待という形になりますが、それは、これも指摘されたように、認知の障害 であったり発達の障害というところになりますから、あまりそこは区別しないでいいん じゃないかと思います。我々は常に包括的、統合的に考えるべきだというのが一つで す。  それからもう一点は既に指摘されましたが、これはタイトルが「専門医」となってい ますが、先ほどの西田委員からも言われましたように、実際には医者だけでいろいろな 問題は解決できない。地域でそういうネットワークをどうやってつくるかというような ことも非常に重要なテーマだと思いますので、ぜひ専門医の養成ということだけでな く、地域のネットワークをどうやってつくるかという、そういう視点も入れるべきでは ないかと思います。  柳澤座長  どうもありがとうございました。大変大事なご指摘だと思います。  南 委員  今の先生方の議論を伺っておりますと、最後に吉村先生が「門外漢でわからない」と おっしゃってご質問になったように、他科の先生でも、そういう疑問をもたれるわけで す。つまりこれは、一般の国民はほとんど、問題を抱えていらっしゃる当事者でもない 限りはわからないという議論なんですね。「子どもの心」の問題といったときに、先生 方でさえもそれぞれいろいろなイメージをお持ちになるように、一般の国民からします とイメージする千差万別な今は一番社会的な問題になっているのは虐待ということです が、10年、20年前を振り返れば自閉症が非常に大きな問題であった時代もあるし、 学習障害、多動性障害が問題になった時期もございます。その時々にたまたま報道が大 きく取り上げたりしたことが、あるいは何か低年齢の子どもが起した事件で加害者を診 断してみたらこういう病気だったという病名が一人歩きしたり、そういうような形でし か問題が捉えられていないという現状があるわけです。まず最初に、桃井先生がおっし ゃったように国民にわかりやすいような形で「子どもの心の診療に関わる専門の医師」 ということにしていただかないと、一般の人には到底わからないものになってしまう、 そこのところをぜひ留意していただきたいと思います。  柳澤座長  ただ今、南委員から大変大事なご指摘をいただいたと思います。まだまだこの場での ご意見はたくさんあろうかと存じますが、それぞれのお立場からのまとまったご意見と か提案というのは次回に発表いただくスケジュールというように先ほど拝見しました し、議論は尽きないと思いますが、今日の議論はそろそろここで閉じさせていただい て、今後の検討会で具体的に議論を深めていきたいと存じます。  それでは最後に事務局の方からなにかございますでしょうか。  事務局/苗村課長  委員の皆様方には大変熱心かつ貴重なご意見をいただきましてまことにありがとうご ざいます。厚くお礼を申し上げます。  それで予定されました議事につきましては以上でございますが、事務的な連絡を簡単 にさせていただきますと、今座長の方からもご案内がございましたが、第2回の検討会 ということで4月20日の水曜日の、若干午後の遅い時間ということでお願いしたい と。そしてまたこの検討会の2回目に関しましては各学会等におきましてどういう形で 現状を把握しておられるか、あるいはそれぞれの取組みというものに関しまして、非常 に短い時間でまことに申し訳ございませんがご報告をいただければと考えておりますの で、資料等がございましたらご遠慮なく前もってお送りいただければこちらの方で準備 させていただきたいと思っております。それから第3回の検討会につきましては5月 11日の午後3時半から17時半ということで、このときに行います関係者からのヒア リングに関しましては座長の柳澤先生とご相談をしながら、どういう方々にお越しいた だくかということで、また決めさせていただきたいということで考えておりますので、 よろしくお願いします。  なお、2回、3回とも会場がまだ決定しておりませんが、決定次第またご案内さしあ げるということで、よろしくお願いします。以上です。どうもありがとうございまし た。  柳澤座長  それではこれをもちまして第1回「子どもの心の診療に携わる専門の医師の養成に関 する検討会」、これが非常に長くてとても覚えられないんですが、なにかニックネーム でもあればいいんじゃないかと思いますが、検討会を閉じさせていただきます。どうも ご協力ありがとうございました。                    ―終了―                    照会先:雇用均等・児童家庭局 母子保健課                    電話 :(代表)03−5253−1111                             斎藤(内線:7933)                             飯野(内線:7938)