05/02/21 薬事・食品衛生審議会血液事業部会 平成17年2月21日議事録         薬事・食品衛生審議会 血液事業部会 議事録 1.日時及び場所   平成17年2月21日(月) 15:00〜   はあといん乃木坂 フルール 2.出席委員(14名)五十音順   ◎池 田 康 夫、 大 平 勝 美、 岡 田 義 昭、 川 西   徹、    倉 田   毅、 白 幡   聡、 高 橋 孝 喜、 田 島 知 行、    中 村 雅 美、 比留間   潔、 三 谷 絹 子、 宮 崎 久 義、    山 口 一 成、 吉 澤 浩 司   (注) ◎部会長 ○部会長代理  他 参考人2名   欠席委員(8名)五十音順    朝 倉 正 博、 小 畑 純 子、 清 水   勝、 田 中   滋、    花 井 十 伍、 平 澤 博 之、 幕 内 正 敏、○水 柿 道 直 3.行政機関出席者   黒 川 達 夫(大臣官房審議官)、 本 田   一(総務課長)、    金 井 雅 利(血液対策課長)、  浦 山 隆 雄(血液対策企画官)  他 4.備考   本部会は、公開で開催された。 ○血液対策課長 それでは、ただいまから平成16年度第2回血液事業部会を開催いたし ます。なお本日も公開で行うことにしておりますので、よろしくお願いいたします。本 日は現在のところ委員22名中12名方に御出席いただき定足数に達しましたので、薬事 ・食品衛生審議会令第9条により本部会が成立しましたことを御報告申し上げます。 ま ず委員に異動がございましたのでお知らせ申し上げます。献血推進全国協議会会長の三 星委員から医療法人社団博栄会理事長の朝倉委員に替わりましたが、本日朝倉委員は御 欠席でございます。次に東京都老人医療センター内科部長の森委員から獨協医科大学教 授の三谷委員に替わりましたので、御紹介いたします。 ○三谷委員 獨協医大の三谷です。よろしくお願いいたします。 ○血液対策課長 次に事務局に異動がございましたので御紹介いたします。昨年の7月 23日付けでございますが、大臣官房審議官医薬担当として黒川達夫が着任いたしました。 ○審議官 黒川でございます。よろしくお願い申し上げます。 ○血液対策課長 続きまして本年1月1日付けでございますが、当局の総務課長として 本田一が就任いたしました。 ○総務課長 本田でございます。よろしくお願いいたします。 ○血液対策課長 なお先月に委員の改選を行いまして、池田委員が引き続き部会長に選 任されたことを御報告申し上げます。またカメラ撮りは冒頭のみというのが原則でござ いますが、NHKから一部の委員について特集番組を作りたいという申出がございまし て、冒頭の2、3分だけ取材を許したいと思うのですが、委員の方々いかがでございま しょうか。 ○池田部会長 よろしゅうございますか。よろしいそうです。 ○血液対策課長 ありがとうございます。それでは以後の進行につきましては池田部会 長、よろしくお願いいたします。 ○池田部会長 私、本年度も部会長を務めさせていただきます池田でございます。よろ しくお願いいたします。議事に入る前に部会長代理を決定しなければいけないのですけ れども、部会長代理は規則で部会長が指名することになっております。できれば皆様の 御了解を得て引き続き水柿委員にお願いしたいと思います。水柿委員は本日御欠席でご ざいますけれども、御了解を得ております。よろしいでしょうか。ありがとうございま した。  それでは、早速議題1の「平成17年度の献血の推進に関する計画(案)について」を御 審議お願いしたいと思います。皆様御承知のように、この献血の推進に関する計画は血 液法の規定によって厚生労働大臣の諮問を受けて作成されることになっております。委 員の皆様には事前に事務局の方から御意見を伺うことになっておりましたが、この場で 改めて皆様の御意見を伺い、部会としての意見をまとめて答申をしたいと思っておりま す。よろしくお願いいたします。本件については本日参考人として日本赤十字社血液事 業経営会議総括委員の田所憲治氏、同じく安全管理課長の日野学氏をお呼びしておりま す。お二人の先生方、よろしくお願いしたいと思います。それでは早速事務局の方から 御説明いただきたいと思います。 ── 比留間委員着席 ── ○事務局 それでは平成17年度の献血の推進に関する計画(案)について御説明したい と思いますので、よろしくお願いいたします。資料Bを御覧ください。まず1ページは 諮問書になっております。献血の推進に関する計画につきましては、血液法第10条第1 項の規定に基づきまして厚生労働大臣が毎年度翌年度の計画を定めるとされておりま す。また同法第9条第4項に基づきまして、厚生労働大臣はあらかじめ薬事・食品衛生 審議会の意見を聴くものとされております。  平成17年度の献血の推進に関する計画につきましては、事務局案を1月24日〜2月 10日まで厚生労働省のホームページに掲載いたしまして、広く一般の方々から御意見を 募集いたしました。その結果、3名の方から4件の御意見を頂いております。11ページ を御覧いただきたいと思います。一般の方々から頂いた4件の御意見でございますが、 まず一つ目といたしまして、「BSEが発生した特定の外国に一定期間滞在していた人 に対する献血制限について、日本でもBSEが発生しているのであれば献血の制限をし ないのか。またそれらは申告制で、申告しなければ分からないことであるが、このよう な整合性のない規制を見直すことが献血者を増やすことになる」とのことでございまし た。それに対する事務局からの考え方でございますけれども、輸血によりvCJDの感 染が伝播したと疑われる事例は英国で2例発生していますが、日本においても輸血によ る感染を防ぐための努力をしていかなければいけないということになっております。も ともとvCJD対策で献血を御遠慮いただく規制につきましては、BSE発生率の高い 国に滞在した方を対象に行っているということでございます。日本もBSE発生国です けれども、発生するリスクにつきましては英国と日本では相当異なると考えております。 また日本では初めてBSE感染牛が発生してから直ちに全頭検査が開始されることによ って、リスクは極めて低いと考えられるということでございます。また日本の方の献血 をすべて排除してしまえば必要な献血を確保できないことになりますので、相対的にリ スクの高い国に滞在した方に献血を御遠慮いただくということには妥当性があると考え ております。また問診によってすべて排除できないという意見もありますけれども、こ れについては現在感染しているかどうかを検査できる方法がない状況でありますので、 100%確実ではないものの、問診により御遠慮いただくということが現在においては最善 の手段と考えているわけでございます。  続きまして12ページ、次の御意見でございます。「啓発活動は重要であるが、ここ数 年の状況から安定した供給にはつながらず、他国に依存しないとする目標を達成するの は非常に困難だと思われる。諸外国の献血と同様に補償制度を法制化し、若干の金銭補 償を行うべきである。なお、それに先立ち献血履歴をデータベース化し、売血行為につ ながらない体制が望まれる」とのことでございました。それに対する事務局の考え方で ございますけれども、我が国の血液事業は昭和49年以降輸血用血液については献血によ りすべて国内自給が達成されております。また、平成15年7月に施行された血液法にお きましても、国及び都道府県はそれぞれ献血の推進の計画、採血事業者は献血の受入計 画を策定することが明記されており、血液製剤の安定供給の確保に努めているところで ございます。献血に対し若干の金銭補償を行うべきとの意見ですけれども、献血とは「自 発的な無償供血」のことでありまして、供血者自らの意志で提供し、かつそれに対する 金銭などの支払いを受けないことでございます。金銭の対価として採血することは法の 規定により禁止されております。しかしながら、社会通念上妥当な範囲の記念的な物品 や軽い飲食物、交通に要した実費の支払いは「自発的な無償供血」とは矛盾しないとさ れているところでございます。また献血履歴のデータベース化につきましては、日赤の 方で平成7年度にすべての献血者の献血履歴等をデータベース化しており、安全な血液 製剤の確保に努めているところでございます。  続きまして次の御意見として13ページでございます。「高校生や中学生向けの啓発資 料の中に献血したときに起こる可能性がある健康被害(リスク)について載せることを要 望する。また自分がHIVに感染しているかどうか献血すると教えてもらえるのではな いかとの間違った認識を持つ子供が多く、エイズ検査に利用されているのではないか。 また高校内での集団献血については、多くの学校で学校行事として授業中に実施されて おり、半強制的に行われている」との御意見でございます。それについての考え方です けれども、国で作った啓発資料を全国の高校3年生を対象に配付しておりまして、健康 被害につきましては採血副作用から身を守るような解説をしており、また採血に伴う主 な副作用の年間発生率等も掲載しております。感染症の検査を目的とした献血を受け入 れないことにつきましては、政府広報やポスターを掲示するなど、様々な機会をとらえ て広報に努めている次第です。高校生への啓発資材につきましても献血検査の趣旨を解 説するページを設けて説明しているところでございます。また、日本赤十字社の啓発資 材にも同様の解説を設けております。学校における献血の実施につきましては、日赤で 平成3年の社内通達によりまして教員や生徒、父母を含めて関係者の理解と協力を得て 実施するように各血液センターに指示していると聞いております。それから献血を「自 発的な無償供血」とする通知につきましては、平成15年度に各都道府県に発出しており ます。また学校を含むいかなる場所において献血が行われるとしても、生徒は自発的意 志に基づいて供血を行うことができるということになっております。  次に14ページ、4件目の御意見でございます。「採血基準については、16歳からの 400mL献血への見直しは反対。年齢の引上げ(18歳以上)の見直しを強く希望する。また 基準の見直しをする際はきちんと医学的、科学的根拠を是非示してほしい。高校生の体 は成長発達途上にあり、発育には大きな個人差、性差があり同じ高校生でも著しく違う。 女子の場合は貧血が起こりやすい子供が多い。献血バスでは採血する前に貧血検査では なく血液の比重のみの検査のため、比重が一定以上であれば採血できることになってい る」という御意見でございます。考え方といたしまして、採血を行う際は献血者の年齢 にかかわらず医師が個人面接によって所定の問診を行うとしております。問診票には体 調良好か否かを申告する欄がありますし、貧血状態により体調不良である場合にはその 旨を問診票に記載する、又は医師に申し出ることによって採血することはありません。 また採血の可否については献血の比重のみの検査で判定されるわけではございません で、血液の比重、年齢、体重、血圧、色素量、採血の間隔等を勘案して、総合的に判断 することでございます。また献血バスの検査については、「採血の業務の管理及び構造 設備に関する基準」におきまして、移動採血車は採血所の構造設備の一部であることか ら、採血所と同様に「健康診断を実施するのに必要な設備を有しているとともに、その ために必要な器具を備えていること」と規定されているところでございます。したがい まして、移動採血車においても健康診断に関する検査を省略することはございません。 以上が4件の質問に対する事務局の考え方でございます。これらの意見を踏まえて事務 局の考え方を示した上で、平成17年度の献血推進計画を3ページの方に作成いたしまし た。  5ページ以降を御覧いただきたいと思います。まず平成16年度との主な変更点を申し 上げたいと思います。まず6ページの(1)、「『愛の血液助け合い運動』等の実施」の上 から3ポツ目でございます。都道府県の献血推進計画の作成の支援につきましては、い わゆる三位一体改革において廃止、税源移譲の対象となりました関係でここのところを 変更しております。  次に7ページの(5)、「若年層の献血への理解を深めるための普及啓発」のところでご ざいます。ここにつきましては「高校生を対象として」の後に「中学生を対象として、 血液全般についての資材を配付することで、血液及び献血についての正しい知識の普及 啓発を行うものとする」と。また「若年層の献血に対する意識調査を行い」、「献血推 進方策や、検査目的献血の防止のための啓発の在り方を検討し、対策を講ずることとす る」というところを追加いたしました。  続きまして(2)の(1)、「献血者が安心して献血できる環境の整備」の4ポツ目のとこ ろです。平成16年度では献血者に生じた健康被害の実態に係る情報収集をし、救済の在 り方について検討を行ってきたところでございます。平成17年におきましては、「献血 に伴う健康被害の予防対策の充実や献血後の健康被害の救済等についての検討を行い、 安全で安心な献血の体制を確保するために必要な措置を講ずるものとする」に変更して おります。  続きまして8ページでございます。(5)の「複数回献血の推進」でございますけれども、 平成17年度からは各血液センターに複数回献血者を構成員とするクラブを設立して各 種サービスの提供を行い、複数回献血を推進し、献血血液の安定供給や安全性の確保に 資すると。これに対しましては国からも補助を行って実施したいと考えております。  続きまして(7)の「血液製剤の安全性の向上に関する献血の在り方の検討」についてで ございます。これについては昨年7月に取りまとめられました「輸血医療の安全性確保 のための総合対策」に基づいた変更を行っているところでございます。なお平成16年度 献血の推進の実施状況等につきましては、17〜23ページ。また都道府県献血推進の一覧 につきましては25〜31ページまでに掲載しております。以上でございます。 ○池田部会長 ありがとうございました。ただいまの御説明について委員の先生方から 御意見、御質問を頂きたいと思います。最初に4人の方のパブリックコメントというこ とでvCJDのお話や献血の啓発運動、若年者の啓発、16歳の400mL献血というような 問題が取り上げられて、これらの意見について御説明いただいたわけです。いかがでし ょうか。田島委員、どうぞ。 ○田島委員 またちょっと方向性が違うような質問かもしれませんが、再確認という意 味もございます。ここのところEUやアメリカが国内業者と差別を付けないで血漿を買 えというようなことをいろいろ言ってきていると思いますが、厚生労働省としましては やはり献血というものに一番の重点を置くというような御方針なのかどうか、そこら辺 のところをひとつ教えていただきたいのです。 ○池田部会長 課長の方からどうぞ。 ○血液対策課長 平成15年7月に施行されました「安全な血液製剤の安定供給の確保等 に関する法律」がございますが、ここに血液製剤の国内自給の原則という規定がござい ます。輸血用血液製剤については昭和49年にもう既に達成されているわけですが、血漿 分画製剤はまだまだ達成されていないという状況でございます。その中で、この法律の 規定に基づきまして、やはり国内自給の達成に向けて我々も努力しなければならないし、 また先生方の御支援も頂きたいと考えているわけでございます。ただいま説明ございま した献血推進計画の着実な推進も国内自給の上では非常に必要だと思いますし、あるい は適正使用というものを推進して、それらがあいまって我々としても国内自給の達成に 向けて努力していきたいと考えております。以上です。 ○池田部会長 よろしいですか。そのほか御質問、御意見ございますでしょうか。4人 の方のパブリックコメント以外にも、事務局の方から複数回献血の推進あるいは若年者 の献血の理解を深める啓発運動のようなことについて特に御説明いただいたわけです。 また献血者が安心して献血できる環境の整備、血液製剤の安全性の向上に関する献血の 在り方の検討など、この辺りに特に注意を払って計画を立てたということです。委員の 先生方から御意見ございますでしょうか。 大平委員、どうぞ。 ○大平委員 パブリックコメントの意見3のところに、中高生向けの啓発資料でリスク についても出ていますけれども、この面と有用性の面との兼ね合いというところでは、 まずは有用性を基本的に押さえて載せていただいて、リスクについても今はきちんと情 報提供しないといけないのだろうと思います。そこは分かりやすい感じで書いていただ かないと、逆にそのデータばかりがひとり歩きするというようなことではなかなか理解 が深まらないのではないかと思います。それから、やはりこういった面では文部科学省 との協力が大変必要なのではないかと思います。文部科学省では学校保健の方で取り上 げられることが多いのだろうと思いますが、どうしても今学校保健の方には血液の問題 には触れない、感染症の問題の方がかなり強調されていて、血液の大切さや有用性がな かなか伝わっていないのではないかという感じがしております。ですからそういった面 では、学校教育の中でも学校保健だけではなくて道徳教育などのところとの連携を省庁 間で是非実現させていただければいいと思います。 ○池田部会長 ありがとうございました。大変貴重な御意見だったと思います。若年層 の献血への理解を深めるというのは言葉で書くのは簡単ですが、実際に本当に血液の重 要性あるいはそれによって救われる方たちがたくさんいるということも含めて、やはり 分かりやすい形で説明をすることが非常に大事ではないかと思います。この点について は何か御意見ございますか。課長の方からどうぞ。 ○血液対策課長 貴重な御意見をありがとうございました。高校生パンフレットにつき ましては先ほど「考え方」に載せたとおりでございますが、これから中学生向けのパン フレットを作らなければいけません。中学生になりますとますます分かりやすく書かな ければいけない、有効性も当然分かっていただくように、なおかつこういうリスクもあ ると。そういう中でやはり必要なものだということが分かっていただけるものにしなけ ればいけないということで、場合によってはまた大平委員の御指導を頂ければと考えて おります。  文部科学省との協力でございますが、基本的に高校生のパンフレットを送るときには 文部科学省と連携してやっております。教育の中でどれだけ踏み込めるかというのは、 なかなか厚生労働省だけでは難しいわけでございますが、必要なことについては引き続 き文部科学省にもお願いをしていかなければいけないとは考えております。 ○池田部会長 ありがとうございました。よろしゅうございますか。はい、どうぞ。 ○田島委員 これは教えていただきたいのですが、6ページの(1)「『愛の血液助け合い 運動』等の実施」のところの2ポツ目に「国は、様々な媒体を活用して」とあります。 私も医師会で広報をやっていますと、この様々な媒体の利用の仕方というのがなかなか 難しいのですが、ここら辺で何かこれだというようなものはございません。確かにこの 絵本などは非常にすばらしいと思いますけれども、またひとつ何かそういうアイデアを 教えていただけると有り難いと思うのですが。 ○池田部会長 事務局から何か特にございますか。 ○血液対策課長 我が方としては、これまでは主に政府広報を使ったPRというのが中 心だったわけでございます。日赤の方でもいろいろやっていて、そういうものと一緒に タイアップしておりまして、できればほかの関係団体、関係者の方々と一緒に取り組め ればいいと思いますし、また日本医師会の御指導、御支援を頂ければ有り難いと思いま す。 ○池田部会長 ありがとうございました。まだ御意見あるかと思いますけれども、本日 幾つか御相談したいことがございますので、特段の御意見がなければ今後平成17年度の 献血推進計画を告示するに当たりまして法的な観点から審査を経ることになると思いま す。そこでの修正については部会長に御一任いただきたいと思いますけれども、よろし いでしょうか。ありがとうございました。  それでは次に議題2に移らせていただきたいと思います。議題2は血液製剤等に係る 遡及調査ガイドラインでございます。これらについては昨年の10月と12月に安全技術 調査会でもう既に検討されておりまして、御了承いただいております。また、事務局の 方では昨年12月から本年1月にかけてパブリックコメントを求めておりまして、これら の意見に対する考え方も含めて御説明をお願いしたいと思います。なおこの度のパブリ ックコメントの考え方については、安全技術調査会の岩本座長にも御了承いただいてい るということでございます。それでは事務局の方から御説明をお願いいたします。 ── 審議官退席 ── ○事務局 それでは資料C-1に基づきまして説明させていただきたいと思います。これ につきましては昨年7月7日の前回の部会で日本赤十字社作成の遡及調査ガイドライン について御了承いただいておりますが、その際このガイドラインが遡及期間を示したも のであること、また日本赤十字社の取組といったことが中心に記載されており、医療機 関やメーカーの在り方を規定したものではなかったことなども御指摘いただき、是非国 の方で作成する必要があるのではないかという御意見を頂いておりました。また、その 後輸血前後の感染症検査の在り方について明確になってきたことなどを受けまして、昨 年の9月に運営委員会で国として各関係機関の取組を示したガイドラインを年内を目途 に作成することとなっております。これを受けて、昨年10月と12月に先ほど部会長の お話がありました安全技術調査会での議論を踏まえまして、また本年1月の運営委員会 でも御報告した上で、本日本部会にお諮りするものでございます。  ポイントとしましてはまず2ページの上にございます。対象とする病原体に従来HB V、HCV、HIVと梅毒が入っていたのですけれども、ここから梅毒を除きました。 それに代わって15ページの真ん中にありますけれども、今問題となっておりますHEV への対応を追加して、このような取組を試行的に行うこととなっております。  また3ページ以降を御覧ください。3ページからは医療機関の対応となっております。 この中で対応の前提としまして、まず一つ目は血液法に基づく医療関係者の責務を明記 しております。また二つ目でございますけれども、これは輸血前後の感染症検査の実施 に係る事項を載せさせていただきました。またなお書きでここにございますけれども、 検査の擬陽性結果、潜在ウイルスの活性化等の有無を確認するために輸血前後の患者の 血液の再検査を行うことがあるので、もし保管しているものがあれば日本赤十字社に提 供し、調査に協力することと入れさせていただいております。  また4ページ以降につきましては薬事法上の規定やこれまで出してきた通知、また輸 血前後の感染症検査の実施に基づくものでございますけれども、今回新たに追加された ものとしましては4ページの真ん中より少し下の「イ」にありますように、感染症が疑 われた患者等のフォローをお願いする形になっております。  続きまして7ページの日本赤十字社の対応でございます。この中の多くは、これまで 出されてきた通知に基づくものや実態として行われているものが取りまとめられており ます。新しいものとしては「ア」の2段落目のなお書きにございます。「日本赤十字社 保管の当該輸血用血液製剤に係る保管検体がすべて個別NAT陰性の場合にも、医療機 関への情報提供は書面で行うこととし、その対象は平成16年4月以降に日本赤十字社へ 報告された事例に係るものとする」という文面を入れさせていただいております。これ は昨年9月の運営委員会で決められた内容でございます。  また8ページを御覧いただきますと、一番下に「ウ 供(献)血者への事後検査依頼」と いうのがございます。これも新たに追加された内容でございまして、医療機関から感染 が疑われた輸血用血液製剤の献血者に対して、該当する病原体について患者の感染原因 の把握が必要であることを伝えて確認検査を行うよう協力を依頼するものでございま す。つまり、これまでは再献血に来るまで献血によるものか否か分からなかったのです けれども、これからは積極的に献血者に呼び掛けて検査を受けていただくという趣旨で ございます。これも昨年9月の運営委員会で方針が示されたものでございます。  そしてこれを依頼する対象者が9ページに載っております。こちらの「(ア)」としま して、依頼対象者につきましては指針に基づく陽転例に係る供血者であって、当面は受 血者(患者)が重篤のHBV又はHCV感染例の場合に限るとしております。HIVにつ きましては、今後検査結果の通知の在り方を含めて安全技術調査会等で検討することと しております。  続きまして新たに追加した部分は11ページ以降になります。11ページからは血漿分 画製剤の製造業者等の対応でございます。血漿分画製剤についてのガイドラインの記載 は今回初めてになります。ただ、これらにつきましてもこれまでの通知に基づくものや 実態として行われているものが多いのですけれども、今回新たに明記したものとしまし ては対応の前提として、まず一つ目が「検体の保管」でございます。また12ページの上 から3行目に「ア」としてございますけれども、これは医療機関から感染が疑われた血 漿分画製剤に係る保管検体のNATの実施、また医療機関において当該指針に従った検 査を行っていない場合で患者保管血液がある場合は、必要に応じて製造業者等において 指針に従った検査を実施するということを記載させていただいております。また必要に 応じて厚生労働省の依頼に基づき速やかに調査するという文言も入れさせていただいて おります。  また12ページの一番下の(3)でございます。こちらはその前の11ページに出ており ます前提3及び4に掲げる措置が講じられない等の場合は輸血用血液製剤と同様の取組 を依頼することとしております。これは既に通知等で示されている内容を書かせていた だいたことになります。  15ページでございます。その他としまして、先ほどE型肝炎ウイルスについてお話し しましたけれども、15ページの下の方に細菌の対応についても明記させていただいたと いうことです。  また17ページでございますけれども、血漿分画製剤につきまして、ノンエンベロープ のウイルスについては当該ガイドラインの対象ウイルスと同様の対応が必要と考えられ るということでございます。ただヒトパルボウイルスにつきましては、当面遡及調査の 対象としなくてよいということを入れさせていただいております。これに関連する資料 が次のペーパーとして別紙1からございます。  続いて資料C-2になりますけれども、こちらはQ&Aでございます。これは本日御出 席いただいております吉澤委員にほとんど作成していただいたものです。まず2ページ に出ておりますけれども、予備知識として各々の言葉の定義を示しております。また5 〜13ページまでは各種検査の意義や解釈について載っております。そして14ページに は輸血前後の検査と保管検体についての考え方を総論的に示しております。また16ペー ジ以降につきましては各々のウイルスについて詳細に記載させていただいております。 24ページには輸血前に実施するそれぞれの検査結果の意義と受血者への対応が各ウイル スごとに載っております。そして26ページには図が載っておりますけれども、感染の因 果関係を解析する手順、結果の判定などが載っております。そして最後に28ページでご ざいますが、各ウイルスごとの検査の標準化のためのコントロールサーベイの必要性と 実施方法などが記載されております。  そして今申し上げましたガイドラインやQ&Aにつきまして、年末年始にかけてパブ リックコメントを求めました。その結果資料C-3にございますような形で御意見を頂い ております。これに対する回答を安全技術調査会座長の岩本先生を始め、何人かの先生 方と御相談して作成させていただいております。時間の関係もございますので、主だっ たものだけを御説明させていただきます。1ページの一番下にございますけれども、「血 漿分画製剤の製造業者等の対応」のところ、医療機関に保管してある患者の保管血液の 検査は製薬メーカーが行うべきではないのではないかという御指摘を頂いております。 これは先ほど説明した内容でございますが、これにつきましては血漿分画製剤について 自他覚症状がない限り一般的には保険償還されるものではないと考えられ、これを医療 機関や患者に対してすべての金銭的負担を課すことは血液製剤安全対策上適切とは言い 切れない状況と認識していることから、医療機関において当該指針に従った検査を行っ ていない場合であって患者保管血液がある場合に、医療機関と相談の上、医療機関が実 施していない場合には製造業者等において指針に従った検査を実施するよう依頼すると いうことでございます。  続いて3ページの一番下になります。非常に専門的な御指摘を頂いた部分がございま す。「感度」と「検出限界」の違いについて御意見を頂きました。4ページの上の方で 回答しております。「検出限界」と「感度」については、分野によっては異なるものと 解されております。ただイムノアッセイや核酸増幅検査においてはおおむね同義語で使 用されております。そういうことで、どちらの解釈でも対応できるよう表記の変更は行 わないという回答をしております。あとは誤字や脱字の変更となっております。  5ページの一番最後のところでございますが、コントロールサーベイのプロトコール を企画する際に参画する手段をお知らせ願いたいというのが製薬メーカーから来ており ます。ただしこれについての回答ですが、Q&Aに書いてありますとおり、コントロー ルサーベイの対象施設は民間の衛生検査所のうち輸血前後の検査を受託する検査所を想 定しておりまして、対象施設の選定に当たりましては日本衛生検査所協会等の関係機関 の協力の下に行う予定としておりますので、御了承いただければと思っております。ま た試薬に関する各種資料で公にして構わないというものにつきましては公表していく予 定でございますので、よろしくお願いいたします。資料Cの関係の説明は以上でござい ます。 ○池田部会長 ありがとうございました。ただいまの御報告について御意見、御質問の ある方はお願いしたいと思います。国として遡及調査というもののガイドラインを作る ということで、対象となる範囲、医療機関、赤十字社あるいは製造業者の対応等を記載 したということでございます。吉澤先生、何かございますか。 ○吉澤委員 Q&Aの29ページ、「7 コントロールサーベイ実施の頻度」の下のとこ ろに「検討課題:メモ」と書いてありますが、これは作っていく過程での事務局とのや り取りのメモがそのまま残りましたので、Q&Aを修正をお願いしたいと思います。こ の中に書いてあることは今後やらなければならないことですので、「今後の方向」と変 えていただければよいのではないかと思います。  それからもう一つは「5 検査項目」、コントロールサーベイの検査項目のところです。 これを作るプロセスでは必要なものを全部ここへ並列で書き込みましたが、やはり緊急 度及び重要度から考えましてまず最初にHBV DNA、つまり、NATのコントロールサー ベイから始めるのが妥当と思いますので、このことを文章に書き込んでいただけたらと 思います。 ○池田部会長 ありがとうございました。よろしゅうございますでしょうか。そのほか 委員の先生方から御質問ございますか。どうぞ。 ○岡田委員 NATのウイルス濃度の表示ということで一応これは「コピー」が使われ ているのですけれども、国際的にも「コピー」ではなく「IU」単位になっていますの で、恐らくそのうち診断薬も「IU」になると思います。要するに国内だけならいいと 思いますけれども、やはり海外とのハーモナイゼーションを考えるとIU表示にせざる を得ないのではないかと思うのです。結局、実はコピーは統一されていないのです。極 端なことを言えば各メーカーが勝手に作った単位ですので、A社のコピーとB社のコピ ーというのは完全に一致していません。そういうことを統一するためにもIU、インタ ーナショナルユニットという言葉が出ましたので、NATの単位に関してはIUと。逆 にこれを広げた方がいいと思います。 ○池田部会長 事務局の方はいかがですか。よろしいですか。あるいは委員の先生方、 ただいま岡田委員からそのようなお話がありましたが…。吉澤委員、どうでしょう。 ○吉澤委員 おっしゃるとおりだと思うのですが、今世の中で市販されているものでは 様々な表示法が使われておりまして、いきなりIUへ持っていきますと取り扱い説明書 など申請の段階から全部やり直し、作り直さなければいけないという問題が生じますの で、近い将来はそちらの方向に向けていくということで対処しておくのが現実的かと思 います。  これに関連しまして、この28ページに「標準パネル血清」と書いてあります。実際は 「標準パネル血漿」なのですが、昨年まで研究班をお預かりして作った標準パネル血漿 があります。これは国内で使用されている測定系で測定したチャンピオンデータを載せ てありますし、また、最後にWHOが作った標準品でのIU表示とのキャリブレーショ ンができるように測定値を併記しております。ですからまずそこから始めて、最終的に はやはり国際単位という形に持っていくことが望ましいかと思います。経過措置が必要 だと思います。 ○池田部会長 岡田委員、どうでしょう。 ○岡田委員 確かにあのようなことはなじみが薄いので…、結局各会社ごとに換算しな ければいけないのです。そうするとコピーでもいいのですが、やはり括弧して何IU相 当というようにしていただくことによって一般的な臨床医の方もだんだんそれを受け入 れられるようにした方がいいかと思います。 ○池田部会長 そういう格好でどこか別のところに記載しておくと。吉澤委員もそうい うことですね。そういう方向に進めるための過渡的な文章を作るということで、事務局 の方で案を練っていただけますか。そのほかいかがでしょうか。比留間委員、どうぞ。 ○比留間委員 今までも安全技術調査会等でお話しさせていただいたのですけれども、 血液事業部会でも一言言っておいた方がいいかなということで。今回の輸血前後の検査 や保管検体などは、もう患者さんを見ている現場でできるかできないかにかかってくる わけであって、もしこれができなかったら幾らこのような立派なものを作っても役に立 たないわけですよね。今臨床現場のいろいろなところで一番声が聞かれるのは、徹底し てやるのが難しいとか検体を採って保管するのにそれなりの費用が掛かるということだ と思います。ただ、これは当然のことながら患者さんを守る立場である医療現場はその ような金のことは言わずにきちんとやれというのが正論だと思いますけれども、そうは 言っても先立つものがないとなかなかできない現状もありますので、それなりの保険診 療上の管理料なり、そういったものができれば…。これは輸血学会が過去4、5年前か ら要求させていただいているところですけれども、そのようなものを今後是非やってい っていただきたいというふうに一言だけ申させていただきます。 ○池田部会長 ありがとうございました。よろしいでしょうか。そのほか委員の先生方 から何か御意見頂けますか。よろしいですか。特にございませんようでしたら、ただい ま先生方から幾つか御意見がございましたので、事務局にはパブリックコメントへの回 答に基づいてガイドラインを多少修正していただきたいと思います。よろしいでしょう か。それではこの議題は終わらせていただいて、議題3の国内における変異型クロイツ フェルト・ヤコブ病の発生についてお願いしたいと思います。これについては皆さん御 承知のように今月の上旬に報道され、非常ににぎわせたわけですけれども、現時点での 取組状況も含めて御説明いただけたらと思います。事務局の方、お願いします。 ○事務局 それでは資料D-1に基づきまして簡単に説明させていただきます。資料D- 1は2月4日の記者発表資料になります。このとき御報告した内容からほとんど進展が ない状況なのですが、一応この日に運営委員会を開いて対策をとらせていただいたとい うこともございまして、今回この場をかりて御報告させていただければと思います。  まず2ページを御覧ください。こちらにありますように平成13年12月に40歳代で発 症された方です。平成元年ごろに英国渡航歴1か月という情報がございます。「症例に ついての審議結果」のところを見ていただきますと、国内における最初のvCJD症例 の確実例として判断されております。原因につきましては、輸血歴がなく、平成元年ご ろの海外渡航歴から見て短期間ではあるが、英国滞在時の暴露の可能性が現時点では有 力と考えるという結論を出していただいております。今後の主な対応としましては、発 症原因及び二次感染の可能性についてさらなる調査を行うということでございます。ま た厚生労働省なり都道府県の方で相談窓口を設置して、そこで相談の対応をしてきたと ころでございます。  資料D-2を御覧ください。先ほどはCJDのサーベイランス委員会の結論なのですけ れども、それを受けて血液事業部会の運営委員会を開催しました。こちらにございます けれども、患者さんの英国滞在期間等が明確ではなく、今後引き続き滞在期間及びその 内容に係る調査が必要であること。またこれは今健康局の方から主治医を介して各関係 遺族の方に調査をお願いしていたり、あと健康局が直接動いて滞在期間を調べたりして いると聞いております。  (2)でございます。患者については平成7年4月までパソコンのデータ上で献血歴の 有無を調べることができまして、これがないことが確認はされておりますが、今後また さかのぼって日本赤十字社において調査をすることとなっております。今は紙ベースで 調査いただいているところでございます。また英国滞在歴のある献血者に対する制限に つきましては、より予防的な対応として今回のvCJD患者の渡航歴等が判明し、安全 技術調査会での検討を行うまでの間、暫定的に英国滞在歴1か月以上の献血者の献血を 制限することとしております。  資料D-3、D-4がその関係資料でございます。資料D-3は献血時の欧州渡航歴に関 する問診の強化について、英国については暫定的に1か月以上滞在している方は御遠慮 いただくこと。また資料D-4はヒト由来原料を用いた医薬品、医療用具等の品質及び安 全性の強化につきまして、やはり同じように1か月という縛り、1〜6か月という縛り に変えております。資料Dの説明は以上でございます。 ○池田部会長 ありがとうございました。我が国第1例目の変異型CJDの発症以降の 対応について、現状も踏まえて御説明いただきました。先生方御存じのことかと思いま すけれども、何か御質問ございますでしょうか。どうぞ。 ○川西委員 これは運営委員会のときにお話をお聞きしたのですが、そのときの話とし ては一応現状ではいろいろな因果関係等々がまだ不明だと。ただ私がちょっと思います のは、そのときにこの方が1か月ぐらい滞在なさったということに関してすぐに調べが つかなかったということなのですけれども、あれから1週間ちょっとたっているのです が、その辺のことはもう少しクリアにならないのか。と申しますのは、暫定的であれ何 であれ1か月以上の献血者の献血を制限したと。これは政策的なこととしては一つの考 え方だと思うのですけれども、やはり1週間ちょっととはいえ滞在歴ぐらいははっきり してもいいような気もします。その辺の事情というのは何か分かりますでしょうか。 ○池田部会長 事務局は課長の方から何かございますか。 ○血液対策課長 現在健康局の方でいろいろ調査中でございますし、主治医に聞いて1 か月ぐらいという話があったということで、それを更に確認している状況であると考え ております。 ○池田部会長 そのほかいかがでしょうか。ただいまの現状報告について御質問ござい ませんか。今後も引き続き原因の究明あるいは二次感染の防止に関して最大限の努力を していただくことになると思いますけれども、引き続き適宜御報告も頂くということで。 岡田委員、どうぞ。 ○岡田委員 一応1か月に制限されるというのは、献血者数の方にはどの程度の影響が 出ているのでしょうか。 ○池田部会長 赤十字の方で今の時点でいかがですか。田所先生、何か。 ○参考人 この1か月という期間でどれくらい影響が出るかということは実は分からな いのですけれども、英国に行ったことがあるという人が年間2,000名くらいですから、 それよりは少ないかもしれません。 ○池田部会長 よろしいでしょうか。川西委員、どうぞ。 ○川西委員 私がそこにこだわったのは、この場合いろいろな考え方があるのでしょう し、因果関係もはっきりしないのですけれども、結局この方が行ったころの英国が非常 に危険であったのは確かです。ただ例えばここ最近1か月に行った人とそのころに行っ た人という考え方で言うと、そのリスクからいったら恐らく今の人たちの方がはるかに 大丈夫だというようなこともあります。もちろんその辺の因果関係を調べるまでには非 常に時間が掛かるかもしれませんが、なるべく早急にやって、こういう対策というのは 合理的な判断でそのときに応じて変えていった方がいいという意味でその辺に多少こだ わらせていただいたのです。ですから、取りあえずこういう政策を採るということは別 に政策的に間違ったことだとは思いませんけれども、とにかく因果関係をはっきりさせ るということが大切だと思います。 ○池田部会長 そうですね。是非引き続き御調査いただいて、そしてまた新しい事実等 が出てまいりましたら運営委員会あるいは血液事業部会の委員の方にも御連絡いただい て、また議論するという格好でお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。ありが とうございました。  それでは次に議題4に入らせていただきます。こちらは血液製剤の適正使用の推進に 係る報告事項についてでございます。これについては昨年9月と12月の2回にわたって 適正使用調査会を開催しまして、適正使用に係る各種取組がなされていることから、そ の進ちょく状況について事務局から説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いい たします。 ○事務局 それでは資料E-1〜E-5まで順を追って説明させていただきます。まず資 料E-1ですけれども、「『血液製剤の使用指針』、『血小板製剤の使用基準』及び『輸 血療法の実施に関する指針』改訂のための検討体制(案)について」とございます。これ につきましては、平成11年にこれらの指針、基準が出されてから一度も改訂されていな かったということで、また使用基準についてはその前からになりますけれども、新たな 知見を踏まえて改訂を行うものでございます。昨年9月9日の適正使用調査会で御承認 いただきまして、この2ページにあります先生方、適正使用調査会に入られている方、 入られていない方も含めて、時間の関係もありますのでこういう分担で各専門の先生方 に御覧になっていただき、手分けして作業をしていただいております。各委員の改訂作 業はおおむね終了しまして、現在清水委員、橋委員、高松委員の方に最終的な取りま とめをお願いしているところでございます。ただ作業が多少遅れているところでござい ますけれども、年度内には適正使用調査会を開いてこれらを検討していきたいと思って おります。  続いて資料E-2でございます。先ほど来、輸血前後の感染症検査のお話をしましたけ れども、ここで指針の一部改訂をさせていただいております。9月17日に出た通知の中 身は、まず昨年10月に実施されました血小板製剤の保存前白血球除去を踏まえた血小板 使用基準の見直しについての通知と、先ほど遡及調査ガイドラインで説明した輸血前後 の感染症検査の実施に係る指針の一部改正についての通知でございます。  続いて資料E-3になります。平成11年度に実施した赤血球製剤の使用状況調査がご ざいますけれども、これはここにありますような対象疾患ごとにそれぞれの主治医と言 いますか外科の術者の赤血球製剤の使用の考え方、そして使用量を出していただきまし て、これを取りまとめております。おおむね3年後にこれらの患者さんの追跡調査をす るということになっておりましたので、この調査を現在実施中でございます。結果につ いては冒頭で説明しました血液製剤の中の赤血球製剤の使用指針の中に盛り込みたいと 思っております。  そして資料E-4でございます。資料E-5とも関係してくるのですが、こちらは昨年 7月の総合対策の中でも出てきておりますけれども、血液製剤の適正使用推進に係る先 進事例等調査についてでございます。これにつきましては現在全国から選定された各県 での取組状況を調査しているところでございます。これらの結果について通知などをし て、全国の関係機関に活用していただくよう考えております。また資料E-5にあります けれども、この選定に際しましては新聞等でも出ましたように各県での使用格差が出て おりますので、それを勘案しまして先進事例となかなか進んでいない事例を先ほどの先 進事例調査等で選定して、調査をしているところです。  資料E-5の内容は昨年末に出ております血液製剤の平均的使用量についての通知で ございます。これは先ほど御説明しましたように、各種指針においては個々の症例に応 じた指針を作っているのですが、個々の病院が自分の病院が周りの同規模の医療機関と 比べてどのぐらい使用しているか、していないのかというのが分からない状況にありま した。そのため今回平成15年度の研究で医療機関ごとの血液製剤の使用量について調査 を行いまして、その結果を基に病院機能別の血液製剤の標準的使用量を2〜3ページに ある表I、表IIに取りまとめております。この表では病床規模、全身麻酔手術件数、心 臓手術件数等を指標として病院機能を分類し、各分類パターンごとに1床当たりの年間 血液製剤使用量を表しております。下にありますけれども、こちらの機能、一つ目は50 %値を参考として血液製剤を使用していただきたいということと、二つ目が90%値を既 に超過している製剤につきましては当該施設内で使用量の多い原因を検討することとし ております。来年度以降については各医療機関におけるこれらの平均的な使用量の活用 状況や改善度を検証するとともに、より詳細な個別具体的な調査を実施していきたいと 思っております。資料Eに関しましては以上でございます。 ○池田部会長 ありがとうございました。適正使用調査会等で検討されている適正使用 に関する幾つかの議論の内容について御報告いただきましたけれども、現在までの進ち ょく状況について何か御質問ございますか。また、こういうようなことはどうなってい るのか、あるいはこのような取組はしているのかということも含めて御意見を頂きたい と思います。よろしいでしょうか。この資料E-3は赤血球製剤の使用状況の追跡調査と いうことで、これはデータが今年度ぐらいにはある程度まとまるという状況になってい るのでしょうか。割合長期にわたる調査で、非常に重要な調査でもあると思うのですが。 ○事務局 締切りを2月中としておりますので、最終的なお話としましては各種指針の 赤血球の使用量にそれを根拠として出していただければと思っております。 ○池田部会長 そうですね。ありがとうございました。そのほかはいかがですか。適正 使用を考える上での調査の仕方等も含めて、何か御意見を頂けますか。よろしいでしょ うか。大平委員、どうぞ。 ○大平委員 病床別の規模によって血液製剤管理の輸血業務監督医師や責任医師の配備 というところが表に大変克明に出てきておりますけれども、大きな病院ですとやはりい ろいろな、例えば責任体制についてもしっかりしたところが見受けられます。100〜200 床規模のところで輸血医療の多くは行われていますけれども、その辺でそういう管理体 制が大切なポイントになるのだろうと思います。こうした輸血療法委員会などといった 委員会等が設置されない病院ですと、責任担当の部門は前より増加しているのかどうか などが今回見えていないのですけれども、その辺がしっかりしてくるというのが輸血医 療の安全性確保の問題としては大切なことなのではないかと思います。  それからここの範囲ではないかもしれませんが、適正使用の中で自己血がどのくらい 増えてきているのか。また、多分患者の方としましては自己血と献血血液を重複した治 療が受けられるのだろうと思いますが、自己血の安全性の管理といった面についてここ からはうかがい知ることができません。その辺は私たちとしては重要なポイントだろう と思っています。その安全性の管理や監視といったところはまた別の委員会などで行わ れていると思いますけれども、その辺がこの血液事業の適正使用の中で総合的に両方見 えてくるようなものがデータとして頂ければ有り難いと思います。 ○池田部会長 ありがとうございます。それについて課長の方から何か。 ○血液対策課長 御指摘いただきました管理部門の体制について、平成15年度にやりま した高野研究班の中では療法委員会がどうかとか責任医師の配置などのデータはあるの ですが、それを経年的に追っていく場合はどうかということになりますと、必ずしもつ かめていない面もあります。そのため、今後我が方としても実際の医療機関の血液製剤 使用の実態のようなものについては引き続き調査をしていきたいし、その中で管理部門 と言いますか、輸血療法をどういうふうに管理していくのかということを把握していき たいと。自己血についても必ずしも我が方で十分なデータを持っていないということも ございますので、そういう中で医療機関の御協力を頂きながら調査を経年的にやってい くといいものができるし、あるいはそういうふうにもつながるのではないかと考えてお ります。いずれにしても、そういう管理体制については御存じの輸血医療の安全性確保 のための総合対策の中でも重要な課題になっておりますので、これの推進については引 き続き努力していきたいと考えております。 ○池田部会長 ありがとうございました。よろしいですか。大平委員、どうぞ。 ○大平委員 そこにこだわるのは、今、遡及調査をしっかりしていくにはやはり輸血療 法委員会などの医療機関内部の御努力が大切だと思いますので、そういった環境がきち んとしていないと、せっかく国の方で作っていただいた遡及調査がうまく機能しないの ではないかと思いました。ですから是非その辺をよろしくお願いしたいと思います。 ○池田部会長 ありがとうございました。確かにこういう血液事業部会あるいは国がや っている輸血行政が非常にいい方向に行っているかどうかの一つの指標になるだろうと 思いますので、輸血療法の監督医師、責任医師、あるいは病院の体制、療法委員会がど ういうふうに機能しているかということについて経年的にもある程度追って、その点に ついても適正使用調査会で引き続き議論していただくようにお願いいたします。よろし いですか。ありがとうございました。  それでは次の議題5に移りたいと思います。こちらは「血液製剤の需給に係る報告事 項について」でございます。昨年11月の需給調査会で報告された平成15年度の需給計 画の実施状況について、事務局からお願いします。 ○事務局 それでは事務局から説明させていただきます。まず、法律では毎年度血漿分 画製剤の需給計画の実施状況について薬事・食品衛生審議会に報告をすることになって おります。平成15年度は法の施行が年度の途中ということもあったことから、法にのっ とった正式な計画は作らなかったわけでございます。ただ同様のものを医薬食品局長通 知ということで定めておりましたので、その実施状況について御報告させていただきま す。  表で見た方がいいかと思いますので、まず資料F-1を1枚めくっていただきまして次 の表の説明をいたします。血漿分画製剤を16の分類に分けてございます。それから数字 の方は、下段が当初の計画量、上段が実績と達成率でございまして、100を超えたもの が予定を上回ったものということになります。最初にこの表の(1)の欄でございますけれ ども、平成15年度に必要と見込んだ血液製剤の種類と量と供給実績ということになりま して、いわゆる供給見込みに対してどのくらい達成できたかという部分でございます。 これは100を超えたものが主に血液凝固因子製剤系を中心にございまして、6製剤ほど 予定を上回っておりますけれども、大方は市場がちょっと縮小したという状況もあって かなり予定を下回っております。次に表の(2)の欄になりますけれども、これは平成15年 度に国内において製造あるいは輸入されるべきとした血液製剤の種類と量と目標でござ います。これは基本的にはそれぞれの製造・輸入業者が年間にこれだけ製造、輸入しま すと言った届出を集計して、特に支障がなかったので、それをそのまま予定量として挙 げたわけでございます。こちらも同様にわずかの製剤につきまして予定を上回っており ますけれども、大半は予定どおりいかなかったということでございます。次に(3)の欄で ございますけれども、製造・輸入量のうち国産の原料を使って製造するものについて立 てた計画でございます。こちらもかなり頑張っている製剤もございますけれども、やは り予定を下回っているものもたくさんあったという状況でございます。ただ平成15年度 においては相対的に予定を下回ったものが多かったわけでございますが、在庫量が十分 あるということもありまして供給に支障があったというような事態は生じませんでし た。それから需給計画の目的としております安定供給ということにも特に支障がなかっ たと考えております。  次にこれらの製剤の国産の原料となります原料血漿の確保目標量とその実績でござい ます。平成15年度が108万リットルということで、前年同様の予定を立てました。夏場 に献血者が減るということを予定していたのですが、平成15年度の場合は予定以上に献 血者が減ってしまったことと、安全対策の関係で新鮮凍結血漿を供給する前に6か月間 貯留しようではないかということを日本赤十字社が始めるため、通常の供給をしながら そういった貯蓄に回すものも確保しなければならなかったという状況がございまして、 結果的には102.5万リットルと若干予定を下回ってしまいました。しかしながら2ペー ジにございますように、各製造業者への配分につきましては希望に対して一部若干上回 ったものがございますけれども、ほぼ計画どおり供給できたということで、こちらも特 段の支障は生じておりません。  次に資料F-2でございます。これは平成16年度の上半期の状況をまとめたものでご ざいますので資料としては少し古いのですが、表の見方、構成は同じでございます。ち ょうど半分を過ぎた時点で供給量、製造・輸入量、それから原料血漿の各量につきまし ても予定の半分は集まっているということで、順調に推移しておりました。ちょっと時 点が古くなっておりますので最近の12月末ぐらいまでの現況を見てみますと、供給量に つきましては予定の7〜9割程度で推移しております。それから製造・輸入量はちょっ と低うございまして、6〜8割の間ぐらいで推移しているということで、在庫の関係も あって多少予定を下回っているのかと考えております。それから原料血漿の方も予定の 7割5分ぐらい確保できておりまして、今年度94万リットルで予定しておりますとこ ろ、70万6,000リットルほど集まっております。こちらも順調に推移しているかと考え ております。平成15年度の報告と平成16年度の途中経過は大体以上でございます。 ○池田部会長 ありがとうございました。ただいまの血漿分画製剤の需給状況について の平成15年度の報告と平成16年度の現在の状況について、御質問ございますか。そう すると、平成16年度の今までの状況だと順調に推移していると考えてよろしいと。 ○事務局 大体量的にも昨年並みの感じで、うまく回っていると思います。 ○池田部会長 ということだそうですけれども、どなたか御質問ございますか。白幡委 員、特にございませんか。よろしいですか。大平委員、どうぞ。 ○大平委員 単純にこれを比較していいのかどうか分からないのですが、この中でアル ブミンですとか凝固因子製剤、組織接着剤等の自給率のまだ伸びて来ないところという のは、簡単でいいのですが何か原因の分析のようなものはあるのでしょうか。それとも 今後こういう方向に伸びていく可能性があるとか、何か示唆されることがありましたら 教えていただきたいということ。また若干実際の確保量が少し下がっていますけれども、 これはやはり年々少しずつ下がっていく傾向なのか、適正使用の効果があってそれほど その必要はないけれども、ある程度きちんと確保していかなければいけないのか、その 辺をちょっと教えていただきたいと思います。 ○血液対策課長 まず一点目の自給率の件でございます。アルブミン等につきましても 年々自給率は向上してございますが、これはまだ半分程度という御指摘だと思います。 これについては別途血漿分画製剤の在り方に関する検討会がございまして、こちらでも いろいろと御議論いただいておりますが、基本的に現在の量を作るとすると製造量が足 りるのかどうかというのが一つ問題点としてございます。もう一点は薬価をどう考える か。医療機関はやはり安い方を買うだろう、外国製の方が安いといった御意見もござい ます。まだそれが原因だと特定されたわけではありませんが、そういう議論がなされて いる中でこの検討会の方で血漿分画製剤の自給達成に向けて、先ほど田島委員からも御 指摘ございましたけれども、どうしていくかということを御検討いただいているところ でございます。  二点目の達成率と言いますか、原料血漿はどうも少なくなっておりますし、製品自体 も少なくなっているというトレンドでございます。これはもう少し長期に見ないとよく 分かりませんが、一般的に言えることはやはり適正使用と言いますか、医療現場の方で そういうものが浸透してきた影響は考えられると思います。平成17年度の需給計画を現 在作っているところでございますが、少なくとも3年間ぐらいのトレンドを見た上でま たいろいろ考えてみたいと思います。推測でございますけれども、大体減少傾向にある のではないかと。やはり必要な場合に使えないというのでは困るわけでございますが、 ある程度適正使用の影響ではないかなと考えている状況です。 ○池田部会長 ありがとうございました。適正使用が徹底すれば少しずつ確保目標量も 減っていく可能性があるということですね。よろしいですか。橋委員、どうぞ。 ○橋委員 この表の読み方の確認です。いずれも(1)の供給量というのは医療機関で使 用した量と考えていいのではないかと思いますが、それでよろしいのでしょうか。 ○事務局 この(1)の欄は製造業者からの出荷量ということで集計してございます。 ○橋委員 出荷量ということですね。それから二番目の欄が恐らくその年に新たに輸 入なり製造されて入った入庫量と。そういう意味では、出庫する側から見るとインとア ウトととらえていいのでしょうか。自給率というのが(2)と(3)の割り算になるのか、それ とも(1)について国内の(3)のものと全体の出庫数との比率なのか、この自給率のパーセン テージはどちらなのかを伺いたいのですが。 ○事務局 自給率は供給のベースでございますので、(1)について国産と外国とを比べて いるというものでございます。 ○橋委員 そうしますと、先ほど来お話があって伸びがちょっと鈍っているようにも 見えますけれども、供給量が実績をだんだん下回っていくというのはある意味適正使用 が進んでいるというふうにとらえてもいいかもしれないし、むしろ製造・輸入量がだん だん縮小していって、そのうちの多くが国産になっていくようにもっていけばいいと思 うのですが、そういう理解でよろしいのでしょうか。 ○事務局 表としてはそういうことでございます。市場が縮小した中で国産の方がちょ っと踏ん張ったということで、結果的に平成15年度は自給率が上がっていると考えてお ります。 ○池田部会長 よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは次の議題6「血 液製剤に係る報告事項について」に移りたいと思います。これは平成15年6月から実施 されております遡及調査の進ちょく状況や、前回の血液事業部会等で報告された事例の その後の対応状況について御報告いただくものでございます。それでは事務局の方から 御説明をお願いいたします。 ○事務局 それでは資料G-1、G-2について説明させていただきます。まず資料G- 1でございます。1ページを御覧ください。これはHIVの関係ですが、前回昨年の7 月7日時点と特段の変更はございません。  3ページ以降についてですけれども、これは17ページを除きまして運営委員会や安全 技術調査会で報告させていただいたものなのですが、部会では初めてなので時間の関係 上簡単に紹介させていただきたいと思います。まず3ページでございます。これは10歳 未満の男児で、輸血前後でHBS抗原が陽転した例でございます。劇症肝炎で急性肝不 全で亡くなられております。19人の供血者がおりまして、9人の供血者がその後献血し ており、検査は陰性でございました。19人の供血者の保管検体につきましては個別NA Tすべて陰性になっております。また医療機関に保管されていた患者検体のうち、12検 体すべての個別NATと検査可能な6検体のHBS抗原検査はすべて陰性でございまし た。4ページにありますように、今後の対応はその後献血に来ていない方のフォローを 行うことになっております。  続いて5ページになります。この方は70歳代の女性でございまして、輸血前後のHB S抗原検査で陽転した事例でございます。死因については十分分かっておりません。「3 状況」の(2)でございますけれども、37人の供血者のうち30人の献血者がその後献血 しており、すべて陰性でありました。37人の保管検体は個別NATすべて陰性でござい ます。今後の対応としましては、まだ来ていない7人のフォローをしていくということ でございます。  続いて7ページでございます。これは70歳代の男性でございまして、輸血前後で同じ くHBS抗原が陽転化した事例でございます。急性B型肝炎と診断され、右大量胸水を 呈した後、呼吸状態悪化により亡くなられた例でございます。48人の供血者がおりまし て、26人が再献血してすべて陰性となっております。また保管検体も48人すべてが個 別NAT陰性になっております。今後の対応としましては、残りの22人の再献血検査に 係るフォローを行うこととしております。  続いて9ページになります。こちらにつきましては重篤例、亡くなられた例ではない のですが、複数回献血による感染疑い事例ということで今回安全技術調査会、運営委員 会でも報告させていただきました。アンダーラインを引いているところについては、今 年の1月に行いました運営委員会以降の直近の情報が示されております。今後とも可能 な限り遡及することにはなっております。11ページに図があるかと思うのですけれども、 これを横にして御覧ください。始まりにつきましては左端にありますように、医療機関 からの最初の感染事例報告(H16.10.8)を受けて献血血液の個別NATを調べたところ 陽性でございまして、患者血液からのウイルスともゲノタイプが一致していることが判 明しております。先ほど説明いたしましたけれども、この方は80回ほど献血に来られて おりまして、この献血後5回献血をやっておられますが、いずれも個別NAT陽性とな っております。実際にはこの5回以降も来られたのですが、献血はされておりません。 それから「Look Back」の方が下の段になっておりまして、裏も同じく「Look Back」な のですが、この方は(3)と(7)となっている二回分が保管検体を調べたら個別NAT陽性で、 ゲノタイプは(1)と(4)と(13)の症例が一致ないしウイルス相同性が認められております。3 例ございました。最初の取っかかりになりました事例と含めると4例ということになり ます。今年1月の運営委員会以降の情報としましては14ページを御覧ください。こちら の真ん中の表の右端の「27」というところにありますが、供血者保管検体個別NATが ここで陽性だということで、かなり間隔を空けて陽性が出て、それ以前にさかのぼると また陰性になっていたという症例でございます。  この方のデータとしましては、先ほどvCJDの患者さんのときにもお話ししました ようにパソコン上は平成11年4月以降しかそろっていないのですけれども、紙ベースで それ以前を調べましたところ、こちらのセンターには平成9年4月分までしか存在しな いということですので、保管検体について今後引き続き調査をして個別NAT陽性か陰 性かということを調べていく予定としております。この症例の今後の対応については10 ページの「3 今後の対応」としてございます。今回御報告した現在の遡及調査ガイドラ インの中にもこういった低濃度キャリアを前提とした遡及調査となっております。ただ 今回のように断続的に陽性を呈する場合については過去の可能な限りの献血歴を入念的 に調査し、該当する受血者の健康管理を行うこととすること。また(3)にありますけれ ども、今回のガイドラインに基づいて医療機関において輸血前後の感染症検査の実施を 図ることにより、今回と同様の事例が発生した場合には副作用感染症報告を速やかに行 っていただき、できる限り早く遡及調査につなげていくということでございます。  続きまして15ページを御覧ください。既に運営委員会等で御報告した事例なのです が、これは60歳代の男性でございまして、やはりBなのですけれども、輸血前後でHB S抗原陽転化した事例でございます。劇症肝炎を呈した後、肝不全により亡くなられて おります。この方は16人の供血者がいるのですけれども、3の(3)の(1)にありますよう に供血時の保管検体について個別NATを実施したところ、2名の個別NAT陽性がご ざいました。この2名については共に複数回献血を行っているのですが、再献血時にH BV関連検査では陰性でございまして、HBC抗体及びHBC抗体-IgMは陰性、個別 NATも共に陰性でございました。このお二人の供血時の保管検体のウイルス解析の結 果、非常にまれなタイプなのですが、共にシークエンスが一致していまして、受血者の 血液とも一致していました。今後の対応としましては、輸血時の供血者16人のうち再献 血に訪れていない8人について引き続き調査をするということ。また16ページの(4)に上 がっておりますけれども、この方はそういった理由もございまして、NAT時に受血者 血液が供血者サンプルに混入する等の測定上の誤差、コンタミの可能性も考えられるこ とから、日本赤十字社は手順書を見直して職員に対する通知、研修をしているというこ とでございます。  続いて17ページでございます。こちらは2月4日報告ということですので全く新規の 例でございます。事例としましては60歳代の男性で、平成16年9月8日〜11月24日 まで輸血を9回受けられております。輸血前の検査を昨年の8月3日と9月8日に行っ ておりまして、HBS抗原検査陰性でございました。平成16年11月24日の輸血時にや はり検査を行っておりまして、そのとき陽性が確認されております。今年の1月26日に HBS抗原検査を行ったところ引き続き陽性と出まして、さらにHBC抗体検査も陽性 になっております。2月2日に劇症肝炎で亡くなられた方でございます。この方は輸血 前後の保管検体が残っておりまして、輸血前は個別NAT陰性、輸血後に陽性というこ とで陽転した事例でございます。状況としましては供血者が9人ございまして、再献血 した方はまだどなたもいらっしゃらないということでございます。保管検体を調べます と個別NATすべて陰性でございました。今後の対応としましては、供血者9人の再献 血検査に係るフォローを行う予定でございます。  続きまして19〜21ページでございますが、こちらはHEV(E型肝炎ウイルス)につい ての御報告でございます。19ページは60歳代の男性で、輸血前のHEVのNATが陰 性、輸血後にNAT陽性になった事例で、塩基配列が一致しているものでございます。 献血者、受血者とも現在健康状態は特段問題がないということでございます。先ほど遡 及調査ガイドラインで紹介した取組が19ページの下から20ページにかけて載っており ます。これがきっかけで取組をさせていただいております。  また21ページを御覧ください。これもE型肝炎ウイルスですけれども、20歳代の男 性でございまして、輸血後の血液検査を調べますとHEV-RNAで陽性が確認され、E型肝 炎が疑われた事例でございます。また原疾患の合併症により亡くなられたという情報を 入手しております。この方は62本の供血を受けておりまして、保管検体のうち1本から HEV-RNAが検出され、塩基配列も100%一致の相同性が確認されております。供血者の喫 食歴については引き続き調査中ということになっております。  そして個別症例ではないのですが、続いて23ページになります。これは昨年の8月 10日に運営委員会のところで確認された事項でございます。こちらの「2 今後の対応」 のところを御覧になっていただきますと、血液製剤等の使用との関連が疑われる使用患 者の感染症の報告については死亡等の転帰いかんにかかわらず…、先ほど申し上げまし たけれども、個別症例の報告は重篤ないしは亡くなられた事例だったのですが、そうい ったことにかかわらず血液製剤投与後に感染症検査結果が陽性のものについては血液対 策課又は日本赤十字社から定期的に血液事業部会運営委員会に報告することとしており ます。25ページ以下はこれまで御報告させていただいた内容がずっと載っております。 時間の関係でここは割愛させていただきます。  続きまして61ページになります。これも去年の8月10日の運営委員会で御説明させ ていただいた資料です。これは英国の保健省が7月22日に発表した輸血を介して変異型 クロイツフェルト・ヤコブ病に感染した2例目の可能性患者についての情報でございま す。こういった情報を受けまして、65ページにありますように血漿分画製剤の製造工程 中のプリオン除去等に係る安全性確保の状況調査をかけたものでございます。具体的な 結果については67ページにありますけれども、各製剤ごとにどのような処理を行ってい て、安全性について推計値も含めて出させていただいております。こちらの「推定Rf 値の範囲(Log)」というのがウイルスクリアランス指数に該当します。推計値もあり ますので非常に幅が出ておりますけれども、こういった調査を行っております。  71ページになります。これと関連してくるのですけれども、献血時の人胎盤製剤使用 者に関する問診についてでございます。これも安全技術調査会、運営委員会で検討され てきた事例です。採血時の問診においてvCJDに関する感染伝播防止の予防的観点か ら人胎盤由来製剤使用者に対する問診の必要性に関する提起が安全技術調査会で出され まして、2の(3)にありますように1月中旬から全国10か所前後で試行的に問診を行っ ているところでございます。2月いっぱいまでにやられる予定ですので、結果は後日報 告させていただきたいと思います。このほかに人胎盤由来製剤の胎盤原料採取時の問診 について、業者に対して通知により指導を徹底しているところでございます。   そして73ページを御覧いただきますと、これは先ほどE型肝炎ウイルスの関係で北海 道で試行的に行っている問診の結果とNATの検査結果になります。まだNAT陽性と いう事例は出ておりません。資料G-1は以上です。  引き続き資料G-2について説明させていただきます。3ページを御覧ください。こち らは毎回日本赤十字社の方から報告があります供血者発の感染事例の報告になります。 4ページの(7)に挙がっておりますけれども、陽転事例は12例でございます。今年の1月 に運営委員会で報告したときは11例だったのが1例増えていまして、それが5ページに 出ております。この1例はその下の(8)に挙がっております感染症報告も増えていまして、 前回の運営委員会では10件だったのですが、11件となっております。  7ページ以降は回収報告状況になっております。11ページは血漿分画製剤のウイルス 安全対策についてでございます。13ページにあります平成15年に出ました4課長通知 を踏まえまして、11ページの(3)に挙がっておりますけれども、ウイルスクリアランス指 数が9未満の製剤については現時点では海外血漿を原料とし日本国内に輸入されている 2製剤のみとなっております。国内血漿を原料としている製剤や、輸入血漿を原料とし 日本国内で製造されている製剤には9未満のものはないというところまで改善してきて おります。  17ページを御覧ください。こちらは供血者からの遡及調査により個別に核酸増幅検査 を実施した結果、陽性血液の混入が判明した原料血漿に由来する血漿分画製剤について となっております。判明した時点での状況なのですが、表にありますように245バッグ 中製造工程投入前(個別バッグの段階)だったのが43件、製剤の製造に使用されていたの が163件、そして輸血用血液製剤の製造のみで分画製剤としては製造されていなかった ものが39件となっております。  一番最後の18ページを御覧ください。先ほど言いました供給されたものが既にござい ますので、実際にNAT陽性のものを供給された本数とその比率がこちらになります。 平成16年度の4月〜10月までの情報は一番下の行になりますけれども、総供給数に対 する比率としてはアルブミンが一番低くて1.6%、乾燥濃縮人アンチトロンビンIIIが最 も多くて22.2%という幅がございます。年によってはもっと大きく出ていることもござ います。資料G-1、G-2の説明は以上でございます。 ○池田部会長 ありがとうございました。非常に多くの報告について説明していただき ましたけれども、ただいまの説明に何か御意見、御質問がございますでしょうか。中村 委員、どうぞ。 ○中村委員 資料G-2の11ページのところでウイルスクリアランスは9未満が一応の スレショルドと書いてあるのですが、9以上の2製剤というのがありますね。これは現 在どういう処置をとられているのですか。 ○事務局 この2製剤の中に原料血漿の段階で個別NAT陽性のものが入っていたと分 かった場合は、安全技術調査会等にかけてそこで使うかどうかを審議するという話にな っております。今のところそういう例は出ておりません。 ○中村委員 要するに未使用ということですね。 ○血液対策課長 基本的にはそれなりのウイルスクリアランス指数はあるだろうと。ウ イルスが混入してもせいぜい10の6乗までで、10の3乗の安全係数を見ておけば多分 大丈夫だろうということで9と決めたわけでございます。9以下の製剤については、先 ほど御説明しましたように混入が分かった段階で製剤の量や製造方法などを勘案して安 全技術調査会の方で判断しようということで現在製造されておりますが、我々としては 常にウイルスクリアランス指数を上げるように指導しているわけでございまして、国内 メーカーについてたしか初め4製剤くらいあったのが、今はなくなったと。そういうこ とで、これについても引き続き指導していきたいと考えております。 ○池田部会長 よろしいですか。岡田委員、どうぞ。 ○岡田委員 HBVの低濃度キャリアのことについてです。この方は献血を80回やられ て個別NATでも陽性になったり陰性になったりと、どういうふうに扱ったらいいかか なり難しい症例だと思うのですけれども、ウイルス学的に何か異常が見つかったのでし ょうか。 ○参考人 現在調査を行っているのですが、コアプロモーターの部分がどうかとかサー フェス部分の遺伝子がどうかという面についてはまだ分かっておりません。今後とも是 非調査を続けたいと考えております。 ○岡田委員 この方の場合個別NAT陰性のものがかなり続いたりしていまして、供血 者の方を調べないとなかなか情報として上がってこないので、逆にどの辺まで遡及した らいいかという判断が難しいと思います。その場合、例えばシークエンスである程度分 かればそういう人は念入りにそれこそすべてを遡及するなどという区別ができると思い ますので、早急に遺伝子学的な変異を見付けるような結果を出していただきたいと思い ます。 ○参考人 同様に考えておりまして、是非調べたいと思っております。 ○池田部会長 そうですね。非常に重要な御指摘ですので今後も是非調査、検討をして いただきたいと思います。大平委員、どうぞ。 ○大平委員 感染が疑われた事例についてたくさん報告が上がってきているのですけれ ども、原疾患で亡くなられた方の問題と劇症肝炎等で亡くなられている方について、輸 血からの感染については昨年補償制度ができているので救済の対象になると思うのです が、こうした事例について既に何例か補償がされているのかどうか。この個々の事例に ついては原因がまだ解明中などということがあるのかもしれませんが、その辺はどうな のでしょうか。 ○事務局 事務局でございます。大平委員の御指摘のように、副作用・感染等被害救済 制度につきまして平成16年4月以降に御使用になられた製剤に関連して感染を受けた 方について救済するという制度を動かしております。具体的にどれということはちょっ とプライバシーに係る問題でございますので申し上げられませんけれども、この中でも 幾つか申請を受けているものはございます。ただ現状はまだ因果関係を含めて原因の方 について調査中ということでございます。そういった事例において救済した事例が出て きたところで、また改めて御報告させていただきたいと思っております。 ○池田部会長 よろしいですか。大平委員、どうぞ。 ○大平委員 原因がしっかりと定かでないとなかなか救済の方には結び付きにくいと思 います。今度のガイドラインが発行されてからスムーズに協力を得られる可能性が出て くるわけですが、現時点ではやはり供血者が複数おられるなどというところでなかなか 難しいということなので、できるだけ協力をお願いして、そういう被害があった場合に は速やかに救済が受けられるような制度が活用できるようによろしくお願いしたいと思 います。 ○池田部会長 大事な御指摘をありがとうございます。橋委員、どうぞ。 ○橋委員 今のお話は非常に重要だと思いますが、先ほど来の御報告にあったように、 輸血前の検体が残っていない場合ですと原因の確定は難しいように思うのです。その場 合に被害者救済制度の適用はどうなるかということを割合はっきりさせておかないと …。先ほど比留間委員も言われましたけれども、輸血前検体保管というのは現場ではな かなか進みにくい、ところがそれがないと被害者救済制度がいかしにくいのだというこ とをはっきり打ち出すべきかと思うのですが、その点はいかがなのでしょうか。 ○事務局 現在の救済での審議内容について個別具体的にはなかなか申し上げにくいの ですが、確かに先生が御指摘のように輸血前の保存検体や検査データがあるかどうかで 因果関係、蓋然性等の判断というものが非常に容易になるのは事実かと思っております。 そういった観点で、大平委員御指摘のように医療機関の方に御協力いただきまして輸血 前についてのデータを採っていただき、出していただくということは非常に重要という 認識は持ってございます。ただ、現実に今上がってきている申請の中で輸血前のデータ がない場合も、実際にシークエンスによってある種感染が同定できるということなどに よって、なくても必ずしもすべて判定できないということではございませんので、そこ は調査会の方で科学的知見の人知を尽くして調査を行っているということかと思いま す。 ○池田部会長 ありがとうございました。よろしくお願いしたいと思います。それでは 大分時間も過ぎておりますので、ただいまの議題については今後もいろいろ検討してい ただきたいということで終わりたいと思います。一応本日用意した議題は以上でござい ますが、最後にその他の領域について赤十字の方から御報告があるようなのでお願いで きますでしょうか。 ○参考人 本日の資料の中に「第13回赤十字血液シンポジウム─ 安全な輸血医療を目 指して ─ 《大阪会場》」というものをお配りしていると思います。日赤の血液シンポ ジウムというのは毎年4か所で行うわけですが、テーマの中の輸血関連急性肺障害とい うのは共通として行っております。これに加えて遡及調査の進ちょく状況と日赤の安全 対策ということで、東京センターの佐竹より報告が書かれております。これは医療機関 の皆様に御協力いただいて行った一昨年7月以降の遡及調査の進ちょく状況を取りまと めまして、そこからスクリーニング検査では検出できないで個別NATで陽性と分かる ような数及び感染数から現在の輸血における感染リスクの推定値を出し、その数値をこ の間の御協力に対する感謝と共に、これを是非適正輸血とインフォームドコンセントに いかしていただきたいということで報告させていただいたものです。ここに数値等も書 いてありますが、その後2月18日に日経新聞の一面で同様の内容が報告されていると思 います。そこではちょっと数値が増えております。それは詳録を作った段階から明らか になった報告例を加えて取りまとめておりますので、そちらの方が最新のデータという ことになります。  取りまとめますと、B型肝炎につきましては平成11年4月まで数年間にわたって行い ましたので、それを年間平均で行いますと、スクリーニングNAT等で見付からなくて 遡及調査を行うと前回献血が個別NAT陽性であるというのが大体33例あります。そし て受血者の報告を受けまして、この間報告例から何例くらい感染しているかということ を見ますと、年間6〜10例くらいは感染しているだろうと。6例というのは明らかに患 者さんが陽転している例を計算したものです。10例とちょっと増えているのは、患者さ んは輸血後に陽性だけれども、輸血前が陽性か陰性だったかどうか分からない。これも 輸血後に陽性になったのだろうと。それを加えると6例というところが10例になるとい うことで、はっきりしているのは6例という意味です。そういった例が33例のうち6〜 10例くらいは年間に感染する可能性があると。そして、それ以外に遡及調査ではない医 療機関からの自発報告がございます。それをこの数年間で平均しますと、約7例ござい ます。先ほどの数と加えますと6〜10のところに7を足すわけですから13〜17、それぐ らいが年間輸血によってB型肝炎に感染して発症する例であろうと推定しております。  C型肝炎につきましては、NATが始まって以来約5年間にスクリーニング検査で検 出できなくて遡及で見付かったのは1例でございまして、約3,000万件に1件の献血が そうであったと。感染事例は出ておりません。  HIVについては、NAT開始以降約5年間に3,000万件で2件の献血が遡及調査で 前が陽性と分かっていて、1例は残念ながら一昨年12月に感染したという例でございま す。したがいまして1例の感染例があって、もう1例は使われていなかったということ でございます。  そういった状況でございまして、感染リスクのある血液の比率と実際に感染した例を 提示いたしました。医療機関の御協力も得ましてここまでの結果が出たことについて、 感謝を申し上げたいと思います。日赤としては、引き続き今日定められた遡及調査のガ イドラインに従って実行していきたいと思います。同時に遡及調査は献血者発と医療機 関発の両方ありまして、今回遡及調査のガイドラインなどでも輸血前後の検査の実施と、 できれば輸血前の保管検体の確保がうたわれたと思いますが、是非それをやっていただ くことで、遡及調査自身も早期に開始できると。今FFPの貯留保管も並行して行って おりますので、より有効な遡及調査ができると考えます。繰り返しますが、輸血前後の 検査と輸血前の保管検体の確保という点で、できるだけ御協力をお願いしたいと思いま す。以上です。 ○池田部会長 ありがとうございました。よろしいですか。ただいま赤十字から御報告 いただきましたけれども、今後も赤十字には引き続き御努力いただき、また医療機関等 も一緒になってできるだけ安全な輸血医療を目指して進んでいきたいと思います。私の 不手際でお約束した時間が少し過ぎてしまいましたけれども、本日こちらで用意させて いただいた議題は以上でございます。皆様、お手元に「ぼくの血 みんなの血」というも のはお持ちですか。大平委員、せっかくですから何か一言だけ。 ○大平委員 私ども血友病の患者はいつも輸血用血液にお世話になっています。社会で 感染症の問題などがいろいろ出てきまして、血液についてネガティブな反応が出ており ますが、やはり私たちの一番の命の糧としての血液の大切さというものを是非多くの人 たちに知っていただきたい。そしてまた、小さい子供さんたちに血液という問題につい て危険だというようなところから入っていくのではなくて、大切なものとして、例えば 血液が友達を救うことになるのだといったところに結び付くような形で、3、4歳ぐら いから小学校低学年の方たちに向けて何か分かりやすいものができないだろうかという ことで、少し考えて作ってみました。地方のパンフレットの中ではエイズのリスクとし て献血というのが出ていましたが、それは大変な誤解でありまして、そういうことがな いように小さい子供さんたちに本当に血液の大切さを知っていただくための一つの契機 になればいいかなということで、活用していただければ有り難いと思います。 ── 田島委員退席 ── ○池田部会長 それでは、本当に長時間にわたって御議論いただきましてありがとうご ざいます。これで本日の部会を閉会させていただきたいと思います。次回の血液事業部 会についてはまた追って事務局の方から日程を調整していただいて、御連絡いただけれ ばと思います。本日はどうもありがとうございました。                                    ( 了 ) 連絡先: 医薬食品局 血液対策課 課長補佐 中山(内線2905)    - 34 -