(1) | 在宅での吸引についての当面の対応として、必要かつ適切と考えられる事項 |
(2) | 期間内に結論を出せないが今後も早急に継続的検討を要する課題 |
1. | 現状の把握、検討
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2. | 「吸引」についての医学的な整理
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3. | 「吸引」が医師、看護師、家族以外の人々によっておこなわれる場合の条件の整理 吸引の部位と、範囲 安全性確保のための必要な手順 必要な研修 必要な手続き 位置付け(業務として行うのか、ボランティアとして行うのか) 医師、看護師以外の医療スタッフ(理学療法士等)による吸引についての整理 |
上記の検討事項の、いくつかの点について述べさせていただく。
A.総論的課題(基本的問題)(1) | 従来通りの「医行為」としての位置付けを維持しながら、法的解釈の柔軟化と条件付けにより、現実的かつ妥当な対応を行う。 |
(2) | この中間的行為については、「医行為」ではなく、生活行為・生活援助行為とする。 |
(3) | この中間的な行為については、「医療的な要素をもつ生活援助行為」として、従来の「医行為」とは区別される範疇の行為として新たに位置付け、新たな枠組の中で、柔軟な望ましい在り方(実施者や条件)を検討する。 |
口・鼻からの吸引を要するケース(a) 気管切開ケース(b) 人工呼吸器治療ケース(c) |
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(1) | 適正な太さの吸引チューブを使用する |
(2) | 実際と同じ気管カニューレ内に吸引チューブを通してみて、カニューレ入り口から先端までのチューブの入る長さを実測して目印をつけておき、そこまで吸引チューブを入れるのに留める |
(3) | 吸引器の圧を適正に設定しておく |
(4) | 清潔操作を守る 気管カニューレ先端の周辺に痰が滞留していることも多く、より確実に吸引するために、カニューレ先端より、0.5〜1cm先まで、吸引チューブを挿入することが必要である場合も多い。この場合には、吸引チューブが、ある程度は気管粘膜に接触することもあるが、この部分の出血、肉芽、糜爛などの問題が無いことが内視鏡検査で確認されていれば、深く入れすぎないように(2)と共通した確認・手順を行いながら、(1)、(3)、(4)のポイントを守ることで、基本的には安全に吸引ができる。より慎重な対応が必要なケースでは、軟らかい材質で先が丸い吸引チューブを使用することで安全度が高くなる。 さらに奥までの吸引が必要な場合もある。その場合には、次のような点が重要である。 |
(5) | 奥までの吸引の際には気管分岐部に吸引チューブが当たり、そこに出血することがある。これを防ぐために、吸引チューブを入れる深さは、気管分岐部の手前までとするのを原則とする。 (X線検査などで気管分岐部までの長さを確認することは可能) |
(6) | 吸引器の圧は、低めに設定する。 |
(7) | 先端の形状がより安全で、やわらかい材質の、吸引チューブを使用する。 |
(8) | 医師による定期的な内視鏡検査により、気管の状態を定期的に確認しておく。 |
気道の分泌物を自力で外に出せない方では、太い気道がつまると呼吸が苦しくなり、出し切れない分泌物が肺にたまって無気肺や肺炎になったりします。このような状態を防ぐために、吸引によって気道を確保することが必要です。
望ましい吸引法は、分泌物をしっかり除去でき、吸引操作による合併症が少ない方法です。
【1】 | 日常の対応と準備 ネブライザーなどによって痰をやわらかくしたり、体位ドレナージなどで痰を気管に移動させておくと吸引しやすい。 |
使用する吸引チューブは外径が気管カニューレ内径の1/2以下でなるべく太い物を選ぶ 原則として、挿入の深さは気管カニューレの先端+0.5〜1cmまでとし、あらかじめ吸引チューブに目印をつけておく |
吸引器: | 吸引圧力は原則は、20kPa(150mmHg)以下とする。 吸引チューブをコネクターのところで指で閉塞させ、指定の圧力になるダイヤルに目印をつけておく |
○○さんの 吸引チューブは 種類 太さ Fr 挿入の深さの目印:気管カニューレ入り口から cm 吸引器の圧力は kPa(mmHg) |
【2】吸引手技
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(1) | 分泌物がかたくて引ききれない
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(2) | 気管カニュレ内まで分泌物をあげてくることができない(咳嗽が弱い)
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カニューレを越えて吸引するが、気管分岐部直前までの吸引になるべくとどめる。
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◆ | 出血:深い吸引チューブの挿入と大きい吸引圧力 |
◆ | 肉芽:深い吸引チューブの挿入、大きい吸引圧力 |
◆ | 気道の線毛の障害:深い吸引チューブの挿入 |
◆ | 無気肺:太すぎる吸引チューブ、大きな排気量の吸引器による長時間の吸引 |