05/03/09 第28回労働政策審議会勤労者生活分科会中小企業退職金共済部会議事録    第28回労働政策審議会勤労者生活分科会中小企業退職金共済部会 議事録 1 日時  平成17年3月9日(水)10:30〜12:00 2 場所  厚生労働省共用第8会議室 3 出席者 [委員]  奥平委員、勝委員、齋藤委員、佐藤委員、讃井委員、            下永吉委員、鈴木委員、田村委員、都村委員、中山委員、            成宮委員、堀越委員、山路委員       [事務局] 松井勤労者生活部長、宮本勤労者生活課長 4 議題 (1)累積欠損金の解消について (2)平成17年度の付加退職金の支給率について 5 議事内容 ○齋藤部会長  皆さんお揃いになりましたので、第28回の中小企業退職金共済部会を開催させていた だきます。今日は小山委員、菅井委員がご欠席です。  今日の議題は、「累積欠損金の解消について」と「平成17年度の付加退職金の支給率 について」ということになっております。  これまで、累積欠損金の解消、付加退職金の支給率の算定方法について議論を重ねて まいりました。大体、皆さんの意見が一致していると思われるような部分と、まだ、い ろいろ隔たりがある部分と両方あると思います。しかし、来年度の付加退職金の支給率 についての意見を、当部会としてまとめなければならないということが、時期的に迫っ ている事情もあり、そろそろ一定の結論にまとめる必要があると思います。  そこで、事務局に公労使それぞれの意見を調整していただいて、これまでの議論を踏 まえて、本部会としての取りまとめ方について検討していただきました。今日の部会の 議論に当たって、まず、取りまとめ方について、事務局案を説明いただいて、それにつ いて検討を行いたいと思います。 ○宮本勤労者生活課長  はじめに資料の確認をさせていただきます。本日お手元に用意しております資料は、 資料1「累積欠損金の解消について」、資料2「平成16年度における利益の見込額につ いて」、参考資料1「累積欠損金の解消に関する具体的な運用方針(案)」、参考資料 2「その他関連資料」になっています。  早速、資料についてのご説明をさせていただきます。部会長のご指示もありましたの で、事務局において、前回の部会以降、部会委員の皆様のほとんどの方々と意見交換あ るいは調整をさせていただき、調整の方策について模索、検討してきました。  その結果がお手元の資料1です。これは、本日の資料としては「議論の整理」の表題 を付けておりますが、今回の一連の累積欠損金の解消に当たっての部会としてのいろい ろなご意見、ご審議を踏まえまして、最終的なご意見の叩き台的な性格を持つものとい う形で作成しておりますので、この内容について本日十分なご審議をお願いいたしま す。  内容については、これまでの部会での審議や、先ほど申しましたように、ほとんどす べての先生、委員の方々との意見交換を通じて、およそ部会の一つの意見として網羅さ れるべきものを全て網羅したつもりです。少し言葉を略しながら説明させていただきま す。  一般の中退制度における現行の予定運用利回りは、やむを得ず設定しているものであ って、引き上げを図るためには不断の努力が必要であろう、というご意見がありまし た。  2番目に、付加退職金の支給率については、累積欠損金の早期解消も重要な課題であ るということを位置付けた上で、勤退機構(以下、機構)による中小企業労働者の加入 促進や、すなわち、これは資産規模の拡大を意味しますが、退職金の原資となる資産の 効率的な運用のための更なる努力を行う必要があるだろう。  3番目に、この機構によるこれらの努力を促すということで、厚生労働大臣は、現行 の中小企業退職金共済法の体系を前提として、具体的な運用方針を策定するべきである こと。ここは、どういうことかと申しますと、お手元の参考資料2の1頁をご覧くださ い。これは法律、省令の関係法令の抜粋に当たるものですが、この法律の10条の4項 が、今回いろいろ複雑なご議論をお願いしております付加退職金の支給率についての根 拠条文です。第2項第3号ロ(付加退職金)の支給率は厚生労働大臣が、各年度ごと に、厚生労働省令で定めるところにより、当該年度の前年度の運用収入のうち、付加退 職金の支払いに当てるべき部分の額として算定した額を仮定退職金の総額で割算して得 た率を基準としてと。  つまり、仮定退職金を分母とし、省令で算定する付加退職金に当てるべき額を分子と して計算された率を基準として、当該年度以降の運用収入の見込額、その他の事情を勘 案して、当該年度の前年度末までに労働政策審議会の意見を聴いて定めるものとすると いうことになっています。  そこで、今回、その累積欠損金について具体的あるいは計画的な解消が要請されてい ることを考えると、過去の部会の経緯も尊重すべきではないかというご意見があったこ とを踏まえれば、省令17条1項という下の条文に書いておりますが、こちらで、先ほど 申しましたような分子の部分の額を計算するところを修正するよりも、建議を尊重する 趣旨も踏まえてということですが、「その他の事情を勘案して」、厚生労働大臣が、そ の率について累積欠損金の計画的な解消のためという点を、勘案事項の部分で率の修正 を行うことが適当ではないか。  その上で、ここで修正された「付加退職金の支給率(案)」については、この10条4 項をご覧いただきますと、「労働政策審議会の意見を聴いて定める」ということになっ ておりますので、その一種の原案的に計算されたものを審議会にお諮りして、毎年度恐 縮ですが、議論の上で決定することにするというのが、3.にあります「努力を促すた めに現行の中小企業退職金共済法の体系を前提に」という部分に込めた文章です。  結局、機構がどれだけ利益を上げても、付加退職金にどのぐらい回るのかという方針 が一切ありませんと、累積欠損金の解消についても全く目途が立たないという構造があ りますので、今の10条4項のような手続的な規定を考えれば、内規として、行政内部の 話として、一応の方針を定めて、その上で部会のご審議をいただいて、付加退職金の支 給も決定し、累損も計画的に解消していくということを3.で申し上げております。  ただ、行政内部的な計画で、粛々と累積欠損金を解消していくと申し上げましても、 部会でいろいろなご議論があったということを、全く無にするということは不適当と考 えますので、なお、留意するべき事項として、4.に書いてありますように、具体的な 運用方針に当たって考慮すべき効率的運用を目指す際の目安となる利率とか、累積欠損 金解消までの年数、あるいは年度ごとに解消すべき額について、まず1点目、効率的運 用に当たっては、過度に高いリスクを取るべきではないというご意見があったこと。  2点目として、累積欠損金の解消は重要であろうけれども、平成14年度の建議を踏ま えつつ、時間をかけて行うべきである、というご意見もあった。3点目、中退制度の健 全性を重視して、累積欠損金の解消は時間をかけずに行うべきである、というご意見も あった。部会のこうしたご意見を踏まえ、厚生労働大臣と同じく厚生労働行政の執行部 分を担っております機構との間によって、4.に書かれているような留意事項に沿っ て、先ほどの中退法10条4項の規定の考え方に基づいて処理をさせていただければと思 っております。  今回、機構を含めた行政と審議会の関係について、私どももいろいろなご意見のある 中で、10条4項をよくよく眺めてみたわけですが、このように審議会からご意見をいた だきつつ、累積欠損金の解消については、行政側が責任をもって処理し、その結果を踏 まえて、年度末までに付加退職金の支給率の案を作成して、法律10条4項に基づいて、 審議会の意見を聴いて、決定することが、審議会の責任や機能分担にかなうものではな いかと思い当たり、このようなことを申し上げさせていただきました。  すなわち、これまで大変な時間をいただき、大変厳しいご議論をお願いしてきたにも かかわらず、なかなか一致点に到達できない背景の一つには、一定期間、あるいは単年 度の解消額を審議会で決めることになりますと、その解消額を確保するためには、資産 運用サイドのほうにまで変更を加えなければならない。すなわち、具体的に言います と、債券、株式、外国債券、外国株式といった資産について、どれだけ投入すべきか、 具体的に何%という話はないにしても、もう少し収益率が高い資産を運用すべきではな いのかと、収益率の高い、振れ幅の大きい株式のようなものにさらに資金を配分すべき ではないかということについて、この点は非常に高度に技術的な計算を要する事項でも あって、本来決定すべき事項なのですが、審議会が方針を示してしまうということにな ると、それから発生するブレの問題、株式は、ご案内のとおり、非常に良い時も非常に 悪い時もありますので、累積欠損金拡大について、場合によっては審議会自身も何らか の責任を負う可能性がある。  しかしながら、法律の仕組みの上では審議会の機能は、そのような技術的な問題、専 門性の非常に高い問題について、ご議論いただくことよりは、労働者側、使用者側、公 益側の各先生にお集まりいただき、制度設計の大枠についての、利益の調整を含めた有 識者のご検討をお願いしているのが、この法律の趣旨だろうと思われます。そのような 意味において、ある程度責任といいますか、リスクを負担しながら作業を進めていく役 割は、私ども行政あるいは機構を含めた広い意味の行政が果たすべきだろうということ から、これからご説明いたします方針について、審議会として留意事項についての大所 高所からのご意見をいただくことが適当でないかと考えた次第です。  そこで、資料1の3.のところにあります「中小企業退職金共済法の体系を前提に、 具体的運用方針を策定すべきである」ということですが、これについては、先ほど申し ましたように、審議会に責任を負っていただくべき文章ではなく、むしろ、機構を含め た行政サイドで責任を負うべき文章ですので、本日、ご用意させていただきましたの が、参考資料1です。  最終的には、もう一度審議会で累積欠損金もご議論いただいて率を決定いたします が、その案を作成するに当たっては、先ほど申しましたように、毎年度上がった利益を どういう形で、累積欠損金と付加退職金に配分していくのかという方針をある程度示し ておかないと、機構が運用するに当たっても、具体的な運用目標あるいはその解消の年 限が定めにくいので、そこから発生する資産の下振れリスクのようなものも考慮して、 私ども役所サイドから機構に具体的な計画策定を指示する文書として考えております。  何を指示するかということですが、具体的に何年と決めれば、収益率何%必要だろう ということが計算できてしまいますので、それに当たって、最適な資産運用の方法は何 なのかということを検討するのは、まさに現在資金運用を担当している専門的な技術集 団であるところの機構が果たすべき役割と考えていますので、何年あるいは何%といっ た問題は、機構自身に決めていただく。あるいは現在の独立行政法人と行政機関との関 係で申し上げますと、そういった計画については、機構自らが大枠の中で設定する。こ こで言う「大枠」というのは、機構に対しては、私ども厚生労働大臣からすでに累積欠 損金解消に向けた努力をするようにという中期目標の中で指示が出ておりますので、そ の指示をさらに具体化するための細目計画を機構自らに作っていただく。結局、それは 機構自身が、今度は達成できたかどうかということを、独立行政法人評価委員会で審査 される対象になるので、その点も踏まえて、あるいは審議会のご意見も踏まえて、最適 なものを機構が作るようにということを指示するための資料です。  初めの何行かは、今申し上げましたことを文章化しているものです。「付加退職金支 給率の決定において、次のとおりの取扱いを行うこととするので、機構においては、一 般の中退制度についての累積欠損金の解消に当たっての具体的な解消年限、中期目標計 画期間内の解消目標及び年度ごとに解消すべき累積欠損金の額としての目安額を設定す ることを期待する。なお、具体的な解消年限、年度ごとに解消すべき累積欠損金の額と しての目安額の設定に当たっては、別紙を踏まえて」と。  別紙は3頁にありますが、部会でのご議論を考えれば、あまり極端に長い期間、短い 期間を機構が定めるということを防ぐために、部会が想定していた期間の範囲内という 意味で、以前は4+5の倍数でご説明しておりましたが、9年とか14年とか19年という のが、なぜそういう数字になるのか説明がなかなか複雑である、分かりにくいというご 意見がありましたので、今回は切りよく10年、15年、20年という数字に書き直しており ます。審議会で想定していたこの範囲内で決めていただきたいという意味では、こうい った別紙のような計画を作りまして、これを踏まえて、さらに経済情勢等の諸条件を勘 案し、最適なものを機構で作っていただきたいということを期待して作っております。  なお、厚生労働大臣としての付加退職金の支給率の決定方針については、前回、案 1、案2という形で2つのパターンを用意させていただきましたが、その中で採るなら ばということで、案2というご意見が多かったと思っています。4頁にそのイメージ図 を書いていますが、このイメージの詳細については、1頁に文書で説明しています。こ の案2で処理することを前提にしているので、機構としては、これに則って適切な運用 をやっていただきたいということをお願いする文書です。  まず、支給率の決定方針ですが、1.「付加退職金の支給率については、中小企業退 職金共済法10条4項の、『その他の事情を勘案して、年度末までに労働政策審議会の意 見を聴いて定めるものとする』という規定に基づき」と。これは先ほど申しました趣旨 を込めています。「次の2.処理を踏まえて、具体的数値を決定することとする」。そ の2.ですが、「退職金原資となる資産については、別紙の『必要となる利回りの目安 』を達成できるよう」というのは、4頁をご覧いただきたいと思います。  機構による運用収入で、厚生労働大臣が何を期待するかと言いますと、そこの(1)の 場合、(2)の場合、(3)の場合を考えれば、(3)の場合を期待しているということです。 つまり、(1)、(2)の場合ですと、2分の1建議が平成14年にあったわけですが、この建 議の趣旨の修正をお願いしなければならない、それに対して、(3)の場合は、2分の1 建議の趣旨をそのまま活かした処理方式ですので、そのために達成すべき毎年度の利回 りがどのぐらいになるのか。この図でいきますと、最低限の利回りを達成してもらいた い利回り水準はLになりますし、できる限り達成していただきたい水準はL′となって います。このL′を必要となる利回りの目安という形で、別紙のこの表の中に入れてい ます。  別紙の3頁を見ていただきますと、仮に真ん中のところ、太線の中にあります15年間 を、今のケースとして取り上げますと、中期計画1期間内の5年間の返済額が、累積欠 損金解消額は約895億円です。年度ごとに解消すべき額はこの5分の1ですので、179億 円となり、15年度末の資産に対する割合が0.6%になります。  さらに、現行ルールに基づき年度ごとに解消すべき額を達成するために必要とされる 利回りの目安は、2分の1ルールを完全に適用できるぐらいの利益が出る水準の利回り が、予定運用利回り1%がありますから、1%+累積欠損金解消すべき額0.6%+付加 退職金に充てるべき額0.6%で、最低で2.20%必要ということです。  そこで、1頁に立ち戻っていただきますと、そういう意味で、別紙の必要となる利回 りの目安を達成できるよう、更に効率的な運用を行うこととし、そのために、先ほど申 しましたように、各種の資産の配分の比率等については、再検討を行っていくこと、ま た各年度で生ずる利益は次のとおり処理することとする。イメージ図でいきますと、 (3)を目指すわけですが、しかし、各年度の経済情勢によっては、(3)が達成できないケ ースも、理論的にはあり得ますので、まず(1)として、形式論としてあり得る非常に悪 いケースですが、利益の見込額が年度ごとに解消すべき累積欠損金額を下回るときは、 その利益の見込額を累積欠損金の解消に充ててしまうと。  (2)は、真ん中のケースを想定していますが、利益の見込額そのものは、各年度に解 消すべき累積欠損金の額を上回りますが、その上回る額が年度ごとに解消すべき累積欠 損金の額を超えない、2倍までいってないというときは、当該利益の見込額のうち年度 ごとに解消すべき累積欠損金の額を、まず初めに解消させて、残額の全額を付加退職金 に充てるというものです。(3)は、一番右のケースですが、もっと利益を確保すること ができたときは、それはこの利益の見込額の2分の1に相当する額を付加退職金に、残 り2分の1を累積欠損金に充てるという意味で、現在のルールをそのまま適用するとい う方針です。  こういう方針で累積欠損金の解消について考えていることをまず機構に示して、これ に応じて機構で例えば何年で返すためには、何%ぐらい利回りを確保すればいいのだろ うかを考えていただく。それについて実現可能性なり、当然、そこから発生する不確実 性も少し高まりますので、その高まり具合をどう評価するかといった技術的な判断を踏 まえて、結果論として、10年から20年の幅の範囲内で機構に適切な数字を決めていただ き、その上で各年度発生した利益は、2.の(1)、(2)、(3)の形のどこにいったのかに より、そういう方針で処理していくことで、ある程度計画性を立てておく。  累積欠損金について、現在、私どもは、財政制度等審議会や独立行政法人評価委員会 から、計画的に解消できるようにきちんとコントロールすること、あるいは独立行政法 人としての機構の運用の評価について、さらに客観的な基準を設けることという要請を されていることから、このようなもので運用し、機構が実行できているかどうかを、私 ども自らもチェックできる、あるいは独立行政法人評価委員会もチェックできるという 形にしておくことが、現在、厚生労働大臣に対して、各関係省庁の設置されている審議 会から要請されている課題に対するお答えになるものではないかと考えています。  ただ、もし仮に今回資料1のようなものをご意見としていただいて、その前提として 参考資料1のような形で、今後処理をさせていただきたいと、私どもの方針のご説明を させていただきましたが、こういうことで、今回は、審議会としてのご意見をいただけ ると仮にしまして、来年度の今ごろでご相談を差し上げる時には、機構が何年計画にし ました、したがって利回り何%、あるいは単年度いくらになります、今年度こうでした ので、この参考資料1の1頁で見ますと、(1)、(2)、(3)のどの場合になりましたから、 率についてはこうなりますということをご説明できるわけです。ただ、今年度の利益の うちいくらをこの累積欠損金に振り分けるのかということは、まだ機構にこの指示が出 ていませんので、機構自身も計画の立てようがないという状況になっています。  そうなりますと、今年度の累積欠損金の解消に充てるべき額はいくらぐらいがいいの かということは、例外的に厚生労働大臣から指示しなければならないと考えておりまし て、それがその2頁にありますように、平成17年度に係る付加退職金の支給率の決定に おいては、平成17年度分のみの話ですが、年度ごとに解消すべき累積欠損金の額は180 億円とするという案を考えています。  本日は、この180億円についてのご意見をいただければと思っておりますが、先ほど 申しましたように、かなり具体的、技術的な事項に係る問題については、部会が負うべ き責任の範囲を超えているということを考えていますので、これは部会のご意見という 形で、先ほどの参考資料1のようなご意見をいただけることを前提にして、もし、いた だけるとするならば、我々は、こういう形で累積欠損金について対応するという資料を 用意させていただきますが、この180億円のみに関しては、ご意見をいただきたいと思 っております。  用意しているもう1つの資料が、資料2「平成16年度における利益の見込額について 」です。前回の部会において、1月の実績の数字としての残高から推計される今年度の 利益の額として270億円余りとご報告させていただきましたが、1月末のその実績の残 高から、12月にご報告申し上げましたように、2月1カ月間のベンチマークの動向など に基づいて今年度の利益の推計をしたものです。運用収入欄が、前回のご報告よりも少 し上がりました。これは株式とか為替の事情が、国内の資産運用に有利に変動したこと に伴うもので、その結果、今年度の当期損益金は377億円程度を見込んでいます。  資料のご説明は以上です。本日の審議会においては、厚生労働省に対する審議会とし てのご意見として、参考資料1、当面は議論の整理というペーパーにしておりますが、 これについてのご審議、またそれを前提にして、今年度に累積欠損金に充てるべき額 180億円という形を暫定値として例外的に厚生労働大臣から示したいと考えていますが、 この180億円でいいだろうかというこの2点についてのご審議、ご意見をまとめていた だければと思っています。 ○松井勤労者生活部長  資料に則しての説明は今のとおりですが、多少今回の審議会の議論が迷走したので、 別の切り口から付加退の整理について、説明を付け加えさせていただきたいと思いま す。  昨年末からの部会でご議論いただいた流れということで、説明したいと思います。参 考資料2を見ていただくとわかるように、1頁の中退法第10条第4項に基づいて、各年 度ごとに厚生労働大臣が付加退職金を支給する場合に、その率を定めなければいけない 仕組みになっているので、各年度ごとに審議会にお諮りするという根拠で提示しまし た。今回は、率を単純に決めるのではなく、率を定めるに当たって我々はその他の事情 を勘案したいものですから、それも含めてという形でご提示したものです。  その他の事情は5、6頁です。平成16年11月、平成16年12月に、評価委員会なり財政 制度等審議会から、行政当局と機構に対して発せられた通知書、具体的提言内容です。  まず5頁です。累損があるので、事業にかかわる具体的な削減目標です。しかも中退 制度については個別に名指しされていて、累積欠損については、削減目標の設定状況を 踏まえた上で評価をするとしていて、つまり、どういう対応をするかを見て、改めて評 価をするという通知をいただきました。6頁です。財政制度等審議会では、収支改善策 を確実に遂行するように、所管省庁がチェック機能を働かせる必要があるという形で、 いわば我々として宿題を受けたわけです。したがって、これを今までの運用の中で新た な考慮すべき事情が起こったので、勘案してぜひご意見をいただきたいということで、 提示をしたと考えています。  その際の提示の仕方は、累積欠損金解消を優先する考え方で処理願えないかというこ とを、強く申し上げたところです。しかも、当初はこの仕組みで、現行の処理方針が規 則の第17条と法律の第10条第4項の組合せで出来上がっているので、第17条第2項で簿 価を時価に改めるという改正があったので、第1項の大臣の命令を改めるということで ご議論いただけないか、という腹積もりで問題を提起しました。  そういう議論をしかけたところ、資料1の1.にあるように、中退制度の現状認識 は、運用利回りを下げたのは本当にやむを得ない事情なのだ、もっと運用利回りをよく することを押さえた上でやらないとおかしいではないかということ。そのとおりだと思 います。2番目として、付加退支給率決定に当たっては、ここで私どもは優先課題とい うことで累積欠損金ということを申し上げましたが、今までの経過、あるいは平成14年 建議を考えると、重要であることは誰も異論はないということで留めてくれというご意 見があったので、その位置づけはいただいた上で、機構においてこの制度が発展するよ うに加入促進を行います。さらには、先ほどの1.の命題にある「不断の努力」を具体 化するということで、まず資産の効率運用を考えるべきで、そうすれば自ずと結論はつ いてくるという議論もありました。  3点目で、そうは言いながらも、今までのやり方と全然変わらない、つまり、行政が チェックを働かせるシステムをご了解いただかなければ、参考資料5〜6頁の評価委員 会、財政制度等審議会にお答えする術がないので、何とかということで、省令で書けば 大臣がこう決断したとなって、一番明確であります。3番目として、そうは言いなが ら、何とか現行法体系を変えずにやる道はないかという強いご意見がありました。した がって、私は法改正はこの時点で無理だと考えました。したがって、法体系を前提にし ながら、運用面での工夫を強く考えるようにしました。  その上で4点目で、さらに運用方法について具体的にお諮りするということで、効率 的運用と言えばどのくらいの利回りを目指すのか。その利回りを考えたときに、どのく らいの収益が出て、今ある累積欠損金をどのくらいの期間で解消するのか。そうする と、単年度当たりどのくらいかということが、一連のものとして想定できるので、どの ようなイメージかということを考えて、参考資料の別表の資料をお出ししました。9年 や19年というのをお示しして、イメージを掴んでいただきました。しかも、図柄で、ど のやり方になるかということもお諮りしました。  そこで、個々において具体的な数値について、この部会ではある意味意見が収斂でき なかったことが4.結果です。効率運用と言いますが、皆さんのお金をお預かりしてい るのだから、やはり慎重にということがありますので、これはしっかり受け止めなけれ ばいけないと、まず入れました。その上で、累積欠損の解消は重要であるが、部会の今 までの流れ、つまり平成14年建議があるのだから、そういった流れもしっかり押さえる べきで、それを軽視してはいけないというご意見があったのは事実です。  さりながら、いろいろ事情を申し上げましたが、その後の事情で行政のチェックを働 かせるべきであるということが出ましたので、ご説明したところ、確かにそうだ、今後 のことを考えると、健全運営を重視し、累損解消を早く、具体的に短く、当時出してい た資料で9年がいいのではないかというご意見もいただきました。さりながら、それに ついて皆さん合意できなかったので、議論の経過として、ここまでが総意かということ です。  したがって、もともと支給率を定めるに当たっての一連のご意見は、ここまでかと判 断しました。しかも、年度末ですので、これ以上時間をかけて皆さん方の合意を得るこ とは、どうも困難な状況があるので、これでご了解いただければ、最後の処理として は、今回の資料を最終的にタイトルを打つとするなら、もともとの動機づけですので、 「付加退職金の支給率の決定に関する意見書」としたいと思います。支給率に関してご 意見をいただいたので、そういうタイトルにして、部会の意見としてまとめていただく のはどうかと考えています。  そうするならば毎年支給率をお諮りするときに、こういった議論があったということ もあり、また次のところでもご意見をいただける仕組みになろうかと思っています。そ の上で、今回もともとご披露した省令等で考えていた内容は、行政の責任として大臣が チェックを働かせるという意味で、参考資料としてお示したように、運用の方針という 形で整理させていただいて、これを機構に示すことを年度内の3月中にやらせていただ きたいと思います。そうしないと、次年度の運用方針を示せないことになるので、我々 としてはそのようにさせていただきたいと思います。しかも、それについては、今まで いただいた意見を踏まえた、行政当局としての責任で処理するということですが、あえ て案として、ご議論を踏まえたものにしたことをお示しするために、ここに提示させて いただいています。  その後の対応は、ここにあるように、厚生労働省が機構に期待する、こういった範囲 の中で具体的設定をということですので、これは先ほど財政制度等審議会であったよう に、行政としてチェックを働かせることを強くしたということで、このペーパーは今後 財政審あるいは評価委員会に求められたときに、こういった形でチェックを働かせたい というための資料にするつもりです。  その中では、特に方針案の2.において2の(1)、(2)を書いているのは、累損解消を きちんと位置づけてやる方針を立てたことを明示するために入れています。さりなが ら、2の柱書きに、「別紙の『必要となる利回りの目安』」ということを書いたよう に、機構としては目安を超える、2倍を超えるような運用をすることにしていただけれ ば、必ずや利益分が折半されて、平成14年度の建議の取決めの、上回った部分が半分ず ついくことになるので、機構としては高利回り運用を目指していただくのが基本です。 さりながら、この文書を評価委員会に示すときには、こういった累損解消の考え方を前 面に打ち出したとして、説明する道具としたいと考えています。  そういうことを総合勘案していただいて、ぜひとも経過としてのメモを、意見書の形 で取りまとめていただくべく審議いただきたいと思います。 ○齋藤部会長  今説明をしていただきましたが、ご意見、ご質問がありましたらどうぞ。 ○佐藤委員  課長や部長の真摯な態度には、基本的に異論はありません。そこで、平成14年の建議 を読んでも、3から1に下げるときに、「確実に累積欠損金の解消を図り、制度の安定 を図る観点から」と、半分半分というのはなお書きなのです。そういうことを考える と、基本的にはこの精神は活かしてもらいたいと思います。今課長が数字でも説明され ましたが、そこで機構に対して一定の努力目標を示す。そうであれば、参考資料の運用 方針案の2.の(1)は、書く必要がないのではないかと思います。  普通の物事を書く順位というのは、重要な度合から書いていくのが基本だと思いま す。これは非常な安易な書き方で、結局付加退の議論の余地はないと、今の「優先すべ きだ」という発言も私は十分に受け止められると思うので、(2)と(3)はそれなりに意思 は反映されていると思いますが、(1)はなくてもいいと思います。今課長が説明した15 年でやっていこうというのなら、現実に2.2%でやっていかなければいけないわけです。 それなのに、最初から下回ることを予測すること自身は、どのような経済状況がくるか わかりませんが、今部長が言葉を強めて我々に対して表明された決意からすれば、こう いう中にこの(1)を書かれるというのは、平成14年の建議を無視しているとは言わない が、おかしいのではないかと思います。  それに、機構に対しても非常に甘い書き方です。出なければ出なかったのでいいの だ、出た分については付加退は出さずに、累損解消に当てると、読んだ人はそう思いま す。それではこの間の議論が、我々は前回の建議に基づいて、この間付加退を何とか残 す方向で議論を進めてきました。しかし、累損解消について、そのことが不要だと一言 も言ったことはありません。そういうことから考えて、もう最終的な論議だと私は思う ので、いろいろ考えて文書化されたのだと思うが、できれば(1)は削ってもらいたいと 思います。(3)を(1)に持ってきて、(2)は(2)にするぐらいでいいのではないかと思いま す。それが機構に対する強い方針であり、厚生労働省の大臣の意思であり、審議会とし てもそういう意思だということを示すことになるのではないかと思います。 ○松井勤労者生活部長  累損解消についてのそれぞれの思い入れがある中でのご意見として、尊重したいと思 いますが、先ほど申し上げたように、もともとは省令で仕組みを書いてお示しする、省 令というのは大臣の責任でできる話ですから、示せるものなのです。省令を作る作業は 一般的にどうなるかと言いますと、いろいろなケースを想定し、この場合は利率は動き ますし、それぞれについてどういう対応をするかを命ずることが、まさに指示する上で の法理なのです。  そうすると、あってほしい事態だけを書いて、あとのことは憶測しろ、他の資料で考 えろというのは、法制局的にはとても無理な話ですから、その精神を汲んで、絵図面を 添えて、それぞれの類型ごとに処理を示したという事実で、これについて重みは加えて おりません。  ですから申し上げたように、重みを加えたのはここの柱書きで、「『必要となる利回 りの目安』を達成できるよう更に効率的な運用」というところに全てをかけていて、そ の読み方からすれば、(1)、(2)、(3)といろいろなケースがある中で、(3)というケース を目指してやれということはここで言い切っていると思います。そのために、柱書きで わざわざ利回りの話をしているわけです。もし、それ抜きに(1)を優先しろということ を読むと、これは全くもって解釈誤りと言えると思うので、手続的に全ての考えられる パターンを言いながら、利回りを示すことで、優先的な運用ということをトータルで示 したことになっています。そこはご理解いただきたいと思います。  ですから、(1)を省くことは気持ちの上ではわからないわけではありませんが、大臣、 省として機構に対する命令として、わざと一部ケースに触れないことの不合理性を取り たくないというか、形式面の整えをやった上で、省令ではありませんが運用方針で示し たいということで、お示しているわけです。これは行政当局の責任としてやらざるを得 ない部分ですので、思い入れの部分と形式的な必要性を満たすかどうかということとは 別論で、ぜひとも考慮していただきたいということです。 ○奥平委員  これを見ると、機構の責任がすごく重くなってきて、この部会はそこが利益さえ出し てくれれば、スムーズに進行するような気がします。今までも議論の中に、甘かったと いう反省の言葉が出ていたような気がするのですが、機構を実際に運営しているメンバ ーや、内部の人たちで、どういう方が、どういうことでやっているのか、それを聞きた いと思います。今までも、おそらく最高のスタッフがやっていてこういう結果になって きたのだと思うのですが、利益を出せということは簡単なのですが、実際にどういう方 たちがやっているのかをお聞きしたいと思います。 ○松井勤労者生活部長  資産運用についてですか。 ○奥平委員  利益を出すための。 ○松井勤労者生活部長  努力ですか。 ○奥平委員  はい。というのは、この部会の議論で、今まであまりいい結果が出ていないような話 が何回か出ていました。それはいろいろと社会事情が変わるから、必ずいつもいい成績 を出すとは限らないのですが、その中においても、他ではもっと成果の出ている運用の 仕方もあったような意見も出たことがあるので、これからすごく機構が重要な問題にな ってくると思うので、それについて機構の内容をお聞きしたいのです。 ○宮本勤労者生活課長  どういう役職員が担当しているかということですが、担当の専門の役員を1人置いて いて、その下に担当する部長、課長という機構内部の職員がいます。その下にも機構の 職員が何人かいますが、加えて民間の運用経験のある方を3名ほど出向していただいて いて、機構の職員の専門的知識の足りない部分については、そういった民間の方の知 識、経験を活用するということで、日々の運用を担当しています。  さらに、機構そのものがどういう形で運用すべきかという、べき論についても、外部 の専門家の委員からなる委員会を独自に機構自身が設置していて、そこでどういう運用 手法、例えば株式を買うのか、買わないのか、どのくらいの幅で持つのがいいのか、と いったことについての審議をいただく場を設けています。もう1つは、運用が終わった ときに、また別の外部の方々に委員をお願いして、機構が当初目指したとおりの運用を やることができたかを評価する仕組みを用意して、前年度に反省すべき点があれば反省 し、いいところがあれば引き続きやるという形で運営をして、蓄積を重ねているところ です。 ○齋藤部会長  何か事業団のときと同じような気がするのですが、機構になってからどのように変わ ったのですか。 ○瀧原課長補佐  若干不正確な面があるかもしれませんが、少し長いスパンの話をさせていただくと、 昔は非常に保守的というか、世の中の金利がそれほど動く時代でなかったときは、国債 などを買って、そのまま持っていればある程度の金利が稼げた時代でしたので、そうい う時代は機構の職員が必要な量を買ってきて、それをずっと保持することにより、運用 収益は稼げました。その時代はあまり高い知識がなくても一応できた時代がありまし た。  その後金利が急激に低下してきた中で、そういうことをしているだけでは駄目だとな りました。ただ、その時点では事業団自身に運用について法的、法令的に縛りがあっ て、自由に動けませんでした。ですので、自由になるように、できるだけある程度安全 な資産には運用できるようにしようという形で改正されました。これはこの部会でも議 論された中で行われました。  そういう中で、今度はかなり自由な運用ができるようになってきました。そうする と、ある程度専門的な知識が必要になってきます。その中で、機構にいて、機構の業務 をしてきた人だけでは、なかなかそれはできないのではないかということで、民間の運 用のプロの方に一時期において出向してもらって、その方にいろいろとご意見を聞きな がら行う運営体制を組みました。それによって、少し機動的な運用をできるように変え てきました。  ただ、それよりさらに金利が下がってきて、今度は世の中の金利の中で、できるだけ 高いように努力しないと追い付かないのではないかという中で、独立行政法人化されて 行ったことは、ときどきポートフォリオという話が出ますが、持っている資産について 国債をどのくらいの割合にするといいのか、国内株式をどのくらいにして、外国の債権 や株式をどうするかという割合も、細かい計算をした上でやることがなかったので、そ れをつくる動きができて、その中ではいろいろな外部の専門家に入っていただいて、ご 意見をいただきました。  それを受けて、ポートフォリオを含む運用方針をきちんと決めて、その中で実際にき ちんと運用できているかどうかを評価する委員会もつくるということで、運用の方針を 決める委員会と、運用のチェックをする委員会に外の方を入れてつくったのが、独法化 以降に進められてきたことです。  さらに、独法化の中で、職員の中から運用の専門能力を持った人間を育成すること が、長期的には今後絶対に必要だということで、今そういう職員の養成も始めていま す。世の中の金利の動きが激しくなって、その中で機構が対応することができるように するために一生懸命改善してきていて、今改善途上であるかもしれませんが、体制とし て整備しつつある状況です。 ○山路委員  今のお話は、厚生労働省と機構と、当審議会との関係をどう考えるかでもあると思う のです。今回のこのやり方、議論の整理を審議会の総意として、具体的な中身にそれほ ど踏み込まずに、共通項だけを整理しましたと。具体的な中身については、厚生労働省 が書いて、厚生労働省の責任において、機構に対してチェック機能を働かせていくとい う。そういう意味では、財政審で指摘されたような機構に対するチェック機能をもう少 し強めるという意思の表れだと思います。  ただ、そもそもを考えると、これは一般論として言いますが、役所と特殊法人との関 係は、そもそも慣れ合いではないかという基本的な指摘があるし、現実にその面が非常 に強いと思います。だからこそ、例えば審議会という形で、第三者委員会でこういう形 をつくって、議論をしてその慣れ合いをなくそうという意味で、こういう形で議論を進 められてきたわけです。  この整理の仕方からいうと、むしろそういうそもそも論から言うと、少し逆行してい るのではないかと思います。むしろ審議会でまとめられるところはもう少しきちんとま とめて、第三者委員会としての議論を尽してまとめたほうがいいと思います。今の段階 で、こういう形の中庸なまとめ方しかできないのかどうか、もう少しきちんと累積欠損 の解消についても、具体的な数値にまで踏み込んで、コンセンサスを取ろうと思ったら 私は取れると思います。むしろそれは審議会の責任においてやるべきだろうと思いま す。それをこういう形でまとめて、厚生労働省は機構のチェック機能を強めるといって も、今までなかなかやりにくかったからこういう形の審議会が設けられているわけです から、私はこういうやり方は時代に逆行していると思います。いかがでしょうか。 ○松井勤労者生活部長  確かに時代というか、行政と実施組織、昔であれば特殊法人、今は独立行政法人の間 は緊張感を持たせて、方向性を出し、その中で具体的な責任を負ってやるものに組み替 えて動いていますから、言われたように以前のようなもたれ合いのようなものが、もし あったとすればなくすということで、やらざるを得ないと思っていますし、やるべきだ と考えています。  今回の議論については、独立行政法人化しましたから、それを強くお願いして、一定 の結論、とりあえず出てきた累積欠損金の解消の具体策を、審議会で期間、年々の額辺 りまで示せれば、相当外部、審議会という形でチェックいただいて、それを内容に取り 込んで指示するという意味では、客観評価が入るかということでお諮りしたのですが、 この時点、年度末の3月です。相当期間も取って、事務局としては議論を全てここでご 披露してやっていただいたつもりでありますが、それぞれのご意見はある意味ではいず れも合理的なのです、不合理ではないのです。それぞれの視点について、重きを置くべ き部分の価値感というか、そういった点での対立がありました。今段階ではどうも収斂 しなかったというのが事実です。  したがって、それは押さえながら、行政当局としては翌年度の事業運営方針、具体的 には付加退の率を定めなければいけない作業もあり、それについてはぜひとも合意をい ただかなければならないことがありますので、そのベースで考えていくと、今回の付加 退の率を定めるに当たっての当面の見通しからすれば相当運用益が出てまいりますの で、ここで180億と書いていますが、これをやると、結果として出てきている利益を折 半するという、今の省令でも動く状況が相当展望できているということが、実はもう一 方で検証できましたので、まずそれを押さえさせていただきたいということです。その 上ですが、次年度以降について、先ほど言った財政等審議会とか、評価委員会できちっ としたチェックをするということを示せとある中で、それをできないままに徒過すると いうことは、これまた行政責任を果たせないということがありますので、私としては現 段階でのご議論をいただき、ある意味では仮置きになるかわかりませんが、こういった 運用方針を省と機構との間でやりとりし、実はこの確定は運用方針はすぐ出しますが、 具体的な数値等はすぐには定まらないと思います。  機構がこれを受けまして、たぶん来年度の前半、4〜6月ぐらいの間に評価委員会等 がどう評価するかということを見ながら、具体的数値を定めなければいけないのです。 定めれば、それを見て翌年度どう評価するかということは向こうは準備を始めますの で、たぶん今年の秋口には決算等を報告するときに、具体的にこう定まったということ をここでお示しすることになります。  それを見ていただいて、また翌年度の付加退の率を定めるときに、ご意見をいただけ ればいいと思います。それでどうかと、必要があれば、そこでまた運営方針を我々は直 せます。そのつもりでその数値の部分を別紙で書いて、いつでも差し換えができるよう にというつもりで、実は小細工しているわけです。考え方は累損解消ということだった けれども、具体的数値はここで仮置きで決めさせていただいて、そして報告し、それで 足りるか足らないか、できれば次回もし合意いただければ、今回のこの整理の意見書は 次の部会のときには合意になっているか、合意していただけるようなるべく努力します が、改めてやっていただければというぐらいのつもりでいます。  いろんな意味で今生きている組織を運用しながら、あるいはシステムを運用しなが ら、逐次関係者の合意を得る、しかもそれが客観的な評価として固まるようにするとい う努力はし続けたいと思っていまして、そういうことまで含めてご理解いただければ、 山路委員が言われたような話で、つまり今のあるべき方向から乖離している処理ではな く、むしろそれに近づけるための実践的な対応方法だというふうに事務局としては考え ています。そこをご理解いただきたいと思います。 ○山路委員  言われていることはわかるのですが、ただ、今までだって、今回の話よりまとまりに くい話を審議会でまとめてきたわけです。特に佐藤委員なんかやかましく言ってきた。 それはそれでいいのです。最終的にはまとまってきて、審議会の役割はそれなりに果た してきたわけです。今回こういう前例を作ると、審議会の役割というか主体性はどこに あるのかという話になりかねないわけですから、あと、金曜日のもう1日もあるわけで すから、それほど詰めた議論を今までやっているとも思えないものです。むしろ本日は まだ時間もあるわけですから、十分まとまる可能性もあると思います。  やはり、私は長い間、審議会に関係していて思うのは、審議会自体ももちろん問題は ありますよ。ただ、審議会でまとまったことという形で、例えば法律でまとまるという ことであっても、結局役所は、これはちょっと話が違いますが、政令とか省令の部分 で、具体的な細目を決めて、具体的に実施要綱を決めてきた。それはそれで当然なわけ です。実際重要なのはそこの中身の話が大事なのですね。そうすると、今回も似たよう な行動で、一番肝心な中身については、具体的な細目については、これは厚生労働省が 責任を持って決めますよと。審議会は大まかな方針を決めてくれればいいですよという 形になれば、第三者機関としての審議会の役割が非常に形骸化される危険性がある。  どうですか、佐藤委員。もうちょっと議論をつくして、この審議会の責任においてま とめようじゃないですか。そのほうがいいですよ。 ○勝委員  今の山路委員のお話はまさにそのとおりだと思いますが、ただ数字を先ほど言われた ように、具体的に入れるとか、そういったことにすると、これは審議会の役割としては もちろん機構に対して安全かつ効率的な運用を要求し続けるという形で、なおかつ累損 を解消するということのメッセージにはなると思うのですが、ただ数字を入れてしまう と、それ自体が一人歩きをしてしまう。例えば180億であれば、180億という数字を入れ た場合には、先ほどの資料であれば、2.2%以上の利回りを求めるということになって、 もしそれが達成されなかった場合には、どこに責任があるのかという問題になってくる のではないかと思います。  もちろん、山路委員が言われたように、この審議会で交通整理ではないですが、ある べき姿になるように、意見を言っていくというのは非常に重要だと思うのですが、その 観点からいうと、今日の資料1で議論の整理として、1番から4番まで書かれているわ けですが、これを読んだ限りにおいては、非常にのんびりしているなと思いました。危 機意識が非常に足りないという感じがしました。といいますのも、例えば財政審であっ たり、あるいは評価委員会からやはり財務の健全性の問題が一番強く言われているとこ ろにあります。例えば2.の文言で、1行目ですが、「累積欠損の早期解消も重要な課 題」と。「も」ということになると、これが現状では一番重要だという意味からいう と、「早期解消が重要な課題である」という形で表現を変えたほうがいいと思います。  あるいは4.のところで留意する点として3点挙げられていますが、たぶん、これは (1)が一番重要だというような形で読めるわけで、そうすると、(1)でいきなり「過度に 高いリスクは取るべきでないという意見があったこと」と、機構では中期計画で安全か つ効率のよい運用を図ると言っているわけで、これはこの審議会でも、そこの部分はコ ンセンサスはあるわけで、この(1)の文言を見ると、安全性だけに留意するというふう にも取られかねない形にも解釈できます。  そういうことを考えると、4.の場合ですと、例えば(1)、(2)、(3)の順番を逆に (3)、(2)、(1)という形、つまり現状でなすべきことは、もちろん予定運用利回りとい うか、付加退の支給率を上げるということも重要ではあるけれども、現状では、やはり 財務の健全性というのが一番重要だということをここで認識しなくてはいけないし、な おかつ近い将来に当たっては付加退職金制度自体が今時価会計に移ってきて、運用の利 回りというのは、かなりブレうる状態で3月末の一時期だけで配ってしまうということ に関しては、いびつさが、今後時価会計になるにしたがって、目立ってくるということ が考えられるのではないか。この制度自体の問題点は近い将来考えていかなくてはなら ないということも、やはり一点入れるべきではないかと思います。以上です。 ○堀越委員  この運用収入ですね、12、13、14。15はちょっと例外だと思うのですが、必ずしも、 そんなに悪い数字ではないと思うんですよ。運用損を出した期間もあるわけですね。非 常に一生懸命やってきているのだと思いますが、平成15年の1,000億というのはちょっ と理解できないのですが、今度は377億ということになり、運用収入が約700。これは1 つの限度ではないかと思いますね。これ以上、上がってくるということは、あまり考え ないほうがいいのではないかと思うので、今、勝委員がおっしゃるように、もう少しシ ビアにやっていくには、私は前々から言っているように、4.に出てきているような累 損の解消が第一だというふうに思っています。以上です。 ○田村委員  勝委員の言われる2.の「解消も重要な課題」というところがあるわけですが、付加 退そのものがあること自体がいびつな話であって、本当は1%に下げた運用利回りがも うちょっと適正になることを目指すことが最優先。それがなかなかできない中での付加 退ですから、私はこの「も」のままでいいのだと思います。さりながら、事実上は付加 退は15年みたいなことが決まると、独法が決めてくるとするならば、15年間1%のまま でいいですよと。もし、利益が出れば、それは2分の1ルールでいくんですよというこ とではなしに、見込みがこれから安定的に求められるならば、そこで一気に運用利回り をどうするのですかという議論をここですることのほうが大事であって、今緊急避難的 に切り替えで独法に変わって、そして時価会計に替わったときには、私は山路委員はゆ るいと言われますけれど、ここ1年こんなことをしながら、最終的には運用利回りをど うするかという議論をここ1、2年進めるほうが私はいいのではないかと思います。 ○成宮委員  もともと、今の予定利回りを1に下げたこと自体が先ほど佐藤委員の言われたよう に、累積欠損金の早期解消が重要だから、涙を呑んで下げましょうねということをやっ て、そこからきているわけですから。累積欠損金の早期解消が重要なんだという認識 は、それは別にここで変わるわけじゃないと思います。ただ、そのときの経緯もあるか ら、付加退という制度があって、それは守っていきましょうねということを具体的に下 で書いているわけですから、決してバランスを失さないと思います。 ○齋藤部会長  ほかに何かありますか。 ○鈴木委員  私も暮れから初めてこの審議会の委員になって、過去何回かやってきて、前回辺り、 今回問題になっている累積欠損金の解消に向けてということを議論してきたわけです が、終わった次の日辺りに、日経新聞にもうチョロッと出ていましたね。「19年が提示 された」何とかで。そんな関係で、ずっと会議を何回もやってる中で、先ほど山路委員 が言ったように、私見としては、やはりトーンダウンしちゃったかという感じがしてい ます。もっと何か具体的に詰めてくるのかなと思ったのですよ。というのは、こうやっ て見ると、あれだけ9年がいいんだ、19年がいいんだと、いろいろ議論している中で、 今回の分はそういったものは全然見えません。私ははっきり言って審議会のメンバーと して本当のど素人ですから、過去の経緯もあまりわからないし、そういった中でこう言 うのは何ですが、一般的に議論してきて、これだけ議論を進めてきたら、もう少し何か 詰まった話が出るのかなという感じはしていました。  いろいろ最初のほうから、部長なり、課長なりが、非常に苦しい答弁をしているなと いう感じはしていたのです。もっと具体的に出るのではないかという感じもした中で、 こういった部分で、それでは審議会の役目というのは何だろうなとちょっと疑問に思う のは、私の今の直観的なイメージなんです。そうすると、ただのチェック機能だけでい いのかと。そんなふうにちょっと思うわけです。 ○齋藤部会長  今いろいろご議論ありましたけど、この「具体的な運用方針」というのを見ると、要 するに意味があるのは、2.の(1)、(2)、(3)だけでしょう。この(1)、(2)、(3)という のはそれほど皆さんのご議論からいって、異論がある所ではないような気がするのです ね。だから、これと「論点の整理」というのをうまく組み合わせれば、1つになるよう な気がするのです。それから、要するに運用方針の中で何か数字が出るのですか。「別 紙を踏まえて」と、別紙というのはこれのことですか。この四角で囲んである所を別紙 にしたいという意味ですか。この紙のことですか。この紙じゃ、単純に計算しただけだ けであって、この中のどれを取れと言っているわけではない、そうですか。 ○宮本勤労者生活課長  それは審議会でのご議論の幅が大体この範囲内にあって、それで何年か、あるいは単 年度の金額、あるいは5年間の金額を決めると、ほかの数字は全部自動計算できてしま うのですけれども、ただ、幅として大体この幅の範囲内でと。あとは機構自身がどの辺 を選ぶのか、経済情勢等を勘案して機構で立案する。そして計画を立てた以上は、実施 について機構が評価されますので、評価されることを前提にして、どのくらいのものを 自分たちで、自分の背丈に合ったものとしてどのくらいなのかというものを、機構自身 が自分の背丈を勘案して決めるべしという指示をするための資料です。 ○齋藤部会長  では、別に別紙にしなくたっていい。これは単純な計算だと思えば。 ○宮本勤労者生活課長  何年にするのかを機構に決めてくれというものです。 ○齋藤部会長  機構に任すのであれば、この具体的な運用方針というのは。そっちとこっちを合わせ れば、審議会の意見として、まとまりそうな気がしないでもない。そうしておけば、何 年にしたらいいのかということを機構が考えるに当たって、当審議会での議論で考慮し てもらいたいというのは、この4.の(1)、(2)、(3)の3点を頭に置いて、機構で考え てくださいと言えばいいのではないですか。 ○宮本勤労者生活課長  もし審議会の皆さまのご意見がそれでということであれば。 ○齋藤部会長  今山路委員の言われたような議論を踏まえたり、ほかの方の言われたことを勘案すれ ば、この意見書で考えてもいいのですが、それの中に運用方針というのを一緒にすれ ば、それは今まで議論してきたことも踏まえて、やったということになるのではないで しょうか。山路委員、どうですか。 ○山路委員  結構だと思います。ただ、もちろん佐藤委員が言われたように、2.の(1)が気に入ら んという話もあるわけだから、もうちょっと文章表現とか、中身については、まだ議論 したほうがいいと思いますが、方向は部会長がまとめられた方向でいいと思います。 ○齋藤部会長  どうですか田村委員。 ○田村委員  私もおおよそのイメージはこんなことで。累損解消も頭に置きながらやっていかなき ゃいかんと思っていますので、佐藤委員が言われたように私もやはり14年の建議の趣旨 がちゃんとそこに活かされている、そして累損の解消ということでいくと、先ほどの (1)、(2)の文章表現を少し考えていただいてと思っています。運用方針のほうですね。 ○松井勤労者生活部長  それを意見書に入れていいですね。そこがポイントなのです。 ○佐藤委員  (1)は、はっきり言って累積欠損の解消に努力するというような内容ではないですね。 そういう場合も想定すると言いながら、15年のタームを決めて、その予想利回りも決め て、どれぐらいの金額を返せるかということまで、ある程度選択肢として出すのだけれ ども、もうほとんどこれだよと言っているのと一緒ですね、省が言っているのと。そう すると、要するにこういう(1)のような事態が起こるということになれば、またすぐこ れを直さなければならないし、先ほどから出ている、上のほうの2つの機関が目をむい て怒るということになるじゃありませんか。 ○松井勤労者生活部長  先ほど申しましたように、これは想定しうるケースを書いただけであって、直すかど うかでなくて、枠組みですからね。ただ、私自身は今部会長からご提示いただいたの は、ここの2.の(1)、(2)、という枠組みについては合意いただけると。つまり今回提 示している議論の最終的な意見書の中にこれが入るということであれば、このスタイル はこだわりません。つまり、省令ではないわけですから、この審議会の中でこういう想 定した場面については強くあれという部分を書き込んで、例えば(1)、(2)、(3)を2つ ぐらいにまとめて書き直してやるという方法はあると思うのです。これはあくまで、省 令的に我が方が受けたときにケースを説明するという道具立てのときにはこうだと。だ から、この文章を今度の意見書の中に取り込めというのであれば、いくらでも加工でき ますが、別にそんなにこだわることはないわけです。そこだけです。 ○齋藤部会長  こういうような運用方針とか何とかというのではなくて、何かするのは行政の責任で あることは。 ○松井勤労者生活部長  全然構いません。 ○齋藤部会長  整理の所だけに留まらずにここの部分を取り込んだ形にすれば、山路委員がおっしゃ るように審議会として、もう少し突っ込んだ議論までやりましたよ、という責任を果た すということにもつながる。それから、ここの(1)、(2)、(3)のテクニカルな話はお役 所のご専門で、ここで(1)と(2)は「満たない場合には」としてしまえば、1本になる。 あと、気分でいうと、むしろ(3)のほうを(1)にして、(1)、(2)を一緒にしたものを(2) にする。それだけで済んでしまう話です。それは文章表現の問題だから。今までの今日 の議論だと、そこがほぼ合意になってきているのではないかという気がしますが、いか がでしょうか。 ○讃井委員  今の論点整理のほうですが、先ほど部長が意見書として出すときに付加退職金の支給 率に関する意見書ということで出すと、そうおっしゃったと思いますが、それは結局共 済法の第10条4項に一番沿った形ということになるのかなと思います。それは結構なの ですが、ただ、そうなってしまいますと、やはり累損解消ということの色彩がかなり薄 れてしまうのかなということがありますので、タイトルはそれで構わないと思います が、前提として、計画的な解消ということが重要であるということを前提とするという ことを入れていただくということがよろしいのではないかと思います。 ○成宮委員  その意味では、この2.の文章を先ほどおっしゃったように「累積欠損金の早期解消 が重要な課題と位置付けた上で」ということにしてしまえば、この文章全体がそういう 前提に立っているのですね、という性格が出てくると思います。 ○宮本勤労者生活課長  ちょっと確認させていただきたいのですが。特に労側のご意見がどうなのか、よくわ かりませんので、確認させていただきます。タイトルとしまして、例えば「付加退職金 の支給率の決定に関する意見書」としまして、日付、労働政策審議会中退部会、その上 で1.につきましてはほとんど変更なし、2.につきましては計画的な早期解消が重要 な課題であると。もし、今讃井委員のおっしゃったようなことを考えますと、早期解消 のほかに「計画的」という言葉を一語入れるかどうかというお話、その上で、山路委員 や成宮委員のご指摘、あるいは田村委員のご指摘があったことを考えますと、3.をほ とんど書き変えてしまって、むしろ具体的な運用方針の不等号というか、この〈〉で囲 んでいる1.がありますが、これにつきまして、2.(1)、(2)について、若干の修正を した上で、こういった方針であるということを3.で書き加え、この方針を前提とし て、機構が何年ぐらいで返すのかということを決定するようにすべきである。  あと4.留意事項として、審議会として気になる点が若干まだあるので、それについ ては(1)、(2)、(3)を順番を変える形で、今の(3)、(2)、(1)の順番に書き変えるという ようなことでいかがでしょうか。 ○松井勤労者生活部長  ちょっといいですか、修正。私自身は3の具体的運用方針の前に、「次のような具体 的運用方針」と書いて、先ほど言った運用方針のここの2.の(1)、(2)、(3)を書き変 えて貼りつけさせていただければ、それで済むと思うのです。「次のような」というこ とで、内容をいただいて、このようにしてくれということでも、命令になりますね。た だなお書きの所は留意してやってくれということで、具体的数値を考えるときにこの意 見を反映するということで、審議会としてのまとまりは一気に高まると思います。そこ を抜いて、こっちに投げているからだというのではないかなと思います。 ○齋藤部会長  だから、我々が議論したことを運用の方向性として書けばいいのでは。ではとりあえ ずそういうことでもう一回書き直して。 ○田村委員  運用方針のところの(1)、(2)は丸めていただくほうが。要はL′のところに届かない 場合ということになるかと思いますので。そういう形で書き直してもらえればいいので はないかと思います。 ○宮本勤労者生活課長  さらっと書くと少し不正確ですが、そのぐらいの文章で差し支えないですね。 ○佐藤委員  長期にわたってでも、累損を解消していこうというのを省として示して上の機関に出 さなきゃいけないという側面もあるわけです。であるならば、(1)のような書きぶりは、 はっきり言ってそぐわないじゃないかということを言っているので、これを(2)の中に 丸め込んで表現してもらえればいいんだと。 ○齋藤部会長  とりあえずそういうことで書き直して、明後日、意見書の形に整理をして、お出しす ることにしたいと思いますが、その前に労使の方にはご覧いただいたほうがいいだろう と思いますので、明日にでもご都合をつけていただいて。 ○宮本勤労者生活課長  それぞれの委員の方にご連絡します。 ○齋藤部会長  次に今年度の付加退職金の議論をしなければならないのですが、これも明後日に計算 をして、諮問をしていただいて、答申ということにしないと、これもまた間に合わなく なるものですから、全体の大体の方向として、累積欠損金の解消すべき額を180億とし て、それを基にして、付加退職金の額を計算していただくということにして、よろしい ですか。                  (異議なし) ○齋藤部会長  それではそういうことで、計算をお願いをしたいと思います。次回について、事務局 から何か連絡事項はありますか。 ○宮本勤労者生活課長  明後日、11日(金)10時半からですが、場所はこの会議室になります。先ほど部会長 からご指摘いただきましたように、明後日は先ほどのご意見を踏まえました意見書案 を、できましたら今日中に皆さんのお手元にご連絡できるような形にしまして、明後日 には案として、審議会でご決定をいただき、私どもにいただければと思っています。そ の上で、省令の簿価・時価のところの17条2項の手当てをしなければなりませんので、 それに関する諮問と即日でご答申をいただき、もう1つこれまでのご意見にしたがいま して計算されます付加退の来年度の支給率につきましての諮問答申も併せていただきた いと思っています。よろしくお願いします。 ○齋藤部会長  今日はこれで終わりにしたいと思います。最後に今日の議事録の署名委員は佐藤委員 と下永吉委員にお願いします。どうもご苦労さまでした。 6 配付資料 (1)累積欠損金の解消について (2)平成16年度における利益の見込額について (参考資料) (1)累積欠損金の解消に関する具体的な運用方針(案) (2)その他関連資料 照会先:厚生労働省 労働基準局 勤労者生活部 勤労者生活課 調査係(内線5373)