05/02/24 平成16年度第4回雇用創出企画会議議事録             平成16年度第4回雇用創出企画会議 1 日時 :平成17年2月24日(木)15:00〜17:00 2 場所 :経済産業省別館11階1115会議室 3 出席委員:二宮隆一委員、樋口美雄委員、久本憲夫委員、矢作弘委員、八幡成美委員   ヒアリング出席者:(社)情報サービス業産業協会 手計課長 4 行政側出席者:太田政策統括官       (労働政策参事官室)東労働政策担当参事官、田中政策企画官、千葉室長補佐       (労働基準局)岡監督課監察官       (職業安定局)中井雇用政策課長補佐       (職業能力開発局)三上基盤整備室長       (調査委託先)三井情報開発(株) 5 議題   (1)情報サービス業に関する有識者ヒアリング   (2)新しいサービス分野等における就労の実態調査(案)について 6 議事経過 ○政策企画官  ただいまから平成16年度第4回雇用創出企画会議の2回目を開催いたします。本日 は、小野座長が欠席ですので、事務局で進行させていただきます。1月の会議において は、新しいサービス分野において、雇用創出に関する今後の論点についてご議論いただ きました。本日は、前回の議論を踏まえ、情報サービス業に関する有識者ヒアリング と、新しいサービス分野等における就労等の調査の案についてご議論いただきます。  本日は、小野座長のほかに、大矢委員、山川委員が欠席です。なお、16時40分ごろか ら政策統括官は別の会議の関係がありますので退席させていただきます。  まず、情報サービス産業に従事する方のキャリアパターン等について、社団法人情報 サービス産業協会の方からご講演いただきます。その後、質疑応答、意見交換に進みま す。講演していただく方の紹介をお願いいたします。 ○室長補佐  本日ご講演いただきますのは、社団法人情報サービス産業協会調査企画部の手計課長 です。情報サービス産業協会は、昭和59年に設立され、ソフトウェアなど会員企業が628 社を数える団体です。本日はよろしくお願いいたします。 ○手計課長  ただいまご紹介をいただきました情報サービス産業協会の手計です。これから情報サ ービス産業の現状ということでお話をさせていただき、その後質疑ということで進めさ せていただきます。用意させていただきました資料が70枚ありますし、単調になります ので、事前に事務局から質問のポイントをいただいておりますので、それを中心にお話 をさせていただきます。  1頁で、私どもの情報サービス産業協会の紹介をさせていただきます。社団法人情報 サービス産業協会は、英語の名称の頭文字を取って通称「JISA(ジサ)」と申して おります。主にソフトウェアの開発や、情報システムの運営を行う会社の業界団体で す。昭和59年に設立され、経済産業省認可の業界団体です。よく情報サービスはITと いうキーワードで、新しい分野、新しい産業と言われるのですが、コンピューターが民 間で活用され始めてから今年で50年になります。それに伴いいろいろなビジネスが発生 し、現在のような形にまで成長してきております。  団体としていまの形になりましたのは昭和59年ですが、その前身は昭和45年に計算セ ンターを中心とする社団法人日本情報センター協会が設立されております。同じくソフ トウェア開発を行う会社が集まり、社団法人情報サービス産業振興協会が昭和45年に設 立されました。この2つの組織が合体して1つになったのが昭和59年になります。です から、業界としての活動自体も35年以上あり、これが若い産業かどうかというところも あります。  特にITの技術の目覚しさで、ロックイヤーと言われるように非常に進歩の速い業界 の中で30数年団体として活動してきました。そういう状況も踏まえていただき、協会全 体の紹介とさせていただきます。  私どものメンバー企業がカバーする売上げと従業員数ですが、日本全体の情報サービ ス産業の売上げの約6割、企業数でいうと50%強のカバーになります。会社数は少ない のですが、全体のカバー率からわかるように、主に大手を中心にITサービスの企業が 集まっている団体です。こういう前提でお話をさせていただきます。  事務局から、本日のお話の内容ということでいただいているポイントが5点ありま す。1の「情報サービス産業の現状」は、要点をよくお話をするようにということです ので、ポイントをいくつかお話させていただき、産業の現状ということにさせていただ きます。2番目に「情報サービス産業の個々の企業の採用の概略」、3番目は「個々の 情報技術者の職務と求められる能力」、4番目は「ITエンジニアの人材育成につい て、業界としてどのような取組みが行われているか」、5番目はは「キャリアパス」等 のお話をさせていただきます。  まず、「情報サービス産業の現状」ということで、3頁以降にいくつかポイントがあ ります。現状の中で4つテーマを用意いたしました。1つ目は「情報化社会の課題」、 2つ目は「情報サービス産業の動向」産業自体のマーケットの動向、3つ目は「企業の 特徴情報サービス企業、もう少し平たく言うとソフトウェア企業の経営の特徴、4つ目 は昨今拡大傾向にある「オフショア開発の動向」、特に中国、インドへのシステム開発 の仕事の流れということでお話をさせていただきます。この4点から、情報サービス産 業の現状ということで、後ほどの採用や職務のテーマにつながるようなポイントでお話 をさせていただきます。  4頁以降が実際の資料の中身になりますが飛ばさせていただきます。ここで何を言い たいかというと、情報化の本質というのは、さまざまなコンピューターをネットワーク で結ぶということ。コンピューター自体にはデータベースが蓄積されております。もう 少し端的にいうと、さまざまなデータベースをネットワークで結ぶ、というのが情報化 の本質です。  それが従来の情報化の意味合いですが、さらにそこにブロードバンドやさまざまな情 報端末の発展の中から、昨今ではユビキタスネットワーク、ユビキタス社会という言わ れ方をしておりますが、これが今後の情報化を見る上でのキーワードになってきます。 この辺のところから見ていくと、従来のIT市場、情報サービス市場は、よりネットワ ーク関連のビジネス領域に移ってきているということが言えるかと思います。  8頁に「ユビキタス関連ネットワーク市場の規模」という、総務省の白書から出てき たものがあります。今後2010年までに、現在の市場の3倍に拡大するという予測がされ ております。ユビキタスのネットワーク関連市場だけではなく、ユビキタス社会が起爆 剤となり、経済波及効果が相当膨大になるという予測がされております。ここからも、 ネットワークやIT、インフラ構築、コンテンツ、これらに付随する仕事が質的にだい ぶ変わってくるのではないかということが見て取れます。  9頁と10頁は「情報化社会の最近の大きな課題」です。個人情報の漏洩や機密情報の 漏洩が非常に大きな社会問題になっています。4月1日から、個人情報保護法も完全施 行されるということで、業界の中では非常に大きな話題になっております。企業の選 別、信頼性、安全性の側面から、個人情報への取組みが企業選別の大きなメジャーにな っているということです。個人情報保護の対応のとれていないIT企業は、市場からだ んだん締め出されるという流れになってきています。これが、大きなトピックです。  11頁以降で「情報サービス産業の動向」です。12頁と13頁で情報サービス、特にIC T、これはITとICTという2つの呼び名があります。基本的には同じことを意味し ております。アメリカではIT、インフォメーション・テクノロジーとよく言われてい ます。一方でEUではコミュニケーションが間に入ってICTと呼称されています。こ の辺の違いということですが基本的には同じです。  デジタル化がどんどん進み、ネットワークで有機的にコンピューター、データベース が結ばれるということですので、一般的には世界の中ではICTという表現が多くされ ます。日本では、ITというのが一般的な呼称ですので、これ以降ITと言ったり、I CTと呼称することが統一されていませんが、同じことを意味しているとご理解いただ ければと思います。  「ICT産業の現状」を見ていきますと、12頁の右側の円グラフはシェアと書いてい ますが比較です。全体のシェアではなくて、比較ということで捉えていただければと思 います。情報通信の市場シェアがかなり大きくなってきています。建設、卸し、輸送機 械のところを凌ぎ、情報通信全体ではかなり大きな市場シェアになってきています。  13頁で「ICT産業の内訳」です。いちばん大きなのは「通信業」です。NTTさん やKDDIさんといった通信そのものの分野です。続いて情報通信関連のハードウェア を作成する部門になります。本日ご参加の富士通さんもこの分野に入ってくると思いま す。日本でいうと、日立さん、NECさん、IBMさんの産業分野になります。情報通 信関連サービス、ネットワーク・サービスなどさまざまな情報提供を含めた「関連サー ビス」です。次は「情報サービス業」です。  これを、右側の折線グラフで見ますと、赤い線が情報サービス分野です。ここ何年か で成長の割合がいちばん高い分野です。通信も右肩が上がっているのですが、ここに来 て横ばいから落ちぎみという傾向です。ICT産業、情報産業全体の中で、よりソフト 化が進んでいる、ソフトウェアのほうに比重が移ってきている。ソフト化、サービス化 が大きな流れになってきています。  こういう位置づけの中で、14頁で「情報サービス産業の規模」です。全体の市場規模 は14兆1,7006億円で、対前年比ではほとんど横ばいです。ここ1、2年各社の経営は非 常に厳しい状況になっておりますが、かろうじて対前年の拡大になっております。そこ に働く従業者数は56万7,464人で、対前年比99.6%ということで減少しております。こ こ何年間か横ばいの傾向があります。この辺は後ほどお話をさせていただきます。  15頁に、売上げ14兆円の内訳があります。最も大きいのが受託ソフトウェア開発で す。主に企業や官公庁向けのシステム開発がシェア的には最も多くなっています。続い て情報処理サービス、システムの運営管理、パッケージソフトの開発販売という流れに なっています。  16頁に「ユーザーのニーズの動向」がありますが、こういうものを踏まえて大きく変 わってきているのが、18頁の○の下のほうに「従来のITサービス市場」とあります が、これが先ほど言いました受託のソフトウェア開発、情報処理サービス、パッケージ ソフトの開発の分野で、これがだんだん拡大してきています。  1つが左上に出ているBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)です。これ は、システムの開発や運営だけではなく、そのシステムで実現するお客様の業務もアウ トソーシングということで一括して請負うビジネスモデルに拡大しつつあります。  さらに右上にある情報家電、モバイルのソフト面の仕事がかなり拡大し、それが我々 の業界の中の仕事の形態からいうと、組込みソフトの開発の分野になります。いわゆる 制御、モバイルのソフトウェアの開発分野が今後の成長分野ということです。  併せてネットワークのコンテンツ作成の分野の拡大も予測されています。従来の56万 人のサービス市場が、お客様の業務そのものや、組込み系のソフト、コンテンツという 分野にだんだん拡大してきているという傾向がここ1、2年顕著になっています。  19頁で今後のユビキタスネットワークの関連市場を見ますと、その傾向がますます高 まり、従来のインフラ構築、特にソフト面でのインフラ構築だけではなく、サービス、 コンテンツ、さらに企業によってはeコマースのほうに拡大することも予測されており ます。今後の市場の拡大変革がこの辺のところから見て取れるかと思います。20頁以降 には、組込みソフトの件などをいくつか掲載しておりますが、これはご参考までにご覧 ください。  21頁からは「企業の特徴」です。2003年には、情報サービスの企業が全国に5,481社 存在していると言われています。グラフで見ますと、ここ何年間か減少傾向にあるとい うことで、業界の中でも企業の統合や淘汰が現在進行しつつあります。これは中小・零 細企業だけではなく、大手エスアイヤーも合併や再編がここ数年非常に多くなっていま す。いま、まさに業界再編の緒に付いたという状況がこの辺から見て取れます。  23頁は「資本系列別構成」です。情報サービス企業の特徴の第1を見る場合には、資 本系列が挙げられるかと思います。コンピューター・メーカー系、ユーザー系という親 会社を持つ会社が1つのグループとしてあります。一方で独立系ということで、全体の 6割近くを占めるソフトウェアハウスから発展した会社です。  どの辺で統廃合が行われるかというと、1つは系列企業の中で、グループ戦略の見直 しの中でこの辺の住み分けや統合が起こってきています。それから独立系企業も規模追 及ということで合併をすることもあります。最近は外資のM&Aでその対象になってく る、ということもこれからは具体的に起こってくる流れかと思います。そうなると、こ の辺の資本系列がどうなるかというのが今後の課題です。  24頁の「上場企業数の推移」では、特に平成12年以降非常に上場企業数が増えていま す。この辺のところから産業分類も見直され、従来のサービス分野から、情報通信とい うカテゴリーにいま変わりつつあります。証券団は、一部でサービスのところにあった ものが、情報通信という括りの中に移ってきています。企業数から見ても大きな産業の グループになってきています。  25頁は売上げ規模別の経営の状況を簡単に示したものです。2002年の売上状況になり ます。真ん中に「対前年比」という項目がありますが、売上げが増収か減少かというメ ジャーです。これを見ますと、最大手の企業も売上げの伸びに非常に苦しんでいて、対 前年比減収の傾向が認められます。  この辺の特徴的なところとして、右側に「営業利益率」という項目があります。平均 すると売上げの営業利益率は5.4%です。これは規模に比例するかというとそうでもな く、200億円から400億円未満の企業の利益率がいちばん高い傾向が出ています。これは 事業内容によっていろいろ大きく影響されるのですが、結果的にはその辺のところで、 必ずしもこの辺では規模の論理は利いていないということです。特に大手企業になる と、1つの仕事の案件が大型プロジェクトになりますので、ここでのトラブルが非常に 大きく利益に影響しております。いわゆる赤字プロジェクトとか、不採算案件という表 現をしておりますが、その辺の対応が非常に大きな経営課題になっています。  1つの打開策としては、プロジェクト管理の高度化ということになり、プロジェクト ・マネージャー、管理者の育成・高度化が業界の中の大きな課題になっています。「倒 産状況」は、こういう状況だということでご覧ください。  27頁は「売上高対経営指標」です。売上高に占めるそれぞれのコストの割合になりま すが、いちばん大きいのが人件費で、続いて外注費です。外注費というのも、ある面で 人件費になります。ですから、人に関するコストというのは全体の6割近くを占めると いうのが1つの特徴になります。  非常に悲しむべきことなのか、残念なことなのか、研究開発と教育投資が1%です。 これは、世界各国のトップのITサービスの企業と比べて非常に見劣りする内容です。 IT市場というのは、グローバルな競争が目の前に来ています。さらに、ITエンジニ アの労働市場もグローバル化が進み、個々の人材が世界標準の中で競争していくという 中で、この辺の研究投資、教育投資の問題が日本の中で大きな課題になってくるのでは ないかと思います。  28頁からは「オフショア開発の動向」ということでいくつかご紹介いたします。オフ ショアは、ほとんどが中国と見てもいいぐらい、中国への仕事の流れということになり ます。中国の情報サービス産業は、規模的にはまだ日本の10分の1程度で非常に小さな ものですけれども、ここの成長率は非常に驚異的な成長を示しています。年間の平均成 長率30%以上ということで、ここ数年驚異的に伸びてきています。これは中国の国家政 策が情報サービスのほうにシフトしているということです。  29頁の下でご紹介しているように、全国の大学の中にソフトウェア学院という、高度 プロフェッショナル育成の専門コースを設け、毎年3万人以上の人材を配置しておりま す。この内容については、シリコンバレーにいる中国の技術者が本国に戻って教育に携 わるということで、最先端のノウハウや技術を学生に伝えています。毎年3万人以上を 超えるIT人材はこれから実際に配置されてきます。今後の中国の市場というのは、人 をベースにして脅威になってくるかと思います。  31頁では「日本との関係」ということで、どれほどの開発の案件が行っているかをま とめています。これはサンプル調査ですので1つの傾向を示しているだけですが、それ だけを見ても将来の脅威が見て取れます。「ソフトウェアの輸出入」の観点から見ます と、ソフトウェアの輸入の中のカスタムソフトが受託ソフトウェア開発の部分で、外国 へダイレクトに発注されているものです。いちばん大きいのが中国で100億円程度行っ ているということです。これは、あくまでもサンプル調査ですので、実際にはこの何十 倍の仕事が行っている可能性があります。  その右側に「海外のアウトソーシング規模」の数字が出ています。これは何の数字か というと、ソフトウェアの輸入、カスタムソフトの部分は、日本の企業が直接中国国内 の企業に発注した数字が100億円ということで計上されております。これとは別に、日 本国内の企業に一度発注したものが、間接的に中国に流れてくるものも含んだものが、 右側の海外へのアウトソーシング規模という数字です。ここから見ますと、中国へ260 億円という大きな数字になっています。  これは58社で約300億円近くになります。これは日本円ベースにしていますので、仕 事量から見ると人件費の違いがありますので、この何倍かの仕事量を日本国内であるべ き仕事が、海外へ流れています。  ちなみに合計の約500億円の仕事量を企業で推測しますと、約2,000名の企業が1つ中 国へ行ってしまっていることになります。2,000名というのは、正規の従業員が2,000名 であり、そのほかに外部のアライアンスや派遣などさまざまなことから見ますと、約 5,000名規模の仕事量が、このサンプル調査でも中国へ行っているのではないかという ことが読めるような数字になっています。  資料の中では対前年比は出していないのですが、対前年比の伸びが非常に大きくなっ ています。今後とも特に中国を中心とするオフショアの拡大が予測されています。以上 が業界の現状です。  ここからはご質問の現状についてお話させていただきます。33頁に、情報サービス産 業の就業者56万人の年間の推移を職種別に見ています。就業者数は全体で、平成10年か ら平成15年の5年間で約6%近く拡大しているのですが、企業に正規の雇用という観点 で見るとゼロということでほとんど横ばいです。  職種別に見ると、システムエンジニアが11.9%増、プログラマが7%増ということ で、開発のエンジニアについては拡大しているのですが、それ以外のところはマイナス の傾向が見て取れます。ここ何年間か、将来の情報通信分野の雇用の吸収、雇用の創出 が期待はされていますが、現状の数字から見ると、必ずしもそういうことは示されてい ません。では何か、ということが今後の議論の論点になるかと思います。  34頁は、54万人の内訳で、男性が77.4%、女性が22.6%です。36頁に「新卒の採用の 構成」ということで、左側に男女比があります。これは直近の数字ですが、女性の比率 が28%です。これが、今から7、8年前にはもっと女性の比率が高くて30%を超えてい て4割近い比率になっていました。ところが、何年か経って現状を均してみますと、就 業者数の構成から見ると女性が22.6%ということでそんなに増えていません。むしろ、 年々この推移を見てみますと縮小傾向にあるのは何なのか、ということが課題になりま す。  34頁の右側に「年齢構成」を示しています。56万人の平均年齢は約34歳です。他産業 と比較すると比較的若いかもしれませんが、構成比で見ると、35歳以上が結構いるとい う状況です。昔でいうと、バブル期に大量採用し、その辺の層が35〜39歳になります。 この辺の方々が、今それぞれの企業の中で、早い方はラインのマネージャーになった り、プロジェクトを任されるプロジェクト・マネージャーになっています。この辺の高 度化が言われているというのは、この辺の人材の今後のキャリアをどうするかも課題に なってくるかと思います。これから見ますと、必ずしも若い人の集まりということでは なくて、だんだんバランスしてきていることが言えるかと思います。  35頁に「採用の状況」ということで、新卒採用、中途採用、退職者数の推移を、私ど もの会員企業を中心とした大手の状況を示しております。細かい数字がたくさん並んで いるのですが、見ていただきたいのは、新卒の中で従業員100人当たりで何人ぐらい採 るかという採用の規模を見ていただきますと、それぞれのグラフの右側のいちばん下に それぞれ出ております。新卒採用は100人当たり4.07人、中途採用は100人に対して2.55 人、退職者数は100人に対して5.88人という状況です。  特徴として、それぞれの企業は中途採用ということで即戦力を必要としていて、大体 2から4ぐらいの推移になるかと思うのですが、ここへ来てなかなか採れない状況が課 題になっています。  36頁で、右側の学歴別状況を見ますと、圧倒的に大卒、大学院卒が多くなっていて80 %以上です。専門学校が11%、高校が2%という構成比です。特に、最近では大学院卒 の比率が非常に高まってきています。ちなみに理系、文系の比率を見ますと、これは全 体の統計の数字ではないのですが、さまざまなサンプルを取って見てみますと、現在大 卒の場合は60%が理系、40%が文系という状況です。これは、採用の採りやすい時期や いろいろなところでこの比率は若干変わりますが、現状はそういう状況です。  37頁に「転職経験者の前職」をまとめています。データ自体がこれにズバリのものが なくて、2001年に東京都と一緒にやった調査です。左側の業種を見ますと、現職者は圧 倒的に同業の中で転職しているのが多いということです。続いて製造業、コンピュータ ー・メーカー辺りが特徴的なところであろうかと思います。流通、金融もあり、官公 庁、団体というのも一部あります。これから見ますと、やはり同業の中、同職種の中で の転職が圧倒的に多いことになります。  38頁に、現在のスキル充足ということで示しています。これはいちばん新しい調査で 2004年の秋にやったものになります。事業展開上不足している人材が出ていて、プロジ ェクトマネージャー、それからセールス・マーケティングがあります。セールス・マー ケティングというと、我々の中では顧客の要求を定義します。お客様が何を求め、どう いうシステムを求めるかを明確にしていく。システムの上流の企画を行えるという分野 の人材も含めての話になり、ここは圧倒的に少ないという状況があります。  40頁では、その不足している人材はどういう所で調達しているかです。中途採用とい うことが大きく出ていますが、この辺のところもなかな苦戦している状況です。特徴的 なものとして外部調達があります。これは、外部の協力会社や派遣の人材の活用を進め る形になります。いちばん大きいのは、それぞれの職種の中で、既存の社員を育成して いく、能力を伸ばすという意向が非常に強く出ています。  41頁は、業界として問題視する情報です。高等教育の中で、情報工学という専門的な 領域を学んだ学生が非常に少ないという状況があります。左側は、情報工学を学んだ経 験があるかないかで見ますと、半分以上が勉強してきてなく、全く素人で入ってきてい る状況がここで見て取れます。こういうところも大きな課題に挙げられます。以上が採 用の状況です。  3番は「職務と求められる能力」ということでいくつか資料を挙げております。エン ジニアの職務分野とはどういうことかを43頁と44頁に示しております。それに準拠して 45頁に賃金水準が出ています。市場から認められる付加価値はどうか、賃金で表すのが 的確ではないかと思い、実際に給与サーベイをやった数字を載せております。  46頁は、実際のエンジニアの構成です。コンサルタントが4%、プロジェクト・マネ ージャーが9%、ITスペシャリストの高度が14.9%、以下ここにお示ししたとおりで す。いわゆる高度なエンジニアといわれるのがITコンサルタント、PM、高度ITス ペシャリストといわれる人材が全体の20〜25%ぐらいになります。この辺の人材を、い かに付加価値の高い高度人材にしていくのかが大きな課題になります。  同種の調査で47頁に、職種別の加不足の状況を示しています。ここでもITコンサル タント、高度スペシャリスト、プロジェクト・マネージャーの不足感が出ている状況で す。  48頁からは、プロジェクト・マネージャーの仕事や、プロジェクトにおける仕事はど ういうものなのか。労働時間も含めていくつかお示ししております。51頁からは、提供 サービス形態ごとに、今後どういう人材の機能が必要とされるのかを整理したものをま とめております。  55頁からは「求める人物像」ということです。これは、特に学生も意識して、なにも ITの技術的な側面だけではないのだということを示しているところです。ヒューマン 系のスキルが非常に重視される仕事です。チームで仕事を行うことが非常に大きいもの ですから、コミュニケーションが非常に重要視されるということです。答えがあるもの を常に求めるのではなくて、自らプロセスを構築してソリューションを生み出すという 仕事の特質から、そういう論理的な思考ができて、そのとおり行動ができるかどうか、 この辺の観点も非常に重要視されていくという側面があります。  57頁に、ITの仕事の魅力を抽象的な表現で表しています。真ん中辺りの言葉で「技 術者一人ひとりの知恵とアイデア」が企業の競争力になっています。先ほど職種別に示 したとおり、35歳になるとマネジメント業務やコンサルタント業務で、これからその能 力を発揮していただく時期になります。そういう中で、従来から言われているように、 35歳定年説ということはあり得ないと思っていただいたほうがよろしいかと思います。  ただしよく考えますと、プログラマ35歳定年説ということで、プログラミングという のは技術者の中でもエントリーの仕事だと捉えていただければいいのですけれども、そ こから次のステップに上がれなければ、それぞれ一人ひとりの仕事の職域も広がらない ですし、付加価値が上がりません。  社内の問題として、これは業界の問題でもあるのですけれども、その辺で能力が伸び ない人、言葉は悪いのですけれども落ちこぼれる人材をどう出さないようにするか。こ の辺のスキルマネジメントが今後の課題になってきます。ですから35歳ではなくて、も しかしたらこれはもっと若い層にも言えることで、要求されるスキルレベルにならなけ ればこの業界では非常に厳しい状況になるということです。厳しいというのは、リスト ラされるとかクビを切られるのではなくて、それなりの処遇しか得られないということ で捉えていただければと思います。  このように学生にはお話するのですけれどもうまく伝わらなくて、いまだに35歳定年 説とか長時間労働ではないのかということを心配されることがあります。そういうとこ ろも含めて資料を用意しております。  「人材育成」については、ここ3年ほどITスキル標準(ITSS)をベースに、業 界各社それぞれ人材育成の仕組みや処遇の問題をいま経営の中に取り組んでいるような 状況です。  60頁にITスキル標準(ITSS)のフレームが書かれております。それぞれITエ ンジニアの仕事を、11の職種分野の中で定義し、それぞれ7つのレベルに応じてその仕 事の要件やスキルの度合を定義したものです。  これをベースに調査したものが61頁にありますが、これも業界とすると大きな課題に なっています。2万人の個人に「あなたは、どの分野のどのレベルのエンジニアですか 」という自己評価をしてもらった調査です。  その結果を抽象的に見ていただけるのが62頁の図です。多くの人材がITスペシャリ ストのレベル2、レベル3に集中しているところが大きな課題です。この分野をいかに 早く横展開や、情報のほうに持っていくかというのが、それぞれの中のキャリアの大き な課題になってくるかと思います。  それを含めてITSSの研修ロードマップということで、どの段階で何を習得すべき かということですが、63頁にあるようにこういうモデルの中で人材育成をいま考えてい ます。私どもの協会としても、ICTカレッジということで、会員企業を中心にした、 業界各社の能力向上のためのカリキュラムを作成しております。このITSSをベース に、それぞれの中の具体的な研修項目、また実際にそういう研修も実施する取組みも行 っています。  64頁に、求められるスキル要件に満たない人材、いわゆる落ちこぼれ的なこと。これ は言葉を拾いまして「役割発揮」という訳のわからない言葉になってしまいました。期 待される役割を達成できないエンジニアがどのぐらいいるか、マネージャーを中心にア ンケートを取ったところ、全体のマネージャーの9割が、部下の中に1人や2人は必ず そういう役割発揮ができない人材が出てきてしまうと言っています。全体に占める割合 を推計値で見てみますと、16%が役割発揮は厳しいだろうという状況です。  それらを総合すると、65頁に人材のパフォーマンスのイメージ図があります。これは ちょっと良く書いてあって△にしているのですけれども、実際のITSSのレベルの問 題や分野の問題、役割発揮できない状況から見るときれいなピラミッドではなくて、ペ ンシルを立てたような状況で、底辺に非常に多くの層がいるのではないかということ が、残念ながら全体的な状況からは推察できます。  なぜそのようなことが起こったかということを、66頁に「社内教育の問題点」という ことで整理しております。従来の単一的なキャリアパスが問題ではないか。この業界に 入ると、まずはプログラマとしてプログラミングを勉強し、何年間経つと設計のほうに 移りシステムエンジニア(SE)になる。経験が10年ぐらいになると仕事を任されてプ ロジェクト・マネージャーになる、という単一的なキャリアパスしか存在し得なかっ た。  こういう中で、「俺はスペシャリストということで作りのほうを伸ばしていきたいん だ」という人も、社内の処遇や周りの目から見ると、マネジメント業務に移らないと、 どうもこの人は落ちこぼれではないかとみなされるような傾向があります。1つの弊害 として、マネジメントの適性が必ずしもない。本人の意向にもそういうことがない方 が、プロジェクトのマネジメントを行わざるを得ないということの弊害が出てきていま す。こういうところも含めてキャリアパスの問題があります。  3番、4番にあるように専門教育を受けた人材が圧倒的に少なくなってきているとい うことが言えるかと思います。ここで何が言いたいかというのはいちばん下にありま す。従来は、先輩の背中を見て仕事を覚えて、仕事の中からOJTを通してSEに成長 していくということが中心的な人材の能力を伸ばす方法なのですけれども、誰でも鍛え ればSEになれる時代は終わった、というところを企業も業界としても認識しなければ いけない状況です。  最後に「キャリア」ということで68頁にITシステムをベースにしたキャリアパスの これはあくまでも例示です。左にいくつか数字の枠がありますけれども、いちばん下の 左側からスタートとします。ITスペシャリスト、アプリケーションスペシャリストと いうことでレベル1からスタートします。同職種の中でアップしていく流れと、横に移 っていくというところがキャリアパスの例ということで考えられます。  69頁に、個人の今後のキャリアをどう見るか、という意向を調査したものがありま す。それぞれステップアップしたい割合と、その中で自分のスキルを高めていきたいと いう割合のところになります。これは、あくまでも調査結果の断面を切り出したところ ですので、これを踏まえながら、今後どういうキャリアを考えるかという状況かと思い ます。  最後に「まとめ」ということで、いままで話してきたことをキーワードにまとめたも のが70頁です。「市場の動向」からすると、2番にあるように「受注競争と価格競争の 激化」ということになります。大きなところは価格がどんどん下がってきています。契 約の金額、それぞれのSEの単価がどんどん下がってきています。これは、中国や海外 のオフショアの流れも影響し、価格が大きく下がってきています。  それに付随して市場構造が大きく変革してきています。コーディングや開発の仕事は どんどんコストが下がってきていますので、海外へオフショアでどんどん拡大していき ます。さらに国内では、ビジネス・モデルとしてこういう所は収益が上がらないのでは ないか、という極論もいま議論しております。この辺のところから市場構造が変わって くる傾向があります。  「企業の動向」からすると、統合・再編、連携、淘汰ということで業界再編が起こり つつあるのは明らかになってきています。「経営の動向」からすると、企業価値の問題 やコンプライアンスということで、冒頭に言いましたように、個人情報保護法が4月か ら実施されますので、こういうものへの対応があります。さらに労働関係の法律で残業 の問題もそうですし、最近では派遣と請負の境目を明確にしなければいけない、といっ たところもすべてコンプライアンスにかかるということで、企業の動きがいま重要視さ れています。  「技術の動向」ということで、プロジェクト・マネジメントの高度化、ソフトウェア エンジニアリングの導入ということで、企業が作り出すシステム製品の品質を上げるた めには、ソフトウェアエンジニアリングという中で、グローバルな標準の中での開発が いま大きく求められている状況です。それから、セキュリティの問題があります。人材 についてはITSS、スキル標準に基づいて人材の高度化、人材の多様化をいかに図る かということ。  最後に「海外の動向」ということで、オフショアの開発の進展というのが、事業と雇 用に多きく影響するのではないかということがキーワードになっています。以上、本日 のご説明の概略をお話させていただきました。 ○政策企画官  ご説明ありがとうございました。質疑応答、意見交換に入ります。 ○樋口委員  情報サービス産業協会がカバーしている仕事の範囲として、先ほどソフトウェアハウ スと計算センターというお話がありましたがこれがメインだろうと思うのですが、その ほかの所も入っているのですか。 ○手計課長  そのほかには、システム・インテグレーターがあります。ソフトウェア開発といって も規模が大きくなりますし、ハードウェアとの統合をしてお客様にソリューションを提 供するシステム・インテグレーション・サービスの分野もあります。それからシンクタ ンクもありますし、情報処理で受託計算の分野もあります。 ○樋口委員  シンクタンクというと、例えばどういう所ですか。 ○手計課長  野村総研さん、三井情報開発さんもそうです。 ○樋口委員  それは、情報処理をやっているシンクタンクということですか。 ○手計課長  シンクタンクの売上げの構成を見ていただければわかると思うのですが、シンクタン ク業務だけではなく、SI事業も多くやっております。どちらかというと、SIを中心 に事業展開している会社が多いと思います。その分野が我々の協会に入っています。 ○樋口委員  冒頭でご説明のあった、売上高を14頁の数字で見ると、2001年ぐらいから横ばいなの でしょうが、長期的には1998年ぐらいから見れば増えていますね。 ○手計課長  はい。 ○樋口委員  それに対して人は増えていない、最近は減っているというお話がありましたがどうし てそういうことになっているのですか。おまけに単価は下がっているというお話でした が、仕事の量はどのように考えたらいいのでしょうか。 ○手計課長  受注構造といいますか、業界の五千数百社ある中で、お客様からシステムの仕事を受 注する元請的な会社(システム・インテグレーターST)があります。その下に多重の 下請構造があります。さらに、そこに労働者派遣で参画している方々もおります。それ らを合算した売上高がこれになります。ですから、この中にはダブルカウントもあるか もしれません。  そういう状況を踏まえて最近の傾向からすると、お客様のIT投資はそんなに大きく 減少も増加もないです。その中で仕事自体を自社の中ですべてやるインテグレーターが 多くなると思います。いわゆる下請に出す量が減ってくる、外注の費用を抑えるという ことです。そうなると、個々人は仕事量が増えてくるということで、最近は労働時間も 大きくなってきています。その仕事をどこでこなすかということがあると思います。そ の辺が、この統計の中にどう出てくるかということがあると思います。 ○樋口委員  人数が増えていない理由は、端的にいえば派遣が増えて、その派遣はこの就業者に入 っていないということもあるということですか。 ○手計課長  はい。 ○樋口委員  もう1つは労働時間が延びていて、人数はそう伸びなくてもなんとか仕事をこなして いるということですね。 ○手計課長  1人の仕事量が増えているということです。 ○樋口委員  我々のイメージが間違っていたのかもしれないのですが、後ろのほうで長時間労働の ない職場だということですが、ここはこういう数字でちゃんとしたものを見たことがな かったのですが、卒業した学生の話を聞くと、そういう所に就職するとかなり厳しいと いう話が聞こえてきます。 ○手計課長  厚生労働省の中に入ってきて業界の話は言いにくいので、先ほどはサラッと飛ばしま したが、50頁に月当たりの残業時間が出ています。これを見ますと、忙しい時期と平均 的な時期とでは大きく差があります。問題なのは、恒常的に月間100時間ぐらい残業を やるというのは異常なことですので、そういう仕事の管理のあり方は是正するべきかと 思っております。業界を平均しますと、年間270時間ですから、月に20時間程度という のが残業の平均時間です。  ただ、その場その場での瞬間風速は大きく差があります。特にプロジェクトがうまく いかなくなったような状況の中で、月に100時間以上というプロジェクトも出てきます。 樋口委員がおっしゃられた学生の話は、この辺の所に入っている方もいるのだと思いま す。それから、仕事が人に集中する傾向がありますので、逆に言うと優秀な人ほど常に 仕事を抱えて忙しくやっている、ということもあろうかと思います。ちょっと言いにく いことなのですけれども、決して労働時間が短い職種ではないのではないかと思いま す。ただ、仕事の時間が長いかどうかでいろいろ評価されるのではなくて、その人がど ういうアウトプットを生み出すのか、付加価値を生み出すのか、というところに変わっ てきているような気がします。 ○樋口委員  この協会には、外資も入っているのですか。 ○手計課長  入っています。 ○樋口委員  『テックビーング』などの雑誌の担当者と話をすると、優秀な人材が外資へ流れてい るのではないかと。その1つの問題として、日本の企業における処遇の格差が小さいと いうことで、良い人材にもそれほど高く処遇がなされないし、そうかといって駄目だか らといってそれほど低いわけではない。そうすると、良い人材は外資から誘われて移っ ていくのではないか。  あるいは、それは処遇だけではなく、能力開発に伴う費用も外資のほうは月に100万 とか200万円ぐらい出すような所もあったりする。一方日本のほうはかなり平均的に出 すということで、優秀な人がどうしてもそちらへ流れていくのではないか。日本企業も 量は確保できるのだけれども、質が確保できないのではないかという話を聞いたことが あります。能力開発のところで、そういう問題が起こっているという認識なのでしょう か。 ○手計課長  25頁に、売上規模別の経営指標をいくつか出しています。いちばん右側にある1人頭 の売上高が、大手では6,000万円を超えるのですが、中小の100億円未満などになると 1,000万円台です。さらに中小・零細企業になると、これがもっと小さくなります。い ちばん小さいのになると、1人頭の年間平均売上高は700万円とか600万円の会社もあり ます。ビジネスの付加価値によって大きく変わってくると思います。この辺のところか ら、人材に投資できる源資は大きく左右されると思います。  樋口委員がおっしゃられた外資というのは、ここでいうITの開発や運営をやる会社 ではなくて、コンサルティングが中心になると思います。そうなると1人頭の売上げは 大きく変わってきています。そういう方々は、仕事で自分の能力を高めていくことにな りますから処遇はいいですけれども、コンサルティングの標準フォームや会社の蓄積の ノウハウは活用できると思うのですが、基本的には仕事で自分自身を高める傾向が強く なると思います。その辺も含めて処遇がいいのではないかと思います。その辺の職種が 若干違うのではないかと思います。 ○樋口委員  どういう所に再就職したいか、という基準に?マークが付いて、○印を付けるような のがある。処遇が良い所は、決して技術者は魅力ある職場とは限らない。むしろ優秀な 技能、高度な技能を学ぶことができるような職場であるか。そういうリーダーがいて、 そこから技術を盗めるかということに多くの人が○印を付けていた結果を見たことがあ るのですが、やはりそういうものなのですか。 ○手計課長  業界のエンジニア3,000人に意識調査を行った中で、インセンティブとして何を重視 するかということでデータをまとめたことがあります。順番は定かではないのですけれ ども上位3つが、お金と、その仕事を通じて自己のキャリアが向上できるか、もう1つ は忘れてしまったのですが、お金と同じぐらい、その仕事によって自分をどう高められ るかを1つ大きな動機にしていました。そういう職種の特性があるのかもしれません。 ○矢作委員  ニューヨークのシリコンアレーとか、サンフランシスコのダウチにならって、日本で もビックバレーか一部話題になりました。ニューヨークもサンフランシスコもバブった のがはじけた後、だいぶ減ったと思うのですが、ビットバレーとか、だいぶ一時期待さ れていましたが、その後、どうなっていて、そこで働いていた人たちはどこで何をして いるのかというのが1点と、ビットバレーだけでなく、地方都市でも例えば札幌バレー とか福岡、名古屋、大阪でもみんなソフト系の集積をいろいろな名前を付けて集積させ ようとしています。一時、90年代末ぐらいからブームになっていましたが、この手の産 業は結局のところ東京一局集中になっていくのかという、その2点を教えてください。 ○手計課長  まず1つ、資料13頁ですが、今日中心に話をさせていただいたのが13頁のICT産業 の市場のシェアということで内訳を出しています。その中の赤のところの情報サービス 業ということで、いわゆる企業向けのシステム開発、システムの運営を行う会社で、も う40年ぐらいの歴史をもっています。ビジネスユースの分野のお話が中心になっていま す。先生ご指摘の分野というのは、おそらくインターネット関連の市場分野になるかと 思います。それがとなりの21%、インターネットのプロバイダーやインターネットのコ ンテンツ、ソフトウェアプログラムを作成する。この辺のところにおそらく入ってくる と思います。この辺のトライというのは正直よくわからないです。数名の会社から、個 人でやっているケースもありますし、双方で個人請負いでやっているということもあり ますので、その動向が明確には把握し切れないということです。ビットバレーと言われ た中で、そこから拡大した会社も何社かあるかと思います。最近話題の会社もそうです し、そういったところで拡大しているところもあります。さらには、この分野で働いて いた方々が、エスアイヤ、情報サービスの企業に転職することも少なくはないと思いま す。そういうことで、この辺の数字がうまく把握できていませんが、分野がちょっと違 うという、情報サービスのほうもネットワークの仕事が今後ますます増えますので、そ の辺で労働市場も融合してくるのではないかと思います。  集中のお話は現に先ほど来お話している14兆のうちの60%は東京で発生しています。 東京と横浜など関東圏、大阪を含めると80%以上が大都市圏で発生しています。大阪で はどうかというと、仕事量はどんどん減少傾向にあり、ますます東京一局集中という傾 向が強くなってきています。地場のIT産業も向こうに拠点はあるにしても、東京の仕 事を多くやっているケースが多いです。札幌の例もそうですが、札幌もソフト会社の集 積ということで注目を浴びていますが、実際にいまは東京からの仕事で支えられている というのが現状ではないでしょうか。結局、ネットワークの社会になると地域性がなく て、どこでも仕事ができるのではないかということをよく思われがちですが、システム の構築は結局お客さんとの距離感なのです。フェイス・ツー・フェイスでいろいろな決 めごとを決めながら、時間のスピードで、構築を行っていくという、そういったことか ら顧客密着型で、特に机を一緒に並べてやっていくという仕事の形態が中心になるの で、ちょっと地方の産業というのは厳しくなるかと思います。さらに、中国へのオフシ ョアということで、一拠にコストの問題から海外へ仕事が流れていく中で、地方のIT 産業がどうするかというのが大きな課題になるわけです。 ○久本委員  オフショアの話と18頁のところで従来のIT産業事情というのはこのようにこれとこ れとに分かれるのだという話があったのですが、つまり外国へ出ていくような仕事とい うのは、こういった部分、16頁の中で、どういう仕事なのか、どういったものは出てい かないのか、そのことを教えていただきたい。 ○手計課長  これをベースにいきますと、いまいちばん大きくいっているのはモバイルです。携帯 電話の端末のソフトウエア、ホスト局の……といったものが結構出ています。同じくユ ビキタス、情報バレーです。制御系オフバレー、この辺の仕事が多く出ています。要は 仕事がうまく切り出せるかどうかです。多くのシステム構築の仕事というのは、コーテ ィングとかプログラミングというのはほんの一部です。それよりも、むしろ仕様をどう するかという設計段階、企画段階のところが非常にウエイトが高くなっていて、これは お客様とスピードと距離感で一緒に仕事をやっていくということになるので、ここはう まく切り出して持っていくことが難しいかと思います。  システムを構築して作った後、それがちゃんと機能するかどうかというテストという 評価が非常に大きくなっています。特に組込み系の仕事ですと、製品の動作に影響があ りますので、評価の仕事のウエイトが非常に大きくなります。その評価の部分でうまく 切り出せれば海外に持っていけるということが現状ではあります。ただ今後はわかりま せん。日本国内でやっていた仕事を、国際標準、開発のエンジニアリングが標準から見 ると、諸外国のほうが進んでいるのです。笑い話的な話なのですが、アメリカの標準の CMMというレベルを測る認定があるのですが、日本国内では最高のレベル5を取った 会社というのがまだ4社しかありません。ところが、インドのソフトウェア企業はもう 大部分が、特にアメリカの仕事をやるインドの会社は大部分がレベル5を取っていま す。中国もいまかなりそれを取っています。日本国内でレベル2ぐらいの開発成熟度の 会社が、上海に子会社を出したら、そこはもうレベル5を取ったという、結局子会社の ほうが世界標準から見ると、高度な状況になっている。そこに発注をしているというこ とで、これはもう逆なのです。 ○樋口委員  なんでそうなるのですか。 ○手計課長  国際的な標準の下でやらないと、海外では仕事ができないのでしょうね。 ○樋口委員  日本国内のほうが緩いわけですか。 ○手計課長  日本国内はどちらかというと、従来からいうと日本語の壁に守られているというのが 1つあるのと、お客様が一つひとつオーダーメイドのシステムを要求しているので、そ れぞれの標準やそれぞれの仕様に基づいて作っているということが1つ根っこにあるか と思います。それもいまはだいぶ変わりつつあります。そういう面から見ると、海外に 仕事が基本的なところまで全部いく可能性はおそらく出てくるのではないかと思いま す。  ブリッジSEという言葉が最近言われていて、例えば中国へ仕事を出すときに、日本 語や日本のコミュニケーションを持てる人が向こうにキーマンということで行って、そ の人を中心に仕事を発注しているのですが、ただ、それになると、トラブルも多いです し、いろいろなことで弊害が出ています。そうなるとどうするかというと、例えばイン ドの高度なシステム構築のできる環境に、どんどん日本の中から入って行って、数年後 には言語も開発のやり方も文化的なコミュニケーションも取れるようになる。そうなる と日本の仕事がどんどんインドや中国へ行くのではないか。そういうことを志向してい る会社もあります。ですから、この流れはいま切り出して持っていくことが中心です が、そうではなくてすべて行くということも極端な話ではあります。 ○政策企画官  プロジェクトマネージャーの職種に不足感があるということでしたが、業界の内部で そういった方々の育成をどのように対応されているのか、育成できるようなものではな いのか、その辺のご説明をお願いします。 ○手計課長  48頁にプロジェクトマネージャーの平均像ということで、400名の仕事の状況をまと めたものがあります。1つはこういった人材をどう育成するかという中で、プロジェク トマネージャーの育成の標準のピンボックスの資格があり、その取得を推奨している会 社も多いですし、協会もその辺の資格取得、研修、セミナーを多くやり、こういった人 材が育つ土壌を作りつつあるという。作るというよりも実際はもうやっています。その 中で、知識ベースだけではできないことが非常に多くなってくると思います。その辺が 適性も含めて採用時からマネジメント人材なのか、スペシャリティの人材なのか、この 辺のキャリアマネジメントをもう一度見直そう、明確にしようということがあると思い ます。  48頁の円グラフにあるように、プロジェクトマネージャーの仕事というのは非常に多 岐にわたり、管理業務よりもむしろ生産や雑用に追われているという現状が1つありま す。この辺の中から、管理をするのをもっと組織的に明確にしていこうという、そうい う動きが出てきています。ですから、プロジェクトマネージャーに仕事を全部品質、生 産性、収益を任せるのではなくて、それを組織的な形の中でコントロールをしていこう という体制の変化が一部の会社ではもう出ています。  ですから、マネージャーの育成、スキルを上げるだけではなくて、企業の仕組みの中 でこれをどうするか、それが1つの方向だと思うのです。 ○八幡委員  先ほどの海外展開の話が気にかかったのですが、いまのインドと中国の話なのです が、もっとグローバルにアメリカやヨーロッパに拠点を置いて、全世界的に開発をやっ てしまおうというような企業というのはまだ出てきていないのですか。金型などだとそ ういう企業が出てきていますね。 ○手計課長  1つには各国の市場に出てくるという面があるかと思うのですが、残念ながらそこは ほとんどいまのところないです。日本の情報サービス企業が、アメリカの仕事を受注し てやろうというところがほとんどない、または非常に敷居が高い状況です。むしろ日本 の仕事を海外で開発するというのが、いまのところこのオフショアの話の中心です。攻 められっぱなしですから、本来はもっと世界戦略的にいろいろ打って出る必要もあるの ではないか。その辺のところは大きな課題ですね。ご指摘のところは全くいまはできて いないのが状況かもしれません。 ○八幡委員  FA関係のソフトというのは、CADなどをやっている業界は入らないのですか。 ○手計課長  CADというのはほとんどパッケージが中心になると思うのです。だから、その辺の ところはどちらかというとパソコン向けのソフトを構築する団体もあるのです。 ○八幡委員  ほとんど日本のCADというのは日立造船などは昔は結構強かったのですが、もうや られてしまったわけです。スリービーになった途端にガタガタになってしまって、いま はCAMが業界の防衛線になってしまったのですが、なぜそうなってしまったのかとい うのが、個人的にちょっと関心があります。 ○手計課長  それはCADだけでなく、データベースもそうですし、ネットワークのソフトもOS もほとんどアメリカ製です。ですから、基本的に日本のIT産業のいちばんの弱点とい うのはそこなのです。結局、オリジナルというか、日本発のものがないということで す。その中でビジネスを展開するということは非常に制約というか、苦しい状況です。 ○八幡委員  先ほど地方での展開例の話があったのですが、例えば医療関係のソフト開発はかなり 地域性が強いと思うのですが、そういうものとか、行政のシステム開発はビジネスとし てあり得るし、地方の企業もやろうとは思っているみたいなのですが、しかし実態的に はあまり展開していないので、業界で何かしようという動きはあるのですか。 ○手計課長  地方自治体や行政の情報化、医療分野の情報化に業界としては積極的に取り組んでい るのですが、市場が非常に限定的な、もっと平たく言うと、自治体のシステム案件とい うのは、大手の4社でほとんど押さえられているということなのです。そういったよう な調達の問題も大きな課題ということで、業界では声を上げています。ただ、その大手 も業界のメンバーなものですから、なかなか言いにくいところなのです。 ○八幡委員  もう1つプロマネの話なのですが、これはエンジニアリング業会が30年ぐらい前にプ ロジェクトマネージャーが足りなくて育成しなくてはと大騒ぎをしてやったのですが、 ソフト業会など実態的にはかなりそういう方がいらっしゃるのに、なぜ育成がこんなに 遅れてきてしまったのかと、個人的にはどうしてだったのだろうと思います。ITスキ ルスタンダードでやって、本当にちゃんと育つのだろうかと思うのですが。 ○手計課長  まさにご指摘のとおりで、先ほどからお話もしていますが、結局専門教育を受けた人 が少ないのです。素人から叩き上げで見様見真似も含めて、仕事の中で覚えていくとい う、どちらかというと大工さんや職人さんのスキル成熟に近いような形でいままではや ってきたということです。ところが、世界標準や品質の高度化、セキュリティというこ とが言われる世の中で、もう少しエンジニアリングとしてその辺のところをやっていこ うという、そういう動きに成りつつあり、その中にマネージメントということも重要な 位置付けになり、いままでは俗人的な管理が中心だったのですが、それをもう少しエン ジニアリングの中で組織的にもできるように、プロジェクトも管理を行うという動き が、ここにきてかなり強くなってきたかと思います。 ○樋口委員  エンジニアに対する継続教育のシステムを強化しようという、業界での何かがあるの ですか。あるいは大学院と専門職大学院とタイアップするとか、もういろいろなところ がすでにできているわけです。しかし、意外と学生が集まらないのです。何かそういう 仕組みが必要なのかどうかです。 ○手計課長  大学とは情報処理学会を通じ、大学の中でもっと情報の専門教育の高度化ということ で、一緒に議論を何年も前からやっていますが、そういったところもあるのですが、い ま先生がおっしゃられたように、学生の人気がいまなくなっていて、そういう体制を整 えても、優秀な人材がなかなか入ってこないという部分も大きな課題にはなっていま す。 ○樋口委員  継続教育みたいなものをeラーニングも含めて業界として何かやろうという話は聞い ていますか。 ○手計課長  会社によっては相当差があるのですが、そういった教育体系についてはかなり整理は されていますし、知識ベースの教育ではずっとできるのですが、結局この辺のところに なるとマネージャーとかは実際にできるかどうかは大きな測面になりますので、そこは 最終的にはOJTか、またはいろいろなトラブルの対処の方法も含めて経験の中でしか 身に付いていかない分野でもあるのではないかと思います。  知識ベースでは各社eラーニングも含めていろいろな講習の仕組みはもう整っている 会社も多くありますが、それでも十分ではないという感じです。 ○樋口委員  専門的に後でOJTでブラッシュアップしていくにしても、基礎的なところというの はおっしゃっているように教育機関であるとか、いろいろな所でやっていかなくてはい けないと思うのです。そういった能力開発の計画は厚労省だってあるわけですね。それ が全く機能しないというのはどういうことなのですか。 ○手計課長  1つはそういう体系もあるのですが、本当はいま置かれている、働いている人たちの 現状の事情も1つあるかもしれません。今日は数字を出せないと思って持ってこなかっ たのですが、いちばん新しい人材育成の調査の中で、現場の中でOJTではないoffJ Tで現場から離れて教育についてトレーニングをしたというのが年間平均6日なので す。  それはひょっとしたら調査のデータを精査しなければいけないのですが、新人の集合 研修を入れて6日となるとほとんどないに等しいのです。そこは除けてということなの ですが、データ自体も見ないとわからないのですが、大体年間に6日です。1日でも現 場が忙しくてなかなか出てこれないのです。特に教育でステップアップ、ステイジャッ プするような人というのは教育が必要なのですが、そういう人は仕事の責任等をたくさ ん抱えているので、なかなか現場から離れられない。半日でも離れることが非常に難し いというのが実情です。ですから、そういった側面の中でやる教育というのは、自ずと eラーニング、知識ベースの教育が中心になってしまうという実情もあるかもしれませ ん。 ○樋口委員  入社する前に、普通はそういう基礎的なところはやってこいという話かなと思うので すが。 ○手計課長  だから、日本でいまさら言っても仕方ないのですが、諸外国では明らかにそれは違い ますね。外国のITエンジニアの育成についていくつか調べているのですが、先ほど言 ったように、中国の専門教育は大学が相当力を入れてやっています。アメリカでも大学 でコンピューターサイエンスを学んだ人というのは1つの資格ということで非常に優遇 されていますし、出てきて即戦力になる。さらには企業にいる方がコンピューターサイ エンスにもう一度入り直して資格を取って、自分のキャリアとしてやるということもあ ります。ヨーロッパでもフランスなどは国の中で最高の人材がITの分野に入ってきて います。グランデポールという大学のランクの中でも、いちばん優秀な方は国家公務員 かITにくるという、そういう分野の中で即戦力を育成しています。日本の場合には先 ほどお話したように専門教育さえ受けていない方が現状は多いということです。その辺 の差が1つはあるのではないかと思います。  ですから企業の中で初任教育を含めてゼロからスタートするということになりますと 追い着かないのです。ですからいま企業の中では選別教育をして、優秀な人をどんどん 高めるようにしているのですが、それでも絶対数が足らない。プロマネがなぜ育たない のかというと、そういう面もあるかもしれません。プロマネ以前の教育をやらざるを得 ない、やっているという状況かもしれません。 ○八幡委員  キャリア管理などはあまりやっていないのではないですかね、どの程度やっているの かしら。 ○手計課長  立場的にやっていないとは言いにくいのですが、先ほどお話にありましたように、キ ャリアパスが単一的なところですから、みんなプログラマーから優秀な設計のできるS Eになって、プロジェクトマネージャーになるという。そこからまたラインマネージャ ーになるという単一的なものしかなかったものですから、本当にいいものを作れる人の 処遇が完全にはできていなかったかもしれません。その辺のところの見直しを含めて、 ITSSの活用ということで取組みつつあるということです。 ○政策企画官  議論は尽きないところですが時間の関係もありますので、手計課長様においては大変 貴重なお話をどうもありがとうございました。今日お話いただいた内容を活用させてい ただきたいと思います。 ○手計課長  何かまとまりのない話で申し訳ありません。どうもありがとうございました。 (手計課長退室) ○政策企画官  続きまして、新しいサービス分野等における実態調査について、調査に行った先の三 井情報開発からご説明をお願いしたいと思います。 ○三井情報開発(株)  私は今回調査を担当いたします三井情報開発の樋口と申します。よろしくお願いいた します。それでは資料2に基づき、実態調査の概要と、調査票の素案を説明させていた だきます。調査の概要、企業経営者調査票、企業経営者調査を特別に綴じたもの、従業 員調査票の4つの構成になっています。まず調査の概要から説明します。調査目的は今 回の実態調査の分野ということで、情報サービス、ロジスティックス、社会人教育サー ビスということで、この3分野において、企業経営者、従業員の双方から採用の状況、 能力開発等の状況、労務管理等の状況と、それぞれの実態を把握するということを目的 として、実施させていただきます。  調査方法の対象ですが、企業調査票と従業員調査票の2種類を用意し、それぞれ企業 に渡して個別に返してもらうという方法を取りたいと思っています。それぞれの分野の 対象企業の抽出方法ですが、(1)、(2)、(3)で示しているとおりです。まず、情報サー ビスですが産業分布における情報サービス業、この中には情報処理、提供、サービス、 ソフトウェア開発といったところが含まれますが、そうしたところをいまも情報サービ ス産業協会の加盟企業、帝国DB等を活用して、抽出したいと思います。  もう1つの枠組みとして、インターネット付随サービス業といったところがありま す。これはいま新しい動きとして出ているポータルサイトやASP、あるいはセキュリ ティサービスといった新しいところがここには含まれていて、それを中心にして、これ もやはり帝国DBから合計で2,000企業抽出したいと考えています。  ロジスティックス産業ですが、これは新しいところでロジスティックスという分類は なかなかないわけですが、その中心的な業種をとらえるということにさせていただきた いと思います。1つは業界団体、社団法人日本ロジスティックスシステム協会会員企業 を中心として、ここから1,000件取りたいと思っています。この中には運輸、卸売、情 報通信といったところが入っています。それから帝国DBのデータベースから運輸、こ れはロジスティックス業の中心となる業種だと思いますが、運送・倉庫などが入った物 流関連の業種を1,000件取りたいと思っています。これがやはり合計で2,000取ります。  次は社会人教育サービスの分野ですが、カルチャーセンター、専修・各種学校、通信 教育、語学教育といったところの業界団体の加盟企業を中心に取りたいと思っていま す。業界団体には属していないのですが、いまいろいろなRECやTACなど、盛んに 企業人教育を行っていくようなセミナー企業等があります。あるいは資格取得支援を行 っていくような企業がありますが、そうしたところをインターネットより抽出したいと 思っています。それとともに、帝国DBの企業データベースを利用して、教育・学習支 援企業といったところを900程度抽出したいと考えています。これも合計で2,000件抽出 したいと考えています。  次頁は調査項目です。基本的な調査内容の構造として、3分野共通に聞く部分と、3 分野固有に説問を設定する部分と、2つの視点で調査内容を構成したいと考えていま す。まず3分野共通の内容は本当に基本的なところで、職員採用状況、各職種ごとに求 められる能力・キャリアパターンがどういったものなのか。人事・労務管理能力開発の 実態、労働条件・退職等の状況、特に小企業を対象としたベンチャー企業と思われると ころを対象とした経営者がどのようなプロフィールを持っているのか、フェイスシート というところです。これらの部分は分野共通に説問を設定していきたいと思っていま す。  3分野固有の項目は雇用の状況に影響のある内容を、トピックとして選定してその実 態について説問を構成したいと思っています。これは後ほど説明しますが、この部分に ついてはそれぞれ急ぎ、現在業界団体等に対してヒアリングを行っている最中で、ヒア リング調査の結果を踏まえて、適切なものを設定していきたいと考えています。  では個別に、企業調査票を説明したいと思います。3部立てになっていますが、3分 野共通項目として、情報サービスを例にとって骨格として作っているものです。企業経 営調査票の2頁です。採用の状況について把握をしておきます。問1は、主な各職種ご とのここ最近の3年間の変化がどうなのか。今後3年間に量的にどのくらい変化してい くのかという現状と見通しを把握します。サブクエスチョンとして、もし増加したなら ば、それをどのような方法で調達したのか。その増加率はどうだったのかということに ついて把握を進めたいと思います。  3頁は問2で、実際の雇用形態別に過去1年間の採用状況を人数まで把握したいと思 います。それから今後3年間の採用活用の見通しということで、それぞれの雇用形態別 に見た場合に、どういう変化をするのかといった見通しを把握します。特に正社員の採 用にいたっては、どのような媒体を通じて募集したのか。各論として正社員の採用にお いては中途採用の割合はどのくらいなのか。その割合は過去3年間を見たときの感触を 聞き、その理由、そしてその中途採用割合を今後どうしようとしているのか、その理由 を聞きます。  4頁は中途採用に際しての年齢の上限を決めているのか、決めていればその年齢は何 歳かといったこと、特に職種に限って見たときに、中途採用の割合が多いものはどうな のか。人材を採用する際に、どういったところに着目し、重視して採用しているのか。 その能力の基準を新卒、中途採用それぞれでお聞きしたいと思っています。(9)とし て、採用した人たちのうち、どの程度が即戦力として使えているのかといった現状を聞 きます。  5頁です。特に中途採用者のうち、未経験者を採用したことがあるかどうか。その理 由と、もし採用したならば、その後の育成をどうやったのか。問3は過去3年間に採用 したかった人数のうち、どれくらい達成できたのかといった状況。採用できなかった人 材はどのような人材か、その理由はどうか。その採用の今後の見通しはどうなのか。  6頁です。採用できなかった未達成であることの影響はどうなのか。特に昨今の動向 を勘案し、外国人技術者を活用しているか。今後の見通しはどうなのかといったことを 聞きます。ここまでが職員の採用についての質問です。  次に視点を移し、従業員に必要とされる能力やキャリアパターンについてお聞きした いと思っています。問9は主な職種ごとにどういった能力が必要なのかを3つまで選ん でいただく説問です。  7頁はキャリアパターンについていくつかの観点から説問を設定しています。一人前 に業務を達成できるにはどのくらいかかるのか、大まかな見通しを聞きます。(2)職 種が年数を経ることによって、どのように変化していくのかといったところを捉える設 問です。(3)ほとんどが若手社員の職種、ほとんどが中高年の職種といったところを 把握することによって、それぞれの職種が経験を必要とする職種なのかどうかといった ことについて把握したいと考えています。  8頁以降が従業員の人事・労務管理及び能力開発についての方針です。問11は全体的 な方針でどのようなことを持っているのか聞きます。問12は1つの企業のタイプを分析 する指針として、成果主義的なものを導入しているかどうか。問13は能力開発の方針に ついて聞きたいと考えています。  次頁は過去1年間の能力開発の状況、キャリア形成を支援するための諸制度がどうな っているのか。問16は能力開発、キャリア形成を総合してみたときに、どういったとこ ろが課題として認識されているのかといったことについて聞きます。  次頁は少し視点を変えて、昨今人事に関して現場に権限を下ろしていくということが 1つの流れとしてあるかと思いますので、その採用、人事配置、能力開発、人事評価の どんな部門が主導を持ってやっているのか、トレンドについて把握したいと考えていま す。  次の柱は労働条件及び退職者についてお伺いしますというところです。労働者の労働 条件をいくつかの観点から、量的に数字で比較したいという観点で、いくつかの設問を 設定しています。問18は労働の総費用です。賃金の形態、労働時間。次頁で休暇の日数 の数字を取っていきたいと考えています。退職者の状況については定着の状況をここで 把握することと、退職管理制度のどのようなものを導入しているのかについて把握しま す。  12頁は小企業です。従業員30名未満の企業の経営者が、どのようなプロフィールを持 っている人か、以前勤めていた企業の業種、職種、あるいは年齢について把握したいと 考えています。  13頁は企業のプロフィールで、従業員の構造、業績等の現状、見通しについて把握し たいと考えています。これは情報サービスを例にとっていますが、共通して把握してい きたいという部分です。  続いて表紙のない企業経営調査の冊子で、これはそれぞれの分野に特徴ある設問を構 成していきたいという部分です。まず、情報サービスです。後ほど統合するので設問番 号は正しくありませんが、特に情報サービスの業務の分野について把握する。これはい ろいろな分野について複合的にやっている所が多いので、それを複数回答で聞くととも に、いま主に取り組んでいる分野は何かということです。特にソフトウェア開発でソフ トウェアプロダクト開発、販売というところについて、新しい領域としてどういったと ころに進出しているのかという部分について問1で把握していきたいと考えています。  2頁は、先ほど課題になっていたオフショアの状況について把握します。行ってい る、行っていないで、もし行っているとすれば、どのような職種で行っているのか、そ れが国内の人員にどのような影響を与えたのか。経営効果としてはどうなったのかとい ったところを把握します。その課題について把握する。  次頁はこのショアの今後の拡大の見通しはどうなのか、次の設問はその理由です。問 9として、これも先般の雇用創出企画会議で提案されたことですが、従業員の業務によ って得た企業秘密やノウハウなどの流出をどのように防ぐのかという課題、意識を聞い ています。それが問9、問9−1で、次頁は具体的にどういった管理を行っているのか ということについて把握をするようにしています。  5頁はロジスティックスサービスの分野ですが、特に第三者がロジスティックスをア ウトソーシングサービスとして実施するというサードパーティーロジスティックスが、 新しいビジネスとして発展しつつあるというところがあるので、そうしたところの実態 を把握したいと考えています。それが問1、問1−2、問1−3です。問2がロジステ ィックス部門の人数を拡大しているのかどうかについて把握します。拡大しているので あれば問1として、どこから採用を調達しているのかの実態を聞きます。  次頁はロジスティックス部門の拡大に伴い、効率化があるので、他部門の人員に対し て、どのような影響を与えたのか。ロジスティックス部門の拡大と他部門の減少といっ たところを差し引きした場合に技能はどうなのか、ネットで見た場合にどうなのかとい ったことを問2−3で把握したいと考えています。以上がロジスティックスサービス分 野におけるトピック項目です。  次に社会人教育サービスについてです。問1として、ユーザー、講座の内容、講師数 のそれぞれが最近の5年間でどのように変化したのかについて把握します。問2として 受講者の割合として現状どうなのか。それは今後増えるのかどうなのかという見通しに ついて把握します。問3がどういった内容の講座が果たしてニーズが高く、力を入れよ うとしているのか、具体的に把握します。  8頁です。品質保証にかかわる部分で、講座や教材の開発、新規講座の担当講師とい った面から見たときに、それを誰が担当しているのかといった点について把握します。 もう1つ、昨今非常に社会人教育分野の改廃が激しいわけですが、それに伴って講師の 再教育をどのようにやっているのかといった点について把握します。社会人教育の大き な動きとして、もう1つはeラーニングがあります。そうした通信教育の実施状況につ いて把握することと、その実施に伴って、どのような効果が従業員に対して影響がある のかといった点について把握します。これがトピック項目の素案です。  引き続き、従業員の調査票です。2頁です。これも情報サービスを例にとって作成し ています。採用と求められる能力やキャリア観について把握を進めていきたいと思って います。現在の職種と取り組んでいる主な業務の分野、どういった新しい領域に取り組 んでいるかについて問1、問2で把握します。問3として、どのような立場、新卒か中 途で入ったのかというところについて把握し、問4、問5、問6辺りは中途採用者を対 象として業務経験があったのかどうか、職場に入るために能力開発にどのような努力を したのか。入ってから教育訓練を受けたのかどうかといった実態について把握します。 問8は企業経営者調査票との比較設問ですが、どのような点が評価されて職場に採用さ れたのかという認識を聞きたいと思います。問9は現在の職種、仕事において求められ る資質は何なのか。これも企業調査票との比較設問になります。  問10として、現在の仕事に満足しているのかどうか。満足していないのならその理由 は何かといった点について把握します。  5頁は将来のキャリア観になると思いますが、将来的に現在の仕事を続けていたいの かどうかについて把握したいと思います。選択肢の2で、別の会社で働きたいといった 場合に、どのような会社で働きたいと考えているのか。これも先ほどからお話があった ように、特にエンジニアの場合転職によって能力を積んで、キャリアアップしていきた いという意識が非常に強いので、そうしたモチベーションについて把握したい。どのよ うな会社が良い会社なのかといった点について把握したいと思います。問11−2は現在 の会社で長く勤めるならば、どういったところを目指すのかといった点について把握し ます。  6頁は企業場の比較設問ですが、人事の方針についてどう感じるのか。過去1年間の 職場内で受けた能力開発の状況、能力開発の職場の取組みをどう評価するのかといった ことが問14です。問15が能力開発の課題、問16がキャリア形成を支援するための職場に あればよいと思う制度、問17がキャリア形成のための課題です。  8頁はプロフィールで、性別、業種、年齢、職場経験、雇用形態と就労条件の主なと ころについて把握をします。駆け足でしたがご説明申し上げました。 ○政策企画官  どうもありがとうございました。それではただいまの実態調査の案について、ご意見 ご質問等がありましたらお願いします。 ○樋口委員  確認です。最後の従業員調査は今日いただいたのが情報サービスになっているわけで すが、ほかのところ2つについては別の質問項目ができると考えていますか。 ○三井情報開発(株)  基本的には職種の部分を変える形で、内容的には共通の観点から聞きたいと思ってい ます。ですから、調査票としては別のものができて、内容的に別のものになると思いま す。 ○樋口委員  そうすると、例えば社会人教育サービスで、誰が従業員調査をするのかわかりません が、講師の方を対象に考えるわけですか。 ○三井情報開発(株)  社会人教育の場合はいくつか対象があり、講師、教材を開発するような人と2つぐら いの職種があるかと思いますが、その職種のバランスを見てやってくださいということ はやりたいと思います。実はまだヒアリングはできていないのですが、事前にどういっ た職種の人がいるのかを確認して、その職種を設定してやりたいと思います。バランス をとってくださいという形で設定したいと思います。 ○樋口委員  我々の仕事も近いので、これを質問されたときにどう答えるかと思って。集合研修な どというのは講師はほとんどないのではないかと思います。どうですか。 ○久本委員  ないですね。 ○樋口委員  うち辺りはほとんど集合教育はやっていないし、配属先でのOJTといわれても、ち ょっと質問項目が違ってくるのではないかということが感じられたので、共通でいいの かなと思ったのです。今日ヒアリングして、特に能力開発のこの状態で何が問題と考え ているか。そういった項目を入れていかないと、本当の意味での雇用創出につながらな いなという感じがあって、先ほどのでショッキングだったのは、情報工学経験を持って いない人が50何パーセントもいるので、ここが大きな問題だと業界団体から指摘された わけですね。そうだとすると、それに関連したような質問項目も入れていかないといけ ないことになるのか、どこがボトルネックになっているかを調べたいわけですね。 ○三井情報開発(株)  はい。 ○久木委員  結構難しいわけです。だから、産業によってどういう人たちがいるかというのがある ので、そこを見る場合に共通というのはなかなか合わない。それから、私がちょっと気 になったのは、それぞれ会社にこのアンケートをして、そこに撒いてくださいというこ とで住業員アンケートをするというわけですね。そうすると、企業がどういう人にこの アンケートを撒くかというところがものすごく決定的で、近場でパラパラと撒くと代表 性という意味ではものすごく難しいのです。従来ああいうものがきても、大体答えてく れそうな近い人たちのところに適当に撒くということがあり、代表性という観点からす ると、非常に難しいと思うのです。 ○三井情報開発(株)  わりと調査方法の限界みたいなところもあるのですが、通常は年齢、性別、職種のバ ランスをとって撒いてくださいというような注釈を付けて配ることが多いです。そうで ないと、それこそ20代の女性が圧倒的に多くなるということが結構あるのです。然りと て、そこはどういうようにサンプリングするのかということもできませんので、それは 難しいので、多少不備はあるかもしれませんがそういう注釈を付けてお願いすることが スタンダードなのではないかと思います。 ○樋口委員  これは行政か何かが最終的には政策に活かしたいわけでしょう。そうすると、いまの 政策でどこが問題なのかというのと、いまの政策でカバーしていないところはどこなの かということを考えると、例えば情報サービスがかなり能力開発についてもこれまで言 われてきたところがありますね。経済産業省を中心としてやってきただろうし、能開局 もやっていたと推測するのですが、それと合わせて質問票みたいなのは、基本計画を能 開でもやっていますね。情報サービスというのもたしか入っていたのではないかと思い ます。 ○基盤整備室長(職業能力開発局総務課)  IT関係等々は、能開の基本計画の中では、公共訓練も使いながらデジタルディバイ ドを解消するという方向で、平成15年までにかなり大きな数でやってきました。 ○樋口委員  そうするとユーザーということですか。 ○基盤整備室長  そうです。それで、いま能開の場合には、そういうITの基礎コンテンツについては それぞれの訓練科目の中にその部分も入れて、発展させて進めてきているというのが実 情です。 ○樋口委員  そうすると、メーカー側の人材育成はあれだって機械があるのですから。 ○基盤整備室長  高度IT技術者のほうは基本計画の中では、高度能力開発センター等がありますの で、そういったところでレベルの高い、また経産省もやっていますので、そこともあい まって育成していくとしています。 ○樋口委員  それについても調査はやっているのでしょう。 ○基盤整備室長  IT関連、情報系といった分野でどの程度やっているかというのは当然あります。 ○樋口委員  IT企業で能力開発をどうしているかということです。 ○基盤整備室長  それは一般民間企業が企業内でどういう形で、どれだけIT関連の能力開発をやって いるかということでしょうか。 ○樋口委員  IT企業でいま出されたようなヒアリングの問題点がありましたね。そういった問題 点についてのことです。 ○基盤整備室長  先ほどの能力開発の問題点の中で日本の場合と欧米の関係でいうと、例えば日本の場 合は情報工学も取っていないような人が多いということだったと思うのですが、専門的 な情報工学も必要なのでしょうが、これまでは、結構SEなどでもクライアントとネゴ シエーションしながらうまくやっていくという意味では、文化系出身の人が自学しなが らシステムを作るというのも多いと聞いています。したがって、IT情報系について欧 米型の能力開発の仕組みと、その辺は日本とでどのような差異があるのかはまだ調べて いませんが、そういった点があるのかもしれないと思います。 ○労働政策担当参事官  JILとかでは調査はやっているかもしれませんので。 ○樋口委員  いまの関連でいうと、質問票の中に企業に入ってからのキャリア形成というものが質 問の中心になったわけです。どうも聞いてみると、それが入ってくる前に専門的なそう いった点で。 ○労働政策担当参事官  即戦力を身に付けてこいよという。 ○樋口委員  そこが問題だというご指摘だったと私は理解したのですが。 ○労働政策担当参事官  そうですね。社会教育といろいろ観点は違うのだろうと思いますが、実態調査やヒア リング調査をする中で、どういうところに課題がありますかとか、今後どうしていくの ですかという意味でですね。その辺はヒアリングをした後で、また先生方に個別に、特 に社会人教育についてはご専門でいらっしゃるので、従業員のところはご相談させてい ただきます。 ○八幡委員  再教育ニーズみたいなものをきちんとしておかないといけない。そうしないと、実は すごく潜在化しているのです。みんな時間がないとか、諦めているのです。技術者など に聞いてみてもやりたいとは思っているのだけれども、どこへアクセスしたらいいのか という話になって、eラーニングなんてあるんですかという話になってしまうのです。 実際はあるのですが一般的には普及していないし、会社もよく理解していない。だか ら、そういうのを少し調査結果から言ってくれればいいのではないか。 ○労働政策担当参事官  リカレントとかサバティカルを作ってもらえばいいのですが、昭和55年ごろは流行っ ていたのですが。 ○久本委員  今日の話ではツールをいくら用意しても時間がないというところがあって。 ○八幡委員  それは本当は嘘で実は口実で、ちゃんと取ればできるのですよ。会社がやれと言えば できるんですよ。 ○久本委員  会社がやれと言えばちゃんとできるんですよ。 ○八幡委員  そういう意識がないだけの話で、優先順位を間違っているだけです。 ○樋口委員  だから何というか、やはり政策に活かしたいものは業界でいろいろ調査をやっている というのがいま出てきたから、どこに問題があるかという見当を付けてきているのでし ょう。その場合に、その問題を解決する上で、政府に何を期待しているのかということ があるのではないかと思うのです。  言いたいことを聞かないアンケート調査では、一方で値打ちが下がってしまうことが ありますから。 ○政策企画官  それではいろいろご意見をいただきましたので、私どもで整理して、座長にもご報告 させていただきます。 ○八幡委員  いつまでに質問票は提出されるのですか。 ○政策企画官  質問票はただいまいただきましたご意見を踏まえ、ただちに確定する作業に入りま す。アンケート自体は3月の初めにはもう発送したいと思いますので、省のほうとして 新たな調査票の案を作り、皆様方に最後の確認をしていただければと思っています。今 後については3月から5月にかけて、情報サービス分野のほか、社会人教育、健康増進 の関係の方に来ていただき、ヒアリングを行っていきたいと思っています。次回の会議 の日程については調整させていただきますので、よろしくお願いいたします。本日の会 議はこれで終了させていただきます。どうもありがとうございました。                                      以上 照会先 :政策統括官付労働政策担当参事官室 政策第一係 電話番号:03(5253)1111 内線(7723)