04/11/25 厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会第9回議事録          第9回厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会                          日時:平成16年11月25日                             10:00〜12:00                          場所:厚生労働省 省議室 ○出席委員   石井みどり委員、加藤陸美委員、菊田信子委員、北村惣一郎委員、木村隆次委員、   坂本雅子委員、高橋清久委員、多田羅浩三委員、田中平三委員、玉利 齊委員、   土屋 隆委員、富永祐民委員、中村丁次委員、久道 茂委員、松本和夫委員、   村田昌子委員(16名) ○厚生労働省出席者   (健康局)田中健康局長、瀬上参事官、石井総務課長、中島生活習慣病対策室長、        野村保健指導室長、横尾地域保健室長   (老健局)三浦老人保健課長   (保険局)唐澤国民健康保険課長                    他 ○次第  I  開会  II  議題   1 健診及び事後指導(二次予防)について    (1)二次予防施策(健康診査及び事後指導)の現状について    (2)保険者協議会について    (3)老人保健事業の見直しに関する検討会中間報告について    (4)二次予防施策の課題について   2 その他    (1)三位一体改革について    (2)日本人の食事摂取基準の概要について    (3)新潟中越地震における保健師活動について  III その他  IV  閉会 ○議事  瀬上参事官  おはようございます。皆様、大変遠いところからお集まりいただきましてまことにあ りがとうございます。定刻となりましたので、ただいまから第9回厚生科学審議会地域 保健健康増進栄養部会を開催させていただきたいと存じます。  初めに本日の出席状況についての御報告をさせていただきます。委員定数は24名でご ざいます。現時点で15名の御参加をいただいております。出席委員はすでに過半数に達 しておりますので、会議は成立しておりますことを御報告申し上げます。  続きまして配布資料の確認でございます。議事次第、委員名簿、座席表の他に、本日 は8綴りの資料を用意してございます。資料1は二次予防(健康診査及び事後指導)の 現状について、資料2は保険者協議会について、資料3は生活習慣病予防と介護予防の 新しい展開に向けて(老人保健事業の見直しに関する検討会中間報告)、資料4として 二次予防施策の課題について、資料5として三位一体改革について、資料6として日本 人の食事摂取基準の概要、資料7として新潟中越地震における保健師活動について、及 び参考資料、関係法令等でございます。もし御不足・御落丁がございましたらお手を挙 げていただければと思いますが、よろしゅうございますか。  本日は議事の関係で私ども老健局から三浦老人保健課長ならびに保健局から唐澤国民 健康保険課長がまいっております。また、健康局長田中は国会の関係でこの後すぐに退 席させていただきます、お許しを願いたいと存じます。それでは以後の部会運営につき ましては部会長の久道先生にお願い申し上げます。よろしくお願いいたします。  久道部会長  それでは議事を進めたいと思います。今日は資料説明が盛り沢山ですので、よろしく 御協力のほどお願いしたいと思います。まず、議題1の健診及び事後指導(二次予防に ついて)のうちで、二次予防施策の現状についての説明を一括してお願いいたします。  中島生活習慣病対策室長  私の方からは資料1をまず御説明をいたしまして、二次予防施策、健診及び事後指導 の現状について概括的なお話をさせていただこうと思っております。お手元の資料1で ございます。  1頁でございますが、「健康日本21」の推進ということで、現在平成12年から進め ております「健康日本21」計画の大まかな枠組みというものをお示しいたしておりま すが、実は「健康日本21」、一次予防施策を中心とした枠組みでございますが、ここ に示されました枠組みは、二次予防についても基本的に妥当するものだと認識をしてお りまして、とりわけ(3)の保健事業の効率的・一体的推進というところ、さらには(4)の 科学的根拠に基づく事業の推進というところあたりがポイントになろうかと思います。  と申しますのは、下の真ん中のところにございますが、健診及び事後指導、現行の制 度では母子保健、学校保健、労働安全衛生法に基づく諸々の健診・保健指導、さらには 医療保健者による保健事業、市町村における老人保健事業という形で、それぞれの主体 によって展開されておりますものですから、基本的にこれらの事業者が行われる保健事 業を効率的・一体的に推進していくということが大変重要でございますし、そこで行わ れておる健診なり保健指導が科学的根拠に基づいたものであるということも大変重要な ところということでございます。  2頁でございます。今申し上げました保健事業の効率的・一体的推進という観点を踏 まえまして、平成14年に制定されました健康増進法では、第9条で健診の実施等に関す る指針というものの規定を置いております。実は前回の本部会でも簡単に御説明をいた しましたが、改めて確認の意味で御説明をさせていただきますと、厚生労働大臣は生涯 にわたる国民の健康増進に向けた自主的な努力を促進するために、健診の実施及びその 結果の通知、健康手帳の交付その他の措置に関し、健康増進事業実施者、母子保健、老 人保健、医療保健の保健者、労働安全衛生法等でございますが、それに対して健康診査 の実施等に関する指針を定めるのだという形になっておりまして、こういうところで科 学的根拠に基づき保健事業を統一的効率的に推進するという基本的な考え方を提示する ものと定められたところでございます。  第2項で、この指針は総務大臣、財務大臣、文部科学大臣に協議するとなっておりま すが、これは総務大臣につきましては地方公務員共済、それから財務大臣については国 家公務員共済、文部科学大臣におかれては学校保健及び私学共済を所管されております ので、その限りにおいて御相談を申し上げながらやっていくという仕組みになっておる わけでございます。  3頁でございます。本規定を受けまして、本年の6月に具体的な指針というものが定 められ公表させていただいたところでございます。指針の概要のところですが、大きく 4本柱で組み立てられておりますが、1.健診の実施に関する事項ということで、まず 一つが健診のあり方ということでございます。健診の目的・意義、実施内容について、 対象者の方々に十分な周知を図る。2.未受診者に対して受診を促すように特に配慮す る。それから検査項目及び検査方法に関し見直して、疾病の予防及び発見に係る有効性 について検討していくということでございます。  イでございますが、後ほども御説明をいたしますが、健診の精度管理です。検査結果 の正確性を確保するために、また検査結果を正確に比較できるように、内部及び外部精 度管理の適切な実施等について記されております。  4頁でございます。健診結果の通知及び結果を踏まえた栄養指導その他の保健指導と いうことでございまして、健診結果については本人に通知するにとどめず、その結果に 基づき、保健指導をきちっと実施していただく。それにあたっては個人指導と集団指導 の適切な組み合わせが重要だ。そしてその体制整備や保健指導に従事される方々の研修 等をしっかり行っていく。それから地域・職域の連携を図っていくということで、都道 府県単位で市町村、医療保険者等から構成される協議会等の場を設けるなどして、具体 的な連携を図っていただきたいということです。  それから3が健康手帳等による健診の結果等に関する情報継続の在り方ということで ございますが、ここにつきましては基本的に本人が行うことを原則としつつも、健診結 果等情報を継続して健康管理に役立たせていくということが大変重要だという旨が述べ られております。  そして4のところで、健診結果等に関する個人情報の取扱いということで、個人情報 保護という観点に十分留意をして進めていく必要があるということを記しておるところ でございます。  前回も御説明いたしましたが、本指針を受けまして、必要に応じ、各健康増進の事業 実施者はそれぞれの保健事業実施に係る指針等を見直していただいたところでございま す。関係資料の方にも添付をさせていただきましたが、健康保険の保険者が行われる保 健事業、さらには国民健康保険の保険者が行われる保健事業につきましては、参考資料 のところに付けさせていただいたように、指針等を策定いただいて、保険者等にそれに 沿った形で保健事業に取り組むように指導をさせていただいているところでございま す。  具体的にはその中では、特に医療保険者に関しまして、都道府県単位で地域におけま す医療費分析とともに、保健事業の共同実施等に取り組むということで、保険者協議会 を設置していただくということになっておりまして、本年度中には全都道府県に設置さ れるということが計画されていると聞いておるところでございます。  具体的にこの健診指針につきましては現段階ではある程度総論的な、基本的な考え方 といったものを提示させていただいておるわけでございますが、それぞれの健診項目、 精度管理、保健指導のあり方、さらには健診データの継続的管理、それぞれについてさ らにその具体的内容といったものを検討していくということが今後の課題かと考えてお るところでございます。  5頁でございます。ここからは具体的にそれぞれの制度ごとに健診に関してどのよう な制度が用意されているのかということを紹介したペーパーでございます。ここでは老 人保健、それから労働安全衛生、それから医療保険による保健事業を中心に簡単に御説 明をさせていただきます。  まず一番左の二つ目のポイント、実施主体とその責務というところですが、老人保健 につきましては、市町村に実施義務が課せられております。労働衛生対策については事 業者に実施義務が課せられている。医療保険者による保健事業に関しましては、それぞ れの健保組合、政管健保の保険者たる国、市町村国保組合には努力義務が課せられてい るという現状でございます。  二つ飛ばしまして対象者の欄でございます。老人保健事業につきましては、当該市町 村に居住しておられる40才以上の方が対象となるということでございますが、老健法22 条で他法優先の規定がございますので、その対象となる方が医療保険各法その他の法令 に基づく事業のうち、保健事業に相当するサービスを受けた場合、または受けることが できる場合は行わないものとするという形で他法優先という形になっております。  労働衛生では、基本的には真ん中のフレーズでございますが、労働安全衛生法で事業 者に実施義務が課せられ、労働者にも受診義務が課せられているということでございま す。ただし、同条第5項の但書で、いわゆる労働者が事業者の指定した医師以外の方の 健診を受けて、その結果を証明する書面を出した場合には、事業者が行う健診は受けな くてよいという形の規定も設けられております。  医療保険による保健事業に関しましては、組合健保については※のところですが、局 長通知におきまして、生活習慣病にかかる健診については、発症が多い30才から、少な くとも5年に1回以上、40才以上は毎年実施するよう努めるという形で局長通知で示さ せていただいているところでございます。  政管健保につきましては、社会保険庁の運営部長通知の方で40歳以上の被保険者及び その被扶養者である配偶者のうち受診を希望される方、また35才以上40才未満で、生活 習慣病改善指導を受けることを希望される方となっております。国保につきましては特 段の規定はございませんが、実行上老人保健法に基づく基本健康診査に準じた方々を対 象としておりますし、国保組合につきましては健保組合、あるいは政管健保に準じた扱 いとなっておるところでございます。  その下の健診項目のところにつきまして、また下から二つ目の精度管理事業のところ につきましては、それぞれの制度ごとに項目なり,精度管理の規定というものについて は差異があるというのが現状でございます。  次は7頁でございます。健診情報の保管と利用等に関しましては、上から四つ目の 欄、健診情報を管理するもの、及び健診情報の保存に関する根拠規定ということがござ いますが、これはそれぞれの事業主体が管理をされるという形になっておりますが、必 ずしも継続的に管理するような仕組みというのは十分には準備はされていないというの が実情ではないかと思われます。  9頁でございます。具体的に健診についてどのような健診項目で実施をしているかと いうことにつきまして、政管と安衛と老健で整理をさせていただいております。政管健 保につきましては社会保険庁の運営部長通知で検査項目を指定させていただいておりま すし、安衛法では厚生労働省令、老健法では老健局長通知で規定をさせていただいてお ります。ここに示しておりません組合健保につきましては、健保連の方から検査項目の 標準例が示されておりますし、国保につきましては老人保健に準じた形で具体的な検査 項目が実施されているというところでございます。  ここに示しておりますように、右下の欄にありますように○△□という形で必須項 目、または受診者の希望に基づくもの、医師の判断によるもの等々のような形で検査項 目といったものが規定をされているところでございます。  右の欄の*で肺がん、胃がん、子宮がん,乳がん、大腸がんというところがございま す。これらのいわゆる老人保健事業に基づくがん健診につきましては、平成10年度から 一般財源化されているところでございますが、その実施にあたりましては具体的には老 人保健課長通知で示させていただいているところでございまして、前回御説明いたしま したが、乳がんにつきましては17年度概算要求でもマンモグラフィの整備補助で82億円 を計上させていただいているという状況でございます。  10頁です。健診をふまえた保健指導の各制度ごとにどのような形で行われているかと いうことでございます。老人保健、労働安全衛生につきましては、別途13、14頁でフロ ー図をつけさせていただいております。老人保健事業につきましては、健康手帳、健康 相談、健康教育、機能訓練、訪問指導といった形の柱で実施をさせていただいて、お示 ししたようなフローに従って具体的な保健指導が展開されているというところでござい ます。  また14頁ですが、労働安全衛生におけます健康診断も、いわゆる所見ありの方に対し ましては、医師等からの意見聴取をふまえて、就業上の措置の決定がなされ、また、必 要に応じた保健指導等を行う努力義務が労安衛法において課せられているというところ でございます。  戻っていただきまして次は11頁です。医療保険者による保健事業の中で,組合健保、 国保につきまして簡単に御説明いたします。国民健康保険の方での保健指導としては、 現在国保のヘルスアップ事業ということで、33市町村でモデル事業が展開されておるわ けでございまして、現在そうした成果をふまえながら個別健康支援プログラム実施マニ ュアルといったものの策定が着実に進んでおると伺っているところでございます。  また、組合健保に関しましても、そうした国保のヘルスアップ事業の成果も踏まえつ つ、職域における効果的な保険者ヘルスの開発事業という形で17年度から概算要求を行 わせていただいて、健保組合の方でも保健指導プログラムの開発、モデル事業の実施評 価に取り組む予定となっていると聞いているところでございます。  次は15頁です。こうした健診や保健指導等に関します費用負担の関係を整理させてい ただいたのが15頁です。まず、老人保健法の規定に基づく市町村が行うヘルス事業につ きましては、基本的に法律上、国、都道府県、市町村が3分の1ずつ費用負担をすると いうことになっておりまして、そしてまた自己負担につきましては事務次官通知で概ね 3割程度になるような形で設定をされているところでございます。肝炎ウイルス検診に つきましては、14年度からの5年間の特別対策として実施をしているところでございま す。総事業費として約904億円という形になっております。  そしてまた同様にがん検診ですが、これはすでに平成10年度から一般財源化をされて いるわけで、地方交付税措置という形で措置をされております。具体的に一標準自治 体、具体的にはこの場合65才以上の人口が21,000人という自治体を想定した場合に、 5,000万ほどの交付税措置がなされているという状況でございます。  労働安全衛生法による事業主が行う健診につきましては、基本的には事業主の負担で 行っていただくということでございます。  それから国民健康保険法の規定に基づきます保険者が行う健診等につきましては、基 本的には保険料によって費用を負担するということでして、自己負担については保険者 の任意ですが、事実上老健の扱いとリンクした実態ではなかろうかと思っております。 具体的な事業費規模は市町村の国保で約422億円、国保組合で137億円ということでござ います。国保につきましてはこうした健康づくりを支援するという意味から、国庫負担 も特別調整交付金という形で一部手当をさせていただいているところでございます。  それから政管健保につきましては、基本的にこれも同様に保険料による費用を負担す るということでございます。自己負担につきましては社会保険庁の運営部長通知の方で 項目ごとに決めさせていただいております。事業費として553億円、そして健保法の規 定により健保組合が行います健診につきましては、これも保険料により費用を負担す る、自己負担につきましては各健保組合の任意ということでございますが、13年度に健 保組合が行われた成人健診につきまして、健保連が調査されて回答を寄せられた健保組 合の平均でいくと大体16%程度を自己負担としてお願いをしているというデータが寄せ られております。具体的に健保組合が行う健診保健指導の事業費2,036億円ということ でございます。カッコの中にそれぞれの保険者における総支出額に占める保健事業に要 する比率の割合といったものを計上させていただいております。  16頁です。各制度の健診の受診者数等ということでございます。基本健康診査、がん 検診、老人保健事業につきましては、受診者、対象者、受診率といったものがこのよう なデータになってございます。ただ、この対象者数に関しましては、いわゆる労働安全 衛生対策でカバーされる対象、さらには医療保険者による保健事業によってカバーされ る対象といったものが必ずしもなかなか明確ではない、市町村においてはなかなか把握 しづらいということもございますので、対象者の把握の方法といったものは市町村ごと に異なっておるというのが実情でございます。  それから労働安全衛生対策、三つ目の欄ですが、これにつきましては受診者数はここ に書いてある通りです。ただ、これは法律上報告義務が課せられております50人以上の 労働者を使用する事業者から寄せられた人数ということでございます。  組合健保の一般健康診査につきましては、受診率がここに記させていただいておりま すが、回答の寄せられた組合のデータを出させていただいております。政管健保の一般 健診、国保の基本健診、人間ドッグ等につきましては、ここに記させていただいた通り でございます。  こういう表からわかりますのは、やはり各実施主体間が連携をとって、未受診者をど のように把握していくのかといったことが一つの課題となっていくのではないか。その ことによって健診結果を踏まえた保健指導の的確な実施といった形にもつながるのでは ないかと思っております。  17頁は今申し上げたようなことを極めてラフな形で図示させていただいたものでござ いまして,いわゆる医療保険によってカバーされている者、そしてその中で現実に事実 上老人保健の事業において受診をされている方というものを網かけをしたものでござい ます。基本的に医療保険者による保健事業の実施が努力義務ということになっておると ころでございますので、基本的な一つの課題としては,まさに被用者保険の被扶養者、 奥さんは現実には地域に生活の拠点をおいておられるわけで、そうした方々をいかにカ バーをしていくのかということが大きな課題となってこようかと思うわけでございま す。  次は18頁の精度管理の現状です。精度管理につきましては、いわゆる正確な検査結果 を出すということでございまして、まさに健診の基本的な前提でございます。これにつ きましては内部精度管理、外部精度管理といったものの二つに大別されるわけでござい ますが、衛生検査所に関しましては、臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律で、 一定の登録要件を定め、それを遵守していただくということが規定をされております。  参考のところに書いてございますが、内部精度管理としましては、精度管理責任者を 配置する、検査案内書を作成する、検体の受領,搬送、測定に関します標準作業書や作 業日誌を作成していただくといったことが課せられておりますし、外部精度管理をきち っと受けなければならないということも規定されておるわけでございまして、具体的に は局長通知の方で年に1回以上都道府県や日本医師会等が行っておられる外部精度管理 調査に参加しているということを立ち入り検査等の際には確認をさせていただいている ところでございます。  次は21頁をお開きください。健診に関係する機関につきまして、精度管理規定の有無 について簡単に整理をさせていただいたものでございます。医療機関、健診を行う医療 機関、病院、診療所等でございます。その中には巡回健診実施者も含まれるわけでござ いますが、医療機関における検査業務につきましては、このような形で医療機関内で受 託業務を実施する場合、さらには医療機関の外の登録衛生検査所に対して検体検査業務 を委託とする場合につきましては、精度管理に関する明文の規定といったものが存在し ておるところでございます。とりわけ登録衛生検査所につきましては、外部精度管理に つきましても精度管理の規定を整備をさせていただいているというところでございま す。  元の頁に戻っていただきまして19頁です。基本的には内部精度管理とともに外部精度 管理といったものが大変重要になってまいります。現実には必ずしも外部精度管理に参 加することなく健診や人間ドッグ等を実施しておられる施設があるという声も聞くとこ ろでございます。やはり第三者的な評価といったもので検査の精度を高めていくという ことが重要でございまして、そういう点からここに記してありますが、全国的に外部精 度管理を実施していただいているところとして、医師会、臨床衛生検査技師会、衛生検 査所協会等がございますし、都道府県単位では都道府県や地域の医師会、地域の技師会 等が行われております。  こうした中、この外部精度管理につきましても、ある程度の標準化が必要なのではな いかということで、実は外部精度管理機関の間の連携を模索するという動きも出ておる ところでございます。現在のところ、外部精度管理は様々な団体・機関で実施されてお りますものですから、いわゆる調査項目、測定方法の分類、データの解析、評価方法な どにつきまして統一的な手法が存在していないということでございます。こういうこと がきちっとできていくようになりますと、ひいては異なる健診機関の間でも検査データ に互換性を持ち得るということにもつながっていくものでございますので、こうした外 部精度管理の標準化といったものも一つの大きな課題かと思っておるところでございま す。  そういう取り組みとしてここに記させていただいた日本臨床検査標準協議会というの があります。JCCLSというところですが、これが業界や関係学会等によって設立を され、ISOの認定事業のための共同作業を準備しておられると聞いておりますし、ま た日本医師会におかれましては技師会、衛生検査所協会で実施しておられます精度管理 事業の連携や標準化に向けた情報交換等の場を設けていただいているというふうに伺っ ております。  20頁ですが、老人保健事業におきましては、成人病検診管理指導協議会を設置すると いうことで、ここに記したような形での精度管理についての取り組みも行われていると いうところでございます。健診及び保健指導等に関する現在の制度の課題等につきまし ては、資料4でございますが、改めて後ほど御説明を申し上げます。以上です。  久道部会長  どうもありがとうございました。それでは引き続いて2番目の保険者協議会の説明を お願いいたします。なお、皆さんからの質疑あるいは御意見は資料4の説明が終わった 後でしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  唐澤国民健康保険課長  それでは資料2の保険者協議会についてというものをお開きをいただきたいと思いま す。保険者協議会ですが、これは今年度モデル事業として始めておりまして、来年度以 降全国の各都道府県に普及をさせていきたいと考えているわけでございますが、この保 険者協議会というものがどういう事柄を実施をしていくか、どういう性格のものである か、狙いは何であるかということを私どもの方からまず申し上げたいと思います。  この保険者協議会の狙いでございますが、これは一言で申しまして、私どもといたし ましてはやっぱりこの成人病、生活習慣病時代に、この医療の問題に取り組んでいくた めには生活習慣の改善から始める健康づくりというものを保険局、つまり医療費を扱っ ているところにおいても、それを主眼にした対策を講じていく必要があると、こういう ふうに考えているわけでございます。  医療費の話になりますとすぐに医療費の適正化という話になって、レセプト点検とい うようなことになってしまいますけれども、そういうことではなくて、保険者が集まっ てレセプト点検のやり方の相談をしていただくというためにこれを作るのではなくて、 生活習慣の改善から始める健康づくりというものに取り組んでいただきたいというふう に考えているわけでございます。  これはこの健康増進部会でも様々御議論をいただいておりますけれども、地域の対策 と職域の対策というもののつながりをどう作っていくか、連携と一言で申しましても、 ただ相手のことを知っているというだけでは連携になりませんので、担当者同士の顔を よく知っている、それから事業についての接続ができる、電話で話がつけられるという レベルにまで連携の仕組みというものを高めていく必要があると思っているわけでござ います。  代表的に、念頭にすぐにございますのは、やはり糖尿病対策でございまして、糖尿病 については先生方御承知のように三大合併症の他にも脳血管疾患の罹患率や、あるいは 心臓疾患の罹患率が非常に高い、合併症を起こしやすいという問題がございますので、 そういう予後に対する対策というものができれば、本人のQOLも大幅に改善をされま すし、コスト的にも非常に効率的になる、つまりその分は他の医療資源に回すことがで きるということができるわけでございます。そういうことをこれを機に本格的に取り組 んでいきたいというのがこの保険者協議会の取り組みでございます。  この保険者の方は健診というものは実施をしておりますけれども、どうしてもその後 のその人に対するフォローアップというものはできないというのが実情でございます。 というのは当然でございますが、保険者というのは職場を単位にしておりますので、職 場で生活をしていることについては関わりはできますけれども、家に帰った人について はなかなか関わりが持てないというような当然の事情がございまして、東京で申します れば埼玉からも千葉からも神奈川からも通ってまいりますので、そこに対して保険者が 細かな指導をしていくというのは現実にはなかなか難しいのが実情でございます。それ を地域の市町村なり、あるいは地域のいろんな方策とつなげていくということが必要で あろうというふうに考えているわけでございます。  そこでこの保険者協議会では二つの事業をやることにしておりますが、一つは医療費 の地域的な分析ということで、その地域の疾患の特性というものを保険者同士で相談を して認識をしてもらう、これが一つの事業でございます。それからもう一つの大きな事 業が健康増進に関する保険者同士の情報の交換でございますとか、あるいは市町村との 連携の仕方についての取り組みを進めていく、これが保険者協議会の狙いでございま す。  1頁のところに図がございますが、保険者のいわゆる取組みということで、左の方は 自立的な運営とそれから共同実施ということで、保険者協議会で取り組んでいただくよ うなこと、被保険者の相談でございますとか、地域の医療サービス等に関する情報の提 供、保健事業と、こういうものを中心に保険者協議会でその協議をしていただきたい と、こう考えているわけでございます。  2頁をおめくりいただきたいと思いますが、それで当面この保険者協議会というもの どういうものをやっていくかというと、下の方で例で書いてございますが、2頁の真ん 中のところに医療費の分析の評価でございますとか、被扶養者等への健診後の事後指 導、あるいはボランティアの育成、こういうものを中心にお取り組みをいただきたいと 思っているわけでございます。  ただし、この保険者協議会について申し上げておきますのは、この協議会というの は、自らが事業の実施主体の中心になって事業を抱え込むという性格のものではござい ませんで、これは保険者同士が自主的に相談協議をするということでございますから、 例えばここにございますボランティアの育成事業というようなものを書いてございます のは、ヘルスアップの推進員というようなものを養成をしていただきたいということ で、今、概算要求をしているところでございますが、養成事業そのものは例えば都道府 県の国保連でやっていただくとか、そういうようなことを考えているのでございまし て、保険者の協議会自体が法人格を持ってなにか活動をするというのは難しいと思って おります。  そこはここで自主的な相談、協議の場ということで御相談をいただいて、そして最初 に申しましたような生活習慣の改善から始める健康づくりの推進というものを保険者同 士が自主的に相談協議をし、そして様々な医療関係団体の皆様にも御参加御協力をいた だく形で、その推進をしていただきたいと思っているわけでございます。  では3頁をお開きいただきたいと思います。これが活動内容として例として書いてあ るものでございますが、左の保健事業等の共同実施の中には、先程の医療費の分析の他 に、被保険者教育・指導等の保健事業、保険者間の物的及び人的資源の共同利用、各保 険者の独自保健事業についての情報の交換、これは健診等も含めてですが、そういうよ うなことです。それから保険者間における意見調整等の取り組みを行っていただくこと にしております。  次は4頁をお開きいただきたいと思いますが、これはすでに取り組んでいただいてい るところの例でございます。これは率直に申しまして模索をしながら進めているという のが実情でございまして、このやり方しかいけないということではもちろんございませ んが、今、先行をして実施をしておりますのは宮崎県、それから新潟県という二つの県 でお取り組みをいただいて始めているところでございます。  宮崎のところをちょっと御覧をいただきますと、集まって協議をして専門部会等を設 けていただいた他に、9月9日には健康意識の啓発のための「美しい歩き方と健康ウォ ーキング」に関する講演というようなものも実施をしていただいております。それから 新潟県の方でも10月16日に健康ウォーク事業を実施をしたということで、これは健康ウ ォークを必ず実施してくれという、私どもの方から別にお願いをしたわけではありませ んで、たまたまそれぞれのところが取り組んでいただいたわけでございますが、そうい うような事業を共同をして実施をしていただいたということでございます。  滋賀県におきましても10月に第1回目の協議会を開催をして始まったという段階でご ざいまして、こういう観点から保険者の方でも本来の意味での健康増進、そういう意味 での医療費の適正化ということを申し上げているわけでございまして、QOLの改善と 資源の効率的な利用という観点から保険者自身も関心をもってこうした取り組みをして いただきたいということで始めているものでございます。まだ手探りのところもござい ますが、これは厚生労働省の健康フロンティアの関連事業の一つの項目になっておりま すので、ぜひ私どもとしてはこういうものを推進をしていきたいと、こんなふうに考え ているところでございます。以上でございます。  久道部会長  どうもありがとうございました。資料4の説明の後に質疑応答ということにしておっ たのですが、今説明いただいた唐澤国保課長が国会の用事で退席しなきゃあならなくな ったということですので、ただいまの説明に関してだけの質疑応答、御意見をいただき たいと思います。保険者協議会について何かございませんでしょうか。  土屋委員  前回のこの会議で保険者協議会のその後の進捗状況を伺ってあったわけですが、ただ いまの御説明では老人医療費の伸びの適正化ということに関してだいぶトーンダウンし た言い方をなさっておられますけれども、当初、この案の具体的な中身が全く見えなか ったのであります。そこで、もう一度確認しておきたいのですが、健康増進法に基づく 健康増進計画、これは当初生活習慣病予防を一つの大きなテーマとしてやっていくんだ と、それからもう一つはやはり老人医療費の伸びの適正化というようなことを掲げてい らっしゃいます。私ども医師会がは、当初からあまり関知してなかったものですから、 特にこの二つのモデル事業の実施県では何をやっていいのかわからないということか ら、日本医師会の方に相当問い合わせがあったり、内部的に議論がございました。そこ で事務局の皆さんにもお問い合わせをしたような経緯がございます。大体、医療関係者 と連携協力なんて話は当初はなかったわけです。  社会保障審議会の医療部会での質疑の中で、医療関係者はその時の個別案件ごとに必 要があったらその都度招集しますという程度だったのです。しかし、保険者協議会なる ものの中で、保険者だけが集まって相談をして、それは結構だと思うのですが、出てく る結論は、今の医療費削減といいますか、保険者機能の強化ということが第一に出てく ることは、大体想像できることでありまして、このモデル地区の、特に医療関係者は懸 念したわけです。  見ますと、今後もこれを進めるにあたっては、私どもの方からも伺いますけれども、 定期的に、特にこれからそれぞれの都道府県でこれを進めていくにあたっては、都道府 県医師会や地域の医師会とよく相談をしていただきたい。保険事業を実施するとなれば 事業計画はできるんでしょうけれども、やはり地域の医師会をはじめとする医療関係者 がこれは実行部隊になりますので、決まっちゃってからよろしくというのではなくて、 御相談いただきたいとお願いいたしておきます。  久道部会長  御意見だと思うのですが、課長、何かあればお願いします。  唐澤国民健康保険課長  土屋先生からお話のございました通りでございまして、この保険者協議会は手探りで 進めてきたというのが実情でございます。今お話がございましたように、地域の医師会 の先生方でございますとか、医療関係の先生方の御協力をいただきながら、そして予め よく御相談をしながらそれぞれの内容を進めていくようにしたいと思っております。  それから現実にこの保健事業を進めるということになりますと、これは医療関係の先 生方と同時に市町村の方にもやっていただくというのが現実でございまして、保険者協 議会自体が実働部隊がいるわけではございませんので、そこはやはり市町村中心という ことになってくるんだと思っております。そこのところもよくつなげて御連絡ができる ようにしていきたいと思っております。  それからもう一点、いま御指摘がございましたように、まだ始めたばかりでございま すので、いろいろ問題もございます。そこはこうしたらいいんじゃないかということで 御指摘をいただければ、私ども内容を改善することについては全くやぶさかではござい ませんので、どんどん変えて良くしたいと思っておりますから、先生方からもぜひ御提 案をいただいて、そして職域と地域というものがつながってQOLの改善につながって いくということにしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  土屋委員  この保険者協議会なるものの名称があまりよくないと思うんです。最初から申し上げ ていますけれとも、保険者協議会なるものは保険者が集まって協議するということであ りまして、まして、国保連合会にこれをやってくれと言って投げても、国保連合会も今 おっしゃったように大変なんです。やはり市町村に今度はお願いしなければならないと いう事情があります。この名称は中身を表すわけですので、これが如実に最初のスター トの状況を表していますが、名称はこういうことなれば中身が意味あるものになるよう にやっていただきたいですね。 久道部会長  では次は松本委員、お願いします。  松本委員  一応市町村の立場で申し上げたいのですが、町村の場合でもいろいろ健診をやってい るわけですが、疑問のある人に対してやっぱり精密検査をしなさいとか、それから保健 婦から事後の指導として自己管理をするようにと言うのですが、なかなか聞いてもらえ ないんですね。だから受けっぱなしといいますか、そういうことで済んでしまうのが非 常に多いのです。そういう指導関係が今後必要ではないかなと、やっぱり町村の立場で 思っております。  それからあと一点、これは血液の検査の件なんですが、これはちょっと例を申し上げ たいと思います。3年前に私の友達がC型肝炎だったのですね。それでかかりつけのお 医者さんにかかって絶えず血液をとっていたのです。しかしそれまでよくわからなかっ たのかどうか、実はある日突然どこかで精密検査をしてくださいということになったわ けです。それをしたら今度は肝臓に実は8cmぐらいのがんがあったのです。それで私の 医者の息子がこれは大変だということで、久留米医大に連れていって即刻入院させまし た。もう末期がんだったのです。そして結局は1年半で亡くなってしまったのです。  それと私自身なんですが、血圧が高いんですね。それで糖尿の恐れがあるということ でずっと予備軍だったわけです。それで今度は糖尿になりましたということを言われま した。それでこの前血液検査をしたら、いやもう糖尿じゃないですよという表現をなさ れたのです。それから膀胱だったか前立腺だったかわからないのですが、数値が高いか らこれは検査をしなさいということだったものですから、久留米医大で検査をしまし た。そうしたら結局何でもなかったんですね。それからもう4年ぐらい経ってます。  久道部会長  いまは資料2だけに限ってお聞きしているものですから、また後で追加してもらいま す。はい、次の方どうぞ。  坂本委員  この3保険者が特に生活習慣病に着目して医療費分析をするというのは、今までにな かったことだろうと思います。ただ、医療保険のシステムは医療費の支払いのためのシ ステムとして作られておりますので、疾病を分析するシステムにはなっておりません。 そういう中でどういうふうにしてより正確な医療費分析ができるのかが大きな課題だと 思います。  先ほど、糖尿病のことをおっしゃいましたが、それはそういう中で糖尿病に絞って医 療費分析を試みようということでしょうか。  唐澤国民健康保険課長  一つは医療費の分析の問題でございますが、実は国保連合会の方にはそれぞれの特性 を少し分析するようなソフトの開発、開発というと大げさでございますが、よくあるも のを導入をしていただくということをもうすでに実施をしております。ただ、それぞれ の個別の市町村でございますとか、それから特に職域の方の保険者ということになりま すと、今までそんなことをしたことがない、それから全国一本で見たことはあるけれど もその県の分というのは見たことがないというところがほとんどでございまして、ちょ っとそういう関心を持っていただきたいということで、国保連のものをできるだけ活用 してやってみていただきたいということでございます。  それから糖尿病のものは糖尿病だけと限定するわけではございませんが、しかし極め て取り組んで効果的なもので、かつ本人のQOLの影響、それからまた維持改善するこ とができればそのアウトカムの評価が大幅に改善されるもの、それからコストも大幅に かかるものということで、国民の皆様にもわかりやすいですし、現実に糖尿病の合併症 に伴う腎不全というようなもののコストが非常に増えているのが実情でございますの で、やはり国民全体で取り組んでいただくには、最初に取り上げるにはよいテーマでは ないかというふうに思っているわけでございます。  そこは医療関係の皆様方の、あるいは医師会をはじめとしていろんな団体の皆様方に も御協力をいただきながら、ぜひその糖尿病対策を進めていけば、国民の皆さんにも非 常にわかりやすいし、生活習慣の行動を改善をしていくということの意味も理解をしや すいのではないかと思っておりまして、ぜひそういう取組みを進めていきたいと思って いるところでございます。  久道部会長  それでは資料2に関してはこれぐらいにして、次の資料3の説明をしていだたきま す。三浦老健課長からお願いいたします。  三浦老人保健課長  それでは資料3に基づきまして御説明を申し上げます。先般おまとめいただきました 老人保健事業の見直しに関する検討会の中間報告でございます。審議の経過などにつき ましては資料3の一番後ろを御覧いただきますとわかりますように、本年の7月以来6 回の検討会を開きまして、3カ月という非常に短い間におまとめいただいたものでござ います。  その左側に検討会の委員の名簿がございますが、東北大学の辻一郎教授に座長をして いただきまして、本日御出席でもあります土屋委員、石井みどり委員にも御参画いただ いたということでございまして、私の御説明につきましてもし追加すべきことがござい ましたら後ほどでもお話をいただければと思っております。内容は大部でございますの で、資料をおめくりいただきまして1頁目の概要版に基づきまして御説明を申し上げま す。  2頁目ですが、はじめにというところからでございます。御案内の通り、老人保健法 に基づきますいわゆる老健事業は、昭和57年度以来4次にわたる計画に基づきまして20 年余りの長期にわたって事業が展開されてきたところでございます。平成12年度に第4 次計画が定まりまして、それに基づきまして計画的に事業が展開されてきたところでご ざいますが、平成16年度、本年度が最終年度でございまして、来年度以降どのように事 業を展開していくか、こういう観点から検討を行っていただいたところでございます。  その下に現状と課題ということがございますが、まず2−1というところで、老健事 業が果たしてきた役割について記載されております。全国的な事業実施が推進されてき た、身近な事業として定着してきた、さらに他の制度・事業のモデル的役割を担ってき た、こういう一定の成果があったということでございますが、一方で課題もあるという ことが2−2にございます。  例えば40才以前の方々に対する取組み、これは老人保健法は40才以上という形で規定 されておりますので、手が届かない部分にございます。それから生活機能の維持向上、 高齢者に対する取組みが不十分ではないかということ、先程冒頭に御説明がございまし た保健事業に関する様々な制度がございますが、こういう制度と連携した継続的な利用 というのが難しいという問題、要介護状態という高齢者にありがちな状態、そういう状 態になる恐れが多い方々に対する必要な支援というのがまだ足りないのではないかとい うこと、老健事業での健診での受診率の低さ、さらにそれらが市町村に対してインセン ティブをもっていないという課題があるということ、フォローアップの仕組みが確立さ れていないこと、またアウトカム評価が不十分であること、そしてハイリスクな方々に 対する対応とそれ以外の方々も含めた多くの方々に対するポピュレーションアプローチ の適切な組み合わせというのがまだ十分ではないというような課題が指摘されていると ころでございます。  次は3頁目ですが、この事業を取りまく状況といたしましては、老健法が制定された 以後の動きといたしまして、最近の動きとして健康増進法が制定されたこと、それから がん検診のあり方について私ども検討会を行っておりますが、がん検診についての検討 会での議論が進んでいること、そしてこれは政府与党をはじめとして、いま集中的に26 年度までの10年間を実施期間として進められようとしております健康フロンティア戦略 が策定されたということ、介護保険制度の見直しが今進められているということ、三位 一体の改革が動いているということ、また医療保険制度の改革というのが進められよう としているというようなこと、このような背景を前提として今後の老健事業のあるべき 姿について御議論をいただいたということであります。  4頁目をめくっていただきまして、基本的方向性という形で第4章が組まれておりま す。4−1としまして、新たな目標と基本的な考え方、新たな目標ということでは□の 中に入ってございますが、今までの老健事業があえて申し上げれば「健康な65才」をど のように作っていくかということに目的があったとするならば、高齢化社会が進展して いる中で、これからはそれだけではなくて「活動的な85才」というものを目指していく べきではないか。そのあとの※にございますように、高齢者それぞれが持っている機能 を活かし、また高めることを通じて活動的に暮らすことこそ新しい老健事業の目指すべ き目標であるということ、そして事業は生活習慣病予防から介護予防に重点を移行して いくこと、生活機能低下の予防・維持・向上という観点からは生活習慣病予防と同様、 一次予防、二次予防、三次予防があり、それぞれの事業を展開する必要があるというこ とでございまして、図の1にございますように、生活習慣病予防と介護予防の一次予 防、二次予防、三次予防のフェーズの違いが書いてございます。  端的に申し上げますと、生活習慣病予防の観点からは、三次予防という状態に入って も、まだ介護予防としては一次予防の段階がある、そのあとに二次予防、つまり生活機 能の低下を早期に発見し、早期に対応すれば三次予防というところにいかずに済むので はないか、また三次予防として要介護状態になったとしても、介護保険制度の中でサー ビスを適切に展開すれば予防が可能ではないかということでございます。  次は5頁目です。基本的な考え方として4点がございます。まずライフステージに応 じた多様な事業展開ということで、年齢階層別の目標を掲げております。65才以上とい うことにつきましては、先程申し上げました「活動的な85才」を目指す、生活機能の維 持・向上に対する取組みを強化することになっております。それから根拠に基づく事業 の立案評価、ケアマネジメントの手法の導入をはじめとする個別対応を重視していくこ と、4番目といたしまして、様々な事業者の参入を図っていくということと、質をどう やって確保していくかということなどが重要であるということでございます。  その下に、あえて記載させていただいているわけですが、国民の責務という形で、国 民自らが若年期から高齢期に至るまで健康の維持及び生活機能の維持・向上に努めると いうことが必要であると記載されております。  次は6頁目です。国民の責務ということだけではなく、行政にも当然のことながら責 務があるというのがそれ以降の記述でございまして、国の責務といたしまして、国民の 健康や生活機能の状況等を的確に把握して、国民の健康づくりに向けた総合的な戦略を 企画立案をすること等々があげられております。  都道府県の役割といたしましては、実際の事業の内容等を明記して、都道府県計画を 策定し、それに基づく事業を展開していくこと。市町村は国の示す指針や都道府県計画 等をふまえ、市町村としての計画を策定し適切にサービスを展開していくということで ございまして、市町村の役割の最後のところには、地域づくりやまちづくりというとこ ろにも触れて、地域住民の健康や生きがいを高めることの支援の必要性が記載されてい るところでございます。  7頁目ですが、ここからが生活習慣病予防と介護予防という観点からの事業の内容に ついての記載でございます。生活習慣病予防といたしましては、先程申し上げたような ライフステージ、あるいは性差等に応じて健康課題を明確化した上で個々の危険因子に 応じた事業を実施していくということ、40才未満の方々に対する取組みということも重 要であること、働き盛りの方々に対して心の健康問題についての取組みを実施していく 必要があること等々が記載されいてるところでございます。  5−2では介護予防の部分につきまして、御本人の自己実現をどのように支援してい くかということ、さらに生活機能が低下した時の早期発見、集中的な対応、ここでは水 際作戦と書いてございますが、そういう時期をとらえて適切に対応する必要があるとい うことでございまして、次の頁に絵が載っている通り、水際作戦として生活機能が低下 した際には、そのポイントポイントで早期に対応すれば生活機能が落ちずに維持でき る、こういうような事業展開をしていくことが必要だということでございます。  7頁に戻っていただきますと、その他にも相談窓口を設置するということ、生活不活 発病というふうに書いてありますが、いわゆる廃用症候群に対する対応を専門職や地域 住民がしていくことが必要であること等々が記載されております。  5−3といたしまして、その中で特に強化すべき分野として、痴呆、うつの対策、口 腔機能低下予防への対策、栄養改善への対策、運動器の機能向上への対策、閉じこもり 予防への対策などが記載されているところでございます。  8頁目の後段の6番からが事業展開のあり方ということで、先程申し上げましたよう に市町村は計画を策定し、その計画に基づいて事業を展開していくということになるわ けですが、その際に様々な留意点があるということでございまして、例えば2番目の○ でライフステージごとの目標を設定する、あるいは3番目でアウトカム指標の改善度と いうものが評価できるような仕組みを導入する、それからそれらの指標は住民にとって わかりすい指標にしなければいけないというようなこと、サービスは総合的継続的な利 用ができるものにするというようなこと等々が書かれているところでございます。  9頁目の6−2の事業の実施について申し上げますと、メディアを通じた情報の提 供、社会資源に関するわかりやすい情報の提供、医療機関など関係機関やボランティア 団体など、地域の組織との連携を深めていくこと、民間事業者を含めて多様な事業者に 業務への委託等が書いてあります。  下から二つ目のところにありますように、現行の老健事業は6つの事業によって構成 されているわけでございますが、サービスの構成としてはその事業でほぼ網羅されてい るということになりますが、利用者本位という観点からは名称を改めた方がいいのでは ないかという意見がございました。例えば健康教育、あるいは訪問指導というような名 称は利用者主体という観点から言えばあまりふさわしくないのではないかというような 意見でございました。  それから最後の○ですが、6事業が相互に有機的に連携して展開されるということが 重要だということで、9頁の図3にある通り、今後の老健事業といたしましては、現行 行っている老健事業に加えて介護予防に資する事業を追加していくべきだというような 意見をいただいたところでございます。  10頁ですが、事業評価の重要性について書いてございます。様々な評価を行うという ことでございますが、あわせて一番最後のところに地域住民からの意見を市町村計画の 見直しに反映していくということで、まさに住民参加のもとで今後の老人保健事業の展 開があるということでございます。  このようなことをふまえて、最初の概要の1頁目に戻っていただきますと、今回の中 間報告のサブタイトルといたしましては、「生活習慣病予防と介護予防の新たな展開に 向けて」という副題をいただいたところでございます。以上、大変早口で恐縮でござい ますが、御説明といたします。ありがとうございました。  久道部会長  どうもありがとうございました。それではこの検討会の委員でありました土屋委員、 あるいは石井委員、何か追加する御発言はございますか。  土屋委員  様々な事業者の参入と質の確保という、これについてはあまり議論されなかったと思 うのですが、例えば介護保険の場合を考えまして、これにいろんな事業者が参入してき て、結果としてこの保健・医療・福祉というようなつながりをよく理解できないような 人が、この分野に直接参入してきますと、様々な問題を起こしまして、事業者としての 資格を停止されたり、なかには停止される前に逃げちゃったとかいう例が非常に数が多 いのですね。  またこういう場合、その地域、例えば県なら県単位で大体把握できておる事業者なら 結構なんですが、健診屋さんと称する人たちがバス健診で乗り込んできて、検査をやり っぱなしで、その事後指導はもちろんですが、精度管理なんか十分できていないという ようなものが入ってくる恐れが十分あるわけですね。  ですから、この事業を推進していくについては、介護保険制度の場合と同じように、 いろんな民間の方々の参入を推進するからには、健診の質が担保されるものでなければ なりません。事業者を指定しておいて、あとでそれをうんと締めつけて取り消しにする ということではなくて、最初からそこらあたりのところは、きちっと要件を定めておく ということも必要かなと思います。  久道部会長  今、土屋委員がおっしゃったような話は中間報告には載っていますか。本報告をまと める時にぜひ加えるようにという、そういう御意見ですね。次は石井委員どうぞ。  石井委員  私は広島市に住んでいるのですが、広島市も来年の計画予算等が決まっていってる最 中ですが、この中間報告にも生活習慣病予防から介護予防にシフトするんだということ が明記はしてあるのですが、まだ現行の6事業がどうなるか、新規のものが入るという ふうにありますが、そこのところがまだはっきりしておりませんので、どうも市町村の 方は生活習慣病対策はもうあまりしなくていいんだというような変な誤解をしていると いうようなことを漏れ聞いているのですね。だからこれは中間報告ですから、今後もう 少し具体的になってくる中ではわかると思うんですが、そのあたりがどうも地域の受け 止め方、市町村の受け止め方が変に先行しているということがありますので、今後のこ の進展がわかればなと思いますが。  久道部会長  はい、課長お願いします。  三浦老人保健課長  実は今日の午後に老人保健担当の全国都道府県課長会議を開催する予定にしておりま して、私どもそれを通じて今の中間報告の内容、あるいは今後の事業展開のあらましな どについてできるだけ詳細な情報提供をしていきたいと考えております。  久道部会長  それでは時間の関係もありますので、あとでまた一括して御質問をいただきますが、 資料4の説明を中島室長からお願いいたします。  中島生活習慣病対策室長  資料1〜3まで御説明したことをふまえまして、事務局の方でとりあえず二次予防施 策の課題ということで資料4でまとめさせていただいたものを御説明いたします。  健診及び事後指導の課題、ここでは10を挙げさせていただいておりますが、基本的に はやはり冒頭にも御説明いたしましたように、科学的根拠に基づくエビデンスに基づく 健診・保健指導を確立するという、いわゆる中身の問題の課題がございますし、もう一 つはそうした健診や保健指導が確実に行き渡るシステム、制度を構築するといいます か、いわゆる仕組みの問題、課題というものがございます。そういう中身、仕組みそれ ぞれについて今後の健診および保健指導について、きれいには整理されておりません が、10項目程度に整理をさせていただきました。  まず、一つは健診の検査項目等が制度の間、または実施主体の間で異なっているとい う問題、それからライフステージごとの健康課題に必ずしも健診の検査項目なり保健指 導の内容といったものが対応していないのではないかといった問題がまず挙げられるの かなと思っております。  二つ目は、繰り返しになりますが、市町村、医療保険者、労働安全衛生における事業 者等の各実施主体の責任や役割分担が必ずしも明確でないところがあるのではないか、 そういうことからそれらの実施主体間の連携も不十分ということから、対象者を把握し て、未受診者に対する受診勧奨をしていく、さらには健診結果をふまえた事後指導を徹 底していくというところになかなか力が入れにくくなっているのではないかという問題 でございます。  そして三つ目ですが、先程の三浦課長からの御説明にもございましたが、やはり生活 習慣病予防対策については、40才になってからスタートというのでは遅いのではないだ ろうか、そういう意味では40才になるまでの間の健診とか保健指導のあり方といったも のをどのように考えていくのかという問題が一つございます。  それから先程松本委員や土屋委員の方からも御指摘がありましたが、そもそも健診が 正確に検査結果を出すという意味での精度管理といったものにまだまだ改善していく点 があるのではないかということでございます。  それから(5)(6)(7)あたりは保健指導に関する問題でございますが、(5)でございます が、やはりポピュレーションアプローチとハイリスクアプローチの適切な組合せなどと いいました形での保健指導プログラムといったものの効果性の検証や、そうした効果の ある保健指導プログラムの開発といったものにもまだ課題が残されているのではない か。それから健診後のフォローアップの仕組みが十分ではないので、いわゆる受けっぱ なしになっている、それが必ずしも本人の行動変容につながっていない、さらには受診 につながっていないという問題があるのではないかといった問題がございます。  それから(7)でございます。ここは先程土屋委員の方から質の担保が重要だというこ とでございますが、事後指導については、やはり民間事業者も含めた様々な事業者の活 力といったものを多いに発揮していただく余地が十分あるのではないかと思いますが、 そうしたところも課題としてあるのではないかということでございます。  それから健診の判定基準、これは精度管理にも通じる問題でございますが、必ずしも 標準化されていない、また、そうしたことが健診結果のデータが生涯を通じて継続され ていないというところから、なかなか個人に着目していくと生涯を通じた健康づくりと いうところでの基本的なデータの蓄積といったものに改善すべき点があるのではないか ということでございます。  (9)につきましては、先程三浦課長の説明にもございましたが、アウトカム評価の問 題がございます。  それから(10)、これも同様でございますが、健診や保健指導を実施される方、事業者 にとって、そのインセンティブといったものが働く仕組みというものがある意味で重要 となってくるのではないかということでございます。  申し訳ありませんがもう一度資料の1の1頁にお戻りいただきたいわけでございま す。こうした(1)から(10)の二次予防施策についての課題といったものがあるわけでご ざいますが、まさに冒頭に申し上げましたように、ある意味でここで課題となっており ますのは(3)の保健事業の効率的一体的な推進といったところと、それから(4)の科学的 根拠に基づく事業の推進といったところをもう一度正面から捉えて制度をよりしっかり したものにしていくということが課題ではないかということでございます。  したがいまして具体的には2頁以下で御説明をしました健診指針の内容といったもの の充実といったものも一つの課題でございましょうし、真ん中の欄に地方計画というの がございますが、まさにこうした健診・保健指導をそれぞれの事業者がバラバラに実施 されるということでは必ずしも効果が上がらないのですから、こうした保健事業を効率 的・一体的推進をしていただくためには、地方自治体、とりわけ県レベルにおけるコー ディネート機能というものも大変重要になってきて、これは前回加藤委員の方からも御 指摘のあったところでございますが、そういう意味では県の役割、さらには都道府県の 健康増進計画といったものの内容の充実といったものも課題となってくるのかなという ふうに考えているところでございまして、今後の本部会で積極的に御意見・御検討をい ただければありがたいと思っております。以上です。  久道部会長  以上で資料の説明を1〜4までいただきました。一括して御意見あるいは御質問をい ただきたいと思いますが。  松本委員  さっきの続きで、資料1の関係なんですが、友達が血液検査で手遅れだったというこ と、それから私も血液検査で糖尿の予備軍から糖尿になった、それからまた予備軍だと いう血液検査、そして2週間前に実はいろいろ検査をしていて、たばこを1日に50本ぐ らい吸っていたんですが、たばこをやめないと心筋梗塞を起こしますよということで医 者からたばこのストップがかかったんです。それから吸っておりませんが、それで不整 脈もあったのですが、それも今はちょっとないようですから、精密検査をしなさいとい うことで、今は忙しいから1月にするということを言っているのですが、でも咳も止ま ったんですね。やっぱりたばこの害というのは本当言って今体験しました。  それと同時にこの資料1の精度管理の問題で、ここで登録衛生検査所についてです が、かかりつけの医者からそこに出してもらうんですね。それでその結果がやっぱり安 心できるのか。我々も体験いたしましたが、結局あれは前立腺だったのか膀胱関係か、 ちょっとわからなかったんですが、結局数値が上がったから検査するということで検査 しました。しかし大丈夫だったんですね。そういうことで精度の問題というのは、これ はどこかチェックするところはあるのかなというような感じを持っているんですが、そ の点を素人でわかりませんが、これを教えていただきたいと思います。  久道部会長  土屋委員からお願いします。  土屋委員  この資料の1の19頁に、外部精度管理の標準化に向けた云々とございますが、日本医 師会の精度管理ということを書き込んでいただいてますので、これに追加して申し上げ たいと思います。ここに記載されている三つの機関等と連携や標準化に向けた情報交換 を行っていくというのは、実は本年度からであります。  従来、それぞれの機関がやっていまして、本当の意味での連携、あるいは標準化とい うことができていませんでした。そこで、各機関の代表にも入っていただいて、すでに スタートいたしておりますということが一点です。  それから、先程松本委員さんの御意見にも関係するのですが、この場合の精度管理と いうのはほとんど検体検査についての精度管理ですね。しかし、この検査項目が事業ご とに掲げてございますように、検体検査の精度管理だけで十分だとは言えない、先程お っしゃってましたように肝臓にそういうものができていたというのは、これは画像診断 の話であります。それ以外には胸部のレントゲンはどの項目にも大体入っておると思う んですが、要するに画像診断についての精度管理も、当然やらねばならないですね。  それから、心臓云々という話がございましたが、心電図をとったりしますが、生理機 能的な面での精度管理も必要でしょう。ややもすると検体検査だけについて精度管理が できておるんだというような勘違いをすることがあります。がん検診、とりわけ乳がん 検診を例にとっていいますと、マンモグラフィ検診では、レントゲン写真を撮る技師 の、人間の精度管理ですね、また、できた写真を読影する人間の精度管理がまず必要で しょう。また、診察という項目があります。胸部の聴診、腹部触診についても、聴診器 で聞いた人が、触診した人が的確にある程度判断できなかったらならば、これは無意味 ですね。要するに、そういう意味での人的精度管理も最終的にはきちっとやられてない 限り、この健診全体の精度管理ができておるとは言えないのではないかと思います。  それから、その前提としては、機器的な面での精度管理、これも問われなければいけ ないと思います。もう一つは、どういう場所で、機関で、実施されたかという、これも ある意味では精度管理の大事な部分です。車検診でやって来て、やりっぱなしという話 を先程申し上げましたが、以上の全てが揃ってはじめて精度管理ができるのでありまし て、一挙にはいかないかとは思いますが、こんなことを前提に考えて進めなければいけ ないのかなということであります。  久道部会長  他にございませんか。  菊田委員  ただいまいろんなお話の中で、生活習慣病がもういいんじゃないかと地方で言われて いるというお話を今お聞きしまして、私はやはりボランティア団体で第一次予防とい う、自分の健康は自分で守るという、またそれがお隣さん、お向かいさん、地域の方た ちにもそういうことをみんなで頑張って自分の町の医療費や何かも少なくしましょうと いうことで、第一次予防のボランティア活動をしているものなんですが、この生活習慣 病をそのように地方でとらえているということにはもうびっくりしていますし、どうい う意味でもういいんじゃないかと、病気になってからでは誰しも検査しまして、病院へ 行きましてびっくりしまして、みんな治療をします。  病気にならないうちに、やはりここにも栄養部会ともなっておりますし、健康増進法 ということで歌われていまして、資料の1の4頁にも栄養指導その他健康指導というこ とも書かれております。その中でやはり食という部分が人間の生命を保つのには第一次 予防の啓発運動というのが一番大切ではないかなと私自身はそういうものに携わってい ますので、そう思うのでしょうけれども、そういう中で保健師という部分がかなり言葉 は出ますが、第一次予防で保健師さんから比べると栄養士さんの数は全国的にはずっと 違うかもしれませんが、地方の現場へ行きますと保健士も栄養士も同じ立場で同じ仕事 をしなくちゃあなりません。  私はそれを目の当たりに見ていまして、ここに第7回の平成17年度予算概要要求重点 事項という中に、その健康フロンティア戦略に掲げられたという概要の中に、一番目に 保健師等という言葉だけで、ここに管理栄養士というものを入れてもらえないものなの かどうなのか、現場では同じ立場で、数は少なくてもそれ以上に動いているというのを 私は目の当たりにしていますので、どうしても管理栄養士という部分がずっといろんな ところでも保健師等とばかり文章的になっているのですが、健康づくりには欠かせない 人たちだと私は思っております。どうかその点ここへ入れていただきたいなということ と、生活習慣病の部分がなぜそういうことの言葉が出るようになっているのか、ちょっ とお聞きしたいのですが。  中島生活習慣病対策室長  御指摘のようにたしかに市町村等におけます管理栄養士さんは保健師等の「等」の中 に入っている。ここはいわゆる数の問題ですね、実際に自治体に勤務しておられる保健 師さん、管理栄養士さんの数の問題と、それから具体的に業務範囲として栄養指導に限 定されているというところもあって、そういう形でこれまでされてきたんだと思ってお ります。  いま御指摘のように、栄養政策は実は次回に集中的に御議論をいただこうと思ってお りますが、やはり生活習慣病予防の基本は栄養・食生活と運動だということは疑いもな い事実でございますので、今後ますます自治体における管理栄養士さんには大いに御活 躍をいただかなければいけないと思っております。  それで17年度概算要求のことにも触れていただきましたが、来年度の概算要求は今日 も御議論をいただいていますように糖尿病というのが大変大きなターゲットになります ので、糖尿病予防に向けた栄養指導の具体的なマニュアルの策定といったものも要求を させていただいておりますものですから、そうしたこともまた栄養士さんの力を借りな がら、そのマニュアルにそって強力に栄養政策を推進していく必要があると思っており ます。詳しい御説明は次回にまたさせていただこうと思っております。  菊田委員  その保健師等という部分で、国は全部網羅して、その栄養の関係している人たちとい うことであって表現しているというのは私もわかりますが、実際に現場になるとそうは いかないという部分がありますので、どうか本当に管理栄養士という部分を入れていた だけるものなら入れてあげてくだされば、それぞれに張り切ってその分野で自信をもっ てお互いに連携が保てるのではないかと思うんです。保健師等と書いてありますと、保 健師さんがやっぱり優先すると、なかなか栄養士の持っている力が出せない部分がある ものですから、どうかよろしくお願いしたいと思っております。  中島生活習慣病対策室長  そのような御意見を念頭に置きながら進めていきたいと思います。  久道部会長  はい、次は北村委員、どうぞ。  北村委員  いろんな事業主、あるいは施行主の健診のあり方の中で、生活習慣病予防あるいは介 護予防にとって一番重要なものの一つは脳梗塞です。ところが今の健診のあり方という のは、脳梗塞の前に発見するということについては非常に弱体です。今はがんの方も乳 がんの検診等々が入ってきたのと同様に、例えば頸動脈の超音波検査とか、そういった ものを健診業務に入れて、脳梗塞に対する健診あるいは予防をする。脳動脈瘤の破裂の クモ膜下出血になるともう一つ難しい問題がいっぱいありますが、脳梗塞の大きな重症 型はやはり塞栓型ですので、これがあとあと要介護の重要な患者増の因子になってくる わけですね。  ですから健診業務の中においても、脳梗塞に対するもう少しパワフルな方法を含めて いくということは重要ではないかなと考えます。どの範囲まで健診でできるか、精度の 問題も大きな問題になりますが、今のままの健診項目では脳梗塞に対する健診能力は非 常に弱いという気がしていますので、御検討をいただきたいと思います。  久道部会長  しかし頸動脈の超音波検診のその所見と、それから発症する関係というのはエビデン スはもうあるんですか。  北村委員  動脈硬化によって脳の小さな血管が詰まってくる場合の梗塞は割合予後がよろしいで すし、リハビリテーションで回復も容易なのですが、やはり半身不随、あるいは発語障 害等々の大きな後遺症を残して要介護者に入っていく、あるいは最終的には脳動脈硬化 性痴呆というようなものに入っていくのは、反復して脳梗塞を繰り返す塞栓型でして、 大動脈あるいは頸動脈から飛んでいくのが結構多いのです。  超音波でもかなりの程度頸動脈系の動脈硬化、椎骨動脈系になるとまだ難しいところ がありますが、あるいはドップラー検査を含めて発見が可能で、予防的にステントをし たり、予防的に外科的治療を行う場合も少なくないわけです。そういうのを早く発見す るために大きなマスとしての検診項目に入ってくれば、将来的には脳梗塞あるいは重症 型の脳梗塞の削減につながる可能性は十分あるというエビデンスは発表されてきており ます。  久道部会長  他にございますか。  富永委員  ただいま北村委員から循環器の話をされましたので、私の方からがんの話をさせてい ただきます。がんの話というのは要望でありまして、資料4の2頁目の(4)精度管理が 適切に行われていない、これは二次予防ですからがん検診は最たるものだと思います が、行われてないというのは事実ですね。本日の午後に老人保健課長の全国会議がある そうでございますが、ぜひ精度管理の必要性を強調していただきたいと思います。精度 管理といいましても、特に重要なのは要精検率です。受診者のうち要精検の割合が一定 のパーセント出ていますが、これは高過ぎると不必要な精密検査を行われ、また不必要 に受診者の不安を増大する恐れがあります。  たまたま昨日愛知県のある保健所管内の市町村10ぐらいが集まりして乳がん検診の結 果をまとめておりましたが、マンモグラフィを使った乳がん検診の要精検率が低いとこ ろでは2〜3%、高いところでは30〜40%になっているんです。なかには10%前後で適 正な値で撮影・読影も申し分のないやり方でやっておりましたが、市町村レベルでは要 精検率でさえバラバラです。  それから擬陰性率は地域がん登録がないときちんとした把握ができないんですが、間 接的な方法としてがんの発見率も一つの感度の指標になりますので、これは簡単ですか らぜひ押さえる必要があります。こういうことは従来老健法のマニュアルなどにも書い てありますが、ぜひ市町村レベルで浸透させて下さい。最近は市町村ががん検診の検診 機関を入札に基づいて決定する場合が非常に多いのですが、下手をすると「安かろう悪 かろう検診」が横行してしまう恐れがありますので、価格だけではなくて検診の質も評 価する必要があります。  それから関連ですが、精密検査をやりますと、これまでも医療機関が精密検査の結果 を個人情報の保護ということを盾にして市町村に報告しない例もありました。来年4月 からは個人情報保護法が施行されますので、そのようなことが起こらないようにがん検 診の精度管理、精密検査の結果がぜひ市町村に返るように御指導をいただきたいと思い ます。以上が要望です。  もう一つ簡単な確認的な質問をいたしますが、資料1の13頁の老人保健事業における 健康診査に関する保健指導のフローチャートがございまして、一番上の生活習慣病予防 に関する健康度評価、それから生活習慣行動の改善指導、それから個別健康教育へ点々 で字が囲まれて……の線があります。それから一番下には喫煙者のうちの禁煙希望者に 対する支援というものがございますが、この……というのは現在まで十分行われていな いところで将来ぜひここのところを強化する必要があると思いますが、……の意味は将 来力を入れようということでしょうか。  久道部会長  ではどなたからお答えいただけますか。  三浦老人保健課長  ここは点々……というふうになっていますが、別に差別しているわけではなくて、生 活習慣行動の改善指導をしたとしても、なおかつ個別に健康教育を必要とするという方 があれば、それはそれでまた行っていただくということでございまして、逆に言うと健 康教育を行ったりあるいは健康相談を行って指導したとしたら、もう個別健康教育は対 象ではありませんよということではないというふうに御理解いただければと思います。  久道部会長  もっとわかりやすく書いた方がいいですね。では次の方どうぞ。  多田羅委員  三浦課長さんの方からがん検診に関する検討会でがんの検診の検討は進んでいるとい うお話だったのですが、この資料1の16頁に、これはこれまでも度々指摘されておりま すが、例えば胃がん検診は平成14年度、これは健康日本21が始まって3年で13%、乳 がんに至っては12.4%、ほとんど増加が見られてないし、向上が見られてないというこ とですが、胃がんでも5万人以上の方が亡くなっていますので、この辺はどのような検 討が進んでいるのか、簡単にポイントだけ教えていただきたいのですが。  三浦老人保健課長  先程中島室長からもお話がございました通り、がん検診については平成10年度以来、 いわゆる一般財源化が行われまして、市町村が自主的に行うように位置づけをされてい るところでございまして、受診率についてはほぼ横ばいになっております。  特にそのような状況がございましたので、私どもとしては全国でマンモグラフィの導 入を積極的に図っていただきたいということで、17年度の概算要求では500台分のマン モグラフィの予算要求をいたしているところでございます。この500台という数でござ いますが、対象となる女性のほぼ半分ぐらいは受診が可能になるという受入能力でござ いまして、欧米の状況では、乳がん検診について7割とか8割の受診率になっていると いうことですので、そういうような緊急対策として現在マンモグラフィについての導入 を図っているということでございます。  今後ともがん検診の受診率をどうやって高めていくかということは極めて重要なこと でございまして、先程、老健事業の見直しの検討会でもインセンティブ、ディスインセ ンティブという言葉を使いながら、どういうふうなことをやればさらに受診者数を増や していくことができるのかというようなことを御議論をいただいたということでござい まして、私どもそれを受けてまた検討してまいりたいと思っております。  久道部会長  では次は木村委員お願いします。  木村委員  資料3の31頁と32頁で、確認とお願いです。一つは31頁の最後の○のところの、いわ ゆる6事業の取組みについて、6事業相互に有機的に連携されるように配慮されるべき であるということで、図3のイメージがありますが、一番左側のところは今までの例え ば健康教育ではそのまま残って、残しておいてさらに介護予防に資する事業、それから 介護予防に資する新規事業というものをプラスするイメージで考えていいのか、確認で す。  三浦老人保健課長  ただいまの御質問でございますが、図の3にございますように、現行の老健事業に加 えて介護予防に資する事業を実施してはいかがかという御提案と理解しております。  木村委員  くすり健康教育というのを2000年の4月からかなり薬剤師会としてやってきたのです が、ここに来て例えばこんな例がありました。眠り薬を間違って朝飲んで日中転倒を繰 り返している、その発見を家族がするんですね。本人は気がつかないですね。とすると 一番左のところの、例えば2000年から入っている健康教育も継続し、さらに転倒予防と いうところで、ちょっと薬のジャンルのことを少し入れたりとか、高齢者の方々は大抵 薬を飲んでいまして、今、眠り薬の例を出しましたが、他に低栄養の問題とかうつの問 題とか、それから口腔ケアの問題とか、生活機能にかなり影響を与える薬もありますも のですから、そういう薬に関する教育も継続的に行ってもらうようにお願いしたいと思 います。以上です。  久道部会長  では次は高橋委員、どうぞ。  高橋委員  私はメンタルヘルスの立場から総論的なことと各論的なことを一つずつお願いしたい と思います。一つはこの全体の議論の中で、やはりメンタルヘルス的な観点からの取組 みが非常に遅れているというふうに思います。うつとか心の問題という言葉は入ってい ますが、具体的にはあまり前向きな取組みがされてないように思います。生活習慣病の 危険因子として高血圧とか糖尿病があげられていますが、その基礎にはストレスとか睡 眠障害とかあるわけです。その辺のところからやらないと本当の解決にはならないよう に思いますので、そういう取組みをぜひ将来やっていただきたい、これは総論的なこと です。  それから各論的なことでは資料の1の9頁の検査項目に関してと、それから14頁の労 働安全衛生法におけるフローチャートですが、今は職場でうつの問題、自殺の問題が非 常に大きくなっていますが、例えば14頁のこの流れの中にメンタルヘルス的なものはチ ェックできるようなものをぜひ取り入れていただきたいというふうに思うわけです。  例えば検査項目の中にストレスに対するストレス度とか、睡眠障害の程度とか、そう いうことに関するいろいろな質問指標などもいろいろ開発されていますので、ある程度 数値的にとらえることももう可能だろうと思いますので、そういうのを入れておきます と、それがさらにそのあとの治療に結びつく可能性があるわけですね。特にこういう検 診などでそういう指摘がされると、当事者の人も受診しやすいだろうと思うんです。  自分からいろいろ悩みがあるから相談したいというのが、非常に抵抗があるので、こ ういう健康度調査、チェック、こういったところでその指摘がされると、スムーズに受 診できるのではないか。現在いろいろメンタルクリニックというような診療所も増えて おりますし、精神科もだんだん敷居が低くなっていますので、ぜひそういうチェックが こういう過程でできるような方策も考えていただきたいと、そんなふうに思います。以 上です。  久道部会長  では次の方どうぞ。  村田委員  私の方から一つお願いがあるのですが、エビデンスに基づいた保健指導というのは私 ども現場でやるものにとっては非常に大切なことであるかと思うのです。それでその中 で資料4にもございますけれど、今まで1頁の(5)のところに効果的な保健指導プログ ラムが開発されていないというようなことが今後の課題としてございますけれども、 今、老健事業の中で資料の1のところの10頁にも書いてございますが、保健指導に関す る個別健康教育というのをかなり市町村が多くの時間を割いたり、それから多くの人を 投入してやっているわけですけれども、今までやって来た中で個別健康教育がどういう ような効果的なものがあったのか、半年なり3カ月なりという長い期間をかけて何人か の方々におやりいただいているわけですが、その辺のところがどういうふうになってい るのかということを、やはり検証していくということが非常に大事になってくるのでは ないかと思います。その辺の検証されたものによって、こういう健康教育をすることに よってエビデンスに基づいたものとしてなるというようなことで、理論だてをしていけ るのかというふうに思いますので、ぜひその検証のところはお願いをしたいと思いま す。  それからもう一つ、老人保健事業と介護保険の制度のことですが、これは介護保険制 度ができました時に介護予防ということもしっかり入れながら介護保険制度もやりまし ょうという、当座はいろいろな話があったかと思います。その中でやはり要介護の原因 というのは、いろいろな年齢だとか、それから性差別により非常に違ってくるかと思う んです。それで前期高齢者の場合には脳卒中による要介護の方が多いかと思いますが、 75才を過ぎていくと、女性の場合には骨折だとか老衰だとかということで、男性と女性 の要介護の原因が今データ的に見ると変わってきているというようなことがあるので、 個別的になりますが、そういうこともふまえた上で介護予防を考えていく中で、老人保 健事業を実施していかないとなかなか難しいのかというふうに思います。以上です。  玉利委員  資料3の5頁ですが、本事業の展開に向けた基本的な考え方のその3番目ですか、様 々な事業者の参入と質の確保というところがございますね。利用者の状態等に応じた多 様な事業の開発と普及のため、民間事業者を含めた様々な事業者の参入を推進するとい うところがございます。これは先程土屋先生の方からもこの件について検診業者等のお 話がございました。  二次予防に関しては医療の分野ですから、相当いろいろな規制だとか、そういったこ とが相当精密に行われているのですが、一次予防というのはズバリ言って普段の食生活 と運動と休養と生活習慣全般に関する問題が絡んでくるわけですね。そうすると別にそ こには基準とか法的な規制とか、そういったものは全くないわけです。  それだけに今後民間事業者、特に一次予防、運動の場合等、医療機関と連携して、か りに医療機関の方で「あなたは運動が必要だから運動をおやりなさい」と言った場合 に、それに対応できるある程度の医科学的視点、いわゆるエビデンスのある運動施設と いうものに対して基準を、やっぱり民間には今いっぱいできてますから、また公的施設 もいっぱいあります。ただそれらに対してはほとんど健康づくりに対しての基準という のはありません。ですからそこらを一つ国の施策なり何なりで御検討をいただいて、医 療機関と連携した運動施設、ここらを考えて質の向上を図っていただきたいということ をお願いいたしたいと思います。以上です。  三浦老人保健課長  資料の本文では、御指摘がありました様々な事業者の参入、質の確保についての項目 が18頁の中ほどにございますが、参入が図られる必要があるという一方で、サービスの 質の担保については検証が必要であり、実施体制、提供される事業、サービスの内容に ついて精査する必要があるという記載をいただいているところでございます。  さらにそれを受けて27頁には、運動器の機能向上について、安全管理の観点などにつ いても記載されている。ここはもちろん医療機関との連携ということでございまして、 やや危機管理的な観点から書いておりますが、御指摘がございましたように運動という ことになりますと、その方の心身の状況を十分に把握した上でないとできないこともあ ろうと思いますので、私どもとしては運動は何でもいいというわけではなくて、先程来 出ておりますが、一定のエビデンスがあるようなものというものが一つ念頭にあるとい うことでございます。  玉利委員  現在、健康局の方で生活習慣病対策室の窓口で厚生大臣認定健康増進施設という一応 制度があるんですよ。それで現在約300ほどの施設が認定されております。これの最低 基準というものは、まず一定限度のハードを持っていること、それから指導者が健康運 動指導士という資格を有しているものが常駐していること、それからいろいろな健康度 のレベルの人が運動に来るわけですから、その人たちに対応できる一応能力、ソフトを 持っていること、それから外部でいいですから医療機関と連携していること、ちょっと おかしいなという人は行っていらっしゃいという、メディカルチェックができる体制を 作ること、これが最低限の条件としてあるわけです。それで現在これが最近認識されて きまして増えつつある傾向ですから、これらを基盤にしてもう少しそれを拡大すると か、そういうことの活用を図っていただきたいということをお願いしたいと思います。 以上です。  久道部会長  どうもありがとうございました。予定の時間がなくなりましたが、議事次第のその他 のところがちょっと難しくなりました。少し延長しましてその他の中の(1)と(3)は私の 判断でパスいたしまして、(2)の日本人の食事摂取基準の概要についてというのだけを 今日はさせていただきます。その説明を中島室長からお願いいたします。  中島生活習慣病対策室長  それでは資料6の御説明を申し上げます。日本人の食事摂取基準ということで、本日 御出席いただいている田中委員を座長といたしまして、10月25日に検討会報告書として 「日本人の食事摂取基準」というのをとりまとめていただいたわけでございます。「食 事摂取基準とは」というところにございますが、まさに今後の食生活、栄養施策の科学 的根拠となるものでございまして、この食事摂取基準に基づいて今後各種の栄養指導、 さらには施設における給食提供、さらには食品の栄養成分表示等が行われていくという ことでございます。  今回の見直しのポイントは近年の科学的知見をふまえまして、それぞれの栄養素ごと に摂取量について分析、評価をいただいたわけでございますが、とりわけ生活習慣病予 防に重点を置きまして、新たに目標量という指標を設定していただきまして、当面の目 標とすべき摂取量というものを御提示いただいて、増やすべき栄養素、減らすべき栄養 素、さらに脂質につきましてはその質も考慮する観点からいくつかに分類をして、それ ぞれの目標量も設定していただいたということでございます。  具体的には2頁でございますが、30才から49才の方々については、こうした栄養素に ついて現在の摂取量はこうなっているけれども、今後このような主要食品等をとりなが ら、当面この程度の量を摂るようなことを目標とすべきではないかということでおまと めいただいたところに特色があるのかなと思っております。  3頁でございますが、早速10月25日にとりまとめいただいたものを、全国各地の指導 的立場におられる管理栄養士、栄養士の方々に対して普及啓発するために、我が省及び 田中先生のところの研究所、さらには栄養施設協会、または関係学会等の主催でセミナ ーを開催させていただいておるところでございまして、昨日も東京の1回目ということ で、数百人の管理栄養士さん等を集めて新しい食事摂取基準についてのセミナーを開催 させていただいたところでございます。以上でございます。  久道部会長  田中委員、何か追加の御発言がありませんか。  田中委員  特にございませんが、従来栄養所要量と言われていた言葉でありますが、アメリカと カナダで提唱されました食事摂取基準、ダイエタリー・リファレンス・インテイクスと いう概念を全面的に今回は導入しました。それで食事摂取基準という言葉が入ったわけ であります。約100人の研究者が原著論文を中心として15,000の検索を行いまして、詳 録等から8,000の論文に絞り、この100人のものが精読して、そしていわゆるエビデンス ・ベイスドのものになるように努めて出たものであります。  久道部会長  「健康日本21」の中間評価が来年ですよね、これはそれに反映させられるんです か。  田中委員  ちょっとそのいろんな意味が違うかと思います。本質的にはこれは必要量を充足して おるかどうかというところと、それに加えて近年サプリメント等の普及がありますか ら、上限量といいますか、許容上限摂取量と言っていいかもしれませんが、今回は上限 量という名前になっていますが、過剰摂取による健康障害についても設定したというこ とであります。  久道部会長  何かこのことで御質問はございますか。なければ予定の時間をオーバーして、さらに 議題の項目を二つほどパスしてしまったのですが、そのことも含めて事務局から最後に お願いいたします。  中島生活習慣病対策室長  三位一体改革の話と、新潟中越地震における保健師活動については、それぞれ大変お 忙しいところを申し訳ありませんが、後ほどお目通しいただければと思っております。  次回につきましては、12月20日の4時から17階の専用21会議室で開催をさせていだた きたい。次回につきましては一次予防施策の前半ということで、栄養・食生活、それか ら運動、それからメンタル、デンタル、この四つを中心にさせていただきたいと思って おります。そして新年明けましてから一次予防のパート2ということで、残りのたば こ、アルコール、がん、循環器、糖尿病という形で御議論をいただきたい。詳細は後ほ どまた書簡をお送りさせていただきます。よろしくお願いいたします。  久道部会長  それでは今日の会議はこれで終了したいと思います。議長の不手際で議題をパスしま したけれども、御了承いただきたいと思います。今日はどうもありがとうございまし た。 ○問合せ先  健康局総務課生活習慣病対策室  調査総務係 山本・森山  電話 03−5253−1111     内線2346・2342