04/12/24 第1回フードガイド(仮称)検討会 議事録          フードガイド(仮称)検討会(第1回) 議事録 日時 :平成16年12月24日(金)10:00〜12:00 場所 :農林水産省第2特別会議室(本館4階) 議事 :  1.開会  2.フードガイド(仮称)の策定について   (1)フードガイド(仮称)作成のねらいについて   (2)フードガイド(仮称)を構成する内容について   (3)フードガイド(仮称)のデザインについて  3.今後のスケジュールについて  4.その他  5.閉会 出席者: 【委員(五十音順)】  伊藤 俊一  社団法人日本フードサービス協会会員企業・         株式会社ジョナサン広報担当  伊藤 廣幸  社団法人日本フランチャイズチェーン協会CVS担当部長・         株式会社ローソン総務ステーションシニアリーダー  武見 ゆかり 女子栄養大学栄養学部助教授  田中 清三  全国飲食業生活衛生同業組合連合会会長  津志田藤二郎 独立行政法人食品総合研究所食品機能部長  中村 丁次  社団法人日本栄養士会会長  永田 浩三  日本放送協会番組制作局情報番組センター部長  服部 幸應  学校法人服部学園理事長  早渕 仁美  福岡女子大学人間環境学部教授  針谷 順子  高知大学教育学部教授  松谷 満子  財団法人日本食生活協会会長  宮川 誠一  日本スーパーマーケット協会販売促進委員会委員・         株式会社ライフコーポレーション首都圏販売促進部首都圏販売演出課長  横田 倫子  消費科学連合会企画委員  吉池 信男  独立行政法人国立健康・栄養研究所研究企画・評価主幹 【事務局】  岡島 敦子  厚生労働省大臣官房審議官  高橋 直人  農林水産省大臣官房審議官  中島 誠   厚生労働省健康局総務課生活習慣病対策室長  姫田 尚   農林水産省消費・安全局消費者情報官 ○姫田消費・安全局消費者情報官  それでは、定刻前ではございますが、全員おそろいということでございますので、第 1回「フードガイド(仮称)検討会」を開催したいと思います。  本日は御多忙中のところ、お集まりいただきまして、ありがとうございます。  本検討会におきましては、会議の取扱いでございますが、会議全体は公開といたした いと思います。議事録を後日公表するということにいたしたいと思いますが、よろしゅ うございますでしょうか。                (「はい」と声あり) ○姫田消費・安全局消費者情報官  よろしいというお声がでましたので、そういうことにさせていただきます。  それから、カメラ撮りは冒頭ということでございますので、もうしばらくカメラを撮 っていただきたいと思います。  それでは、まず本日の検討会の委員に御就任いただいた方々を御紹介させていただき ます。  まず初めに、五十音順でございますので、お手元に座席表があると思いますが、それ を見ながらということでお願いします。  社団法人日本フードサービス協会、株式会社ジョナサン広報担当の伊藤俊一様でござ います。  社団法人日本フランチャイズチェーン協会CVS担当部長、株式会社ローソン総務ス テーションシニアリーダーの伊藤廣幸様です。  女子栄養大学栄養学部助教授、武見ゆかり様です。  全国飲食業生活衛生同業組合連合会会長、田中清三様です。  独立行政法人食品総合研究所食品機能部長、津志田藤二郎様です。  社団法人日本栄養士会会長、中村丁次様です。  日本放送協会番組制作局情報番組センター部長、永田浩三様です。  学校法人服部学園理事長、服部幸應様です。  福岡女子大学人間環境学部教授、早渕仁美様です。  高知大学教育学部教授、針谷順子様です。  財団法人日本食生活協会会長、松谷満子様です。  日本スーパーマーケット協会販売促進委員会委員、株式会社ライフコーポレーション 首都圏販売促進部首都圏販売演出課長、宮川誠一様です。  消費科学連合会企画委員、横田倫子様です。  独立行政法人国立健康・栄養研究所研究企画・評価主幹、吉池信男様です。  次に、厚生労働省、農林水産省の出席者を紹介いたします。  厚生労働省大臣官房審議官、岡島敦子です。  厚生労働省健康局総務課生活習慣病対策室室長、中島誠です。  農林水産省大臣官房審議官、高橋直人です。  最後になりましたが、私、農林水産省消費・安全局消費者情報官の姫田でございま す。どうぞよろしくお願いいたします。  まず、議事に先立ちまして、本日、厚生労働省、農林水産省共催でございますので、 厚生労働省、農林水産省から一言ごあいさつをいたします。  まず、厚生労働省の岡島審議官、よろしくお願いいたします。 ○岡島審議官  本日は委員の皆様方におかれましては、大変お忙しい中、この検討会に御出席いただ き、ありがとうございます。  我が国の平均寿命、健康寿命は世界でも最高水準にありますけれども、より多くの方 々が、健康でいきいきとした生活を送ることができるようにすることが大きな課題とな っております。  このため、厚生労働省では、平成12年から健康寿命のさらなる延伸、生活の質の向上 を重視し、元気で明るい高齢社会を築くために、21世紀における国民健康づくり運動 「健康日本21」を推進しておりまして、栄養・食生活を始め、具体的な目標値を設定し て取組んでいるところでございます。また、平成15年には、その法的基盤としまして、 健康増進法が施行されたところであります。  この中で、栄養・食生活は健康づくりや生活習慣病の予防において最も重要な要因の 一つであり、食生活に関する正しい知識の普及・啓発の一つとして、これまで食生活指 針の普及・啓発を文部科学省、農林水産省との連携により推進してきたところでござい ます。  しかしながら、男性の肥満の増加、脂肪の摂り過ぎ、野菜摂取不足などの状況が見ら れ、食生活の改善が急務となっており、外食等における食事選択の場面で何をどれだけ 食べればよいかといった情報提供が重要となっております。  このたびは、個々人の食生活の行動変容に結び付けられるようなフードガイドとその 推進のための具体的な方策について、厚生労働省と農林水産省と協同で検討会を開催す ることといたしましたので、委員の皆様方から忌憚のない御提言をいただけますよう、 よろしくお願いいたします。 ○姫田消費・安全局消費者情報官  どうもありがとうございました。  続きまして、農林水産省の高橋審議官から、ごあいさつをいたします。 ○高橋審議官  では、開会に当たりまして、一言ごあいさつ申し上げます。  今し方、厚生労働省の岡島審議官からごあいさつがありましたように、平成12年3月 から政府の中で、文部省、厚生省、農林水産省のこの3省で食生活指針を定めまして、 これを推進してきたわけでございます。  ただ、こういった行政の難しさとしては、やはりその旗を振れどもなかなか現実とい うのは難しいところでございまして、この食生活の指針のみならず、政府全体で今、取 組んでおります食育の問題も、理想像と現実のギャップはなかなか大きいわけでありま す。  広く申し上げれば、今回のこのフードガイドを定めるこの委員会も、政府全体のその 食育の中で一つの取組みの一環というふうに私もとらえておりますけれども、何を食べ たらいいかとか、あるいはどういうものを食事としてとっていったらいいかと。その辺 の基本的な知識から、まず食育などから取り組んでいかなければいけないわけですけれ ども、まず最初に、どういうものを食べたらいいかということで、一番わかりやすい形 で、このフードガイドいう形で改めてお示しいただければというふうに思っておりま す。  私ども農林水産省といたしまして、政府の中のこういった取組みの一端を担う立場と して、こういったフードガイドができた暁には、関係食品産業の方々の御協力を得なが ら、普及に努めてまいりたいというふうに思っております。  まず第一は、どういうものを食べたらいいのか、どういうふうな食事をしていったら いいのか。そういうことが目に見える形で、ぱっと店に入るなりあるいは自分がそうい う情報を得るなりすれば、すぐわかるような格好で、そういったフードガイドができれ ば大変ありがたいというふうに考えております。  委員の皆様におかれましては、これからこのフードガイドを定めるに当たりまして、 忌憚のない御意見、御助言を賜りたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○姫田消費・安全局消費者情報官  どうもありがとうございました。  それでは、議事に入りたいと思います。お手元にお配りしております資料を確認いた します。  お手元に「配布資料リスト」というのがございますが、それに基づいて確認していた だきたいと思います。資料1〜6まで。  資料−1、「フードガイド(仮称)検討会開催要領」。  資料−2、作業部会の設置要領。  資料−3、「食生活指針の普及定着に向けたフードガイド(仮称)の作成について 」。 資料−4、「フードガイド(仮称)策定のねらい(詳細版)」。  資料−5、「フードガイド(仮称)を構成する内容(案)」。  資料−6、「フードガイド(仮称)のデザインについて」という、絵のかいたものが あります。  そこまでが資料でございまして、その後、参考が1〜10までございます。  参考−1、「食生活指針の推進について」  参考−2、「食生活指針(ビジュアルデザイン)」。  参考−3、「食生活指針の認知度について」。  参考−4、「『健康日本21』の概要及び目標値に対する暫定直近実績値」。  カラーで、参考−5、「健康づくりのための食環境整備に関する検討会報告書」。  参考−6、「食料・農業・農村基本計画の見直しについて」。  参考−7、「食料・農業・農村基本計画(抜粋)」。  参考−8、「食生活指針の普及・定着について」。  参考−9、写真が入っております「コンビニエンスストアの単身者向け事業」。  参考−10、「世界のフードガイド」ということです。  あと、健康づくりのための食環境整備に関する検討会の冊子が入っていると思いま す。  ないものがありましたら、係の者にお伝えください。  それでは、議事に入りたいと思います。カメラはもう終わっておりますので、ここま でということですが、よろしくお願いいたします。  それでは、検討会の設置要領の作業部会の設置について、説明させていただきます。  お手元の資料−1に基づきまして、「フードガイド(仮称)検討会開催要領」をお願 いいたします。  趣旨といたしましては、食生活指針が平成12年3月に当時の文部省、厚生省、農林水 産省3省の共同で食生活指針を策定したところでございます。その中で、その普及・啓 発を進めてきたところでございます。  ただ、残念ながら、先ほどの両審議官のあいさつにもございましたように、必ずしも それが十分な指標として、わかりやすいものになっていなかったというようなことがご ざいます。そして、我々30〜60代の男性の肥満、若い女性のやせ過ぎというようなこと が問題になってきているところでございます。  こういう中で、フードガイドの検討会を今回設置いたしまして、国民にとってわかり やすく魅力的なものを作ってまいりたいと考えております。  そして、今回の委員の方々にも、流通の方々に入っていただいておりますが、小売店 や外食におけるパッケージなどにも使えるようなフードガイドを策定したいと考えてい るところでございます。  検討事項はここに書いてあるとおり「フードガイド(仮称)を構成する内容について 」、「食品産業での具体的普及・啓発方法について」、そして、その他というようなこ とでございます。  構成はここに書いてありますように、厚生労働省の健康局と農林水産省の消費・安全 局の両省で、この右上に書いてありますように、両省での共催ということですので、そ れぞれが皆様方に委嘱するということにしたいと思っております。  あと、事務局につきましても、両省の生活習慣病対策室と消費者情報官に事務局を置 かせていただくということにしたいと思います。  以上、簡単でございますが、要領の説明でございます。  それから、その後のこの要領の下に、資料−2でございますが、「フードガイド(仮 称)策定検討作業部会設置要領(案)」というものがございます。そこで実際はかなり 効率的な運営を図っていくということ。そして、フードガイドというようなものの内容 からしますと、実際、作業部会で作業をする必要があるだろうということを考えており ますので、作業部会を設置いたしたいと考えております。  検討事項といたしましては、「フードガイドの策定に当たり必要な情報の収集・整理 」と「フードガイドの素案の作成」ということで、ここで素案を作成していただいて、 本日の検討会の方での最終的な決定をいただきたいと思っております。  運営構成については、ここに書いてあるとおりが私どもの案でございます。  ですから、まずここの要領案のとおり、具体的に本日は、資料−1の2の(3)のと ころの「その他関連する事項」のところに「別途設置する作業部会の報告に基づき、検 討を行うものとする」と書いてございますので、本検討会で作業部会の設置を御承認い ただくところでございます。  ただ、その前に本検討会を作業部会をやらずにやってしまいますと、今日ただ単に検 討の方向性ということだけになるということでございますので、事前に作業部会の委員 の皆様方に作業をいただいて、本日配布させていただいております資料−5と6を案と して、もう既に提出させていただいております。  ですから、作業部会は皆様方の御承認をいただく前に作業をさせていただいておりま すが、ここで作業部会の設置を御了承いただきたいと思いますが、よろしいでしょう か。               (「異議なし」と声あり) ○姫田消費・安全局消費者情報官  「異議なし」というようなことが聞こえたと思いますので、そういうことで御承認い ただいたものと考えさせていただきます。  資料−2要領のところの「案」というものを消していただければ、ありがたいと思い ます。  それでは、これからの議事に入りたいと思いますが、議事に入ります前に、座長を決 めなければなりません。それで皆様方と座長の互選ということでございますので、どな たか立候補、御推薦がありませんでしょうか。               (「吉池先生」と声あり) ○姫田消費・安全局消費者情報官  吉池先生という声がありますが、いかがでございましょうか。               (「異議なし」と声あり) ○姫田消費・安全局消費者情報官  では、異議なしということでございますので、吉池委員に座長をお願いしたいと思い ますので、よろしくお願いいたします。  それでは、吉池委員に座長をお願いするということで、議事進行を座長にお願いいた します。よろしくお願いいたします。 ○吉池座長  ただいま御指名をいただきました、吉池でございます。  本日は、議事も盛りだくさんにあるようでございますので、円滑な進行をどうぞよろ しくお願いします。また、それとともに、活発かつ前向きの御議論を期待しております ので、どうぞよろしくお願いします。  座って失礼します。  それでは、早速議事に入らせていただきます。最初の議事といたしましては「フード ガイド(仮称)の策定について」、事務局から御説明をいただきたいと思います。どう ぞよろしくお願いします。 ○姫田消費・安全局消費者情報官  お手元の資料−3に基づいて、説明させていただきます。横長のカラーのものです。  「食生活指針の普及定着に向けたフードガイド(仮称)の作成について」ということ で、左側に「農林水産省のねらい」、右側に「厚生労働省のねらい」というものがござ います。  まず農林水産省の考え方といたしまして、食料・農業・農村基本計画、現在、見直し の最中でございますが、今年度中に見直しが終わると思いますが、その中でいわゆる脂 質の摂取過多の改善あるいは適切な栄養バランスの実現を図るための食生活指針の普及 等を推進するというようなことになっております。  参考−6を見ていただくと、「食料・農業・農村基本計画の見直しについて」という のがございます。15年12月に、食料・農業・農村政策審議会の基本計画変更についての 諮問がございまして、その後1月以降、企画部会で作業をしております。順調に行きま すと、17年3月に、基本計画の答申を閣議決定を行いたいと考えているところでござい ます。  その中で、まず食料・農業・農村基本法第15条の2に、食料自給率の目標とか、そう いうものを定めなければならないというようなことを書いてございます。  第16条第1項に、「国は、食料の安全性の確保及び品質の改善を図るとともに、消費 者の合理的な選択に資するため、食品の衛生管理及び品質管理の高度化、食品の表示の 適正化その他必要な施策を講ずるものとする」というようなこと。  第2項に「食料消費の改善及び農業資源の有効利用に資するため、健全な食生活に関 する指針の策定、食料の消費に関する知識の普及及び情報の提供その他必要な施策を講 ずるものとする」というのが書いてあります。  ですから、今回その基本計画におきましても、こうしたことも踏まえて実施していく こととなっておりますが、並行いたしまして、食生活指針も含めて進めていきたいと思 います。  またお手元の資料−3にお戻りください。  そういうようなことも含めまして、いわゆる国の補助事業でございますが、県が事業 実施主体となっておりますが、食育推進ボランティアというものがございます。これは 全国で3万人の方々を養成しておりまして、平成15年、昨年から毎年、「食を考える月 間」というものをやっておりまして、これは1月ですから、今年も来月実施いたします が、そういう中での食生活指針の普及啓発などをやっているところでございます。  指針の認知度でございますが、年々上がってはいるんですけれども、わずかずつしか 上がっておりませんで、現在の認知度は15年度で25.1%というような状況になっている ということでございます。  そういう中で、私ども農林水産省は、いわゆる生産から消費までのフードチェーン全 体を所管している省でございます。その中でやはり今まで、いわゆる内食から外食への 消費が移行しております。その中でやはり各フードチェーンのそれぞれの段階におい て、何をどれだけ食べればいいかというような、食料消費に係る基本的な情報の提供が 必要になってきていると考えているところでございます。何分、昔は対面販売の中で、 いろんな情報の提供というのが、小売店で直接されていたというようなこともございま すが、現在においては、いわゆる新しい今のフードチェーンの中でなかなかその情報が 消費者に届かないというようなことがあるかと思っております。  そういう中で、いわゆる国民の目に付きやすく食料の選択や消費の参考となるととも に、外食、食品供給事業者、食生活改善に取り組むのが通常の業務活動の中で利用でき る具体的なツールの開発が必要と考えております。  要するに、今までは食生活指針もございましたが、必ずしも十分に理解されていなか ったというようなことがあるかと思っております。そういう中で、それを具体的にもっ とわかりやすくやっていこうということが当面の必要な課題と考えております。  参考−8には、それぞれの分野、食生活改善分野、教育分野、農林漁業分野、食品産 業分野の中で、どうやって食生活指針を進めていこうかというようなことを具体的に書 かせていただいております。  その次のページに、海外においては既にかなりのことで、わかりやすい食生活指針の ようなもの、フードガイドのようなものがつくられているという状況を書いておりま す。ここは米国だけを載せておりますが、米国だけではなくて世界各国、EU諸国、北 米だけでなくて、東南アジア、中国や韓国などでも実際にそういうようなビジュアルで 指針を示し、普及しているというものがございます。具体的には、ノルウェーなどでは そういうことを進めていく中で、食生活の改善がかなり進められたというようなことも 聞いておるところでございます。  参考−9で、私どもの取組みということで、これはコンビニエンスストアを使った補 助事業の委託事業で、実際のコンビニエンスストアの店頭でポップ広告を出して、いわ ゆるこれは3色ということで出しておりますが、エネルギーになるもの、体をつくるも の、ビタミンやミネラルの多い野菜など体の調整を図るものという区分、要するに、エ ネルギー源、たんぱく源、ビタミン・ミネラル源を3つの色に分けて、その3つをバラ ンスよくとりましょうというようなことでのポップ広告を行いました。  それぞれ3つがどのように含まれているかということにウェートをかけて、「ポップ による色分け」というところで、右の方の写真を見ていただいたらわかるかと思います が、その上に黄色と赤だけしか載っていないものが見えております。そして、黄色と赤 と緑の3色載っているものというようなものも見えておりますが、そういうようなもの を現在展開をしたところでございます。  参考−10が「世界のフードガイド」ということで、具体的に世界のフードガイドが載 せてございます。そういうようなことを私どもはやっていこうというようなことを考え ています。そうすることによって、農林水産省といたしましては、バランスの取れた食 生活の実現が図られるだろうと考えております。  もう一つの先ほど基本計画の中にも自給率の目標というのがございましたが、そのバ ランスの取れた食生活が行われるということが結果論としての自給率の向上に結び付く だろうということも、私どもの政策目標の中の一つの考え方でございます。  一方、「厚生労働省のねらい」ということでございますが、これは詳しくは後で室長 の方から説明をいただくと思いますが、まず厚生労働省の方としては、現在の30代〜60 代の男性の肥満の増加、野菜摂取量の不足というようなこと。特に外食の利用者の野菜 摂取量の不足。若年層を中心とした欠食、特に朝食の欠食が多いということがございま す。そういう中で、食事の摂取量の摂取基準としての科学的な根拠に基づくエネルギー とか栄養素量を提示するということ。そして、食生活指針として、バランスの取れた食 生活や適切な食品の組み合わせということを啓発・普及してきております。  管理栄養士や栄養士といった方々の専門的な栄養指導と食生活改善推進における啓発 ・普及の実施というようなことをやっております。  何をどれだけ食べたらいいかということ。これをうまく国民の方々にアピールしてい くものが必要になるということで、そのための適切なツールが必要だろうということで ございます。  個人へのアプローチとして、具体的に個人が行動変容をするような具体的なメッセー ジが必要だろうと。そして、健康づくりの観点から、食物の選択を資するための食品産 業界における環境の整備というようなことが必要になってくると考えております。  「期待される効果」としては、農林水産省と同じで「バランスのとれた食生活の実現 」と、ひいては「国民の健康づくり、生活習慣病の予防」ということが、政策の最終的 な目標になるかと思っています。  そういうことを具体的に実施していくということになりますと、わかりやすく、国民 に受け入れられやすいようなフードガイドを作ることによって、今までの食生活指針の 普及・啓発をより倍化していこうというようなことを現在考えている次第でございま す。  以上、簡単でございますが、説明に代えさせていただきます。 ○中島生活習慣病対策室長  それでは、引き続きまして「厚生労働省のねらい」の部分につきまして、私、生活習 慣病対策室長でございます。資料−4と、お手数ですが参考−4、この2つを使いまし て、姫田情報官から御説明をいただいたところでございますが、補足説明をさせていた だきたいと思います。私の方はちょっと座って失礼いたします。  資料−4に入ります前に、参考−4の方をごらんいただければと思っております。冒 頭、私どもの岡島の方よりごあいさつ申し上げた中にございましたように、生活習慣病 の予防というのは、近年ますますその重要性が高まりつつあると認識しておるところで ございます。高齢社会の到来の中で、健康寿命をより延ばしていくということも大変重 要でございますし、国民の健康を支えていく医療保険制度や介護保険制度というものを 長期的に安定させていくためにも、やはりしっかりした予防というものを講じていくと いうことは大変重要ということの基本認識でございます。  そういう中で、参考−4にございますように、平成12年から「健康日本21」という形 で、国民健康づくり運動を展開させてきていただいているところでございます。平成15 年にはこの「健康日本21」等に基づく健康づくり施策を進めていくための法的枠組みで あります、健康増進法というものも制定をさせていただいて、進めておるところでござ います。  「健康日本21」につきましては、1ページにございますように、21世紀における国民 健康づくり運動ということで、その基本的方向としましては、(1)にございます「一 次予防を重視する」ということでございます。日頃から疾病予防に資する生活習慣を形 成していただくということ。(3)でございますけれども、すぐ御説明申し上げます が、9分野にわたりまして、計70項目の具体的な数値目標を設定し、それを定期的に評 価していくということで、健康づくりの進捗状況を把握していくという手法を取らせて いただいております。  目標値のところでございますが、具体的な9分野は、(1)栄養・食生活、(2)身体活動 ・運動、(3)休養・メンタルヘルスといった基本的な3本柱。そして、健康に悪影響を 及ぼすものとしての(4)たばこ、(5)アルコールの問題。さらには(6)デンタルヘルス。 生活習慣病の典型とされております(7)糖尿病。(8)循環器病、(9)がんといったももの の計9分野を設定させていただきまして、一番下、点線で囲っておるところがございま すが、食塩摂取量、野菜摂取量、日常生活における歩数等々、計70にわたる具体的な目 標値を2010年において実現したいということで設定をさせていただいて、進めておると ころでございます。  実はこの「健康日本21」は2000年から2010年というところでございますが、来年2005 年はちょうど中間年に当たるものでございますので、中間評価を実施するということ で、実は既に中間評価の作業に着手をさせていただいておるところでございます。  具体的に御説明をいたしますと、3ページをお開きいただければと思います。今後、 厚生労働省において、「健康日本21」の中間評価を進めていきますが、必ずしも過去4 年、5年分の実績値が出ておらない部分もございますので、とりあえずの暫定的な直近 実績値をここに整理させていただいています。  3ページにございます栄養・食生活のところでは、幾つか目標値を設定しております が、例えば、適正体重を維持している人というものの増加をはかる。すなわち肥満を減 少させるということでございますが、実は20歳〜60歳代男性のところをごらんいただき ますと、平成9年の時点では24.3%の方が肥満であったということです。それを2010年 には15%以下にしましょうということで目標値を設定したわけでございますが、平成14 年時点では実は低下するどころか29.4%という形で、肥満の割合が増加しておるわけで す。  特にここら辺の分析につきましては、実は食品分類等の変更がいろいろありますの で、これら栄養・食生活の分野、直近実績値だけの単純比較ではなかなか難しい点もご ざいまして、実は吉池座長の方にそういうことも踏まえて、現在分析・評価をお願いし ておるわけでございますが、少なくとも肥満の割合は増加している。特に50歳代での増 加が顕著だということがどうも明らかになりつつあるということでございます。  また、1.2 、脂肪エネルギー比率ということも数値的には減少しているものの、男性 の20歳代、若い方の間では脂肪摂取の増加が見られるということ。  1.4 、野菜摂取量ということでございまして、どうも横ばいか更には少しは減少して おるようでございますが、やはり相対的には20歳代、30歳代の若い方が摂取量が低いと いうような傾向が出ております。  1.5 、カルシウムにつきましても、改善が見られるものの20歳代での摂取量がまだま だ低いんじゃないか。  さらには、1.7 、朝食を欠食する人の減少ということですが、男性の30歳代の方につ いては、朝ごはんを食べないという方の割合が増えている。食べる、食べないというこ とですが、お菓子や果物だけで済ましてしまうという方の割合も相対的に高いというよ うな傾向が出ておるわけでございます。  こういうことで、中間評価を進めていくに当たって、各分野、とりわけ栄養・食生活 分野はまだまだ改善すべき点が多いというのが実感としてあるわけでございます。  7ページを開けていただければと思います。7ページに「糖尿病」という欄が一番左 にございます。個別具体的に御説明を申し上げませんが、典型的な生活習慣病、とりわ け栄養、運動の影響が如実に反映する疾患でございます糖尿病。一番右の欄に「平成14 年度糖尿病実態調査」というがございますが、実はちょっとお配りをしておりません が、この糖尿病実態調査では、平成14年に日本において、糖尿病が強く疑われる方とい うのは740 万人おられるというデータが出ております。  そして、更に糖尿病の可能性を否定できないという方を合わせますと、実は1,620 万 人の方が糖尿病が強く疑われる、または糖尿病の可能性が否定できないということで、 糖尿病というのは、今後克服、改善していくべき大きな疾患の一つという現状になって おるわけでございます。  こういうのがまさに栄養、運動、日頃の行動変容を促すことによって減少させていく ということが大きな課題だと認識しておるところでございます。  10ページをお開きください。若干重なる部分もございますが、フードガイド策定に当 たって御参考にしていただくべく、これまでの国民栄養調査等のクロス分析等をしまし た幾つかのデータをお示しをしております。  10ページ、肥満の状況については、先ほど御説明したような状況でございまして、い わゆる30〜60歳代で3割肥満。ずっとこの20年間、着実な増加傾向にある。  一方で、女性につきましては、20歳代の4人に1人がやせ過ぎだということが指摘さ れるわけでございます。  11ページでございます。「昼食における外食の利用状況」ということですが、昼食を 外で済ませるという方の割合ですが、20〜40歳代、まさに働き盛り男性で5割以上が昼 食は外で食べますということでございます。  しかし、一方で左下ですが、外食の利用頻度が多い方ほど、野菜の摂取量が少ないと いう傾向がございますし、先ほど述べましたとおり、右でございますが、若い世代ほど 野菜を食べないということでございます。  12ページでございますが、更に若い世代の中では、どうもフライもの等を代表とする 油の多いものというものを控えるという傾向が余りないということでございます。そう いうことも踏まえつつ下の方でございますが、食品選択等に必要な知識・技術を自分は 持っていると答えている方の割合というのは、男性で3割、女性でも5割にとどまるわ けでございまして、そんな知識は全くないよと答えておられる方というのは、特に若い 世代で大変多いということでございます。まさに幼い頃からの食事に対する正確な知識 といったものの普及が大変重要かということも浮かび上がってきているところでござい ます。  資料−4にお戻りいただければと思います。こうした食事、食生活、栄養を取り巻く 厳しい状況でございますけれども、実は真ん中より上のところの囲みでございますが、 これまで厚生労働省としては、大きく3つの施策を講じてきたところでございます。  1つが、食事摂取基準の策定。2つ目が、農林水産省、文部科学省と連携をとり、食 生活指針を策定している。3つ目でございますが、全国の保健所、市町村、保健センタ ー等で専門的な知識をお持ちの管理栄養士、栄養士の方々から、いわゆる栄養指導、こ れは集団としての健康教室みたいなものから健診等で問題があるとされた方に対する、 いわゆるハイリスクの方々に対する個別の指導ということを実施しておりますととも に、本日、委員に御参加いただいております、松谷会長のところの食生活改善推進員は 全国に22万人の方々がおられます。こういう方々による草の根的な普及・啓発の実施と いったことを努めてきておるところでございます。  しかし、このような施策、一定の効果を上げているものの、まだまだ状況は厳しいと いうことでございまして、2ページでございます。今後の課題ということがありまし て、先ほどから、姫田情報官の方から繰り返しお話がございましたが、やはり適量に関 するわかりやすいツールといったものを国民の間に普及させていく必要があるというこ とでございます。  食生活指針は、確かに3省連携をし閣議決定までして決めておるわけですが、ある意 味でスローガンにとどまっておるところでございまして、国民お一人お一人の食事選択 の具体的な面で、即その知識といったものが反映できるという形には必ずしもなってい ないということでございます。  そういう観点から、フードガイドに対しては、私どもがお願いいたしたいと思ってお りますのは、まず一つは、基本編ということでございます。いわゆる1日に何をどれだ け食べればいいのかということをイメージ化する。ビジュアル化して国民がわかりやす く使えるものを作っていただければありがたいということでございます。  3行目にございますけれども、まさに子供向けのフードガイドといったものも今後、 必要かと思いますし、本日、流通の各場面で御尽力いただいている委員の先生方に来て いただいておりますけれども、レストラン等の外食、さらにはスーパーやコンビニでの 小売店等の惣菜選択の場面ごとにもそうしたフードガイドが使えるようなものが重要か と思っています。これは後ほど、下の「食環境へのアプローチ」のところでもう少し詳 しく説明をさせていただきます。  こうした基本編と並んで、やはりターゲットを絞った問題提起といったものも、この フードガイドの策定においてはお願いをいたしたい。とりわけ先ほどから申し上げてお りますような、30歳〜60歳代の方々の肥満の防止といったものが大変大きな問題でござ いますし、特に若い層の食生活の乱れ。食生活に関する知識の欠如と言いますか、そう したものをお持ち合わせでないということにターゲットを当てた形での問題提起型のフ ードガイドといったものも必要かなということでございます。  そこにつきましては、下に書いておりますような「個人へのアプローチ」ということ で、ターゲットを明確にし個人の行動変容を促す具体的なメッセージといったものをフ ードガイドの中に第2部という形なのかどうかというのはあれですが、盛り込んでいた だければ、大変ありがたいということでございます。  そして、一番下でございますが、「食環境へのアプローチ」ということでございまし て、説明は省かせていただきますが、参考−5等でお配りをしています、食環境整備の 検討会というものも置いて検討いたしましたが、行動変容には個人の自覚だけではなく て、個人を取り巻く食環境の改善といったものも重要だという御指摘を受けまして、や はり食品業界等の御尽力による環境整備といったものも大変重要だというふうに認識し ておるわけでございます。具体的には、外食や惣菜等の調理済食品について、過食にな らないサービングサイズといったものをどう考えていくのかということがございます し、外食において、個人がその日の自分の状況を踏まえて、量を選択していけるような システムといったものが考えられないのか。そして、どうしても外食、惣菜等につい て、油物が多くなっておるのが実状だと思いますが、そうしたものというのをなるべく 適正な量に減らしていくという努力も要るのかなと。野菜摂取量の不足という中では、 もう少し野菜を使った料理といったものを御提供いただけるとありがたいなどなど、こ うしたことを食品業界等においても工夫、御尽力いただけるような内容にしていただけ れば、大変ありがたい。  そういう中で、一番下のバランスのとれた食生活が実現をし、国民の健康づくり、糖 尿病等の生活習慣病の予防につながっていくということでございまして、このフードガ イドに対し、我が厚生労働省といたしまして、大変期待をさせていただいているという ところでございます。  以上でございます。 ○吉池座長  どうも御説明ありがとうございます。  ただいま両省から、それぞれの省の施策の中での本フードガイド(仮称)策定のねら いの御説明をいただきました。当然、両省は所轄が違いますので、出発点あるいは最終 的に期待される効果は異なるわけですが、一番大事なことは国民一人ひとりにおけるバ ランスのとれた食生活の実現であるというお話をいただいたわけですし、そのためには 食べ物を選ぶ国民一人ひとりとそれを提供する側の方に必要なメッセージを送りなが ら、社会全体として、その実現に向けていくというお話だったと思います。  それでは、各論の議論に入ります前に、施策的な展開も含めて、本フードガイドをど のように作っていくのか。特に具体的に、誰のためにどのようなフードガイドを作って いくのかということについて、皆さんから御意見をいただきたいと思いますが、いかが でございましょうか。  最初のところでは、消費者の立場からということ、提供側から、また両者をつなげる 一つの仕組みとしてのマスメディア、専門職あるいはボランティア、自主グループ等が あるかと思います。各お立場から、まず御自由に御意見をいただけたらと思いますが、 いかがでございましょうか。  松谷委員、どうぞ。 ○松谷委員  農林水産省、厚生労働省両方からいろいろと先ほど御発言がありました。私ども末端 のところでいろいろと考えてみましたときに、要するに農林水産省は予算がたくさんあ って、地方農政局にバンとお金が行って、農政局が県の流れとはまた違った形で農政局 が中心になりながら、関係県のそれぞれの中から、その食育推進のようなものを養成と いうのか育成というのか、何かそれをしていっていると。そして、結果論として、健康 と予防の視点というのがほとんどなくて、食品を我が県のとか、その地域の地産地消的 な方向に行ってしまっていると。今日はだから、農林水産省と厚生労働省とこうやって 一緒に集まって、これからの問題を考えるということについて、私は今、大変感動とい うよりも、何か期待を大きくしているということをまず申し上げたいと思います。  健康日本21をやったときには、先生が出ていらっしゃいましたかどうか、門脇先生も 含めて農林水産省の関係では鈴木先生ですね。食品総合研究所をこのたび退官されて、 仙台の方に行かれましたけれども、鈴木先生が出ておられ、そして、門脇先生や小児科 の方の関係では村田先生、いろいろ出られたときに、どういうようにやさしくやってい くかといったときに、1日30食品をというような形で多様な食品をということが予防の 立場から生活習慣病の立場から、その言葉が憲法みたいにわかっているから、そういう のを入れようじゃないかという主張をしていても通らなかったんですけれども、いずれ にいたしましても、両方でここで検討いたしますものが、今日は各界の方々がお集まり ですから、あの時よりもはるかに広い規模の方々ですから、私は大きく期待していると いうことをまず申し上げて、末端の実態と今お話していらっしゃることとの差が余りに も大きいので、これをどうやっていけばいいのかということを、またこの委員会の中で も検討していただければと思っています。  以上でございます。 ○吉池座長  どうもありがとうございます。  一番重要な視点としては、国民のより良い健康のための食生活の実現に向けて、現実 的にどのように動かしていくのか、また、実際の食生活等を踏まえてという御意見だっ たと思います。  どうぞ。 ○服部委員  今、松谷先生もおっしゃられましたけれども、私は食生活指針を普及するつもりで、 講演会を年間120 本ぐらい、全国に行かせていただいているんですけれども、それだけ ではなくて、勿論、食育ということの普及のためにやっているんですが、まず聞いてる みなさんに、100 人集まる、1,000 人集まったところで、手を挙げていただいているん ですが、ここにあるように20〜25%聞いたことがあるということでした。では、その方 々が食生活指針の内容がわかっているかというと、ほとんどわかっていらっしゃらな い。  ということは、今回のこの会議は国民に広く知らしめるという意味で、非常に重要な 意義があるだろうと思うんですが、まず第一に名称ですね。食生活指針という名称自体 が、針を刺すようでよくわからないと言われます。もっとわかりやすい言葉がないだろ うかと。マスメディアでもそうですし、どうもこれが理解できにくいということをよく 言われます。  ですから、ぱっと一般に理解されることが望ましいと、私も思っていました。  普及するためには、やはり学校を利用する。マスメディアだけじゃなくて、学校、そ れも義務教育期間中に少なからず、どれだけの食品をどうとるべきかということを知ら しめていくような、教育につながるものでないと意味がないなと思うのです。今日ま で、文部科学省の食育の方針が見えていないわけですけれども、この委員会でやったこ とが具体的におりるようにつなげていただきたいなと思います。 と言いますのも、現在の食生活指針はポスターを張ったり、いろいろそれぞれのお立場 で普及活動をしているんですけれども普及しにくい。やはり基本的なことは学校教育機 関で、きちんと小さい頃、若い頃に頭の中に入って、その読み方が理解できるように、 すべての人たちにわかりやすく普及するような、そういう施策を取らないと、普及しに くいんではないかと思います。  それと今までのものは、興味を持つには固すぎるんですね。もっとやさしく理解でき るような部分というのも、今後考えていかないと、私はポスターを見せたり中身を説明 しても一般の方には印象が薄いものですから、一切見せずに自分なりの展開をさせてい ただくような形を時たまとるんですね。そうすると何かインパクトを感じてくれて、え らいことになった、自分たちはそういう食べ方をしていたということになるんで、わか りやすいという部分を是非お願いしたい。余り私が長くとってはいけないんでしょうけ れども、ばっかり食いであるとか、ばらばら食であるとか、孤食、こういったものに関 して、やはり学校自体の現場を見ますと、給食の時間でも先生方も何の指導もされてい ないし、勿論、家庭でも、そういうのがどうして悪いんですかというようなことを言わ れるんですね。こういうことすら、まずわかっていない段階で、どういうふうに適切に 食生活をしたらいいかなどということがわかるはずがないんじゃないかなと思います。  両方の施策の最終目標が「バランスの取れた食生活の実現」というは同じなんです が、確かに、農水省関係で呼ばれていくと、食料自給率の普及の方に力を入れて話さな ければならない部分があるんですね。しかし、私はやはり740 万人も糖尿病患者がい て、予備軍が880 万人いて、毎年200 万人ずつ糖尿病患者が増えてきているということ になりますと、これは食生活の部分もやはり農水省と厚生労働省両方が共通で歩み寄る ような形をとらないと、農業は確かに大事ですし漁業も大事ですが、それも含んで、実 は食育という大きな観点で説明することが大切です。食育は、来年の通常国会で通って ほしいなと私は望んでいるんですが、そうなったときにこのフードガイドがそこのどの 部分に位置するのかというのもはっきりしておかないと、結局、食育が何の意味も持た なくなるし、フードガイドもまた別の歩き方をしてしまうんじゃないかという心配をし ております。  普及に関しましては、栄養士の養成施設、調理師の養成施設、又、料理教室は本当に オフィスレディーが飛び込んできて、明日から結婚ですというので、初めてお料理をや るような人が多く、そこの先生方というのは一番おふくろの味をわかっていて、昔から のものをやっているというので、こういう人たちも含めて普及活動をすべきで、それこ そ利用していただいて、家庭料理の先生方が動けるようなシステムというのも考えてい ただきたいと思います。 ○吉池座長  どうもありがとうございます。  名称の問題というのは非常に重要なことでありますし、いかに普及・啓発していくか という戦略も考えていかなければいけないと思います。今、服部委員からお話があった 中で、フードガイドの食育基本法の中での位置づけをどうするかということと、学校教 育の中での展開ということがありましたので、これについては後ほど事務局の方から簡 単に触れていただけたらと思います。ほかにございませんでしょうか。  どうぞ。 ○永田委員  NHKの永田でございます。  ここの委員のお一人でいらっしゃる武見さんたちと以前、子どもたちの食卓というス ペシャル番組を作ったものでございますけれども、実はその番組は15年前にも一度やっ ておりまして、いろいろNHKでも折に触れて食生活の大切さ、それを健康につなげて いくことの重要性について、ずっと言い続けてきてはいますけれども、現実は非常に厳 しくて、どんどん数値が悪化していくということの、我々メディアの無力さについても 実はすごく認識していて、だとすれば、本気でやはり訴えない限り、切実さみたいなこ とを認識してもらわない限り、実は国民一人ひとりの行動変容ということにはつながっ ていかないのではないかなという危機感を持っております。  では、どうするかということなんですけれども、私が思うのは、やはりこのフードガ イドいうのを食育の本当に根本に据えて、みんなが同じ物差しで結集して連帯していく ということがすごく大事なことかなというふうに思います。  例えば、社員食堂などを見ても、30〜60代の男性の肥満の増加とか、いろいろデータ をいただきましたけれども、そこでも職場の栄養士の人たちは本当に危機感を持ってい て、訴えたいということでいろいろ図表をその社員食堂に載せたりとか、いろんなこと があるんですけれども、何か共用できる同じものがあって、それを起爆剤にして連帯し ていくというふうになれば、とてもすばらしいかなというふうに思います。是非頑張っ ていただきたいと思います。 ○吉池座長  どうもありがとうございます。  本気でやらなければいけないということで、ここにお集まりの方々、皆さん本気だと 思います。  宮川委員、どうぞ。 ○宮川委員  現場のお客様が買い物されるところの場面を想定したときに、今お客さんが店頭で実 際に物を買われる時の購買の一つの基準として健康というのが大きな関心事なんです ね。従いまして、例えば、テレビ番組で健康に関する番組が出た時の翌日の商品の動き というのは異常な状況であります。  ですから、消費者の方から見ると、健康に対する興味というのは非常に強いというの を感じております。その中で、そのお客様が関心を持っていることは間違いないんです けれども、その提供の仕方というか、情報の種類が多くわかりづらいので、現実はなか なか正しい判断を実際に購入するとか購買するとかいう段階でちょっとしにくいのかな というのが現実かなというふうに思います。  今の御意見にもありましたように、消費者側と提供する側。これがやはり同一の基準 と言いますか、いわゆる、デファクト・スタンダードみたいな形の共通の物差しで健康 に対する情報が共有化できれば、興味を持っていただいている健康に対する、それに基 づいた購買ができるのではないかというふうに感じていますので、これを機にこういう 協会も含めて統一の基準ができれば、非常にいいことではないかなというふうに感じて おります。 ○吉池座長  どうもありがとうございます。  先に武見委員の手が挙がったようですので、どうぞ。 ○武見委員  女子栄養大学の武見でございます。  私も今、いろいろなところで使える共通の情報というか、例えば、子どもが学校で得 る情報、大人がスーパーなどで買い物をするときに受ける情報、それらが共通したメッ セージになっているということがすごく大事だと思っています。  実は、私たちも学校で子どもたちを通じて、いろいろな食育の取り組みをやり、それ を御家庭にもつなげるということをやっています。さらに、御家庭だけではなくて、地 域のそれこそ飲食店とかスーパーとか食料品店とか、そういうところからも同じ情報を 出すようなことをやっているんですが、今回ターゲットにされている30歳代〜60歳代の 男性、言うなれば、子どもたちのちょうどお父様世代の方たちなんですけれども、実際 この方たちをどこでつかまえるかというと非常に難しくて、学校の公開行事、いわゆる 学芸会とかそういう時にちょっとした情報をお出しすることはできますけれども、実際 PTAのお母様方たちでさえ夫の休みの日などの自由な時間に集まって何か学習しろと いうのは、はっきり言って無理です、というふうに言われるんですね。 では、職場だったらどうかというと、職場でも集めてやるというのは、実際これも以前 やりましたけれども、1,000 人いる事業所で5%、要するに50人ぐらいも自発的に来れ ば御の字という感じの実態があると思います。  では、いったいどこでつかまえるかというと、1つの可能性は、食物を選択する場、 食べる場なんですね。そこのところで情報を載せていくということがうんと大事になっ てくると思います。食べるところであれば、皆さん目にすることができると思います。 ただ、そのときは食べる時に食物を選択する時間はほんの数秒とか1分ですから、その 中で判断をして、これを使ってみたら自分に何かいいことがあるとわかるぐらい具体的 でわかりやすいということが、先ほどから出ている、わかりやすさのイメージなんだと 思いますので、そういうようなものができればいいなというふうに思っております。 ○吉池座長  次に、伊藤俊一委員の方から御発言いただいて、消費者の立場ということから、横田 委員からコメントをいただき、一度総論のところはまとめをしたいと思います。  どうぞ。 ○伊藤(俊)委員  食の健康ですとか安全と言いますと、私ども外食産業はどうしても悪者にされがちな んですけれども、決してそれが、私どもはそういう形ではなくて、もっと積極的に前よ り健康ですとか、安全・安心といったもので、前向きに取組んでいきたいというのを一 言まず冒頭に発言申し上げます。  そういった中で、今度フードガイドをつくろうという中で、決して、そのツール、い わゆるビジュアルができて、ポスターができて張ればいいというものではなくて、やは りそれを私どもの外食、そういったものを中心に、やはり国民に多く利用してもらうこ とが大事ではないのかなと。例えば、外食を1回する時にそういったものを見ながら、 では、今日はこういったものを食べてみようですとか、そういった形に国民の方々がな っていくというふうな形に持っていければベストじゃないかなと。  という中では、私どももできる限りは本当に協力していこうという考えでありますの で、今後ともよろしくお願い申し上げます。 ○吉池座長  横田委員、お願いします。 ○横田委員  いわゆる消費者団体としましては、今までの活動が主に自給率とか食育は一応入って おりますけれども、食の安全とか、そういうことに偏っていた傾向があります。当然、 私たちは知識がある者ということで、余りそちらの方に関わっていることはなかったわ けですけれども、今回こういういろいろな資料を見まして、やはりこれから消費者団体 の立場として、こういうことの普及とか啓発、それが一番大事かなと思います。  今回、30歳〜60歳代ぐらい男性の肥満の増加ということが言われていますが、50代以 上の女性で、私たちのようにある程度外へ出る機会の多い者はともかく、家庭内にいる 主婦などは、意外にこういう知識というのが欠如しているのが目立つんです。ですか ら、今回、放送関係の方もみえていますけれども、そういうことの普及というのは今後 ますますやっていただきたいなと、いつも思っております。 ○吉池座長  ありがとうございます。  どの委員の方からも、またどのお立場からも大変前向きな御意見をいただいて、あと はどこまで本気になってやるかということで、特に最初に各省からの「本気度」の表明 もありました。先ほど、食育基本法の中で、また学校教育をどうするんだという御質問 がありましたので、その辺の回答も含めて、事務局の方から御発言をいただきたいと思 います。 ○姫田消費・安全局消費者情報官  まず、松谷委員から地産地消ばかりというお話がございましたが、実は私どもも問題 意識がないわけではなく、私どもがやっている補助事業におきましても、来年度から、 地産地消ばかりでは補助対象にしないというようなことを打ち出しております。今まで も基本的には地産地消ばかりでは補助対象にならなかったわけですけれども、今回から 明示させていただこうということであります。  学校についてですが、まず、とりあえず厚労省と私どもでフードガイドをつくろうと いうことが基本だと思っています。それで勿論、普及段階において、あるいはこれがで きた次年度以降、子どもを対象としたフードガイドについて検討していただこうと考え ております。今回はまず国民全体に対するフードガイドということで、このような形で 開催した次第で、勿論文科省の方には情報提供を確実にさせていただいております。今 後、皆様方から頂いた方向で考えていきたいと思っております。 ○吉池座長  ありがとうございます。  それでは、また全体の議論は最後に必要があれば、立ち戻ってしたいと思いますの で、実際にフードガイドを構成する内容についての説明と議論を進めていきたいと思い ます。  これにつきましては、私の方から御説明を申し上げたいと思いますが、資料としてお 配りしているものは、資料−5、6でございます。併せて参考−2の食生活指針、3省 合同でその時作りましたものを御覧いただけたらと思います。  まず先ほど、厚生労働省の方から話があったように、少なくとも生活習慣病、健康と いうことを考えた時には、中年の男性は関心もそれほど高くない。また、外食等の比率 が高い、そういうターゲットに対して、いかにわかりやすいメッセージを送るかという ことがありまして、この3省合同の食生活指針の中では、主食、主菜、副菜という、そ のまま口にして食べる形での整理とメッセージが作られました。そして、それらを構成 する食品、食品群の説明が加えられたというものでございます。  基本的には、この時の整理を踏襲する形で、作る立場というよりは、基本的には食べ る立場で、しかも関心や知識等もそれほど多くない層に対してもわかるものを作ってい こうということで、最初に事務局から御紹介がありましたワーキンググループの中で細 かいデータも含めての検討をしてまいりました。  資料5を御覧いただきたいと思います。基本的に食べ物を主食、主菜、副菜というも ので整理をしていこうということですが、これらについてこの言葉になれ親しんでい る、かなりの方がおわかりかなと思っているかと言うと、なかなかそうでもないようで す。そういう意味で、括弧書きのところを常に含めて、しばらくは普及・啓発をする必 要があるのではないか。主食は御飯、パン、めんなどとなるわけですが、主菜と言った 時には、肉、魚、卵、牛乳、乳製品など、副菜についても同じような形になります。言 葉が長くなると多少インパクトが弱くなる部分がありますが、このような形でまず3つ を整理し、その普及・啓発を図っていくというようなところでございます。  これだけですと、果物、これはがん予防その他のところで大変重要な食品グループで ありますが、日本的な食生活では野菜と一緒にするわけにはいかないので、その他とし て果物を整理する必要があると思われます。また、菓子・嗜好飲料につきましては、 「全くとるな」という話ではなく、どこまでを目安とするかについてやや量的なことを 含めて表現する必要があるのではないかということで、「主食、主菜、副菜+果物+α 」といった整理がよいのではないかという議論になったところでございます。  これらについての表し方としては、2つ考え方があります。1つは、1食として、ど ういうバランスが望ましいかという表し方であり、もう一つは1日の中でということで ございます。  その際に、1食だけを取り出すと、その時たまたまという場合も多いので、基本的に は1日の単位で表していこうということになります。それらは単純化したメッセージな り絵として表していくわけですが、最終的には厚生労働省で策定をした食事摂取基準と の整合性を検討することにより、栄養学的にみてある幅の中で収まっているかの検討を する必要があるということでございます。  そうした時に、栄養学的にある一定の幅に収めながら、しかも複雑にならないために どのような整理をしたらいいかということで考えたのが、資料5の各グループについ て、少し細かい字で書いてあるところでございます。  主食については、案が2つ併記してございます。一つはエネルギーとして表すこと で、他方は、炭水化物として示すということでございます。その図で「SV」という言 葉が出てきております。それにつきましては、資料5の右下の方にあります「サービン グ」を略したもので、アメリカのフードガイド等で用いられているものでございます。 標準的に提供されるおおよその量を表す単位のことですが、日本語としてぴったりくる 言葉が、いろいろな場での議論がされているにもかかわらず、いまだない状況です。こ のことについても、御意見があればいただきたいと思います。ここでは仮にSVと表記 をさせていただきます。  仮にエネルギー約200 kcalというのを1SVとしますと、御飯軽く1杯ですとか、4 枚切り食パン1枚とか、そんな形になるようです。チャーハンなどは、これは油とか具 の部分も併せて考えると3SVということになります。では、チャーハンの具をどうす るんだということについては、後ほど説明します。  それに対して炭水化物で整理をすると、エネルギーで整理をしたときには、主材料で ある穀類等を中心としたもの以外からのエネルギー量が乗ってくるわけですが、炭水化 物ではそれが切り落とされるので、同じものでもSVの並び順はかなり変わってきま す。それぞれのメリット、デメリットについては真ん中の注1、2に記述をしておりま す。  次に主菜については、たんぱく質の供給源ということで、鶏の卵であると2個、牛乳 ですと2本が、たんぱく質約12gに相当するわけです。これを1SVとすると比較的ま とまった形の主菜の料理というのが1SV。例えば、ハムエッグ、焼き魚といったもの がそんなものになりますし、ハンバーグなどになると、これが2SV程度になるという 整理でございます。  また、副菜につきましては、野菜だけではなくて、いも、豆、海藻等も実質的には含 まれることになると思いますが、1SV70gとしています。これはちょうど野菜、ホウ レンソウのお浸し等の小鉢1つでこれぐらいのグラムになるようで、これを1SVとす るといいのではないかと考えています。野菜料理の中でも野菜炒めのように比較的大き な皿に載って、しっかりとると2SVになるという整理でございます。  また、果物については、1SVが100gでミカン1個、リンゴが半分といったところで ございます。これらついて、1日にとる目安の量ということについては、米国のフード ガイドにならった整理でございますが、かなり幅広い対象ではございますが、大きく3 つに分けています。それが中央の対象者グループでございます。1日のエネルギーにし て2,000 〜2,200 kcal辺りが中心になりますが、実際にはかなり幅のある話で、そこを 中心として±200〜300kcalの幅のあるグループかと思います。米国にならって整理をす ると、ほとんどの成人男女と8歳〜11歳の男子のエネルギーを基準にして、このグルー プに入れています。そして、それより低いグループ、高いグループを設けて、それらの 3つのグループで大体のところをカバーしようというところでございます。  この中央のグループを想定した時に、各SVでどのぐらいの1日量になるのかの目安 をお話しますと、主食については仮にエネルギーで表すと4〜6、すなわち5を中心と したものになります。仮にこれを炭水化物量として表すと、4になります。  また主菜につきましては、3〜4の間になります。  副菜につきましては、5にしますと「健康日本21」等の目標値350gに近くなります。 果物は2SVと表しています。  これらの事柄、すなわち「3+1+α」をどのように表現をするかについて、絵とし て、しかも量的な関係を含めて全体像を表すというのがフードガイド(仮称)の目的で ございます。絵柄については、後ほど御説明します。  消費者、すなわち食べる側に対して送るメッセージとして、これらをどう表すかとい うことがありますが、一方、提供側での表現方法を考えますと、外食等における示し方 として、例えば、カレーライスは、主食だけ、主菜だけということにはならないわけで ございます。カレーライスの場合は、御飯の部分だけを取り出すと主食で2SV、主菜 で1SV、仮に付け合せのサラダとして割としっかりしたものが付いていれば、1SV ということになります。このところは、余り細かく0.1とか0.2と表してもわかりにくく なるだけです。また、これらを表示する側も手間が大変になると思いますので、おおよ そ0.5、1、2 、3ぐらいのところで整理し、細かいところは多少目をつぶりながら、 わかりやすい表現をしていくと良いと思われます。カツ丼であれば主食が1、主菜が2 というような形で、表しながら、こういうものを外食として提供していく時に、「3+ 1+α」のところをどういう形でわかりやすく表示をしていくかが大切になると思いま す。外食だけではなくて、スーパー、コンビニ等で売られている弁当、惣菜もある程度 の整理ができるのではないかと思います。  これらを絵としてどのように表せるかということと、更に消費者への情報提供という ことについては、この大ざっぱな絵の部分に加えて、数値的に言いますと、エネルギ ー、脂質、食塩ぐらいのところは現在も表示されています。しかし、今回新たに食事摂 取基準が出されたところですので、それらを基準として、1日の目標目安とする量に対 して、その1食なり1パックがどのぐらいの量に当たるかといったものを、米国では %Daily Value として示しています。これは表示の中に標準的に含まれているものです が、こういうものを表していく必要があるのではないかと考えています。  これらについて、ワーキンググループの個々の議論について、図にまとめておりま す。その後の2ページの参考のところは、また今のことを文章として整理しているもの ですので、後ほど御覧いただけたらと思います。  続きまして、それをどう絵として表すのかというところでございます。資料−6を御 覧いただきたいと思います。以前の3省合同の食生活指針では量的なものまでは十分に 示すことのできないままに、この扇型のような形で面積がその量を表しているというこ とであったわけでございます。資料−6は横長の1枚紙でございます。  これにつきましては、基本的なコンセプトを踏まえて、今回はデザインやコンセプト づくりのプロの方にお任せしようということで、詰めた議論もこれから行おうとしてい るものでございます。2D、3Dといった表現方法が考えられる中、米国のピラミッド 型というのは上下関係がはっきりしているというメリットはあるものの、特に御飯その 他の主食をしっかりとるという意味で、下のベースのところに置くのはいいわけです が、主菜、副菜、果物等をどこにはめるかということの難しさがあります。  また、箱型、ブロック型的なものとして、お弁当箱というのは日本的であるわけです が、1食のイメージが強過ぎて、1日としてはいかがなものかという議論があります。  円錐型というのはピラミッドの少し変形という意味合いがありますが、デザイン的に はいろいろな工夫ができるのではないかということと、右側の円錐をFのプレート型の ように上から見れば平面の○になるといったようなこともあるので、立体的に使った時 と平面的に見た時をうまく組み合わせることにより、いろいろなメッセージをかなり印 象的に表現できるのではないかといったところが、デザイン等を検討していただいてい るワーキンググループの尾坂委員からお話をいただいたところでございます。  いずれにしても、先ほどお示ししたような料理等のグループをどのように表すかの検 討も始めているところでございます。  以上、御説明したことにつきまして、御質問ございますでしょうか。ワーキンググル ープで御検討いただいた先生方、何か補足があれば、お願いしたいのですが。  どうぞ。 ○中村委員  主食、主菜、副菜という大きな柱で分けるのは、日本的で大変面白いアイデアだろう と思っております。ただ一つここで問題になるのは、おそらく国際的にもそうなんです が、たんぱく質食品の中の牛乳、乳製品の取り扱いが非常に難しくて、ほかの国々はみ んなこれは独立させているわけでございます。独立させている1つの理由は、微量栄養 素の供給が他のたんぱく質と一緒にしてしまうと難しくなるというのがあるわけで、こ の取り扱いをどのようにお考えでしょうか。 ○吉池座長  ここについても、ワーキンググループでかなり議論があって、2つの選択肢を議論し た結果、一緒にしようということになったわけです。特にカルシウムの給源としては重 要であるということは、決して忘れてはならないことですので、主菜群に入れた時も、 その具体的なリストとして示す時は、カルシウムの給源としては重要であるといった形 でマーキングをして、その旨のメッセージも付けるようにしたら良いのではと考えてい ます。  例えば、カルシウムの摂取を十分にするためには、例えば、そのマーキングされた食 品を1日最低1SVは担保をするといった形のメッセージを付加することによって、今 の御懸念の点についてはクリアできるのではないかと考えています。  他にございますでしょうか。  松谷委員、お願いします。 ○松谷委員  先ほど委員長がおっしゃったように、主食、主菜、副菜というのは本当にわかってい るようでわからない人たちが非常にたくさんいるわけです。わからない人たちには、お 宅には御飯茶碗があるでしょう、必ずみんなありますと。それから、みそ汁などを入れ るお碗があるでしょうと言うとある。器から説明しなくてはならなかったり、更に高齢 者の場合だったら、どうするかと言ったら、もう仏様にお膳を上げるでしょうと、その 時にどうしていますというぐらいのことから話さなくてはならないくらいになっている ことと、子どもたちの日本の食文化がまさに壊れていることをPTA連合会の会長が財 団の会合の時におっしゃったことがございます。もう壊れてしまっていると。これを再 構築していかなくてはならないと。それを再構築することの難しさをおっしゃっていた わけなんですけれども、そういうことでその辺を前提に置いて、わかりやすくどのよう にやっていくかということを作業部会としては考えていかなくてはならないことだと、 私は思っております。  そういうことで、どれがいいかとかという問題になって、まだ頭の中がいろいろと混 乱しておりますけれども、日本の食生活がアメリカのように単純だったら本当にいいん です。はっきり言って日本は複雑です。例えば、イタリアなどになりますと、大体パタ ーンがあって、そして自分たちの風土に根ざした食べ物を大事にしていこうというよう な基本的なものがずっと伝統的に持っていらっしゃるし、だけど、日本の場合は、もう 世界から買ってきて何でもいいからと、あるいは家庭で調理をしない人たちがいっぱい 増えてきてしまっているという、まさに食生活文化が壊れて家族が一緒に食べるという 機会が一度もないとか、こういうような形になってきておりますから、これを作ってい きます時に、私はよほど絞り込みをしていかないと、指針に全部入れようとすると、こ ういうものになるわけなんです。わかったようなわからないような、こんなのを外国と 比べた時にみっともなくて見せられないような指針。この時にすぐ直すというのが、あ れから5年間全然手が付かないで今日になったわけですから、今度作る時はそういう轍 は踏まないようにしていただきたいと思います。 ○吉池座長  絞り込み、単純化、より印象的なものというのは、今回のポイントだと思っていま す。また主食、主菜、副菜というものを量的なところまでいかなくても、きちんと普及 ・啓発していくこと自体も大事なことだと思うのですが、その点について、針谷先生、 この主食、主菜、副菜を以前から御研究なされたお立場からお話いただけますか。 ○針谷委員  松谷先生に御指摘いただきましたように、この主食、主菜、副菜というのを考えまし たのは、やはりいろいろに日本の食事というのは各国の料理が入ってきていますので、 それを栄養教育の視点からシンプル化しようという趣旨で、本当にいろいろたくさんあ るんですけれども、大きく3つプラス1という形でくくってみようというのが趣旨でし たので、これが少しわかりにくい部分もあっているのかもしれませんけれども、何か食 卓のイメージ等を含めて、器のイメージ等を含めて理解していただければ、日本の食文 化が再構築、再生できるのではないかというふうに思ったりもしているところです。そ のようなことでよかったでしょうか。 ○吉池座長  ありがとうございました。  では、先に手が挙がったので、永田委員、どうぞ。 ○永田委員  否定的なことを言うようで申し訳ないんですけれども、私はやはり主食、主菜、副菜 概念は、もはや日本社会の中で壊れてしまったと思います。ここの例に出ているひじき の炒め物とかダイコンのみそ汁というのが最初の例に挙がってくるのは、やはり現実と 相当ギャップがあり過ぎる。実はお好み焼き1品とかたこ焼きしか食べないとか、チョ コレートしか食べない若者とかいっぱいいます。そういう子供たちが一番危機的状況に あったりして、この人たちに響くものすごいわかりやすいものでないと、やはり現実的 な行動変容につながらない。  理想は確かに、日本の伝統食の復活というのは、おっしゃるとおりすばらしいことで すけれども、そこのところを目標に掲げるとギャップが激しすぎるんじゃないかという ふうに、私は思います。 ○吉池座長  今いただきました御意見で、ここで例として挙げさせていただいているのが、厚生労 働省の国民栄養調査のデータ等で、これは家庭で作られたということにはなるのです が、頻度が高く出てきた料理について整理をしていますので、実際そういうものをほと んどとらない方もいるのかもしれませんが、まだ食べられているものが例となっていま す。  また、どこまでの要求水準というか、レベルで考えるかといった時に、今おっしゃら れたように、余り高いレベルというか、必ずしも家庭で作ってとかではなくて、セーフ ティーネット的に最低限ここまでということを構築するためにこのような整理をしてい くことを考えています。今、永田委員からいただきましたことについては、十分頭の上 に置いて一番注意しなければいけない部分の改善につながるメッセージにする必要があ ると思います。  どうぞ。 ○服部委員  欧米の例だと、5D運動だとか、まずパッとキャッチがあって、それは何かというと 5つのディッシュをとりなさいよと。それも色が5種類の色のもの。それは野菜を中心 にとったり果物をとりなさいとか、5プラス2ディッシュとかあるんですね。2ディッ シュというのは100g、100gの果物で、5は70g ずつのいろんな野菜をとりなさいとかあ るんです。  これは違う運動なんですけれども、そのようなパッとわかるものにして、これは先ほ ど委員会で作られたんだと思うんですけれども、勿論最終的にはこういうものにつなが っていくんですね。それで更にもっと細かくつながっていくんですが、その前のキャッ チが欲しいなと。  では、ピラミッドみたい、円錐型みたい、箱型みたい。これはビジュアルでは非常に いいんですが、その前にパッとキャッチありきではないかと。キャッチがあって、そし て、それが絵になるんですけれども、色で分けて、本当に先ほどこれをメインディッシ ュだとかベースだとかサブだとかあるんですけれども、私は英語で言っているんです が、主食だとか主菜だとか副菜ですね。あと、今の子どもたちは別に横文字にする必要 はないと思うんですが、フレンチ行こうとかイタリアン行こうとか、和食をたまに食べ ようやというのもあるし、家庭における非常に複雑な部分もあるし、ですから、そうい うのは次の段階でサインが出てきて欲しいんです。もっとわかりやすくね。  しかし、最初からこれを言われてしまうと非常に、我々はわかっていても一般の人は わからない。もうこれ以上入るのやめようという気になるんですね。ですから、その前 の段階が欲しいなと。それがこの絵だけじゃなくて、もっとわかりやすいもの。  それと、これはどのぐらい予算がおありなのがわかりませんが、この委員会でDVD だとかビデオでプレゼンテーション、何でもそうですが、世の中に物を知らしめる場合 にプレゼンテーションが必要だと思うんですが、アニメを使ったり、そういうものがど この家庭にも届くなりの工夫が必要で、ポスターだけじゃなくて、それがどういう具体 的な意味であるかというものをつなげていくようにしていただければ、もっともっと情 報は後の方に入れられる。ただ、キャッチが必要だと。キャッチは目に見えるビジュア ルな部分と耳から入ってくる両方がわかりやすく欲しいなというふうに感じておりま す。 ○吉池座長  それでは、津志田委員、お願いします。 ○津志田委員  やはり現在の食生活指針は非常にいいと思いますが、実際に今足りないものは何で、 こういうものを食べさせたいという、その主張がなかなか伝わってこないところがあり ます。服部先生の御意見とほぼ似ているんですけれども、指針を見た時にこれを食べな ければいけないんだなというイメージが伝わるようなものを、これはこれとして、やは り作っていかなければいけないのかなという気がします。  果物について、ちょっと思ったんですけれども、その他の中の区分に入れられていま すが、世界的に見ますと、日本は果物の消費が非常に少ないというふうに言われていま すので、こういうような取り扱いですと、何か脇に置かれている印象があるので、もう 少し食べた方がいいという印象が伝わるような方向で出していただければいいのかなと 思います。 ○吉池座長  他にございますでしょうか。  武見委員、どうぞ。 ○武見委員  服部先生がおっしゃったことはごもっともだと思うんです。全体として何を伝えるの かという一つのメッセージみたいなものをきちんとするということは大いに賛成です。  今回のこの資料−5に示されたのは、その中をどうするかというところの話になって きていると思いますので、そのときに一応、食生活指針などでもうたわれている主食、 主菜、副菜というものが、もう少しわかりやすくなるようにということで、実際にはそ の括弧書きにあるような食品群でどう食べるかというような情報とも、つながるような ものということで、このような提案をワーキンググループからはさせていただいている わけです。  さっき永田委員の方から、子どものことが出ましたけれども、実際に学校給食などで は、今かなりこういう主食、主菜、副菜というような概念と合うような形で給食の献立 が提示されてきたりしております。現実として、それがもう壊れてきているという面は ありますが、やはりねらっている方向とか学校教育の中でということを考えた場合に は、こうした一つの日本の食卓からイメージしやすい主食、主菜、副菜という料理での 枠を出していくということは非常に大事ではないかと思います。  あと、果物のことに関して申し上げれば、この「その他」という表現はちょっと何と かした方がいいかなと実は思うんですね。やはり「その他」というのがちょっと付属的 なイメージになりますので。果物をもう少し魅力的に位置づけるのであれば、この辺の 表現はちょっと検討が必要かなと思います。すみません、ワーキンググループの方から 出しておきながら。 ○吉池座長  松谷委員、どうぞ。 ○松谷委員  その他の問題のところに果物だけが入っていますけれども、何か永田委員が先ほど質 問されたように、牛乳は私は独立させて入れていただきたいなと。今、高齢化社会で骨 粗鬆症の問題で寝たきりにならないためにもとなった時に、日本では6つの基礎食品で は牛乳・乳製品と海藻・小魚の骨などありますけれども、海藻とか小魚というのは、ま た別のものとして、私はここにやはり牛乳・乳製品は果物と同じような位置づけで入れ ていかないと、日本の中でお料理に使うというのは、本当に都会の一部の人たちであっ て、日本全国というわけにはなかなかいかないので、牛乳・乳製品はここで独立してい ただきたいなと、私は今、感じました。  そのことをこれから検討されていくときに、先ほど言ったように、日本の食文化が壊 れていると言ったのは、小学校の段階とか中学校の給食の昼の御飯はいいんです。家族 一律をトータルで見て、高校生ぐらいになったら、全然壊れていっています。  更に、学校給食で教育が徹底していれば、20代、30代の人の食生活はいいはずなんで す。それがこれで見た時に壊れていると。だから、学校は学校なりでひとつ一生懸命や っていただくけれど限界があるということから考えたら、食生活というものはやはり基 盤としては家庭を基盤に、一応生きるということを基盤に置きながら、トータルでわか るような内容に、易しく、どこに絞り込むかということを考えてやっていかなくてはい けないんじゃないかなと、私は今のことに併せて、ちょっと一言申し上げました。 ○吉池座長  ありがとうございます。  どうぞ。 ○中島生活習慣病対策室長  事務局でございます。こうした議論を踏まえまして、改めて私の方からのお願いでご ざいまして、実は資料−4で私から御説明申し上げた、または参考−4で御説明を申し 上げたことをもう一度再度お願いをしたいと。  すなわち、松谷委員の方から食生活指針について、大変手厳しい御意見をいただいた わけですが、やはり率直に申しまして、これまでの栄養行政はある意味で模範的、理想 的な像を描いてやってきたところがありました。要するに80点、90点、100 点をとりな さいよという形であります。ところが、生きている人間はなかなか聖人君子ではござい ませんので、まず覚えきれないし、誘惑に弱いということがございます。  私が実は参考−4で詳しく今の国民の栄養状況の偏り等を御説明しましたのは、フー ドガイド、ある意味で教科書的にこういう食生活を実現していくことが重要だという理 想像を描いていただくとともに、私どもとしては、ターゲットを絞って、せめてこれだ けはしっかり守ってもらいたいということを強く打ち出していただきたいわけです。  一般的な国民に理想的な食事像を提供するということはすべてにおいて基本でござい ますので、そういう取り組みというものは大変重要でございますが、この段に及びます と、誰に対して、せめてこれだけは確実に毎日の食生活で守ってもらいたいということ を。そして、それを余りに専門的な用語で語られても難しゅうございますので、具体的 に野菜350gというのはこれだけだと。そして、これに火を通すとこれだけぐらいになる んだということがビジュアルで明確にわかるようにと。または油をとり過ぎないように という点では、カツ丼を食べると1日にとるべき油のこの程度の量は、このカツ丼1杯 で摂取されるとか、そういう今の栄養状況、国民の世代ごとに抱えている問題点をわか りやすく国民に問いかける。それが私どもの方のお願いしている資料−4の2ページに あります「第2部 ターゲットを絞った問題提起編」というところは、是非とも、これ をいわゆるフードガイドの模範的なものに附属というのか副編というのかあれですが、 そういうものを是非ともお願いをしたいと。我々はそこに大変関心を寄せさせていただ いているということをちょっと申し上げたいと思います。 ○吉池座長  今、事務局から御発言がありましたように、ターゲットの絞り込み、また見せ方とし ての単純化、明確化というのは非常に重要なわけですが、一方ではその単純に見せてい く中での詳細な検討も必要になります。ある方が自分の食生活をきちんとアセスメント をして欲しいといった時には、管理栄養士、栄養士さんが中心となって、そこの部分を 個と対応しながら、こういうツールを使って、よりわかりやすい形で栄養指導をしてい くという両面が必要なんだろうと思います。その辺、管理栄養士の栄養指導という立場 から、それをどう栄養指導として展開していくかについて、早渕先生、御意見があれば いただきたいと思います。 ○早渕委員  いろいろな先生方から本当に貴重な御意見をいただいて、やはりまず永田先生とか宮 川先生からもいただきました、みんなが共通の物差しを持つというのは、やはりすごく 大事で、ワーキンググループではその共通の物差しというのを主食、主菜、副菜から入 ったところはひょっとしたら間違いかなとちょっと思いました。  実際、私の大学でも管理栄養士養成をしておりますが、入学してくる学生のかなりの 人が主食、主菜、副菜を知りませんし、実際、食事計画をさせてもなかなか難しい。一 般の人はもっとだと思うんですね。やはりそういう面ではわかりやすくということを考 えますと、やはり赤、黄、緑、3色の分類は小学校から入ります。信号で言うと赤は危 険だよということで、たんぱく質源で油も入っていて、赤は危険だよ、食べ過ぎてはい けないよと。黄色は穀物ですね。そして、緑で野菜とか果物という感じで、赤、黄、緑 とかという方から入るのがいいのかなと思ったりしました。  そして、実際うちで調査などしますと、今、主食とも主菜とも副菜とも言えない、も う1品ですべてをカバーするようなもの。特に一人暮らしですと、一皿料理あるいは1 つの丼ぶりですましてしまっていて、とりあえずは計算するとそれなり、まあまあとい うものもあれば、全然偏っている、ラーメンの麺だけで穀物だけというものあります。  外食の中にもいろいろ工夫がされていて、ハンバーグと言いながら、ここで言えば主 菜という分類になるんですが、実際には野菜たっぷりのハンバーグもあったりですね。 そういう面では、やはり赤、黄、緑ぐらいで、主食、主菜、副菜とかいうことではなく て、そのもののいわゆる栄養適否がパッとわかる。小さな子であっても、赤、黄、緑の 信号に見立てればわかるのかなとか、そこら辺をいろいろ反省しつつ、今からのフード ガイドもいろいろお手伝いさせていただきたいなと思っております。 ○吉池座長  ありがとうございます。  今おっしゃったようなことについては、具体的にどう整理するかを悩みながら、今回 複合的なものについては、余り細かいことを言っても複雑になりすぎますので、ある程 度単純化をして分けていくしかないだろうと思っています。外食よりも更にコンビニエ ンスストアではさまざまな形態のものが売られていますので、複雑ではなく、しっかり としたメッセージを伝えていかなければいけないと思われます。まだ御発言されていな い、伊藤廣幸委員、いかがでございましょうか。 ○伊藤(廣)委員  今、コンビニエンス業界は約四万一千店ございます。そしてご利用いただいている主 な客層は若い方が中心でした。しかしこれからの高齢化社会を俯瞰しますと、今後は高 齢者が主要客層となっていきますことは間違いございません。従って、今後はなお一層 拡がりをもった客層にメッセージを発信する役割がコンビニエンスストア業界に求めら れているものと思います。 しかしコンビニエンスストアでのお客様の購買行動は極めて直感的で、今食べたいから 買う、おいしそうだから買う、という行動で比較的短い時間で買い物されます。こうい ったことから、コンビニエンスストアでのメッセージの発信の仕方は、ビジュアルで視 覚的に訴求していかないと、お客様に伝わらないと思いますので、先ほどの早渕先生が おっしゃった、赤、黄、緑といったようにビジュアル的に区分していくという方法が一 番わかりやすいと思います。 ただ、気をつけなければいけないことは、量をどれくらい食べたらよいか、あるいは、 適量はどれくらいかといった表現もしていかないと、食べ過ぎのようなことが起こる可 能性がありますので、併せた表現方法ができれば、コンビニエンスストアでのメッセー ジとして伝わるのではないでしょうか。 ○吉池座長  色のことを含めてどう表現をするかについては、デザインのところで御意見をいただ きますけれども、基本的な出発点として、料理、口に入る形で難しさはありながら、進 めていきたいということで、私自身も含めて検討をしてきたわけですが、その辺、武見 委員、どうぞ。 ○武見委員  今のことに関連するのですけれども、その赤、黄、緑の3色分類というのは、確かに 浸透していると思うんです。でも、一般の方たちは、その3色というのは何かそんなよ うなものがあったなというぐらいではないでしょうか。では、実際に赤は何なのか、黄 色は何なのかというところまでは決して認識していないわけです。  その赤、黄、緑の3色分類とも、この主食、主菜、副菜はおおよそ対応するようなイ メージで作られているわけですね。主食がエネルギー源ですから黄色、主菜が赤、副菜 が緑ということになります。  いわゆる食材料、食品で何グラムと言われてもわからない人たちが多いからこそ、一 番食べる状態に近い、料理の形で何とか表現したいと考えたわけです。  その表現の仕方自体が、今これだけ見ていてわかりにくいのは、まだいわゆるビジュ アル的になっていないとか、いろんな問題があるからだと思うので、基本的な区分整理 としてこれでどうなのかということを、今日の段階ではワーキングの方から提案させて いただているというふうに御理解いただければと思います。 ○吉池座長  服部委員、どうぞ。 ○服部委員  基本的には、ガイドを作るわけですから結構なんですけれども、ただ、その表現はそ れぞれあるにしても、もう一つ、私は人に説明する時なんですが、その前に問題提起を いつもするんですね。なぜ朝食が必要だと思いますかとか。そうするとわからない人が ほとんどなんですよ。それを説明すると、へえ、やっぱり朝食を食べなければいけない んだと。ここで説明をすると時間がかかるんでしませんけれども、その他にアレルギー 疾患が今増えている、糖尿病が増えている、いろいろあるわけですね。  こういったことを何かキャッチフレーズでいつも危ない危ないよという、気を付けな さいよというのがドーンと出る。今、確かに厚生労働省からも出てはいますけれども、 確かあったような気がするぐらいで終わっているんで、その後にガイドからピッと目に 付くように、だからとらなければいけないんだなと。これをとりなさいと言われても、 今どうなっているかわからなくてとりなさいと言われても理解に苦しむだけだと思いま す。  最後の方になってしまったんで、話が飛びますけれども、この前、洋服のデザイナー の方々と議論をすることがありました。今、女性はみんな10歳ぐらいから17、18歳まで の服が余りにも細いんですね。この服を着られなくなってはいけないというんで、実は やせているんだという逆の発想もあるんですね。  ですから、そういう方々も含めて、お呼びしなければいけないかなというか、それと 学校給食に関しては、アメリカなどでは朝食まで学校給食になってきているんです。こ れがいいかどうかは別にしましても、国の大きな施策になってきていますので、この辺 の見方というのも、また必要かなと。  あと、アレルギー疾患に関しましても、先日も小児科の先生にお会いしたら、うちの 子どもはブルーのおしっこが出ないんですが大丈夫でしょうかと。コマーシャルを見た ブルーのおしっこを見て、本当にそうだと思っている人がいたり、うちの子どもの離乳 食はカスタードプリンですと言うんですね。1日7個食べさせましたと言うんです。実 は5か月の終わりぐらいまでは母乳以外は受け付けないということをお母様方は余りに 知らなさ過ぎるんですね。それ以外の要素のものが入ってくると、特にアレルギーで24 品目決められたものの中の牛乳と卵と小麦粉とピーナッツとそば粉ですか。それ以外は 青背の魚だったりイカ、タコ、エビ、カニ、アワビだったり、そういうようなたんぱく 質なんですけれども、こういったものが5か月以前に入ってくるとアレルゲンの基にな るんだということを、わかっていない人たちが多過ぎるんですね。  ですから、私は学校給食の段階で、これから栄養教諭というのも出てくるけれども、 もっと興味を持って何で朝食を食べなければいけないのかと理解できるというものにし ないと、もっともっとあおらないといけないような気がします。 ○吉池座長  そろそろ最後の時間も気にしなければいけなくなってきましたが、少しデザイン的に どう表現をするかについて、今回は中身もきちんとして、しかもわかりやすくという目 標があります。  更に言うと、それが例えば、飲食店やスーパー等に張るなりしていただいた時に、あ んなのダサくてだめというものでは困るので、デザイン面についても御意見があればい ただきたいと思います。また、先ほど、SVということで、とりあえず呼んでおります が、皿というイメージも何かパッとしないし、逆に横文字でサービングサイズの方が何 か目新しい言葉なのかなという意見もあったわけですが、その点の御意見をいただけれ ばと思います。 ○中村委員  こういうものを作る時に、専門的な制度を高くすればするほど使いにくくなって、使 いやすくすればするほど制度は悪くなるというのは、これはもう宿命でありまして、そ こをどこで目的に応じて、バサッと切るかというのが最も論点になるんだろうと思うん です。  おそらく今日の論点の課題は、さっき武見委員がおっしゃっていた、国際的には食品 群別のガイドラインを料理別のガイドラインに日本はしようと。これは新しい提案だろ うと思うんですね。その提案に対して、もう少し例えば、食品群別にすれば、こういう メリット、デメリットがある。料理別にすれば、こういうメリット、デメリットがある ということを整理して、そして、この委員会で議論をされた方がいいと思うんです。  この料理別のガイドラインというのが出たら、これは国際社会ではもう専門家もびっ くりして、おそらくよくやったという意見もあるし、非常にいろんな問題を含んでいる という意見も出るし、それに耐えられるだけの論点を少し整理しないと難しいんではな いかなというふうに思っております。 ○吉池座長  今、大変重要な御指摘、御提案をいただきましたが、この点について、いかがです か。 ○松谷委員  賛成です。 ○吉池座長  基本的にワーキンググループにおいても、両者検討しながらも、作業的、時間的なこ とも踏まえて、料理をベースにして、具体的な検討を進めてきたわけです。今、中村委 員から御提案をいただいたような形での両者を並べてというところの議論を本日深くし ていただく予定にはなっていないわけですが、時間的なところも含めて、どのように今 後進めていくかということについて、少し考えたいと思います。その辺について、事務 局の方はいかがでございましょうか。 ○姫田消費・安全局消費者情報官  まず一つは、今、作業部会で御検討いただいている中で、中村委員からお話があった ように、いわゆる食品別ではなくメニュー別の考え方を取り入れたことについての御提 言だったと思います。実は、私どもとしてはできればこのフードガイドを今年度中に取 りまとめて、来年度は打ち出す年だと思っております。もしこの場でそういう方向で御 了解いただければ、その方向で作業部会で作業をしていただいて、この後、第2回を3 月頃に開催する方向で考えたいと思っております。是非メニュー別というところについ ては、この部会の中で方向付けをお願いいたします。その上でまた作業部会の中できち んと検討していただき、これまでの御意見を何らかの形で出し、3月に開催できればと 思っているんですけれども。 ○吉池座長  今、論点となっている、食べる人にとってわかりやすい形として、主食、主菜、副菜 という料理ベースでの整理が、作業部会では幾つかの検討をした中でベストとは言わな いまでも最良なものなんだろうと考えました。その辺の考え方、背景については、武見 委員の方からもお話をいただいたわけですが、それについて、先ほど、中村委員もまだ まだ検討が必要だということを御意見いただいたのですが。  どうぞ。 ○田中委員  非常にローレベルな話かもわかりませんが、我々が一番こわいのは、私どもは一般飲 食でございますので、とにかく家庭で、これを食べたらいかぬ、あれを食べたらいかぬ というものを外食のときに食べるわけですね。山の神から注意される料理を外食の時は 食べられるわけなんです。  そういうふうなことで、それがやはり我々のニーズにもなるわけなんですね。1つの こういうものを作られると該当が外れてしまうわけなんですけれども、しかし、一番我 々が商売で怖いのは、中毒なんですよ。この肥満もそれに等しいものだろうと思うんで すね。  だから、中毒に対する問題はポスターとかいろんな標語で求めております。ズバリ一 番書かれるものは、やはり小学生がこういうことをしたら中毒になるんだ、こういうこ とだから中毒はこわいんだというポスターを書いてくるわけです。中毒に非常に認識が あるんですね。そうであれば、これは絵というものをかかせて、肥満というものはどう いうことだという絵をかかす時において、こういうものを食べたら肥満になるんだ、こ んなものを毎日食べたらこうなるんだというようなことから、漫画でもいいんですが、 そこから入っていった方がこんな難しい図よりもズバリではなかろうかと思うことを申 し上げまして、終わります。 ○吉池座長  ありがとうございます。  中村委員の御提案がありましたが、当初の出発点としては、御説明しましたように、 食べる人、特に中高年男性ということでありますので、料理ではなくて、全く食材料、 食品から出発ということは、ないのだろうと考えております。  ですから、表現方法として、どのような形、細部のところを加えるかどうかといたし まして、基本的に食べる側によりわかりやすい表現で進めていくこと。現時点でのベス トではないかもしれないけれども、既に3省合同の食生活指針でも主食、主菜、副菜と いう表現はとっておるわけですので、まずこれを軸に進めていくということで、今日御 意見をいただいたことについては、ワーキンググループで検討していくというようなこ とで、今日は整理をさせていただきたいのですが、いかがでございましょうか。基本線 としては、主食、主菜、副菜で今後のさらなる検討を進めていくということではいかが ですか。  中村先生、どうぞ。 ○中村委員  いいです。 ○永田委員  でも、そこのところが実はさっき議論をしたんじゃないんですか。だから、私はせっ かくこういうふうに準備をされているのを別に1から引っくり返すつもりはないんです けれども、ただ、やはりそこのメリット、デメリットと今日議論したわけですから、基 本的な路線についても、実は主菜・副菜という考え方にやはりメリット、デメリット両 方検討しながら進めていただくという話し合いだったんじゃないでしょうか。  私はやはり思うんですけれども、例えば、単位のサービングの考え方でも、基本的な 概念がベースにあって議論できる。つまり理解できるという人たちを対象にしている考 え方で、そこの手前のところの理解ができていない人への配慮がやはりもっと必要なん じゃないかというふうに思います。 ○姫田消費・安全局消費者情報官  事務局からですけれども、今、事務局が言おうとしたことをほとんど永田委員に言っ ていただいたので、やはり今日御議論いただいたことを踏まえて、作業部会の方で是非 もう一度、それを踏まえた中での作業をお願いしたいと思っております。つきまして は、今日、委員の方々に集まっていただいて、この議論をしていただくのがやはり今日 の基本的な趣旨でございますので、作業部会で御議論をいただいた後、もう一度その検 討結果をこの場で御報告いただくということで良いかと思っております。 ○吉池座長  どうぞ。 ○中村委員  私もこの主食、主菜、副菜というのを否定しているんじゃないんですよ。非常に面白 いチャレンジなんで、それに耐えれるだけのきちんと論点整理をして、出された方がい いだろうというところです。 ○吉池座長  どうぞ。 ○早渕委員  私も先ほど、赤、黄、緑を発言いたしましたけれども、基本的には武見先生もおっし ゃったように、この主食、主菜、副菜、料理レベルと食品レベルはかなり関連があるん ですね。ですから、そこをきちんと整理しまして、提示するなら、やはり料理レベルの 方が一般の方はわかりやすいので、料理レベルなんですが、その根底には食品があって という辺りを上手に整理できるんじゃないかなと。わかりやすく料理レベルで示すけれ ども、その根底には食品があってということで整理していくような形で努力していった らと思いますので、よろしくお願いします。 ○吉池座長  当初、事務局からお話があったように時間的なことがあったので、今後のスケジュー ルについては、かなり急がなければいけないと思っていたわけです。ワーキンググルー プで一度その点も含めて整理をするということで、3月ということでは、その次の議論 ができなかろうと思いますので、今日の議論を踏まえて、また事務局でも調整をしてい ただきたいのですが、それより早い時点で、どういう形で大枠での整理をするかという ことについて、本委員会を開催していただき、更に具体的なところを3月に向けてやっ ていくことになるかと思います。先生方、それでよろしいでしょうか。 ○松谷委員  ちょっとお尋ねしますが、最初のこの検討をした作業部会の構成メンバーはどなたで あったかということだけ聞かせてください。 ○吉池座長  事務局から当初御説明あったと思います。 ○姫田消費・安全局消費者情報官  説明が十分でなかったかと思います。最初の資料−2の要領のところに、1枚紙でご ざいますが、それを見ていただければ、入っていると思います。 ○松谷委員  わかりました。 ○吉池座長  それでは、委員の方から異議がなければ、今お話ししたような形で、今後進めさせて いただきたいと思います。 ○服部委員  最後に1つ。もしピラミッド型を考えるかどうかわかりませんが、私がいつも思って いたのは、ピラミッド型というのは上にこうなっているんですね。この円錐型でもいい んですけれども。逆さにすると、まず何をとったらいいかという、そういうものにつな がるんです。今までですと逆なんですね。アメリカのものは。下がベースがあって。我 々日本人というのは、パッと見た時に上にいわゆるここで言うところの主食があって何 とかというのにつなげられるようなことがあるんだったら、両方のプレート。プレート 型と円錐型でも逆さにするようなものを組み合わせいただけると、すごくわかりやすい かなというふうに、先ほど、中村委員からのお話もあるように、プレート型の方で言え ば、いわゆるどういうたんぱく質であるとか糖質であるとか脂質であるとかの割合です ね。それで円錐型の立体になりますと、いろいろ具体的にそんなものが見えてくるんじ ゃないかと。それも逆にすると非常にわかりやすいと私は思っていたんです。 ○吉池座長  それでは、今後のスケジュールについて、進め方について、委員から特に御異論がな いようであれば、今日のこの委員会については、私の進行の不手際をおわび申し上げる とともに、これで終わりにさせていただきたいと思います。  それでは、事務局の方にお戻ししたいと思います。 ○姫田消費・安全局消費者情報官  それでは、本日の御検討結果を受けまして、作業部会の方で再度論点を整理していた だき、その成果を報告していただく方向で日程調整をさせていただき、第2回目を開催 させていただきたいと存じます。  本日はお忙しいところ、長時間にわたり、時間も超過しましたが、活発な御議論あり がとうございました。  それでは、これを持ちまして、第1回の「フードガイド(仮称)検討会」を閉会させ ていただきたいと思います。どうもありがとうございました。 (照会先) 厚生労働省健康局総務課 生活習慣病対策室栄養調査係 内線2344,2345