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確定拠出年金
連絡会議
第12回
平成16年12月14日
資料4

確定拠出年金制度における投資教育を行うに当たっての留意点


1.投資教育への関わり方
 (1)  事業主、幹部にどのように必要性を説明し、費用を確保したらよいか。

 (2)  事業主と運営管理機関の役割分担はどのようにしたらよいか。事業主として直接行った方がよい部分は何か。
 企業内にコールセンタを設置。
 制度概要については人事担当者が、資産運用の基礎知識や金融商品の仕組みと特徴についてはフィナンシャル・プランナーがそれぞれ説明。
 事業主として、勤務時間中の実施、場所の提供、独自の資料の作成等を行う。

 (3)  労働組合との関係はどのようにしたらよいか。


2.投資教育の内容
 (1)  制度導入時、新規加入時、継続教育時に行うべきことはどのようなことか。
 とりわけ継続教育時に行うべき内容はどのようなことか。
 制度導入時は、確定拠出年金制度及び退職金等の福利厚生の概要、資産運用の基礎知識、金融商品の仕組み等について、説明会を開催したり、ビデオやテキストを配布。
 新規加入時は、新人研修の一環として退職金や年金についての初歩的な説明を実施。
 継続教育時は、資産配分の考え方、商品別の特徴の概要等について、制度導入時よりも進んだものを説明会で提供。
 社内報等を活用し、過去の質問等のQ&Aや運用結果の事例等を掲載したり、インターネットを通じて資産運用に関する情報等を定期的に提供。
 就業時間外に希望者を集め、質疑応答の形式で実施。

 (2)  内容をわかりやすくするための工夫としてどのようなことをすべきか。
 レベル別の教育の場を設ける。(ゲーム感覚で参加できる教室)
 テキストはできるだけ文字数を減らし絵や図を使ったり、マンガ本を活用したりしながら、初心者でもできるだけ見やすいように工夫。
 ビデオ、テキストの説明会資料等を専門家の意見を取り入れながら、レベル別に作成。
 投資教育内容について、事前に労働組合と打ち合わせし、できるだけわかりやすい資料を作成。
 専門用語を簡単な言葉に置き換えて、わかりやすい教材を作成。

 (3)  興味をもたせるようにするために何をすべきか。
 社内報等により、実際の運用結果の事例を紹介し、自らの結果と成功例、失敗例等を比較できるようにしている例、将来の受取額等が簡易に計算できるキッド等の作成、配布している例がある。

 (4)  投資教育の効果はどのように把握すべきか。
 アンケート調査等。

 (5)  具体的な運用方法についてのアドバイス等の求めに対する対応はどのようにすべきか。
 投資顧問会社等の専門会社と協力・連携している。
 労働組合が独自に加入者からの相談を受けている例がある。


3.事業主が行う投資教育の法的位置付け
 (1)  投資教育、継続教育の法的位置付けやガイドラインの作成についてどう考えるか。

 (2)  現行の年金局長通知(「確定拠出年金法並びにこれに基づく政令及び省令について(法令解釈)」)の投資教育に関する部分の加筆、修正は必要か。



≪参 考≫

【確定拠出年金法】

(事業主の責務)
22条 事業主は、その実施する企業型年金の企業型年金加入者等に対し、これらの者が行う第二十五条第一項の運用の指図に資するため、資産の運用に関する基礎的な資料の提供その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。


【確定拠出年金制度について(平成13年8月21日年発第213号)】<抜粋>

  (別紙) 確定拠出年金法並びにこれに基づく政令及び省令について(法令解釈)

第2  資産の運用に関する情報提供(いわゆる投資教育)に関する事項

 1. 基本的な考え方

(1)  確定拠出年金は、我が国の年金制度において、個々の加入者等が自己責任により運用し、その運用結果によって給付額が決定される初めての制度である。確定拠出年金が適切に運営され、老後の所得確保を図るための年金制度として国民に受け入れられ、定着していくためには、何よりも増して加入者等が適切な資産運用を行うことができるだけの情報・知識を有していることが重要である。したがって、法第22条の規定等に基づき、資産の運用に関する情報提供に係る業務を行うこととなる確定拠出年金を実施する事業主、国民年金基金連合会及びそれらから委託を受けて当該情報提供業務を行う確定拠出年金運営管理機関等(この第2の事項において「事業主等」という。)は、極めて重い責務を負っており、制度への加入時はもちろん、加入後においても、個々の加入者等の知識水準やニーズ等も踏まえつつ、加入者等が十分理解できるよう、必要かつ適切な情報提供を行わなければならないものであること。

(2)  資産の運用に関する情報提供に係る業務を行う事業主等は、常時上記(1)に記した責務を十分認識した上で、加入者等の利益が図られるよう、当該業務を行う必要があること。

 2. 法第22条の規定に基づき加入者等に情報提供すべき具体的な内容

(1)  資産の運用に関する情報提供に係る業務を行う事業主等は、少なくとも、次に掲げる事項を、制度への加入時及び加入後の個々の加入者等の必要性に応じて加入者等に情報提供すること。

(1)  確定拠出年金制度等の具体的な内容
 わが国の年金制度の概要及び年金制度における確定拠出年金の位置づけ
 確定拠出年金制度の概要(次の(ア)から(キ)までに掲げる事項)
(ア)  制度に加入できる者とその拠出限度額
(イ)  運用商品(法第23条第1項に規定する運用の方法をいう。以下同じ。)の範囲、加入者等への運用商品の提示の方法及び運用商品の預替え機会の内容
(ウ)  給付の種類、受給要件、給付の開始時期及び給付(年金又は一時金別)の受取方法
(エ)  加入者等が転職又は離職した場合における資産の移換の方法
(オ)  拠出、運用及び給付の各段階における税制措置の内容
(カ)  事業主、国民年金基金連合会、運営管理機関及び資産管理機関の役割
(キ)  事業主、国民年金基金連合会、運営管理機関及び資産管理機関の行為準則(責務及び禁止行為)の内容

(2)  金融商品の仕組みと特徴
預貯金、信託商品、投資信託、債券、株式、保険商品等それぞれの金融商品についての次の事項
 その性格又は特徴
 その種類
 期待できるリターン
 考えられるリスク
 投資信託、債券、株式等の有価証券や変額保険等については、価格に影響を与える要因等

(3)  資産の運用の基礎知識
 資産の運用を行うに当たっての留意点(すなわち金融商品の仕組みや特徴を十分認識した上で運用する必要があること)
 リスクの種類と内容(金利リスク、為替リスク、信用リスク、価格変動リスク、インフレリスク等)
 リスクとリターンの関係
 長期運用の考え方とその効果
 分散投資の考え方とその効果

(2)  加入者等に、運用プランモデル(老後までの期間や老後の目標資産額に応じて、どのような金融商品にどの程度の比率で資金を配分するかを例示したモデル)を示す場合にあっては、元本確保型の運用方法(令第16条各号に規定する運用の方法をいう。以下同じ。)のみで運用する方法による運用プランモデルを必ず含んでいるものとすること。

 3. 加入者等への具体的な提供方法等

(1)  資産の運用に関する情報提供に係る業務を行う事業主等は、次に掲げる方法により、加入者等に情報提供すること。

(1)  資産の運用に関する情報提供の方法としては、例えば資料やビデオの配布(電磁的方法による提供を含む。)、説明会の開催等があるが、各加入者等ごとに、当該加入者の資産の運用に関する知識及び経験等応じて、最適と考えられる方法により行うこと。
(2)  事業主等は、加入者等がその内容を理解できるよう情報提供を行う責務があり、加入者等からその内容についての質問や照会等が寄せられた場合には、速やかにそれに対応すること。

(2)  事業主が確定拠出年金運営管理機関に資産の運用に関する情報提供を委託する場合においては、当該事業主は、各企業型年金加入者への資料等の配布、就業時間中における説明会の実施、説明会の会場の用意等、できる限り協力することが望ましいこと。

 4. 資産の運用に関する情報提供と、確定拠出年金法で禁止されている特定の運用の方法に係る金融商品の勧奨行為との関係

(1)  事業主等が上記2に掲げる資産の運用に関する情報を加入者等に提供する場合には、当該行為は法第100条第6号に規定する禁止行為には該当しないこと。

(2)  なお、事業主等が、価格変動リスク又は為替リスクが高い株式、外国債券、外貨預金等(この(2)において「株式等」という。)のリスクの内容について加入者等に十分説明した上で、老後までの期間及び老後の目標資産額に応じて株式等での運用を含んだ複数の運用プランモデルの提示を行う場合にあっても、当該行為は法第100条第6号に規定する禁止行為には該当しないこと。


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