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社保審―医療保険部会 資料3-(1)
第11回(H16.11.30)

介護保険制度改革について


平成16年11月30日

厚生労働省



介護保険制度改革の経緯・スケジュール

平成 9年12月   介護保険法成立
(法附則において施行後5年後の見直しを規定)
平成12年 4月   介護保険法施行

平成15年 4月   第2期事業計画期間開始(〜17年度)
1号保険料の見直し、介護報酬改定


平成16年   制度見直し案作成作業
(社会保障審議会・介護保険部会)
 平成15年5月    介護保険部会設置
 平成16年7月 30日  介護保険部会報告取りまとめ
9月  被保険者・受給者の範囲に関する審議
平成17年   制度改正法案を通常国会に提出(予定)
  
平成18年 4月   第3期事業計画期間開始
1号保険料の見直し
介護報酬・診療報酬の改定(予定)



介護保険制度の実施状況(1)

平成12年4月の介護保険スタートから4年間で
 被保険者数の290万人増加(13%増)に対し、
 要介護認定者数は172万人増加(79%増

被保険者数の推移(13%増)
被保険者数の推移(13%増)のグラフ
要介護認定者数の推移(79%増)
要介護認定者数の推移(79%増)のグラフ



介護保険制度の実施状況(2)

 サービス利用者数は、在宅を中心に大きく伸び、
平成12年4月の介護保険スタートから4年で2倍に。
(平成12年4月:149万人⇒平成16年3月:303万人

サービス利用者数の推移
サービス利用者数の推移のグラフ



介護保険制度の実施状況(3)

 要支援・要介護1といった軽度者が大幅に増加し、要介護認定者数のおよそ半分を占めるように。

要介護認定者数の推移のグラフ



介護保険制度の実施状況(4)

 要介護度が高いほど、施設の利用割合が高い。

要介護度別の在宅・施設の利用状況
要介護度別の在宅・施設の利用状況のグラフ



介護保険の総費用の推移

 介護保険の総費用、給付費は、年10%を超える伸び
 1号保険料も第1期(H12〜14)から第2期(H15〜17)で13%増

○ 総費用の伸び
総費用の伸びのグラフ

○ 1号保険料〔全国平均(月額・加重平均)〕
第1期(H12〜14年度)   第2期(H15〜17年度)   第3期(H18〜20年度)
2,911円
3,293円
(+13%)
現状のままで行くと
約4,300円に



介護給付費の構造−在宅と施設−

○平成12年度と平成15年度の給付費(年額)を比較

平成12年度と平成15年度の給付費(年額)を比較の図



見直しの基本的視点

見直しの基本的視点の図



介護保険制度改革の主な内容

    関連する事項
1.予防重視型システムへの転換
健康フロンティア戦略
  ・ 介護予防システムの確立
  ・ 軽度者の給付の見直し
 
2.給付の効率化・重点化
社会保障の総合化
(年金給付との調整)
  ・ 施設入所費用の見直し(居住費用・食費)
  ・ サービスの適正化
 
3.新たなサービス体系の確立
三位一体・地域再生
(補助金改革(交付金)、権限移譲等)
  ・ 地域密着型サービスの創設
  ・ 市町村の権限強化
  ・ 交付金の創設
 
4.被保険者・受給者の範囲
   
  → 9月以降引き続き議論
   



介護予防の推進

図
 
I. 介護予防対策が相当程度進んだケース
II. 介護予防対策がある程度進んだケース
ア. 「新・予防給付」の創設
 (ア) 軽度者の重度化の防止



要介護2以上へ
の移行を防止
する者の割合



10% 5%
 (イ) 軽度者に対する給付費用の効率化
(従来の給付費用からの減少割合)
▲20% ▲10%
イ. 「地域支援事業」の導入
要支援・要介護状態となることを防止する者の割合
20% 10%
(注) 平成18、19年度については、両ケースとも介護予防の推進効果を低めに見込んでいる。
↓
【介護予防の実施による要介護者等の推計(全国推計)】
 (注)合計が合わない年度は、端数処理の関係 単位:万人
    平成
16
年度
平成
20
年度
平成
23
年度
平成26年度
要介護
2〜5
現行 210 260 290 320
予防
効果
240
(▲20)
260
(▲30)
290
(▲30)
要支援
要介護1
現行 200 260 290 320
予防
効果
260 280
(▲10)
310
(▲10)
地域支援
事業
(仮称)
対象者
現行 140 150 160
予防
効果
160
(+20)
180
(+30)
200
(+40)



総合的な介護予防システムの確立

総合的な介護予防システムの確立の図



施設給付の見直し

在宅と施設の利用者負担の比較

在宅と施設の利用者負担の比較の図



  ドイツ イギリス フランス スウェーデン アメリカ
利用者負担 食費・居住費用、給付限度額を超える部分は、自己負担が原則(※)

低所得者については、州の社会扶助(公費)が支給される。
施設入所については、一定以上の所得・資産を有する者は全額自己負担。低所得者については、サービスを要する費用の全部又は一部を地方自治体が負担。

在宅については地方自治体により異なる。
施設における食費・居住費用は自己負担が原則

低所得者については社会扶助から支給。
施設における食費・居住費用は自己負担が原則。低所得者には家賃補助等を支給。 メディケアでは一定期間しか給付されず期間経過後は全額自己負担

自己負担できないと認められる場合はメディケイドで対応。

(※) 徴収額は施設により区々であるが900〜1,400ユーロ(1ユーロ=130円で12万〜18万円程度)



−介護施設整備計画の考え方−

−介護施設整備計画の考え方−の図



介護給付費の見通し(各期平均・年額)−ごく粗い試算−

介護給付費の見通し(各期平均・年額)−ごく粗い試算−のグラフ



介護保険制度における給付費及び第1号保険料の見通し−ごく粗い試算−











 本試算は、介護保険制度の給付費の現状における見通しに基づき、
介護保険制度改革の議論のベースとなるものとして、(1)「現行制度の
まま推移した場合」
と、(2)「給付の効率化・重点化を図った場合」
ついて、機械的に給付費及び第1号保険料(全国平均)の見通しを試算
したものである。
 このうち、「ケースI」は、介護予防対策が相当程度進んだケース、
「ケースII」は介護予防対策がある程度進んだケースである。
 なお、介護保険制度改革においては、「被保険者・受給者の範囲」
の在り方をめぐる議論が行われているが、以下の試算は、それを踏まえた
ものではない。











1. 介護給付費の見通し

[介護給付費(各期平均・年額)]
  平成15〜17年度
(第2期)
平成18〜20年度
(第3期)
平成21〜23年度
(第4期)
平成24〜26年度
(第5期)
現行制度のまま推移した場合 5.5兆円 7.2兆円 8.8兆円 10.6兆円
給付の
重点化

効率化
ケースI (▲0.1兆円)※ 6.5兆円
(▲0.7兆円)
7.5兆円
(▲1.3兆円)
8.7兆円
(▲1.8兆円)
ケースII 6.6兆円
(▲0.6兆円)
7.8兆円
(▲1.0兆円)
9.2兆円
(▲1.4兆円)
(注1) 経済前提は、「社会保障の給付と負担の将来見通し(平成16年5月)」に基づく
(注2) 給付費には地域支援事業(給付費の概ね3%)を含む。
(注3) 端数処理(四捨五入)により、給付費の差し引き額と( )内の数値は一致しないことがあり得る。

 ※  上記の試算は、制度改革を平成18年4月から実施するケースとして試算しているが、居住費用・食費の見直しを平成17年度中に実施した場合には、平成17年度における給付費の縮減が一定程度(例えば、平成17年10月実施で約1,300億円)見込まれる。


第1号保険料(全国平均・各期平均1人当たり月額)の見通し−ごく粗い試算−

第1号保険料(全国平均・各期平均1人当たり月額)の見通し−ごく粗い試算−のグラフ


2. 第1号保険料(全国平均)の見通し

(1) 現行制度のまま推移した場合
  ○  第3期以降の介護保険料は、介護給付費の見通しと同程度の伸び(約20〜30%)で上昇するものと見込まれる。
  平成15〜17年度
(第2期)
平成18〜20年度
(第3期)
平成21〜23年度
(第4期)
平成24〜26年度
(第5期)
現行制度のまま推移した場合 3,300円 4,300円 5,100円 6,000円

(2) 制度改正を行い、給付の効率化・重点化を図る場合
  ○  給付の効率化・重点化の進展ケースに応じて、第3期以降の介護保険料の上昇は一定限度に抑えられることが見込まれる。
  平成15〜17年度
(第2期)
平成18〜20年度
(第3期)
平成21〜23年度
(第4期)
平成24〜26年度
(第5期)
給付の
重点化

効率化
ケースI   3,900円
(▲400円)
4,400円
(▲700円)
4,900円
(▲1,000円)
ケースII 3,900円
(▲400円)
4,500円
(▲600円)
5,200円
(▲800円)
 上記の試算は、制度改革を平成18年4月から実施するケースとして試算しているが、居住費用・食費の見直しを平成17年度中に実施した場合には、第3期の保険料について更に一定程度の引下げが見込まれる。

(参考) 保険料水準を現状のままとした場合
  ○  仮に、介護保険料を現行水準(第2期の全国平均で1人当たり約3,300円/月)のままとした場合、結果として、利用者の負担水準の 大幅な引き上げか、サービスの大幅な利用制限を余儀なくされるおそれがある。



「給付の効率化・重点化」が各市町村の保険料に及ぼす影響 −ごく粗い機械的計算−

 各市町村によって介護保険料の水準はまちまちであり、「給付の効率化・重点化」の影響も異なる。
 一定の仮定のもとで各市町村にあてはめてみると、施設給付の割合が比較的高いところでは影響が早期に現れ、保険料の地域格差の是正に一定の効果が生じるものと考えられる。
 (※)  実際には、各市町村の介護予防への取組状況等によって、この機械的計算と乖離が生じる可能性があることに留意が必要。なお、この計算では、現行制度のまま推移する場合には各市町村の保険料は全国平均と同様に推移し、制度改正の影響も、比較的軽度の要介護者等の給付の割合に応じて介護予防の影響が、施設給付の割合に応じて施設改正の影響が、それぞれ全国平均と同様に生じるものと仮定して計算している。

(1) モデル的な市町村の保険料の見通し(月額,円)

(1) モデル的な市町村の保険料の見通し(月額,円)のグラフ


(2) 各市町村の第III期の保険料が制度改正(ケースI)で減少する割合

(2) 各市町村の第III期の保険料が制度改正(ケースI)で減少する割合のグラフ



(参考)施設利用率と給付費水準の関係
 施設利用率と平均給付額は、極めて強い相関関係が見られる。

施設利用率と高齢者1人当たり給付月額 平成15年10月

施設利用率と高齢者1人当たり給付月額 平成15年10月のグラフ
 出典: 介護保険事業状況報告(平成15年10月)


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