(1) | 臓器毒性・全身毒性又は生殖毒性
物質が臓器毒性・全身毒性又は生殖毒性を有することを把握し、ばく露限界等について調査を行う。
ア | 許容濃度等が存在する場合
許容濃度、TLV―TWA、生物学的ばく露指標(BEI)がある場合には当該値を把握する。 |
イ | 許容濃度等が存在しない場合
無毒性量(NOAEL)、最小毒性量(LOAEL)、無影響量(NOEL)、最小影響量(LOEL)、ベンチマーク用量(BMD)等の情報について収集する。
(ア) | 無毒性量等の選択と変換
主要文献等から得られた無毒性量等のうち、最も信頼性のある値を評価に用いる無毒性量等として採用する。なお、信頼性に差がなく互いに矛盾する複数の無毒性量等が得られた場合には最小値を採用する。
人又は動物実験で信頼できる吸入による無毒性量等が得られる場合には、それを採用する。吸入による無毒性量等を得ることができず、経口による無毒性量等(mg/kg/day)から吸入による無毒性量等(mg/m3)へ変換する必要が生じた場合には、次の換算式により、呼吸量10m3/8h、体重60kgとして計算するものとする。
吸入による無毒性量等=経口による無毒性量等 × 体重/呼吸量
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(イ) | 不確実係数
スクリーニング的評価であることを踏まえ、無毒性量等が動物実験から得られた場合の不確実係数は10、実験期間・観察期間が不十分な情報から得られた場合の不確実係数は10、無毒性量又は無影響量を得ることができず適当な最小毒性量又は最小影響量が得られた場合の不確実係数は10とする。
動物実験から得られた場合には、ばく露状況等に応じて無毒性量(NOAEL)等の補正を行う。 |
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(2) | 急性毒性
急性毒性については、動物実験等のデータから得られた急性毒性に係るGHSの区分、LD50又はLC50の値、蒸気圧等のばく露に関係する物理化学的性状について把握する。 |
(3) | 皮膚腐食性・刺激性又は眼に対する重篤な損傷性・刺激性
物質が当該性質を有することを把握する。
皮膚に対する不可逆的な損傷、若しくは可逆的な刺激性又は眼に対する重篤な損傷、若しくは刺激性を生じさせる有害性に係るGHSの区分について調査する。 |
(4) | 呼吸器感作性又は皮膚感作性
化学物質等を吸入の後で気道過敏症を誘発する性質、又は当該物質との皮膚接触の後でアレルギー反応を誘発する性質について把握する。 |
(5) | 発がん性
発がん性を有することを把握し、閾値がないと考えられている場合にはがんの過剰発生率を、閾値がないと考えられている場合以外の場合には、無毒性量等を把握する。 |
(6) | データの検討
量−反応関係等から得られる有害性データについて、動物実験から得られたデータと人から得られたものがある場合には、原則として人のデータを優先的に用いる。
また、実験に基づくデータを使用する場合には、これらのデータが適切な手法を用いて得られたものであること等データの信頼性について十分調査する。 |