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資料1−4

平成16年11月15日

厚生労働省医薬食品局

在日米国商工会議所 医療機器・IVD小委員会


定期会合(審査関連)での検討課題


 改正薬事法施行に向け、事前に確認させていただきたい事項について列挙させていただきました。(各項目とも、議題として提案)


1.市販前審査
1.1.承認事項の変更への対応
医療機器は次々と改良を重ねていくことによって医療のニーズを満足し、患者のQOLを向上させるという特質を有しており、現実には製造工程や品質保証の方法等を頻繁に変更しており、これらは主として品質システムの中の変更管理で対応を求められています。一方我が国では、今後さらに製品・製造に関する詳細情報を承認事項とする傾向が予測されることから、今後さらに承認事項を変更しなければならないケースが増加することが予想されます。医薬品に関しては、薬食審査発第0628001号(平成16年6月28日)により、FD申請を行った医薬品(体外診断用医薬品を除く)に係る「一変申請中の一変申請」を認めることが通知されております。ここで、医療機器に関しても次のような提案についてご検討いただきたいと考えております。
 (1)一変申請中の一変を認める、もしくは一変申請中の追加変更を可能にする。
 (2)承認事項の軽微な変更に対する「変更届」の範囲の明確化及び拡大。
 (3)患者又は医療従事者に対する安全性向上のための改良・改善は、特に柔軟に対応する。

1.2. 認証基準・承認基準の国際基準化への働きかけ
 現在、認証基準並びに承認審査基準作成作業が進んでいます。「国際競争強化のためのアクションプラン」の進捗状況等(医政局経済課、平成16年4月30日)において、GHTFを通じた薬事審査における国際整合性の推進を平成17年度に進めてゆくことが報告されております。しかし新たな認証基準、承認審査基準の作成に国際整合は不可欠であり、今その作業を効率的に進めるため、GHTF、ISO/IECなど国際的な基準作成活動への積極的な参加をお願いいたします。
 国際又は地域規格が現存しない中で作成したJIS基準については、本委員会委員長を始め多くの委員が日本発の基準として海外に発出し、国際規格に格上げすることを強く希望しております。ここで障害となるのは単回使用製品ついて日本は「O」メンバーであり、意見・提案を行う立場にないことです。これまで作成してきたJIS基準並びに今後更に基準化する品目数を考慮すると、ISO・IECの然るべき部会に対して日本側から確りと国際規格として提案できる基盤を構築するべきだと考えます。これまで作成したJIS基準をそのまま日本独自のものとして位置付ければ、別途国際又は地域基準が制定された場合、日本の基準もしくは同基準に適合し日本で販売される製品が国際整合性の観点から国際規格から逸脱するものになる可能性も否めません。

1.3.承認プロセスの迅速化
 国内で承認・販売されている製品(特に新・改良医療用具)は、諸外国で販売されている製品に比べ一世代若しくはそれ以前のタイプである場合が多く見られます。承認の時期が遅れる原因には、要求事項の違い、審査のプロセスの違い等、様々な要因が考えられるでしょう。これらの違いについて具体的な事例を挙げながら検討できる機会をいただき、今後の承認プロセスの迅速化に貢献できることを希望しております。

1.4.新たな審査事務処理期間(タイムクロック)の設定
 審査事務処理期間については医薬品医療機器総合機構の中期計画に盛り込まれていますが、薬事法改正に伴い新設される業務及び区分等に関しても適切な事務処理期間の設定を希望いたします。
 (1)承認/認証基準なしの後発医療機器
 (2)改良医療機器の一部変更申請
 (3)GMP調査
 (4)海外製造施設に関する認定


2.海外製造所に関連する課題
2.1.監査方法
 日米両国間の協議において、GMP相互承認又はそれと類似した協力関係の構築は、患者の先進技術へのアクセスを促進し、両国の産業に有益であるという結論に達した1と聞いており、FDAが運用するQSR監査データベース等の適切な利用方法の確立等の具体的な方法論については、今後とも両国間で継続的に協議されることと認識しています。このGMP相互承認またはそれと類似した協力関係の構築完了に至るまで、もしくは構築後も並行して実施されるステップとして、改正薬事法後の近い将来、海外の第三者認証機関が行った監査結果及び認証について、日本国内の第三者認証機関又は医薬品医療機器総合機構がレビューし、その監査結果及び認証を受け入れる制度を制定することを提案します。

2.2.運用
 海外製造所に対して監査を実施する場合、以下の点について明確にしていただきたい。
 (1)認定製造所の登録:登録が求められる製造所等の範囲及び必要情報の明確化
 (2)監査の実施:実地監査、書類監査を求める判断基準
 (3)監査手数料:内容に応じ実地監査、書類監査の選択権とそれぞれの手数料設定
 (4)ISO13485:2003への対応:ISOで定めた移行期間(2006/6)の受け入れ


3.移行期における諸事取り扱い
 改正薬事法の施行に伴う承認・許可等の取り扱いに関する種々の経過措置等が設けられることをお聞きしておりますが、次のような事例に対する扱いについてご説明及びご検討をお願いしたい。
 (1)許可品目(類別等許可品目、JIS適合品目)において、クラス分類の変更に伴う新たな認証・承認取得に関して
 (2)製造販売承認書に求められる記載事項に対する既存の承認書の扱い
 (3)承認品目から認証品目へ移行する品目の扱い
 (4)現在、外国製造承認として品目許可を複数取得している(輸入販売業者が複数存在している)製品の扱い
 (5)法定表示:新たに認証/承認が求められる場合、取得期限が次回の業態更新時期であることから、経過期間を更新後2年間(出荷:1年、市場:1年)としていただきたい。また取得前においても市場の混乱を避けるべく旧法表示に加え新法表示ができるようご検討いただきたい。
 (6)基本要件:既存製品に対しては、再度適合性を求めることなく適合していることとして認めていただきたい。
 (7)医薬品等の輸入に係る届出:経過期間を定め、4月1日の時点での混乱を最小限に止めていただきたい。

 また、改正薬事法の施行において、旧法下で承認もしくは許可を受けている医療機器であって、改正法において新たな認証・承認を必要とする品目に関しても、なおしばらくの間、新法下での認証・承認を取得しているものとのみなし措置が設けられているところでありますが、これらの製品についての表示について、安全使用推進の観点および市場での新たな管理手法への情報提供のため、新法下で求められる表示を行っても差し支えないこととしていただきますよう提案します。

以上


1 日米間の「規制改革及び競争政策イニシアティブ」に関する日米両首脳への第三回報告書(2004年6月8日)


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