04/11/24 平成16年11月24日薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会 乳肉水産食品部会 議事録       薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会乳肉水産食品部会議事録 ○日時 :平成16年11月24日(水) 10:00〜11:36 ○場所 :ホテルフロラシオン青山 ふじ ○出席者:   委員   熊谷委員(部会長)、有馬委員、小川委員、塩見委員、鈴木委員、        成田委員、西尾委員、伏谷委員   参考人  宮崎大学医学部産婦人科 池田講師、        国立水俣病総合研究センター疫学研究部調査室 坂本(峰)室長、        (独)国立健康・栄養研究所 吉池研究企画評価主幹   関係省庁 水産庁増殖推進部漁場資源課小松課長   事務局  外口食品安全部長、中垣基準審査課長、宇津課長補佐、近藤専門官 ○議題: (1)魚介類等に含まれるメチル水銀に関する安全確保について     (前回部会の検討課題) (2)その他 ○事務局  おはようございます。それでは、定刻となりましたので、ただいまから「薬事・食品 衛生審議会 食品衛生分科会 乳肉水産食品部会」を開催させていただきます。  本日はお忙しい中、お集まりいただきまして、どうもありがとうございます。  まず、開会に当たりまして、食品安全部長の外口より、御挨拶申し上げます。 ○外口食品安全部長  おはようございます。食品安全部長の外口でございます。  「乳肉食品水産部会」の開催に当たりまして、一言御挨拶申し上げます。  皆様方におかれましては、日ごろから食品衛生行政の推進につきまして、種々御協力 をいただいております。改めて厚く御礼申し上げる次第でございます。  さて、本日は「魚介類中に含まれるメチル水銀に関する安全確保について」。これは 昨年6月に公表しました妊婦の方等を対象とした水銀を含有する魚介類等の摂食に関す る注意事項に見直しに当たり、本年7月に食品安全委員会の食品健康影響評価を依頼す るとともに、当部会におきまして、並行して8月に御議論を開始していただいたところ であります。  前回、部会の宿題事項について、事務局の方におきまして整理ができましたことか ら、これについて本日は御報告させていただきますとともに、前回の部会から約三か月 が経過しておりますので、現在までの状況についても報告させていただきたいと思いま す。  食品安全委員会におきます食品健康影響評価結果については、未だ結果が得られてい ない状況ではございますけれども、各委員におかれましては、忌憚のない御意見、御提 案を賜ればと思っております。  簡単ではございますが、開会に当たりあいさつとさせていただきます。よろしくお願 いいたします。 ○事務局  本日の欠席の連絡をいただいている委員の先生でございますが、神田委員、品川委 員、清水委員、高鳥委員、山本委員より欠席の御連絡をいただいております。 当部会 委員13名でございますが、8名の先生の出席をいただいておりますので、部会が成立す るということを御報告いたします。  なお、本日は参考人として、宮崎大学医学部産婦人科の池田先生。  国立水俣病総合研究センターの坂本先生。  独立行政法人国立健康・栄養研究所の吉池先生に御出席いただいております。  また、関係省庁といたしまして、水産庁増殖推進部漁場資源課の小松課長にも出席を いただいております。  それでは、部会長に審議の進行をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたしま す。 ○熊谷部会長  それでは、議事に入らせていただきたいと思います。  初めに事務局の方から、資料の確認をお願いします。 ○事務局  それでは、資料の確認をさせていただきます。  ホチキスどめをしてあるものが2つと、1枚のものがございます。  まず、議事次第が一番上に書いてある、ホチキスどめをしてあるものについて、確認 をさせていただきます。  1枚めくっていただきますと、3ページと下にページ数が振ってありますが、「配布 資料」でございます。  前回部会の検討課題ということで、下のページで5ページ目のところに「前回部会の 検討課題について」というものがございます。  続いて、下のページで7ページ目に、資料No.2といたしまして「我が国における魚 介類等の摂食量の分布について」という資料。  9ページ目でございますが、資料No.3として「我が国における魚介類等による水銀 摂取量の試算」。  下のページで31ページになりますが、資料No.4といたしまして「魚介類等が含有す る総水銀とメチル水銀について」でございます。  33ページでございますが、資料No.5でございます。「魚介類中のメチル水銀濃度と 体重等の関係について」でございます。  厚い方のホチキスどめしてある2つ目でございますが、参考資料でございます。  1枚めくっていただきますと、下のページで3ページ目で参考資料No.2−1という ことで、「食品健康影響評価について」。  1枚めくっていただきますと、5ページ目で、参考資料No.2−2でございます。7 月23日付けの依頼でございます。  今度は下のページで11ページに飛んでいただきますと、参考資料No.3−1というこ とで、本年の8月現在の見直しの検討についての概要でございます。  37ページに飛んでいただきますと、参考資料No.3−2でございます。Q&Aでござ います。  41ページに飛んでいきますと、参考資料No.4ということで、第5回の食品安全委員 会の専門調査会議事次第の資料でございます。  最後、71ページでございます。参考資料No.5となりますが、これは第6回の専門調 査会の資料でございます。  1枚ぺらの資料でございます。水産庁さんから提出いただいたものでございますが、 家計調査年報の年間購入数量データに基づくまぐろ類からの水銀摂取量試算というもの が1枚ございます。  以上が、本日の配布資料でございます。 ○熊谷部会長  どうもありがとうございました。  資料はよろしいでしょうか。  それでは、早速審議を行いたいと思います。先ほど、食品安全部長の方から御挨拶あ りましたように、現在、食品安全委員会において耐容摂取量が評価中ということですの で、最終的な結論は食品安全委員会の評価結果を踏まえて、当部会で検討していくこと になろうかと思います。  今日は、前回の部会において検討が必要とされた事項について、事務局で整理してい ただいたということで、本日御報告いただきたいと思います。そういうことで、今日の 議論によって最終的な結論を求めるわけではないということを、あらかじめ申し上げた いと思います。  それでは、事務局より御説明をお願いします。 ○事務局  それでは、事務局から説明をさせていただきたいと思います。  まず冒頭に御説明申し上げましたが、この7月以降、約三か月が経過しているという こともございますので、まず現在の状況というものを御理解いただくために、参考資料 を用いまして御説明を申し上げたいと思います。冊子の参考資料No.1と右肩に書かれ ている資料をごらんください。  こちらの1ページ目にございますように、こちらが7月23日に食品安全委員会に食品 健康影響評価依頼を行った以降の検討等の経過をとりまとめたものとなっております。  まず一番目にございますように、最初に、今回の水銀を含有する魚介類等の摂食に関 する妊婦等への注意事項の見直しにつきましては、本年7月23日に食品安全委員会に食 品健康影響評価を行ったところでございます。  この健康影響評価を行った経緯といたしましては、昨年の注意事項の公表後に国際専 門家会議、こちらはJECFAでございますが、こちらにおきまして、発育途上の胎児 の健康を十分に保護するために、耐容量の再評価が行われたということがございます。  また、我が国におきましても、継続的に実施されてきた魚介類等の水銀濃度に関する データがとりまとめられたこと等でございます。  この評価依頼内容といたしましては、注意事項の見直しに必要となります、どの程度 までの水銀摂取が安全であるかを決定いただくこと。特に悪影響を受けやすいと考えら れる胎児の健康を保護するために必要な水銀摂取レベルである耐容量を決定いただく必 要がありますので、食品安全基本法におきまして、この業務を行うこととされておりま す食品安全委員会に、この耐容量の設定を依頼いたしました。  また、併せてまして、健康影響を受けやすいグループにつきましての議論も要望いた しております。  この食品健康影響評価につきましては、依頼を行ったと同時にその内容を公表いたし まして、広く国民に対しまして、その理解と周知に努めているところでございます。  本年7月のこの食品健康影響評価依頼を受けまして、同月の29日には、2番目にござ いますように、第56回食品安全委員会が開催されました。この食品安全委員会におきま しては、厚生労働省より食品健康影響評価を依頼しました事項等について説明を行い、 具体的な評価検討については、こちらの2番目のポツにございますように、汚染物質専 門調査会において審議が行われることが決定されております。  この健康影響評価につきましては、一定の時間を要すると考えられますので、並行し まして、審議会における検討を進めることとし、本年の8月17日には、第1回目の乳肉 水産食品部会を開催したところでございます。  参考資料の11ページをごらんください。こちらが第1回部会の概要として公表された 資料となっております。  この資料にもお示ししておりますように、第1回部会におきましては、昨年公表いた しました注意事項の見直しの経緯や食品安全委員会への健康影響評価依頼の内容を御報 告いたしております。  また、12ページをごらんください。こちらにもございますように、厚生労働省、水産 庁、地方自治体等において実施された魚介類等の水銀含有量の調査結果。また、国民栄 養調査等に基づく魚介類等からの摂食量の調査、集計結果について公表もいたしており ます。  また、耐容量や検討対象魚介類以外からの水銀摂取について仮定もおきまして、これ に基づき行った試算結果についてもお示しし、御議論をいただいたところでございま す。  なお、この第1回部会におきまして、各委員からお示しされました検討課題につい て、本日こちらで御議論をいただくということでございます。  また、この御議論いただく検討課題につきましては、資料にとりまとめてございます ので、こちらについては後ほど御説明申し上げることとしております。  次に41ページをごらんください。こちらが9月14日に開催されました食品安全委員会 の汚染物質専門調査会の配布資料という形になっております。この第1回目の汚染物質 専門調査会では、食品安全委員会事務局より、参考資料にもお示ししております51ペー ジ、52ページでございますが、こちらにございます厚生労働省から依頼された食品健康 影響評価事項について説明を申し上げるとともに、53ページ以降に示しております、メ チル水銀の毒性に関する知見または主要な疫学研究、国際リスク機関におけるリスク評 価の状況について、説明がなされました。  また、64ページでございますが、こちらにお示ししておりますように、食品健康影響 評価に当たって、今後検討すべき項目。こちらが確認されております。  次に、71ページをごらんください。こちらが10月19日に開催されました、第2回目と なります、汚染物質専門調査会の配布資料となっております。この第2回目の汚染物質 専門調査会におきましては、セイシェル、フェロー諸島における胎児期暴露に伴う神経 発達影響の疫学研究について、座長であられます東北大学の佐藤教授、及び秋田大学の 村田参考人から説明がなされております。  また、秋田大学の村田教授からは、JECFAの評価で使用されておりますベンチマ ークドーズというものについても説明がなされ、今後、セイシェル及びフェロー諸島に おける疫学研究を中心に結果を比較整理するとともに、厚生労働省から検討依頼がなさ れている健康影響を受けやすいグループについての検討を行うことが確認されておりま す。  以上が、本年7月に食品安全委員会で食品健康影響評価を行って以降の現在までの経 緯となっております。  参考資料についての説明は以上でございます。 ○熊谷部会長  経緯について御説明いただいたわけですが、これについて何か御質問等ございます か。  ございませんようでしたら、引き続き資料の御説明をお願いします。 ○事務局  続きまして、資料の説明をさせていただこうと思います。  資料につきましては、表紙が付いております資料。こちらをごらんください。  こちらの資料の3ページ目でございますが、こちらに今回の配布資料といたしまし て、一覧を示しております。  5ページ目をごらんください。こちらは資料No.1となっておりますが、こちらが前 回部会におきまして、検討する必要があるとされた事項の一覧となっております。ま た、その内容につきましても、併せて理由を付記しております。事項数といたしまして は、4点ございます。  資料番号で申し上げますと、こちらの本文に書いてございますように、資料No.2〜 資料No.5という形となっております。  まず第1の事項ですけれども、こちらは我が国における魚介類等の摂食量の分布につ いて、とりまとめた資料でございます。資料番号はNo.2でございます。  この資料は、前回の8月部会におきまして、我が国における魚介類等からの水銀摂取 量の試算に用いている摂食量につきまして、メチル水銀の健康影響を受けやすいグルー プとして妊婦、こちらを想定していることから、20歳以上の女性を集計対象といたしま して、その平均摂食量を用いたところでございます。  しかしながら、この妊婦を対象とするのであれば、一般的に出産可能と考えられる年 齢の範囲で平均摂食量を試算するべきではないかとの御指摘がございましたので、この 御指摘を踏まえまして、再度集計を行ったものでございます。  また、各魚介類等の摂食量の分布につきまして、整理する必要があるのではないかと いう御指摘もございましたので、各魚介類等のタイル値、これにつきまして整理をし、 とりまとめたものでございます。  次に、第2、第3の事項でございますが、これは資料の番号で言いますと、資料No. 3、資料No.4ということになります。こちらの資料は前回部会におきまして、我が国 における魚介類等からの水銀摂取量の試算につきまして、健康影響の因子というものが メチル水銀であることから、魚介類等に含まれるメチル水銀含有量の調査結果に基づ き、水銀摂取量の試算をお示ししたところでございます。  しかしながら、魚介類等に含まれる水銀の大半がメチル水銀ではないかとの御指摘が ございましたので、この御指摘を踏まえ、再度魚介類等に含まれる総水銀の調査結果に 基づく試算も行い、その結果を前回部会の資料に付け加えたものとなっているものでご ざいます。  また、魚介類等が含有する水銀は、その大半がメチル水銀であるとの御指摘がある反 面、魚介類等の種類によりましては、水銀に占めるメチル水銀の比率が低いものがある のではないかとの御指摘もございました。そこで含有する総水銀の占めるメチル水銀の 比率についてもとりまとめを行ったものでございます。  次に、第4番目の事項。こちらは資料番号のNo.5という形になりますが、こちらの 資料は前回部会におきまして、魚介類中に含まれる水銀濃度について、この体重は魚介 類等の体重でございますが、体重等との相関関係があるのではないかとの御指摘がござ いました。  そこでその相関関係について、とりまとめたものでございます。こちらの資料は水産 庁の方で作成をいただいておりますので、後ほど水産庁の方から御説明をいただこうと 考えております。  それでは、個々の資料について、御説明を申し上げます。  資料の7ページ。横長の表がございますが、こちらの資料No.2をごらんください。  こちらが我が国における魚介類等の摂食量に関する資料となっております。先ほども 御説明申し上げましたが、我が国における魚介類等からの水銀摂取の試算に用いる摂食 量につきましては、メチル水銀の健康影響を受けやすいグループとして妊婦、こちらを 想定しているので、表の中央にお示ししております、20歳以上の女性を集計対象といた しまして、その平均摂食量を用いたところですが、妊婦を対象とするのであれば、一般 的に出産可能と考えられる年齢の範囲で平均摂食量を試算すべきではないかとの御指摘 がございましたので、この表の下にあります※1に示しております、再生産年齢人口と いうものに基づきまして、15歳〜49歳の女性摂食者につきまして、その摂食量の平均を 集計しました。  そして、それを20歳以上の女性摂食者の右の表として掲載しているものでございま す。表を比較して見てみますと、各魚介類との平均値を比較した場合、15〜49歳の女性 摂食者の平均が20歳以上。こちらの摂食量の平均と比較しまして、1 gから概ね10 g以 下の範囲で摂食量が若干少なくなっているということがおわかりいただけると思います が、概ね大差はないものというふうに考えております。  なお、サメにつきましては、摂食量が半分以下に減少しておりますが、こちらは対象 調査数が2名と非常に少ない点に御留意いただければと思います。  また、魚介類等の摂食分布につきましては、50%タイル値、90%タイル値、95%タイ ル値、これをとりまとめておりますが、20歳以上の女性摂食者または15〜49歳の女性摂 食者において、その分布はほぼ変わらないものとなっております。  次に、資料の9ページでございます。こちらが資料No.3となっております。  内容につきましては、左の肩に記載してございますように、前回8月部会において、 こちらで資料No.6としてお示ししたものでございますが、議論されている健康影響が メチル水銀に由来するものであることから、メチル水銀量を用いまして、前回は試算を 行ったものでございましたが、魚介類等に含まれる水銀の大半がメチル水銀ではないか との御指摘を踏まえまして、魚介類等に含まれる総水銀、こちらの含有量を用いて試算 を行った結果を付け加えたものとなっております。  本文中につきましては、前回の資料について修正を行った部分につきましては、下線 によりお示しをしております。  15ページをごらんください。こちらが資料No.3の別添という形になっております。  まず15ページでございますが、こちらがメチル水銀、17ページが総水銀を用いて行っ た魚介類等による水銀の一日摂取量の試算結果となっております。  1つにマカジキを例にとって御説明いたしますと、15ページのメチル水銀の場合、メ チル水銀濃度が0.34μg/gとなっております。そして、摂食量。こちらが73.0g/ 日と いうふうになっております。ですから、この両者をかけ合わせまして、1日当たりの水 銀の摂取量は幾つかということを計算しますと、25.0μg/ 日ということになる表でご ざいます。 他の魚介類についても同様な計算を行い、また総水銀につきましても、同 様に計算を行い、1日当たりの水銀の摂取量というものを試算したものでございます。  次に別添2−1。資料のページで言いますと、19ページ以降となりますが、こちらを ごらんください。  こちらがメチル水銀及び総水銀を用いて行いました、「最も影響を受けやすい胎児を 十分に保護できる魚介類の摂食量(1週当たり)」でございますが、これの試算結果と なっております。こちらは昨年の審議会で用いました耐容量3.3 μgでごさいますが、 それとJECFAの再評価結果を用いた値、これは1.6 μgでございますが、この2つ の耐容量の仮定に加えまして、今回検討を行っております、その対象の魚介類以外から の水銀の摂取量、いわゆるバックグラウンドと呼ばれるものでございますが、これにつ いて3つの仮定をもって1週間当たりにどれぐらい魚が摂食できるのかというものを、 お示しした表となっております。  バックグラウンドにつきましては、御理解しにくいと思いますので、14ページに少し お戻りいただきまして、この14ページの一番上に書いてございますグラフ。こちらが仮 定条件をお示ししたものとなっております。仮定について再度御説明申し上げますが、 仮定1は検討対象以外からの魚介類からの水銀摂取はないと仮定したものでございま す。  仮定2は、検討対象以外の魚介類からの水銀摂取量を1日摂取量調査の魚介類からの 摂取量の半分と仮定したものでございます。  仮定3につきましては、検討対象以外の魚介類からの水銀摂取を1日摂取量調査にお ける魚介類からの摂取量とした場合となっているものでございます。  以上、御確認いただければ、ありがたいと思います。  資料の19ページにお戻りください。こちらが右肩に記載してございますように、メチ ル水銀濃度を基に試算を行ったものとなっております。  こちらでもちょうど中央辺りに示しております、マカジキの例をとって説明いたしま すと、昨年の審議会で用いた耐容量の場合、仮定1の場合は1週間当たり458.9 g、こ れが食べられるというものでございます。  以降、仮定2の場合は388.7g、仮定3の場合には、318.5gとなります。  その右に移りまして、JECFAの再評価、こちらの結果を用いた場合であれば、仮 定1の場合には208.9g、仮定2は138.7g、仮定3であれば68.5g というものでございま す。 同様な考え方に基づきまして、次に総水銀を基に集計を行った結果、こちらが21 ページとなっているものでございます。  この場合、先ほどと同様にマカジキで比較しますと、300.7g〜208.7gまで。仮定1か ら仮定3に移動するにつれて、摂食できる量が落ちる。そして、JECFAの再評価結 果の場合であっても、仮定1では136.9g。これが仮定3の場合になれば、44.9g となっ ているものでございます。  次に23ページ。こちらをごらんください。こちらが魚介類等による水銀の摂取量の試 算となっておりまして、20歳以上の女性の摂食者の平均を用いて、検討対象魚介類ごと の1日当たりの水銀摂取量を算出しました上で、週に何回摂食した場合、耐容量を超え るかというものを試算したものでございます。  23ページの耐容量を昨年の審議会で用いた値といたしまして、メチル水銀の含有量を 基に試算した表で、こちらでもマカジキを例にとって説明をいたしますと、仮定1の場 合。こちらは毎日摂食した場合、耐容量を超えてしまいますので、週6回までは耐容量 を超えないということをお示ししております。  同様に仮定2の場合であれば、週に5回まで、仮定3の場合であれば、週4回まで。 これが耐容量を超えないということをお示ししているものでございます。  以降、25ページは耐容量を昨年の審議会で用いた値といたしまして、水銀濃度は総水 銀を用いたもの。  27ページ、29ページ。こちらは耐容量をJECFAの再評価の値といたしまして、水 銀濃度としてメチル水銀濃度と総水銀濃度を用いたものとなっておりますので、御確認 をいただければと存じます。  次に31ページの資料4をごらんください。こちらが魚介類を含有する総水銀に占める メチル水銀の比率について、検討対象魚介類についてとりまとめたものとなっておりま す。 ごらんいただけますように、魚介類の総水銀に占めるメチル水銀の比率は、概ね その大半を占めておりますが、クジラ類については、その比率が低いことがこの表から 御理解いただけると思います。  なお、前回部会では、水銀摂取量の試算の対象外でありますけれども、クロカジキが 非常にメチル水銀の含有量が低いのではないかという御発言がございましたので、参考 といたしまして、その比率を集計し掲載しております。  欄外に「(参考)」と書いてございますが、クロカジキの場合であれば、総水銀に占 めるメチル水銀の比率。これは16.2%であるという形となっております。  続きまして、33ページの資料No.5。そして、本日お配りいただきました、家計調査 年報の年間購入数量データに基づくマグロ類からの水銀摂取量の試算という資料がござ いますが、こちらにつきましては、冒頭申し上げましたように、水産庁におきまして作 成された資料となっておりますので、御説明につきましては、水産庁さんからお願いで きればというふうに存じます。  よろしくお願いいたします。 ○小松漁場資源課長  それでは、資料No.5につきまして、御説明申し上げます。  1枚めくっていただきますと、計算の仮定が書いてございますけれども、体重の形態 が魚によって、えらを取って、頭も取って、内臓も取った場合だとか、内臓だけで頭は 残す場合だとかがありますので、それぞれ歩留まりを記載しておりますが、ちょっとヨ シキリザメは55%と書いてありますが、70%の誤りでございますので訂正させていただ きます。近似は最小二乗法のよく一般的なそこに書いてある式でございまして、結果に つきましては、表1に掲げてあるとおりでございます。相関係数が右の方にあります。 計算式で出すときは決定係数で出てまいりますけれども、それをルートで開いて絶対値 で示したものが相関係数でございますが、ここで見ますと、例えば、上の方から行きま して、真ん中からちょっと上にメバチがございますが、総水銀、メチル水銀とも0.86前 後の値で、高い相関が出ております。  下から4つ目のキンメダイがやはり0.8 の相関が出ております。*印で書いてありま すのは、簡単に言いますと、有意水準でございまして、相関がないと仮定した場合に誤 る確率が5%の範囲内に入るというふうに御理解いただければと思います。ですから、 緩い低い相関であれば、例えば、クロマグロの天然などにも相関が認められるというこ とでございます。  次のページでは、この前の宿題を具体的に当てはめる作業をいたしました。メバチと キンメダイが高い相関があったものですから、この2つにつきまして、やってみたわけ でありますが、流通業者の協力を得まして、どういうサイズが一般的に流通しておるの かということを聞き取りまして、下のグラフにあります、40kg以上というのと25kg以 上、10kg以上と、こういう流通サイズの仕分けになっております。これの全体の平均体 重が約四十kg、39.8kgでございますが、まず3つのブレークダウンで、先ほどの表を近 似式を当てはめまして計算しますと、メバチのメチル水銀の加重平均値を求めますと、 0.509 μg/g となりまして、8月17日の調査結果に比べますと、0.044 μg/g 低い値に なります。単純に近似式にこの平均であります、39.8kgを入れますと、0.414 と書いて ありますが、0.419μg/g でございます。大勢に影響はありませんけれども、更に低 くなります。  キンメダイにつきましては、体重別の漁獲分布につきましては、下の表にあるとおり でございますけれども、近似式を加重平均をとりまして当てはめましたところ、0.519 となっておりまして、これは8月17日の結果にほぼ一致しております。平均体重が 1,286gでありますから、こちらに対応する数値は0.47でございます。  3枚目の36ページをご覧いただければ、上の方にメバチの総水銀及びメチル水銀の それぞれ近似式の周りにどういう分布がしているかが解ります。黒が総水銀で波線の白 っぽい部分がメチル水銀でございます。この周りにデータが存在しているということが おわかりいただけるかと思います。  キンメダイにつきましては、その下でございます。  先ほど、クロマグロの方を御説明申し上げましたけれども、これは4枚目37ページ の下の図でありますが、ばらつきが前2者に比べて大きくありますけれども、一応この 式の周りに相関があるという形で、低い相関ではありますけれども、あるという形で出 てきております。 そのほか、クロマグロの蓄養、ビンナガ、ミナミマグロ等々、グラ フをプロットしてありますので、御参考までにお示しいたしました。  もう一つ、実は、総務省の統計局で作成しました家計調査年報から、一体日本人が我 が国の平均的な世帯1人当たりでどういう消費行動を魚介類、特にマグロにつきまし て、しておるのかということを見てみました。  我が国における魚介類等の支出金額、購入数量を示した横表をまずご覧いただきたい と思います。世帯主の年齢階級に応じまして、29歳以下等々10歳刻みで分類がございま す。平均的に生鮮魚介類の消費が年間6万円、数量で42,000g。マグロの場合は、7,600 円の3,300gであります。 さらに、刺身の盛り合わせ、すし(外食)、すし(弁当)の データも示しております。これらを基にいたしまして、1 人当たりのマグロの購入数量 を、(2)の方にとりまとめておりますが、49歳以下と50歳以上で見ますと、例えば、 年の購入グラム数で見ますと、49歳以下が634g に対して50歳以上では1,413gで あります。これらを更にマグロと刺身の盛り合わせの購入だとか、1 人当たりのすし、 外食、支出金額、持ち帰りのすし弁当等々と見てみますと、明らかに若齢層と高齢層で は差があるというデータになっております。大体2倍前後の差になっていると思いま す。こられを基にしまして、我が方で若干の試算をマクロの計算になりますけれども、 してみたのが次の裏のページの縦長でございます。  生鮮魚介類として、1人当たりのマグロの年間の平均購入数量がどのくらいになるの か試算してみました。先ほどの634g、49歳以下の世帯のマグロ購入数量63kgにマ グロの盛り合わせの購入量のうち3分の1をマグロ類と仮定しまして、765gとなりま す。外食及び調理済食品としてのマグロ類の年間購入量を、これも仮定を置いたんです が、例えば、すし(外食)1食当たりを平均1,000 円とすれば、ちょっと安めかもしれ ませんけれども、すし(弁当)1食当たりの平均金額を500 円にすると、この数量が出 てまいります。数量が出てきますから、その中で1食当たりのすしに含まれるマグロ、 例えば、2巻というふうにしますと、1巻15g としまして、30g という計算をします と、外食でマグロを食べるのは243g位と推定されます。そうしますと、1人当たりのマ グロ類の年間平均購入数量は、合計で約1,008gと試算されます。  先ほどの厚生労働省さんの方の資料No.2で、90%の%タイルを見ますと、約2倍に なっておりますので、単純に2 倍にしてみました。それにマグロ類からのメチル水銀摂 取量を一番濃度が高いメバチで計算してみますと、年間1,028μg ということになりま すので、それに厚生労働省さんの方で仮定しております、仮定1では、マグロ類以外の 食品からの水銀はないと。当該物質以外からの摂取はないというケースが1.28μg でご ざいまして、その半分が仮定2。全部摂取するというのが8.10μg でございますので、 これらに上から求められました1,028 を入れますと、その合計は仮定1の場合は1,495 μg になりますし、仮定3の場合は約4,000μg 弱になります。  今度、JECFAの方の厳しい数値のPTWI1.6 μg を見た場合におきましても、 これは4,171μg だということでございます。  今の計算は、メバチ以外のマグロ類(クロマグロ、ミナミマグロ、キハダ、ビンナガ )特にキハダ、ビンナガも合わせますと、メチル水銀濃度の平均値はメバチの0.51μg /gより相当低くなります。そういう意味では、メバチによる試算は若干過大な数字に なってくるということになります。それを3の方にお示しいたしました。  こういうことでございまして、購入金額の制約だとか、こういうふうに裏の方でマク ロで見た場合から考えれば、マグロを食べると言ったって、金銭上、全体のトータルの 供給がありますから、一定の量を超えれば、それ以上は食べないということがはっきり しておると、マクロの計算上は出てきますということでございます。  以上でございます。 ○熊谷部会長  どうもありがとうございました。  それでは、ただいまの御説明に関しまして、御質問あるいは御意見をお願いします。 ○坂本参考人  この魚の体重と水銀の相関に関してのお話、例えば、天然ものと養殖ものというのが ありますね。普通考えた場合に天然ものというのは、その海域ごとに水銀濃度が違っ て、養殖ものより相関は低いんじゃないかというふうに思ったんですが、ここを見ます と養殖ものの方が相関が低いと。なぜそういうことが起こっているのかなと見てみます と、養殖ものというのはサイズが非常に制限されたところだけでとっていて、レンジが 非常に低いんですね。それをもって、r(相関係数)が低いとかいうふうな表し方とい うのはちょっと問題があるんじゃないかなというふうに思うんです。 ○熊谷部会長  いかがでしょうか。 ○小松漁場資源課長  天然と養殖で、今、坂本先生がおっしゃったような評価がくだされるほど、差がどう もはっきりしているかどうかというのは、我々ももうちょっと吟味しないとわからない なと思っています。私も最初は養殖ものの方が高いのかなと思っていたのですけれど も。 ○坂本参考人  r(相関係数)はレンジが広くなれば、当然高くなると思うんです。 ○小松漁場資源課長  それとやはり養殖物も出荷商品が小型化してくるという問題だとか、その市場だとか 資金繰りなどによって影響を受けますので、その辺は現時点では評価を私もできないな と思っていますので、今後やはり時間をかけて評価していきたいと思っています。 ○中垣基準審査課長  坂本参考人がおっしゃるとおりだと私も思っております。卵からかえるわけですか ら、恐らく卵のときにはゼロに近いんだろうと思います。例えば、5cmになった10cmに なった20cmになったというような統計のとり方、サンプルのとり方をしていけば、もっ と違う図が描けるんだろうと思います。  ただ、一方では我々が議論しておりますのは、市場において手に入る魚の水銀濃度と いうことでございますから、そういう意味から申し上げますと、我々が議論をしていく 上で、その大きさとの関係を考えなければいけないのか、そうではないのかというのが ここでの議論なんだろうと思います。 ○熊谷部会長  どうぞ。 ○有馬委員  サイズのことなんですけれども、養殖に関しては、マグロは一般的にかなり大きくな るまで育てると、すごくえさをやらなければいけなくて、栄養的にペイしないというこ とで、あるサイズになったら、もう出荷するというのが一般的だと思います。  地中海などでは大きなマグロをとったものを一時期蓄養しておいて、値段が高いとき に出すというのはありますけれども、純粋に小さな状態のものを育てて大きくして出す というのはやはり二十数kgまでが限界で、それ以上やると多分経済的にはペイしなくな ると思います。勿論、今おっしゃったように、実際、日常でどういうものが食べられて いるかということも一つ重要ですけれども、魚類としてどういうふうに水銀が蓄積して いるかということを明らかにしておくというのも重要だということで、水産庁がこうい うデータをそろえられたんだというふうに理解していますけれども。 ○熊谷部会長  どうぞ。 ○吉池参考人  資料5の35ページ、36ページのところで教えていただきたいのですが、まずメバチで の体重当たりの水銀濃度の相関図が図36にありまして、これと35ページの図1の体重の 分布をかけ合わせて、加重平均を求められたということですが、ここで図1では「40kg 以上」が全部まとめて1つのグループになっています。実際に加重平均を計算されたと き、この「40kg以上」のグループはどの値を当てはめて計算されたんでしょうか。  相関図を見ますと、40kg以上のかなり上の方まで行っているように思います。教えて ください。 ○小松漁場資源課長  理想的には下の方にあります、キンメダイみたいな分布をとりたかったのですが、日 本船の延縄のデータ、延縄と言いまして、縄をつるして、そこで餌に食い付かして捕っ てくるものについては、サイズ別のデータはあるのですが、今その供給量が大体4割5 分から4割強に減っていまして、台湾だとかほかの外国船のデータだとか、まき網とい うぐるっと巻く網で捕ってくるというもののデータを入れる必要もありまして、それら が全部流通していますから、代わりにこの大手流通業者さんにお願いした訳です。この 人たちは平均的に扱っておりますので。  ですから、もう40kg上、25kg上、10kg上のそれぞれの中心となる平均のデータを入れ て、具体的には、40kg上が63.6kg、25kg上で32.5kg、10kg上で17.2kgを使いまし た。近似式が40kg上の63.6kgに対応するのが0.623 μg/kg、25kg上次が 0.356μg/g 、10kg上が0.224μg/g となり、その加重平均を計算すると 0.509μg/gとなります。また、全体の平均重量39.8kgに対応するメチル水銀濃度 は0.419μg/g ということでございます。 ○熊谷部会長  どうぞ。 ○中垣基準審査課長  私から水産庁に質問するのもおかしいんですが、事務局同士でやりとりがあってもし ようがないんですけれども、この追加で配布された家計調査年報の資料がございます が、この資料というのはマグロを食べなかった人も含んだ平均ということでよろしいん でしょうか。 ○小松漁場資源課長  そうですね。マクロで全部見ていますから、食べている人、食べない人、全部です ね。その間に入ってくる人は全部入る理屈になると思います。 ○中垣基準審査課長  そうだとしますと、今回、資料の9ページから資料No.3として、メチル水銀に加え て参考として総水銀をかけたデータを出させていただいております。この資料を見てみ ますと、あるいはその前の資料No.2でもよろしいんですが、大体マグロの平均値が摂 食量として32g 程度という数字を使っております。  例えば、24ページをごらんいただきますと、サメがあってマグロがあって、ここは20 歳以上の摂食量で35.7g という数字を使っております。すなわち、これは摂食者の20歳 以上の平均を使っております。厚生労働省が今まで出した数字はすべて摂食者の平均で ありまして、摂食しない人を入れた平均というのは、例えば、マグロですと5g 〜6g 程度となるようでございます。これに仮に365 をかけますと、今日、追加資料で出され ました家計調査の平均が例えば、大きな1番ですと、1,000gとなっていますけれども、 例えば、5g で365 をかけると1,500 g 、あるいは6g で2,000g程度という数字となり ますので、これを違っていると見るのか、この家計調査もいろんな仮定を置いた試算と なっておりますから、大体両者の数字というのは大まかに言うと、そんなに大きなそご がないんじゃないかなと。大体そんな程度ということなんだろうと思っているんですけ れども。 ○熊谷部会長  どうぞ。 ○吉池参考人  今のことに関連しまして、厚生労働省さんの方のアプローチと水産庁さんからのアプ ローチが随分違うので、戸惑うところがあります。今日、水産庁から追加資料で出され たものについては、今、中垣課長がおっしゃられたように、摂食していない人も含めて の平均に等しい訳で、これはこれで暴露評価の参考にはなると思うのですが、2 番目の 「マグロ多食者の年間水銀摂食量」という90%タイルの値については、あくまでも摂取 した人の中で、1日当たり普通に食べた人、多く食べた人という話であり、習慣的な摂 取者の分布の幅を示したものではありません。もし水産庁さんのようなアプローチをす るのであれば、別のデータを考えないと習慣的な多食者というのは押さえられないはず です。そういう意味でこの数字からは議論できないのではないかと思います。  実際は年間通じての多食者のデータは得られないので、厚生労働省さんの示した1週 間の仮定で何回というような整理の方が理論的に適当ではないかと思います。 ○熊谷部会長  どうぞ。 ○小松漁場資源課長  うちのアプローチにもいろいろ限界があることは事実なんですが、厚生労働省さんの 方のアプローチにもいろいろ過大に数値が出てくるという問題があるわけですね。それ は食べた人がその日に幾ら食べているかで、その食べた人が必ずしも毎日食べているわ けではないわけでありますし、その日食べても次の日食べない。特に魚の場合はそうい うことがあるわけであります。  ですから、うちの出したデータで参考になるのは金額が参考になるんと思うんです が、幾ら多食者でも一定の支出の限界がありまして、それ以上食べない、食べられない というものが出てくるわけでありまして、世帯では6万円の支出があって、多食者が食 べるとしたところで一体どこまでお金を出すのかという問題があると思うんですね。  ですから、私どもはこれが食べない人も含めるとこういうことですけれども、逆に厚 生労働省さんの方は食べる人が、例えば、90%タイルだとか95%タイルを出した場合、 そういう食べ方を週何回も何年もずっと続けて食べる確立はほとんどゼロだと思いま す。まず、その実態上もないし金銭的にもあり得ない。  したがいまして、多分両極端だろうと思いますけれども、私は実態はこちらの家計調 査のアプローチの方にどちらかというと引き込まれてくると思います。マクロで見た場 合ですね。ミクロで見た場合も、マグロを食べている人というのは23,000 人のうちの 6000人程度であり、20歳で以上で見ると非常に限定された数量になっているわけで すから、あれをその頻度と考えた場合、あれを多食者と見るんじゃなくて、そういう頻 度で起こり得るとすれば、その全体の分母対分子の割合でその20歳以上の人たちがマグ ロの食事をしているというふうに考えられるというアプローチもあるかと思います。 ○中垣基準審査課長  小松課長がおっしゃっているのはもっともなんですが、この追加資料で出された裏側 の(2)の「1人当たりのマグロ購入数量」という欄がございます。ここの全世帯平均 のマグロ購入数量が年間1,000g。更に、マグロと刺身盛り合わせの合計、購入数では刺 身の3分の1というふうに仮定されておるようでございますが、大体これが1,297 です から、1,300g程度。  先ほど、私が申し上げた数字というのは、国民栄養調査で食べない人も含めた平均は 大体5〜6g程度。これに365 をかけてくると、この1,200 なり1,300 なりに非常に近 い。両者の数字というのは非常に似通った数字を出してきておるということ。  ただ、多食者について、どういう形で推計すればいいのかというのは、吉池参考人の おっしゃったように、この数字は非摂食者を含む数字ですから、私どもが出した摂食者 の平均と90%タイルを乗じているというのは統計の問題として、かなり問題があるんだ ろうと思います。  また、確かに頻度の問題。例えば、週に何回食べるのか、年に何回食べるのかという 頻度の問題については、これはいろいろ探しましたけれども、データが見つかっており ません。したがいまして、今回出しておる試算というのは、これは耐容量の議論が食品 安全委員会で煮詰まってからまた議論していただくことになるんだろうと思いますけれ ども、例えば、19ページの資料をごらんいただきますと、19ページの資料は、それぞれ の魚種ごとの水銀の含有濃度を平均値で固定をして、一方では耐容量を仮定をして、耐 容量を水銀含有濃度で割り返すという試算をしております。  すなわち、例えば、1 週間の耐容量にその平均の水銀濃度を含有した魚だったら何g で超えるのかというのを試算しておりまして、頻度であるとか1 回に食べる量であると か、そういう統計数字を使わないで、週に何g 摂ると耐容量まで達するのかというのを 試算していくというものです。いろいろな試算があるんだろうと思います。  昨年、議論に用いた試算の仕方は、23ページの資料でございます。これが昨年の部会 で議論していただきました試算のやり方で、このときには23ページでございますが、魚 種ごとの水銀含有濃度を固定をする。耐容量も当然固定をする。その上にもう一つ、1 回に何g 食べるかという数字も固定をする。この3つを固定した上で、週に何回で耐容 量に達するかという議論をしたわけでございます。しかし、1回で食べる量を固定をす る、そこには先ほど、吉池参考人がおっしゃったような統計上の問題が出てまいります ので、そういう意味で今回1回に食べる量を固定をしないで19ページの試算をして週に 何g でその濃度に達するかというような試算をしたところでございます。  勿論、耐容量の議論が煮詰まってから、これを議論していただくことになるんだろう と思いますが、資料の成り立ちを御説明させていただきました。 ○熊谷部会長  数字が多くて、すべて理解するのはなかなか容易なことではないと思いますけれど も、御質問をいただいて、それでなるべく今日はこれを理解するということに徹したい ような。つまり、食品安全委員会の方の結論が出ていませんので、結論が出たときの準 備段階というか、トレーニングのような印象を持っているわけですけれども、いかがで すか。  どうぞ。 ○塩見委員  先ほどの水産庁さんの方の出されたデータで、試算をするときに世帯主が49歳以下の 世帯を抽出して計算されているわけですけれども、その49歳以下の世帯で計算するとい うのは何か根拠があったんでしょうか。 ○小松漁場資源課長  この前の委員会で、妊娠の可能性があるという、胎児の議論をいたしましたものです から、それで49歳と50歳以上とを分けたということでございます。  あと、一つの見方として、可能性の話ではなくて、現実的な見方をすれば39歳ぐらい で分けるということもないことはないかと思いますけれども、とりあえず49歳で分けま した。 ○塩見委員  いわゆる妊娠可能な年齢ということかなというふうにも思ったわけですけれども、何 となくその49歳以下と上とで大分差があるので、ちょっと意識的な数字になるんではな いかという気もするんですけれども。ちょっとそこら辺で、49歳以下の方が大分少ない わけですね。50を超えるとかなり多くなるところがありまして、では、50以上の人で計 算をした場合にはどうなるのかというのも、一応数字を出していただいた方がよかった のかなと思ったんですけれども。 ○小松漁場資源課長  数字はいくらでも計算できます。ただ、この前の摂食指導も妊婦さん等ということで ございましたし、今、我々の議論もそこに集中しているというものですから、このよう にいたしました。 ○伏谷委員  今までいろいろ議論をされているんですが、一体全体この委員会では最終的にどうい うことを決めればいいかという前提がよくわからないものですから、何か議論がかみ合 わない。こういうリスク評価というのは多分、例えば、週に何g 以上食べると危ないと か、そういうことを出すんじゃないかと思うんですね。何g 食べているとか食べていな いとかというようなことは余り考えないでいいんじゃないかという気がするんです。  そうしますと、もう非常にこの出ているデータというのは、そんなに国民全体の摂食 の量を表していないと思うんですね。調べ方も前回伺ったとき、かなり単発的にお調べ になるということでしたので、そういうことからしますと、何%タイルとか何とか言う よりも、ともかく、例えば、メバチならメバチを1週間に何g 以上食べない方がいいで すよというようなものを出すのが、本来のこの委員会の目的ではないかと思うんです ね。  そうしますと、メチル水銀の含まれる平均値を本当に使っていいのかどうかという問 題もありますし、非常に標準偏差が大きいものと小さいものがありますから、その辺も しっかり議論をするべきじゃないかと思うんですけれども。 ○熊谷部会長  どうぞ。 ○鈴木委員  今のお話のつながりで、この体重と水銀濃度の関係の中で、相関があるとは言うもの の、一つずつのプロットを見るとかなり高いものが出てくるんですが、こういうのは海 域の違いのようなものが影響しているんでしょうか。  要するに、どこでとれたものが、あるいはどういう食物をとったものがこのようなも のになる可能性があるとかというようなことは、何かおわかりでしょうか。 ○小松漁場資源課長  海域もこの前の宿題でありましたが、海域ごとにその相関があるかないかを計算する ためには、データ数が足りなかったものですから、その辺を言い忘れましたことをおわ び申し上げます。海域ごとに若干やはり分布に差が出てくる魚だとか、海域を見ても全 然差がわからないものだとかが両方あります。  詳しくはこれからもう少しデータを蓄積しながらやっていきたいと思いますけれど も、点が上にあったものをこれから追跡すれば、その点についてはどこだというのがわ かりますけれども、一般的な傾向を言うにはまだデータが足りないということだと思い ます。 ○鈴木委員  結果として、妊婦に対するリスクをどのようにして提示するかという話になったとき に、例えば、消費者の立場からしますと、このマグロはどこでとれたのかというような ことは実際にはわからないんです。どんな体重のものであるかもわからないんです。そ ういった中でもって、いわゆるその妊婦あるいは妊娠可能性のある人が胎児にどのくら い影響があるかという科学的な議論は、またそれはそれでおやりいただくとして、どう いう形でもってそのリスクを低くすることを検討するのかという話で、何かこう議論を 進めていただければ、非常に一般の人たちを惑わせないで済むのかなというふうに考え ます。 ○小川委員  先ほどの伏谷委員との関連なんですが、私はこの前からも申し上げているんですけれ ども、やはり耐容量というのを考えるということであれば、どこかに分布のヒストグラ ムがありましたけれども、かなり右の方へ、大きい方にばらつきが大きいわけですね。 その辺りをどう考えるのか。これは妊婦がどうだこうだということとは、ある意味では 同じような重要な意味を持つんじゃないかという気もするんですね。  ですから、その辺の対応をどうするかということ。これはこの委員会が考えるのか。 それとも、食品安全委員会が考えて答えてくるのかわかりませんけれども、どういう答 えが来るかわかりませんが、そのときにどうするかということをやはり整理しておくと いうことは非常に大事なことじゃないかと思います。  このばらつきの原因というのは、先ほど来、この前の委員会からも地域の問題、魚種 の問題、季節の問題、体重の問題とか、いろいろあるわけですけれども、今回のこの相 関図を見ていても、魚によって何か非常に形が違うんですね。ですから、非常にそこら 辺の整理というのは大事な意味を持つんじゃないかなという気がいたします。  以上でございます。 ○熊谷部会長  どうぞ。 ○坂本参考人  今、言われているのはリスク。リスクという話で行きますと、例えば、19ページの最 も影響を受けやすい1週間当たりの試算。これは前回のよりもわかりやすい掲示の仕方 だと思うんですが、ここに出てきているものはやはり魚の平均水銀値と、それを何g 食 べればという2つの平均値しか出ていなくて、例えば、あとリスクでいくと、ある集団 の中で、その耐容量を超えたら発症もしくは何らかの影響が出る人にパーセントが数% 増えるんだとすると、そのポピュレーションがわからなければしようがない話で、例え ば、イルカで420g超えて、そのリスクが超える人口がどのくらいいるのか。例えば、カ ジキだとどのくらいなのか。マグロだとどのくらいなのか。それぞれの魚種ごとにリス クがどういうふうに増えていくか。食べている人口を、例えば、イルカが420gを超えた らそのリスクが上がりますよと言ったって、リスクがある女性の方の人数が日本の中で 例えば100 人とか200 人とかいう数だったら、その中からは0.5 %のリスクがあるとし ても、たかが知れたものですよ。  ところが、ほかのしょっちゅう食べられている魚の中から、それでリスクが上がるん だとすると、それはまた別問題だと思いますので、そういうふうなポピュレーションの ディストリビューションというのもきちんと出していただければいいのかという気はし ますけれども。 ○熊谷部会長  どうぞ。 ○小松漁場資源課長  クジラ、イルカを多食すると思われる和歌山県の太地町と、カジキ類、マグロ類を多 食すると思われる宮城県の気仙沼市の人口と疾病の発病率、平均寿命を全部調べてみま したけれども、勿論統計的にきちんと見たわけではありませんけれども、見る限りにお きましては、全国平均、県内の平均と何ら差はございませんでした。 ○熊谷部会長  どうぞ。 ○中垣基準審査課長  今の坂本参考人の御質問については、資料の7ページをごらんいただきたいと思いま す。ここに摂食者全員と20歳以上の女性摂食者と15〜49歳の女性摂食者のそれぞれの摂 食者の人数がそれぞれの欄の一番右に出ております。これも国民栄養調査のデータです から、一定の限界は当然あるとは思いますけれども、大体これぐらいだと。要するに、 魚種に応じて食べている人が多い、少ないというのは、こういうものを参考にしていた だければいいんだろうと思います。  また、先ほど、伏谷委員の方から御質問がありました。参考資料の13ページをごらん いただきたいと思います。参考資料の方の13ページに別添1として、昨年の6月3日付 けで部会から出していただきました注意事項というのがございます。  伏谷委員の御指摘のとおり、我々の頭の中、あるいは前回の部会あるいは諸外国の注 意事項を見てみますと、このパラグラフで言うと4番目のパラグラフ。すなわち、どう いう魚については、例えば、週350gといっても何切れなのか全くわからないので、諸外 国のを見ても一切れとか二切れとか、何かそういう形で最終的には簡略化されているよ うでございますけれども、ここを議論していただくのが1つ。勿論ここの議論をしてい くためには耐容量がセットされないと話になりませんし、先ほど来、議論が出ておりま す、それぞれの魚介類の濃度のばらつきというのをどう考えるかというのも、また議論 しなければならないと思うんですが、いずれにしましても、ここの第4パラグラフが1 つのメイン。  勿論、第1パラグラフでございますとか、対象者をどのような形でいうのかとか、そ ういうこともまた議論になるんだろうと思います。  諸外国で見ますと、15ページに諸外国との比較の評価がございますけれども、対象魚 種、対象者、注意事項の内容というのが、それぞれ諸外国ごとにその市場で流通してい る主な魚介類に恐らくは焦点を絞っているんだろうと思いますし、計算の仕方がわかっ たのは、イギリスは詳細な資料を出しておりまして、バックグラウンドをどのような形 で処理したのか示されており、その上で平均濃度をやはり計算に用いておるようでござ います。そういう計算の仕方をしたようでございますが、それ以外の国については平均 的な濃度を勘案したと書いてあるだけで、その詳細まではわかっておりません。  しかしながら、いずれにしましても、諸外国においても同じようなことが行われてき ているんだろうと考えております。 ○熊谷部会長  資料No.2の摂食量の分布についての90%と95%タイル。これは基のデータは連続量 になるのかな。これは曲線で表すことができるわけなんですか。つまり、80%タイルも 求めることができるし、というデータになっているんですか。  いかなる%タイルも計算できるデータがあるわけなんですか。 ○中垣基準審査課長  吉池参考人から言っていただいた方がいいかもしれませんが、そのように考えており ます。 ○熊谷部会長  そうですか。そうするとその代表者として95%タイル。ここにお示しいたたいだ%タ イルをお示しいただいてるということで、そういう理解ですね。 ○中垣基準審査課長  そのとおりでございます。 ○熊谷部会長  そうすると、先ほど、坂本参考人の方からいただいた御意見ですと、恐らく90あるい は95についても後ろの表をつくればわかりやすくなるという話ですか。 ○中垣基準審査課長  恐らく、坂本参考人の御発言というのは、この摂食量の分布の話ではなくて、例え ば、この7ページの表で言うと、マグロだと15歳〜49歳を見ても830 人が国民栄養調査 で食べておる。この例えば、5%の人というのと一番少ないサメの2人の5%というの は違うんだろうということをおっしゃっておられるんだろうと思います。  逆に申し上げますと、注意を呼びかける魚種の選定をそのようなことを指標にするの か。すなわち食べている人が多い、少ないというものを指標の1つにするのかどうかと いうふうな議論につながっていくんだろうと思います。  この背景にございますのは、耐容量の議論の一つ。耐容量の整理の仕方の一つとし て、人口の5%の人がリスクにさらされることが増える確率を計算をして、その濃度を 耐容量にセットしようとするやり方というのがあります。それがベンチマークドーズと 言われるやり方なんですが、すなわちターゲットとなる方々の5%に対するリスクが増 えたときの量として、水銀の量がこれぐらいに増えると5%の人が新たにリスクにさら されるということを計算していくんですけれども、それ等の御発想からだと思います が、それぞれの魚種ごとに食べていく人の数が違うのではないかということが基本にあ るんだろうと思っています。  すなわち、食べている量の問題。90%タイルなのか80%タイルなのか95%タイルなの かというような問題ではないと思っています。 ○熊谷部会長  いかがでしょうか。今後、食品安全委員会から何らかの結論が出て、それを踏まえ て、また御議論いただくという段取りになっていますので、もし特に今日どうしてもと いうことがこれ以上ございませんようでしたら、そろそろ終わりの方向に持っていきた いと思うんですが、いかがですか。  どうぞ。 ○小松漁場資源課長  ちょっと今、その7ページの表が出ましたので、私が今まで言ったことをこの7ペー ジの表に関連させながら言ってみたいと思うんですが、例えば、マグロ類にしますと、 15〜49歳の女性摂食者は全体の23,000 人の調査対象者の中で、魚を食べるのが18,000 人、その中で対象が830 人ですね。更にこれは95%タイルですから、これの5%が95% の外にあると、それ以上食べている、または90%であれば10%ですから、83人になるわ けであります。  更にこれはタイルで見てみますけれども、この人たちが連続して、多食していくとい うのは、更に確率計算をしていかなくてはならないわけですね。多分この量で何度も何 度もその購入金額から見ると、続けて食べていくということはほとんどあり得ないだろ うと思うのです。  それともう一つは、これは15歳〜49歳ですけれども、実際にこの中で本当は厳密に言 うとどのぐらいの方々が妊娠されていたのかを見ると、ほとんど我々は理屈の上ではあ っても、ない事象をここで議論しているということになりはしないかということを心配 しているわけですね。  もう一つは、購入金額の方から見ると、若齢層はお金の余裕があれば、マグロではな くて肉類に行くわけですから、こういうことがあり得るのかということも考えながら、 極端な場合はこうですという議論もあるでしょうけれども、現実に起こり得るか否か。 確率上、起こり得ないということであるとすれば、魚の持つメリットだとかというのも 議論がずっとあって、それはJECFAでも言われていて、セイシェルのケースなどに もあるわけですから、そこも是非考慮していただければと思っております。 ○熊谷部会長  どうぞ。 ○池田参考人  産婦人科医としての立場で御発言させていただこうと思いますけれども、やはり昨年 からこの問題が起こってまいりまして、妊婦さんがやはり今までの暮らし、食べている ものでいいですかと、一番最初に質問を受けるのが産婦人科だということで、2つ今お っしゃったように、週にどれぐらいのお魚を食べたら、その中毒病になるかという、こ れも大事なんですけれども、今、水産庁さん、厚生労働省さんの方で進めておられるよ うに、今、日本の平均的な妊婦さんを含めた国民の消費量というのは全く問題のない量 だということを知らしていただくのも、やはり一つの重要なことですので、今日は両方 の評価の差は少しあるようですけれども、多くとったとしても余り妊婦さんにも影響の ない。気仙沼と太市町というところでも、たくさんお魚を食べる地方でも問題がないと いうこと。そういった情報も非常に貴重な情報、ポジティブな情報だとして、ディスト リビューションしていただくということも大事なことだということで、現場の方として 発言させていただきます。 ○中垣基準審査課長  もしそうだとしたら、非常にうれしいんですが、なかなかそうもいかないと思いま す。勿論、食品安全委員会の大部分の議論が終わって、また、討議していただきたいと ころでございます。 ○池田参考人  よろしくお願いします。 ○中垣基準審査課長  今日、水産庁が出されたデータというのは、あくまでも非摂食者も含んだ数字でござ いますが、その範囲を議論でやって、特にそういう家計調査のデータと国民栄養調査の データというのは先ほど来、御説明しているふうに大きな違いはない。その非摂食者を 含む数字を基に議論ができていくのか、いかないのかという部分であるんだろうと思い ますし、諸外国においても参考資料の15ページにございますように、各国にやはり同じ ような注意事項を出しておるわけでございまして、その背景にやはりそれなりの必要性 があると考えられます。勿論、やみくもに不安をあおるとか不必要に風評被害的なもの を出すということには、また十分注意しなければいけないと考えておりまして、そうい う意味で参考資料の13ページにあるような注意事項を出すにしても、どういう表現をす ればいいのか、どの程度強く、あるものはまたどこを強調していくのかというのが最終 的な議論になっていくということを考えている次第でございます。  今日は非常に中途半端で、部会長も最初から今日は次に向けてのトレーニングだとお っしゃっておられましたけれども、そういう形で誠に申し訳ないと思っておりますが、 現状は今、申し上げたようなことでございます。 ○熊谷部会長  資料のとりまとめとか最後に組み合わせて、データをどういうふうに表すかという部 分について、今日お示しいただいたとりまとめ以外にこういうとりまとめはどうなのか という御意見はございますか。  どうぞ。 ○吉池参考人  参考人がこのような発言をする立場かどうかわかりませんが、今、栄養の分野では食 事摂取基準の議論があり、そこでは各種の栄養素についての表現法があるのですが、実 態としてすでに摂っている人についての評価とこれから食べようとする人に対する計画 の部分というのは、完全に切り分けないと理論的な整理ができないと考えられていま す。  今日の資料としては、水産庁さんの方は実態としてどうなっているという平均的な摂 取量に対する「評価」の部分で、厚生労働省さんの方はこれからどうするという「計画 」あるいは「推奨」の部分と考えられます。その辺を切り分けて整理をしないと、特に 外に出したときに十分理解できない恐れがあります。例えば、ビタミンCでは、どうい う食品にビタミンCがたくさん含まれているとか、必要量がこのぐらいだからどのぐら いとりましょうと勧めることになります。今回の事は、それの逆の話になるかと思うの ですが、仮に水銀の含有量が食品ごとにわかったら、それを100g当たりではなくて1 回 当たりの摂取量(サービングと言います)には、このぐらい含まれていますから、ビタ ミンCで言えば、これを何個とると1 日の必要量に達します、こういう食事がお勧めで すという事を逆の形で整理しようとしているのかなと思います。そういう意味では実際 に食事指導、栄養指導をするときの必要な栄養素を充足するための指導の裏表として、 今回の議論があるかと思います。その辺の栄養指導上の考え方と整合性をとって最終的 に現場で適用されると良いのではないかと思います。 ○熊谷部会長  どうもありがとうございます。  このデータの取り扱いについて、よろしいでしょうか。別のとりまとめのような御提 案は特にありませんようでしたら、それでは、先ほど来の話でもありますけれども、食 品安全委員会の評価結果が提出された後にその結果を踏まえて注意事項の見直しを諮る という段取りになっておりますので、今回特にもうそれ以上ございませんようでした ら、これで審議を終わりたいと思います。  それでは、事務局の方で何かございましたら、お願いします。 ○事務局  今後の日程でございますが、先ほど、部会長がおっしゃったように、食品安全委員会 の評価の案が提出された段階で当部会を開かさせていただきたいと考えております。ま た、日程の方はその際に調整をして決めさせていただきたいと思いますので、よろしく お願いいたします。 ○熊谷部会長  それでは、以上をもちまして、この部会を終了します。  どうもありがとうございました。 照会先:医薬食品局食品安全部基準審査課     (03−5253−1111 内線2488,2489)