05/01/26 第12回社会保障審議会医療保険部会議事録            社会保障審議会医療保険部会(第12回)                    議事録         日時 : 平成17年1月26日(水) 15:00〜17:00         場所 : 厚生労働省 専用第18会議室等(17F) 星野部会長  それでは定刻になりました。これより第12回医療保険部会を開催いたします。本年初 めてでございますので、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。  委員の皆様には本日はご多忙の折、お集まりいただき、御礼申し上げます。まず、本 日の委員の出欠状況についてご報告いたします。本日は浅野委員、磯部委員、岡谷委 員、西村委員、山本委員より欠席の連絡を頂いております。また大内委員は若干遅れて いるようでございます。  続きまして欠席委員のかわりに出席される方について、お諮りいたします。岡谷委員 のかわりの齋藤参考人のご出席につき、ご承認いただければと思いますが、いかがでご ざいましょうか。 委員一同  異議なし。 星野部会長  ありがとうございます。  それでは本題に移りたいと存じます。まず本日の議論の進め方についてご相談したい と思います。本日はまず昨年、ご審議いただいた三位一体改革、国保関係について、国 民健康保険法の改正について議題としたいと思います。次に、昨年ご了承いただいた医 療保険部会における今後の議論の進め方に沿って、政府管掌健康保険の現状と、その改 革に伴う論点について議題としたいと思います。次に、これも昨年ご審議いただきまし た、いわゆる「混合診療」の問題について、その後の経過について事務局から報告を求 めることとしたいと思います。また中央社会保険医療協議会の在り方の見直しについて も、その見直し内容によっては、当部会にかかわる問題であることから、あわせて報告 を求めたいと思います。このような進め方で議論を進めたいと思いますが、よろしゅう ございましょうか。 委員一同  異議なし。 星野部会長  ありがとうございます。それではまず国民健康保険法の改正について議題としたいと 思います。それでは事務局から説明願います。 唐澤課長  国民健康保険課長です。それでは国保制度改革の概要の案につきまして、ご説明を申 し上げたいと思います。  お手元の資料の1-(1)と1-(2)という1枚紙のものが、国民健康保険関係の資料でござ います。1-(1)の1ページに文章編がございますが、文章編ではなく3ページの図をご 覧いただけますでしょうか。[国保給付費の財源構成]という図がございますので、こ ちらの方をご覧いただきながら、資料の説明を申し上げたいと思います。  前回の部会におきまして、細かな制度の内容につきましては、まだ作業調整の途上で ございましたので、本日がこの内容をご説明申し上げる機会になるわけです。主な事項 をまず簡潔に申し上げます。  今回の改革におきましては、これまでこの図の左側、現行のところにございますよう に、国民健康保険については国庫負担と保険料負担がほぼ均等に入った形で財政を維持 してきたわけでございますけれども、こうした考え方を維持しつつ、市町村の国保財政 の安定化に資する観点から、都道府県の役割、権限の強化を図っていくというのが、今 回の国保改革でございます。  中身の第1点目でございますが、右側【平成18年度以降】と書いてあります図をご覧 いただきますと、右下の砂地のような点々の部分、ここが今回都道府県に負担をお願い する部分でございます。まず全体の公費負担といたしまして、都道府県財政調整交付 金、医療給付費の7%をご負担していただき、交付金につきましては、配分方法につい て最終的に都道府県の条例で決めていただくという見通しを持っておりますけれど、こ うしたものを活用いただきまして、広域化の推進や医療費の適正化を進めていただきた いという観点から、7%のご負担をお願いするということでございます。  これに伴いまして、国の財政調整交付金につきましては、現行の10%から9%に縮減 をいたします。定率の国庫負担におきましては40%が34%になるという形になるわけで ございます。  あわせて右側の【平成18年度以降】の図の左下をご覧いただきますと、そこに「保険 基盤安定制度」というものがございます。左側の現行の図の方を見ていただきますと、 「低所得者の保険料軽減分を公費で補填する制度」ということになっておりまして、具 体的に申し上げますと、国民健康保険の中の応益割の保険料、頭割や世帯割で所得に関 係なくご負担をいただいているものでございますけれど、その負担が所得が低いために 重い負担になってしまうという方について軽減をする制度がございます。その軽減分と いうのは、そのままでは上の中堅所得層のところに乗ってしまうわけでございますけれ ど、それを公費で補填をするということにしており、現行制度では国が2分の1、都道 府県市町村がそれぞれ4分の1の公費を持ち、それを市町村がまとめて一般会計から特 別会計に繰り入れる形を取っているわけでございます。国の2分の1の部分につきまし て、都道府県が新たに負担をすることといたしまして、結果として、右側にございます ように、都道府県が4分の3、市町村が4分の1という形で「保険基盤安定制度」を改 革することにしているわけです。  全体の財源につきましては、7%分の調整交付金が約4,900億円強、国が負担をして おりました保険基盤安定制度の部分が約1,900億円強ということで、両方合わせ約6,850 億円という金額です。この部分につきましては税源移譲対象経費として措置されるわけ でございますが、平成17年度におきましては、実施を経過的にするという観点から、次 のページにございますけれど、都道府県の調整交付金の負担につきましては、約3,500 億円強の5%分ということで、平成17年度は5%、平成18年度は7%という形で段階的 な実施を進めていくことにしているわけです。平成17年度分につきましては、所得譲与 税によって手当をするという形になっております。  それから、都道府県財政調整交付金の市町村への配分につきましては、地方3団体、 それから関係当局でございます総務省、厚生労働省が協力をして検討する場を設けまし て、実施主体でございます地方サイドのご意見を尊重しながら、配分のガイドラインと いうものを参考資料として策定する、このようにしているところでございます。  法案につきましては、予算関連の法案といたしまして、2月上旬に閣議決定をして国 会に提出をいただきたいということで予定しているところでございます。  これが今回の改革案の概要でございますが、関連をいたしまして資料1-(2)をご覧い ただきたいと思います。「医療保険制度改革と今回の国保改革の関係」というものを、 事務局の方で考え方を整理してみたものでございます。  保険料の水準をそれぞれの地域の医療費水準に見合ったものにしていこう、それから 地域の関係者が協力をして、医療の地域特性を踏まえた医療費適正化の取組を推進す る、保険財政の運営を適切な単位で行い、財政運営の安定化を図るという、大きな医療 保険制度改革の考え方があるわけでございます。  私どもは今回の改革というものを国保の基盤体力の強化、つまり医療費の地域差を縮 小して保険料の平準化を進めるための広域化促進の一環として、全体的な医療保険制度 の抜本改革につながるものであるという位置づけをしているわけでございます。  そこでこの点に関連いたしまして、前回の部会におきまして、浅野委員から、「今回 の国保改革、都道府県負担導入については暫定的なものかどうか」というお尋ねがござ いました。これにつきましては「恒久的、つまり1つの制度である」ということを申し 上げたわけでございますが、そのときの趣旨は、国民健康保険につきましては高額医療 費の共同事業、あるいは中堅所得層を支援する保険者支援といった年度を限った暫定措 置というものがあるわけでございまして、そうしたものと同じものではないということ で、暫定措置ではないということを申し上げたところでございます。  そういう意味で、抜本改革に至るための途中の一里塚のようなものだと、私どもは考 えているわけでございますけれども、浅野委員に昨日お会いしてご説明申し上げたとこ ろ、「国保改革、医療保険制度の改革というのは、まだ三合目という段階であって、恒 久といってしまうと、いきなり頂上に行った印象があるわけだが、そうではなくて、い わば三位一体という大きな政治的な流れの中でつくった緊急避難的な措置ではないか と、自分では考えている」というご指摘もございました。そういう意味では、今回の改 革をもって改革が終わるということでは、もちろんございませんで、抜本改革に向け て、引き続き改革を行っていかなければいけない、そういう位置づけであるということ で、この位置づけをお話し申し上げさせていただきたいと思います。  以上、私の方から今回の改革とその位置づけについて概要をご説明申し上げました。 星野部会長  ありがとうございました。この問題につきましては、前回の部会において各委員から 出された意見は、大臣に責任をもって報告していただくよう、私から局長にお願いした 経緯がございます。その点について、局長より報告があります。 水田局長  ただいま、お話がありましたとおり、前回の部会の審議におきまして浅野委員から、 「国保の都道府県負担について、審議会の十分な議論を経ずに決定されたということは 遺憾である」という意見表明がございました。これを受けて、部会長から「当日の議論 の状況を大臣に報告するように」という指示があり、これを受けまして、私ども大臣に 報告をいたしましたところ、大臣から「国保の体力基盤強化のためには都道府県の役割 の強化は不可欠であると考えているが、部会での意見はよく承った。今後とも都道府県 や市町村の理解と協力を得ながら、国保を初めとする医療保険制度改革の推進に努めた い」というコメントをいただいたところでございます。  さらに、この問題、すなわち国保制度における都道府県の役割強化についてでござい ますが、これについては過去にもたびたび論点として取り上げられましたし、また今般 の基本方針でもうたわれているところでございます。しかしながら、具体的内容として 都道府県の財政調整でありますとか、都道府県の財政負担を導入するということに関し まして、当部会におきましては、確かにこれまで2回議論が行われただけでございま す。部会の運営に当たる事務方の責任者として、これをどう考えるかということでござ いますが、一方で、政府与党という大きな場での議論がございましたことから、委員の 方全員の意を尽くせなかったことは、私どもとしても遺憾であると考えております。  本日、浅野委員は欠席でございますけれども、報告方々、見解を述べさせていただき ました。以上でございます。 星野部会長  ありがとうございました。それではご意見、ご質問等ございましたら、どうぞ。 河内山委員  実務的な話でございますが、今日全国市長会の社会文教委員会、国保も含めての厚生 労働省の諸課題について所管している委員会が開催され、私に対しまして、委員から、 今回の都道府県負担の導入について、1つはガイドラインというものが早急に定められ ますことについての要請がございました。実務的だということは、今国会が開会をされ ましたし、これから保険者であるそれぞれの市町村の議会が開催をされまして、国民健 康保険の特別会計予算の審議、それから市町村によりましては保険料を見直すところも ありましょうから、条例の審議というものが始まります。したがいまして、未定部分ば かりでは理事者側として説明に窮するところがございます。都道府県における最終的な 結論は9月の議会になると仄聞いたしておりますが、ぜひ厚生労働省の方でイニシアテ ィブを取っていただき、ガイドラインについて早く方向性が見えるようにお願いしたい ということを、特に申し上げたいと思います。 唐澤課長  それでは一言お答えを申し上げます。ご指摘の点はおっしゃるとおりでございまし て、3月の市町村議会におかれましては予算案、条例案のご審議が始まり、その際には 新しく導入されました都道府県の交付金についての考え方、それから大ぐくりな算定の 方法というものもございませんと、それぞれの市町村にどの程度の配分がされるか、な かなか予測がつきにくいということがございます。その際には、最終的な決定はしてい なくても、今申し上げたようなものを行政側、それから地方団体と全体3団体などとご 相談をいたしまして、お示しできるようなものをつくっていく必要があろうと思います ので、よく相談をして進めてまいりたいと思っております。 星野部会長  はい、対馬委員。 対馬委員  今回の国保改革といいますか、国保の基盤強化ということは、関係者が重層的に支え ていくという意味でも、確かに一歩の前進だろうということで、まずは関係者の努力に 敬意を表したいと思います。  ただ、全体の審議のスケジュールとの関係でいいますと、昨年中の11月12月で国保に ついての議論を行って、今年に入ってからは政管なり健保組合の議論をやっていくとい うことでございますけれども、国保改革以外にも、国保の問題でいいますと、つい先般 発表されました収納率の問題があります。平成15年度90.2%という収納率の問題もござ いますし、また国保組合の問題、このあたりもまだ議論されていないということでござ います。国保問題、ここでおしまいだということではなくて、これからの議論の中で、 再度国保問題は色々各論に入って議論いただきたいと思います。 星野部会長  どうぞ。 間杉課長  総務課長の間杉でございます。今、ご発言いただきましたように、市町村国保再編成 そのものも、先ほど国保課長が申し上げましたように、これが最終ということではござ いません。重ねてご議論いただかなければいけないこともございますし、それから国保 組合問題も、まだ取り上げてございませんし、全体の制度論の中での収納率の問題もご ざいます。今日改めてお願いをしなければなりませんが、一方で、後ほどご議論いただ く政府管掌健康保険の問題も社会保険庁改革の問題と相まって、ちょっと尚早の感があ ります。今日も含めまして、後3回ぐらい、政管健保の問題、あるいは健保組合、保険 料の問題をご議論いただいて、その後、高齢者医療の問題もご議論いただく、大体こん な大ぐくりな感じで進めさせていただいたらどうかと思っておりますので、よろしくお 願いします。 星野部会長  どうぞ、齊藤委員。 齊藤委員  関連ですけれど、今般の改正は、医療費適正化の第一歩という位置づけでございます ので、今後、医療費の適正化に向けた地域の取組につきまして、国、都道府県、各制度 の保険者だけではなくて、医療機関や被保険者を加えて、早期に具体的な取組を実施し ていただきたいと思います。よろしくお願いします。 星野部会長  どうぞ。総務課長、今の件についてお答えください。その次、久保田委員お願いいた します。 間杉課長  医療費の適正化につきましても、昨年10月の当部会で、私ども保険局を中心として、 あるいは国や関係団体も一緒になって、どういう形であらあら進めていくかということ を、これは健康づくりの問題や医療提供体制、介護に至るまで、比較的横断的なご議論 をお願いできたと思っております。今その内容につきましては、私どもの方で肉付けを さらに各局と進めており、これもできるだけ早い機会にご紹介をし、またご議論をお願 いできるようにしたいと考えてございます。 星野部会長  それでは久保田委員。 久保田委員  議論の進め方のことが話題になりましたので、関連して申し上げておきたいと思いま す。  毎回言っておりますが、議論が非常に大雑把すぎないかという印象を持っておりま す。去年7月に、この部会を1つの区切りにして、10月22日の部会で2巡目として今後 の進め方というのが一応出されました。8月ぐらいまで、大きく月をくくったので、大 体領域的にどうだということが1回出されたのですが、このときも、こういう大雑把な やつでいいのかと。いわゆる年金、介護を含めた社会保障の一体的改革というのがニー ズとして求められているということも含めると、全体を前倒しに議論しながら、相互の 様々な関連づけや、様々な給付を今後はきちんと担保をする、税金をどう投入するのか というのは、やはり全体的に幾つかの設計図をつくって、それを判断するということに いかなければならないのではないか。そのためには、やはりメリハリをつけて、いつご ろまでに、どういう議論をするのか、もちろん両論併記で終わり、そこまで行き着かな い議論もあるのかもしれませんけれど、そういう形でいかないと、本当に来年度の改革 に向けて間に合うのだろうか、少し心配なところでございます。  特に11月12月では、三位一体問題や様々な政治的な問題が出てきていることについて は、よく理解もできるのですが、何となくそういうところへの報告などに時間が取られ て、粛々と詰めていくことになっていないのではないか、後の政管健保のところもあり ますが、やはり具体的にこういう案があるのではないかという設計図なり、ある種のデ ータ付きの考え方を提起をしながらやらないと、今回、この後の問題提起も、それ以上 議論するには目の前のテーブルの上が少し準備不足という中で、どこまで議論できるの かなというのが、正直な印象でございます。  そういう意味で、ぜひ議論の進め方という点にメリハリをつけていただいて、いつご ろまでに、どういうことをやるのかということについて、次、その次という段階で、あ る程度読めるような形の問題提起をぜひしていただきたいと思います。以上です。 星野部会長  ほかにございませんか。どうぞ。 清家委員  今の進め方にも関連するのですけれど、こういった制度改革について、あまり長く議 論をし続けるということもできないので、一定のスケジュールの中で決めていくという のはやむを得ないとは思うのです。一方で、この問題に限らず、これまでの経験です と、しばしば、せっかく色々な議論をしていいことを決めて、制度が改革されると、も うそこで一丁上がりのような感じで、そのあとはもうあまり気にしないというふうにな ってしまいがちです。  例えば、この資料1-(2)に書かれた「基本的な考え方」は、すべてなかなかすばらし いことで、こういった考え方に立って、今回の医療保険改革がなされたと思うのです が、さてその後に、本当にこの基本的な考え方が、どのぐらい実現したかというのを絶 えず検証しながら制度を見直していく必要もあるのではないかと思います。もちろん、 すべてが定量的に検証できるものばかりではありませんけれど、例えばここに書かれて いる医療費の適正化というのが、本当にどの程度当初の目的どおり進んだのか、あるい は今、対馬委員が少し触れられましたが、実際この改革で、収納率等についてどういっ た改善が見られたのかということを、その都度きちんと検証して次回の改革に備える議 論をある程度した上で、この制度改革を決めるのはいいと思うのですが、それで問題が すべて終わって忘れてしまうということがないように、制度改革の検証をしっかりやっ ていただきたい、そういったことが必要なのではないかと思っております。 星野部会長  全く賛成です。フォローアップをどのぐらい長くするのか色々考え方はあるでしょう が、出来上がったら解散というのではなくて、後をきちんとしていかないと意味がない かもしれません。今まで当面の話ばかりしていましたので、そこは初めての意見ですか ら、よく記録しておいてください。岩本委員、ご意見どうぞ。 岩本委員  議題の進め方に関連する話なのですが、直近の政策課題としては、社会保障の一体的 見直しの中で、社会保障の給付費を経済の伸び以下に抑えるという議論がずっとされて きて、これを医療に適用すれば、医療の給付費も所得の伸び以下に抑えるということに なると思うのです。差し迫っては今年の「骨太の方針」に、もしかしたら、そういうこ とが書かれるかもしれないというふうな状況だと思うのです。そういう数値目標に関し ては、この部会ではあまり議論がされておらず、医療費適正化計画をやりますというと ころで止まっていて、数値目標自体は全く射程外です。厚生労働省としても、そういう 立場なのかもしれませんが、ここで議論されないまま「骨太の方針」に、そういうこと が書かれることがあるとすれば、我々は議論しなくていいのかなというのも若干気にな ります。もし給付費を所得の伸び以下に抑えるという政策が入った場合に、医療に関し てどのような影響が及ぶのかに関しては、ここの部会で議論すべき守備範囲ではないか という気がするということでございます。 星野部会長  全体の姿がまとまってくると、少なくとも、今、岩本委員が言われたようなことに触 れることになるのではないですかね。高齢者部門を別のくくりにするということをやっ たって、ある程度の数値のめどがなければどうしようもないので、そうなると社会保障 負担全体として一体どこら辺を念頭におかなければいけないということは、事務方も避 けて通れないのではないですか。どうぞ。 間杉課長  進め方について色々ご指摘がございましたので、幾つかお答えさせていただきたいと 思います。  確かに医療保険制度論として、ずっと当審議会にご議論をお願いしておりますが、昨 年の三位一体等々、それから社会保険庁改革の問題、やはり大きな医療保険制度でござ いますから、医療保険が医療保険だけで議論できるということでは必ずしもなくて、様 々な外的な要因もそこに出てきているということは事実だろうと思います。  ただ、国保の概況にいたしましても、全体の中での位置づけということで国保課長が ご説明申し上げましたように、私どもとしても、国保、それから政管健保全体としての 基本方針なり医療保険制度改革の枠から外れティピカルなものとしてご議論をお願いし ているということではなく、むしろ全体の大きな流れの中で1つ1つ手ごたえのある形 が出来つつあるのではないかと、私どもとしては思っております。  先行きのご議論の仕方についてのご心配も頂き、誠に申し訳ないと思っております が、3月4月、春ぐらいまでを大きな保険者論、それから全体として、どういうふうに して適正化を進めていくのかというあたりを私どもとしても、しっかり整理をし、また ご議論をお願いし、その上に立って、どういうふうな高齢者医療制度をつくっていくの かということを、夏までの間にご議論をお願いしたいと、事務方としてはそんな形で考 えてございます。  今、部会長からもお話がございましたように、全体の絵姿が見えてまいりますと、次 はこれでこういうふうに数字が動いてくるんだろうなと、こんなふうにもなろうかと思 っております。  ただ、岩本委員からもご指摘を頂戴いたしましたが、私どもとしては、率直に申し上 げて、医療保険で、経済成長の枠の中に今伸びを留めようということが、来年「骨太の 方針」の中で出てくるとすれば、私ども当局としましても、今の医療水準を維持すると いうことからすると、かなり困難な要素を踏まえることだと思っております。またご指 摘がございましたら、改めてそのあたりの議論をお願いできるような、そういう機会は つくっていきたいと思っております。 星野部会長  ほかにございませんか。久保田委員、どうぞ。 久保田委員  経済成長の範囲内にという数値目標については、やはり本末転倒になるのではないか という意見を持っております。ただ、粛々とこの場で議論をしていても、肝心なところ は全然別の場外で決まってしまうということについては、極めて問題意識を持っており ますし、またその危険性は非常に強いのではないかという感じを持っております。それ について、良い、悪いという議論を含めて、ぜひこの場でしっかりと議論ができるよう な運営をしていただきたいと思います。 星野部会長  岩本委員の趣旨も、そういう意味で「骨太の方針」を出されたのだと思うのです。ど うぞ、ほかにございませんか。  それでは他にご意見がないようでしたら、次にまだ議題もございますので、「政府管 掌健康保険の現状とその改革に伴う論点について」を議題にしたいと思います。事務局 から説明をお願いします。 武田課長  社会保険庁医療保険課長の武田でございます。資料番号でいうと資料2でございます けれども、政府管掌健康保険に関する現状、それから諸論点ということで整理させてい ただいております。  早速ですが、まず2ページ目でございます。政管健保の特色といたしまして、被用者 保険の中で組合健保とか共済組合とかがございますが、政管健保は被用者保険の受け皿 という役割を持っております。具体的には、ここに被保険者の状況、それから平均標準 報酬月額と書いてございますが、組合健保との比較で申しますと、平均標準報酬月額は 28.7万円と37.0万円ということで、低い水準でございます。加入者の平均年齢で見まし ても、組合健保が34歳、政管健保が37.1歳という状況になっております。  年齢構成につきまして、具体的にもう少し細かく見たものが、次の3ページでござい ます。被保険者、被扶養者、それぞれ5歳刻みで見たものでございますが、見ていただ きますとわかりますように、組合健保の方は25歳から44歳までの構成割合が高くなって おりますが、それ以外の、例えば15歳から19歳といった若年雇用の部分、60歳以上の高 年齢雇用の部分は政管健保の方が高い割合になっております。それを反映いたしまし て、被扶養者にも高齢者が非常に多いということが見て取れるかと思います。  次のページに事業所の特色ということで、事業所規模を整理をしております。政管健 保の適用事業所は150万事業所でございますが、円グラフで見ていただきますとおり、 従業員5人未満の事業所の数が、全事業所の半数を超えてございます。参考までに、厚 生年金の適用事業所と政管健保の適用事業所の状況を下につけてございます。1・2 人、または3・4人といったところは、厚生年金の事業所数のかなりの部分、90%以上 の事業所を政管健保でカバーしており、従業員数が大きくなりますと、組合健保の加入 が増え政管健保の割合が低くなっているということが、ご覧いただけるかと思います。  以上、まとめて申しますと、中小企業が多い、高年齢者が多い、賃金水準は低いとい うことがおわかりいただけるかと思います。  それを反映いたしまして、一番最初の2ページに戻っていただきますが、国庫負担で ございます。こうした政管健保の加入者の特徴に配慮いたしまして、現時点では給付費 の13%、老健拠出金・介護納付金につきましては16.4%の国庫補助を入れていただいて いるという状況でございます。  続きまして、運営組織に関して幾つか資料を用意いたしております。  5ページを開けていただきたいと思います。社会保険庁の組織といたしましては、本 庁、地方社会保険事務局、現場の社会保険事務所という構図になっております。政管健 保に関しましては、全体の企画立案、調整業務、予算、決算業務は本庁でやりまして、 被保険者記録につきましては社会保険業務センターで、年金の記録と一緒に管理をして いるところでございます。各都道府県に1カ所ずつ地方社会保険事務局がございます が、従来、社会保険事務所でやっておりましたレセプト点検業務は、事務効率化のため に県で集約をしております。レセプト点検を行なう業務管理室というものの中に出てお りますが、これが全国54箇所でございます。実際に窓口機能を持っております社会保険 事務所が、全国に312箇所ということで、それぞれ本庁レベルから事務局レベル、事務 所レベルでの事務の分担が図られております。  1つ付け加えますと、点線が書いてございますが、これは政管健保というよりは、厚 生労働省の保険医療機関の指導・監査等の権限の事務が事務局長に委任されておりまし て、各地方事務局で保険医療機関の指定、監査、取消といった事務が行なわれておりま す。  次の6ページが、人員体制でございます。これは定員、それぞれの職員数ということ ですが、社会保険事務所の欄で見ていただきますと、適用業務、事業所調査業務、保険 料徴収業務とございますが、適用、それから徴収に関しては、政管健保と厚生年金が一 体として事業を実施しておりますので、定員上、ここは分かれておりません。その次の 政管健保給付関係業務につきましては、定員として約1,100人程度という体制でやって おります。先ほど申しましたとおり、本庁レベル、業務センター、社会保険事務局も一 定割合の量は担当しておりますので、はっきり区分はできませんが、この内数で事業を 実施しているという格好でございます。  続きまして保険料率に関して若干資料を用意しています。7ページでございます。こ れまでの保険料率の変更経緯を表にして整理したものでございます。かなり歴史の長い 制度で全部は網羅しきれませんでしたので、昭和48年以降で整理しております。  昭和48年に厚生大臣が社会保険庁長官の申し出を受けて、社会保険審議会の審議を経 た上で保険料率を調整する仕組みを導入しております。政管健保の保険料率につきまし ては、法律改正で変えたり、または一定の範囲内で厚生省告示で変えたりした歴史がご ざいますけれど、昭和48年には社会保険庁からの申出で、厚生大臣がそれを審議会にか けて決めまして、この時点で、現在の仕組みの原型が出来ております。国庫補助につき ましては、このときに法定定率国庫補助10%に加えて、保険料率が引き上げられるとき に国庫補助も増えていく仕組み「国庫補助率の連動制」が導入されました。  昭和49年、昭和51年、昭和53年と、この仕組みに従って保険料率が告示で引き上げら れ、国庫補助率もそれに応じて引き上げられてきたというのが昭和53年までの形式でご ざいます。  昭和56年に84と書いてございますが、このときに「国庫補助率の連動制」が廃止さ れ、この時点で国庫補助率が16.4%と決められた経緯がございます。  平成4年の法改正です。このときに政管健保の財政状況が好転し、一定規模の積立金 が出来たことを背景としまして、中期的財政運営の仕組みが導入されおります。積立金 を事業運営安定資金という単年度収支を調整する資金という形に変更し、中期的に財政 源としていく仕組みが設けられております。  平成9年、平成15年と、この仕組みのもとで料率改正が行なわれています。平成9年 につきましても、平成15年につきましても、大きな制度改正とともに料率変更が行なわ れており、料率そのものは法律で見直しをされているという経緯でございます。  次の8ページを見ていただきますと、ただいま申し上げましたように法改正で保険料 率を変更する場合、それから厚生省告示で保険料率変更をする場合の2つの料率変更メ カニズムがございます。現行法ではおおむね5年間の中期財政運営で事業を運営すると いうことでございますので、5年を通じて財政均衡が保つかどうかを確認いたしまし て、保険料率の引上げがあると認められれば社会保険庁長官から料率変更の申出をし て、社会保険審議会の審議を経て料率変更をするというのが下のパターンでございま す。法改正による保険料率変更の場合は上の方の流れになります。  このような料率変更のメカニズムに則して、昨年の末に政管健保の5年収支を公表し ております。  9ページの1のところで書いてございますが、前回の健康保険法の改正におきまし て、5年間の財政運営について2年ごとに公表するという規定が加えられておりますの で、その規定に基づきまして、初めて公表したのが昨年の中期財政見通しになります。 昨年12月に、平成17年度概算要求時点の基礎係数のベースで5年収支の見通しを公表し ています。  数字はその次のページ以降に出てまいりますが、今回の試算の評価をあわせて公表さ せていただいております。今回の試算によれば、平成19年度までは財政均衡、ただし平 成20年度以降には事業運営安定資金、枯渇というような試算が出ております。ただちに 保険料率を引上げなければならない状況にはないというのが1つございますけれども、 今の保険料率のままで、この先、制度改正等による医療費適正化の措置が講じられなけ れば、平成20年度には枯渇ということですので、いずれ保険料に不足が生じる状況にな っているということで公表させていただいたということです。  次のページが具体的な収支見通しでございます。平成18年度までは収支差がプラス で、平成19年度から単年度収支がマイナス、累積でございます事業運営安定資金は平成 19年度末までは一定の資金がありますが、平成20年度以降枯渇していくという推計でご ざいます。  次の11ページです。これまでの政管健保の賃金の伸びを見ておりますと、大企業に比 べて低めに推移しておりますので、その点を勘案して賃金の伸びについて多少低めの推 移をたどった場合の推計ということで、あわせて試算として出しております。結論とし て、事業安定資金が枯渇する年度につきましては、本試算と同じであるということでご ざいます。  過去の財政収支の変遷については12ページにつけておりますので、ご参照いただけれ ばと思います。  その他の政管健保の業務といたしましては、審査、支払い、レセプト点検といった業 務、それから保健事業などがありまして、13ページ以降にまとめてございます。13ペー ジは保険給付の関係業務ということで、私ども社会保険診療報酬支払基金にレセプトの 審査を委託しておりますが、平成15年度ベースで約3億2,000万枚、3兆3,625億円とい う医療給付費でございます。現金給付につきましては、社会保険事務所で対応しており ます。  保健事業の関係を14ページ以降にあげております。政管健保の保健事業につきまして は、左側の健康管理意識の啓発事業ということで、様々な健康教育、講習会をやってお ります。右の方にあります健診事業、予防健診とその後の事後指導、最近取組みを始め ました一次予防を中心とした健康づくり事業という柱で事業を実施しております。  実際の流れとしましては、15ページでございます。社会保険健康事業財団に健診の申 込、事後指導、記録管理について委託をしております。実際の健診は社会保険事務局の 指定した医療機関に委託しており、民間の医療機関、または社会保険病院その他のとこ ろで事業が行なわれております。  16ページはレセプト点検の関係の流れ、内容、それから契約について書いておりまし て、これはご参考にしていただければと思います。  17ページ以降につきまして、政管健保の現状の問題点、改革の論点を整理してありま す。  まず17ページの全体の問題点でございますが、受益と負担の公平性、全国1本でござ いますので、地域によっては受益と負担の公平性が問題になるのではないのか。それか ら保険者機能が発揮されていないのではないか。これは全体の問題ともからみますが、 事務運営の効率性、被保険者等の意見の反映、自主性・自立性といったことが問題点と してあげられております。  それを反映しまして、先般、閣議決定されました基本方針が18ページでございます。 基本方針につきまして、効率性、財政運営、その他のことが決められております。この 部会で前にもお示ししたものでございますが、最後に政管健保の組織形態等の在り方に ついても検討するということでございます。  19ページ以降に、それに関する幾つかの資料を用意しております。  19ページは都道府県単位の財政運営といったものが、どんなイメージになるかという ことでございます。政管健保、47都道府県ごとに、それぞれ被保険者等で構成される組 織を設けまして意見の反映をいたします。地域の実情に応じた保健事業等の展開、地域 の医療費を反映した保険料率の設定を、県ごとに行なっていくということですが、スト レートに医療費をその地域だけで負担するということになりますと、保険料負担に非常 に大きな差が生じますので、全国で年齢構成、所得水準の格差に着目した調整を行なう ということが、全体像でございます。  その考え方に従って、具体的に試算をいたしましたのが20ページでございます。これ は昨年の医療保険部会に提出した資料でございますが、具体的な数字につきましては21 ページをご覧いただきたいと思います。この時点では保険料率を全国平均80として、年 齢、所得による調整を経たあとで北海道が87、長野が75ということで、高いところと低 いところは、このようだという試算をしております。  年齢、所得調整ということですから、地域の医療費が保険給付費に反映されるという ことで、22ページに、直近の数字でございます平成15年度の都道府県別、被保険者一人 当たり医療給付費の状況を載せております。最高が北海道の205,713円、最低が長野の 154,432円です。  保険料率が地域ごとに影響するという部分は、保険料収納率というものも、もう1つ ございますが、それが23ページの平成15年度の保険料収納率です。医療費に比べます と、差が小さくなっており、数字につきましては24ページをご覧いただきたいと思いま すが、全国大体99%台の収納率を確保しております。  25ページ以降に論点を述べております。  まず保険料率につきましては、各都道府県の保険料率算定のメカニズムをどうする か。各都道府県で自立的に見込みを立てればいいのか、全国、基本的な基準ということ を立てていくのか。  それから各都道府県の保険料率の決定プロセスをどうするのか。各都道府県が決めれ ばそれでいいのか、それとも全国1本の組織で運営するものについては最終的には国が 決めるということになるのか、保険者の組織形態のあり方によって、議論がかなり違っ てくるだろうと思います。  26ページでございますが、現在、保険料率につきまして上下限をどうするか、都道府 県ごとに保険料率を変えていくといった場合、上下限をどのようなものにするか、そも そも必要があるのかという議論が出ています。  それから、先ほど年齢・所得調整ということで試算を行なった結果を載せております が、このような形の調整でいいのかということがございます。  27ページが国庫補助の関係です。都道府県間の国庫補助の配分方法につきまして、全 都道府県一律か、配分に差をつける必要があるのかどうかと議論があろうかと思いま す。  28ページにつきましては、財政運営に伴う論点ということです。基本的な話になるか もしれませんが、会計経理でどのように区分したらいいのか、現在、国1本で持ってお ります中期財政運営の仕組みについて、どういうふうに進めてきたらいいのか。政管健 保の歴史では、収支が悪いとき、いいときがございましたので、資金不足のときにどう するか、融通は各都道府県なのか全国なのかという論点があろうかと思います。  保健事業につきまして、29ページでございます。基本的に地域の実情に応じた事業展 開ということに持っていかなければならないと思いますが、こういうために、どういう 実施体制を考えたらいいのかということがあろうかと思います。地域の実情に応じた保 健事業を展開するという観点では、財源の問題が出てまいります。例えば自律的に保健 事業に取り組むということであれば、地域別の保険料率は、保健事業に着目した保険料 率なのか、または全国的な財政調整なのかといった論点があろうかと思います。  最後のページでございますが、先ほどの基本方針にもございましたが、組織の形態と いうことでございます。保険者組織の形態をどうするのか、国または独立行政法人化、 その他の公法人化ということで、現在、有識者会議の場でも、社会保険庁の在り方の議 論がありますけれど、この点につきましてもご議論いただければということです。  以上です。 星野部会長  ありがとうございました。それではご意見、ご質問等お願いします。久保田委員。 久保田委員  幾つか意見と質問をさせていただきたいと思います。  まず意見ですが、第1点は、保険料を支払う労使が運営にきっちり参加していないと いうのが、政管健保の大きな問題点の1つと認識しております。要は被保険者の意見の 反映というのが、基本的には事業運営にきちんと組み込まれていないのではないかとい うことでございます。そういう点でいいますと、例えば今回の資料の25、26ページに は、被保険者の意見の反映、あるいは労使が関与をする、両論併記的な切り口という点 での問題提起が含まれておりますが、私どもはそういうことについては一歩前進だと思 っております。今後の改革議論の中で、確実にそういうことが実行される政策論議のあ り方を要望しておきたいと思います。  2つ目は、それに関連するのですが、被保険者へのサービスや相談窓口、相談機能と いうことについて、飛躍的に高める必要があるのではないかという問題意識です。私ど も連合のプロパーは政管健保に入っています。彼、彼女らによく聞いてみますと、要は 政管健保に自分たちが入っているという実感を持っていないのです。なぜならば利用者 通信ということで年2回だとか、組合健保であったら健康づくりの啓発だとか財政状況 の報告など、かなり様々な刷り物やPRが来るのですが、ほとんど情報提供のサービス がないのではないか。もちろん、膨大な加入者ですし、様々なコストを考えると、難し い点もあるのでしょうが、あまりにも加入者に対するサービスという点では問題がある のではないでしょうか。  同じく社会保険庁の年金相談業務で、要は消費者といいますか、国民や市民に対し て、相手の身になって相談をするという業務は非常に大事だということで、年金の相談 というのは窓口の充実が図られようとしています。同じようなことが、健康相談、診療 費用、医療ミスといったことをどうするか、あるいはいい医療機関の選定、どこの医者 に行った方がいいのかなどということについても、やはり組合健保と格段の差があるよ うな感じがいたします。医師や保健師など専門家を配置することも必要なのかもしれま せんが、そういう相談窓口をきちんと設けるべきではないかと思います。  それから3つ目の意見ですが、30ページ最後の方に組織形態論がありました。今、社 会保険庁の在り方が有識者会議等々で議論をされていると思います。私ども、結論的に いいますと、初めに組織形態ありきという議論は本当にどうなのかという感じがいたし ます。バッシングのような形で、解体論などの議論が先行されているきらいがあるので はないかと思っています。政管健保の加入者は中小で零細な人が圧倒的だという特性を 踏まえて、やはりそういう人たちの利益をきちんと守って、透明効率的に運営ができる ような機能はどうあるべきか、そのための組織はどうあるべきかという順序で、しっか り議論すべきではないかと思います。賃金が安いですし、加入脱退の手続きが割と多い と思いますので、そういう意味では都道府県ごとに分割ということではなくて、財政運 営は都道府県単位で、そして全国的な財政調整は全国1本で国庫補助で行なうという基 本的な考え方で対応すべきではないかと思っています。  細かいようで申し訳ないのですが、幾つかの質問をさせていただきます。  まず、第1点は4ページ、適用事業所の規模で、政管健保と厚生年金の数字がありま す。基本的に政管健保と厚生年金加入の手続きはセットでやられているのではないかと いう認識を、私は持っておりましたが、ずっと足しますと差があります。要は年金に入 って健保に入っていないという事業所があるわけで、その差が126,000ぐらいです。派 遣労働者などが増えていますから、派遣健保ということもあろうかもしれませんが、そ れ以外に、どんな要素があるのでしょうか。基本的にはセットではないかと思いますの で、この数字の差について教えていただきたいと思います。  2点目は7ページ、国庫補助率の問題です。補助率の変更というところで、特に平成 4年、バブル崩壊、バブルの頂点という時期だと思いますが、このときに国庫補助率が 16.4から13.0に変更をされたということになっております。そのときの法律改正の附則 12条、平成4年3月の改正法の事業年度において、「当分の間は16.4%を13%にする」 という記述になっておりまして、これはその後に変更されていないのではないかと思っ ております。要は、バブル的な要素もあって、かなり財源も豊かになったから補助率を 下げよう、しかしそれは当分の間なんだと、こういうことだったと理解しております。 その後大変厳しい状況も経て今日に至っているわけですが、このままいけば5年見通し に立てば、平成20年等々は保険料率を変更しなければならないとされております。基本 に戻りまして、またもや保険料率の引上げがあるのであれば、まず国庫補助率の緊急避 難型のところを元に戻すというところから、議論をスタートすべきではないかと思って おります。経年的な歴史上の変化、過去の事実ということで並べられておりますが、私 どもの認識に間違いがあるのであるのか御質問し、お答えを頂きたいと思います。  これもよく理解できなかったので教えていただきたいのですが、12ページの表の中の 下から3行目ぐらいに「国庫補助繰延又はその返済」という欄がございます。この「国 庫補助繰延又はその返済」というのはどういうメカニズムで、どういう意思決定で行な っているのか、非常に初歩的な質問ですが、教えていただきたいと思います。その年々 の非常に厳しい予算編成上、隠れ借金的なことになっているのではないかと、よく言わ れますが、何かちょっとそういう感じで受け取っております。誤解があったらしっかり 教えていただきたいと思います。もし、そういうことであるなら、過去の累積がどうな って、今、精算はどうなっているのか、きちんと返してもらっているのかどうか、ある いはきちんと払い残しがないのかどうかということについて教えていただきたいと思い ます。  20ページから22ページにわたりまして、都道府県別の医療給付費の差が出ておりま す。これまでも何回もこの種の実態はデータとして出されていて、大変重要な問題と思 いますが、都道府県別の違いは何が要因であると分析をしているのか、それは保険者機 能を変える、あるいは都道府県地域密着型にするということにおいて、そういう機能が ワークするのか、そしてそれが医療費適正化につながっていくというストーリーが確信 をもって言えるのかどうかという分析と、政策にリンクをさせる議論というのは、ちょ っと中途半端になっているのではないか、あるいは事務局の方から、その分析がしっか りされたという記憶が私にはございません。この切り口という点においても、何が要因 であるのかということについての分析、どうお考えになっているのかをお伺いしたいと 思います。政管健保については以上でございます。 星野部会長  それでは今の質問事項についてお答えください。どうぞ。 武田課長  まず4ページの適用事業所の関係でございますが、ご指摘のとおり、政管健保と厚生 年金の適用は基本的にセットでやっております。事務的にも適用事業所にする場合は、 両方の適用にすると整理しております。ただし、年金の方は厚生年金でも、医療保険は 健保組合だという場合、政管健保の事業所に入りません。また細かい話としては、例え ば船員保険のように年金は厚生年金で医療保険は別立てということもあり、そういうこ とで差が出ております。健保組合の関係が、要因の最大のものだというふうに理解して おります。  国庫補助の補助率についてのご指摘でありますが、平成4年の際の国庫補助率の13% への変更は、附則における措置ではなかったのかというご指摘でございますが、現在そ ういう形になっておりまして、この条文そのものは現在でも生きているということでご ざいます。  12ページの財政収支の変遷の中の「国庫補助繰延」でございますが、政管健保につき ましては定率の国庫補助ということでありますので、法律上は13%は13%、16.4%は 16.4%の繰り入れをしなければならないわけですが、過去において、国の財政状況との 関係で、本来繰入れるべき国庫補助に相当する額が、繰入れられなかったことがござい ます。この点におきましては、平成4年度以降しか記載しておりませんが、昭和60年度 から平成6年度まで、政管健保の関係では合計7,139億円の繰延が実施をされ、その返 還につきましては、平成8年度の補正を皮切りに、平成11年度の補正予算において元本 相当分はすべて返済といいますか返還をいただいております。なお、元本相当分に加え て、利子相当分も加えた形で返済を受けたということで、国庫補助の繰延につきまして は、現段階では全額返済という整理になっております。 石原課長  調査課長でございますが、私から医療費の地域差に関する分析についてお答え申し上 げます。  21ページの保険料率の格差につきましては、医療費の地域差に基づいたものでござい ますが、医療費の地域差につきましては、基本的には医療供給体制が最も相関が高いと 考えております。具体的に入院医療費で申し上げれば、ベッド数とは有意な相関が得ら れております。そういった意味で、第一義的には医療供給体制との相関によって説明さ れているものでございます。  老人医療費でありますと、老人の1人暮らしが少ないですとか、そういった社会的な 要因で、長野県で申し上げますと、老人の就業が多い、元気な老人が多いというような ことだと思いますが、そういった社会的な要因との関連、あるいは県における保健事業 との関係といったものとも相関が分析として現在、出てきております。以上です。 星野部会長  ありがとうございました。それではその他にございませんか、どうぞ、河内山委員。 河内山委員  医療保険制度体系を抜本的に改革するということから考えますと、閣議決定された基 本方針だとか、今議論されている常識を超える話かもしれませんが、発言したいと思い ます。  久保田委員が、保険者をどうするかという組織形態が最初にあるのは議論として少し おかしいのではないかとご指摘になりました。その点はあると思うのですが、私はあら ゆる改革を進めるときに、組織や既存のものがあるがゆえに、改革を中途半端にした り、改革が功を奏さないという例もたくさんあると思っています。今回はもちろん当初 から政管健保の改革というのもあるのですが、社会保険庁全体をどういうふうにするの か、あるいは地方組織である地方事務局や社会保険事務所がどういうものになるのか、 ある意味では相当の組織改革や既存体系の改革というものと相まって行なわれる、政管 健保の改革でありますので、これを奇禍として、色々なことを考えられるのではないか と思うのです。  市町村国保については、都道府県において再編統合する、これはどちらかというと広 域化したり、言ってみれば基盤を強めましょうと、一方で政管健保の方は全国でやって いるものを47都道府県単位に、組織もそうなるのか、財政だけなのかわかりませんけれ ども、言ってみれば保険者機能というのを持たせようとしています。  これが今の社会保険庁改革のタイムスケジュールに本当に間に合うとは、とても思え ませんが、将来的にどういうことが地域の医療や、地域の被保険者の健康づくり、ある いは医療費の適正化というものについて機能を発揮させるか。市町村国保だけを再編統 合しましても、言い方は悪いのですけれども、赤字体質のものだけを再編統合しまして も、やはり赤字体質は続く、それは構造的な問題があるからです。したがって、国保の 保険料減税の現在の考え方というものを改めていく一方で、中小企業が多いということ であれば非常に地域との結びつきが強い方が政管健保の被保険者であることが多いわけ ですから、そういう方々が一体となった保険者の中で被保険者となるということは、全 く常識はずれな話でもないと思うのです。  したがって、これが平成18年度の国会に間に合う、間に合わないという話ではないか もしれませんけれども、それぐらいのことをやらないと、わが国の医療保険制度改革の 体系を抜本的に改革ということにはならないのではないかと考えているのです。 星野部会長  ありがとうございました。どうぞ、北郷委員。 北郷委員  何点かあるのですが、基本方針の18ページ、だいぶ前に出たものを思い出して、もう 一遍出していただいているのでありがたいのですが、財政運営だけを分けるということ と、それから保険者そのことをつくるという場合、どういう違いがあるのかということ です。保険者を各県ごとにしてしまうのと、財政運営だけというのと、どう違うのかと いう点を、まず教えていただきたいと思います。 星野部会長  どうぞ、答えてください。 武田課長  財政運営の都道府県単位化という形の場合につきましては、組織としては国全体、国 で1本ということになりますので、管理組織といいますか、予算、決算、それから資金 の管理については、全国調整を行いながら行なうことになろうと思います。都道府県単 位に保険者でということになりますと、例えばそれぞれが独立した法人格を持つ、ある いはそれぞれが法人として保険料率の決定を行う、またそれぞれが管理組織を持ち、資 金の運用についての責任を持つという形になってくるのではないかと思います。医療保 険の保険者として1つになるのか、そうでないのかという違い、それが組織の違いにな るのかと思います。一般論で申し訳ございませんが、そのようなことかと思います。 北郷委員  質問したいのは、具体的な相違点は何かということなので、何か例がございません か。 今別府課長  保険課長です。具体的なというのが、どこまでの話なのか別にしましても、全国1本 で運営してまいるのと、都道府県単位で運営をした場合で、結果として一番違ってくる のは、都道府県単位で運営をするということは、最終的な経営責任を都道府県単位で負 うということですので、全国1本でやった場合に比べて早く財政的な問題点が明らかに なります。もっと言いますと、都道府県単位で運営をした主体が、保険者として破綻を するか、しないかという問題が比較的早く出てきます。したがって、逆に、これは先ほ どの医療保険課長の冒頭の説明でもありましたが、健保組合の場合は解散をして政管健 保の方に移るということができますが、政管健保の場合は被用者保険の最後の受け皿を いう機能を持っており、それができませんので、都道府県単位にまで保険者を分割をし た場合に、そこをどう考えるのかという問題が具体的に大きく出てくるだろうと思いま す。 北郷委員  具体的に考えますと、ある県で赤字が出た場合に、今、国保の場合に比較しますと、 市町村単位の場合には市町村で一般会計から繰り入れをしているわけです。そのとき、 どういう措置が取られるのかという問題ではないかという気がするのです。 今別府課長  おっしゃるとおりです。したがって都道府県で運用した場合には、まさに赤字が出た ときに、その運営主体がどうするのかという話になりますので、国の場合と違って、即 座にその運営主体がどういう補填をするのかということが迫られることになります。 北郷委員  ということは赤字を出しても、どこかで片付けてくれる。 今別府課長  いえ、ですから、ということがなければ、先ほどは少し先走りましたが、被用者保険 の最後の受け皿でつぶすことができないという前提があれば、当然何らかの措置が要る でしょうということはいえると思います。 北郷委員  そういう点がはっきりすればよろしいのですが。それから、今まであまり資料が出て いないと思うのですが、都道府県別の標準報酬の資料は前に出ましたでしょうか。 間杉課長  出ておりません。 北郷委員  そうですか。医療費の格差と標準報酬の格差は、どちらの影響が大きいのでしょう か。 間杉課長  恐縮でございます。ご指摘のようにその両方の面を含んでおりますので、それぞれの 標準報酬の面、それから医療費の面、相互に分解をして資料を出したいと思います。 北郷委員  もう1点ですが、2ページに平均標準報酬月額の格差が出ておるのですが、これの動 きはどういうぐあいになっているのでしょうか、格差は広がっているのでしょうか、狭 くなっているのでしょうか。 武田課長  平均標準報酬月額の組合健保と政管健保の格差の広がっているかどうかというご質問 を頂いたのですが、近年、経済状況の低迷に伴って平均標準報酬月額、賃金水準も低下 を続けておりました。現時点で組合健保を見ますと、平均標準報酬月額はプラスに転換 をしておりますが、政管健保の方はまだマイナスが続いておりますので、現在は大手中 心の組合健保と中小中心の政管健保では、方向性がプラスとマイナスになっておりま す。 北郷委員  共済組合はどうですか。 石原課長  共済組合ですが、組合健保よりもさらに平均標準報酬月額が高いという形で認識して います。 北郷委員  もう1点、申し訳ありませんが。 星野部会長  どうぞ、どうぞ。 北郷委員  政管健保を議論するのでしたら、所得といいますか、保険料を取る基礎・ベースと医 療費の動きは、制度間のものを一遍きちんと見た方がいいのではないかと思います。意 見だけ申し上げておきます。 星野部会長  どうぞ。 間杉課長  次回、準備させていただきます。 星野部会長  はい、どうも。どうぞ。 齊藤委員  政管健保の再編を検討するには、少なくとも全国一本の方式に比べて、管理運営コス トが増えないということを前提にしてですが、医療費の適正化など、保険者機能が発揮 できる規模かどうかを検証する必要があります。先ほど久保田委員の方からも指摘があ りましたが、規模として、「運営スタッフを確保できるのか」、「医療提供側と対等に 交渉や連携、協力できるのか」、「保険者間の公正・公平な運営、競争ができるのか」 というような点につきましては、今回の資料では不十分と思いますので、色々教えてい ただきたいと思います。  我々、経営サイドといいますか、中小企業の経営側からアンケート等を取ったりして おり、その中では、中小企業は、都道府県別になったときの保険料率やコストが違うと かで、色々手数がかかるなどという意見もございます。その辺をぜひ考慮願いたいと思 います 星野部会長  どうぞ、対馬委員。 対馬委員  1点は質問で、1点は意見になるかと思います。  まず質問の方です。収支見通しが、10、11ページにあるわけですが、これは賃金がお おむね2%前後伸びるという前提なのです。先ほど、質疑の中では、健保組合はようや くプラスに転じたけれど、政管健保はまだまだマイナスであるということをいわれてい ました。平成20年度から赤字になるとなっていますけれど、マイナスになれば本当はど うなのか、その点の認識はいかがでしょうか。私ども、前回も申し上げましたけれど、 平成18年度改革、平成20年度の完成を目指すということを申し上げているわけですけれ ど、これを見ますと、平成20年度に何とかすればいいのではないかと取られないことも ないと思いますので、その点、1つ質問しておきたいのです。  もう1点は、意見になるかと思うのですが、特に政管健保の改革に伴う論点、組織形 態を含めてですが、ここに書かれているのは非常に重要な論点ですが、先ほど来、複数 の委員の方がおっしゃられていますけれど、個別具体的にもう少し踏み込んで書いてい ただけませんと、これで右にするのか左にするのか問われても、私どもとしてもなかな か議論のしにくいところがございます。もう少し踏み込んだ形で、例えば事務局として はこうしたいということでも、1つあり得ると思いますし、またそうではなくて、もっ とメリット、デメリットといいますか、具体的にこういったメリットがある、しかしこ ういったデメリットもあるかもしれない、そういった形で提示いただければ踏み込んだ 議論ができるのではないかと思います。 星野部会長  ありがとうございました。どうぞ、漆畑委員。 漆畑委員  少し先走るのかもしれませんが、お話を伺っていて、政管健保をご説明いただいた資 料から見ると、運営は都道府県の単位で、全体としては全国1本というのが現実的かな という気がして伺っておりました。河内山委員のおっしゃるように、そういう意味で、 それが抜本的になるかどうかというと、若干そこのところについては何となく唇をかむ ところがあるのですが、実際には、そういうふうな感じをさせていただきました。  先ほど久保田委員が、政管健保の運用には被保険者の意見が反映できるような仕組み をとおっしゃっていまして、それは私も賛成で、これは政管健保に限らず、どの健保も そうすべきだと思うのです。そういうことで言うならば、政管健保の事業所が4ページ に出ておりますが、実際には本来保険者の立場である政管健保の事業所は、実際として 保険の運営にはかかわれていないはずなのです。中小企業でありますから、いわば保険 運用に関しては被保険者と全く同じ立場ですので、被保険者の方がかかわると同時に、 零細な事業所であっても、実際の都道府県単位のようなもので運用管理するとすれば、 そういうようなところに、本来的に保険者であるべき事業所の方たちがかかわれる仕組 みにしていただけるといいと思います。 星野部会長  ありがとうございました。久保田委員、どうぞ。 久保田委員  先ほどちょっとご説明がありました8ページですが、保険料を払っている事業者、あ るいは被保険者、あるいは私どものような労働組合というものが、どうかかわるかとい う問題です。先ほどこの絵の説明がございましたが、上は法改正によるもので、下は厚 生省告示でやるものというような分類をされているのでしょうか。  例えば組合健保の場合だったら、保険料率を上げるかどうかなどというのは、相当大 変な議論をいたします。なぜそうなったのか、原因はどうだ、本当にそれを防いだり適 正化するためには、どうやったら医療費の適正化ができるのか。保険料を値上げしなけ ればならないとすれば、最後まで相当な議論をいたしますし、それも急に出てきてとい うことではなくて、先々を見てどうなるか、一遍やったことが本当に効果があったのか という議論を積み重ねていくわけです。  そういう意味でいうと、政管健保の場合に、下の表のいわゆる社会保険庁長官が大臣 に申出る、それが社保審医療保険保険料率分科会における審議という格好になっている わけです。医療保険保険料率分科会というのは現在、あると思うのですが、メンバーは 決まっているのか、そして2002年度の健康保険法見直しで政管健保の保険料率を変更し た場合、保険料率分科会というのは開催されたのか等々です。要は政管健保の収支を踏 まえて、その適正化策などについて、一体どこで検討しているのか、審議会の中では保 険料率分科会というところだと思うのですが、そういうところできちんきちんと審議す る仕組みになっているのかどうかということについて、お伺いしたいというのが1点で す。  10ページの収支見通しが、医療保険部会で出されましたけれども、これはそもそもど この審議会なり、どこの場面に対して政管健保の事務局として出すという決まりがある のか、どこに出してどこで審議をしてもらうことになっているのかということについ て、お伺いしたい。  例えば中医協でしたら、診療報酬の改定ということに際しては、医療経済実態調査と いうことをやり、そういうデータをもとにどうするのかフォローアップをするという仕 組みになっております。  こういう見通し表といいますか、収支見通しということにつきましても、例えば保険 料率分科会に報告義務があり、そういう中で議論をするという仕組みをつくっているの ではないかと思うのですが、この表は一体どこに出す予定で出されているのかについ て、お伺いをしたいと思います。 星野部会長  どうぞ。 武田課長  ただいまの5年収支について、審議の場、または報告としての形式の場がどのように なっているのかというご質問でありますけれど、現在の法律上の整理につきましては、 先ほど見ていただきました8ページに流れに沿った形がまとめられているだけでありま して、医療保険保険料率分科会の場合は、社会保険庁長官が厚生大臣に保険料率変更の 申出をした場合に、ここで審議が行なわれるということが決められているだけでありま す。2年ごとに行なう5年収支をどこに報告するかということは、少なくとも現在の法 律の中では定められていません。それから、法改正による保険料率の変更が行なわれる 場合、保険料率分科会における審議を受けなければいけないということにも、法律上は なっておりません。  そういう現在の法律上の整理ではありますけれど、私ども政管健保の運営を預かる社 会保険庁といたしましては、先ほど来、ご指摘のあるように被保険者の意見を運営にで きるだけ反映をさせるという観点から運営懇談会を開催しております。可能な限り、現 在の状況、予算決算、収支見込については、その場にご提示をするのが望ましいのでは ないかと考えて、昨年の12月の公表の際にも提示をさせていただいたという経緯がござ います。  現在の法律の整備、それから現在の運営の在り方については以上でございます。  それから、ご回答が遅くなりましたが、先ほど対馬委員の方から、収支見通しにおけ る賃金の2%の伸びについての認識はどうかというご指摘がございました。私ども、昨 年の社会保険全体の負担ベースにあわせて推計を行なったところでございますので、政 管健保を預かる立場から、この制度全体の経済見通し、または社会保険全体の国庫負担 を、そのまま前提としたものでございますが、現在の実際の賃金の伸びとの間に乖離が あることも認識いたしましたので、そういう観点からも参考推計を付け加えて推計を行 ったということです。 星野部会長  はい、どうぞ。 対馬委員  今、政府の見通しであるというのは1つの考え方だと思うのですが、ただ実績を踏ま えて−0.3%にしたというのですけれど、あまり細かいことは申し上げたくないのです が、−0.3%といっても、根っこが−0.3%ならいいのですが、おおむね2%というのを 落として1.7%にしましたということを言われているわけですから、足元の実績を踏ま えてと言われていることと実際の計算には差異があるということです。  もう1点、確認だけですけれども、2%の伸びの前提が0%だった、マイナスにもな らず、プラスにもならなかったというと、保険料収入がおおむね6兆円ですから、2% で、年で見ますと1,200億円ほど差異が出てくるという認識でよろしいのでしょうか。 星野部会長  どうぞ。 武田課長  収支ということで見ますと、給付の方に賃金水準が影響する場合もありますので、綿 密な計算が必要になってまいりますが、保険料収入のところだけで見ますと、ご指摘の ように大まかな考え方は成り立つかと思います。ご指摘のとおり、賃金の伸びが医療保 険収支に極めて大きな影響を及ぼすというところは、私どもとしても認識しているとこ ろでございます。  それから、先ほど意見として個別具体的な論点を示すべきであるというご指摘を頂き ましたので、その点、少し検討させていただきたいと思います。 星野部会長  どうぞ、岩本委員。 岩本委員  資料の最後の方に論点がありまして、幾つか考え方が整理されておるのですが、これ の選択に関しては、やはりこういう改革を何のためにやっているのかという戦略を踏ま えれば、おのずと決まっていくものが出てくるのだろうと思います。そもそも、こんな 大きな改革をしているのは、医療費の地域差に着目して、そこから医療費適正化のかぎ を見つけていこう、その際には保険者機能の発揮に期待しようということではないかと 思います。もしこの認識といいますか、この戦略が間違っているならば、こういうこと をやらなくてもいいということでありますし、その戦略に沿って進んでいくのであれ ば、その戦略の目的が最大限生かせるような形で選択肢を決めていけばいい問題だとい うふうに考えます。そういうふうにいたしますと、色々なところが決まってくるのです けれど、例えば地域差を保険料にどのように反映するかという問題については、できる だけ反映させるべきではないかということになっていくのだと思います。いちいち言い たいことをあげると時間をたくさん取りますので、大きなところ、またちょっと気にな ったところだけ意見をいわせていただきます。  最後に保険者組織、形態をどうするかということで、「国、独立行政法人化、その他 の公法人化等」と書かれていまして、「等」がついているから何でもということになる かもしれませんけれども、まず公的機関がここで前提にされていますが、もう少し柔軟 に考えてみてはどうかという気がいたします。ここで政管健保からの改組をしていくと いうことは、新たな保険者機能を加えるということなのですが、業務からいいますと、 今やっている業務というのは、保険料を徴収して医療機関に支払うという部分、それか らレセプト審査の部分、もう1つ今までないところで、これから新たに加入者にきめ細 かいサービスをして、さらに医療機関の評価、技術の評価なりをやっていくということ になるわけです。そうすると、例えばレセプトの部分に関しても、これは民間委託すれ ばうまくいくかもしれないということがいえます。3番目のきめ細かなサービスとかと いうことについても、加入者向け、特定の人向けのサービスをきめ細かくやっていくと いうことであれば、公的機関よりも民間の方がうまくやれるかもしれないということに なってくるわけです。突飛かもしれませんけれども、もう1つ言いますと、今まで保険 者機能は発揮されていなかったものですから、だれがちゃんと発揮できるかということ もわからないわけですから、新しい箱をつくって、そこに公務員をつれてきて、「あな た、やりなさい」というふうに言って、その公務員がしっかりできるかどうかもわから ないという気がします。  そういうことであれば、競争入札というか、やりたい人に手を挙げてもらって、色々 プランを出してもらって、いいものを選ぶということまで考えてはどうかという気がし ます。今、市場化テストとかというふうにいわれていますので、もちろん社会保険庁も 入札に参加していただいてもいいと思いますけれども、そのほかの機関も入って知恵を 絞って、そこの県の政管健保はだれが運営するのがいいのかという感じの議論があって もいいのではないかと思います。そこまでいかなくても、各業務について幅広く民間委 託し、さらに競争を働かせるということを考えたらどうかなという気がしますので、こ の形態のところ、公的な機関がやるんだということが必ずしも前提ではないのではない かという気がいたします。  それから先ほど保険料の話が出ましたけれど、破綻したらどうなるのかということな のですが、破綻するというのは医療費をたくさん使うんだけれど、保険料を上げられな くてということになるのですが、そうなると困るわけです。医療費を使えば、きちんと 保険料を上げていって、そういう破綻が起こらないようにしなければいけないことだろ うと思います。ですから、保険料の決め方が非常に大事ですが、この保険料というのは リスク調整が入ってきますと、全国平均の保険料と各都道府県の保険料と2段の仕組み になってくるわけですが、全国の保険料というのが全体で収支が合うように、これは国 で決めていくことになると思うのですが、各都道府県の保険料というのは、リスク調整 の算式からほぼ自動的に決まってくるものだろうと思いますので、各都道府県が独自に 判断して決めるという類のものではないような気がします。もしかしたら、間違ってい るかもしれませんけれども、私はそのように考えております。  その際に、都道府県によって若干、収支にばらつきが出まして、ある都道府県は少し 借金がたまるとかということになるかもしれませんが、それはその次の保険料を素早く 上げて、赤字が累積しないような配慮をすべきではないかという気がいたします。  ちょっと長くて申し訳ないのですが、国庫負担なのですが、この補助のあげ方も非常 に大事であります。分割された政管健保は、加入者のために医療費の適正化に努力する ということが一番大事なことで、そこに向かうように制度設計しなければいけないわけ であります。自分の財政が苦しくなったから、もっと補助金をくださいというふうに政 府、国の方にお願いに行くことに重点をあげられては困るわけですから、この国庫負担 に関しましても、透明なルールで渡すということが必要で、保険者の行動に左右されて 決まってはいけないのではないかと思います。ですから、選択肢としては全都道府県に 一定率配分するという形になるのではないかという気がいたします。以上です。 星野部会長  ありがとうございました。今のご議論も大変貴重なご意見で、制度はつくったけれ ど、適正化のメカニズムもない、ただ最後みんなどこかにおっぽり出してしまうという のだったら、せっかくやったことの意味が何もないわけですから、そういう点も含めて きちんと制度を設計することが政管健保の場合には特に必要だと思うのです。今まで、 どちらかというと任せっぱなしだったのに対して、これから制度を設計するのでした ら、何回かご指摘がありましたし、今岩本委員からも貴重なご指摘がありましたが、自 律的なメカニズムが働くように、私は素人だから、どこまでドラスティックにできるの かわかりませんけれど、かなり内包した、そういうものをきちんと包み込んだような格 好でやってもらわないと意味はないのではないかと思います。  久保田委員が先ほど3点か4点いわれたときの、一番最初の問題ですけれど、財政だ けちぎるのか、あるいは運営主体をちぎるのか、非常に貴重なご質問で、そのメリッ ト、デメリットが答えられないというのは、非常に問題があるのではないかと思いまし た。つまり事務方は分析をなかなか出さないで、非常に小出しにしているのかなとも思 えるのだけれど、小出しにしないで、分析していることはみんな出してもらった方がい いんではないか、議論が深まる、今のなども非常に面白い議論だと思います。  どうぞ、岩村委員。 岩村委員  1点だけ、簡単に終えますが、政管健保の保険者を都道府県単位にするとき、どうい う制度設計になるかというのは、色々今日のお話を聞いたり資料を見たりすると、やは り最終的には社会保険庁の組織をどういうふうにするのかということと切り離しては考 えられないのではないかと思います。そういうこともあって、多分、なかなか事務局と しても今の段階では明確にいえないところもあるのかなという気もしました。  もう1点なのですが、もちろん全部のことを一遍にやることはできないというのはよ くわかっているのですが、今日の資料で都道府県単位化したときのイメージの描き方と いうのが、保険料・保険給付の支払と、それから、保健事業というところに限定されて います。健康保険事業というのは、そのほかにも色々な側面があって、非常に複雑な制 度で、例えば診療報酬をどうするのか、それから保険医療機関の指定とか、そういった ものはどうなるのかという側面も制度全体としてはあると思うのです。ですから、国の ところに残る部分、それから仮に都道府県単位化したときに、都道府県のところに移し ていく部分というのをもう少し整理していただくと、多分、改革の全体像というのが見 えてくるのではないかと思います。  例えば、今日の資料ですと、5ページの「政管健保の概要:運営組織」というのがあ りますが、社会保険庁の系列のもとでやっているものと、厚生労働省系列でやっている ものとがあって、それが実は地方社会事務局のところで2つ重なってやっているという ものがあり、この辺のところをどう整理するのか。例えば保険医療機関の指定や監査の 部分は、法律上は今厚生労働大臣の権限となっていますが、それはそのままにしておく 形にするのか、それともそこも都道府県まで落としてしまうのかというようなことが、 もう少し全体としてわかってくると、イメージとしては具体化してくるのではないかと いう気がしました。全部を一遍にやるというのは非常に大変だと思いますので、徐々に 具体化していっていただくということをお願いしたいと思います。 星野部会長  ありがとうございました。どうぞ、井伊委員。 井伊委員  かなり言い尽くされていることだと思うのですが、まだ指摘されていないので申し上 げたいと思うのですが、レセプトを電子化するインセンティブというのも制度に取り入 れて、データベースをつくることも改革の中にぜひ入れていただきたいと思います。や はりデータに基づいた議論というのが基本になると思いますので、そこもぜひお願いい たします。 星野部会長  ありがとうございました。まだまだ今日で議論は終わりではございません。今日たく さん宿題が出ましたので、多分事務方、小出しにしている部分も今度は出してくれるの ではないかと思います。8つぐらいの質問や注文までは覚えていたのですが、10幾つに なってしまったので、私は繰り返す能力がなくなってしまったのですが、どこかにメモ していらっしゃるでしょうから、それを見て、時間の許す限り、皆答えてほしいと思う のです。1つとして無駄なご質問はなかったように思うので、よろしくお願いいたしま す。  もう1件あるもので、この辺で今日の政管健保は終わらせていただきまして、次の最 後の話をやらせてもらいたいと思います。ここでも1回議論をさせていただきました が、混合診療問題、及び中央社会保険医療協議会の在り方の見直しについての報告を求 めたいと思います。 麦谷課長  医療課長でございます。ご説明させていただきます。資料3-(1)(2)(3)というものが ございますが、それが混合診療問題についての3つの資料でございます。  (1)を読んでいただくと一番よくわかるのですが、時間がございませんので、これで はなくて、真ん中の資料(2)「いわゆる『混合診療』問題について」という絵の入った ものでご覧いただきます。これも非常に複雑ですが、一番最後の10ページを開いていた だくと、いわゆる混合診療問題がすべて凝縮されております。それでご説明を申し上げ たいと思います。  「改革の考え方」、簡単にいいますと、保険診療と保険外診療をどう併用していくか という課題について、私どもが12月の中ごろに、ある一定程度の答えを出したのが、こ の考え方でございます。これを尾辻厚生労働大臣と村上規制改革担当大臣が合意をされ まして、それを総理にご説明をして了承を得たというあたりが、この10ページの考え方 でございます。  現行制度を抜本的に見直し、「特定療養費制度」を廃止し、2つの新たな制度をつく るということで、このような改革を行なうことによって保険診療と保険外診療の併用に 関する、世の中に現在ある具体的な要望についてはほとんど対応できるとともに、今後 新たに生じるだろうというものについても、すべて対応できるという考え方でございま す。  そこに書いてございますが、現行どうなっているかと申しますと、高度先進医療とい うものがございます。それから選定療養という、例えば差額ベッドとか200ベッド以上 の医療機関の初診料などがあり、この間に、今、対応できていないものが幾つかござい ます。対応できていないというのは、保険で入っていないという意味です。例えば必ず しも高度でない先進技術については、おおむね2年ごとの改定で保険に入るものは入り ますが、入らないものはいつまでも入らない。それから欧米で承認されているにもかか わらず、国内で未承認の薬は使えない。制限回数を超える医療行為、例えば保険で術後 1回とされている検査とか、あるいは回数を制限されているものが幾つかございます。 例えばピロリ菌の検査は2回までとか色々なものがございますが、そういうものについ て、保険診療と保険外診療を併用させてはどうかという希望がございました。  見直し後は下にございますように、医療技術については、有効性、安全性を確認しま して、ある一定水準以上の技術であれば、どのような医療機関でも保険診療と保険外診 療を併用することによって、具体的にいえば、その部分だけ患者からお金を取るという ことで、事実上、併用を認めるというのが新しい考え方でございます。また薬につきま しても、未承認であっても、薬代だけ患者から取ることにより、ほかは保険で請求して いいという、いわゆる混合診療で薬を使えるようにするというのが、下側、黄色でござ います。  それから制限回数を超える医療行為には、差額ベッド等従来のものについては、色々 混在しておりました。全く保険とは関係ない患者からお金を取ってもいいアメニティに かかわるもの、例えばテレビとか通訳といったものと、それから医療機関の選択に係 る、例えば200ベッド以上の初診料といったもの、それから先ほど私が申し上げた制限 回数を超える医療行為、こういったものに少しカテゴリーを分けまして、きちんと整理 をして、保険医療にはしないけれども、患者さんからお金を取ってもいいものを限定的 にきちんとリストアップしようという考え方でおります。  こういう考え方を、いわゆる混合診療問題についての解決の1つの方策として、新た に提示したものでございまして、この最後に至る、色々な経過がこの紙にずっと書いて あります。  実際、例えば規制改革・民間開放推進会議が主張していたものとの星取表がどうかと いうのが、皆様のお手元8ページをお開きいただきたいと思います。左側に規制改革・ 民間開放推進会議が混合診療を全面解禁すべきだと主張してきたときに示してきた具体 例でございます。私ども先ほどの案で、ほとんど○で対応できています。ただ1つ、最 後の医師、看護師等の手厚い配置だけは△になっておりますが、これは、医師がたくさ んいるから、あるいは看護師をたくさん病室に配置するからお金を取りたいといわれて も、これは療養の給付の混乱や、疾病の療養を行うときの根幹にかかわる話で、お金を 払わない人は療養ができないのかという根源的な問題が生じますので、これは検討させ てくれということでペンディングになっていますが、その余のこととしては、すべて対 応できるという結果になっています。  そういう考え方に基づいて、資料3-(3)は、実際に尾辻厚生労働大臣と村上規制改革 大臣との間で合意された文章そのものでございます。以上が混合診療の話です。  もう1つ両大臣で合意されたものが、資料4「中医協の在り方の見直しに係る基本的 合意」ということで、どのような中医協であるのが一番いいかということを、議論、検 証するわけですが、2大臣が合意されて、さらに内閣官房長官と話をされて、総理の御 了解を得たものです。  そこに書いてあるのは、仮称でございますが、「中医協の在り方に関する有識者会議 」をつくり、すでに内閣官房にございます「社会保障の在り方に関する懇談会」で審議 をされた内容も踏まえて中医協の在り方について、ここで議論を行うということです。 その構成員につきましては、いわゆる医療団体関係者や労使の利害関係者をすべて除い た有識者として、内閣官房長官と協議して任命するということにしております。これは まだ出来上がっておりません。今人選をしております。  検討項目は、その中に書いてございますが、「診療報酬改定に関する企画・立案の在 り方との関係を含めた中医協の機能・役割のあり方」「公益機能の強化」「病院等多様 な医療関係者の意見を反映できる委員構成の在り方」「委員の任期の在り方」「診療報 酬の決定手続きの透明化及び事後評価の在り方」「その他、医療の現場や患者等国民の 声を反映する仕組みの在り方」ということで、平成16年度中の早期ですから、もう1月 の末でございますので、2月3月、恐らく2月の間に設置して、今年の夏から秋までに 結論が出るということで合意をされております。ただいま準備中でございます。以上で す。 星野部会長  どうもありがとうございました。ただいまの説明に何か御質問等ございますか。それ では予定の時間より2分ぐらい早くて、もったいないのですが。 久保田委員  ちょっと意見いいですか。 星野部会長  どうぞ、久保田委員、ありがとうございます。 久保田委員  その他ということではないのですが、前回、介護保険制度との関連のことが少し報告 されたと思います。そのからみで、今、国会で審議が行なわれようとしていますが、関 係概要保険制度の改革と関係が出てくるのではないかいうので申し上げているのです。 介護保険3施設のホテルコスト、いわゆる食費とか居住費の自己負担化ということが提 案をされています。これが介護型療養病床が医療型に転換をされていく、あるいは逆に 介護型から医療型に患者が転院するということで、また老人医療費が増加をするのでは ないかという問題意識がいわれております。こういうことについて、どういうふうに考 えているのということをお伺いしたいと思います。  負担が増えるような話ですので、労働組合としては、中身の問題で、すぐやれという ことでは必ずしもないのですが、いつも統合的に考えなければだめだということは、ず っとテーマとしてありましたので、そういうことについてお伺いしたいと思います。  同時に、前回あるいは前々回でしたか、いわゆる介護保険を入れるときには、老人の 社会的入院を抑えるんだ、そうすれば老健拠出金が減少して、医療保険料率は下がるん だという説明で入れたという経過があると思います。介護保険を入れて、その後5年が 経過して、社会的入院云々は一体どうなっているのか、今どういう状況にあって制度改 正前後でどうなっているか、そして今度の改正でそれはどうなっていくのか。医療保険 側としては一体そういうことについて、今後どういうふうに対応するのだろうかという ことにつきまして、いつも問題提起はしているのですが、その後のデータ提示、それを 基にした政策論議というところについては、なかなかストーリーが見えていない感じが しますので、このことについても、あわせてお伺いをしておきたいと思います。 星野部会長  どうぞ、課長。 間杉課長  前回、介護保険の検討状況についてご報告させていただきましたけれども、私どもの 方でも色々と関連する問題もございますので、その点につきましては、私どもも改め て、この審議会でもご議論いただくような段取りを考えたいと思っております。  あわせまして、今後の新介護保険で社会的入院がどうなるかという将来的なシミュレ ーションまで至ってございませんが、とりあえず直近の時点までで社会的入院がどうい うふうな経過をたどっているかという点につきましては、改めて資料を作成し、ご提示 をさせていただきたいと思っております。 星野部会長  よろしくお願いします。それでは、時間になりましたので、本日はこれまでとさせて いただきたいと思います。次回の開催につきましては、事務局より追ってご連絡するこ ととしたいと思います。本日はご協力をありがとうございました。                                      以上 (照会先)  厚生労働省保険局総務課企画調査係 (代)03−5253−1111 (内線)3218