05/03/02 中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会平成１７年３月２日議事録


０５／３／２　中央社会保険医療協議会
　　　　　　　　　第５５回診療報酬基本問題小委員会議事録

(1)日時　　平成１７年３月２日（水）１１：００～１１：３０
(2)場所　　厚生労働省専用第１８会議室
(3)出席者　星野進保会長　村田幸子委員　土田武史委員
　　　　　 対馬忠明委員　小島茂委員　宗岡広太郎委員　松浦稔明委員
　　　　　 櫻井秀也委員（代　野中）　松原謙二委員　黒﨑紀正委員　漆畑稔委員
　　　　　 岡谷恵子専門委員
　　　　　 ＜事務局＞
　　　　　 中島審議官　麦谷医療課長　二川医政局経済課長　他
(4)議題　　○医薬品及び医療用具に係る特定療養費制度について
　　　　　 ○療養の給付と直接関係のないサービス等について
　　　　　 ○先進医療への対応について
　　　　　 ○制限回数を超える医療行為について
(5)議事内容

○星野小委員長
　おはようございます。
　ただいまより、第５５回中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会を開催い
たします。
　まず、委員の出欠状況について報告します。本日は、櫻井委員の代理として野中さん
がお見えです。
　なお、保険局長は、公務のため遅れるまたは欠席させていただく旨の連絡を受けてお
ります。
　本日は、１月２６日の総会において、いわゆる「混合診療」問題に係る主な課題につ
いて、当小委員会において議論することとされていることを踏まえ、前回の小委員会に
引き続き、「医薬品及び医療用具に係る特定療養費制度」等について議論するほか、新
たに「先進医療への対応」及び「制限回数を超える医療行為等」についても議論を開始
することとしたいと思います。
　それでは、議事に入らさせていただきます。
　まず、「医薬品及び医療用具に係る特定療養費制度」について議題としたいと思いま
す。
　前回の議論を踏まえまして、事務局より制度の見直し案に係る資料が提出されており
ますので、説明をお願いします。よろしく。

○事務局（赤川薬剤管理官）
　それでは、資料、中医協診－１－１及び診－１－２でございますけれども、診－１－
２の参考資料につきましては、前回、前々回と内容は同じでございますので、説明は省
略させていただきます。
　それでは、診－１－１に基づいて説明させていただきます。「医薬品及び医療用具に
係る特定療養費制度について（案）」でございますが、「１　医薬品に係る特定療養費
制度について」でございます。これまでの議論の御確認ということでございますが、ま
ず１つ目の丸でございますけれども、「医師主導の治験の枠組みの中で患者に未承認薬
の使用機会が提供されるに際し、治験医師・医療機関の経済的負担を軽減し、治験が円
滑に実施されるようにするため、医師主導の治験について、保険給付の範囲を拡大す
る。」。具体的には、検査及び画像診断について、保険給付の対象とするということで
ございます。
　具体的な改正案の内容でございますけれども、そこに「現行」と「改正案」を対比い
たしましてお示ししているところでございますけれども、ちょっとわかりにくいかと思
いますので、御説明申し上げますと、「現行」、左でございますけれども、「医薬品の
治験に係る診療のうち、検査、画像診断、投薬及び注射に係る診療を行わないもの」と
みなして点数表に基づいて算定するという趣旨でございます。したがいまして、除外の
内容がここに記載されているということでございます。また、「現行」の中に書いてあ
りますこの括弧書きでございますけれども、「投薬及び注射に係る診療にあっては」と
いうことで、ここでは、治験の対象とされる薬物、すなわち被験薬というふうに称して
おりますけれども、それのみならず、これと同様の効能または効果を有する医薬品、す
なわち比較試験における対照薬というようなものに係るその診療に限って給付外という
ものとするということを明示しているものでございます。
　それで、これに対しまして「改正案」でございますけれども、ただし書きをつけ加え
るという形で、「医師主導の医薬品の治験に係る診療にあっては、治験に係る診療のう
ち、投薬及び注射に係る診療を行わないもの」ということで規定させていただいており
ます。すなわち、医師主導の治験にあっては、検査及び画像診断については給付の範囲
内にあるということでございます。
　以上、これは告示等の一部改正を行うというものになるということでございます。
　それから、次の丸でございますけれども、「医師主導の治験において、治験医師が患
者に薬剤料等の費用負担を求めることは特に禁止されていないが、このことを明確化す
る。」と。「併せて、医師主導の治験において患者に薬剤料等の費用負担を求めるに当
たっては、料金が不当に高くならないよう、以下の措置を講じる。」。措置の内容につ
きましては、以下３つございます。１つは、「患者から薬剤料等の特別の料金を徴収す
るに当たっては、患者に対し、当該徴収額を文書で提示する。」、それから１ページお
めくりいただきまして、「特別の料金の内容を定め、又は変更しようとする場合には、
治験実施医療機関から社会保険事務局長に、その都度報告させる。」、それから３つ目
につきましては、「特別の料金については、社会的にみて妥当適切な範囲の額とするこ
と」、こういうことを医療課長通知でもって書かせていただくということでございま
す。
　以上、平成１６年度中に措置するというふうに私ども公約させていただいているもの
でございますので、よろしく御審議いただきたいと存じます。

○事務局（中村企画官）
　引き続きまして、同じ資料の２ページ、「医療用具に係る特定療養費制度」につきま
して御説明をさせていただきます。
　資料の診－１－２、横長の資料もあわせてごらんいただいた方がわかりやすいかと思
います。９ページをごらんいただければと思います。ただ今御説明ありました医薬品と
同じように、この医療用具につきましても、医師主導の治験につきまして、現行では保
険給付外となっております手術等の前後１週間の検査、画像に係る診療を、保険給付の
対象として見直すこととしますと、診－１－１の２ページの「現行」のところにござい
ます、これが、医薬品と同様、除外規定になっておりますが、この除外規定を「改正案
」では外すということになるものでございます。現行の規定、非常に細かく長く書いて
あって、同じようにわかりにくいところがございますけれども、診－１－２の９ページ
の図をごらんいただきますと、今給付外となっております検査、画像診断、手術等の前
後１週間に行われたものと、ここが給付の対象になるという措置でございます。ちなみ
に、「手術等」というところについて少し触れさせていただきますと、例えば、先ほど
の「現行」の３行目から、「医療用具を使用した処置若しくは手術又は歯冠修復及び欠
損補綴」という記載がございますが、ここを「手術等」というふうにまとめているとこ
ろでございます。
　次に、診－１－１の３ページをごらんいただきたいと思います。１つ目の丸でござい
ますけれども、ここも医薬品と同様に、医療材料に係る費用負担を求めることは特に禁
止されていないことを明確化するとともに、その費用負担が不当に高くならないような
措置を明示するものでございます。３点、同じように記載をしてございます。
　それと、その下の丸になりますが、診－１－２の１０ページをごらんいただきたいと
思います。医薬品と医療用具の比較の図でございます。下の医療用具の図の網掛けにな
っております薬事法承認後、保険適用前の部分につきまして、医療用具についても特定
療養費制度の対象とするということでございます。ここは今規定がございませんので、
診－１－１をごらんいただきたいと思いますけれども、「現行」は白紙になっておりま
すが、「改正案」では、ここを特定療養費の対象とするということで明示するというも
のでございます。
　以上でございます。

○星野小委員長
　どうもありがとうございました。
　それでは、ただいまの説明につきまして何か御質問、御意見等がありましたら、どう
ぞ。

○対馬委員
　前回、議論させていただきまして、主として医薬品についての議論をさせていただい
たというふうに思います。それで、私どもとしても大分議論している中において、医師
主導型の治験について、１つは治療的であるということと、あと私としては、この画像
診断でありますとか検査というのは、この治験と密接不可分なのではないのかと、一体
的なものではないのかという質問、意見を申し上げたのですけれども、いや、そうでは
ないと、通常の治療と治験にかかわるそういった検査であるとか画像診断というのはな
かなか区別がつきにくいのだと、したがって、今回はそれらを含めて保険適用にするの
だと、こういった説明で、ああ、そういうことかというふうに思ったのですけれども、
今医療用具で改めてこう見させていただきますと、先ほどの参考資料の９ページで見ま
すと、医療用具については、検査、画像診断と、今でも保険適用になっているところが
左側に書いてあるわけですね。今保険適用になっていないところがちょうど真ん中あた
りにありまして、検査、画像診断、これは手術などの前後１週間に行われたものという
ことは、つまり、この治験に極めて密接不可分であると、一体的であるということなの
で、やはりこれは保険給付外になっている、こういう理解なのではないのかなと、改め
て今の説明を受けるとそう聞こえるわけですけれども、そうしますと、それらをまた左
側の保険の方に入れるということになりますと、医薬品で議論した議論と、この医療用
具を含めて議論すると、ちょっと違うのかなという感じがするのですけれども、このあ
たり、医薬品と医療用具は違うのかどうか、事務局としてはどう考えているのか、そこ
をお伺いしたいというふうに思います。

○事務局（中村企画官）
　御説明をさせていただきます。
　今御指摘のように、この検査、画像診断につきまして、実務的な問題もありまして、
例えば医薬品については、医薬品を投与している期間内に行われる検査、画像診断につ
いては治験に特化されたものと整理し、医療用具につきましては、前後１週間の検査、
画像診断について治験に特化されたものと、便宜上整理しております。これは言いかえ
れば、実際には、治験期間以外にも、仮に治験によって発生するかもしれない検査、画
像診断の必要性があったとしても保険請求できるという整理をしたものでございます。
例えば、心疾患でＰＴＣＡ、冠動脈の狭窄を拡張するような医療用具がございます。そ
の手術の前後の検査、画像診断により、大まかなＰＴＣＡの効果判定は行うわけでござ
いますけれども、一月後または三月後の検査、画像診断について、治療的側面だけでな
くて、やはり医療用具の効果判定の側面もあるわけでありまして、ここは１週間前後が
効果判定の側面、それ以降は治療的側面というのはなかなか明確に区別できないという
点では、医薬品の説明と共通しているというふうに考えております。これまで便宜上、
手術または処置等を行った場合、その前後１週間を治験に特化したものと整理していた
ものでございますけれども、一方で、治療的側面も少なからず持つものであるというこ
とで、御理解を、便宜上、治療関連とみなしていたということでございます。
　御案内のように、医師主導の治験を促進するという観点から、医療用具の場合も、そ
の治療的側面も含まれる前後１週間の検査、画像診断についても給付対象としてはどう
かということでございます。
　以上でございます。

○対馬委員
　ちょっとくどいようで申し訳ありませんけれども、ということは、この手術の前後１
週間の中に行われたものの中にも、これは恐らく比重というよりはむしろこの治験にか
かわる要素というのは非常に大きいのだろうという感じはしますけれども、この中にも
一部、逆に言うと、通常の治療に関連するところもある、こういう理解になりますか。

○事務局（中村企画官）
　御指摘のとおりでございます。

○対馬委員
　そうですか。
　前回、この医療用具と、その医薬品を含めてちょっと議論すればよろしかったかもし
れませんけれども、医薬品について、前回そういったことを申し上げて、また今のお話
ですと、ちょっと腑に落ちないところも一部なくはないのですけれども、逆に医薬品の
検査、画像診断は保険に入れて、この医療用具の検査、画像の前後１週間というところ
だけ外すと、入れないというのも、また逆にわかりにくいということもあると思います
ので、反対はいたしませんけれども、ただ、こういったことを見るにつけ、前回も申し
上げましたけれども、きちんと報告なりをしていただきまして、それでもって私どもと
しても意見を申し上げる場を持ちたいと、こういうふうに思いますので、よろしくお願
いしたいということが１点です。
　あと、支払側の方で打ち合わせも行いまして、今日この医薬品、医療用具を含めてで
すけれども、医薬品に係るいわゆる特定療養費制度については了解いたしたいというこ
とでございますので、これもあわせて御報告申し上げておきたいというふうに思いま
す。

○星野小委員長
　ほかにございませんか。

○小島委員
　今回の医師主導の治験に伴う検査なり画像診断については、医療保険で給付すること
が必要という意見を前回も言ってきました。今回これに伴って、薬剤費について患者か
ら費用負担を取れることを、明確にするということですが、そこについては、本来、医
師主導であれ企業主導であれ、治験に伴う薬剤費用は、医療機関なり企業が負担するの
が基本だろうと考えております。そういう意味では、今回患者の希望なり選択というこ
とであったとしても、必ずしも、患者が本当に自由な選択をしたかどうかはなかなか難
しいところがあります。ぜひ費用負担を取るに当たっては、十分その透明性と情報公
開、患者の納得がえられるよう、この通知を出すに当たっては、改めてその点を強調し
ていただきたいと思います。
　以上です。

○星野小委員長
　ありがとうございました。
　ほかにございませんか。

○松原委員
　保険で医師主導型の治験の費用をお支払いいただくというのは、患者さんにとっては
非常に喜ばしいことだと思います。もとに戻って、企業依頼の治験では企業が払って、
医師主導型の治験では保険が払うということはどういうことかということを切り口を変
えて考えますと、企業主導型の治験というのは、最終的な、薬が適用になったときの利
益は企業にあるわけです。だからこそ、その費用負担をしていただいているという考え
方もできると思います。そういう面から見ますと、医師主導型の治験の場合には、これ
はまだ企業が採用せずに、仕方なく医師主導で行うべきものでございますので、こうい
ったものを導入するときに患者さんにその負担を求めるのではなくて、保険で見ていた
だいて、最終的には、この医師主導型の治験が終わったときに、その治験の内容につい
て、企業がこれを医薬品として販売するとなったときには、少しその費用の金額を点数
設定のときに考えて、費用がかかっていないのだから幾らかでも低くするということで
あれば、保険者側さんも納得いけるのではないかと少し思っております。そうすれば、
患者さんの費用の負担は、その困っておられるときにできて、最終的に、それでその費
用の負担は最終的な利潤が上がる企業のところで、費用設定のところで考えていただく
という方法もあると思っております。

○星野小委員長
　ありがとうございました。

○対馬委員
　最終的な費用負担のところは、また、それはそれとして別途ということになると思い
ますけれども、いずれにしても、メーカー主導だけではなくて、医師主導の治験も含め
て、相補的といいますか、そういったことを含めて全体として患者さんのためにといい
ますか、底上げがされると、レベルアップがされるということは、やはりいい方向では
ないかというふうに思います。

○星野小委員長
　ほかにございませんか。
　今の御議論を聞いていて、この制度を新しく導入いたしますね、そうしたら、その導
入についてフォローアップする仕組みが必要なのでしょうね。小島委員が言われたよう
に、患者さんに無理なことが起こっていないだろうかとか、それから今松原委員が言わ
れたように、もしかすると、それが民間企業で販売引き受けをされるようなときに、値
段は何を考慮して決まるのだろうかというのは、これは、薬価算定にかかわることなの
かもしませんけれども、そういうことについて、やはりちゃんとフォローアップができ
るようになっているのか、あるいはあまりにも件数が大きすぎて、フォローアップする
事務経費の方が、コストベネフィットからいうと高すぎてしまうのか、そこいらも考え
ながら、しかしながら、何らかの形でフォローアップをしていただけるような体制を、
課長さん、考えていただけませんかね。

○事務局（麦谷医療課長）
　企業治験はなかなか膨大ですので、すぐに今私が軽々にお約束することはできません
が、医師主導の治験は決して数が多くありませんし、これから始まることですので、費
用それから保険の給付額も含めて、その期間はわかりませんが、適宜、中医協のこの場
に御報告したいと思います。

○星野小委員長
　それでは、よろしくお願いいたします。
　それでは、もしほかに御質問、御意見等もないようでしたら、「医薬品及び医療用具
に係る特定療養費制度」については、事務局より提出された見直し案のとおり、当小委
員会として了承するということでよろしゅうございましょうか。
　　　　　　　　　　　　　〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○星野小委員長
　どうもありがとうございました。
　この問題については、次回の総会において、厚生労働大臣からの諮問の手続を経るこ
ととしたいと思います。
　次に、「療養の給付と直接関係のないサービス等」について議題としたいと思いま
す。

　これについては、前回の議論を踏まえ、現在、厚生労働省ホームページにおいて御意
見を募集しているところですので、事務局より、その報告をお願いいたします。

○事務局（麦谷医療課長）
　お手元の資料、中医協診－２という資料をごらんいただきたいと思います。この２枚
紙そのものが厚生労働省のホームページに現在掲載中でございます。２月１８日に掲載
いたしました。もう既に各側にお諮りしてから出しましたので、御承知のことと思いま
すが、この中医協診療報酬基本問題小委の名前で、事務局は私どもということで掲載を
しております。
　内容につきましては、現状のサービスを簡単に広報するとともに、その問題点を提起
し、お聞かせいただく御意見の幾つかの例を掲げまして、ｅメールもしくは郵便等で御
意見をお寄せくださいという内容になっております。同時に、インターネットをお使い
にならない方もいらっしゃるかと思いますので、関係団体等につきましては、文書で同
じものをお送りしてございます。私どもで調べましたところ、関係団体においても御自
分のホームページにその文書を掲載されているところもあろうかと思いますので、少な
くとも医療関係者には周知が図られているのではないかと承知しております。
　次のページをめくっていただきますと、期限が「３月２２日まで」と書いてございま
すので、本日御披露するよりも、３月２２日に締め切った後で、少しカテゴリーに分け
まして、基本問題小委に提出したいと思っております。
　ただ、では来ているのかという御心配もあろうかと思いますので、本日現在、電子メ
ールで２０件来ております。郵送では１件も来ておりません。そのような状況でござい
まして、内容は千差万別で、あまり私がここで御紹介しますと、それでまた議論が沸く
といけませんので、１つだけ、全く私どもで想定していなかったもの、それは、医療機
関が減額査定されたものを患者に請求したらどうかと、こういう、趣旨が全然異なるも
のがあって、ちょっと意外な、これはもちろん議論の対象にもならないと思いますが、
そういったものも来ております。
　以上です。

○星野小委員長
　どうもありがとうございました。
　これにつきまして、集まった意見を事務局に整理していただいた上で、また議論する
こととしたいと思います。
　それでは、事務局、よろしくお願いします。
　次に、「先進医療への対応」について議題としたいと思います。
　事務局より資料が提出されておりますので、説明を願います。

○事務局（麦谷医療課長）
　資料、中医協診－３－１と診－３－２を御参考いただきたいと思います。ただし、診
－３－２は今まで御紹介した資料を再度つけてありますので、説明を割愛させていただ
きます。
　それでは、診－３－１をごらんいただきたいと思います。これは、これまでの御議論
のうち、いわゆる「混合診療」、保険診療と保険診療外の併用、これにつきまして厚生
労働大臣と規制改革担当大臣との間で合意した内容を踏まえ、必ずしも高度でない先進
技術についてどう扱うかということで、事務局の案を提示させていただいたものでござ
います。

　必ずしも高度でない先進技術について、保険診療との併用を認めるために、医療技術
ごとに医療機関に求められる要件を設定し、その該当する医療機関は届出により実施可
能な仕組みを新たに設けるということで、この内容につきましては、この基本問題小委
で既に御説明しております。
　ただ、幾つか誤解がありますので、今ここで強調しておきますが、新しい技術はどの
ような医療機関も申請をすることができます。クリニックであろうと大きな病院であろ
うと、どのような医療機関も申請が可能でございます。それで、最初の新しい技術につ
きましては、後で御説明申し上げる専門家会議で御議論いただきますが、一度そこで保
険診療、保険診療外の併用を認めるとされた技術につきましては、その要件が内外に公
示されますので、それをごらんになった２番目以降の医療機関につきましては、みずか
らその要件を満たしていると判断されたら、届出により直ちに実施することが可能にな
ります。一々審査を受ける必要はございません。そういうことでございまして、最初の
１例が審査されますが、２例以降は届出で実施できると、こういうことでございます。
　１ページの２つ目の丸でございますが、新規の医療技術につきましては、その専門家
会議で科学的評価を行い、実施可能な医療機関の基準を設定いたします。そのための専
門家会議、仮称でそこに書いてございますが、「先進医療専門家会議」というものを厚
生労働大臣の下に設置しようと今思っております。まだ設置しておりません。
　黒ぽつの最初でございますが、この仮称の先進医療専門家会議におきましては、保険
医療機関等から保険診療と保険外診療との併用の希望があった技術について、有効性・
安全性を中心に審議をいたします。それは必ずしも高度な技術である必要はございませ
ん。ただし、今保険に入っていないわけですから、一定程度の先進性や今の保険に入っ
ている技術よりも非常に効率的であるといったことを御議論をいただいて、そこで決定
をするということを今考えております。
　次の黒ぽつですが、この会議は、先進医療に係る専門的学識経験を有し、かつ、保険
診療に精通した者約２０名で構成したいと考えております。各学会に推薦依頼をするの
ではなくて、私どもが内外の意見を聞きまして、ふさわしい人を、各技術、技術という
か、大きな例えば内科、循環器内科とか、胸部外科とか、そういった分野からお一人ず
つお願いをしたいと思っております。それで、２０名以上のいわゆるワーキンググルー
プ等は設けないで、この２０名で決していただく。それぞれの技術についてそれぞれの
担当の委員が責任を持って調べて報告をしていただくというようなことを考えておりま
す。
　次のぽつでございますが、月１回定期的に開催しようと思っておりますが、どれだけ
応募というか、申請があるかわかりませんので、数に応じては月２回以上開催すること
もやぶさかではございません。
　それから、当然でございますが、対象となる患者が特定されるなど、個人情報保護の
観点から特別な配慮が必要な場合を除き、原則として会議は公開で行いますということ
を考えております。
　それから、申請が全国からあるわけですが、いつまでたっても返事がないというの
で、また不透明だと言われますので、３カ月以内に返事を返すということで、１ページ
めくっていただきますと、返事の種類は３つございまして、技術を使用していいという
もの、それから、だめだという中止、あるいは、これではなかなか認可できないので変
更してほしいといったもの、あるいは保留と。ただし、保留の場合は、なぜ保留したか
というのをその３カ月以内に申請者に通知するということを考えております。
　それから、次の黒ぽつでございますが、先ほど既に説明いたしましたが、１例目で既
に要件が設定された技術について、２例目以降は地方社会保険事務局長に届出を行うだ
けで、受理されれば直ちに実施できるようにしたいと思っております。
　次の黒ぽつですが、私どもは、実施する医療機関から定期的に報告を求め、もし仮に
有効ではない科学的な論文が出た、あるいは安全性に問題があるとなった場合は、当該
医療技術の中止等の必要な指示を行いたいと思っております。
　次の丸でございますが、本中医協は、新規の医療技術に係る保険診療との併用の承認
や要件の設定状況等について、この専門家会議の意見を踏まえて、私どもから報告をし
たいと、このように考えております。
　それから、この仮称の会議でございますが、先進医療専門家会議、これにつきまして
は、保険診療との併用を認めた技術について、この技術を行っている医療機関から定期
的な報告を踏まえまして、保険導入を前提とする技術的問題について検討を行い、その
内容について、保険導入の適否について中医協に提出し、中医協で保険導入の適否を御
議論いただきたいと、このように考えております。
　それから、２ページの下から２つ目の丸でございますが、実施医療機関に対して、関
係する事項の掲示、それから情報提供の下での患者の自由な選択と同意、それからお金
を取りますので、その徴収額と明確に区分した領収書の交付等々、定期的な報告も含め
て、さまざまな条件を設定したいと考えております。
　それから最後に、現在の高度先進医療をどうするかでございますが、これは当分の
間、そのまま申請を受けつけて、高度先進医療専門家会議がございますので、そこで御
議論いただきますが、条件についてはどんどん緩和していって、つまり、今簡素化をや
っておりますので、簡素化をどんどん進めていって、特定承認保険医療機関の承認要件
の緩和も逐次行っていきまして、一定期間経過した後は、２つの先進医療の専門家会議
を一つにして、同じように議論をしていきたいと考えておりますので、最終的には、い
わゆる医療技術を審査する一つの専門家会議になることを想定しております。
　以上です。

○星野小委員長
　ありがとうございました。
　それでは、ただいまの説明につきまして何か御質問、御意見等がございましたら、ど
うぞ。

○対馬委員
　非常に重要な問題というか論点をはらんでいるのではないかなというふうに思います
ので、三、四点ちょっと質問ですが、意見を交えた質問という形にさせていただきたい
というふうに思います。
　まず１点目ですが、今の１ページの「必ずしも高度でない先進技術の取り扱い」の説
明の丸の２つ目の中の１点目のところですけれども、「有効性及び安全性が確保されて
いる」ということが書いてございますけれども、高度先進医療などの要件を見ますと、
「社会的妥当性」ということも記載されているのです。それで、その次のページになり
ますと、「遺伝子治療のように」審査に慎重な判断を要する場合と、こういうことがあ
りますので、先進医療専門家会議も、その有効性・安全性が確保されるということと、
やはり「社会的妥当性」ということも入れていただいた方がいいのではないかというふ
うに思うのですが、これが１つです。
　それから２つ目ですが、１ページの一番下の丸の手続きのところ、「厚生労働省は、
」と、主語が厚生労働省になっておりますね。それで２ページですが、真ん中のちょっ
と上の丸になりますと「中医協は、」ということで、主語が、片や厚生労働省、片や中
医協というふうに書き分けられているということであります。おのおのの役割のところ
ですが、この先進医療専門家会議というところから科学的評価が行われると、それで、
事務局に恐らく上がってくるのだろうなと、こういうふうに思うわけです。そして、こ
れを素直に読んでいきますと、科学的な評価を踏まえ「厚生労働省は、」と書いていま
して、「中医協は、」というのはまた別にありますから、厚生労働省が必要な指導の理
由を付して通知すると、こういうふうに読めるということですが、あえて皮相的な言い
方といいますか、極めてわかりやすいということで、ちょっと乱暴な言い方を申し上げ
ますと、我々、高度先進医療でありますと、中医協の中でこういうメンバーで審議して
いたということですが、それがこちら側からもうそちら側の方に移ると、こういう理解
なのかどうか、そこを確認したい。言ってみますと、この先進医療専門家会議の科学的
評価を踏まえて事務局が判断をするのだと、それはなぜなのかということを質問した
い。第２点目です。
　それから第３点目、今の質問の裏腹の関係になりますけれども、ちょうど真ん中の丸
のところですね。「中医協は、～　厚生労働省から報告を受ける。」、こうなっている
わけです。中医協は当然ながら、保険医療の範囲を決めていくという役割があります。
いわゆる「混合診療」、特定療養費につきましても、当然基礎部分については保険料を
使うわけですから、ここになぜ私どもとして議論できないのか、報告だけ受けなくては
いけないのかと。また、その次の丸の保険導入のところとの対比においても非常に違和
感がある。その次の丸のところでは、ステージが違いますけれども、いわゆる「混合診
療」といいますか、特定療養費制度から保険診療へ入れるときには、「中医協は、～　
保険導入の適否について検討を行う。」ということをわざわざここに書いています。な
ぜ、中医協は厚生労働省から報告を受けるだけなのでしょうかと、こういう質問です。
　それから、最後になりますけれども、これではスケジュールの関係がよくわからな
い。必ずしも高度でない先進技術の取り扱いというのは、基本的にはできるものは夏ま
でというのが、たしか前回、これまでの議論の中でスケジュール感覚が出されていまし
た。ただ、法律改正、法令改正を伴うものについては１８年４月からということですけ
れども、これは夏までに行うのかどうかということです。また、それとの絡みにおきま
して、先ほどのお話ですと、高度先進医療は当分の間は従来のやり方でやっていくのだ
と、いずれ一つにしたいと、こういうことですけれども、それは大体どういうスケジュ
ール感覚を置いているのか。
　さらに言いますと、その間、２つのやり方が並行していきますと、ちょっと先ほどの
繰り返しで申し訳ありませんけれども、必ずしも高度でないものについては、この先進
医療専門家会議の議を経て事務局の方が適宜判断していくと、一方、高度先進医療につ
いては、従来と同じように中医協の場で議論されていくと、こういうことになってきま
すけれども、それはそういう理解でよろしいのでしょうか。
　以上です。

○星野小委員長
　ありがとうございました。
　どうぞ、事務方、お答えください。

○事務局（麦谷医療課長）
　まず第１点目の「社会的妥当性」云々の話でございますが、これは、この仮称の先進
医療専門家会議を設置いたしますときに要綱を決めますので、そのときに、どのような
議論をするのかと、有効性・安全性だけでいいのかと、あるいはほかの、今対馬委員が
御指摘になられた「社会的妥当性」も対象にして議論するのかというところで、もう一
度要綱をお示しして御議論いただきたいと思いますが、私どもが約２０名の委員にお願
いするとき、そんなところまで、「社会的妥当性」まで本当に自分たちで判断できるか
と言われる可能性もありますので、ちょっと要綱を作る段階でもう一度御相談をさせて
いただきたいと思います。
　それから第２点目の、事務局あるいは厚生労働省と、それから中医協との書き分けの
御質問でございますが、簡単に言いますと、私どもはもう単純に事務局でございますの
で、何かを判断するということは、この件に関してはございません。基本的には、全国
から集まった御要望と申しますか、申請、これを専門家会議に提出して、そこで御議論
いただいた結果を中医協に報告して御判断を仰ぐというのは事務局の仕事でございます
ので、そこのちょっと書きぶりがひょっとしたら誤解を招いたかもしれませんが、事務
局が何かを判断するとか、適否を決めるということはございません。
　それで、第３点でございますが、中医協は単に報告を受けるのかという御質問でござ
いました。これは２ページの中央の２つの丸のことを御指摘いただきましたが、「厚生
労働省から報告を受ける。」というのは、これは事務局が専門家会議の意を体して、そ
の結果を報告するということで、事務局はあくまでも事務的なことをやっているだけで
ございます。
　ただ、それでは、新しい医療技術の保険診療との併用の承認や要件の設定について中
医協自身はかかわらないのかという御質問、それは次の丸とも関係しますが、私どもの
案では、この専門家会議が技術の保険診療と保険外診療との併用の要件設定、要件設定
は、これは当然行います。要件設定を踏まえて、これなら併用してもいいということを
決定した、その事実を中医協に御報告するという案でございます。ただし、その技術が
１年後あるいはその半年後、期間はわかりませんが、そのときに、では保険に入れるか
どうかという御議論、これは中医協で御議論いただきたいというすみ分けの提案をして
おります。それに対して今対馬委員が、そうではなくて、高度先進医療のように一つ一
つの技術を中医協にお諮りして承認を受けるべきだという御意見は今承りましたので、
それはここで御議論いただいてお決めいただければ結構だと思います。
　私どもの提案は、先ほど申し上げたように、技術の要件設定と承認まで専門家会議で
行ってはどうかという提案でございます。なぜそう考えたかと申しますと、今の高度先
進医療と比べて非常にたくさんの申請が来るのではないか、その一つ一つの技術をここ
でお諮りするというのはなかなか大変ではないかというのが１つ。それは仕事の量だけ
の問題なので、やれと言われればもちろんやります。ただ、過去のこの２０年の実績を
見ますと、今の高度先進医療からここで承認を受けるべくお諮りした技術で否決された
ものはないという実態を踏まえますと、それでいけるのではないかと事務局では判断し
て、このような提案をさせていただきました。しかし、それは私どもの提案でございま
すので、どうぞ御議論いただいてお決めいただければ結構でございます。
　それから４点目、スケジュール感でございますが、この、必ずしも高度でない技術の
募集を始めるのは夏ごろ、夏といっても明確ではございませんので、私どもの今の感じ
では、７月ごろから募集を始めたいと思っております。そうすると、３カ月という返事
を返す期間がございますので、１０月までには７月に応募したものの決着がつくと考え
ております。ただ、早いものは７月中に決着がつきますので、始まるのは夏ごろから始
まるというふうなスケジュール感で今おります。ただし、先進医療専門家会議の陣容、
要綱については４月にお示ししたいと考えております。それがスケジュール感です。
　あと、高度先進医療との違いでございますが、高度先進医療はすぐれて高度なものが
来るということで、私どもは今考えておりますのは、非常に高度なものが来たときに、
これからつくる先進医療専門家会議ではさばけませんので、これは少し高度先進医療
で、少なくとも半年ぐらいですか、両方を動かして、それでちょっと様子を見てみたい
なと思っています。それで、新しい先進医療専門家会議でもこれはさばけるとなった
ら、一緒にしてそこでやってもらおうと思っておりますが、いきなりやりますと、ちょ
っと非常に高度なものと、あまり高度でないものが雑多になってまいりますので、そこ
は少し両方走るのはしようがないかなと思っております。今の私どもの頭の中の案で
は、２つの会議に両方とも出席される方を数名入れて連携を図ろうと、このように考え
ております。ただ、一番最初、２０年前につくったときの高度先進医療の専門家会議で
御議論いただいた技術と違って、最近の高度先進医療専門家会議では非常にあまり高度
でない技術も実は申請されてきておりますので、そこのすみ分けを図る意味でも、２
つ、少なくとも半年ぐらいは並行して動かしていきたいと、このような趣旨で申し上げ
ました。
　以上です。

○対馬委員
　中医協と、その厚生労働省の事務局と、それからこの先進医療専門家会議の関係につ
いて、今説明がありましたけれども、ちょっと私は必ずしも十分に理解できないし、今
医療課長の説明のようであれば、こういったこの文章の書きぶりに本当になるのだろう
かと、やはり違うのではないかという感じがするのです。今言われたようなことであれ
ばこの書きぶりは直していただきたい。例えば私ども事務局としては、判断するのはや
はり中医協の問題ですから、中医協に上げて御判断をいただきたいと、こういったこと
を先ほど言われましたけれども、それがこの書きぶりではそうなっていなくて、「厚生
労働省は、」ということで書いていますし、また、「中医協は、～　報告を受ける。」
と書いているわけですから、違うと思うのです。そのあたりは一つのポイントだろうか
というふうに思いますので、もしおっしゃられるようなことであると、これを直してい
ただいて、それでもって議論をさせていただきたいと、こういうふうに思います。

○松原委員
　まず、専門家会議が２種類になるということでございますが、高度な先進医療という
のは非常に文献もまだ少なくて、かなり専門家でないと判断できない領域があると思い
ます。したがいまして、これまでどおり、その分野に非常に精通している方にお願いし
なければならないので、委員の方もかなり大人数の中から選ばねばならないと思いま
す。そういった面で考えますと、先進医療につきましては、比較的安全性・有効性が確
立され得るものであれば、常識的な判断で専門的な判断ができると思いますので、当初
はやはり二本立てで考えていただいた方がよろしいのではないかと思います。将来にわ
たってこれが一本化できれば、効率の面では非常によろしいかと思いますけれども、少
し内容が違うということを踏まえて考えるべきだと思います。
　また、「社会的妥当性」の検討でございますが、これは非常に大切な判断の一つだと
私どもも思っています。私どもも、「中医協は、～　報告を受ける。」というところを
大分考えてみたわけでございますが、前に私が申し上げましたように、あくまでこの
「混合診療」問題においていろいろと議論をされた結果の保険診療と保険外診療の併用
の手段としてこれを用いるわけでございますので、そこから考えますと、やはりこれに
採用するものは、保険に導入することを前提に考えていかねばならないものではないか
と思います。自動的にここの領域が報告だけで大量に増えてしまいますと、その新しい
医療が保険になかなか入らなくて、最終的には、国民の皆さんが使っていただけないよ
うな形になるということは、やはり不平等を引き起こすのではないかと、私ども、以前
にも「混合診療」問題のときに主張してきたわけでございます。そういったことを考え
ますと、また、先ほども申しましたように、保険の費用は、これは１号側の保険者から
お支払いいただくものでございますので、やはりここのところを報告だけで、すべて中
医協で議論の対象にならずにいくというのはいかがなものかと思います。やはりここの
ところの問題をしっかり議論して、その上でこの内容を決めていくべきだと思いますの
で、ぜひここのところは報告だけではなくて、やはり高度先進医療のように承認をさせ
ていただくのが筋ではないかと思っております。
　ただ、これにつきましては、中医協が今まで高度先進医療も何も認めずにきたという
非難があったのは事実でございますので、速やかに対応しなければならないと思ってい
ます。
　また、現実問題として、現場が新しい医療で使えないものがたくさんあって困ってい
るというのは事実でございます。そこのところは、まず、とりあえず、かなりたくさん
あると思いますので、ぜひ次のいろいろな制度の改定までにこの中医協で十分なことが
できるのだということをお示しいただくような方向で考えていただければと思います。
高度なものでなく普通の先進医療でございますので、逆に先進医療を保険に導入すれ
ば、それまでの既存の費用はかからなくなります。財政的な負担はそれほど大きいもの
ではございませんので、そういったことも勘案していくべきだと思います。
　先ほどの「社会的妥当性」について、一度話を戻しますと、やはり専門家会議という
のは医学的にどうかということを判断していただいて、その社会的適応に対して考える
のが私は中医協の使命ではないかと思っておりますので、そういった概念からも、対馬
委員がおっしゃったことに対して賛成でございます。

○対馬委員
　「社会的妥当性」と私が申し上げたのも、まさに中医協がここでは外れているという
ことであると、ここでやってもらうしかないのかなと、こういうことでございますの
で、中医協の場で審議をするということであれば、むしろこの先進医療専門家会議から
は外れた方がいいのかもしれませんね。そこはこだわるつもりはございません。
　それから、先ほど医療課長の方から、技術が大変多いという話もございましたけれど
も、たしかほかの資料などを見ますと、おおむね１００の技術について２，０００の医
療機関がと、こういった資料もあるようでございますので、１００であれば、高度先進
医療の中でも随分議論をしてきましたよね、そういう中において本当に議論できないの
かどうかということがありますので、そこはよく御検討いただきたいというふうに思い
ます。

○小島委員
　今、対馬委員から言われましたけれども、この資料の診－３－２の４ページの右側の
真ん中あたりに、新しい技術について、約１００技術、そして約２，０００医療機関に
拡大可能というふうに書いてあります。今想定されているこの１００技術というのは、
もう既に何らかの形で実施はされているものが多分想定をされているのだと思いますの
で、どういうものを今想定しているのか。そして一定水準を超える医療機関については
申請で認めていくということだと思いますけれども、その２，０００程度という根拠は
何かということが質問です。
　それと、３ページにありますが、今回の新しい先進技術を保険との併用を認めていく
ということで、従来の高度先進医療と、それから今回新たな分野として認める必ずしも
高度でない先進技術ということで、例として２つほど出ております。その中に想定され
るものが１００ぐらいの技術だと思いますけれども、実際今すでに行われている場合に
は、基本的に、自由診療という形で患者が全額自己負担をしていると思います。その点
の確認です。以上、２つの質問です。

○事務局（麦谷医療課長）
　御質問にお答えします。
　約１００技術、それから２，０００医療機関に拡大可能という文言の根拠でございま
すが、私どもの医療課で、これまでさまざまなところから保険導入を検討してほしいと
言われている技術の蓄積がございます。不幸にしてそれは保険導入に至っていないので
すが、高度なものもありますし、極めて初歩的なものもございます。そういった技術、
たくさんございますが、その中で、私ども医療課の医系の技官が１３人おりますが、そ
れで議論して、これぐらいの技術ならば保険診療と保険診療外で併用できるだろうと思
われた技術をピックアップしたところ、１００ぐらいございました。それで、今度逆に
この１００技術ができそうな医療機関はどれぐらいあるかということで、コンピュータ
ー上でございますが、シミュレーションしてみました。それで、できそうな医療機関
を、例えば病床の率ですとか、専門医の数ですとか、体制ですとか、そういったものを
ファクターとして入れましてシミュレーションしたところ、２，０００程度の医療機関
がリストアップされたということで、作業としてはそれだけしかやっておりません。そ
れが、その１００技術、２，０００医療機関という根拠でございます。
　それから、では、この技術は今どうされているのかと、これは千差万別でありまし
て、小島委員が御指摘のように、すべて自由診療でやっているところもありますし、例
えばみずからの教授の研究費、あるいは大学の組織としての研究費、これで賄っている
ところもございます。
　以上です。

○星野小委員長
　ありがとうございました。

○松浦委員
　今、必ずしも高度でない先進技術というのは、「混合診療」の問題のときに議論され
た結果として２つに分かれた。１つは速やかに保険収載をしていく部分の医療、もう１
つは患者の選択に任せていこうという医療、この２つに大別されたような格好になった
と思いますが、必ずしも高度でない先進技術というのは、いわゆる患者の選択に任せて
いこうと、そういうようなものと大体ダブったものと考えていいのでしょうか。

○事務局（麦谷医療課長）
　この技術につきましては、少なくとも今保険適用されていないがために医療機関で使
えないとものです。つまり、使うと根っこから患者さんに負担が生じるので使えないと
言われたものを対象にしていまして、患者の選択にかかわる医療というのはまたちょっ
と違って、これも患者の選択にはもちろんかかわりますが、患者の選択できる幅という
のは、アメニティーとかいろいろなものがありますから、技術以外にももっとあるので
はないかと思います。それは後からもう一回出てきますが、患者の選択にかかわる医療
と、それから保険の導入を前提にした技術と、切り分けて、私どもで提案してありま
す。仮称でございますが、そのときたしか保険導入検討医療ですか、それと患者選択同
意医療というふうに分けましたが、この技術はいわゆる保険導入検討医療のことです。

○松浦委員
　ちょっと確認ですが、それでは、この必ずしも高度でない先進技術というのも、やは
り保険導入を前提とした技術ということでしょうか。

○事務局（麦谷医療課長）
　おっしゃるとおりです。もちろん、ここに認められたからといって、例えば１年後、
２年後必ず保険に入るという保障はありませんが、そういうものを前提にした技術とい
うふうにお考えいただいて結構です。

○星野小委員長
　ほかにございませんか。

○小島委員
　今回、新しくできる先進医療専門家会議と中医協との関係はどうなるのですか。

○事務局（麦谷医療課長）
　中医協の外でございます。

○星野小委員長
　ほかにございませんか。
　それでは、１号側、２号側とも意見が一致していまして、我々公益委員も多分同じよ
うな意見だと思いますが、診－３－１の１ページの一番下の丸、そこで、「支障なし
」、「中止又は変更」、「保留」ということを決めるのはだれか。通知するのは厚生労
働省が通知するのだろうと思いますが、決めるのはだれかというのは非常にあいまいな
のは、確かに思います。その次の丸、２ページの真ん中の「中医協は、～　報告を受け
る。」というのが入ると、なお全体が、手続の手順があいまいになる。要するに、中医
協はそこまでは、報告だけを受けるのかねというような、確かにこの文言を初めて読ん
でいる私なんかも、そういうふうに受けとめてしまいますよね。それから、その下の丸
は、いよいよ「保険導入の適否について検討を行う。」ということだから、最後の段階
で中医協に御相談しましょうというふうに読めば読めないこともない。恐らく課長はそ
ういうつもりだったかどうかわからないのですけれども。
　したがって、ここは文章をもう一回詰め直してください。それでないと、ちょっと中
医協としてはこのまま結構ですと言うわけにいきませんので、よろしくお願いいたしま
す。

○土田委員
　一つ、これもちょっとくどいようですが、先ほど課長が、これは保険導入を前提とし
た医療技術であるというふうに話されましたが、恐らくそこにかかわるのは２ページの
丸の２つ目のところで、先進医療専門家会議が、保険導入に係る技術的問題について検
討を行う、それで、それを中医協に上げると、そういうことだと思うのです。それはそ
れで結構なのですが、やはりこれは保険導入を早く図らないと、特定療養費で滞留が非
常に多くなりますと、技術的に「混合診療」ということに非常に類似してきますので、
ここはなるべく早く保険導入を図るという手続が必要だろうと思います。
　その場合に、先進医療専門家会議で保険導入に係る技術的問題を検討するという場合
に、そこは何らかの基準なり、こういう条件が満たされれば保険導入を図るというよう
な基準を設けるという、そういう意図はあるのでしょうか。あるいはそこまで考えてい
らっしゃるのか。

○事務局（麦谷医療課長）
　現在の高度先進医療で保険導入を検討するときの５つの要件、有効性、安全性、効率
性、技術の成熟度、それから普及度ですか、そういったものが、私ども同じようなもの
を想定しておりますので、保険導入には、今の５つの基準が使えるのではないかと考え
ております。
　それから、会長の今の御指摘がありまして、今日の御議論を踏まえて、訂正をして、
次に出し直させていただきます。また、場合によっては、専門家会議と中医協と厚生労
働省事務局の関係がわかりにくいという御指摘でしたので、文章も練り直しますが、も
しそういうものを作れればマトリックスも用意して、ここは、承認はこうこうというの
をちょっと作ってみたいと思います。

○松浦委員
　それで、必ずしも高度でない先進技術というのはたくさんあるのですかね。たくさん
あるとなると、これはだあっと保険にまた入ってくるということになる可能性があるの
でしょうか、どうなのでしょうか。

○事務局（麦谷医療課長）
　先ほどの想定で１００技術と申し上げましたが、それは技術の数ではなくて、全国で
実施される数だという松浦委員の御指摘だと思いますので、例えば２，０００医療機関
で実施されれば、これは１００掛ける２，０００ですから、物すごい数になります。で
すから、たくさんございます。

○松原委員
　現実問題として、医療機関が困っていることがかなりありますので、私はこれは改善
しなければならないと思っています。ただ、松浦委員おっしゃいましたけれども、この
保険導入の前提として行うわけでございますが、これは新規のものを入れますと、結果
として今度は逆に古いものが外れるという面がございますので、そういったことをまた
ここで十分に議論して、それで保険導入の時期を探ると。ただ、土田委員がおっしゃい
ましたように、やはりこれがあまりにも増えますと、最終的には「混合診療」と同じよ
うな結果になりますので、そうならないように適切に対応していただきたいと考えてい
ます。

○星野小委員長
　そういう意味でも、やはり中医協にいろいろと相談して判断を仰いだ方がいいかもし
れませんね。この文言のとおりパッパッといくのもやり方かもしれないけれどもね。だ
から、やはりきちんと考え直してみてください。

○松原委員
　追加して。先ほどの先進医療専門家会議は医学的な判断をするわけでございますの
で、その医学的な判断をして、どう考えてもこれは適用にならないということであれ
ば、速やかに却下していただいても私は適切ではないかと思いますので、それを事務的
にされるのは大変結構かと思っています。

○対馬委員
　私どもも物の考え方としては、できるだけスピードアップしていきたいということが
基本にあるのだろうというふうに思うのです。ですから、例えばもう技術が決まってい
て、個別の医療機関がそれについてはもう届出だけでいいと、こういった考え方は極め
ていいのではないかなと、こういうふうに思うのです。ですから、入り口のところの新
しい技術のところは、やはり我々としてきっちり押さえておく必要があるのだろうな
と、こういういうふうに思いますので、とにかく議論を重ねていって結果的に遅れてい
くということを容認しているわけでは決してありませんので、やはりスピードというの
は重要であろうというふうに認識しております。

○星野小委員長
　大変重要な御指摘です。

○漆畑委員
　確認、１点なのですけれども、診－３－１の記述について改めて書き直してという
か、整理をしてもう一回出てくるようですので、そのときでいいかもしれないのです
が、今の高度先進医療専門家会議と、新しく仮称の先進医療専門家会議が、今の議論で
すと、事務局の説明ですと、将来的には一本になることもあり得るということですと、
ただ、だから、それも別に反対しているわけではないのですけれども、先進医療専門家
会議は、厚労大臣と特命大臣との合意の中でそういうものを設置といいますか、そうい
う考え方が生まれたわけですから、それは中医協の外に置くということで今事務局の説
明があったのですが、高度先進医療専門家会議は中医協の中ですので、一本になったと
きに、それはどちらに行くことになるのでしょうか。

○事務局（麦谷医療課長）
　ちょっと誤解が、あるかもしませんが、今の高度先進医療専門家会議も実は中医協の
外にあるので、そこは矛盾なく一つになれると思います。

○漆畑委員
　わかりました。

○星野小委員長
　それでは、この議論につきましては、またもう少しブラッシュアップしていただくと
いうことで、本日の議論はとどめたいと思います。
　次に、「制限回数を超える医療行為等」について議題としたいと思います。
　事務局より資料が提出されておりますので、説明を願います。

○事務局（麦谷医療課長）
　お手元の資料診－４－１と診－４－２をごらんください。まず、診－４－２の資料を
ごらんください。これは「基本的合意」でございますので、既にごらんになったもので
ございます。制限回数を超える医療行為について、保険診療との併用の問題が生じない
ことを明確化するという趣旨で合意されております。
　それで、ほかの資料のうち、この４－２の最後の３ページをごらんください。私ども
で、保険診療上算定回数が制限してあるもの、これは実はたくさんございます。たくさ
んございますが、その一つの例をお示しいたしました。この例のうち、従前から規制改
革会議等が主張していたのは、検査のうちの上の２つ、腫瘍マーカーとピロリ菌の除
菌、これだけでございまして、私どもで点数表を渉猟したところ、たくさんございま
す。そのうちの幾つかここに掲げてございますが、今日一つずつ説明いたしませんが、
一読していただきますとわかるとおり、非常に雑多なものがまざっております。例え
ば、今の検査以外にも、真ん中に処置・手術がございますが、血漿交換療法を１０回し
か算定できないとか、それから例えばその下の材料ですと、自動縫合器は４個しかだめ
で、５個必要になったらどうするのだろうと、こういう素朴な疑問が多分あろうかと思
います。例えば、これを患者負担に保険診療外として取ってもいいとしますと、５個目
に本当に患者の選択権があるのかというような、ややこしい問題も生じます。それか
ら、医療としてどうなんだと言う側面もあります。例えば血漿交換療法、疾患によって
１２回必要だといったものが仮にあれば、それをその２回は患者から取るのかと、そう
いうことを医者が患者に言って取っていいかどうかという、ややこしい、医療技術との
関連する問題がございます。したがって、腫瘍マーカーとピロリ菌だけの話ではなく
て、非常に複合的な課題であるということをまず御理解いただきたいと思います。
　その前提で、診－４－１をごらんください。今私が例を申し上げましたように、「制
限回数を超える医療行為」といっても、さまざまなものがあるということは御理解いた
だけたと思います。それで、患者の要望がある場合には、保険診療との併用を認めても
必要な診療に支障を来すおそれはない医療行為はもちろんあるのではないかと思いま
す。これは、規制改革会議が申しておりますピロリ菌、腫瘍マーカーでございます。一
方で、患者の要望が仮にあっても、医学的な観点から、保険診療との併用を認めるべき
でない、例えばかえって意味がないとか、もっと言えば害があるといったものもあるの
ではないかと。つまり、非常に複雑だということで、ここで御議論いただくよりも、そ
ういった医学的な観点も含めて、診療報酬調査専門組織の技術評価分科会、吉田委員長
でございますが、技術評価分科会の方で、保険診療との併用を認めるものと認めないも
のとの、少し分野分けというのでしょうか、カテゴリーを分けていただいて、では、認
める場合はどんな条件があるのだといったことを検討していただいたらどうかというの
が私どもの提案でございます。ただし、もうこれは今まで保険診療は１回と言っている
けれども、医学常識で２回だと、あるいはピロリ菌は、前々回松原委員から３回目は意
味がないというようなことを言われましたけれども、仮にもし３回目が本当に妥当であ
れば、３回まで導入することを決めてはどうかといったようなことを含めて、この技術
評価分科会に送って御議論をいただきたいというのが私どもの提案でございます。それ
が１つ目の丸です。
　２つ目の丸は、これはちょっと非常に事務局的で恐縮なのですが、仮に純粋に検査だ
けだとすると、外来で月１回しか認められていない検査というのは幾つかあります。そ
れを患者さんがもう一回あるいは３回やってくれと医者に言うと、仮にその検査を２回
目以降は保険診療と保険診療外の併用で患者さんから負担してもらうとした場合に、患
者さんは外来で来ますので、そのときに、検査だけで本当は来ているのに、医療機関が
再診料を請求するというのを、ちょっと私ども事務局としては了見が狭いものですから
嫌だなと思っておりまして、そこが基礎的部分については保険給付を行うことは認めた
くないというのが、提案でございます。
　それから、３つ目の丸でございます。これは、いわゆる「混合診療」のときにもぺン
ディングさせていただいた案件で、「医師、看護師等の手厚い配置」についてお金を取
りたいというのは、慎重な検討が必要ではないかということで、今回はさばかないとい
う提案でございます。
　あと最後の丸は、先ほどと同じように、費用徴収とか実施状況等を報告させるとい
う、その余と同じ提案でございます。
　以上です。

○星野小委員長
　ありがとうございました。
　それでは、ただいまの説明につきまして御質問、御意見等がありましたら、どうぞ。

○対馬委員
　丸の２番目のところで、今の説明で、そういうことを想定しているのかというのはよ
くわかったのですけれども、この文章を読んでいる限りにおいては、何か論理矛盾とい
いますか、「保険診療との併用を認める」、これは皆様には釈迦に説法になりますから
あまりるる言うことはないと思うのですけれども、基礎的な部分については認めるとい
うのが、いわゆる「混合診療」といいますか、特定療養費制度についての根幹部分だと
思うのです。そこを外すと、基礎的部分については認めないということになると、もと
もと本体のところは患者負担だから認めないよねと、それから基礎的な部分を認めない
と、それはまさに保険外診療そのものではないかということになりますので、ちょっと
これ文章が、このまま読むとよくわからない。つまり、一番上の丸の中のぽつの２つ目
のようなところで、「患者の要望があっても、医学的な観点から　～　認めるべきでな
いものもある」と、こちらの方に包含されやしないのかなと、こういう感じもしますの
で、ちょっと表現を改めていただければありがたいなと、工夫していただければありが
たいなと、こういうふうに思います。

○松原委員
　回数を超える医療行為で、果たしてその検査だけが必要ということがあり得るかなと
考えますと、恐らく現実問題としてはないのではないかと思います。そういったこと
も、杞憂かもしれませんけれども、考えていただいて、こういうことを書かれたのかと
思いますけれども、今御指摘のとおり、これは逆に言えば完全な自由診療と同じですの
で、ここに包括すべきものかどうかという議論が残ると思いますので、よくまた御検討
いただけたらと思います。
　また、以前私がピロリの除菌について、耐性菌の問題とかいろいろとあるので、回数
の問題だけではないということをお話し申し上げたわけでございます。そういった医学
的な根拠につきましては、やはり提案のように、医療技術評価分科会の方で一度御検討
いただいて、医学的な必要があるのかどうかという御意見をいただいた上でここで議論
するということについては、賛成でございます。

○星野小委員長
　ありがとうございました。

○宗岡委員
　医療課長から確信的に検討しないというお話があった「医師、看護師等の手厚い配置
」についてなのですけれども、私どもとしては、例えば規制改革の観点もありますし、
あるいはよりよい療養環境とは何かということを考えますと、患者の中にはこういうこ
とを期待していることもあるのは事実だということでございますので、あまり一律的に
除外するというお考えはいかがなものかという意見を申し上げておきたいと思います。

○事務局（麦谷医療課長）
　すみません、言葉が足りませんでした。一律的に除外するというか、こういう観点で
御議論しないということで、例えば、今１対１とか、患者１人に医師２人とか、看護師
２人とか、そういう基準が保険にはありません。仮にそれを設ければ、これは解決して
しまうのではないかというようなこともありますので、ちょっと私の説明が足らなかっ
たかもしれませんが、そういったものを、例えば、患者１人に今看護師２人が一番多い
のですか、それだと患者１人に例えば看護師３人、医師２人とか、そういう点数を設け
れば、これはそれで終わるのではないかと思っておりますものですから、ちょっとこう
いう観点からの御議論はペンディングさせてくださいということでございます。

○宗岡委員
　保険の費用全体の感じからいいますと、今おっしゃるようなことでどんどん入れてい
くと、これまた大変なお金がかかるのではないかというふうに思いますので、その患者
の選択肢の拡大という視点で、こういう視点もあるだろうということを申し上げた次第
です。

○岡谷専門委員
　この制限回数の問題につきましては、私はやはりそういう観点からの検討というの
は、ちょっと趣旨が違うかなというふうに思います。というのは、今までの付添看護に
また返っていく懸念というのが非常にあります。付添看護については、歴史的にこの中
医協の場で、かなり議論されて廃止に至ったという経過がございます。その廃止に至っ
た段階では、やはり看護師の十分な配置が重要ということで、看護料を倍以上に上げて
付添看護を廃止するということを歴史的やってきたことがございます。そういう今まで
の流れも十分に考えて、安全な医療を促進するために看護職員の適正な配置ということ
を考えていっていただきたいと思います。

○櫻井委員（代理野中）
　私もこの制限回数を超える医療行為でこの問題を検討するわけではなくて、やはり患
者さんの療養環境を適切な部分として検討するということがまず最初であり、この制限
回数超える医療行為の問題でそういうものを検討するのは必ずしも妥当ではないという
ふうに判断しておりますので、よろしくお願いいたします。

○星野小委員長
　ほかにございませんか。
　それでは、この件につきましては、松原委員からもありましたが、医療技術評価分科
会において技術的にきちんと条件等について確認していただいて、その上でまた議論し
ようと、こういうことの手続で進めていきたいと思いますが、よろしゅうございます
か。
　　　　　　　　　　　　　　　〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○星野小委員長
　それでは、そのように進めていただきたいと思います。
　それでは、これで大体議題は全部終わりましたね、本日の小委員会はこのあたりで終
了したいと思います。大変皆さんの御協力によりまして、時間以内に珍しく終わりまし
て、私もうれしいのですが、どうもありがとうございました。
　次回の日程について事務局からお願いいたします。

○事務局（麦谷医療課長）
　次回の日程でございますが、次回は来週３月９日の午前中に調査実施小委員会と総会
を開催いたします。それから、次々回、さらに１週間後でございますが、３月１６日の
午前中に調査実施小委員会とこの基本問題小委員会を予定しております。それから、３
月２３日はお休みをさせていただきまして、次は３０日というのを御予定いただきたい
と思います。ですから、今後は９日、１６日、３０日でございます。特に特別の案件が
ない限り２３日はちょっとやめるということであります。

○星野小委員長
　場所はまだですか。

○事務局（麦谷医療課長）
　場所はここは確保できていないそうなので、場所につきましてはまた連絡いたしま
す。

○星野小委員長
　それでは、本日はどうも御協力ありがとうございました。

【照会先】
厚生労働省保険局医療課企画法令第１係
代表　０３－５２５３－１１１１（内線３２８８）