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坑内労働現地調査(概要)


 我が国における坑内労働の実態について、昨年12月から本年2月にかけて現地調査(5カ所)を行ったところ、以下のとおり(別添表参照)。

1.鉱山以外の坑内労働(トンネル工事)
(1) シールド工法
 シールド工法によるトンネル工事については、シールド機外径約7.5mの工事(A共同溝)と、シールド機外径約2.9mの工事(B水道管)の2カ所について現地調査を行った。
 坑内での作業は機械化が進んでおり、現場作業員についても基本的に筋肉労働を伴う作業はほとんどない。B水道管においては、坑内が狭いため、腰をかがめて通行するところがあり、重機を搬入できずに一部人力により行う作業(配管延長の際の管運搬、セグメントのボルト締め等)もあるが、作業全体に占める割合は低いとのことであった。
 また、B水道管の工事現場はメタンガスが発生するリスクのある地層とのことで、帯電防止作業衣の着用により対応していた。

(2) 山岳工法
 山岳工法によるトンネル工事については、高速道路トンネル建設工事(C高速道路)について現地調査を行った。
 坑内での作業は機械化が進んでおり、筋肉労働を伴う作業は少ない。掘削そのものはすべて機械化されており、現場作業員も他に一部筋肉労働を伴う作業(支保工据え付け、ロックボルトの差し込み等)もあるが、作業全体に占める割合は少ないとのことであった。
 なお、坑内の環境について、シールド工法と比較すれば、坑口付近は多少の粉じんは感じられたが、切羽付近の空気は清浄であった。
 リスクファクターとしての粉じんについては、電動ファン付防じんマスクの装着、散水、風管の設置等の対応が図られていた。


2.鉱山における坑内労働
 鉱山における坑内労働については、D金属鉱山とE石炭鉱山の2カ所について現地調査を行った。
 D金属鉱山では、坑内での作業は機械化が進んでおり、掘削そのものもすべて機械化されており、他に浮き石を落とす作業等、一部筋肉労働を伴う作業もあるが、作業全体に占める割合は少ないとのことであった。
 リスクファクターとしての粉じんについては、発破後15分以内の入坑禁止、散水、マスク装着等の対応が図られていた。 E石炭鉱山においても、掘削を含め坑内での作業は機械化され、支保材の積み下ろし等、一部筋肉労働を伴う作業もあるが、作業全体に占める割合は少ないとのことであった。粉じんについても、散水、マスク装着等の対応が図られていた。


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