05/03/03 労働政策審議会第9回議事録              第9回 労働政策審議会 議事録 1 日時  平成17年3月3日(木)  15:15〜16:45 2 場所  厚生労働省 省議室 3 出席者【委員】 公益 代表 西川会長 今田委員、齋藤(邦)委員、櫻井委員                 諏訪委員、清家委員、保原委員、横溝委員           労働者代表 岡本委員、草野委員、古賀委員、笹岡委員                 平澤委員、森嶋委員           使用者代表 安西委員、伊藤委員、岡部委員、齋藤委員                 佐々木委員、津田委員、矢野委員 4 議題(1)平成17年度予算の主要事項について(労働政策関係)     (2)分科会及び部会における検討状況について     (3)その他 5 配付資料 資料1 平成17年度厚生労働省予算案の主要事項        資料2 分科会及び部会における検討状況について        資料3 少子化社会対策大綱に基づく重点施策の            具体的実施計画について(子ども・子育て応援プラン)        資料4 若者の自立・挑戦のためのアクションプラン        参考  労働政策審議会諮問・答申等一覧 6 議事 ○西川会長  それでは第9回労働政策審議会を始めます。議事に入る前に、新たに委員になられた 方の紹介をさせていただきます。まず、公益代表委員ですが、慶應義塾大学商学部教授 の清家委員です。 ○清家委員  清家でございます。 ○西川会長  清家委員には職業安定分科会に所属していただいております。続きまして、労働者代 表委員として、情報産業労働組合連合会中央執行委員長の森嶋委員でございます。 ○森嶋委員  森嶋でございます。 ○西川会長  本日は、当審議会令第9条の規定に基づき、本会議を開催し、議決を行うに足る委員 のご出席をいただいていることをご報告いたします。本日の審議会は、通例どおり公開 とさせていただきます。  議事に移ります。本日の議題は2つありまして、第1は「平成17年度予算の主要事項 について(労働政策関係)」です。第2は「分科会及び部会における検討状況について 」です。第1の議題について、事務局から説明をお願いいたします。 ○杉浦参事官(会計担当)  オレンジ色の冊子の資料1で、「平成17年度厚生労働省予算案の主要事項」の労働政 策関係の主な部分について、ご説明します。  1枚目の表1に、厚生労働省全体の数字が載っています。平成17年度一般会計予算の 全体額が、20兆8,178億円で、対前年度6,268億円増です。そのうち社会保障関係費は20 兆2,240億円で、5,849億円増です。  次に、表3の円グラフをご覧ください。社会保障関係費の内訳で、医療や年金などあ りますが、そのうち雇用については4,660億円で、今年度に比べ641億円減です。これ は、主として雇用保険の国庫負担額が、受給者数が減ること等の見込みによって、約640 億円程度減るということで減になっています。次の頁の表4が、特別会計です。特別会 計のうち、下から2つ目の労働保険特別会計については、4兆1,295億円で、対前年度 1,223億円減となっています。  次の目次をご覧いただきたいのですが、この冊子では、まず平成17年度予算のポイン トということで、7つほど項目を挙げています。厚生労働省全体としては、三位一体改 革、介護保険制度改正といった項目が並んでいますが、このうちの労働関係では、4つ 目の「若者の『人間力』強化の推進」が該当します。これについては後ほどご説明しま す。  その下にIIとして、主要事項で第1から第10までの10本の柱を、項目別に整理してい ます。このうち労働関係については、第2の次世代育成支援対策の関係の一部、第3が 若年者を中心とした人間力強化の関係、第4の雇用対策で、第3、第4については全部 労働関係です。  次の頁で、第5の高齢者対策のうちの雇用・就業関係、第6の同じく障害者の関係の 対策の雇用・就業関係、第7が安心・安全な職場づくりと公正かつ多様な働き方の実現 ということで、ここは全部労働関係です。主な項目としては、以上の点が労働政策が該 当するところです。  以下、内容を順次ご説明したいと思います。24頁からです。第2の柱の「次世代育成 支援対策の更なる推進」というところからです。このうちの1番の「地域における子育 て支援対策の充実」のうち、25頁の上の(3)、「シルバー人材センターによる子育て 支援事業の拡充」ということで、活動拠点を拡充するということで、7.6億円を挙げて います。  26頁の3番で、「子育て生活に配慮した働き方の改革」ですが、(1)の「男性も育 児参加できる職場環境の実現」に3.7億円、(2)の「次世代育成支援対策推進法に基 づく一般事業主行動計画の策定実施」に20億円、(3)の「緊急サポートネットワーク 事業(仮称)の創設」といった事業を挙げています。  28頁です。6番の「母子家庭等自立支援対策の推進」の(1)の2つ目の○のところ で、「母子家庭の母等に対する無料職業訓練受講機会の拡充」として6.6億円が盛り込 まれています。第2の柱の部分は以上です。  29頁、第3の「若年者を中心とした『人間力』強化の推進」の部分です。これについ ては、1の「若者人間力強化プロジェクトの推進」ということで、新規のもので、(1 )の「若者の人間力を高めるための国民運動の展開」に2億円、(2)として、「フリ ーター・無業者に対する働く意欲の涵養・向上」ということで、1つ目の○の「若者自 立塾の創設」、合宿生活の中で、生活訓練、労働体験を通じて、働く自信と意欲を喚起 させるといったもので、9.8億円としています。それから、「ヤングジョブスポットの 見直し等による若年者への働きかけの強化」に8.9億円としています。いちばん下が、 「就職基礎能力速成講座の実施」で、新規ですが、民間事業者を活用した講座を実施す るもので、2.3億円です。  30頁の(3)で、「学生生徒に対する職業意識形成支援、就職支援の強化」です。1 つ目の○が、ボランティア活動などの無償の労働体験等を、企業の採用選考に反映させ るための就職力強化事業、ジョブパスポート事業というものを創設しようということで す。それから、あと、小中高生向けの職業意識形成の支援事業、大学生に対する就職支 援の強化の事業を盛り込んでいます。  (4)が「若年者に対する就職支援、職場定着の推進」ということで、若年者に対す る就職実現プランの策定の支援、若年者の試行雇用事業を拡充すること、職場定着を推 進する施策の充実ということで、講習や相談といった事業、新規で3.3億円を盛り込ん でおります。  31頁です。いちばん上が「ものづくり立国の推進」ということで、各種のものづくり に向けた社会を形成するための事業を行っていくということです。2番が、「若者自立 ・挑戦プランの推進」で、(1)は昨年スタートした「日本型デュアルシステムの拡充 」ということで102億円、(2)が「若年者向けのキャリア・コンサルタントの養成・ 普及」で1.6億円、(3)が「学卒、若年者向けの能力強化システムの整備」、(4) が「地域の関係者との連携による若年者の雇用対策」となっています。  3番は、「企業ニーズ等に対応した職業能力開発の推進」で、(1)では、「専修学 校等の民間教育訓練を活用した職業訓練の推進」、(2)は「個別企業の要望に即した 訓練の充実」、(3)は「地域における創業の支援のための職業訓練の実施」というも のを挙げています。  4番は「キャリア形成支援のための条件整備」ということで、キャリア・コンサルテ ィングの実施体制の整備、職業能力評価制度、eラーニングの活用、といった項目を挙 げています。  33頁からが第4の柱の雇用対策です。「雇用のミスマッチ縮小のための雇用対策」と いうことで、1番は「地域の雇用創造に取り組む市町村等に対する総合的な支援の実施 」で、(1)は「地域における雇用創造のための構想を策定する市町村等に対する支援 の事業」です。(2)が、「コンテスト方式により選抜された雇用創造効果の高い事業 に取り組む市町村等への支援」で、これらを新規事業として盛り込んでいます。  2番の「地域に密着した産業雇用の再生・強化」です。(1)は「地域が選択する重 点産業に対する雇用創出の支援」という事業です。(2)が、「総合的な建設労働対策 」ということで、建設業内外への労働移動の推進、新たな労働力需給システムの導入と いったことで、これは建設労働の法律改正を予定しているものです。  34頁の(3)、「林業労働力の確保対策の強化」です。新たな林業作業を体験する就 業支援事業の実施などを盛り込んでいます。(4)は「コミュニティ・ビジネスへの支 援を通じた雇用創出の推進」です。  3番は「民間や地方公共団体との共同・連携による効果的な職業紹介、情報提供の推 進」です。(1)は、成果に対する評価に基づく民間への委託による長期失業者への就 職支援といった事業です。(2)は、地域職業相談室というものを設置して、市町村と 連携して、職業相談や職業紹介を実施していこうというものです。(3)は、ハローワ ークに総合的な窓口を設置して、利用者の立場に立った雇用関連事業をワンストップサ ービスとして提供していこうという、新規事業です。(4)は、しごと情報ネット事業 についての業務の拡充です。35頁の(5)は、国・地方公共団体・民間の職業紹介機関 との官民交流会を実施しようということです。  4番は、「求職者の個々の状況に的確に対応したハローワーク等の就職支援の充実」 です。(1)は、早期再就職のための専任支援員といったものを配置して、早期就職に 向けてきめ細かく支援していくというものです。(2)は、未充足の求人へのフォロー アップといった、求人者サービスの充実です。(3)は、業種・職種間のミスマッチ対 策として、効果的な相談指導や情報提供を行っていく事業を新規として載せています。 (4)は、生活保護の受給者や児童扶養手当受給者に対して、福祉事務所とハローワー クとが連携をして、無料の職業訓練を拡充していく事業を新規に行う予定です。(5) は、規制改革の関係で、キャリア交流プラザ事業の公設民営化等を市場化テストのモデ ル事業として行うものです。  36頁からが、第5の高齢者対策です。このうち労働の関係は、37頁の2番で、「高年 齢者等の雇用・就業対策の充実」というところです。(1)が、昨年改正された高年齢 者雇用安定法に基づく、事業主団体を通じた指導相談を行う、「65歳雇用導入プロジェ クト(仮称)の創設」です。(2)が「中高年齢者等の再就職支援の推進」、(3) が、シルバー人材センター事業の拡充に関する経費を盛り込んでいます。高年齢者の関 係は以上です。  第6の障害者対策が41頁からですが、42頁の3番で、「障害者の雇用・就労支援と職 業能力開発の充実」というところです。(1)の「精神障害者に対する雇用対策の強化 」ということで、精神障害者に対する総合的雇用支援の事業を実施していこうというこ とです。これについても、精神障害者の関係の雇用率を対象とする等の法律改正を予定 しているところです。  (2)はIT等を活用した在宅就労支援事業主に対する支援や、短期間の試行雇用の 拡充を盛り込んでいます。(3)は「雇用と福祉の連携による障害者施策の推進」で、 福祉施設などで就労している障害者の一般就労への移行を支援する事業を創設したり、 障害者就業生活支援センター事業の拡充をすることを挙げています。(4)は福祉部門 における就労支援で、小規模作業所の関係です。(5)は、障害者に対する職業能力開 発で、公共職業訓練、民間を通じて、障害者の職業訓練を推進していくものです。  45頁からが第7で、「安心・安全な職場づくりと公正かつ多様な働き方の実現」で す。1の「安心して安全に働ける環境づくり」ですが、重大災害の発生を防止する安全 対策、(2)の過重労働による健康障害防止対策や、メンタルヘルス対策です。これも 安全衛生法等の改正を予定している部分です。(3)が、石綿等の有害物質に係る健康 障害防止対策の推進です。(4)が、賃金不払残業の解消に向けた取組等の予算を計上 しているところです。  46頁です。2番の「多様な働き方を選択できる環境整備」のところで、(1)が「パ ートタイム労働者と正社員との均衡処遇の推進対策」、(2)が「在宅就業対策」、 (3)が「ワークシェアリングの普及促進」、(4)が「生活に配慮し、多様な働き方 に対応した環境整備」です。  3番の「公正な働き方の推進」では、(1)が、男女雇用機会均等確保対策の制度の 周知徹底や、指導の強化対策です。(2)が、「個別労使紛争対策の総合的な推進」と いうことで、迅速な解決へ向けての取組みです。(3)が、「労働分野における企業の 社会的責任」、CSRの検討の予算ということで新規に盛り込んでいるところです。  56頁の第10ですが、「その他」の1番の(1)の2つ目の○の「国際労働機関(IL O)を通じた活動の推進」ということで、活動経費を盛り込んでいるところです。最後 に58頁の7番で、「ホームレスの自立支援等の対策」です。2つ目の○の「ホームレス 就業支援事業(仮称)」ということで、ホームレス支援事業として、自立意思のあるホ ームレスの方に、就業の機会の確保を図る事業を創設しようというものを盛り込んでい ます。以上、簡単ですが労働政策関係の来年度の予算でした。 ○西川会長  予算概要に関して、何かご質問等がありましたら、どうぞ。 ○矢野委員  質問を3つと、要望を1つ申し上げたいと思います。第1の質問は数字の関係です。 表4で、労働保険特別会計が1,223億円減少するとありますが、その内容と考え方を伺 いたいと思います。  33頁以降から出てきていますが、緊急雇用創出特別基金を使って、どういう実績が挙 がったかを伺いたいと思います。  3番目は、45頁の未払賃金立替払制度です。世の中も少し落ち着く方向、景気回復の 兆しもあるわけなので、この動きが近年どうなっているのかを伺いたいと思います。以 上の3点についてお伺いします。  次は意見です。関係省庁が一体となって取り組んでいる、若者自立・挑戦プランの中 身についてお話がありました。実態がさまざまですので、要因別にきめ細かな対策をす る必要があるのではないかと思っています。これを実行するのは、各地域で行われるわ けですが、私どもの傘下の地方経営者協会から聞く話ですが、各地域での行政の連携 が、必ずしもうまくいっていない。企業側と学校側の意思疎通が十分でないというよう な意見が寄せられているので、そういった点にはぜひ留意をして、取組みを進めていた だきたいと思います。以上です。 ○西川会長  事務局からお願いします。 ○杉浦参事官  それでは第1点の特別会計の減の内訳について、私からご説明いたします。先ほど申 し上げましたように、全体で1,223億円の減ですが、労災勘定と雇用勘定に分かれてい て、労災勘定については、103億円の減です。給付費、業務取扱費、労働福祉事業費、 いずれも少しずつ減になっています。雇用勘定ですが、1,120億円の減です。こちらも 同じく、給付費、業務取扱費、雇用保険三事業の費用についても、それぞれ減になって います。 ○矢野委員  その数字に関連して、剰余金や積立金の実態がどうなっているのかよくわかりませ ん。 ○杉浦参事官  雇用保険と。 ○矢野委員  ええ。だいぶ減りましたよね。また増えているのかどうか。 ○戸苅事務次官  一時、雇用保険は積立金が4兆7,000億円までいったのですが、失業率が高まったと きに毎年1兆円ずつ目減りしてきたということです。それで雇用保険法を改正して、給 付の重点化を図ったということです。それから、矢野委員がおっしゃるように、雇用情 勢が変わってきたこともあって、多分、本年度は黒字になると思います。  一時積立金が3,000億円までいったのですが、だいぶ戻ってきていて、1兆円までと どくかどうかというくらいだと思います。ただ、毎年の給付費が2兆円ちょっと出るも のですから、できれば2兆円近くまで進むと、財源が安定するかということで、ある意 味では財政安定化にようやく向かい始めたと思っています。 ○西川会長  2点目をお願いします。 ○大石職業安定局次長  矢野委員からご質問のあった、33頁の緊急雇用創出特別基金の関係ですが、この基金 を活用して行っている事業の主なものを申し上げると、雇用情勢が悪化した場合に、中 高年の非自発的失業者等を雇い入れるために事業主に対して助成する緊急雇用創出特別 奨励金というものがあります。基金の創設時の、平成11年1月から平成17年1月までの 6年間で、支給申請は約5万200人に対して、支給決定は約4万6,000人という状況で す。新規・成長分野の雇用創出特別奨励金というのは、新規成長の15分野の事業主が労 働者を雇い入れる際の支援です。先ほどのものを含めて、今年度いっぱいで終わりです が、これについては平成11年8月から平成17年1月までの5年半の間に、支給決定は約 11万9,000人という状況です。 ○西川会長  3点目の質問についてお願いします。 ○松井勤労者生活部長  立替払いの状況について、どういう傾向かというご質問ですが、直近のここ2、3年 を見てみると、平成14年度に立替払支給総額がピークになっていて、年度計で約476億 円出しています。支給対象者数も約7万3,000人です。企業としては4,700というオーダ ーでした。翌年の平成15年度については、立替払額で約342億円と激減しています。支 給者数も約6万1,000人で、企業数にしても約4,300という水準で、落ち着いてきている のではないかと思います。  一番新しい数字を月換算にすると、今年1月と昨年1月の比較で、今年の1月が17億 円強でありますが、平成16年は23億円弱であったという状況です。景況というか、会計 的な面でも徐々に明るい兆しというふうに評価しています。 ○西川会長  矢野委員のご要望の話がありますが、それをちょっと置いておいて、ご質問をどう ぞ。 ○佐々木委員  2点ほどお願いがございます。1点は少子化対策強化についてです。少子化対策につ いては、事業主による行動計画の策定、実施を支援する目的で、事業主団体が厚生労働 大臣の指定を受けて、次世代育成支援対策推進センターを設置しておりますが、現在全 国に84センターが設置されています。私ども中央会が参加しておりまして、全体の4割 を占める34センターを設置しています。今後、事業主に対する対策を推進するに当たっ ては、これらのセンターを整備、充実し、積極的に活用することが効果的、かつ有効で あると考えますので、その施策が講じられますようお願いを申し上げる次第です。  もう1点ですが、私ども中小企業団体中央会が、全国各地で若年者対策に取り組んで いますが、その一環として、専修学校や各種学校と企業を結ぶコーディネーターを中央 会に配置して、日本版デュアルシステムの推進に努められています。私の地元の愛知で もやっていますが、こうした若年者対策の事業は大きなエネルギーを必要とする反面、 すぐに効果を出すのはなかなか難しく、辛抱強く繰り返していくことが大切だと実感し ています。  この日本版デュアルシステムを全国的に普及させ、社会的な定着を図るためには、ま ずは制度の啓蒙、啓発活動を力強く行っていくことが肝心であり、また学校や企業によ り、柔軟で効果的な導入ができるように、導入方法の開発や、制度の内容の見直しを繰 り返し行っていくことが不可欠です。それとともにデュアルシステムのコーディネータ ーの全国への配置、協力企業の負担軽減など、支援措置を講じることが重要であると考 えます。今後は、これらの点に留意の上、制度の拡充を行っていただきたいと思いま す。以上です。 ○西川会長  いまの第2点は、矢野委員がおっしゃっていた、第4点の若者の自立計画の要望と少 し重なるところがあると考えてよろしいですか。 ○佐々木委員  はい。 ○西川会長  その点について、まずご返事をお願いします。 ○上村職業能力開発局長  取組みについては、おっしゃるとおりだと思います。デュアルシステムについては今 年度4万人を目標にやっていますが、いま審議いただいている予算の中で、来年度は6 万人を目標に予算をセットしています。内容等については、短期のものは徐々に実績が 出てきていますし、かなり就職率も高い状況ですが、問題のあるような点があれば直し ていきたいと思っています。 ○西川会長  よろしいですか。 ○佐々木委員  ありがとうございました。 ○西川会長  第1点のほうはどうでしょうか。 ○北井審議官  次世代育成支援のための事業主行動計画を、中小企業を含めて全国的に進めていくた めに、いまおっしゃっていただいたセンターの活用は大変大事なことであると受け止め ていて、中央会をはじめ、各事業主団体にはお世話になっています。いまのご要望をし っかりと受け止めて、今後ともいろいろ考えていきたいと思っています。 ○太田政策統括官  矢野委員の4点目の若年者対策についてのご意見、ご要望で、2つあったと思いま す。関係省庁、地域レベルの連携体制をしっかりせよということがありました。2つ目 は、実態や要因別に分析した上での対策を考えろというお話でした。  資料No.4に「若者自立・挑戦アクションプラン」をお配りしています。1点目の連 携体制ですが、関係5省庁連携で、昨年末に取りまとめたところです。例えば1点目 で、早い段階から学校でもキャリア教育を推進して、地域レベルでの連携を強化しよう とありますが、これは文科省、厚労省、経産省、特に3省連携の事業です。これについ ても、2つ目にあるように、効果的な実施のためには、地域レベルの関係者の連携が非 常に大切だということで、そこにあるような、学校、教育委員会、労働局、経済産業 局、経営者協会、承工会議所等々、地域レベルにおける関係者の十分な協議の上で行う ということで、その協議の場を設置することにしています。  また、各省からも具体的な指示、協力依頼を行うということで、いままで必ずしも十 分でなかった部分があると思いますが、地域レベルで労使のご協力をいただきながら、 しっかりと取り組んでいきたいと思っています。全体的にそういう地域レベルの取組み が重要ですので、関係機関の連携を強化して取り組んでいきたいということです。  それから2つ目のお話で、さまざまな要因があるというのは確かにおっしゃるとおり です。例えば大きく分けても、新規学卒者の問題、フリーターの問題、最近はニートと 呼ばれる無業者ということですので、従来ベースでは大変ご協力いただいている新規学 卒者対策、例えばジョブサポーターを付けて就職支援をする、あるいはフリーター等に ついては、ジョブカフェやトライアル雇用、デュアルシステムといった対策を講じてき たわけです。  それはそれで拡充、強化するにしても、働く意欲が不十分な若者に対する対策は、必 ずしも十分ではなかったということで、このアクションプランの2点目の対策で、「働 く意欲や能力を高める総合的な対策を推進する」ということで、先ほど話のあった自立 塾や、ジョブパスポート事業、ものづくり立国の推進ということで進めていきたいと思 っています。進めていく過程で、いろいろな形の実態がわかってくる部分、さらに必要 な対策もあると思うので、また労使からいろいろご意見をいただきながら進めていきた いと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。 ○西川会長  矢野委員、よろしいですか。 ○矢野委員  ありがとうございました。 ○西川会長  他にありますか。 ○草野委員  時間の関係もあるので、簡単に申し上げます。実態等は後ほど個別に聞かせていただ いても結構です。2つお願いがあります。1つは予算の中に出ていますが、私たちが不 払残業と言っているサービス残業のことです。労働組合としては一生懸命その対策をや っていますが、現実には、なかなかなくなっていない、あるいは少なくなっていないの が、いまの状態ではないかと思います。ついこの間も、連合で全国において「何でも相 談ダイヤル」の受付をやったわけですが、ほとんどが雇用問題と、不払残業の問題でし た。今回予算を取ってやることになっているので、しっかりと対応していただくように お願いしたいと思います。  これは予算とは直接関係はありませんが、2回くらい前のこの審議会の中でもお願い をしましたが、予算が通って政策を実施した、その政策を評価するシステムです。これ を繰り返していかないと、本当に予算が良かったのか、悪かったのか。実際に政策的に 実効が上がったかどうかの評価は必ず必要だと思うので、それをぜひお願いしたいと思 います。  これは見解があればお伺いしたいのですが、司法制度改革の中で、今度全国に司法支 援センターというのができると聞いています。労使個別紛争処理の予算も出ています が、この司法支援センターとの関係について、何か考えがあればお伺いしたいというの が1点です。  2つ目は、タクシーの運転手さんが、一部地域において、地域最賃割れの実態になっ ているという話を聞いています。それについて何かお考えがあればお聞かせいただきた いと思います。そのような話を聞いたものですから、出張に行く度に運転手さんの話を 聞くのですが、地方都市にいくと、フルタイムで税込みで13万円から15万円です。神奈 川においても、定年3年前の方が手取りで15万円という状態だと聞いています。その辺 について何かあればお聞かせください。  最後に3点目ですが、外国人の実習生についてさまざまな問題が起きていると聞いて います。要するに賃金未払いの問題、先ほどのサービス残業ではありませんが、不払残 業の問題です。75万円ぐらいあったということで指導が出たようですが、月に500円ず つ分割して返していくというようなとんでもない話も現実に出ているようで、その辺に ついても、何か実態がおわかりだったら教えていただきたいと思います。以上です。 ○西川会長  ご要望が2つ、ご質問が3点ありますが、いかがでしょうか。 ○太田政策統括官  1点目の政策評価についてですが、草野委員がご指摘のとおり、昨年の労働政策審議 会でも、予算執行の評価をきちんと実施して、その結果を次年度予算に反映することが 重要であるというご指摘もいただいているので、私どももそういう考え方について、で きる限り評価をさせていただきたいと思っています。  例えば具体的には、雇用保険三事業については、平成16年度から、各事業の性格を踏 まえた目標設定を行ったところです。今年度終了後に、目標達成状況の把握や、評価を 実施して、来年度の事業内容の効果的な見直しや、事業実施方法の改善を図ることとし ているところです。  財務省でも、各省に対する予算執行調査を実施していて、例えば今年度調査は、労働 関係では労働災害防止対策事業や、林業雇用改善推進事業について指摘がなされ、それ ぞれ予算の執行の改善を図るとしたところです。そういった取組み、評価をすることに よって、引き続き制度の企画立案、効率的な予算執行に努めていきたいと考えていま す。 ○松井勤労者生活部長  不払残業についてですが、これについてはいろいろとご協力もいただきながら、「賃 金不払残業の解消を図るために講ずべき措置に関する指針」といったものを策定して、 平成16年度から、月間等を設けて、引き続き周知をすることとしています。まず、皆さ んの意識を高めることを着実にやる必要があると思っています。  そのほか、本当に問題だと思う事案については、先ごろ新聞などでも少し取り上げて いただきましたが、東京、大阪などを中心に、有名な企業での不払いがあれば、厳正に 対応していまして、こういうことをしっかり示すことで、我々としては、予算もさるこ とながら、個別の第一線での対応が、関係者の認識を改めるのではないかと考えてお り、しっかりやっていきたいと考えています。  タクシーの地域最賃についてですが、手元に資料がないのでもう少し調べて、個別に お答えさせていただければと思います。以上です。 ○上村職業能力開発局長  今週の初めにも具体的な話を聞かせていただきました。制度が発足して10年になりま すが、技能実習に移行する人間が2万人ほどいます。いろいろな事件も出ているので、 国際研修協力機構が指導員を巡回させていて、平成15年度ですと約5,400社を回って、 問題のあるところについては指導をし、場合によっては文書で出します。それから監督 署に連絡を取ることをやってきています。  賃金の話が出たので、その巡回指導の結果の中で見ると、平成15年度は、割増賃金の 不適正な支払いが62社で、約5,400社の中の1%です。法定の最低賃金額以下の賃金が 18社とか、そういったところが出てきて、指導はしています。先ほど申し上げたよう に、ひどいところについては監督署に連絡を取って、直していただくということでやっ てきています。 ○太田政策統括官  司法制度改革関係の中で、個別労働紛争対策ということで数年来やってきて、年間70 万件くらいの相談件数があり、一定の労使紛争の防止や解決の機能を果たしてきたわけ です。さらに来年度からは、企業内での紛争の自主的解決の促進へ向けた人材育成を図 るということで、労使にご協力いただいて、関係法令や対処方針等について、研修事業 を実施していこうと考えています。  こういう研修事業は、当然個別労働紛争の解決にも役立つわけですが、平成18年度か ら始まる労働審判制度への対応の準備にもなるということで、進めていきたいと思って います。  当然、こういう個別労働紛争、労働審判、司法制度は全部関連している問題ですの で、それぞれのレベルで、司法制度関係、支援センターとも、地域レベルで必要な連携 を取って事業を進めていきたいと考えているところです。 ○草野委員  わかりました。いまの司法支援センターは、私も勉強不足であまり詳しくは知らない のですが、要はワンストップサービスを目指していこうということで、弁護士会が調べ て、山梨県を先行調査したところ、関係団体が200あったそうです。多分東京になれば 2,000を遥かに超える関係団体が出てきて、そこと連携を取りながら、あなたはこの問 題だったらこちらに行きなさい、ここと相談しなさいという形で割り振るのが、理想と 言えば皮肉に聞こえますが、そういうことを目指しているようなのです。そうすると、 労働問題の解決のときにはどこへ行くかということで、いま準備会ができて動いている ようですが、支援センターと十分に連携を取っていただくようにお願いをしたいと思い ます。以上です。 ○西川会長  他にありますか。それでは次に移ります。第2の議題で、「分科会及び部会における 検討状況について」です。事務局から説明をお願いいたします。 ○松井勤労者生活部長  資料No.2をご覧ください。最初の「労働安全衛生法等の一部改正」についてご説明 します。まず、この法案の要綱の審議経過をご説明いたします。6頁をご覧ください。  昨年12月に、労働政策審議会会長から厚生労働大臣宛てに3つの建議がありました。 ここにあるように「今後の労働時間対策について」「労働者災害補償保険制度の改善に ついて」「今後の労働安全衛生対策について」です。それとともに、本年1月に入っ て、「労働保険料率の設定に関する検討会報告書」をいただきました。これらを踏まえ て、関係する法律4本を改正するための要綱を作成して、1月24日から2月3日にかけ て、各分科会及び部会で審議いただき、資料No.2の2頁にあるように、一括して答申 をいただいたところです。  3頁から5頁までに、各分科会あるいは部会からの法律案要綱についての審議結果が 付いていて、これらの審議結果を束ね合わせて、最終答申をいただいています。それぞ れの分科会、あるいは部会でのご意見は、「妥当」あるいは「おおむね妥当」という報 告になっているところです。  次に、それを踏まえての内容ですが、1頁です。まず、この法律案の背景として、一 番上にあるように、企業間競争の激化、働き方の多様化が進む中で、自主的な労働安全 衛生活動の不足に伴う製造業などにおける重大災害の発生があります。また、長時間労 働に伴う健康障害の増加、さらには子育て世代の生活時間の確保の困難化、移動に際し ての保護の拡充が必要な単身赴任者、あるいは複数就業者の増加といった、労働者の生 命、生活にかかわる問題の深刻化が挙がっていました。  こうした問題はその性格上、緊急に対処することが不可欠であることが前提になっ て、先ほど申したように建議、報告書を踏まえて、関係する4つの法律を、関係者の了 解を得ながら改正することとしたものです。  次に、個々の改正のうち、まず労働安全衛生法の一部改正ですが、大きく2つに分か れています。第1点が、安全という観点から整理していますが、危険性・有害性の低減 に向けた事業主の措置の充実です。もう1つは衛生という観点から、過重労働・メンタ ルヘルス対策の充実を図ると整理しています。  まず前者の安全対策については、内容として4点掲げています。1点目で、事業主の 自主的な安全衛生活動の促進です。労働災害の要因となる危険性・有害性についての調 査、そうした危険性・有害性を減らすための措置を事業主の努力義務とするとともに、 こうした一連の措置を適切に実施していると認められる事業主について、大型の機械な どを設置する際の事前の届出義務を免除することにしています。  2点目で、化学物質の容器あるいは包装への表示制度、化学物質の譲渡・提供に当た っての文書交付制度に関して、国連勧告などの内容を踏まえて、その対象として危険性 を有する化学物質を追加するとともに、わかりやすい絵表示を義務づけることとしてい ます。  3点目で、業務の外注化の進展に対応した、発注者などによる請負人への情報の提供 です。一酸化炭素など、危険・有害な化学物質を取り扱う設備の改造や修理等を外注す る事業主などは、請負人に対して必要な情報提供をしなければならないこととします。  4点目で、製造業の元方事業主による作業間の連絡調整などの実施です。製造業にお ける業務の請負が増加する中、元方事業主の労働者と、請負会社の労働者との混在作業 が行われるところで、労働災害が起こるのを防ぐために、元方事業主が作業間の連絡調 整などを行わなければならないとしております。  大きく分かれた2点目として、衛生については、事業主は一定の時間外労働などを行 った労働者に、医師による面接指導を受けさせなければならないこととしています。な お、この一定を超える労働時間については、省令で定めることにしていますが、建議を 踏まえて月100時間とする予定です。  2つ目の法改正として、労働者災害補償保険法の一部改正です。これは近年複数就業 者と単身赴任者数が増加している中、現行の通勤災害保険制度において対象とされてい ない、複数就業者の第1の事業場から第2の事業場への移動、あるいは単身赴任者の赴 任先住居と帰省先住居間との移動を新たに対象とするものです。  3つ目の法改正として、労働保険の保険料の徴収等に関する法律です。これは、近年 建設業における災害の発生状況が、継続して行う事業のメリット幅を現行の40%とし た、昭和55年当時の全産業の水準と同じか、それを下回るくらい良好なものになってい ることに鑑みまして、有期、とりわけ建設業にかかわりますが、こういった事業にかか わるメリット増減幅を継続事業と同じように、現行の35%から40%に拡大するもので す。  4点目で、労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法の改正です。これは、我が国に おける労働時間について、「年間総実労働時間1,800時間」を全労働者一律の政府目標 として掲げて、労働時間の短縮を促進するという従来の方法から、個々の労働者に着目 して、その健康や生活に配慮した働き方ができるようにするため、労働時間の設定改善 を推進する方法に改めるためのものです。内容としては、法律の題名を改めること、国 が閣議決定をもって策定することとしてきた労働時間短縮推進計画を、事業主が責務に 適切に対処するために、厚生労働大臣が定める指針に改める。さらには労働時間短縮推 進委員会を替えて、労働時間等設定改善委員会の設置を促すことにすることです。そし て、同時に、公益法人改革の観点から、指定法人である労働時間短縮支援センターを廃 止するものになっています。  なお、この労働安全衛生法等の一部を改正する法律案に関しては、明日の閣議決定を 予定して作業を進めているところです。以上です。 ○大石職業安定局次長  続きまして、職業安定局関係の法律案についてご説明します。資料No.2の7頁です。 まず、「建設労働者の雇用の改善等に関する法律の一部を改正する法律案」です。建設 業は、建設投資が急激に落ち込む中で、非常に厳しい状況に置かれていて、労働者の雇 用も非常に不安定化をするおそれがあります。将来に向けて、技能労働者をきちんと保 持していくことも重要な課題です。一方、建設業においては、労働者派遣事業、あるい は有料職業紹介事業は、歴史的にいろいろな経緯等もあって認められていません。そう した中で、一定のきちんとした管理の下に、労働者の融通ができるようにしようという のが、今回の法律の基本的な中身です。  7頁の表でいくと、真ん中部分に「実施計画の作成」とありますが、建設業の事業主 団体に、建設現場労働者の雇用の改善、あるいは能力開発等に関する基本的な措置等の 計画をきちんと立てていただいて、そうしたものを厚生労働大臣が認定します。その上 に立って、例えば、下の欄の右側の「建設業務労働者就業機会確保事業」、これが労働 者の融通事業で、事業主団体の傘下の各企業、各事業主の間でできるようにしようとい うものです。その場合においても、各企業、各事業主が、この建設業務労働者就業機会 確保事業を実施するに当たって、大臣の許可を取っていただくという中身です。  この許可を得ると、自分の抱えている常用労働者を、認定を受けた事業主団体の傘下 の別の事業主に、一時的に仕事のないときに労働者を送り出そうという中身です。これ を認めようというものです。それから、いちばん下の左側ですが、事業主団体が有料職 業紹介を行うことができるということで、こういった形のものをつくっていこうという 中味でございます。  8頁に、この法律案要綱に関する審議の経過が出ております。昨年の8月から職業安 定分科会として、主にその下部機関であります基本問題部会、建設労働専門委員会にお きまして、建設業における新たな需給調整システムの在り方を中心に新たな建設労働対 策について議論され、「新たな建設労働対策について」という報告を取りまとめていた だきました。厚生労働省におきまして、この報告書を踏まえて、建設労働者の雇用の改 善等に関する法律の一部改正法案要綱といったものを取りまとめまして、それを1月17 日に労働政策審議会に諮問し、21日に「おおむね妥当」というご答申をいただいたとこ ろです。その後、この答申の趣旨に沿いまして本法律案を作成し、先月の2月10日、本 法律案が閣議決定され、国会に提出させていただいたところです。  次に9頁、「障害者の雇用促進等に関する法律の一部改正法案」についてご説明いた します。障害者の社会参加、就業機会の拡大を更に図っていこうという中身です。大き く中身は3点に分かれております。  まず「改正の主な内容」という所に書いてありますが、1番の「精神障害者に対する 雇用対策の強化」ということで、精神障害者を雇用率の算定に当たってカウントしてい こうという内容です。その結果、障害者雇用納付金制度におきましても、それを適用し ていくということになるわけです。ただ、いわゆる全体の1.8%という法定雇用率は変 えずに、いわば精神障害者を雇用していただくということに、インセンティブを与えて いこうという中身になっております。  それから、2番目ですが、「在宅就業障害者に対する支援」ということです。なかな か外に出ていけず、自宅等で仕事をしている障害者の方も大勢おられます。特にIT技 術の発展等によって、そうした分野も広がっているわけですが、そうした人たちの仕事 が増えますように、障害者に仕事を発注する事業主につきましても、雇用納付金制度に おいて特例調整金等の支給を行おうというものです。  また、下の○ですが、直接障害者ご自身というのはなかなかマッチングの点で難しい 場合もあるわけで、間にそういったものをサポートしていこうという団体がある場合、 きちんとした団体であれば、そこの団体を介在した場合であっても同様の措置を取ろう という中身です。  それから、3番目ですが、国、地方公共団体は、障害者福祉施策といわゆる雇用施策 との連携をきちっと取っていこうという、こういう中身です。障害者福祉施策との有機 的な連携は非常に重要で、そうしたものをきちっと、ある程度理念的な部分もあります が、法律上も位置づけてやっていこうということです。その他といたしまして、ジョブ コーチによる援助を行うことに対する助成金の創設等を含んでいます。  この法律案についての審議経過ですが、10頁です。今年の1月21日、労働政策審議会 に諮問し、答申をいただいたわけですが、昨年、非常に一生懸命議論していただきまし た。下に参考で書いてありますが、昨年の12月15日に、障害者雇用分科会から、「今後 の障害者雇用施策の充実強化について」という意見書を取りまとめていただきました。 これも先ほどの建設関係の法案と同様に、2月10日に閣議決定して国会に提出させてい ただきました。以上です。 ○西川会長  以上、労働安全衛生法等、建設労働者の雇用改善、障害者の雇用促進、いずれも法律 の一部改正となります。これについて何かご質問なりご意見はございますか。 ○古賀委員  資料でいきますと、1頁目の労働安全衛生法の一部改正の中の(1)の(4)、製造業 における元方事業者の対応について、少し意見を申し述べたいと思います。先ほど提起 がございましたし、もうよく皆様方ご存じのように、製造業において業務請負が増加を しております。中でも、派遣労働と同様な、いわゆる擬似請負みたいな実態もあるわけ です。そのことも影響しまして、業務請負の中には、労働安全衛生の管理を適切に行っ ていない所、あるいは安全衛生教育も十分でない所、またはその教育をする人材や能力 もいないという所も多くあるのが現実だと思います。すでに多様な雇用形態の労働者が 混在する職場で、重大な労災死亡事故も起こっているわけです。  このような実態から、今回の改正は、現状からの一歩前進であるというふうに評価は しておりますが、これで果たして十分だろうかという疑問もあるわけです。元方事業者 の安全衛生管理の責任というのはどうなっているかとか、あるいは作業間の連絡調整を 行うこととするというのは、具体的にどんなシステムで行うかというようなこともある わけです。改正法の具体的な運用の中で、また更に今後の法改正を検討する中で、元 方、請負、それぞれのこの面に関する責任や役割を明確にして、それに対する仕組みや システムを整備する必要があるのではないかと考えておりますので、そのことを意見提 起しておきたいと思います。 ○松井勤労者生活部長  ただいまのご意見に関しましては、この労働安全衛生法の改正の際にも、問題意識を 持って議論していただいた点ではないかと思っています。そういう意味では、実態把握 に関してそれほどずれはない所でありますが、ここでご提案させていただいています法 律内容は、昨年の9月から分科会の中でご議論いただき、公労使一致で「妥当」という ご判断をいただいたことを、まずしっかり押さえておきたいと、現段階で思っておりま す。  そして、特に製造業につきましては、いま言われたような状況ではありますが、実は 元方事業主のしっかりした責任体系を取っております建設業と比較しますと、業務の内 容あるいは作業の内容というものが、日々変わるということはそれほどないのではない か、すなわち、元方と下請が別の作業所ラインで作業することが多く、1つの所で複数 の作業が輻湊する頻度はそれほど高くないのではないかと思います。あるいは、もとも と建設業に比べて、下請事業者になる方が少ないといった状況を踏まえたという経緯が ありました。  それと、更には、実際起こった災害事例などを見ますと、1つの作業所の中で、フォ ークリフトと台車が衝突して死亡事故につながるとか、機械の修理中、別の指揮命令系 統に属する者が知らずに作動スイッチを入れて死亡事故が起こるとかいった、ある意味 ではとても単純な事故という分析が出ております。  今回措置すべきものは、ある意味では労使の一致を得てやろうということでスタート しました。今回の改正内容は、関係者の了解が得られるところで現状の実態分析を踏ま えて、まずはできるところからやっていこうという考え方のもとに、措置させていただ くものと考えております。したがって、おっしゃいましたように、今後の運用というも のを見ながら、更に改善していくべきものがあればそれを行うという構えで、まずもっ て今回の改正内容を確実に実施させていただくということで、対応したいと思っており ます。 ○西川会長  ほかにいかがでしょうか。 ○笹岡委員  労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法の一部改正について、意見を申し上げたい と思います。連合はこの労働条件分科会を通じまして、この法律の一部改正に対し、5 つの主張をしてまいりました。  まず第1点目は、今年の3月末で期限が切れる時短促進法について、継続すべきであ る。2点目は、年間総労働時間1,800時間の政府目標は堅持すべきである。3点目は、 過労とかストレス対策、それから、少子化対策などの回復には、長時間労働対策の強化 が必要である。4点目は、労働時間などの設定の改善を図る労使委員会を設置して、衛 生委員会の活用について例外的な扱いに限定すべきではないか。5点目は、割増賃金を 引き上げるとともに、法定労働時間の特例、あるいは特別条項の在り方について見直す べきであると、こういう主張を繰り返し行ってまいりました。  併せて、昨年12月17日ですが、この法律の改正に伴います分科会の報告について、連 合としての談話を発表しております。とりわけ、一般労働者の労働時間の現状につきま しては、平成10年に1,984時間まで減少してきたわけですが、平成16年は2,021時間とい うことで、6年間で37時間増加をしているわけです。労働者の健康や仕事と生活の調和 というものへの影響が懸念されております。労働時間問題は労使の課題でありまして、 年間総労働時間1,800時間、これは引き続き政府も目標として掲げるべきだと、このよ うに主張したいと思います。明日、閣議決定されるというお話を聞きましたが、是非、 時間はありませんが、そういった主張を再度申し上げておきたいと、このように思って おります。 ○松井勤労者生活部長  いま言われました5つの主張というものも、確かに議論の過程で労働側の代表から主 張された項目であるということは存じておりますが、我々の対応としては、最終的に建 議いただきました内容、これはそういった労働側の主張も当然踏まえながら、一方では 使用者側のご意見も十分加味していただいて、やはり双方関係者が全会一致して取りま とめられた内容、それを建議という形で整理し、それを踏まえていま処理させていただ いているということを、是非とも確認いただきたいと思っております。  そんな中で、時限立法を継続扱いにするということは、まさにそのとおりになってお ります。1,800時間についてちょっと後から申しますが、過労・ストレス対策というも のも、今申しました労働安全衛生法の改正等で相当程度取り込んでいる。そして、労働 時間の設定改善委員会についての衛生委員会等との兼ね合いにつきましては、そういっ た労働時間に関する委員会などがない場合において積極的に衛生委員会等を活用する と、こういう位置づけをして、意見を加味していると思います。また、最後の割増賃金 等の話につきましては、もう一方で、こういった経済状況下の中で、直ちには難しいと いうふうなご意見もありましたので、いわば両論併記する形で引き続きという処理をさ せていただいていることかと思います。  特に2点目の1,800時間の話でありますが、これについてはまさにこの法律改正の象 徴的なテーマでありまして、いろいろなご議論があり得ると思います。この1,800時間 という目標そのもの、これは時短法に基づく現行の時短推進計画、これに定められてお りまして、いわば考え方として、全労働者を一律の目標として、政府が推進するという 位置づけできておりました。  先ほど言われたような一般労働者の数値もあるわけですが、全体を平均いたします と、例えば平成3年の2,016時間というものが、平成16年では1,840時間という形で、ま さに1,800というものに相当近づいてきており、一定の成果を上げております。という ことは、全労働者一律の目標を掲げて労働時間を縮めるという労働時間政策の手法は、 一定の成果があったというのは間違いなく言えるのですが、この実態を少し分析してま いりますと、短時間労働者も入れてわり算しているということの結果が、ある意味では 組み込まれております。  そうしますと、ここでいう短時間労働者の方には、週35時間未満といった方を当然入 れておりますので、そういった方まで入れる数値目標というやり方が、いいのだろうか ということはご議論いただいて、それについては、労使間違いなく、どうも時宜に合わ なくなっているなということで合意いただいたと思っております。ただ、労働側のご意 見としては、そうであったとしても、いわば一般労働者についての目標というものに は、なお意義があるのではないかというご意見があったのは事実です。  一方で、使用者サイドでは、いわば多様化していく働き方の中で、数値目標を掲げて やる時間対策というものが効果的なのだろうかというご意見もございました。そういっ たことから、今後のいわば目標を掲げて対応を考えていくというやり方については、改 正法に基づく指針という枠組みを作っておりますので、その指針策定の際に、目標の要 否あるいは内容を個別に検討していこうという手続論ではまさに合意いただいておりま すので、今後しっかりご議論いただけるのではないかなというふうに思っております。 そういう整理ですので、この法案が成立した後の議論をお願いしたいと思っています。 ○西川会長  ほかにご意見はございませんでしょうか。お手元に資料の3と4が配られているので すが、これについては、ご覧いただいて、参考資料ということでしょうか。それでよろ しいですね。 ○岡本委員  いまご説明いただいた法案以外の、参考で配っていただきましたそのほかの法律の省 令などについて、ちょっと一言申し上げたいのです。育児・介護休業法についてです が、今回4月から育児・介護休業法が改正されて施行がされます。この今回の改正の中 で、雇用期間労働者、一定の条件はありましたが、その育児休職の取得が可能となった ということについて、大変大きな進歩、前進だというふうに思います。しかし、法律の 適用条件と育児休業給付金の適用条件が違うということについては、分科会でも相当議 論があったのですが、私どもとしてはやはり納得ができません。  厚生労働省の試算によれば、期間雇用者の育児休職の利用者は1万人が見込まれ、片 や給付受給者は2,500人という試算がなされています。つまり育児休職をしつくしても、 休業給付が適用されない人のほうが多いということになります。せっかく期間労働者に も適用の拡大をしたのに、更に期間の違いで差別をするということですから、制度とし ては問題だというふうに思います。  期間雇用者についても、安心して休業制度が利用できるようにするのが法の趣旨であ り、省令指針であるはずです。適用条件が違ったのは、雇用保険の財源的な問題だとい うふうに伺っております。雇用保険部会での議論は財政的な問題が中心となり、雇用均 等分科会では、より適用範囲を拡大し、取得しやすい制度、環境を目指しました。その 結果が適用の違いという、少なくとも雇用均等分科会では想定し得なかった結論でし た。施策の統一性が欠けていると言わざるを得ません。  審議会の在り方ということも、検討しなくてはいけないと私も思いますが、大局的に 期間雇用の労働条件などを議論する場というのが必要だと思いますし、育児休業を利用 しやすい環境の整備を行うべきだと思います。また、雇用保険部会でも議論があったと 伺っておりますが、その財源的な問題があるということであれば、このまま雇用保険に よる給付でいいのか。むしろ少子化対策という国をあげての基本方針のもと、一般財源 など、ほかの給付の在り方というものも検討しなければいけないのではないかというこ とを、この場で申し上げておきたいと思います。 ○西川会長  ほかには。 ○草野委員  その他でよろしいですか。 ○西川会長  はい、結構です。 ○草野委員  前にも申し上げたと思うのですが、この労働政策審議会の在り方について、今日は清 家先生がおられますが、前回だったと思いますが、樋口先生から問題提起があって、私 もそういうふうなことがいいだろうと思いました。たしか矢野委員のほうもご賛同いた だいたと思いますが、やはりいま、いくつか出ておりますように、働き方がもう様変わ りをしている世の中になってきて、従来に比べますと、いろいろな問題が出てきている と思うのです。  そういう意味で、やはりこの労働政策審議会は、各分科会や部会でそれぞれの専門家 の方が議論していただいて、それはそれでいいのですが、そこから上がってきたものだ けを追承認するみたいな形ではなくて、本当にそれぞれの分科会あるいは部会に跨るよ うな問題も含めて、少ししっかりとした議論ができるような場にしていくことは、いま いちばん大事なことではないかと思いますので、是非座長を含めて、事務局の早急な対 応をお願いしたいと思っております。 ○矢野委員  2点申し上げたいと思います。1点目は、いま草野さんが言われたことでして、やは り分科会や部会に委ねたテーマは、その結論を待てばいいと思いますが、より横断的な 課題について各委員で自由にディスカッションするということで、共通の認識を得ると いうことができてまいりますから、大事なことだと思っています。この会議も皆さんお 忙しい方ばかりが集まるのですが、割合間近になって決まるものですから、なるべく早 めに決めておけば、多くの方々が参加されて、見識を披瀝していただけるのではないか と思います。是非、内容と日程、運営についてのご配慮をお願いしたいと思います。  2点目は、実は失業率がだいぶ改善方向に動いておりまして、完全失業者が270〜280 万人ということになってきたわけです。大変動きとしてはいい方向にいっていると思う のですが、一方、若者対策ということでやっておりますフリーター、これは200万人と か400万人とか言われるわけです。ニートが50万人、大体匹敵する人数です。あるいは、 場合によってはそれを100万も200万も超える、いわば失業者予備軍みたいな人たちがい るわけです。  確かに、定義からいうと失業者ではないのですが、フリーターの中には失業者も入っ ていると思います。これはやはり、完全失業者が270万人になってよかった、というこ とにはならないのではないかと思うのです。統計の取り方とか、失業率の定義の仕方に もよるのですが、それも検討に値するテーマだと私は思うのです。やはり毎月1遍雇用 情勢の報告がございますが、あの中にフリーターとかニートの問題を取り上げて、少な くともそれを付記して、状況分析をデータ化するようなことがいいのではないかと思う のです。やはり少子化もそうですが、若者の問題はこれから非常に大事になってきま す。私ども経済界としても、是非この問題に本格的に取り組みたいと思っておりますの で、そういう統計の面でも、取り扱いについてご検討いただければと思っております。 ○太田政策統括官  まず1点目の本審議会の在り方ですが、前回の会議でも、公労使各側から、それぞれ その在り方につきまして、特に労働政策全体についていろいろな構造変化がある中で、 横断的な議論を行うべきではないかというご意見をいただきました。私どももそういう ご意見を踏まえて、会長ともご相談をさせていただいているところです。例えば来年度 から本審の開催時期とか、回数の見直しなどもさせていただこうと考えているところで す。具体的には、例年の開催に加えまして、夏ごろに、従来なかった本審を開催させて いただく。そういう意味で、いろんな大所高所からご議論をいただいて、予算要求なり 施策制度に反映させていただくようなこと。  それから、もう1つは、秋ごろに公益委員懇談会を開催して、公益の方々、それぞれ の分科会の会長もしていただいていますので、少し幅広な横断的なご議論をいただくこ とも考えております。そういう形で少し大所高所からの幅広いご議論をお願いしたいと 思いますので、なお一層のご理解とご協力をお願いしたいと思っております。  それから、統計の点ですが、これは基本的には、失業率なり労働力調査、総務省の統 計ですので、私どももちょっとよく総務省とも相談させていただきたいと思っています が、基本的な失業者の考え方は、一定の定義に従って、統計資料で時系列的にやってき ているものでありまして、それをどう考えていくか。見直すものは見直していくという ことだと思いますが、一定の時系列で見てきた統計数字の重要性ということ、あるいは 国際比較の観点もありますので、十分総務省ともご相談させていただきたいと思ってお ります。  あと、フリーターとかニート、先ほど来ご議論がございましたように、その実態把握 というのは大変重要な課題です。私ども、労働調査の中で、そのフリーターやニートを 分析して、例えば217万人なり52万人という数字を出しているところですが、毎月とれ るかどうかというのは、ちょっとまた総務省なり労働調査でよく検討しまして、できる 限りその実態把握ができるような形にさせていただきたいと思っております。しかし、 何分統計調査の観点ですので、いろいろな要素がありますから、そういうことも含め て、よく検討させていただきたいと思っております。 ○岡本委員  休業給付の在り方について、もしいま何かお考えがあるようでしたらお聞かせいただ きたいのですが。 ○大石職業安定局次長  育児休業給付は雇用保険体系の中で、継続給付、雇用を継続するための給付という形 で位置づけられているわけです。ですから、有期労働者でも、その後も引き続き働く見 込みがあるという方について、その人たちがきちんとその後仕事を続けられるようにと いう趣旨でございますので、そういった観点から、私どもとしてはどういったふうな要 件にするかということを決めたわけです。もちろんその事業主の方々が、雇用の見込み というのを、雇用し続けなければいけないというふうにかえって思ってしまうと、そう いうことを言ってくれないと、かえって働く人にとって、不利になるということもある ので、そういった現実の運用の仕方については、本来もらえる方がもらえなくなるとい うことのないようにするという工夫はしていきたいと思っています。いわゆる雇用継続 給付としての今回の給付という点について、趣旨はご理解いただきたいと思います。 ○岡本委員  今後について伺いたいのですが。 ○北井審議官  今度の有期雇用者に対する育児休業の拡大の要件と育児休業給付の要件が、それぞれ の理由で齟齬が出たというのは、いま岡本委員からのご指摘のとおりでして、それなら ば、むしろ雇用保険の育児休業給付制度ではなく、新たな制度を検討すべきではないか というご意見が出たのも事実であります。その点について、では直ちに、今後の近い将 来において、何か具体化をしているかと言われれば、まだそういうことにはなっており ません。  ただ、この資料3の「子ども・子育て応援プラン」、これが昨年の12月24日に、少子 化社会対策会議、これは全閣僚が参加している会議ですが、これで決定されておりま す。このプランのいちばん最後、27頁をご覧いただきたいと思いますが、検討課題とい うことで、このプランにおきましては、若者の自立の問題から、働き方の見直し、それ から、地域が連帯した子育て支援サービス等が含まれておりますが、さまざまな意見の 中で、いちばん十分でないと言われたのが、この経済的な支援の問題であります。  そこは、なかなかこの少子化大綱に基づく5年間の計画では、まだ具体化した内容が 書けないので、検討課題という位置づけで書いてあります。これをご覧いただきます と、社会保障給付については、大きな比重を占める高齢者関係給付を見直して、これを 支える若い世代の負担増を押さえるとともに、幅広く次世代育成支援の推進を図る。こ のような趣旨と、併せて、いちばん最後の後段ですが、「地域や家族の多様な子育て支 援、働き方に関わる施策、児童手当等の経済的支援など多岐にわたる次世代育成支援施 策について、総合的かつ効率的な視点に立って、その在り方等を幅広く検討する」とさ れたところです。これが検討課題という位置づけになっておりますから、いまのような ご指摘の点も含めて、こうした課題について、大きな視点で検討を進めることが重要で はないかというふうに考えております。 ○西川会長  今後知恵を出し合っていかないといけない問題だと思います。大体時間がまいりまし て、これで本日は審議会を終わりたいと思いますが、ちょうど本日は、現在のメンバー で行う最後の審議会です。戸苅事務次官からご挨拶があります。よろしくお願いしま す。 ○戸苅事務次官  本日は活発なご審議をいただき、ありがとうございました。いま西川会長からお話が ございましたが、おそらく本日が、いまの委員の先生方の最後の審議会ということにな るのではないかと思います。4月10日で任期満了ということでございますので、機会を 逸してはあれなものですから、一言お礼を申し上げたいと思います。  この審議会は、省庁統合前は各局ごとに審議会を設けていたわけですが、省庁の再編 の中で、平成13年1月に、労働政策審議会ということで各審議会が統合いたしまして、 ある意味では労働政策にとって唯一の審議会ということで、非常に重い審議会であるわ けです。西川会長におかれましては、審議会発足以来4年余りでございますが、会長と して審議会の運営、それから、私ども事務局に対するご指導をいただきまして、大変あ りがとうございました。おかげさまでこの間、労働基準法の改正、あるいは雇用保険 法、先ほどちょっと矢野委員からもありましたが、財政建て直しのための改正、それか ら、労働者派遣法の改正、高齢法の改正、いろいろ改正法案はあったわけですが、数多 くの重要な施策の実現にご尽力をいただきました。更に申し上げると、労働省時代から さまざまな場面でご指導いただいてきたところでして、重ねて心からお礼申し上げたい と思う次第です。  今回で審議会の委員を退任されます公益代表は、櫻井委員、保原委員、本日ご欠席で すが若菜委員、使用者代表の安西委員、津田委員、本日ご欠席ですが寺田委員、樋口委 員がご退任ということです。雇用情勢が非常に厳しい中、働き方も多様化するというこ とで、労働政策は大きく転換する時期に、先生方には大変お世話になりまして、厚くお 礼を申し上げたいと思う次第です。退任される先生方の今後ますますのご活躍、それか ら、引き続き労働行政に対するご指導、ご支援をよろしくお願い申し上げたいと思いま す。  4月10日以降もまた委員をお願いする先生方は多いわけですが、我々としても、働く 人たち、あるいは中小企業の事業主の方々が、安心して安全に日々が過ごせるようにと いうことで、労働政策の推進に努力してまいりたいと思いますので、引き続きよろしく ご指導をお願いしたいと思います。この機会でございますので、一言お礼を申し上げさ せていただきました。どうもありがとうございました。 ○西川会長  どうもありがとうございました。私は最後に1つだけジョブが残っております。本日 の議事録は、審議会の運営規定第6条により、会長と、ほか2人の委員に署名をいただ くことになっております。つきましては、古賀委員と津田委員にそれぞれ署名人になっ ていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。それでは本日の会議は以 上で終了いたします。ありがとうございました。    照会先 政策統括官付労働政策担当参事官室         総務係 内線 7717