資料4−14 |
製品群No. 16
止瀉薬
リスクの程度の評価 | A 薬理作用 | B 相互作用 | C 重篤な副作用のおそれ | C’ 重篤ではないが、注意す べき副作用のおそれ |
D 濫用のお それ |
E 患者背景(既往歴、治療状況等) (重篤な副作用につながるおそれ) |
F 効能・効果(症状の悪化に つながるおそれ) |
G 使用方法(誤使用のおそれ) | H スイッチ 化等に伴う 使用環境の 変化 |
|||||||||||
評価の視点 | 薬理作用 | 相互作用 | 重篤な副作用のおそれ | 重篤ではないが、注意すべき副作用のおそれ | 薬理に基づく習慣性 | 適応禁忌 | 慎重投与 (投与により障害の再発・悪化のおそれ) |
症状の悪化につながるおそれ | 適応対象の症状の判別に注意を要する(適応を誤るおそれ) | 使用方法(誤使用のおそれ) | スイッチ化等に伴う使用環境の変化 | |||||||||
併用禁忌(他剤 との併用により 重大な問題が 発生するおそれ) |
併用注意 | 薬理・毒性に基づくもの | 特異体質・アレルギー等によるもの | 薬理・毒性に基づくもの | 特異体質・アレルギー等によるもの | 使用量に上限 があるもの |
過量使用 ・誤使用 のおそれ |
長期使用に る健康被害 のおそれ |
用法用量 | 効能効果 | ||||||||||
腸内殺菌成分 | アクリノール | |||||||||||||||||||
塩化ベルベリン | キョウベリン錠100 | 腸内腐敗、醗酵抑制作用、蠕動抑制作用(弛緩作用)、胆汁分泌作用(腸管内における病原菌の増殖を抑える) | 0.1〜5%未満(便秘) | 出血性大腸炎(症状の悪化、治療期間の延長)、原則禁忌:細菌性下痢患者(治療期間の延長) | 高齢者 | 出血性大腸炎、細菌性下痢 | 長期・大量投与を避けること。 | 塩化ベルベリンとして、通常成人1日150〜300mg(本剤1.5〜3錠)を3回に分割経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。高齢者では減量。 |
下痢症 | |||||||||||
クレオソート | ||||||||||||||||||||
タンニン酸ベルベリン | エルベン散 | タンニン酸ベルベリンは、腸内でベルベリンとタンニン酸に分解され、その部位でのチフス、赤痢、大腸菌に対する殺菌作用とタンニン酸の収れん防腐作用を期待できる。 | 頻度不明 (便秘) | 出血性大腸炎(症状の悪化、治療期間の延長)、細菌性下痢(治療期間の延長) | 高齢者 | 出血性大腸炎、細菌性下痢 | 長期・大量投与を避けること。 | タンニン酸ベルベリンとして、通常成人1日150〜300mgを3回に分割経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。高齢者では減量。 |
下痢症 | |||||||||||
収れん成分 | 次硝酸ビスマス | 次硝酸ビスマス | 収れん作用並びに粘膜面被膜保護作用を有する。胃・十二指腸粘膜に存在するHelicobacter pylori菌に対して抗菌活性がある。 | 精神神経系障害、亜硝酸中毒(頻度不明) | 0.1〜5%未満 (嘔気,食欲不振)、頻度不明 (歯齦縁,舌,口腔内などに青色又は青黒色の着色) | ・慢性消化管通過障害又は重篤な消化管潰瘍(ビスマスの吸収による副作用が起こる) ・出血性大腸炎(症状の悪化,治療期間の延長)、原則禁忌:細菌性下痢(治療期間の延長) |
便秘、結腸瘻造設術,回腸瘻造設術又は人工肛門造設術を受けた患者、消化管憩室、高齢者、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人、小児 | 出血性大腸炎、細菌性下痢 | 原則1ケ月に20日程度(1週間に5日以内)の投与 | 浣腸には使用しないこと。 | 長期連続投与(1日3〜20g)で昏睡、錯乱、運動障害などの精神神経系障害が現れた | 次硝酸ビスマスとして,通常成人1日2gを2〜3回に分割経口投与する。高齢者では減量。妊婦・小児には,投与量,投与期間などに注意。 | 下痢症 | |||||||
次没食子酸ビスマス | 次没食子酸ビスマス「エビス」 | 二次的にぜん動運動を抑制し、腸内硫化水素と結合しガス刺激を緩和し、止瀉作用を現す。 | 精神神経系障害(頻度不明) | 頻度不明(歯齦縁、舌、口腔内等に青色又は青黒色の着色)、0.1%〜5%未満 (嘔気、食欲不振) | 慢性消化管通過障害又は重篤な消化管潰瘍(副作用が起こる)、出血性大腸炎(症状の悪化、治療期間の延長)、原則禁忌:細菌性下痢(治療期間の延長) | 便秘、結腸瘻造設術、回腸瘻造設術または人工肛門造設術を受けた患者、消化管憩室、高齢者、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人、小児 | 出血性大腸炎、細菌性下痢 | 原則1ケ月に20日程度(1週間に5日以内)の投与 | 浣腸には使用しないこと。 | 長期連続投与(1日3〜20g)で昏睡、錯乱、運動障害などの精神神経系障害が現れた | 次没食子酸ビスマスとして、通常成人1.5〜4gを3〜4回に分割経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。 高齢者では減量。妊婦・小児には,投与量,投与期間などに注意。 |
下痢症 | ||||||||
収れん成分 | タンニン酸アルブミン | タンナルビン「ホエイ」 | 本剤は、腸管内で膵液により徐々に分解してタンニン酸を遊離し、全腸管に緩和な収れん作用をあらわすことにより、止瀉作用を示す。 | 経口鉄剤(併用により相互に作用が減弱) | 塩酸ロペラミド(塩酸ロペラミドの効果が減弱) | ショック、アナフィラキシー様症状 (頻度不明) | 頻度不明(肝障害、便秘、食欲不振) | 出血性大腸炎(症状の悪化、治療期間の延長)、牛乳アレルギー(ショックまたはアナフィラキシー様症状を起こす)、 本剤過敏症の既往歴、原則禁忌:細菌性下痢(治療期間の延長) |
肝障害、高齢者 | 出血性大腸炎、細菌性下痢 | 長期・大量投与で肝障害 | タンニン酸アルブミンとして、通常、成人1日3〜4gを3〜4回に分割して経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。高齢者では減量。 |
下痢症 | |||||||
吸着成分 | カオリン | |||||||||||||||||||
沈降炭酸カルシウム | 沈降炭酸カルシウム | 制酸作用 | テトラサイクリン系抗生物質(併用薬剤の効果が減弱)、他の併用薬剤(併用薬剤の吸収・排泄に影響)、牛乳[milk-alkali syndrome(高カルシウム血症・高窒素血症・アルカローシス等)]、ビタミンD(高カルシウム血症) | 5%以上又は頻度不明(高カルシウム血症・アルカローシス等の電解質失調・腎結石・尿路結石・悪心・嘔吐・便秘・下痢),0.1%未満(胃酸の反動性分泌) | 5%以上又は頻度不明(過敏症) | 甲状腺機能低下症又は副甲状腺機能亢進症(症状悪化) | 腎障害、心機能障害、肺機能障害、高カルシウム血症、便秘、高齢者 | 胃酸の反動性分泌 | 沈降炭酸カルシウムとして、1日1〜3gを3〜4回に分割経口投与。 高齢者では減量。 |
胃・十二指腸潰瘍、胃炎(急・慢性胃炎、薬剤性胃炎を含む)、上部消化管機能異常(神経性食思不振、いわゆる胃下垂症、胃酸過多症を含む)の症状の改善 | ||||||||||
乳酸カルシウム | 乳酸カルシウム「エビス」 | 血清カルシウム値が低下した際に、カルシウム値を上昇させる。本剤は鎮静、けいれん軽減の作用がある。カルシウムは無機栄養素としても重要で、歯や骨の主成分である。 | ジギタリス製剤(ジギタリス中毒)、テトラサイクリン系抗生物質(テトラサイクリン系抗生物質の作用が減弱)、ニューキノロン系 抗菌剤(ニューキノロン系抗菌剤の作用が減弱) |
頻度不明(高カルシウム血症、結石症 、腹部膨満感、胸やけ、軟便等 、頭痛、心窩部不快感) | 頻度不明(過敏症) | 高カルシウム血症(高カルシウム血症を増悪)、腎結石 (腎結石を増強)、重篤な腎不全 (高カルシウム血症) | 活性型ビタミンD製剤を服用中、ジキタリス製剤を投与中、高カルシウム血症が現れやすい病態、高齢者 | 長期投与により血中及び尿中カルシウムが高値になることがあるので、長期投与する場合には定期的に血中又は尿中カルシウムを検査することが望ましい。結石症。 | 乳酸カルシウムとして、通常成人1回lg,1日2〜5回経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。高齢者では減量。 |
低カルシウム血症に起因する下記症候の改善 テタニー 下記代謝性骨疾患におけるカルシウム補給 妊婦・産婦の骨軟化症 発育期におけるカルシウム補給 |
||||||||||
ヒドロキシナフトエ酸アルミニウム | ||||||||||||||||||||
その他の止しゃ成分 | 塩酸ロペラミド | ロペミンカプセル/ロペミン細粒 | 止瀉作用 マウスおよびラットにおけるヒマシ油またはプロスタグランジン誘発下痢を強く抑制する 消化管輸送能抑制作用 マウスの小腸輸送能を用量依存的に抑制する.健康成人において硫酸バリウムの消化管内通過時間を延長させる.また,成人下痢患者(外国人)の小腸通過時間を服薬前に比較して有意に延長した. 蠕動抑制作用 モルモットの摘出回腸ならびに生体位小腸および結腸の蠕動を抑制する.モルモットを用いたin vitro実験から,本剤の蠕動抑制作用には,腸壁内コリン作動性ニューロンの機能の抑制および腸管の輪状筋方向の伸展によるアセチルコリンとプロスタグランジンの放出の抑制が関与していると考えられている. 抗分泌作用 ラットを用いた実験で,プロスタグランジンまたはコレラトキシンの投与によって起こる水,NaおよびClの腸管腔内への分泌を吸収の方向へ逆転させた. |
ケイ酸アルミニウム・タンニン酸アルブミン(本剤の効果が減弱)、リトナビル・キニジン(本剤の血中濃度が上昇) | イレウス(0.1%未満),巨大結腸(頻度不明) | アナフィラキシー様症状(0.1%未満)、 ショック、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)(頻度不明) | 頻度不明 (頭痛,傾眠傾向,鎮静,筋緊張低下,散瞳、疲労,体温低下,発熱、尿閉、消化不良,口内不快感,味覚の変調) 0.1%未満(AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTPの上昇、腹部不快感,悪心,腹痛,嘔吐,食欲不振、口渇,眠気,めまい,発汗,倦怠感) 0.1〜5%未満(腹部膨満) |
0.1〜5%未満(過敏症) | 動物実験において,大量投与で薬物依存性が認められているので,観察を十分に行い,用量および使用期間に注意すること. | 出血性大腸炎(症状の悪化,治療期間の延長) 抗生物質の投与に伴う偽膜性大腸炎(症状の悪化,治療期間の延長) 低出生体重児,新生児および6カ月未満の乳児(過量投与により,呼吸抑制,全身性痙れん,昏睡等の重篤な副作用の報告) 本剤の成分に対し過敏症の既往歴、細菌性下痢(治療期間の延長) 潰瘍性大腸炎(中毒性巨大結腸を起こす)、6カ月以上2歳未満の乳幼児 |
重篤な肝障害、肛門疾患、小児、高齢者、妊婦または妊娠している可能性のある婦人、授乳婦、 | 止瀉剤による治療は下痢の対症療法であるので,脱水症状がみられる場合,輸液等適切な水・電解質の補給に留意すること. 本薬の薬理作用上,便秘が発現することがあるので,用量に留意し,便秘が発現した場合は投与を中止すること.また,特に便秘を避けねばならない肛門疾患等の患者には注意して投与すること. 眠気,めまいが起こることがあるので,本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること. 外国で,塩酸ロペラミド液剤の過量投与により昏睡,呼吸抑制,縮瞳,協調異常,筋緊張低下,傾眠等の中毒症状がみられ,また,腸管壊死に至る麻痺性イレウスにより死亡に至った例が報告されている.外国で,乳幼児(特に2歳未満)に過量投与した場合,中枢神経系障害,呼吸抑制,腸管壊死に至る麻痺性イレウスを起こしたとの報告がある. |
塩酸ロペラミドとして,通常,成人に1日1〜2mgを1〜2回に分割経口投与する. なお,症状により適宜増減する.用量に留意するなど,注意して投与すること.〔一般に高齢者では生理機能が低下している.〕妊婦または妊娠している可能性のある婦人には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること.*授乳中の婦人には本剤投与中の授乳は避けさせること。小児等に対する安全性は確立していないので,投与しないことが望ましい.動物実験において,大量投与で薬物依存性が認められているので,観察を十分に行い,用量および使用期間に注意すること. |