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資料 1

標準的電子カルテに要求される
基本機能の情報モデルの開発

(H15〜H16)

研究代表者:
  大江和彦(東京大学医学部附属病院・東京大学大学院医学系研究科教授)

研究分担者:  木村通男(浜松医科大学医療情報部教授)
 岡田美保子(川崎医療福祉大学医療技術学部教授)
 山下芳範(福井医科大学医学部附属病院医療情報部助教授)
 山本隆一(東京大学大学院情報学環助教授)
 近藤克幸(秋田大学医学部附属病院医療情報部教授)
 小山博史(東京大学大学院医学系研究科CBIユニット教授)


機能項目の収集

機能モデル開発のステップ
(1)電子カルテシステム機能調査
(2)機能要件リストの作成
(3)機能モデルの記述

(1)電子カルテシステム機能調査
ペーパレス電子カルテシステム稼動病院
(国内5病院,海外1病院)を選定
2004年1月〜3月に実施した


機能のモデル化

機能要件リストの作成
前述の調査結果をもとに機能を抽出
抽出した機能を抽象化→機能要件の階層構造を生成
機能をアクター、起動条件、使用場所、対象データ、操作対象、目的、方法の7分類軸に分けて記述

7分類軸の視点
アクター 起動条件 使用場所
“システムが” ユーザが
○○したとき
ある情報が
○○状態のとき
システムの
○○状態のとき
○○医療機関
で、○○室で
対象者 対象データ 操作対象 目的 方法
“ユーザに”、
“管理者に”、
“システムに”
ある情報を ある情報に、
ある情報と
○○のために ○○の方式で


機能要件リスト

階層コード 機能管理
コード
機能(7 W1H)
誰が いつ どこで/どこに 誰に 何を 何に/何と 何のために どのように どうする
  ユーザアクション 情報の条件 システムの状態
1.   表示する機能                  
1.1.   システムは           情報の存在を       表示する
1.1.2.   システムは           確認すべき情報がシステム内に存在することを   確実な情報伝達を確保するために   表示する
  AA000180 システムは ユーザがシステムにログインしたとき スタッフ間で強制的に知らせるべき連絡事項が存在するとき     ユーザに 確認すべき情報がシステム内に存在することを   確実な情報伝達を確保するために 連絡事項の確認をしない限り、次の操作ができないように 表示する
AA000190
→
システムは ユーザが1患者を指定したとき その患者について確認すべき情報が存在するとき     ユーザに 確認すべき情報がシステム内に存在することを   確実な情報伝達を確保するために   表示する
  AA000200 システムは   連絡事項が未確認のまま一定時間が経過しているとき     ユーザに 確認すべき情報がシステム内に存在することを   確実な情報伝達を確保するために   表示する
1.1.3.   システムは           ある情報に関係付けられている情報が存在することを   情報を把握しやすくするために   表示する
  AA000250 システムは         ユーザに ある情報に関係付けられている情報が存在することを   情報を把握しやすくするために リンク形式で 表示する


電子カルテクラインアントの
抽象化されたトップレベルの機能


1.  表示する機能
1.1.   システムは           情報の存在を       表示する
1.2.   システムは           情報の内容を       表示する
1.3.   システムは           ツールを       表示する
2.  指定する機能
2.1.   システムは           情報を       指定する
3. 収集する機能
3.1.   システムは           情報を       収集する
4.  比較する機能
4.1.   システムは           情報を       比較する
5.  通知機能
5.1   システムは           情報を       通知する
6.  編集(追加、修正、破棄)する機能
6.1.   システムは           情報を       編集する
6.2   システムは           情報を       破棄する
6.3   システムは           情報を       追加する
7.  出力する機能
7.1.   システムは           情報を       出力する
8.  保持する機能
8.1.   システムは           情報を       保持する


システムのデータ表示機能

番号 ユーザーアクション時 何を どうする
1.3.   ツールを 表示する
1.3.1. ユーザが情報を入力するとき 入力フォーマットを選択するツールを 表示する
  ユーザが1患者の診療記録を編集するとき フォーマットのリストを 表示する
  ユーザがフォーマットを指定したとき 指定されたフォーマットを 表示する
    デフォルトで指定されたフォーマットを 表示する
1.3.2   定型的な情報を入力するツールを 表示する
  ユーザが1患者の診療記録を編集するとき テンプレーを選択するツールを 表示する
  ユーザが1患者の診療記録を編集するとき 定型文を選択するツールを 表示する
  ユーザがテンプレートを指定したとき 指定されたテンプレートを 表示する
  ユーザがテンプレートを利用して情報を編集するとき デフォルトで指定されたテンプレートを 表示する
  ユーザが病名を編集するとき 病名リストを 表示する
  ユーザがプロブレムを編集するとき プロブレムリストを 表示する
1.3.3   定型的な図編集ツールを 表示する
  ユーザが1患者の診療記録を編集するとき シェーマを選択するツールを 表示する
  ユーザがシェーマを利用して情報を編集するとき デフォルトで指定された図のリストを 表示する
1.3.4.   情報を共有するツールを 表示する
    掲示板を 表示する
    メモ欄を 表示する
    付箋を 表示する
1.3.5.   使用する用語、コードを統一するツールを 表示する
    病名を検索するツールを 表示する


機能モデル

図


“操作対象者”に分類軸に置いた機能階層構造

図


今後の計画

機能モデル表とモデル図の公開
1)Function List を作成し、複数の視点で分類し構造化を行う
2)関連するFunction間の依存関係を分析
3)粒度の詳細化
4)医療現場のコンテキスト・環境(場)によるモデルの違いを検討
抽象モデルと、具体的モデルを公表し、修正意見を求め精緻化を図る(12月上旬頃)
最終案の公表(2月)


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