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第2回労働者の健康障害防止に係るリスク評価検討会


日時 平成17年1月11日(火)
 13:00〜
場所 中央合同庁舎5号館13階専用第16会議室

○石野化学物質評価室長補佐
 本日は大変お忙しい中をご参集いただきましてありがとうございます。ただいまから第2回労働者の健康障害に係るリスク評価検討会を開催したいと思います。本日は江馬委員、岸委員、和田委員がご都合により欠席との連絡をいただいております。議事に先だち、資料の確認をいたします。第2回労働者の健康障害防止に係るリスク評価検討会議事次第の配付資料一覧のところにありますがご確認をお願いします。No.1として、第1回労働者の健康障害防止に係るリスク評価検討会議事概要(案)、No.2−1、国が行う化学物質等による労働者の健康障害防止に係るリスク評価について(改定案)、No.2−2、国が行う化学物質等による労働者の健康障害防止に係るリスク評価について(案)、No.3、リスク評価の結果に基づき講ずべき措置について(案)。あとは参考資料1として、職場における労働者の健康確保のための化学物質管理のあり方検討会報告書(平成16年5月)、参考資料2、化学物質等による眼・皮膚障害防止対策の徹底について(平成15年8月11日基発第0811001号)、以上です。全部揃っているでしょうか。それでは前回に引き続きまして、櫻井先生に座長をお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○櫻井座長
 それでは議事進行を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。まず議事次第に従って、議事を進めてまいりますが、いちばん初めに、前回の議事録についての説明をお願いします。

○石野化学物質評価室長補佐
 前回の資料No.1の「第1回労働者の健康障害防止に係るリスク評価検討会 議事概要(案)」です。1から3については時間の関係上省略させていただき、4の概要を読み上げさせていただきます。
 4.概要(1)座長選出等。小田安全衛生部長より挨拶が行われた後、参集者の紹介がされ、櫻井委員が座長に選出された。(2)「職場における化学物質のリスク評価委員会」中間報告概要。事務局より概要の説明が行われ、参集者からの質問により、以下の点について事務局から説明がなされた。本リスク評価については既存化学物質のうち、ばく露量が多く、有害性の高いものを対象に実施する。(3)国が行う化学物質等による労働者の健康障害防止に係るリスク評価について(案)、事務局より説明が行われ、次の点について質問、議論が行われた。ア「無毒性量等の設定」に関して、ばく露状況等には、ばく露時間、呼吸量等を含めることとし、「ばく露状況等に応じて」に変更することとする。イ「主要文献等から得られた無毒性量等のうち、信頼性のある最小値を採用する」という部分について、これはドーズの設定の仕方によって影響を受けるため、一概に最小値がよいとはいえず、次回までに検討することとされた。ウ吸入による予測ばく露量はmg/kgになっているが、無毒性量等はmg/m3に変換しているため比較できない形になっている。この部分を整理し、次回までに検討することとされた。エ経口の無毒性量等を吸入の無毒性量等に変換する場合に、種差を考慮することについて議論がなされた。
 (4)リスク評価対象物質について(案)。事務局よりリスク評価の対象物質と物質の選定順位について説明が行われた。(5)次回の日程について、次回は平成17年1月11日(火)13:00〜15:00に開催することとされた。以上です。

○櫻井座長
 ただいま読み上げていただきましたが、何かこの議事概要(案)について意見、追加、訂正はございますでしょうか。特にないようですので、議事概要(案)の(案)を取って、「議事概要」とさせていただきます。次に今日の議題の1に入りたいと思います。「国が行う化学物質等による労働者の健康障害防止に係るリスク評価について」です。前回、いくつか問題点が指摘されましたので、この間、事務局等に検討をお願いして、修正案として出てきたものについて、説明をお願いいたします。

○石野化学物質評価室長補佐
 前回の会議において、いくつか議論がなされ、先ほどの議事概要にもありましたが、これらについて事務局において各委員の方々のご意見、主として大前委員から提出いただいた点を訂正しておりますので、ご説明したいと思います。ご意見を基に変更した資料が資料No.2−1です。資料No.2−2は前回の資料です。前回はNo.4となっていましたが、今回は資料No.2−2となっています。資料No.2−2には変更になった箇所に下線を引いています。それでは資料No.2−1に基づき、変更点についてご説明いたします。まず、第1点目は資料No.2−1の中程、下線が引いてある所で、「労働者の当該物質へのばく露レベル」という点です。これは前回は「ばく露量」という言葉を用いていましたが、「ばく露レベル」に変更しています。この理由として許容濃度、あるいはACGIHのTLV−TWAなどをリスク評価に用いることは有意義であること。このため、許容濃度等との比較によりリスクを判定する場合に、その概念を同一にする必要があることから変更されたものです。以下、同じく「ばく露量」が「ばく露レベル」にすべて変更になっています。
 次に資料No.2−1の2頁です。2頁の(3)不確実性のところですが、これは表現を一般的な形に、言い回しを若干変更したということです。資料No.2−2の前回の資料の3頁です。イのところが(ア)(イ)(ウ)と3つありましたが、これは不確実性の書きぶりを統一したということが1つあります。また、前回の議論にあった「無毒性量の設定」のところで、「信頼性のある最小値を採用する」ところですが、これを資料No.2−1の改定版の(ア)に「信頼性のある最小値」が「最も信頼性のある値」に変わっています。さらに「信頼性に差がなく互いに矛盾する複数の無毒性量等が得られた場合には最小値を採用する」という形で新たに付け加えられています。
 資料No.2−1の3頁のイの(ア)ですが、4行目に信頼できる吸入データは経口データよりも優先するということを明確に書いています。「ばく露量」から「ばく露レベル」に変更しているわけですが、これに伴い、前回の資料No.2−2ですが、5頁から6頁にある「予測ばく露量の把握」の計算式が削除されています。
 資料No.2−1の7頁です。「発がん性」の項目ですが、前回の資料No.2−2の4頁、7頁にありますが、表現の変更です。「閾値が存在しない場合」と「閾値が存在する場合」と2つ書いてありますが、それが「閾値がないと考えられている場合」と「それ以外」の場合という形に変更になっています。以上が主要な変更点です。

○櫻井座長
 いまの変更点について説明がありましたが、結局資料2−1という改定案がこの場で提案されているわけですが、何かお気付きの点がありましたらどうぞ。

○本間委員
 資料2−1の1頁のばく露量を「ばく露レベル」に変えたということなのですが、ばく露レベルというのはばく露濃度と同等の意味と考えてよろしいのでしょうか。それともばく露レベルという言葉の使い方で、もう少し別の概念も入れたということなのでしょうか。

○石野化学物質評価室長補佐
 「ばく露レベル」という言葉はばく露濃度の概念が主ですがばく露量も含みうる概念という具合に理解していただければと思います。

○櫻井座長
 この場合はばく露濃度で整理しましょうというご意見が前回強かったから、これをばく露濃度と表現するほうが、その方針は明確かもしれないけれども、そうすると、作業環境測定基準等と、やや関わりが出てくる可能性があるので、それを避けたと私は理解しています。

○本間委員
 そうすると、「ばく露量」という概念も少し入ってくるのですね。

○櫻井座長
 入れようと思えば入るという点も利点かもしれません。場合によると「ばく露量」と整理しなければならない場合も出てこないとは限らないという気もします。

○清水委員
 4頁なのですが、下から8行目、イの「取扱量等」のところの国内における取扱量によって、次のとおり分類を行うということで(ア)(イ)(ウ)に分けられているのですが、その後ろの「また」の後のばく露労働者数が把握できる場合は類似の取扱いという、この「類似の取扱い」ということはどういう意味なのか、ちょっと理解できなかったのですが。

○石野化学物質評価室長補佐
 ばく露を把握するためには、ばく露労働者数がわかればいちばんいいわけですが、現時点ではばく露労働者数を把握できないものですから、取扱量等によって分類して、取扱量の大きいものをまず優先順位を高くというのがイの趣旨です。この「また」以降のところは、類似の取扱いというのは、どの程度の労働者がそれぞれ取扱量によって従事されているかというような分類、1例として100人未満とか、100人以上、1,000人以上という、そのような概念に分けるということです。ただ、現時点でそういう基礎的資料が全くないものですから分けることができないということで、もしわかったら、何らかの労働者数を分けて、それぞれ優先順位を付けたいというのが趣旨です。

○櫻井座長
 いまの段階で案を作るのはちょっと時期尚早ということではなく、難しいということだろうと思います。

○清水委員
 はい、わかりました。

○福光委員
 前回出ていなかったものですから教えていただきたいのですが、3頁の「不確実係数」についてですが、それぞれ10にしますという形で出ていたのですが、この辺りは通常ですと最大10を取るというのが一般的なのか、この辺りは10というように全部統一されたというのは、何か意味があったのでしょうか。

○櫻井座長
 不確実係数の内容について前回は細かい議論はなかったように思います。この中で「動物実験から得られた場合の不確実係数10」というのは、どこでも異論のないところだと思いますが、「実験期間・観察期間が不十分な情報から得られた場合の不確実係数10」というのは、最大10であって、場合によってはほかと一緒にして10にするというような場合もありますし、また無毒性量又は無影響量を得ることができず、NOAEL等からの推測する場合も必ずしも常に10にしましょうと意見が一致しているようにないと思いますが、どういたしましょうか。ここはもう10と書いていますが安全サイドですね。

○福光委員
 安全サイド的に考えれば10でいいと思うのですが、実際上はどうなのかなということです。

○櫻井座長
 だから、こういうスタンスをとるという案になっていると思います。安全サイドでいいのかなという気もしますが、それ以外の数値を選ぶことも難しいですね。

○福光委員
 正直言ってそうでしょうね。

○櫻井座長
 それでは一応こういうことでよろしいですか。

○内山委員
 6頁の5のリスクの「閾値がないと考えられる場合」という下線の引いてあるところですが、「閾値がないと考えられている場合以外の場合」というのは読みにくいので、「閾値がないと考えられている場合」と「閾値がないと考えられている場合以外」の場合と、両かぎ括弧で括らないと、文章がミスプリではないかと思って読んでしまったので、両かぎ括弧にしたらいかがでしょうか。

○櫻井座長
 まず「閾値がないと考えられている場合」とやって、その次にまた「閾値がないと考えられている場合以外」とする。それはそのほうがいいですね。

○内山委員
 そのほうがわかりやすいと思います。

○櫻井座長
 ではそうさせていただきます。

○石野化学物質評価室長補佐
 別紙の9頁ですが、リスクの判定のところでMOEの詳細な検討、MOEが1以下(MOE<1)のという形で書いてありますが、許容濃度を使う場合はMOEではなくてばく露レベルと許容濃度を比較するということですので、ここに許容濃度がばく露レベルよりも小さいという項が抜けていますので、それを加えていただければと思います。

○櫻井座長
 ここへ加えるわけですね。

○石野化学物質評価室長補佐
 はい。

○櫻井座長
 詳細な検討の括弧の中ですね。

○石野化学物質評価室長補佐
 括弧の中で、詳細な検討でMOEが1より小さい場合と許容濃度がばく露レベルよりも小さい場合のその2つが詳細な検討の対象になるという意味です。

○内山委員
 もう1つ別紙のところで、非発がん性の影響のリスクの判定のフローチャートだと思うのですが、閾値のない発がん性の場合のリスク評価の進め方のフローチャートをもう1つ、別に作ったほうがすっきりするとは思うのですが、この中に入れ込むとまたゴチャゴチャになってしまうような感じがするのですが、いかがでしょうか。

○櫻井座長
 そうですね、そういたしましょうか。閾値のない発がん性のところですね。

○石野化学物質評価室長補佐
 わかりました、検討させていただきます。

○櫻井座長
 ほかにないでしょうか。よろしいようでしたら、あとで、また次回でもまだお気付きの点があれば議論していただく時間はありますので、当面、おおよそこんなところでよいというご判断と表明させていただき、今日新しく出てきました次の議題、「リスク評価の結果に基づき講ずべき措置について」というところを、事務局から、資料3の説明をお願いします。

○石野化学物質評価室長補佐
 次の議題、「リスク評価の結果に基づき、講ずべき措置について」ですが、資料No.3と参考資料1、2を用いて説明いたします。資料No.3の全体の構成は、1から3まではあり方検討会報告書の関連部分と、労働安全衛生法の規制の概要です。4から7までは、講ずべき措置になっています。それでは1の概要から説明します。平成16年5月に報告された「職場における労働者の健康確保のための化学物質管理のあり方検討会の報告書」においては、「国自らも必要に応じてリスク評価を行い、健康障害発生のリスクが特に高い作業等については、製造等の禁止と特別規則による規制を行うなどの国によるリスク管理が必要であること」とされたことから、当検討会においては、リスク評価の実施により、リスクがあると判定された作業等について、国が講ずべき措置について検討したということです。
 2です。国による化学物質等による労働者の健康障害の防止等に係る規制です。労働安全衛生法やその関係法令、通達において、化学物質等による労働者の健康障害の防止対策が講じられていますが、その概要は次のとおりです。条文については参考資料1の24頁以降に労働安全衛生法などの抜粋の条文が書いてありますので、必要に応じて参照していただければと思います。(1)製造等の禁止です。安衛法第55条では、「黄りんマッチ、ベンジジン、ベンジジンを含有する製剤その他の労働者に重度の健康障害を生ずる物」として10の物について製造等を禁止しています。
 (2)製造の許可です。安衛法第56条では、「ジクロルベンジジン、ジクロルベンジジンを含有する製剤その他の労働者に重度の健康障害を生ずるおそれのある物」として7物質について製造に当たり許可を要する物質としています。
 (3)特別規則等による規制です。安衛法第22条第1項第1号では、事業者は「原材料、ガス、蒸気、粉じん、酸素欠乏空気、病原体等による健康障害」を防止するため必要な措置を講じなければならないこととされています。原材料、ガス、蒸気、粉じんに係る健康障害防止の具体的な措置については、特別規則として有機溶剤中毒予防規則、鉛中毒予防規則、特定化学物質等障害予防規則等において定められています。また、労働安全衛生規則第3編「衛生基準」においては、有害な作業環境、廃棄物の焼却施設に係る作業、保護具等、その他について規制しています。
 (4)表示等です。安衛法第57条では、「ベンゼン、ベンゼンを含有する製剤その他の労働者に健康障害を生ずるおそれのある物」として、92物質については譲渡等に際して名称、人体に及ぼす作用等についての容器等への表示が義務付けられています。
 (5)文書の交付等です。安衛法第57条の2では、労働者に健康障害を生ずるおそれのあるものとして638物質について、譲渡等に際して化学物質等安全データシート(MSDS)の交付が義務付けられています。(6)化学物質の有害性の調査です。安衛法第57条の3では、新規化学物質を製造し又は輸入しようとする事業者は、あらかじめ有害性の調査を行い、有害性の調査結果を厚生労働大臣に届け出なければならないこととされています。(7)事業者の行うべき調査等です。安衛法第58条では、化学物質等を事業場で新たに使用する場合、事業者はあらかじめその有害性等を調査して、その結果に基づいて必要な措置を講ずるように努めなければならないとされています。(8)指針の公表です。安衛法第28条第3項第2号では、厚生労働大臣は、がんその他の重度の健康障害を労働者に生ずるおそれのある物を製造し又は取り扱う事業者が当該化学物質による労働者の健康障害を防止するための指針を公表することとされています。これに基づき、これまで四塩化炭素等、12物質について指針が公表されています。また、強度の変異原性が認められた化学物質の取扱いにおける労働者へのばく露を低減するため、「変異原性が認められた化学物質による健康障害を防止するための指針」が行政指導通達として出されています。
 (9)皮膚又は眼障害に係る規制。これは参考資料2を参照してください。GHSにおいて有害性のクラス分けとして皮膚腐食性・刺激性又は眼に対する重篤な損傷性・眼刺激性の分類がなされていますが、これらの健康障害防止については特化則及び安衛則において保護具に係る規制がなされています。平成15年8月11日付け、「化学物質等による眼・皮膚障害防止対策の徹底について」においては、特化則第44条に規定する皮膚障害防止用保護具の備え付けが必要な皮膚に障害を与えるおそれのある特定化学物質等及び安衛則第594条に規定する皮膚障害防止用保護具の備え付けが必要な皮膚に障害を与える物質、安衛則第593条に規定する有害物で保護眼鏡等の眼障害防止用保護具を備えなければならない物質を示しています。以上が1、2の説明です。

○櫻井座長
 いままでの規制等の状況の説明でしたが、何かご質問等はございますか。なければ先へ進みます。

○石野化学物質評価室長補佐
 それでは3、リスク評価結果に基づく措置に係る考え方です。1と2が法体系における規制のあり方でしたが、リスク評価結果に基づく措置に係る考え方等について3以降で述べています。(1)基本的考え方です。化学物質管理の基本は事業者が自ら当該化学物質の取扱い等に係る健康障害のリスクを評価し、その結果に基づきばく露防止対策を講ずることであり、また、安衛法第58条においても事業者は労働者の健康障害を生ずるおそれのあるものについては、あらかじめ、これらの物の有害性等を調査し、その結果に基づき必要な措置を講ずることとされています。このようにリスク評価により、リスクがあると判定された場合には、事業者は自らMSDS等の情報に基づき、自主的に必要な健康障害防止対策を講ずる必要があります。また、国は必要に応じ、MSDSを交付すべき対象物質を追加することが求められています。さらに、あり方検討会報告書でも指摘されているように、有害性の程度の高い物質を労働者が取り扱う作業等リスクが特に高い場合には、その程度に応じて規制を行う等の国によるリスク管理を実施する必要があります。一方、リスク管理としての措置を検討するに際しては、リスク評価は得られた範囲の限られた情報に基づくものであることから、リスクの判定には不確実性が含まれていることを踏まえて、評価していることを考慮する必要があります。
 先ほどの2段目の「国が必要に応じMSDSを交付すべき対象物質を追加する」ということについては、参考資料1の12頁の3行目に、このような記述があります。また、「国によるリスク管理を実施する必要がある」というところについては、11頁の(4)リスク管理の第2段落の後半に記述があります。
 (2)の考慮すべき事項です。上記、基本的考え方を踏まえると、リスクがあると判断された化学物質等を取り扱う作業等については、次の事項を考慮し、行政的措置を講ずることが求められています。ア、化学物質等の有害性の程度が高いこと、つまり化学物質等の許容濃度等が特に小さいものであること、又は、GHSによる有害性の区分が上位に位置づけされるものであること。イ、ばく露の程度の高い作業等であること。(ア)発じん性、揮発性の程度等が特に高く、ばく露を受けやすい物理的・化学的性状を有するものであること。(イ)当該化学物質の取扱量が多いこと又は従事労働者が多いこと。また、当該化学物質が開放系で製造または取り扱われており、通常の使用状態において労働者が高濃度の化学物質等にばく露する可能性が高いこと。ウ、取扱いの範囲、健康障害の発生状況等。(ア)物質等の取扱いが広範囲にわたる等、自主的な健康障害防止対策には限界があり、法令等による規制以外では健康障害を防止することが困難と考えられる状況があること。(イ)健康障害の発生状況、労働衛生工学的対策によるリスク低減の可能性、社会的有用性の程度または代替品の有無。
 4から7については6頁以降に簡単なわかりやすい図がありますので、これを参照していただければと思います。4、発がん性のリスク低減のための措置。(1)閾値がないと考えられている場合。閾値がないと考えられている場合には、がんの過剰発生率により、リスクの判断を行うこととされているが、一般的には当該値を算定できる物質は限定されている場合が多いことから、リスクの判定ができない場合も考慮する必要がある。このような場合においても、がんの重篤性を考慮すると、労働者の発がん性物質へのばく露を可能な限り少なくすることにより、健康障害の発生を防止することが求められることから、次の行政的措置を講ずべきである。ア、人に対する発がん性が知られている物質については、禁止、許可又は特別規則による規制の対象とすべきであること。イ、人に対しておそらく発がん性がある物質については、禁止、許可、特別規則による規制又は行政指導の対象とすべきであること。上記のア又はイの措置を講ずる場合には、3の(2)のイ及びウを考慮するものとする。ウ、人に対する発がん性が疑われる物質については、行政指導の対象とすべきである。(2)上記(1)以外の場合。上記(1)以外の場合には、ばく露レベルを閾値以下に抑制するよう管理することにより、健康障害の発生を防止することが可能であると考えられるが、がんの重篤性を勘案して、(1)と同様な措置を講ずべきである。なお、上記(1)及び(2)のように、人に対して発がん性があると判断された物質等を禁止、許可、管理の3段階に分類して法規制することは、昭和52年に批准されたILO職業がん条約の考え方による規制とも一致する。(3)人に対して発がん性の認められる物質。主として人での証拠により人に対する発がん性が知られている物質又は、主として動物での証拠により人に対しておそらく発がん性がある物質については、リスク評価の結果、リスクがないと評価される場合であっても、発がん性の重篤性に鑑み3の(2)のイ及びウの事項を考慮し、必要に応じて適切な措置を講ずべきである。
 5、発がん性以外のリスク低減のための措置。リスクがあると判断された臓器毒性・全身毒性又は生殖毒性の有害性クラスについては3の(2)を考慮して、次の措置を講ずることが妥当である。(1)ばく露量が多く、重度の健康障害を生ずる物、又は重度の健康障害を生ずるおそれがある物については、禁止、許可又は特別規則による規制の対象とすべきである。(2)ばく露量が多く、健康障害を生ずるおそれのある物については特別規則による規制、安衛則第3編の衛生基準の適用又は行政指導により対応すべきである。6、短い期間のばく露により、リスクが発生する有害性のあるもの等。有害性の区分のなかには、短い期間のばく露により、リスクが発生する有害性のあるもの又は無毒性量とばく露レベルとの比であるMOEの概念によるリスク評価になじまないものもあることから、これらクラスの有害性については、次の措置を講ずることが妥当である。(1)急性毒性。急性毒性のGHSの区分に応じて有害性の程度が記載されてくることから、講ずべき措置を検討するに当たっては、急性毒性のGHSにおける該当区分、発じん性、揮発性等の物理化学的性状、ばく露状況を勘案し、特別規則による規制、安衛則第3編衛生基準の適用又は行政指導により対応すべきであること。(2)皮膚腐食性・刺激性、眼に対する損傷性・眼刺激性又は感作性。当該クラスの有害性に係る措置については眼・皮膚通達に該当するものである場合には、発じん性、揮発性等の物理化学的性状、ばく露状況を勘案し、同通達に基づく措置、又は行政指導により対応すべきである。(3)変異原性について。変異原性が強いと判断された物質については、変異原性の評価、国内における当該物質の製造量、使用量、用途等を勘案し、行政指導の対象とすべきである。7、リスクがないと判断されるもの。リスクがないと判断されるものであっても、リスク評価の対象となった作業等では、有害物の取扱い作業等が行われていること、また、リスク評価には得られた範囲の限られた情報に基づくもの等であることから、不確実性が含まれることを踏まえると、事業者は健康障害を防止するためにMSDS等に基づき自主的に化学物質管理を行うことが求められる。以上です。

○櫻井座長
 お気付きの点がございましたらご発言ください。

○清水委員
 1頁の2で「国による化学物質等による労働者の健康障害の防止等に係る規制」ということで、2頁にまたがって9までありますが、確か……101条か何かに疫学調査という項目があったと思います。そういうことはここに盛り込まなくてもよろしいのでしょうか。

○櫻井座長
 101条か111条でしょうか。

○角元化学物質評価室長
 疫学的調査、労働安全衛生法第108条の2にありますが、これは厚生労働大臣は、労働者がさらされる化学物質等または従事する作業と労働者との疾病との相関関係を把握するために必要があると認められたときは、疫学的調査その他の調査を行うことができるということで、基礎的な調査を行う、任意的に行うことはできるということです。ここに書いてあるのは事業者に化学物質管理に係る規制を工学的対策から、表示、MSDSのような情報提供ツールその他についてまとめたものですので、化学物質という意味で広い意味では関連はありますが、疫学調査というのはこことは少し趣旨が違っているということです。

○櫻井座長
 ほかにございますか。

○福光委員
 どこということではなく全般的なのですが、3頁の考慮すべき事項というところで、いろいろ有害性等が大きい場合とか、ばく露が大きい場合については云々という形で、かなり規則的なもので縛ることが謳われているわけです。参考資料の「あり方検討会」のときには、それと深く企業等の自主的な管理のバランスという形で制限されていたように記憶します。ここの(2)の考慮すべき事項が、範囲をどの程度にするかに関わってくるのかもしれません。産業界的に考えると、かなり規則的に強くなるのかなと思います。この辺をどのようにバランスさせていくのかです。確かに産業界においても、特に「あり方検討会」にもあったいわゆる自主的に管理できない中小企業に対してどうするかという問題もあり、難しいところがあります。これだけを読むと、かなり多くのものが規則で縛られるような感覚にも受け取れるなという気がします。この辺をどうバランスを取るかが難しいのだろうと思います。

○櫻井座長
 その有害性の程度がどの程度に高いか、ばく露の程度はどの程度に高いかという、そこの判断にすべて依存します。

○角元化学物質評価室長
 ただいまの「あり方検討会」のときのいわゆる自主的な、自律的な化学物質管理、それが十分にこなせない事業場、対象物を対象としたリスク管理、リスク評価。その結果、必要なものについてはリスク管理としての規制、行政指導は、思想的には全くここでも変わりはありません。この資料3というものがそもそも「リスクあり」と判定された以降は、このような措置をオプションに入れてやるのだというような立て方になっております。全部何でも規制するのではないかというようなイメージに捉えられていると思いますが、これは例えば100なら100リスク評価をやった中で、いくつか「リスクあり」ということで引っ掛かってきたものに関して、ではこれに関してどうやっていくかということでの、その中の選択肢を物なり、ばく露状況においてさらに、そういう要素も考慮しながらやっていきましょうということです。
 ですから例えば結果として、製造ないし事業場数が少ない、労働者数も少なければ、いわゆる特定企業が自主的に管理すれば、ある程度間に合うようなケースもあるでしょう。典型的なのは有機溶剤のように、不特定多数の事業場で結構ばく露のある状態で使われるようなものについて、かつリスクありということであれば、やはりばく露対策なりが十分に行われない、危険認識が十分にない事業場をベースに、国として一定の指導なり、規制という措置が必要であろうということです。ですからこの「リスクあり」から最終的な措置に至るまでに若干の情報をかみ合わせての検討になると思います。いずれにしてもこの資料3に規制というのが、規制、指導一色であるというのは、事前に「リスクなし」というのをオミットした状態でとご理解いただけたらと思います。

○福光委員
 考慮すべき事項だけを見ると、かなりのものが当てはまるような気もしました。

○櫻井座長
 ア、イ、ウの取扱いの範囲等でも、これは中小企業等を念頭に入れた文かなと私は読みました。「物質等の取扱いが、広範囲にわたる等」という所がです。

○角元化学物質評価室長
 中小企業ということは、用途、使われ方、用途が多用途であれば、それで大体さらに広がりも大きくなってきます。

○櫻井座長
 「等自主的な健康障害防止対策には限界があると考えられる場合」というような表現になっていますので、どういう状況を想定するかは、これから各論になると明確にしなければいけないことがあるかと思います。この段階ではこんな書き方でいいのかなという気がします。

○加藤委員
 いまの所と関連するかもしれませんが、7のリスクがないと判断されるものの最後に、自主的に化学物質管理を行うことが求められると、要は非常に難しい所を自主的にやれと言われているような気もするのです。国などがわからないような所を企業で自主的に管理しなさいというような言い方にも受け取れてしまうのですが、これは非常に難しいのではないかと思うのですが、その辺はどうなのでしょうか。私の読み間違いでしょうか。

○角元化学物質評価室長
 ここは取りあえずはリスクはないと判断されたという前提です。もちろんリスク評価自体が一定の前提の下に、代表的な事業場について、そういう作業環境測定、現場調査をやったり、あるいはばく露推計をやったり、それは取りあえず前提となる主たる用途、取扱い形態からそういう想定を置いてやっているわけです。それに関しては「リスクなし」という結果が出ても、それ以外の我々としてはあるいはメーカーでさえも想定外の用途で、安全な用途、使われ方ならいいのですが、危険な使われ方がされる場合は、それはやはり使いように応じて、やっていただくべきだと思います。通常の使われ方であれば、多分もう大丈夫だろうというのが、この「リスクなし」という判定ですので、それ以外をやる場合は、当然MSDSに則って自律的管理をやってくださいということです。そこはそういう趣旨で、国がわからないものはそもそもリスクが判定できない、多分発がん性あたりになると、かなりそういう可能性もあります。そういう国がわからないものに関してどうこうしろという趣旨ではありません。

○加藤委員
 ということはリスクがないわけではなく、通常の使い方であればリスクがないという意味なのですね。

○角元化学物質評価室長
 はい、このリスク評価自体が、例えば10、20用途があるばく露形態すべてについて調べてと、そこまでは予定をしておりませんので、大体主たる用途、取扱い形態をベースに、それでばく露評価、推計評価等をやった上で、それなら十分マージンもあって、大丈夫だよということです。だからそれはもう自律的管理に任せていても大丈夫ということです。ただそうは言っても、物にはハザードが必ずあるので、ある前提でその取扱い方を誤ったり、危険な取扱いをすれば、当然そういう危険も伴うので、それはMSDSにハザード情報、取扱いの注意はありますので、それに則って自主管理をやってくださいということです。ここはそういう趣旨です。

○加藤委員
 そういう意味ですか。わかりました。

○櫻井座長
 リスクはないという一般的な意味ではなく、国がやるリスク評価においてリスクがないと判断されたものという意味ですよね。

○角元化学物質評価室長
 はい、当該特定の事業場の特定用途に関するリスク評価とリスクなしだと、本当に何も必要ないということですが、あくまで国が標準的に一定のモデルの下に、共通的なベースでのリスク評価を行った結果というので、それは100%安全を保証するものではないですということです。だからそれは違った用途、危険な使われ方をするのであれば、それなりの対策を取ってくださいという趣旨です。

○内山委員
 3頁の下から4頁のいちばん上にかけて、発がん性で閾値がないと考えられる場合には、一般的に当該値を算定できる物質は限定されている場合が多いことから、リスクの判定ができない場合も考慮する必要があって、その場合でも下のような措置をすると書いてあるのですが、先ほどの資料2−1の8頁には、「過剰発生率が算定できない場合でも、学識経験者等の意見を参考にして総合的に判定をしろ」と書いてあり、あるかないかをここで判定されてしまっています。これは閾値がある場合でも同じような無毒性量を求められないときには、総合的な判定をしろと書いてあり、閾値のあるほうに関しては、リスクが判定できない場合も考慮する必要があるとは書いてないです。発がんの場合だけはリスクが判定できない場合も考慮しろという項目があるのですが、同じ先ほどの2−1では、できない場合には、そういう既存の値がない場合には総合的に判定を行うという同じ文言になっていますが、発がん性の場合だけそういう項目を作った理由はあるのでしょうか。

○櫻井座長
 確かにこれ4頁のいちばん上、リスクの判定ができない場合も考慮する必要があるという文が、少しおかしくなってしまう気がします。一般的には当該値を算定できる物質は限定されていることは事実かもしれないが。

○内山委員
 その場合でも有識者で判定しなさいと書いてあり、閾値があるなしでも許容濃度・無毒性量が把握できない場合は総合的に判定しなさいと同じことが書いてあり、発がん性の場合だけ判定ができない場合も考慮すると、少し合わない気がします。

○櫻井座長
 だから限定されていようがいまいが、それは関係ないわけですよね。

○内山委員
 はい、そうですね。

○櫻井座長
 事実上そういうものは少なくて、閾値がないと考えられている場合以外の(2)のほうが多くなってしまうということは事実かもしれないです。そちらはそちらで4頁の真ん中(2)で書いてあるので、どうしたらいいでしょうか。(1)(2)(3)が何かお互いに少し錯綜しているような気が先ほどからしています。(3)人に対して発がん性の認められる場合というのは、また改めて出しているのもおかしいです。前にそれは含まれているわけですから。(3)人に対して発がん性の認められる物質の初めの2行も何か少し論理的にすっきりこないという感じがします。「主として人での証拠により人に対する発がん性が知られている物質」、これは確かにある。それはいいのですが、「または主として動物での証拠により人に対しておそらく発がん性がある物質」というのは、(3)で言っている人に対して発がん性の認められる物質とは少し違う。そもそも上の(2)の辺りも人に対して発がん性があるかもしれないから、何らかの規制をするわけですから、(3)の「または主として動物での証拠による人に対しておそらく発がん性がある物質」と、ここで改めて書く必要もないということです。

○石野化学物質評価室長補佐
 この資料全体がまずリスクがあると判定されたものについて講ずべき措置ということでそれぞれ書いてあり、4の所は発がん性のリスク低減のための措置です。(1)が閾値がない、(2)が閾値がある場合です。(3)が少し表現的にはわかりにくい所があり、確かに若干異質なのですが、発がん性の重篤性に鑑みリスク評価を行い、リスクがないという場合でも必要に応じて適切な措置を講ずべきであるという意味です。4の(1)(2)がリスク評価を行い、リスクがあった場合で、(3)はリスク評価を行ったが、リスクがないという場合だけを特別に位置付けており、少し異質的なところはありますが、そういう位置付けで書いています。主として人での証拠により人に対する発がん性はGHSの1Aの表現ですので。

○櫻井座長
 それを考えているのですね。

○石野化学物質評価室長補佐
 はい、(1)のア「人に対する発がん性が知られている物質」ということと、本当は少し表現を合わさないといけないのですが、少しそこの表現が若干混乱していると思います。また「主として動物での証拠により」ということは、GHSの1Bのことです。

○櫻井座長
 1Bのことですね。IARCならば、2Aに相当するものですね。

○石野化学物質評価室長補佐
 そうです。

○櫻井座長
 そうするとこれは主として動物での証拠によりということを敢えて書かなくても、その場合IARCの2のAは疫学的な情報も重要視されているわけですよね。疫学的な情報があるけれども、十分ではないけれども、あるものでしかも動物実験で明確な証拠があるものとなります。この表現を再検討していただきたいと思います。(3)の1行目から2行目にかけてです。GHSならば、1Aと1Bを念頭に置いているということですね。

○石野化学物質評価室長補佐
 はい、そうです。

○櫻井座長
 IARCに一致してくるのかどうかはどうですか。

○石野化学物質評価室長補佐
 1と2Aです。

○櫻井座長
 そうですね。IARCの1と2Aに該当するものと言ったほうが、いまの段階では誰でもわかりやすいと思います。この部分だけはハザードに基づく重篤性から考えて、ハザードだけである程度措置を取るという部分ですね。ほかはいかがですか。

○大前委員
 7のリスクがないと判断されるという所で、やはり言葉が気になるのですが、これは資料2−1、例えば9頁のフローチャートのMOEの計算、閾値のあるものに関しては現時点では作業が必要がないと判断される場合、閾値がない場合は10−4でも小さいリスクがあったと判断される場合にはこの7に相当するわけです。そうするとやはりリスクがないと書くと、これはやはり相当誤解を生むと思います。

○櫻井座長
 そうですね。

○大前委員
 ですからこの表現は変えたほうがいいと思います。この言葉を使えば、現時点で作業は必要ない。あるいは現時点でリスクが無視できるというような言葉にしたほうがいいと思います。

○古川化学物質対策課長
 加藤委員からもそういうような趣旨で、誤解を与えるということでご質問があったと思います。もう少し言葉をきちんと変えたほうがいいのかもしれません。

○加藤委員
 標題の所です。リスクがないのに何をやるのかなという感じがします。

○古川化学物質対策課長
 そうですねフローチャートの、このNOの所を言っているのではないかと思うのです。だからここだということがわかるように、書き改めたほうがいいのではないかと思います。

○櫻井座長
 スクリーニングの段階でリスクがない。あまりなさそうだと判断されたもの程度のことでしょう。その後詳細検討の後のことは言っていないのですよね。

○角元化学物質評価室長
 ここでオミットされて、詳細検討もしないわけですから、リスクありのものよりは情報量も乏しく、それだけ不確実性が増すという要素もありますので、おっしゃるように少し言葉をそういう意味合いをきちんと捉えられるようにしたいと思います。

○石野化学物質評価室長補佐
 ただいまご指摘がありましたように、若干言葉足らずの所がありますので、国が行うリスク評価において、先ほどの資料2−1の別紙のフローチャートのNOの所、作業が必要ないという所の情報収集に努める、この部分ですので、ここの表現をもう少し誤解がないように正確な形にするよう検討したいと思います。

○内山委員
 4頁の下、5の(1)(2)の所だけが「ばく露量が多く」になっていますが、これは先ほどの「ばく露レベル」と区別されて、これを使っていると考えてよろしいですか。

○櫻井座長
 おかしいです。なぜこれだけ残っているのでしょうか。

○内山委員
 どこかの文の引用ではないのですね。

○石野化学物質評価室長補佐
 はい、引用ではございません。

○櫻井座長
 これを「レベルが高く」と修正すればいいと思います。

○内山委員
 「レベルが高く」でいいと思います。

○石野化学物質評価室長補佐
 「ばく露レベルが高く」とした場合、ここは個別事業場のばく露の程度が高いということと、多くの事業場での多くの労働者がばく露しているという、その2つの意味合いを出したいということで、「ばく露量」という表現を用いているのです。「ばく露レベルが高い」とした場合に、その2つの意味合いが出てくるのかどうかが少し疑問です。

○櫻井座長
 なるほど。どういたしましょうか。このままにするのか。事実上は重度の健康障害を生ずるもの、あるいは中等度の健康障害でも多数の労働者にそれが発生するもの、あるいはするおそれがあるものぐらいの感覚なのですが。重度の健康障害が多数発生するものとしたら、では少しならいいのですかという話になってしまいます。ですから少し漠然と書いておくということでしょうか。表現の問題ですが。

○内山委員
 そういう意味で使っているのであれば、このままでいいと思います。

○櫻井座長
 このままでということでよろしいですか。

○内山委員
 はい、これは寛容というニュアンスを含んでいるというのはどう捉えても大丈夫だと思います。

○櫻井座長
 そのような感じでいいということで、このままにしましょうか。よろしいですか。やや漠然とした内容を含んでいるとご理解いただきたいと思います。ほかに何かございますか。大体お気付きの点は出つくしたかと思います。次回もう1回ありますし、それまでに追加のご意見があればいただきたいと思います。今日出されたご意見を基に事務局で必要な修正をしていただき、次回の検討会に提出していただきたいと思います。その他何かございますか。よろしければ事務局から何かありますか。

○石野化学物質評価室長補佐
 特にございません。

○櫻井座長
 次回の日程は2月2日の1時から3時となっております。ただ3時から労働政策審議会が後で入り、その審議会に出席しなければならない委員もいらっしゃるので、14時45分までとさせていただきます。次回は一応1時間45分の限定としますが、今日の感じではそれほど時間はかからず、すぐ終わってしまうかなという気もいたします。それでは以上で今日の検討会を終了いたします。どうもありがとうございました。


照会先
労働基準局安全衛生部化学物質対策課化学物質評価室
TEL 03-5253-1111 (内線5512)


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