(1) | 化学物質等の有害性の種類及び程度の特定
信頼できる主要な文献等から、「化学品の分類及び表示に関する世界調和システム(GHS)」に従い有害性のクラスを分類し、その種類及び程度を特定する。
有害性のクラスは、急性毒性、皮膚腐食性・刺激性、眼に対する重篤な損傷性・刺激性、感作性、生殖細胞変異原性、発がん性、生殖毒性、及び臓器毒性等とする。 |
(2) | 健康障害の可能性及びその程度(量―反応関係)の把握
信頼できる主要な文献等から、量―反応関係等の有害性データである許容濃度、無毒性量(NOAEL)等、LC50、LD50等を把握する。 |
(3) | ばく露評価
次の手順によりばく露量を把握する。
ア | 評価の対象となる化学物質等の有害性等、取扱量、用途等により優先順位をつける。 |
イ | 労働者に対するばく露が大きいと判断される作業について、用途、ばく露データ、使用形態等から、作業環境等の対象とする作業を選定する。 |
ウ | 選定した作業について作業環境の測定、個人ばくろ濃度測定により、ばく露量を把握する。 |
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(4) | リスクの判定
作業環境の測定等から算定した予測ばく量と、量―反応関係等から得られた許容濃度、無毒性量(NOAEL)等の有害性データを定量的に比較し、リスクを判定する。
ア | 発がん性以外のリスクの判定
発がん性以外の場合では、許容濃度、又はTLV―TWAが存在する場合には、許容濃度等と予測ばく露量を比較し、予測ばく露量が許容濃度等以上の場合には詳細な検討を行う対象とする。
無毒性量等が得られた場合には次の式によりMOEを算定する。
MOEが1以下の場合には詳細な検討を行う対象とする。1より大きく5以下の場合には、今後とも情報収集に努めるものとする。
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イ | 発がん性のリスクの判定
発がん性の場合には、閾値が存在する場合には、アと同様とする。閾値が存在しない場合には、がんの過剰発生率を算定する。リスクの判定は、当該値が概ね1×10―4より大きい場合には詳細な検討の対象とする。 |
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(5) | 詳細な検討等
リスクが高いと判定された化学物質等を取り扱う作業等については、有害性データ、ばく露データを検証又は追加し、再度リスクの判定を行う。
リスクがあるとされた場合には必要な措置を講ずることとする。 |