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医療法上の結核基準病床数の位置づけ
―― 今後の展望 ――

【背景】
 結核に係る基準病床数は、医療法施行規則に規定される算定式に基づき、都道府県医療計画に記載されることとなっている。昨今、結核患者の新規発生率の低下、退院後の治療支援の推進等早期退院に向けた努力による入院期間の短縮等により、結核入院患者数が著しく減少しており、同算定法による結核病床数が、必ずしも実情を反映しないものとなっているところ、結核病床数算定方法の見直しの必要性が指摘されている。

【現行の基準病床数の算定】
医療法施行規則第30条の30
3. 結核病床
 都道府県の区域ごとに別表第6の3の項に掲げる式により算定した数。この場合において、居住入院患者数が別表第6の4の項に掲げる式により算定した数を下回る区域においては、都道府県外入院患者数を病床利用率で除して得た数の3分の1を限度として、都道府県知事が適当と認める数を加えることができるものとする。

(別表第6の3)
 Σ(AB+C−D)/E

 A 当該区域の性別・年齢別人口
 B 厚生労働大臣の定める当該区域の属する都道府県の区域を含む地方ブロックの性別・年齢階級別入院率(別表第3:省略)
 C 当該区域に所在する病院の入院患者のうち当該区域以外の区域に住所を有する者の数
 D 区域外入院患者数
 E 病床利用率(0.89)

【今後の考え方(案)】
医療法施行規則の結核病床数を、都道府県の区域ごとに、結核の予防及び結核患者に対する適正な医療の提供を図るため必要なものとして都道府県知事が定める数とする。
その上で、喀痰結核菌塗抹陽性結核患者等、公衆衛生への影響を無視できない結核患者の感染性消失までの期間の入院治療に必要な最少限の病床数の算定方法を示す技術的助言を行う。
結核患者の減少に伴う必要病床数の著しい減少に照らし、中長期的には結核病床と感染症病床の概念を統合し、感染防御のための一定の施設要件等を満たす病床として位置づけることや、複数の都道府県にわたる病床の確保についても検討する。


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