05/03/01 補装具等の見直しに関する検討委員会第1回議事録             補装具等の見直しに関する検討委員会                  第1回議事録            厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部         第1回補装具等の見直しに関する検討委員会議事次第           日時:平成17年3月1日(火)10:00 〜12:30           場所:厚生労働省専用第16会議室 1.開会 2.委員紹介 3.社会・援護局障害保健福祉部企画課長挨拶 4.議事  (1)委員会の公開等に関する取扱いについて  (2)委員会における検討課題及びスケジュール(案)について  (3)補装具・日常生活用具の範囲の見直しについて  (4)その他 5.閉会 ○金子専門官  それでは、委員の皆様お集まりでございますので、ただいまから、第1回「補装具等 の見直しに関する検討委員会」を開催いたします。  本日は御多忙のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。  まず初めに、委員の皆様方をお手元の資料1の名簿に沿いまして御紹介をさせていた だきます。  まず初めに、横浜市総合リハビリテーションセンター長の伊藤利之委員でございま す。  続いて、東京都福祉保健局障害者施策推進部在宅福祉課長の太田敏子委員でございま す。  宮城県障害者更生相談所長の樫本修委員でございます。  千葉市高齢障害部障害保健福祉課長の栗原一雄委員でございます。  岡山理科大学工学部福祉システム工学科教授の黒田大治郎委員でございます。  最後に、和洋女子大学家政学部生活環境学科教授の坂本洋一委員でございます。  それでは、委員会の開催に先立ちまして、障害保健福祉部企画課長の村木よりごあい さつを申し上げます。 ○村木課長  おはようございます。障害保健福祉部企画課長の村木でございます。  今日お忙しいところ御参集いただきまして、本当にありがとうございます。また、日 ごろより障害者福祉の関係、さまざまな形で御尽力をいただきまして、改めて御礼申し 上げます。  既にいろいろな形でお聞き及びと思いますが、障害者福祉、かなり大きく制度改正を しようとしております。5つほど大きな柱があるということで申し上げております。  後で詳しい説明もあろうかと思いますが、まず1つ、身体とか知的とか精神とかとい う障害の枠組み、種別を少し外して制度一元化をして、特に市町村にサービス供給の主 体を一元化するという、非常に大きな枠組みの変更を目指しております。  2つ目は、働くことも含めまして、少し自立をお助けするという側面を強めていきた いと思っております。  3つ目は、今ある社会資源を上手に活用して、身近なところでサービスが提供できる ようにしたいと。そのために、少し規制緩和もやっていきたいということでございま す。  4つ目は、サービスを公平に提供するということで、いろいろなルールの明確化とか 透明化ということをやりたい。  5つ目でございますが、やはり障害者福祉、これからも特に財政面ではしっかり伸ば していきたいと思っております。そのためにみんなで財政を支える仕組みをつくりたい ということで、特に利用者負担について一定の定率負担をお願いするという大変厳しい 内容を含んでおります。その代わり、国や都道府県の財政責任も明確化をしていくとい うことでございます。  こういった内容を盛り込みました障害者自立支援法を2月10日に国会に提出をしたと いうことで審議を待っているような状況でございます。恐らく、4月か5月ぐらいから 審議が始まるということでございます。  そういう意味で、補装具や日常生活用具につきましても、この新しい法律の中にきち んと位置づけをして、先ほど言いましたような改革の方向性と、ある程度整合性を取っ た形にしていかなければならないということで、必要な見直しをしたいと思っておりま す。  特に、先生方に御検討をいただく見直しの内容としまして、1つは、前から随分指摘 がありましたが、補装具や日常生活用具の範囲ということについてきちんと今日的な視 点で概念整理を行いたいということでございまして、その上で種目の見直しを行ってい きたいと考えておりますので、どうぞ、この点、忌憚のない御意見をお聞かせいただき たいと思います。  もう一つは、補装具の価格設定のルール、この辺も是非御議論をいただければと思っ ておりますので、よろしくお願いをいたします。  いずれにしましても、大きな制度改革の中で非常に大事な意義を持っております補装 具や日常生活用具、きちんと位置づけをしていきたいと思っておりますので、よろしく お願いいたします。  それから、この検討会の座長でございますが、私どもとしましては、平成10年度に、 今回のテーマと非常に関わりの深い「福祉用具給付制度等検討会報告書」をおまとめい ただきました、横浜市総合リハビリテーションセンター長の伊藤先生に是非お願いをし たいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ○金子専門官  それでは、事務局の方を簡単に紹介させていただきたいと思います。  今、ごあいさつを申し上げました企画課長の村木でございます。  社会参加推進室長の江波戸でございます。  こちらの事務局で、社会参加推進室の指導係長をしております国松でございます。  同じく、指導係の大坪でございます。  私、福祉機器専門官をしております金子でございます。どうぞよろしくお願いいたし ます。  なお、村木課長でございますけれども、大変申し訳ございませんが、別の用務がござ いますので、退席をさせていただきます。どうか御容赦いただければと思います。                 (村木課長退室) ○金子専門官  それでは、以後の議事運営につきまして、座長にお願いしたいと存じます。よろしく お願いいたします。 ○伊藤座長  座長をお引き受けすることになりました、横浜リハセンターの伊藤でございます。  私、医学部を卒業して以来、35年、ずっとこの補装具の判定に関わってまいりまし た。更生相談所長時代8年ありますが、それ以外にもリハビリテーションの医者として この補装具の判定には長い間関わってきたと。そんな関係で、この資料7にございま す、先ほど課長から御説明ありましたけれども、「福祉用具給付制度等検討会」の座長 を仰せつかりました。  以来、前回の見直しと、この会議の座長をまた仰せつかることになりました。そんな 関係でございますので、どうぞよろしくお願いをしたいと思います。  それでは、早速、議事に入りたいと思います。まず、事務局より配布資料の説明をお 願いします。 ○金子専門官  それでは、説明いたします。お配りしております資料でございますが、まず、議事次 第の1枚紙でございます。その後に、座席表を入れてございます。  資料1といたしまして、委員名簿の1枚紙でございます。  その次に、資料2、検討委員会の設置要綱をお配りしております。  資料3、検討委員会の公開等に関する取扱い。2枚物のペーパーでございます。  資料4、検討会の検討課題及びスケジュール(案)という1枚物のペーパーをお配り しております。  資料5「補装具等に係る制度改正について」という6ページ物の資料でございます。  資料6「障害者自立支援法案の概要」。5ページ物の資料でございます。  資料7「福祉用具給付制度等検討会報告書(平成11年2月)」という、22ページ物の 報告書でございます。  資料8「補装具・日常生活用具の現状」。18ページ物の冊子でございます。  そのほか、委員の皆様方には参考といたしまして、「障害者自立支援法案参考資料」 という分厚い冊子でございますけれども、用意をさせていただいております。  資料の不足等ございましたら、事務局までお申し付け願います。  以上でございます。 ○伊藤座長  それでは、早速、議事に入りますが、「(1)委員会の公開等に関する取扱いについ て」という第1番目の議題からお願いいたします。 ○金子専門官  それでは、資料3をご覧いただきたいと存じます。「『補装具等の見直しに関する検 討委員会』の公開等に関する取扱い」というペーパーでございます。  「1 審議会等の公開・非公開」につきましては、平成11年に閣議決定をされました 「審議会等の整理合理化に関する基本的計画について(別添参照)」というものにより まして、「審議会等の公開の取扱いは、原則として、会議又は議事録を公開する」とさ れたところでございます。  「2 本検討委員会の取扱い」でございますが、2ページ目の別添の方に抜粋で閣議 決定を掲げておりますけれども、(2)の後段のただし書きをご覧いただきたいと思いま すが、「行政処分、不服審査、試験等に関する事務を行う審議会等で、会議、議事録又 は議事要旨を公開することにより、当事者又は第三者の権利、利益や公共の利害を害す るおそれがある場合」というものには、この検討会は当たらず、「今後の障害保健福祉 施策について(改革のグランドデザイン案)」で基づき補装具給付制度及び日常生活用 具給付等事業の見直しに関する諸課題を検討するために開催するものでございますの で、会議、議事録を公開ということを原則とする取扱いとさせていただければと思いま す。  以上でございます。 ○伊藤座長  ただいまの事務局の説明に、何か御意見はございますでしょうか。御質問ありません か。  それでは、事務局の案どおりということでよろしゅうございますか。                (「はい」と声あり) ○伊藤座長  わかりました。  それでは、議題の「(2)委員会における検討課題及びスケジュール(案)について 」ということで、事務局から御説明をお願いします。 ○江波戸室長  それでは、説明をさせていただきます。  検討課題及びスケジュール案の前に、まず経緯も含めまして少し御説明をさせていた だきます。  私ども厚生労働省では、障害保健福祉行政の基本的な方向性とか、障害者の方々の自 立支援のための施策の体系の在り方、それから、ケアマネジメントに関します在り方、 それから、サービスの計画的な整備と財源の配分の在り方など、これらの諸課題につき まして、「社会保障審議会障害者部会」におきまして審議を願ってきたところでござい ます。  部会によりまして、今後の障害保健福祉施策にかかります中間的なとりまとめをいた だきました。この後、これまでの御審議を踏まえまして、先ほど課長からもお話のあり ました、平成16年10月12日、改革のグランドデザイン案を提示させていただいたところ でございます。  まず、その概要につきまして御説明をさせていただければと思います。  まず最初に、資料5の1ページ目をお開きいただければと思います。  「障害保健福祉の改革の基本的な視点」とございます。そして、今般私どもが行おう としております改革の基本的な視点でございますけれども、ここにございます「障害者 本人を中心にした個別の支援を、より効果的・効率的に進められる基盤づくり」になる わけでございます。  そのために、ここに3つ○がございますけれども、「障害保健福祉の総合化」とか、 「自立支援型システムへの転換」、そして、「制度の持続可能性の確保」。こういった 課題に取り組むとしたところでございます。  補装具給付制度につきましても、今後、相当の伸びが見込まれるわけでございますけ れども、その予算は、一応、義務的経費ということになっております。  しかし、増える、増やせる義務的経費ではなくて、基本的には前年度と同額の枠内に 収めるというような予算の扱いになっております。厳しい財政事情の下、やはり自らで 制度維持を目指す必要がある経費となっているところでございます。  それから、次の2ページ目をお開きいただければと思います。  今回の改革のポイントでございますが、先ほど、課長がお話を申し上げました1から 5までの5点につきまして、私ども、改革のポイントとしてまとめているところでござ います。  繰り返しになりますので全部は申しませんが、サービスの一元化。  それから、障害者の皆さん、今までどちらかというとできないところに手助けという ところがありましたけれども、障害者の方々でもできるところがたくさんあるわけでご ざいますから、そこに着目をして、障害者の皆さんがもっと働ける社会にということ で、就労支援施策なども充実しようとしているところでございます。  それから、規制の緩和。  それから「手続きや基準の透明化、明確化」。それによりまして、公平なサービス利 用を可能にするというものでございます。  5番目に負担の面でございまして、これから増える福祉サービス等の費用につきまし ては、皆で負担し、支え合って仕組みを強化していくということで、利用者サービスの 量に応じました公平な負担とか、一方ではきちんと国もということで、これまで補助す る仕組みであった在宅サービスにつきましては、いわゆる義務的な経費にする、財政責 任を明確化するということをポイントにして取り組んでいるところでございます。  次の3ページをお開きいただければと思いますけれども、先ほど5点目に、「増大す る福祉サービス等の費用を皆で負担し支え合う仕組みの強化」というお話をさせていた だいたところでございますけれども、その具体的な考えを示すものでございます。  これまでは、所得にのみ着目した応能負担であったわけでございますけれども、サー ビス量と所得に着目した負担の仕組みに見直すこととしております。  補装具につきましても、従来、応能負担でございましたけれども、この基本的な考え に基づきまして、いわゆる定率負担(1割)をお願いすると。  また、生活保護の方でありますとか、市町村民税非課税、低所得の方々もいらっしゃ るわけでございますから、その方々につきましては、ここにございます0円、1万5,000 円、2万4,600 円とございますが、その負担の上限を設定して配慮していくというよう なことを考えているところでございます。これが今回の利用者負担の見直しの基本的な 考え方でございますので、補装具につきましてもこのような考え方を取り入れていくと いうことでございます。  5ページをお開きいただければと思いますけれども、「『補装具給付事業』と『日常 生活用具給付事業』のイメージ」と書いてございます。  今、御説明をさせてもらっております資料は、すべてが障害者部会に提出をされてい る資料でございます。障害者部会におきましても、このイメージ図を用いまして、補装 具給付制度と日常生活用具等給付事業の見直しにつきまして、御理解をいただいている ところでございます。その詳細を、これからというところで、今回お願いをしていると ころでございます。  現行、補装具給付、それから、右の方に日常生活用具給付ということで品目がそれぞ れ羅列してございまして、これが先ほど申しましたように、利用者の負担は応能負担で 行われているというところでございます。今回、これを、一番下の「見直し後」という ところをご覧いただければと思いますけれども、補装具につきましては「個別給付」と いう位置づけにする。それから、日常生活用具につきましては「地域生活支援事業」と いう事業仕立てで行っていくという整理をするということでございます。  利用者負担につきましては、補装具の方は先ほど申し上げましたように、定率の負担 をする。それから、一定の負担上限はきちんと設けて、低所得者の方々に配慮をすると いうことでございます。一定所得以上の方々は給付の対象外として、これから融資制度 なども少し充実させまして、対応させていただくような考えで、今いるところでござい ます。  地域生活支援事業の方は、特に私どもからは物申すことなく、市町村の方でいろいろ お考えをいただくという弾力性を持った事業というふうにこれからしていこうと思って いるところでございまして、この見直し後に至る前段階として、実は真ん中の箱がござ いますけれども、先ほど御紹介をさせていただきました「福祉用具給付制度等検討会報 告」がございます。これは平成11年2月にきちんと報告をいただきながら、私ども、見 直しをせずに来ておったところもございます。今般、その改革の機会でございますの で、いただきました報告に基づきまして、新たな補装具とか日常生活用具の姿にしてい きたいというのが私どもの考えでございます。  ここに書かせていただきましたように、検討会報告に基づきまして、次のような視点 で現行給付品目の見直しを行い、入替え等を検討するということであります。  補装具につきましては、(1)(2)(3)という視点を持って見直したらいかがということ。 それから、日常生活用具につきましては、補装具以外の機器でということでございま す。ただ、これはイメージでございますから、この(1)(2)(3)で固めているわけではご ざいませんので、今般のこの検討委員会で御議論を賜れば幸いでございます。  次の6ページにその全体像を示させてもらっております。ちょっと見にくくて申し訳 ないのですけれども、今、申し上げましたように、総合的な自立支援システムを構築す るということでございます。  この障害の世界、かなり細かいところのややパッチワークのようにいろんな施策が次 から次へと、予算的にもそのような形で仕組まれてきたところでございますけれども、 今回のこの総合的な自立支援システムによりますれば、まずは上の方の丸の中にござい ます「自立支援給付」という一つのくくり。それから、「地域生活支援事業」という一 つのくくり。それから、もう一つは、手当などのくくりが考えられると思います。  その「自立支援給付」の中に「介護給付」があり、それから、「訓練等給付」があ り、そして、従来の更生医療とか育成医療を含めた「自立支援医療」というものがあ り、そして、そこに「補装具」が入るということでございます。  それから、「地域生活支援事業」という一つのくくりの中に相談支援とか、地域活動 支援、移動支援、コミュニケーション支援、そして、日常生活用具等が入るということ で、ある意味、この大くくりにして、その大くくりの中でまたいろんな融通がつきやす くなるといったようなメリットもあるわけでございまして、今回、このような大きくま とめた自立支援システムを構築しようとしているところでございます。  このような改革のグランドデザイン案に基づきまして、先ほど課長が申し上げたよう に、2月10日に今国会に障害者自立支援法案を提出させていただきました。それにつき ましては、資料6をごらんいただければと思います。  1ページ目には、「1 障害者自立支援法による改革のねらい」として、これは先ほ ど御説明を申し上げました5点でございます。  一番下をごらんいただければと思いますけれども、今回の障害者自立支援法案でござ いますけれども、「障害種別にかかわりのない共通の給付等に関する事項について規定 」とございまして、今まで「身体障害者福祉法」「知的障害者福祉法」「精神保健福祉 法」「児童福祉法」、それぞれの法律に入っていたもので、種別に関わりのない共通の 給付。これらにつきまして、ある意味、各法から抜き出しまして、「障害者自立支援法 」としてまとめたというところでございます。  2ページに、今回の法案の概要がございます。  給付の対象者は障害者としまして、条文上は障害者、障害者等になっていまして、そ こには身体、知的、精神、障害児と、すべて入るということでございます。  給付の内容は、大きく見ましてホームヘルプとかショートステイ。それから、施設関 係のいわゆる障害福祉サービス。それから、先ほど出てまいりました更生医療とか育成 医療などをまとめた自立支援医療というもの。それから、「等」になっておりますが、 ここに補装具などが入るということでございます。  あと、手続もきちんとするということ。  統合補助金として地域生活支援事業をつくるということ。  計画をきちんとつくって、その計画の下に諸サービスが提供されると。  そして、ホームヘルプとかショートステイなど、福祉サービスにつきましてはきちん と数値目標も立てるというようなことが条文上書かれているところでございます。  それから、「3 施行期日」がございますけれども、これからいろいろ御検討を願い ます補装具、それから、日常生活用具が入ります地域生活支援事業でございますが、こ れにつきましては、一番下にございます「新たな施設・事業体系への移行に関する事項 等」ということで、平成18年10月施行ということになっているところを御認識いただけ ればと思います。平成17年10月から始まる部分もあるわけでございまして、これから地 方自治体と私ども、一丸となって施行に向けて努力していくというつもりでいるところ でございます。  それから、お手元の資料をごらんいただければと思いますが、次の3ページに、今回 の自立支援法案におきます補装具の部分と日常生活用具の書きぶりにつきまして抜粋を させていただいておりますので、触れさせていただければと思います。  まず最初に、「定義」として、第5条19項に定義を設けたところでございます。  従来、身体障害者福祉法とか児童福祉法におきましては、盲人安全つえ、補聴器、義 肢、装具、車いす、その他厚生労働大臣が定める補装具というふうな規定であったわけ でございますけれども、今回、きちんとその定義をさせてもらうということで、この法 律におきますと、「『補装具』とは、障害者等の身体機能を補完し、又は代替し、か つ、長期間にわたり継続して使用されるものその他の厚生労働省令で定める基準に該当 するものとして、義肢、装具、車いすその他の厚生労働大臣が定めるものをいう」とい うふうな規定をさせてもらっているところでございます。  ここにございます「厚生労働省令で定める基準」または「その他の厚生労働大臣が定 めるもの」、この部分につきましては、検討会におきます御議論なども踏まえまして、 今後、制定という段取りになるところでございます。  それから、第76条第1項でございますが、「補装具費の支給」とございます。  ここは、これまで、原則、現物給付であったわけでございますけれども、今回の自立 支援法案の全体的な福祉サービスと同様に、補装具につきましても、金銭給付と規定を したところでございます。  これまでは、市町村は補装具を交付、修理し、またはこれに要する費用を支給するこ とができると規定されていたところでございます。そして、交付または修理は製作業者 に委託してやるか、自ら行う。そのような規定だったわけでございますけれども、これ を、下のアンダーラインでございますが、「要した費用について、補装具費を支給する 」と。このように規定をさせてもらったところでございます。  それから、第76条第2項でございますけれども、ここにはその補装具費の額でござい ますけれども、「通常要する費用の額を勘案して厚生労働大臣が定める基準により算定 した費用の額」とさせてもらいました。その後に「の百分の九十に相当する額」とござ いますので、1割は御負担願いますという条文になっているところでございます。  以下の条文で、低所得者への配慮のところが出てくるわけでございます。このように 規定をさせてもらっておりまして、これから、通常要する費用の額を勘案して定める基 準をつくる必要があるということで、もう少し後になろうかと思いますが、また御意見 を賜る部分だと、かように考えておるところでございます。  4ページをお開きいただければと思いますが、申し上げましたように、地域生活支援 事業の中に日常生活用具が入ると申し上げました。「市町村の地域生活支援事業」とい うのがございまして、第77条第1項で、「厚生労働省令で定めるところにより、地域生 活支援事業として、次に掲げる事業を行うものとする」というふうにされたところでご ざいまして、いわゆる、「することができる。」のではなくて、「するものとする。」 ということで、市町村の皆さん、よろしくお願いしますというような書きぶりの事業と いうふうに御理解をいただければと思います。ここに、2号で「日常生活上の便宜を図 るための用具であって厚生労働大臣が定めるものの給付又は貸与」というふうに規定を させてもらったところでございます。  先ほどの図でご覧いただきましたように、条文上におきまして、自立支援給付として の補装具、そして、地域生活支援事業としての日常生活用具というふうに書かせていた だいてもらっているところでございます。  5ページをお開きいただければと思います。  先ほど、文書でご覧いただきましたので、図でご覧いただければと思います。現物の 給付が金銭の給付になるというふうに申し上げたところでございます。これから少し検 討するところもあるわけでございますけれども、このような形になるというところを図 で示しております。  最初に、案にございますが、補装具の購入を希望する方々は市町村に費用支給の申請 を行うというのが1番目でございます。  2番目は、申請を受けました市町村は更生相談所等の意見を基に支給を行うことが適 切であると認めるときは、その決定を行うというのが2番目でございます。  3番目に、支給を受けた障害者の方々は、事業者との契約によりまして、補装具費の 購入のサービス提供を受けるということでございます。  それから、エにございますように、障害者が事業者から補装具費の購入のサービスを 受けたときは、要した費用を支払うとともに、市町村に対して100 分の90に相当する額 を請求すると。  市町村は、その請求を受けまして、補装具の支給を行うということでございます。  実は、ここで1つ、他の障害福祉サービスは代理受領という制度を入れてあるわけで ございますけれども、今回、この補装具費につきましては、代理受領の条項が入れられ ませんでした。  そういうことで、今のア、イ、ウ、エ、オをご覧いただきますと、いわゆる償還払い というような形になっておるわけでございますけれども、償還払いになりますと障害者 の方々もお困りになるというところは、私ども十分承知しているところでございますの で、下の図にありますように、そこのところは、今、点線で書いてございますけれど も、市町村と製作業者の皆さんにおきまして、まずは障害者の方々の同意をいただき、 市町村と業者さんの契約によりまして、その代理受領を可能ならしめようということの 努力をこれからしていきたいというふうに考えているところでございます。  いわゆる規制の関係などでちょっと条文に入りきらなかったところでありまして、こ こにつきましてはこのような形にはなりましたけれども、障害者の皆さんがお困りにな らないような形をこれから模索していこう、検討していこうとしているところでござい ます。  今、説明をさせていただきましたように、一つ、障害者の方々と新たに補装具製作事 業者さんとの契約というところが新しく出てくるというところでございますので、この ような契約が円滑にいくようなところのいろいろな手順とかいうところは、これから私 ども、十分にその意を尽くしていかなければいけないところと、現在考えておるところ でございます。  このような形で、先ほどのグランドデザイン案、そして、障害者自立支援法案を出さ せていただいておるところでございます。  そして、恐縮でございますが、資料4にお戻りをいただきたいんですが、「当面の検 討事項」といたしましては、先ほど課長からも申し上げましたように、「補装具、日常 生活用具の範囲の見直し」をきちんとさせていただきたいと。それに基づきます品目の 入替えを考えたいということ。  2つ目の○でございますけれども、この検討が終わってからになろうかと思いますけ れども、先ほど申しました補装具、通常要する費用の額というふうになったわけでござ います。  または、その通常要する費用の額の決め方なり、新製品をどのように入れていくかと いう、昔からの課題でもあろうかと思いますけれども、その辺につきまして、また少し 先生方の御意見を賜れれば、私どももとても幸いというふうに考えておるところでござ いますので、どうかよろしくお願いをしたいと思います。  この検討スケジュールにつきましては、これで決めているわけではございません。便 宜上置かせていただいたものでございますので、検討の流れでまた変わっていくところ もあろうかというふうに考えておるスケジュールでございますので、どうかよろしくお 願いをいたします。  この範囲の見直しにつきましては、先ほど出てまいりました検討会報告書案があるわ けでございます。この資料7でお話をさせていただければと思います。  資料7で、私の方から概略のみでございますけれども、実は、1ページをお開きいた だければと思いますけれども、この「II 検討内容」「1 補装具、日常生活用具の概 念」というのが既に報告としていただいておるところではあります。  これによりますれば、2ページの一番下にございます「ア 補装具」「補装具とは」 ということで、  (1)身体の欠損又は損なわれた身体機能を補完・代償するもの。  (2)身体に装着(装用)して常用するもの又は作業用に使用するもの。  (3)給付等に際して医師の意見書(身体障害者更生相談所に来所の場合は判定書)を 必要とするもの。  「以上の3つの要件を満たすものを補装具と考えるべきである」と、このように先般 の御報告をいただいておるところでございます。  そして、その結果として、5ページをお開きいただければと思いますが、真ん中辺に (エ)がございまして、この報告書におきましては「経過的に補装具として取扱う場合 」と、このようにございますが、いわゆる、ここにリストアップされている品目が先ほ どの(1)(2)(3)から外れるといったような種目というふうに整理されているところでご ざいます。  実は、私どももこの報告をいただいておりますので、その結果を尊重して整理をした いと考えているところではございますけれども、平成11年2月から少し時間も経過して おりますので、お忙しい先生方に本当に申し訳ないのですけれども、ある意味、もう少 し今日的な視点がもしあるのであれば、それも入れていただきまして、再度御検討いた だければ幸いと、このように考えた次第でございます。  日常生活用具につきましては、3ページのイにございますけれども「日常生活用具 は、  (1) 日常生活を便利又は容易ならしめるもの。  (2) 家庭復帰を促進し、家庭生活を営み得るようにするもの」。こういうふうにい ただいているところでございます。これにつきましても、再度、補装具と同様に御検討 いただければ幸いというふうに考えているところでございます。  私ども、いずれにいたしましても、この報告書は尊重していく気持ちでおるところで ございます。そして、この後、御検討いただいた結果を踏まえまして、先ほど出てまい りました補装具の定義規定にあります省令というものを決めていきたいというふうに考 えているわけでございます。  課長からも申し上げましたように、実は、この報告書にも御指摘をいただいているの ですけれども、定義がはっきりしない中で私ども、補装具と日常生活用具を運営してき たところもございまして、やや整合性を欠くところがあるのかもしれません。  もし、このままいくとすれば、補装具の制度も日常生活用具の制度も共倒れになって しまうようなところもあると考えます。ここはひとつ、補装具と日常生活用具の道筋に 沿って歩むということが必要だと思っておりますので、その道筋をどうか教えていただ きまして、適正な両制度の充実、発展につなげたいと考えておりますので、どうかよろ しくお願いをしたいと思います。  済みません、長くなりました。 ○伊藤座長  ありがとうございました。ただいまの事務局の説明に、何か御質問、御意見ございま すでしょうか。  よろしゅうございますか。前回の検討会の報告を尊重するという点で、よろしいです ね。                (「はい」と声あり) ○伊藤座長  今回の会議は、2か月ほどで結論を出さなくてはいけないわけですが、前回の検討会 の報告書があり、その中では、一応、概念整理はできておりますので、これに基づいて 今日的な課題を入れ込んで検討した結果を出したいということでございますので、ベー スがあるということで、2か月間でよろしかろうという計画でございます。  それから、前回の検討のときに、少し十分ではなかったと思っておりますのが、日常 生活用具に関する概念整理でして、こちらについては今回、もう少し時間をかけて話を 詰めたいというふうな点もございます。  特に今日の会議でございますが、主に概念の方から整理して、その上で具体的な品目 の話を進めていきたいと思うのですけれども、しかし、話の都合上、具体的な品目の問 題も多分出されるんだろうと思いますので、それはそれで結構でございますけれども、 一応、品目の方の話になるのではなくて、概念整理の方から進めたいということを念頭 に置いてお話しいただきたいと思います。  それでは、そういう日程を含めまして、よろしゅうございますでしょうか。御意見ご ざいませんか。  それでは、早速、時間の許す限りディスカッションをしたいと思います。  まず、補装具の概念整理でございますが、これは資料5の5ページ。それと、資料7 の2ページにございます補装具の概念。  資料5の5ページの真ん中のところ、「『福祉用具給付制度等検討会報告』(平成11 年2月)に基づき、次のような視点で、現行給付品目の見直しを行い、入替(補装具→ 日生具、日生具→補装具)等を検討する」ということになっているわけですが、そのと きに補装具ということで(1)(2)(3)とあるわけでございまして、この中で(1)は報告書に あります、すなわち資料7の2ページにあります補装具の定義そのものなのです。  それに対して、(2)と(3)は要するに、このときに、実際上はこういう概念のものを補 装具とすべきなのですけれども、これまでの歴史的な過程の中で補装具という枠組みの 中に入っているもので、この概念に当てはまらないものがあると。そういうようなもの に対する取扱いの視点が、この(2)と(3)だろうというふうに思います。この点につい て、まず少し議論をしていきたいと思います。  そこで、補装具の概念の、前回の検討会の資料7の2ページ(1)(2)(3)という3つの 条件を付けてあります。これについて若干説明申し上げますと、(1)は前々から書かれ ていた定義でございまして、「身体機能を補完・代償するもの」と。これは目的でござ います。  2番目は、この補装具の使い方といいましょうか、「身体に装着(装用)して常用す るもの又は作業用に使用するもの」ということで、これは使い方みたいなものです。  3番目でございますが、これは更生相談所を軸にいろんな判定をして、それでもって 補装具を給付するという仕組みがございます。そういうような仕組みをなぜつくらなけ ればならないのかということでございます。  この点に関しましては、いわゆる市場の中で一般的に売られるものではございません ので、それぞれの障害のある方々に対してきちっとフィットしたものを提供するという ためには情報の提供もしなければなりませんし、同時に、身体の条件から補装具との適 応をきちんと決めていかなければならない。そのために材料も選ばなければならないと いうようなこと。これが非常に数が少ないということもありまして、製作業者も育てな ければいけませんし、技術者も育てなければならないというような背景がございます。  したがって、そういうような専門的な目でこれを見る必要があるのだということが非 常に重要な課題でして、その一つの担保として、医師による判定を要するもの、医師の 意見書を要するものと。これはそういう意味で書かれている3番目の条件です。  これは給付の仕組み、あるいは給付の条件、そういうふうなものを担保する条件とし て、医師というものが入っているのでありまして、何も医師に限ったわけではございま せんで、できればチームワークで、チームでもってアプローチする必要があるわけです けれども、その担保として医師の意見書というふうな考え方で示されているわけです。 この点につきまして、更にこういう視点からとか、補完すべきだとか、これでいいと か、いろいろ御意見をいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。  我々の学会やいろんなところで、例えばPT業界の方やOT業界の方々からも、医師 の意見書だけではなくて、むしろPTの方の意見書だとかそういうものも認めるべきだ というような御意見もございますけれども、いかがでしょうか。 ○樫本委員  この(3)に関しましては、既に医師の意見書がなくても市町村の判断で出せる補装具 はあるわけで、それは後で整理されると思うのですけれども、その部分は補装具として 定義するというところで反すると思います。  それで、今、先生がおっしゃった医師以外の職種、理学療法士等が補装具に関して専 門的な知識があれば、意見書として認めていいかどうかということなのですが、地域差 がやはりかなりたくさんあると思うのです。  私のいる東北の方は、補装具に関して、そういう専門的な理学療法士、作業療法士が そんなにいませんので、やはり医師の意見書というところにこだわりを持つのですが、 逆にそれでは医師の質が十分確保されているかというと、またそうでもないという現状 もございます。答えになりませんけれども、地域差がかなりあって、一概に決められな いというのが私の意見でございます。 ○伊藤座長  それでは、関西方面、いかがですか。 ○黒田委員  基本的には、樫本先生と同じなのですけれども、ただ、新しい時代に向けて考えよう ということですので、今まで怠ってきた専門家をいかに活用するか。いつまでも育たな いと言ってしり込みしておったではなくて、やってみなさいというところが一時必要で はないかと思うのです。  PTさん、OTさん、それから、お医者さん。それから、当然、国家資格としての義 肢装具士をどう活用するのかは、ほとんど等閑視されてきている。これは、ほうってお くべきではないでしょうし、特に金銭給付ということになってくれば、相当泥臭い話ま で考えておかなければならない。  そうすると、いろんな専門家が関わってくるならば、今の時点で1回、制度の見直し というよりも、むしろ新しい時代に移る段階で十分専門家の方々を生かす、また一つの 機会ではないか。ここを逃すと、またいつまでも育たないということになってしまう。  補装具そのものの全体の概念を見直すということと同時に、専門家の活用をもっと積 極的に生かすような見直しであるべきではないか。今までもそれは議論されてはきたの ですけれども、まだ時期尚早かなというようなことで、ずっと、むしろ、ペンディング の状態。多少、私たちも更生相談所にも関わり、いろいろやってきて、少しは消化不良 の状態できたことは事実なのです。ただ、果たしてそれがいいかどうかということも改 めて見るべき時期だろうと思います。 ○伊藤座長  資料7の3ページの上から6行目でしょうか、「(3)については、(1)及び(2)のよう に補装具そのものの機能や性状等を表したものではないが、補装具の概念を考える上で 重要なものである。その意味するところは、補装具は身体障害者の身体に装着(装用) する特殊なものであるので、医師が介在し処方を行う必要があり、また、処方したもの が障害者に適合しているかどうか確認する必要がある。この処方を医師の意見書(又は 判定書)により担保するということである」。  先ほど私が説明したことなのですが、この場合に、この前の委員会のときにも、この 文書をあえて入れてもらったわけです。これは、担保するということで入れてもらった わけですが、何もこれが医師でなければならないという条件では考えてはいないわけで す。  ただ、これは医師一般で書きましたものですから、PTとかOTとかという人たちを 想定しなかったのは、保助看法との関係で言うと名称独占であるということで、もしP Tを認めるということになれば看護師も認めることになりますし、助産師も認めること になるし、保健師も認めることになる。この方々が補装具に関してそれほどの背景を持 っていらっしゃらないということもあって、ちょっとそこでは線引きできませんという ことなのです。  ただ、補装具の給付事務をだんだん簡略化して、意見書を認めるようになってきてか ら、医師の中でも、例えば国立身障センターでおやりになっているような判定医師講習 会を受けた方々とか、あるいは学会の専門医の方々とかというふうに限定しています ね。ですから、そういう意味で、補装具に関してかなり限定した仕組みをつくれば、ほ かの方々を入れてもそれは問題ないかと思います。もちろん、我々の理想とするところ はチームでもってアプローチすることですけれども、そうもいかない地域もございます ので、その辺を考慮したときにどうなのかということになってまいります。その辺で、 どうぞ。 ○樫本委員  利用者の立場に立って考えますと、医師の意見書をもらうというのは一つのハードル になっているのです。  例えば、自分の生活とか自分の思想をよくわかってくれているPTやOTの人、施設 に入所している方とか老健にいる方なんかもそうですし、そこのPTやOTの方に、補 装具に関する意見といいますか、アイデアを提出してもらった方が当然有効なのです。 そして、初めて会った医師とか普段診ていないようなお医者さんが補装具が必要かどう かというのは書けないのです。書けないというか、もし書かれたとしても、余り情報が 有効なものが入っていないというのが現場の状況なのです。  そうしますと、利用者の方が補装具をより早く、よりいいものを手に入れるという視 点で考えると、この意見書を書く方が医師以外でも、ある部分はあってもいいのかな と、そういうふうにも思います。  例えば医師の意見書を基に市町村が判断するというランクのものは、これはやはり医 師が書くと。医師の意見書を基に更生相談所が判定するという部分に関しては、更生相 談所の目が1回通るわけですから、医師以外に少し広げるという手も考えられなくない かなという気もいたします。 ○伊藤座長  太田委員、いかがですか。 ○太田委員  この平成11年の報告書で補装具の概念が3つ書かれているのと、今回、新しく提示さ れた補装具という、グランドデザインで示された補装具の概念の中で、私、(2)の極め て重度の障害者のコミュニケーションの確保に資するものであって、費用対効果が高い ものと。  先ほど、樫本先生がおっしゃった、できるだけ利用者にとっていいものを早くという のはユーザーとして当然なことであって、今までの補装具というのが、ややもすると私 どもが障害福祉の中にいる方も、ややもすると義手と義足とかそういったものにこだわ って、もっと新しい民生具というのでしょうか、いろんな機器ができていく中で、それ をより障害者の生活、日常生活用具とのすみ分けが非常に難しい部分があるんですが、 それを補装具の中で取り入れたものをこの中で位置づけていただいているというのは新 しい概念で、すばらしいというふうに思っています。  それから、先ほど伊藤先生が、やはりチームとしてということで、医師だけではなく てPT、OT。それを、先ほど樫本先生が、ただ一片の医師だけではなくて、今までそ の方を診てきたPT、OT施設の職員の方の目という方が、その方の障害実態生活をよ く認識していらっしゃるのではないかというところで、そこをやはりどんなふうにクリ アーしていくか。  私も、かつて東京都の心身障害者福祉センターで、そういった補装具の関係の事務職 としてでございますが、判定業務を横からながめておりまして、例えば電動車いすの判 定等で、非常に個別の品目になってしまいますが、そういったことについてどんなふう に、的確に重度の障害者の方に判定をしていくのか、給付の手続をしていくのかという のは今日的な課題だなというふうに思っておりましたので、そういう意味で、この補装 具の新しい概念の(2)というのはすぐれているというふうに感じました。 ○伊藤座長  これは資料5のですか。 ○太田委員  はい。 ○伊藤座長  資料5の補装具の(1)(2)(3)というのは、必ずしも補装具の概念ということではない のです。例えば、(2)とか(3)というのは運用の問題だというふうに思いますけれども、 要するに、(1)が定義づけなんです。  ですから、この(1)をどう見るかということがまず1つあって、(2)(3)に関しまして は、補装具の概念からはずれるけれども、歴史的に補装具の枠組みの中に入っている。 そういうものをどういうふうに扱うかということでの一つの考え方だろうというふうに 思いますので、その辺をどうするかはちょっと後でディスカッションしたいと思いま す。まず、(1)のことで。  今、先生のおっしゃっていることはよくわかりました。要するに、一番よく知ってい る人たちが見るべきだと。あるいは、チームで見るべきだということですね。  これは、先生、できれば縦で診ていきたいということですね。横断的に診てわかると いうのは非常に限定されると。したがって、そのユーザーの方、利用者の方にずっと付 いて見ている人たちの中で補装具の専門家がいるといいということですね。 ○樫本委員  それは、理想ですね。 ○伊藤座長  そういう意味だと、栗原先生、何か。 ○栗原委員  いかにスピーディーさを担保していくかということなんだと思うのです。  今、たまたま、千葉市は政令市になって間もないんですけれども、更生相談所がある というようなことから、現行では基準外補装具や何かにつきましても、先生おっしゃる ように、チームで比較的スピーディーに対応ができているというような状況があるので すが、これが今回のグランドデザイン案ですと、これが全部、一般の市町村になってい ると。  実は千葉市も昔一般市町村であったときに、これは先輩から聞いた話なのですが、基 準外補装具を申請するに当たって、1歳の子どもに対する補装具が、実は結論が出てき たのが、非常に難しい例もあったというようなこともあるのですが、1年近く経ってし まったと。でき上がったときにはもう使えないというような状況もあって、非常に困っ たというような事例も昔はあったというように聞いております。  どんどん市町村が決定をしていくというふうに当たって、専門性の部分とスピーディ ーさをどうマッチングしていくのかというようなのが一つ課題になってくるのではない かというふうに感じてはいるのです。 ○伊藤座長  欲しいときはすぐにも欲しいわけですから、スピードも非常に重要なサービスです ね。しかし、早かろう悪かろうではいけないので、そこをどうするかですね。 ○坂本委員  私は、この資料5の(1)(2)(3)のコンセプトがあるんですけれども、むしろ、この資 料7の報告書の(1)(2)(3)の中で、まずコンセプトといったら、やはり目的と機能をは っきり定義づけしないといけないのだろうと思うのです。そうすると、(1)と(2)という のは定義がよくわかるんです。  ここで、そのときに、(1)なら(1)だけで独立しているのか、あるいは(1)&(2)なのか ということを考えていくと、やはり定義そのものは、目的と機能が統合されていないと コンセプトにならないんだろうというふうに思っているのです。  それで、(3)の取扱いの問題というのはちょっと違う意見を持っているんですけれど も、基本的には目的と機能を合わせている(1)と(2)があれば、私はすごくコンセプトと してはすっきりするかなというイメージがあるんですけれども、この給付等に関する医 師の意見書というのは、実は先ほど黒田先生のお話をお伺いしてずっと考えていたんで すけれども、遮光レンズのことを考えていくと実は地域差がすごくあって、専門性がす ごくあいまいな部分がかなりあるのです。そうすると今、遮光レンズというのは市町村 の方からすると、やはり医師の意見書に基づいて決定していくということを考えていく と、非常にぶれてくるという可能性が非常に高い品目なのです。  そうしたときに、やはり医師という担保のところで整理していかないと混乱を招くの ではないかという気がしてしようがないのです。 ○伊藤座長  非常に法的には難しいところなのですね。  ですから、チームということを想定して、より一層高いものを担保する上でチームを 想定して、いろんな教育をし、研修をし、そういう方々に参加してもらうということは いいことなのですけれども、意見書を書くという責任問題で言えば、医師ということを 担保することの方がいいだろうというのがこの前の結論だったわけなのです。 ○坂本委員  コンセプト以外に、ほかのところでこの意見書というのをしっかり書けておけばいい のかなという感じがして、コンセプトの中に入れてしまうと、将来どうなるのかなとい う感じがちょっとしているのです。 ○伊藤座長  (3)というのは非常に難しい判断なのです。(1)と(2)だけでは非常に広がってしまう ということもあって、わけがわからなくなってしまうということもあるので、ここのと ころにきちっと補装具としての概念を入れ込めるかどうか難しいところでもあるもので すから(3)が出たということもあるのですが。 ○坂本委員  もしそうすると、先ほど太田先生が言った新製品の導入の問題、やはり変わっていく 要素というのは結構出てくるのだろうと思うので、むしろ、これはコンセプトはコンセ プトで押さえておいて、次の品目の範囲のところで決定していくと考えていました。 ○伊藤座長  ただ(3)が出たために、更生相談所に来所しないで、医師の意見書によって判断する というようなこともつくりやすくなったということはあるのです。  先ほど、栗原委員から出たスピーディーにということが、あるいはずっとその方を見 ていらっしゃる主治医の先生がもし書ければ、それにこしたことはないということもあ りまして。  それでは、(3)のことはそういうことが大体問題点だということを前提にして、(1)と (2)の方の定義に入りたいと思います。  1つは、歴史的に「身体の欠損又は損なわれた身体機能を補完・代償するもの」とず っと昔から言われてきていることなので、これ自体は余り異論はないというふうに思う のですが、(2)の方「装着(装用)して常用するもの又は作業用に使用するもの」と。  これは、現場では非常に混乱がよくあるのが屋内用、屋外用とかという考え方で、あ くまでも、ここでは常用と作業用と規定されております。身体障害者福祉法が障害のあ る方々の職業復帰、あるいは職業就労支援ということまで含んでいるものですから、そ ういうことを考えますと、ここでは作業用というのは非常に重要であるわけです。  それが歴史的には常用、作業用と言われてきたのですが、現場ではよく屋内用、屋外 用で出されている。そういう概念の方が一般化されているようなところもありますの で、この辺については御意見いかがでしょうか。 ○樫本委員  「身体に装着(装用)して」というのは、義肢装具、それから、座位保持装置とかで しょうか。これは限られた概念な感じがして、例えば車いすの外用といいますか、外出 用に車いすが欲しいということで、身体障害者福祉法で給付することがありますが、外 出時のみ使用するので、常用ではないわけです。  しかも、車いすは装着、装用という言葉にもちょっとそぐわないような感じがしま す。障害のある方の自立の支援には有効なものというようなイメージの方がいいのかな という感じで、この自立支援という言葉が概念の中に入った方がいいのかなという気が いたします。 ○伊藤座長  ほかにいかがでしょうか。  どうぞ。 ○坂本委員  多分、この(2)は、感覚機能障害とか運動機能障害とか、内部機能障害のファンクシ ョンによって補装具の機能というのは当然変わってくるのだろうと思うのです。  例えば、感覚機能障害なんかで、特に視覚障害の場合だとすると、白杖を携行してい くわけです。それは、目の代わりに情報検索をするという代行機能がある。(1)という のは、そういう意味でクリアーできるのですけれども、そういう機能障害の部分で、か なり使い道というのはずいぶん違うのだろうと思います。  そこをしっかり区分けしてくれないと、先ほど樫本先生が言ったように、常に装着す るものではないとかということが起こってくるので、携行してもいいのではないかとい う、そういうところはやはり機能障害によって状況が違うのだろうと思うのです。 ○伊藤座長  これは、肢体系をベースにつくられていることは確かですね。 ○黒田委員  逆にこの方が使いやすかったことも事実なので、ある意味で、どの状況で使うか。  今、機能別に設定していて、そして、このときはこういう使い方、例えば、視覚障害 の時には携行用まで含めると。非常に細かく説明をしないと動けないのかというと、そ うすると、実際に応用動作をしようとしたら、かえって窮屈になってしまう。  実用上はこれでいくと。例えば、室内用とか室外用とかというようなものは、まさに その人の利便性を前提にして考えたらいいのではないかというとらえ方もありまして、 それで後年、そういうのが出てきたわけです。  ですけれども、前提はいつも装用、つまり、装用というよりは装置使用みたいなつづ められているんだと。非常に簡便化されたもので、この装用の中に用途も機能別も皆入 っているという、解釈するというか、更生相談所としての仕事の中に、要するに条文の 解釈を制度の枠を超えないぎりぎりのところでどこまで解釈できるのかという、言って みれば、そこに本来は行政サービスの責任があったと思うんです。  これは文字そのものにひっ付いてしまってやったものですから、ものすごく堅苦しい ところがある。全国の相談所の判定をする人たちと集まってやると、非常にリジットに そこに固まる人はいます。  今、申し上げたように、用語の向こう側に一体何があるのかと。そうすると、専門技 術中枢機関と名指されていて、そこがどこまでサービスの対象、行政の位置づけも理解 し、なおかつ、利用者に対して理解するという、非常にアンビバレンスな位置なんだけ れども、やはりよりよく動いていくための条件解釈は任されていると思っていいのでは ないかという経過が来たわけです。  当然、これは補装具の問題は次の段階で、今回も更生相談所が出てくると。実は、 私、この補装具を自立支援法でまとめてしまうと、相談所がなくなってしまうのと違う かという、それなりのイメージを持っていたのですが、今、ここの仕組みから見ると更 生相談所が出てくると。出てくると、当然、判定とか意見を出していくということにな ると、ある意味で、もともとの形で置いておいた方が活用上は相談所としてはやりやす いのかなと。むしろ、それで市町村とうまく協議したり指導したりとする位置づけを置 いておいた方がいいのではないかと。そういう感じを持っています。 ○伊藤座長  現場の更生相談所としては、この(1)と(2)というのは昔から言われていることです から、この前の検討会で問題にしたのは(3)のところなのです。ですから、そういう意 味では、そのままの方が現場は混乱しないということですね。  ただ、先ほど室長からお話があったように、法的にある程度明確にしないと共倒れに なってしまう可能性もあるわけでありまして、そういう意味ではお金の問題が絡みます から、明確にしようというのが今回の話です。これで明確だというふうに認めてもらえ るかどうかですね。そういう問題もある。  ここでわざわざ「(装用)」と入れたのは、体に密着させるということではないとい う部分を含めて「(装用)」なんです。常用というのは、いつもいつも身に付けている とは限るわけではなくて、日常的に使うという意味なのです。ですから、屋外で日常的 にお使いになるというふうになれば、これは常用というふうに解釈している。  ただ、今、黒田先生が言われたように、それでいい、そういうことを今までやってき たんだけれども、それをやりますと、地方によっては、自治体によっては格差が出てく ると。いいように解釈してくれる方と、厳しく解釈する方と、かなり格差が出てきてい ることも確かなので、そういうことを含めて、ほかの委員の方々、いかがでしょうか。 ○坂本委員  むしろ、今まで黒田先生がおっしゃったように、品目そのものが決まっているわけで すから、むしろ概念は、現場的には、ある意味では余り議論されなかったわけですね。 ○伊藤座長  その品目について言うと、「こういうものはどうか。」と来たときに、「いいです よ。」と入ってきているわけですね。 ○坂本委員  そういった意味で、今のこの(2)の表現が、もし、品目を抜きにして、この概念規定 だけで説明するかといったときに、果たして現場が、市町村がぴんとくるかといったと きにすごく難しいかなという感じがちょっとしているだけです。 ○伊藤座長  ただ、示すときには品目も併せて示すわけですね。 ○江波戸室長  はい。 ○黒田委員  補装具ですから、当然、取扱事務要領までずっと含めた概念というのを押さえていく と、例えば耐用年数というのは当然考えられなければならないでしょうし、それから、 もう一つは、先年決められた新たな事務取扱でも製作業者の瑕疵の状況によっては、ま た装着状況によっては9か月がまず予定されると。そのときは、無条件で直さなければ いかぬとか、3か月以内に修理しなければならぬ。それは製作者そのものにかかってく る負担になっているわけです。  そういう向きからすると、果たして、それを非常に簡単な手続でやってしまったとき に起こり得る問題なのか。このレベルなら絶対、それは用意しておかなければならな い。例えば、将来、電動義手なんていうのは出てくるだろうと思うのです。電動車いす でも、当然、もう少し細かくやっておかなければならない。  10月にアメリカで見てきた電動車いすなんかは30キロぐらい出して平気なんです。勿 論、日本の状況にはそぐわないでしょうけれども、やはり利用者にとって非常にいいも ので求めるものということになってきた場合の問題が起こったときの視点を、例えば、 1点ですけれども、今、9か月とか3か月で保証すると。その方向から考えていったと きの補装具という位置づけがやはり考えられなければならないだろうと思うのです。 ○伊藤座長  安全性という問題を含めましてですね。 ○黒田委員  そうです。 ○伊藤座長  栗原委員、この概念に関して、(1)(2)のことに関しまして、いかがでしょうか。 ○栗原委員  特に、この常用というのが日常的なんだというような意味でとらえていいというので あれば、特にうちは、子どものいわゆる座位保持装置の車に乗せるものを更生相談所の 方からOKを出して、現実には福祉事務所段階で判断していいという通知も実は出して あったりしているところでして、ここら辺の感覚が、さっき、黒田先生がおっしゃった ように、場所場所でちょっと違っていたりするというような状況もございますね。でき るだけ、ユーザーにとって利用しやすいという視点で品目というのをやはり考えていた だければというふうには、それも補装具の方に入れておいていただければありがたいと いうふうには思います。  ちょっと話が横にそれるかもしれませんけれども、市町村にとって非常に怖く思って いますのは、補装具は義務的経費でお金が下りてくる。ただ、日常生活用具の方に入れ られてしまうようなことになりますと、これは裁量の範囲の補助金になってしまうとい うような思いも、実は行政サイドが持っているということもほかの委員さんたちも知っ ておいていただきたいというふうには思います。 ○伊藤座長  それは皆さん、承知していると思います。  どうぞ。 ○太田委員  今、栗原委員がおっしゃった座位保持装置のことは、お子さんの社会生活の参加のた めにということで、屋内、屋外用という形で、学校と家庭という形。それをもう少し、 もう一つの隘路として、いわゆるカーシートが座位保持装置として使いたい製品と。  私どもからすると、従来、古い人間からすると、座位保持装置というのはまさにオー ダーメードだという認識があるんですが、その辺りは先ほど黒田先生が取扱要領を補装 具の概念が現場の職員には取扱いとしてやってくるんだけれどもと言うんですが、確か に、現場の職員、私どもは都道府県行政ですので、直接、市町村のような福祉事務所の 現場で利用者の方と対応することはまれなんですが、そういったことの取扱要領につい て、非常に概念が都内でもそれぞれ違うとかというところでは、先ほどの常用する、ま たは作業用とかという形は非常に難しい言葉の整理かなという気がいたします。  やはり、もう少し、現場の職員なり利用者、ユーザーも含めてわかりやすい表現の仕 方という形、コンセンサスが得られるような表記の仕方というのが必要かなというふう に思います。 ○伊藤座長  子どもさんたちであれば、作業用というのは学業用というふうに考えるんですけれど も、ただ、一方で、学校の問題、非常に難しくて、一般のお子さんであれば、学校側が 机やいすを用意するわけです。それをどう見るんだと。ノーマライゼーション・インク ルージョンというのだったらば、当然、学校が用意してしかるべきではないかという考 え方があるわけです。それを身障法で、児童福祉法でなぜやるのかという話になるんで す。  ただ、実は、それを横浜で実験的にやってもらったことがあるのですけれども、ほか のお子さんたちに合いませんものですから、結局、倉庫にたまってしまうのです。それ で、どうにもならなくなってしまうということがありまして、これは経費の無駄遣いだ ろうというようなこともあります。できるだけ、可変式のものを用意してもらったので ありますけれども、それでもやはり倉庫に山積みされてしまうということがあります。  ですから、これはやむを得ない部分もなきにしもあらずなのですが、本来ならば学校 側が用意してほしい内容なのです。ただ、そういうことで、学業用という形にこの言葉 は代えてもよろしいかというように思います。  さて、実は、この格差の問題、ここでばちっとやって全国画一的にやるという話で は、これは必ずしもないわけです。今の動き方からすれば、市町村、地方に分権してい くわけですから、そういう意味で、ここできちっと概念整理をして、品目も決めて、価 格もある程度決めて、最低限度のところはきちっと守りますと。そこから先のことにつ いては、各市町村で頑張っていただくと。  そうすると、市町村に対して市民、県民がいかに監視するかということがこれからの 課題ですね。それによって、大分違った動きが出てくるわけですね。 ○黒田委員  ということは、格差があっても仕方ないことですね。 ○伊藤座長  ある程度、仕方がないのではないかという考え方ですね。 ○江波戸室長  随分昔は、本当に機関委任事務から出発していました。それが団体事務に整理され て、今は自治事務という整理になっていますので、座長もおっしゃられましたようなと ころに落ちつきます。  しかし、そこは国費をもってという補助負担事業になっておりますから、ある意味、 これから決める品目とか価格につきましては、言わば生産の基準のようなものになるわ けで、そういうことで、そういうサービスを提供すれば国として負担しますと。そんな 格好になってくるわけです。  更に、その上に、おっしゃられましたように、今のこの品目にはないけれども、私ど もの市町村はこれを積むと。この品目がいいから障害者の皆さんにサービスをするとい うのは決して否定されるところではないと。そこは財政なり、市町村のお考えに拠って 立つところというふうなところだと思います。  ただ、なかなかそこまではまだ各市町村の方もお考えいただけないというのが、多 分、現実ではないかと思います。 ○伊藤座長  やっているところもありますね。日生具にしても、プラスアルファしていますし、子 どもさんの方で言えばカーシートなんかも訓練用具で出しているところもありますの で、それはそうだと思うのです。  基本的に、憲法で保障するところの基本的生活を保障するための補装具、これは押さ えなくてはいけないと。だから、このラインはきちんと押さえましょうと。そのプラス アルファ部分というのがあるでしょうけれども、その辺がどのラインなのかというのが 一つの条件だと思うのです。  その先は、各市町村の方で頑張っていただきたいというようなところもあるんだろう と思いますけれども、そういう意味での概念整理をまずしようということでございます ので、こういう、今、出てきたところで言えば、常用、作業用というような言葉では少 しわかりにくいと。もうちょっとわかりやすい用語にしたらどうかとか、あるいは自立 支援というような視点も必要なのではないかとかという御意見がございますが、ただ、 黒田委員から出たように、余り締めつけてかちっとしてしまうと、更生相談所等での判 断の幅がなくなってしまうということもございますので、そこのところを勘案したよう な文言にしたいというふうに思います。  どうぞ。 ○樫本委員  ちょっと余談になるかもしれませんけれども、先日、現場で判断に迷っていたのがあ りまして、頸髄損傷の方の車いすの判定だったんですが、手に力がなくて、感覚障害も あるわけです。そうすると、滑りどめのハンドリムのようなコーティングは身障法でも 基準外ということで認めていますけれども、滑りどめのグローブを一緒に出してほしい というふうに言われました。  この定義に照らすと、機能の補完・代償になる。それから、体に装着します。常にそ の方は使います。そして、そんなに高くないものだというようなことで、全く定義に当 たっていると思いながら、今、見ていたのですが、ただし、そのグローブは補装具の種 目にはありませんので、基準外でも出せませんということで、自己負担で買っていただ くという形にしました。何かそういうような、この定義に当てはまってしまうけれど も、出せないものは意外にあるのかなと思います。 ○伊藤座長  あると思います。ですから、それは今後の検討だろうというふうに思いますけれど も、こういう補装具の枠組みの中に入れていくのかどうかと。それで、入れる仕組みで すね。それはそれでルール化していく必要があるのだろうと思うのです。そういうこと ですね。 ○江波戸室長  補装具につきましては、過去に当時の身体障害者福祉審議会、その下に補装具小委員 会というのがございまして、ここでいろいろ御議論をいただいておったところでありま すけれども、この改革の中で小委員会がなくなり、今はどちらかというと行政がいろい ろ御要望を踏まえ、そして、概算要求の中で整理をしていくと。そんな姿になっている ものですから、ある意味、関係の皆様から行政が恣意的にとも取られかねませんので、 そこは少し明確にしていかないとというふうに、今、思っているところでございます。 ○伊藤座長  診療報酬と同じで、医療保険の中に組み入れるかどうか。  中央医療審がありますね。そういう形でもって、きちっとやっているわけですが、今 の補装具委員会でやっているのは、完成用部品のよしあしですから、枠組みの中なので す。だから、結局、その枠組みに入っていない、品目に入っていないものについてどう するかという専門的な委員会が必要だろうというふうには思います。そういうルールは 改めてつくらなければいけないというふうに思います。  その話はさておきまして、先ほど出たように、わかりやすい用語で、とにかく、この (2)は少し変えた方がいいという御意見なのでありますけれども、そういうことでよろ しゅうございますか。どういうふうに変えるか、ちょっと文殊の知恵を出したいと思い ますけれども、ほかにこの点に関しましてございませんか。  自立支援という視点、それから、わかりやすい用語ということで、常用と作業用とい うような言葉とか、装着、装用という言葉が少々わかりにくいのではないかと。ただ、 余り縛りのかからないものにしていきたいということで、(1)の目的はこれ以上書けな いだろうというような気はいたしますが、(2)の使い方みたいなところはもう少し視点 を入れて書いたらどうかということで考えさせていただきたいと思いますが、そういう まとめ方でよろしゅうございますか。                (「はい」と声あり) ○伊藤座長  それでは、(3)に関しましては、先ほど出ましたけれども、それ以外は特にございま せんか。  将来の理想的な姿を展望しつつ、補装具に関しまして、きちっと技術的にも知識的に も持っていらっしゃるメンバーが、それぞれの地域に確保されることが重要だろうとい うふうに思うのです。そのための研修機会をつくらなくてはいけないのですが、やは り、利用者の数がそれほど多くないものですから、なかなか人が増えないというのも実 態でございます。  ただ、リハビリテーション学会や整形外科学会では、専門医の資格としてこういうよ うな分野の知識、技術を確実に持つことを条件にしていますし、そういう試験もやって おりますので、そういう点では、医師に関してはかなりこれから専門家が出てきてくれ るというふうに思います。  それから、あとはPO、義肢装具士がいらっしゃいますので、義肢装具に関しては展 望があるのではないかというふうに思います。  それでは、続いて、日常生活用具の概念整理のところでの御意見をいただきたいと思 います。  資料7の3ページの下の方「日常生活用具は、  (1) 日常生活を便利又は容易ならしめるもの  (2) 家庭復帰を促進し、家庭生活を営み得るようにするもの」。  (1)が目的で、(2)がその使い勝手のような視点なのですけれども、これについてはい かがでしょうか。  ここでは、日常生活用具ということから、家庭復帰とか家庭生活という在宅での生活 に限定しているんです。果たして、それでいいのだろうかと。実際上、皆さんが使って いらっしゃる日生具というのはそういう範囲のものとは限らないようにも思いますけれ ども、いかがでしょうか。  どうぞ。 ○樫本委員  (1)(2)で、この考え方で外れてはいないと思うのですが、これからの時代に即するに は、やはりここにも自立支援という言葉を入れた方がいいのかなと思います。  便利という言葉も、便利になるかどうかというのは個人の主観が入りますので、不自 由でも不便でないという方もいます。ですから、ちょっと文言整理できるかなと思いま す。 ○伊藤座長  これは、前回の検討会では前々から出されている概念をそのまま、かなり登用した状 況にございましたので、余り深く検討はされておりませんので、どうぞ、もっと自由 に。  どうぞ。 ○黒田委員  日常生活用具から補装具に組み込まれたものの唯一のものが電動車いすだろうと思う んです。昭和48年のころに日常生活用具であると。それが現実的ではないというか、む しろ、マスコミなんかの給付事業もあって、同時に考え方を前向きに進めたことで、日 常生活用具から補装具に組み込まれた。以来、日常生活用具から組み込まれたものはた しかないと思うのです。  その結果、例えば療護施設の中で電動を使うことで生活の自立、今の自立支援とは概 念が違うかもしれませんが、非常に幅の広い活動ができるようになってきた。これは非 常に評価されていいことだろうと思うのです。  そこで、最初に、昭和48年のときに困ったことは何かというと、救護施設もそうでし たけれども、やはり療護施設で電動車いすを使いたいというのが出たときに、日常生活 用具は在宅支援であるために、在宅でないと出せないという大きな壁があって、結局は それを突き破ったのです。それで、突き破ることで大きな自立支援が展開していったと いう、私はそんなふうに、自分も関わりながら思っているわけです。  そうしてきたときに、次に出てきたのがタイプライターだったのです。施設内でコミ ュニケーションを図りたいけれども、タイプライターは日常生活用具で、在宅の人しか 出せない。そのうちにコンピュータが出てきまして、コンピュータはワープロが入って いるから、結果的には在宅の人をうまいことごまかしたと言ったら言葉は悪いですけれ ども、うまいことお互いの解釈の了解点で、タイプライターの費用でコンピュータで生 活をするようになったと。そういうような経緯が幾つか、お互いの中にあるわけです。  そうすると、自立支援の中にどうしてもイメージとしてあるのは、常に家、つまり、 地域で生活する、家で生活するという、極端に言えば、家にいる人が中心になってしま う。  それでは、施設生活者というのは、そうすると、この中のどこに位置づけるのか、し っかり考えておいてあげませんと、生涯、ひょっとすると施設で生活せざるを得ない人 がいる。すると、日常生活用具は全くの対象外になってしまうと。そのときは、施設の 職員とコミュニケーションを図りたい。できれば、トーキングエイドで図りたいといっ ても該当しないということになると、これをどうするんだと。  日常生活用具の適用の中に、ついつい在宅ということがこびりついてしまっていると 、自立といいながら、そういう人たちも施設の中での自立ととらえられている。この辺 りが私たちがどうしてもハザードになってくるんです。だから、日常生活用具の概念を 考えるときに、どういう生活をしているかではなくて、いわゆる補装具と日常生活用具 の種別において、生活している実体とは関係なく考えていくというところに行き得るか どうか。  それで、まあまあ、今までの大きな壁は施設におれば日常生活用具はだめですと。勿 論、例えば、浴槽なんかを要求したときに、施設では必要ないわけですから、ほとんど ないだろうと思うのですけれども、そういうたぐいも出てくるかと思うのですが、例え ばコミュニケーションというのが、今度、補装具に上がってきたとすると、視覚障害者 のポータブルレコーダーとか拡大読書器とかいうようなものも、やはり視力障害として 施設内生活者にとっては有益なものであったら、日常生活用具の、本来、我々が長いこ と言ってきた、在宅で使う人なんだという取組みが、将来的に施設利用者において阻害 されるということがあり得るべきかどうか。やはり、そこも制限されるのか、それと も、日常生活の枠の中で十分対応できるのか。  また、その辺、判断しようと思ったら、だれがその判断のところに立つのか。補装具 の場合は、今の手続で、少なくとも更生相談所という機能が一つあるわけですけれど も、日常生活用具の場合には、ある意味で野放しです。担当者の裁量権の範囲である。  それとも、施設だったらいけませんというようなことになってしまうと、今の時代に 果たしてこれから合っていくのかということが少し検討されてよろしいかと思います。 ○伊藤座長  施設の中でも、いわゆる通過型の施設と、長期にわたって生活する施設がありますか ら、長期にわたって生活している施設は家庭と同じように扱うべきだろうと我々は思っ ていますし、施設を小規模化して、グループホームとかそういうようなたぐいのケア付 きの施設とかいうようなものがこれから出てくるわけで、そういうことを考えますと、 この家庭という言葉は誤解を招きやすいというような話だろうと思います。  はっきり言って、ここで言っている家庭というのは、本当はそういうような施設の利 用者というのは外すべきではないというふうに我々は考えてきたわけで、ただ、それ が、多分、その方が多いのかもしれないけれども、門前払いを食ってしまうという可能 性はあります。  この点については、ほかに。 ○坂本委員  実は、黒田先生がおっしゃっていることは本当に、私も視覚リハをやっていてすごく 大変だったなという記憶があるのですけれども、要するに、視覚障害者のタイプライタ ーなんかも、今は製造されていないのですが、やはり実際に施設のときにトレーナビリ ティーの問題というのがあるのです。  パーソナルエイドですから、本人がトレーニングの段階でパーソナルエイドを持って いて、それで地域に帰っていくというのはすごく効果的なわけです。施設でそれを貸し て、施設がそのためにある品目を提供して、そこでトレーニングをやっていくというの も一つの効果があるんですけれども、やはりパーソナルエイドというのは自分が持って いて、そして、トレーナビリティーを高めていくというのが我々リハビリテーションを やっていく中ですごく大切な部分で、そういう意味では自立支援にはかなり効果的なん だろうなという気がするので、是非、在宅とか施設とかという一律ではなくて、判断が すごく難しいのだろうと思うのですけれども、いわゆる通過型の施設というのは、やは りトレーナビリティーを高めるためにツールを使うのだろうというふうに判断してもい いのではないかと思います。 ○伊藤座長  ただ、それは「家庭復帰を促進し」という言葉の中に一応入るのです。ただ、それは 家庭とは限らないけれども。 ○栗原委員  こちらに、4ページの頭のところから、いわゆる「日常生活用具の給付対象とすべき 品目」という中で、自立支援とか介護支援に資するものとか、ニーズに即したものと か、あるいは、その特性から一般に普及していないもの、または高価なものというよう な、こういう概念で日常生活用具はとらえられているといいのだろうというふうには思 っているのです。  それで、家庭云々とかということではなくて、やはり個人、人に向けてこの必要性が あれば対象品目というような位置づけにしていくという考え方だったらどうなのかなと いうふうには思っているのですけれども。 ○伊藤座長  ただ、個人ではないものもあるわけです。 ○栗原委員  物によってはあるのですけれども。 ○伊藤座長  だから、個人に対してもということですね。 ○栗原委員  はい。 ○坂本委員  基本的に、やはり野放しに出していくというところをどこかでチェックするというよ うな、裁量的経費の問題ですから、当然、膨大な費用になっていくというのは事実ある んでしょうから。  我々のリハをやっている人間からすれば、やはりリハビリテーションをやって、その 人がツールとして自分のものにするというプロセスがあるわけで、そうしたときには、 これではないといけないみたいなところがあるわけですから、やはりリハの場合は専門 家が関わっている部分があるので、そこで判断できると思うのです。 ○伊藤座長  そうなんです。そこで関わっている人たちに対しては、私は余り問題にならないとい うふうに思うのですけれども、そうではないものもたくさんあるわけです。 ○坂本委員  いきなり市町村窓口に行って容易に給付されたときは、本当にこのエイドは使えるの か、そこを野放しにしていくと膨大になっていくと思います。 ○伊藤座長  だから、ほこりをかぶってしまうこともしばしばあるわけですね。  しかし、障害が固定しているとは限らないし、それから、どんどん品物は新しいもの が出ておりますから、ある程度、使っていただければそれはそれでしようがないのかな とは思いますが、太田委員、いかがでしょうか。 ○太田委員  行政サイドというのでしょうか、これから日常生活用具が地域生活支援事業になる と、やはり千葉市の栗原委員がおっしゃったように、区市町村の格差、取組状況という のは、この日常生活用具の給付の方に出てまいります。  東京都、現在でも日常生活用具、国基準に加えて、単価の上乗せとか品目も多くとい う形になって、その財政負担というのは大きいものがありますが、在宅の障害者の方の 生活を支えるという視点で今後も事業をどういうふうに継続していくか、市区町村がど う支援していくかというのは大きな課題なのですが、次々、品目が出てきたときに、そ れを利用者のより社会参加なり社会生活を豊かにしていくために、特にコミュニケーシ ョンというのでしょうか、それは非常に大きなツールとして役立つと思うので、やはり 区市町村の窓口の職員がある一定の基準でできるようなコンセンサスというのでしょう か、それをどこかでやはり持っておきたいというのは、区市町村の現場の職員の願望か なという思いがいたします。 ○伊藤座長  これは、厚生労働省としては、補装具と同じように、この品目についても入れるか入 れないかということのルールづくりは考えるのですか。 ○江波戸室長  はい。日常生活用具につきましても、むしろ補装具よりも、この技術進歩の中、いろ んな製品の紹介が各事業者さん、メーカーさん、また、団体の方からも寄せられている ところでございます。これをさばくのがなかなかきつうございまして、というのは、1 つには日常生活用具にどうやって、ある意味適合するか、はまるかどうかというのが1 点目。  もう一つは、ざっくばらんに申し上げれば、やはり予算の関係になります。端的に申 し上げて、日常生活用具の制度も、とにかく品目は羅列すると。その用具として、とて も障害者の皆さんにいいという品目であれば全部挙げてしまう。あとは、ひとつお願い しますというやり方もあるとは思いますが、従来の仕掛けから申し上げますれば、市町 村が出したものに、市町村が給付した、その要した費用については国も、予算の範囲で ありますけれども、2分の1というのがございましたので、便利な品目であっても追加 してしまうことは予算にはねるというのがございましたので、なかなか踏み切れないと ころもあったというのが実情でございます。  ですから、これから先、今、定義といいますか概念をお考えいただいた後、補装具と 同様に、この日生具の対象とすべき品目と見直しをする品目がございますけれども、こ れから先、用具をどのように取捨していくかというのも、次のところでまた少し御意見 を賜れればと考えております。 ○伊藤座長  それは、非常に難しくなると思うのです。幾つかの視点から考えなくてはいけない。 お金の面からも考える。  お金の面から考えるとすれば、例えば全額負担の人でも、そういう障害のある方が、 それでも買うよというようなくらい、やはり有効性がないといけないだろうし、しか し、対象人数が多ければいいという話ではなくて、本当に1人でも、その方が有効に機 能するようなものであれば、それはそれでまた求められるだろうし、非常に難しい判断 が多分出てくるのだろうと。それはそれで、ルール化するということを大前提に、これ についてはお考えいただければと思います。  今のところ、家庭という言葉。これはやめましょうと。必ずしも家庭ではないと。施 設利用者についても考えなくてはいけない。個人に対するものと、施設というか、家庭 の環境に対して給付するものとがありますので、そういうことについては個人というこ とも加えましょうと。自立支援ということを、この大きな概念の中に入れた方がいいの ではないか。  これだけではなくて、幾つかの品目と同時に、市町村に対するマニュアルみたいなも のも示していく必要があるだろうということなのですが、ほかに御意見ございませんで しょうか。  こんなおおざっぱな話の段階で事務局としてはまとめることができますか。もうちょ っと細かいことを、意見を聞きたいということはありますか。 ○江波戸室長  補装具につきましては、先般の御議論で何かまた次の検討会の際には座長と相談をし てまとめてみたいと思いますが、この日常生活用具につきまして、障害者の方方の生活 を便利または容易ならしめる。とても乱暴な話をしますれば、例えば、今の携帯電話が 聴覚障害者の皆さんにとても役に立つとか、もっとわかりやすく言ってしまえば、移動 のために車がとても便利とか、そこら辺の用具なのか、これは皆さんが使っているでは ないかという品目もあると思うのです。障害のない人にとっても便利なもの。障害者の 皆さんにとっても、やはりとても便利なもの。それをどのように考えるかと。  それで、先般の御議論の際の給付対象とすべき品目の中に、「障害者のニーズに即し たもの」というのが(2)でございますけれども、その辺、少し御議論いただけたらと思 うのですけども。 ○伊藤座長  この後ろの4ページに書いてある(1)(2)(3)ですね。その中で議論したものは(3)なの です。これは補装具と同じでして、きちっとそれを守っていかないと障害のある方が非 常に困ってしまうと。一般の市場の中では、なかなか手に入らないと。だとすると、そ ういうものの製作そのものを、もうつくっていませんなんて言われたら困るわけです。 ですから、そこは守りましょうということなのです。  だから、これは(3)に書いてあるわけですが、これを日生具として概念の中に入れて、 日生具として給付しますと言えば守れるのかというと、私は守れるとは限らないと思う んです。ですから、そのことをどう担保するかということがまた別にあるのではないか という気はしているのです。  補装具に関しても同じことで、乱暴な言い方をすれば、もうほとんど出ないからうち はやめてしまいましたというようなことを、それはだめだということを製作業者との関 係では担保しておかなくてはいけないわけで、これをある程度、担保できる仕組みはつ くっておかないといけないのではないかと。これは日生具も同じではないかというふう に思うのですが、いかがでしょうか。その辺の意見はありませんか。  だから、(3)は当然だろうと思うのです。これをある意味、概念の中に入れてしまう んだという考え方もありますね。そうではないと境目がありませんから。  「ニーズに即したもの」と(2)に書いてありますが、ニーズに即さないものはないで しょうけれども、そういうものはいいとして、この(1)の「自立支援、介護支援」とか、 (3)の「一般に普及していないもの」とか、こういうようなところは考えた方がよろし いように思いますが、よろしいですか。  それでは、また次回まで、今日の今日ですから、今日、資料の御説明があって、それ で考えろということなので、それぞれの委員の現場に帰って、関係者の方々からの御意 見もいただいて、ユーザーの方から御意見をいただいて、それで次回また検討したいと 思いますが。  どうぞ。 ○樫本委員  (3)の意味するものの大きな意義はわかるのですが、言葉から受ける印象です。「障 害者が使用するという特性から一般に普及していないもの」と言うと、非常に差別的な ニュアンスがあるというふうに私は感じます。  ちょっといい表現が思いつかないのですけれども、特別なものだというような、障害 が特別だというようなニュアンスがちょっと含まれる感じがしますので、ちょっと考え ていただければと思います。 ○伊藤座長  障害がある方用につくられたものという意味なのでしょうけれども、そこのところ は、今回無視して、一般に普及していない、ここのところを重視したいと思います。  ほかにございますか。よろしければ、事務局からの要請もございますので、日生具に 関しましてはもう少し詰めた意見を皆さんから聞きたいということもございますので、 次回までにいろいろな方々からの御意見も伺ってきていただいて、それでまとめてきて いただけますでしょうか。大きな定義をきちっと決めて、それで細かく、こういうよう に品目との関係でつくっていくという方法もありますけれども、できるだけ日常生活用 具とはというところに基本的なことは入れたいというふうに思いますので、ひとつよろ しくお願いいたします。  それで、もう一回補装具に戻っていただきたいのですが、資料5の5ページの点でご ざいます。これが前回の定義との関係で、(1)はそのままなのですけれども、(2)と(3) というのがございます。  これは、前回議論した(1)の定義にはそぐわないけれども、補装具の給付事業の中で、 歴史的にその中に入れられてきた品目がございます。そういうものの背景といいましょ うか、どうしてそういうものが入っているのかということの背景を示した視点というふ うに考えていただけたらいいと思うのですけれども、こういうものを定義の中に入れる のはちょっと難しいかというふうに思いますけれども、何らかの運用の要領の中に入れ ていくというようなことが必要なのではないかと思います。この点について、少し議論 をしていきたいと思います。御意見いただけませんか。  今度は事務局にお聞きしたいのですけれども今回、前回の検討会での報告とは関係な いものですからイメージがちょっとはっきりしないのですが、「極めて重度」というの はどの程度のことを指しているのでしょうか。 ○江波戸室長  ここに挙げました3つは、確かに座長御指摘のように、(1)につきましては先般の報 告書を読ませていただきまとめさせてもらったものということで、今の「極めて重度」 という部分につきましては、ここでイメージしたものは、実は上の方で見ていただきま すと、「コミュニケーション支援」の欄に、今、あるものとすれば拡大読書器とか、そ れから、重度の意思伝達装置。ですから、そのようなものをお使いになる方ということ でありますから、統計で言ってしまえば1級になってしまうのかもしれませんけれど も、そのような極めて重度の障害者の方々のコミュニケーション支援というふうな。 ○伊藤座長  自立支援とか社会参加ということを念頭に置いて、コミュニケーションというのは非 常に重要であると。そういう観点から、コミュニケーションができない重度な方方とい う意味ですね。 ○江波戸室長  そういうことでございます。 ○伊藤座長  余り文章的に、こういう「極めて」とかというような言葉は余り使いたくないもので すから、「重度の障害者の」ということで十分ではないかという気はいたしますが、い かがでしょうか。  どうぞ。 ○樫本委員  今、先生がおっしゃったのは、コミュニケーションの確保に資する補装具を使う必要 がある方というのは、やはり重度だと思うのです。ですから、ここに「極めて重度」と いう言葉を入れなくても、「障害者のコミュニケーションの確保に資するものであって 」という前の部分を取ってしまっても問題は起こらないのではないかという感じもしま す。  それでは、軽度な障害者の方が同じようなものを欲しいというような希望があること もあるかもしれません。ただ、その方の生活にやはり有用であれば、給付することもあ ってもいいのではないかと思うのです。あなたは極めて重度ではないからだめだという ように、線が引かれないようにした方がいいかなという感じがします。 ○伊藤座長  ある意味で、個別のその人の自立支援に必要なものだったら、それはそう判断されれ ばいいではないかということですね。 ○坂本委員  実は、視覚障害者用の拡大読書器なんて、多分、視力が0.01以上ないと使い物になら なくて、多分、重度というよりもむしろ軽度の方とか、コントラスト感度が落ちている 人たちが使っているわけで、余りここで「重度」と言ってしまうと、多分、市町村から すると、また手帳の1〜2級の人ねというふうに。 ○伊藤座長  また門前払いになってしまう。 ○坂本委員  門前払いになってしまうという可能性が、現実的には拡大読書器の場合は1〜2級限 定となっていません。だから、余りここで入れる必要もないのかなという感じがしてい るんです。 ○樫本委員  やはり、これから応益負担になるというこの流れの中で、利用したい人にはちゃんと 負担していただくのだから出しましょうと、そういうスタンスが大事かなと思います。 あなたは重度ではないからだめだとかという、歯どめがかかるようにこういう言葉を残 すと、ちょっとこれからの時代にそぐわない感じがします。 ○伊藤座長  どうぞ。 ○黒田委員  そうすると、「障害者のコミュニケーションの確保に資するものである」だけでもい いと。対費用効果なんていうのは、やってみないとわからないのでしょう。 ○伊藤座長  これも難しい言葉なんです。 ○黒田委員  前もって、対費用効果がなかったら出さないのか。逆に、前を切ってしまって、これ を先に持ってきたらおかしなことになるのです。くださいとあなたが希望しているもの の対費用効果を証明しなさいと。どのようにして証明するかということです。  だから、結局、補装具そのものの給付の原理、方法は、例えば意見書でできる専門性 の高いのは更生相談所でやりましょうという、ありますね。そういう中で、まさに対費 用効果というのは、逆に、これは値打ちあるだろう、使ってもらったら効果ありますと いうような、まさにチームで了解するものであって、あらかじめ対費用効果があるなん てことをどうやって証明するかはほとんど不可能に近いだろうし、やってやれぬことは ないでしょうけれども、それこそ行政サイドが希望しているし、利用者が希望してい る、早く確実に提供してもらいたいという作業を阻害するおそれが大いにあると。  だから、むしろ、コミュニケーションというのは今まで余り前面に出てこなかったの で、こういうのは非常に最近希望が多いですね。先ほどのニードを保障するとするな ら、むしろ「障害者のコミュニケーションを確保するのに非常に有用である」とか、何 かその辺りで多少、「有用」というのを入れて、「対費用効果」はここの文章からは外 すべきではないかと私は思っています。 ○伊藤座長  身体に装着、装用するというだけではなくて、目的との関係で言うと、コミュニケー ションも補完、代替になるわけですね。ですから、これをどういうふうな概念整理の中 に入れるのか、やはり運用的に考える方がいいのかというように思っているんですけれ ども、定義の中に入れるとすれば、それはもっと大きな定義の中に入ってしまいますか ら、コミュニケーションだけを取り出すということはちょっと難しいように思います が、ただ、対費用効果は、今、黒田委員が言われたとおりなので、これは確かに難しい ところなのですが、お金のことが念頭にあるものですから、多分、事務局、そうお考え になったのでしょうけれども。 ○江波戸室長  爆発を恐れまして、済みません。 ○伊藤座長  そうだと思いますが、どうするのか、非常に難しいですね。  ほかにございますでしょうか。 ○坂本委員  もともと、そもそも論に返ってしまって申し訳ないんですが、多分、この定義を確定 していく中で、利用者のいわゆる不服申立の議論というのは一方では当然出てくるのだ ろうと思うのです。そうしたときに、この概念だけが独り歩きされてしまってやられる とすごく混乱をされると思うので、やはりセットで、先ほど黒田先生が言った運用との セットで議論していかないと、やはり不服申立に多分耐えられないのだろうと思うので す。  そういう意味では、余りここでは、先ほど黒田先生がおっしゃったような、ある程 度、解釈の幅があるのだけれども、しっかり押さえておけばいいというような感じでイ メージして、コンセプトというのはつくっていくべきなのだろうと。 ○伊藤座長  だから、こういう定義があって、その下に少し運用的な概念を入れていったらいかが でしょうか。  栗原委員と太田委員、何か御意見ございませんか。 ○栗原委員  私は費用対効果の部分は黒田先生がおっしゃったとおりかなというところもあったの ですが、ただ、逆に、実際に、今、補装具として指定されている品目で、非常に安価な ものも結構あるというようなものもありまして、現場の声なんかではもう外してしまっ てもいいのではないのかなというようなものも実は中にはあると。  ただ、まさにそれはその人の、例えば、視覚障害の方にとっての杖なんていうのは、 今、値段的には非常に安くなっていると。ただ、それは、視覚障害の方にとってはまさ に命綱というような視点から行くと、安いけれども入れておかなければいけないのでは ないかという、そんな議論も現場ではいろいろやったりしているのです。  そういうような部分も、先ほどお話ありましたように、定義と運用とというような中 で整理していくべきではないのかなというふうに思ったりしているのです。 ○伊藤座長  補装具小委員会の中でもその話題はありまして、視覚障害者の方々からは、ほかにい いものがないのだと。ですから、白杖は入れておいてくれなければ困るという意見もご ざいました。確かに、そうなのですが、概念的には補装具というほどのものではないと いうこともあります。  ですから、逆に言うと、もっといいものが開発されてきたらば、それは逆に入れるの だと。少々高価でも、それは補装具の中に入れるべきだろうと思うのです。そういうよ うなことがないと、これを外すということはなかなか難しいと思います。 ○太田委員  先ほど、私が冒頭、違った視点で申し上げて混乱を招いてしまったんですが、やは り、いわゆるデジタルディバイドというか、情報格差、コミュニケーションというの が、私ども、やはり障害者の方で確保に資すると、先ほどの「極めて重度の」というと ころと、後段の「費用対効果が高いもの」というのを除いていただいて、障害者のコミ ュニケーションの確保に有用なものというのは、これからの社会参加、障害者の自立と 支援という先ほどの視点からすると、ここのところは、それとまた、これは日常生活用 具の中からまた補装具にそういった機器が上がってくる、電動車いすに代わるべきよう なものが出てくることを期待したいというのが正直なところです。 ○伊藤座長  (3)についてはいかがですか。安価で、かつ、一般的に普及しているものではないこ とというような話になって、お金の話なのですが。 ○黒田委員  金額の問題からすると、毎年交付されている種別の占める領域がありますね。義肢、 装具、座位保持装置、車いすが極めて交付実績が高いと。それで切ってしまうというの はどうかとは思うんですけれども、しかし、逆に、1つの例を挙げて、これはそうすべ きだと言っておるのではなくて、どうしても目立つのが、前に検討委員会のところで経 過的に考えておこうかということで挙げていた。  ところが、人工喉頭の電動式とか、ストーマ用装具とか、電動式よりも、費用的に見 ればストーマ用装具なんかはもうちょっと丁寧に考えていく、つまり、財政という視点 から見たときに、これが果たして補装具として本来あるべきなのか。例えば、そちらの 方の専門の先生から言うと、本当はそれは医療の中の一環として考えて、補装具が持っ ているもともとの、日常的に本人が使ってもトラブルが起こらないというところもやは りちょっとはあると思うのです。  もっと言うと、失敗したら、それが、多少のけがにはつながるけれども、重大なもの につながりにくいという、多少、歯どめがあるだろうと。ただし、そうすると、ストー マ用装具というのは果たしてそういう領域をも超えてしまっている部分もあって、そん なのが補装具費用の中の相当を占めているとしたら、改めて、だから、少ししか出ない からだめではないんですけれども、今度は用具としての意味合いから考えたときに、こ れだけの費用を取るなら、むしろ別個のとらえ方、つまり、医療制度全体の中でストー マというのをちゃんと位置づけてあげて、例えば、年間に幾らしか出さないとか、事務 取扱要領では1か月に幾つまでとか、そんな縛りではなく、排せつですから、もっと大 事なことだろうと思うので、もっと大事なところで考えてさしあげて、補装具よりも違 った次元で扱うべき種類が従来の中に入り込んでいるのではないかと。その辺で、もう 一回、補装具というのを見直す。  勿論、概念は、今、順番に来ていますけれども、とらえ方として、そこらの視点は私 は必要ではないかと思っているのです。 ○伊藤座長  どうぞ。 ○江波戸室長  今、座長と黒田先生からの御指摘がありましたシェアでございますけれども、先ほど 御説明しませんでしたけれども、資料8の6ページをお開きいただければと思います。  6ページは、身体障害者の方々の実績ということでお示しをさせてもらっておりまし て、「平成15年度」で見ますと、上の「義肢」から始まって「歩行補助つえ」のところ までで127 億でございまして、それから、「ストマ用装具」では108 億と、現在、半分 半分ぐらいの割合になっているところでございます。これは事業費ベースで10分の10の 比率でございます。 ○伊藤座長  今、費用の問題はさておきまして、いずれにしましても、白杖の問題を含めて、非常 に安価ではあるとか、あるいは消耗品のようなたぐいのものも、実は歴史的に補装具の 中に含まれているわけです。  ただ、それが、先ほど言ったように、障害のある方しか使わないもので、一般の方々 が余り使わないとなると、結局、市場では出回らないと。これは守らなくてはいけない と思いますけれども、一方で、歩行補助つえの木つえのようなものは一般的にも売られ ているわけで、そういうふうなものは高齢者との関係で言えば守る必要はないのではな いかと思うのです。  今のストーマ用装具についても、これがなぜ入ってしまったのかがよくわからない歴 史もあるのですが、私には理解できなかった部分があるのですけれども、これは医療費 の中で扱うべき対象かもしれませんし、消耗品と考えれば、必ずしも医療費ではないの かもしれませんけれども、考え方によっては診療報酬の中に入れてもよいかもしれませ ん。そういう議論はあるかと思います。  我々としては、この品目を念頭に置くとすると、この資料7の5ページの、この前外 した部分ですね。補装具の概念から外れるといった部分なのですが、前回の見直しの中 で出ておりますように、資料8の12ページを見ていただきますと、前回の委員会で車い すのオーダーメードに関しましては、利用者の、ユーザーの便宜を図るために、医師の 意見書に基づいて更生相談所の判定を求めればいいとか、このように少しずつ事務の簡 略化を図ってきたところです。  これだとちょっと見にくいので、14ページを見ていただきます。  この事務の取扱いに関しましては、基本的に言うと、補装具という概念と日常生活用 具という概念と、その両方を念頭に置いて、補装具の中に入るけれども、理論的には補 装具の概念には当てはまらない、むしろ日常生活用具の方に当てはまる、そういう品目 が一番右側の方に出ている品目なのです。  いわゆる、専門的な技術者である、この前、担保と言いましたけれども、医師の判定 とかそういうふうなものを必要としない、技術的にはそれほど難しくない、完成してい る品目で、安全性も確保されているもの。そういうもので、日常生活用具と言った方が いいだろうというような品目については、市町村の判断で決定するようにしているわけ でして、そういう品目については、補装具の概念からは基本的には外れると。  しかしながら、先ほどのこの資料5の(2)と(3)のことで、「安価でかつ一般的に普及 しているものではないこと」とか「障害者のコミュニケーションの確保に資するもので あって、費用対効果が高いもの」とかというようなこと、あるいは、一般には普及して いない高価なものを含めまして、この中に入っているわけです。ですから、我々が考え ますのは、どこで線引きするかという考えの中にはこういうことを少し念頭に置いて考 えていただければと思います。ストーマもその中の一つです。  ただ、その場合に、今までの経緯を考えると、何らかの対応策といいましょうか、単 に補装具から外しますというだけではなくて、それでお困りの方々がいらっしゃるわけ ですから、それに対する対応策は別に打たなくてはいけないというふうには思います。 お困りになっているから、それを認知したから補装具の中に入れたわけですので、それ を外すのであれば、それに対する代替の案がないといけないようには思いますが、この 点について、ほかに御意見ございませんでしょうか。 ○坂本委員  安価でかつ一般的に普及していないものというのは、やはり当然、担保しないといけ ないでしょうから、(3)の部分でいくと、やはり安価で、安いからというのではないと 思います。 ○伊藤座長  こういう言葉は余り入れたくないですね。 ○坂本委員  ここは、やはり「安価でかつ」というのは削除すべきなのだろうと思います。 ○伊藤座長  自立支援とか社会参加との関係では、コミュニケーションというのを非常に重視しよ うではないかと。同時に、一般的に普及していないということが非常に重要であるとい うことですね。 ○坂本委員  市場、マーケットに乗らないで、購入できない、入手できないという状態はやはり国 で、行政で担保して、業者指導ずべきだと思います。 ○伊藤座長  それは当然、運用の要領の中に入れるべきだと思いますが、同時に、その仕組みもつ くっておかないといけませんというところでしょうか。  栗原委員や樫本委員、太田委員、この点に関しましてございますか。今、黒田委員か らストーマの話も出ましたけれども。 ○太田委員  この辺りは、栗原委員はどうでしょうか。ストーマ用装具というのは、これから一 番。 ○栗原委員  実際には、国の方には、実は政令市の主管課長会議を通じて、消耗品的性格が強い と。いわゆる、耐用年数が設定されている装具と同様の自己負担をさせることについて は、ちょっと経済的負担という意味から本人にとってどうだと。  一部軽減はされてはきているけれども、さらなる軽減措置を図ってほしいという要望 を出しているというようなこともありますし、それから、市単助成というようなこと で、各政令市でもやっていないところ、いわゆる補装具に対する市単助成や何かをやっ ていないところでも、実はストーマに対してはやっているとかというような状況もあっ たりするものですから、ことストーマに関しては補装具の方に入れておいていただけれ ばというふうには思ったりするのです。 ○太田委員  あと、私も、伊藤先生が、これが補装具に入った経緯というのでしょうか、私も経験 がないのですが、素人というのでしょうか、専門家ではない者から見ると、これが補装 具というか、何で医療で出ないんだろうというふうな思いがやはりいまだにいたしてい るんですが、その辺り、ちょっとどうなのかなと。素人で、確かに、ほかのものと補装 具機器とは若干、趣を異にしているのではないかというふうに思います。 ○伊藤座長  ほかにございますか。  この前の議論も、前回の議論もそうなのですけれども、どんどん事務の合理化、簡略 化を進めまして、右側の方に移していったのは、いわゆる市町村の判断で決定していい という方向に移していったのは、ある意味、専門的な技術を要さないものであるという ことで、先ほど来、示している補装具の概念からは外れているものということで、この ことに関しては、できれば概念的には補装具から外したいけれども、ただ、どうやって 保障するのかという問題がある。それでもって入っているという部分でございますの で、逆に言えば、ここに関しては、私は別枠の保障ということを考える必要性もやはり あるのだろうと思います。  黒田委員のおっしゃるように、もう少し丁寧に本来あるべき姿をもう少し追求して、 そのことを提案していくことも重要なのではないかと。そうでないと、何かいつまでも あいまいなままで進むことが、果たして将来的にいいんだろうかというのはちょっと気 になるところです。  今、言われたとおり、長い間装着する。確かに、同じものを装着するわけですが、消 耗品でもあるわけですね。  どうぞ。 ○黒田委員  必要不可欠という時点から見たら、これぐらい必要不可欠なものはありませんから、 極端に言ったら、補装具でも切断で義肢付けるかと言ったら、要りませんと言って使わ ないわけです。だから、切断者だからといって必ずしも義肢、装具、付けるわけではあ りませんし、車いすも使いませんと。  私、いまだに、もう使いませんが、魚の箱に車を付けて、これの方が便利だという。 何でかというと、バスに乗るときでもそれを担いで乗ればすぐ乗れる。そうすると、必 要不可欠という条件は相当、補装具の中でも外せる可能性も随分あるのですけれども、 ストーマ用装具なんていうのは外せませんね。要するに、排せつの問題ですから、私た ちが生きていく上では絶対必要なわけですね。  だから、もうちょっと丁寧に、何か身体障害者に小腸、膀胱、直腸が入ったから、そ れなら自動的に補装具にしようかという、その時代はもう過ぎただろうと。だから、自 立支援という限りにおいては、もうちょっとその辺りはきちっと考えてあげて、また、 こういうのを出してほしいというのは言いづらいという向きもあるんです。隠したいと いう方もおられるわけです。だから、そういうこともやはり十分おもんばかった状態で するのが、これからの時代のサービスではないかと思うのです。  ですから、簡単にこの中に入れたというのは、前もちょっとそういうことを言い切れ なかったので、前回の検討会ではここへ持っていったという経緯がある。だから、これ を疎んじるとかということでは全くなくて、むしろ、もっと丁寧に、もっと大事なもの として考えてあげて、非常に使いやすいものにしてさしあげるという、つまり、補装具 を考えるときにはやはり大事なことだろうと私は思っております。 ○伊藤座長  今のお話は、結局、補装具に関しては更生相談所で判定をするとか、医師の意見書が 必要であるとかという、ある意味で面倒くさい手続が必要ですね。  また、そうしないと、残念ながら、そのクオリティーが保てない部分もありますし、 それから、リピーターの方々であればどんどん出してもいいよなんていう話もあります けれども、情報がどんどん変わってまいりますので、そういう意味で、技術革新に対す る情報提供も必要だろうというふうに思います。しかし、ストーマ用装具に関しては、 そういう手続が果たして必要なんだろうかというと、これは必要ではないだろうという ふうに思いますし、収尿器に関しても同じということです。  ただ、収尿器に関しては、歴史的にも、はっきり言うと、もうつくらなくなっている ところもございますので、ここのところはやはり、是非つくってもらわなくてはいけな いわけですから、製作に関しましては保障してもらう必要がありますが、こういうもの を事務的にはどう簡略化して、それは必要不可欠、生きていく上で絶対必要なものでご ざいますので、そういう点ではきちっと保障できる、そういう体制をどうつくるかです ね。財源的にも考えなくてはいけないことだろうと思うのです。  ですから、そういう意味では、補装具としてはちょっとなじめないのかなという面は ございますので、この辺、栗原委員、先ほど補装具の中に残しておいてほしいと言っ た、何か根拠は。 ○栗原委員  自治体サイドからは、やはりいろいろ、これが地域生活支援事業の中に入って、市町 村の力量でもってどこまでやれるかというような分類にされてしまうことの怖さといい ますか、そんなことも含めてということなんですけれども。 ○伊藤座長  市町村レベルだと非常に難しいと。 ○栗原委員  はい。 ○伊藤座長  例えば、医療の中に入ってしまうのなら問題ないと。 ○栗原委員  そうですね。現場の意見では、酸素ボンベはだめなのかというような話も実は出てい るけれども、酸素ボンベは医療の対象になっているではないかというようなこともあっ て、その整理は別途していただけるものであればありがたいと思ったんです。 ○伊藤座長  樫本委員、この件に何か意見はございますか。 ○樫本委員  市町村で判断できるものは、いろいろ整理して市町村で出していった方がいいなとい ろいろ考えられるのはあります。  ちょっと話がずれますが、杖なんかも、いわゆる一般の杖です。T字杖なんかに関し ても、日常生活用具でも出せるのかなというような感じもしています。 ○伊藤座長  先ほど、スピーディーという話もございました。いずれにしても、事務手続上は市町 村でやる方がずっと簡単ですから、一般化されているものは市町村でよろしいかと思い ますが、ただ、絶対必要なストーマ用装具みたいに額が張るようなものは、要するに使 う量が多いために、これをどうするかという問題は根本的にちょっと考え直していく必 要があって、必ずしも日常生活用具にすればいいという話ではないと思います。  太田先生、そういうことでよろしゅうございますか。 ○太田委員  そうですね。 ○伊藤座長  補装具から外したら、日常生活用具だと。そういう単純な話ではないということで す。 ○太田委員  そこを確認いただければと思います。 ○伊藤座長  坂本委員、よろしゅうございますか。 ○坂本委員  はい。 ○伊藤座長  それでは、そういうことで。  今日は、そういうディスカッションで、具体的な品目の話まで出てまいりましたけれ ども、そういう生々しい話は少々現場の意見をそれぞれお聞きいただいて、ユーザーか らの意見もお聞きいただいて、次回、少しお話をいただきたいと思います。  今回は、大まかな概念ということの整理だけにさせていただきたい。そんなことで、 今日の委員会は閉じさせていただきたいと思いますけれども、事務局から何かございま すか。 ○金子専門官  次回の日程でございますけれども、3月の下旬を予定しておりまして、あらかじめ配 布させていただきました日程を御記入いただいて、もし、現時点でおわかりでございま したら事務局の方にいただきまして、追ってFAX等でいただくということでも結構で ございます。調整した後に、また次回の開催日をお知らせしたいと思いますので、よろ しくお願いします。 ○伊藤座長  閉じる前に、ちょっと御説明いただきたいのですけれども、資料5の5ページの最後 に出ている「見直し後」の「個別給付」と「地域生活支援事業(市町村基本事業)」と 書いていますね。ここで、応益負担は定率負担。それで、一定の負担上限を付けると。 一定所得以上者は給付対象外。これはこれまでどおりですね。  その下に「公費」。「負担実績に応じて支弁」と書いてございます。この意味をちょ っと御説明していただけませんか。 ○江波戸室長  補装具費の費用につきましては、まず、市町村の支弁ということで、市町村は補装具 費の支給に要する費用を支弁すると。まず、市町村が支弁するということでございま す。  ですから、まずは市町村がお支払いをいただき、そこに都道府県の負担及び補助とい うのが次にございまして、今、申し上げた、市町村が支弁する費用について都道府県は 負担するとございまして、先ほど申し上げた、市町村が支弁した補装具費の支給に要す る費用の100 分の25を負担ということになります。  それから、国の負担といたしまして、市町村が補装具費として支給した費用の100 分 の50を負担すると。条文上はそのように書いてありまして、都道府県の負担が100 分の 25、国が100 分の50を負担するというふうに載っております。  恐縮ですが、この参考資料の第92条以下に、今、申し上げた費用の話が載っておりま すので、後ほどごらんいただければと思います。いわゆる、補装具は従来と同じように 負担するということでございます。 ○伊藤座長  そのことについては、4分の1に分類というのも従来と変わりませんね。この負担実 績に応じて支弁するというのは、これまでの負担実績という意味ですか。 ○江波戸室長  ここは年度年度、市町村が負担をした実績というふうに取っていただければと思いま す。そういう意味でございます。ちょっと言葉が余り合っていないのかもしれません。 ○黒田委員  そうすると、福祉事務所を設置する町村については、2分の1、2分の1という従来 とは全く違って、今度、新たにこういう、福祉事務所があろうがなかろうが全部市とし てとらえればいいわけですね。 ○江波戸室長  そういうことでございます。 ○伊藤座長  それでは、政令指定都市も4分の1ということですね。 ○江波戸室長  政令市も減ります。 ○太田委員  新たに、都道府県が負担をすると。 ○江波戸室長  そういうことでございます。 ○伊藤座長  すると、負担実績というのは全部の負担実績ですね。公費として出している全部の負 担実績という意味ですね。 ○江波戸室長  補装具費の支給として出したという意味です。 ○伊藤座長  補装具として、それに出している負担実績に応じて支弁するという意味ですね。 ○江波戸室長  そういうことでございます。 ○伊藤座長  わかりました。そういうことだそうですから、そういうことを前提にお考えいただき たいと思いますけれども、お金さえあれば全部出したってそれは構わないわけですけれ ども、そうもいかないというようなこともございますので、透明性を高めて、その代わ り、いいものをきちっと出せるような体制をつくって、それでお互いに公費で負担する 分と自己負担の分をつくっていこうという流れでございますので、ひとつよろしくお願 いをしたいと思います。  どうぞ。 ○栗原委員  事務局に確認をしたいのですけれども、資料5の5ページの「個別給付」の「利用者 負担」のところに、「一定の負担上限」というのがあって、4万200 円というのは先ほ どの3ページのところでお聞きしているのですけれども、「一定所得以上者は給付対象 外」ということになっておりますが、この一定所得というのはまだ決まってはいないの ですね。 ○江波戸室長  これからでございます。 ○伊藤座長  今までの一定所得ではないということですね。 ○江波戸室長  今までは、たしか所得税額で三百九十数万というとても高いところだったのですけれ ども、もっと落ちるということになると思っております。 ○伊藤座長  ということで、よろしゅうございますか。  よろしければ、これで今日の会議を閉じたいと思います。どうも、御協力ありがとう ございました。 (問い合わせ先)   厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部     企画課社会参加推進室 指導係 國松  TEL 03−5253−1111(内3076)  直通  03−3595−2097  FAX 03−3503−1237