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厚生労働省健康局結核感染症課

結核患者収容モデル事業に関する調査(中間報告)


 本調査は、結核患者収容モデル事業実施要領に基づく各要件等について、本事業実施医療機関の意見等をまとめたものである。
 なお、今回の調査は、54医療機関に対して行っており、平成16年11月29日現在、43医療機関から回答を得ている。


 事業実施者の要件について、適切でないと考えている医療機関
→ 1医療機関
【主な意見等】
 ・本年度のモデル事業実施要領の改正により、事業実施者の要件として、結核病床を有しない病院である旨が削除されている。

 結核患者の要件について、適切でないと考えている医療機関
→ 4医療機関
【主な意見等】
 ・合併症のない結核患者も一時収容できればよいと考える。
 ・結核の疑いがある患者(確定診断がつくまでの期間)についても要件に含めてはどうか。

 合併症のない結核患者は、現行の結核患者の要件には該当していないが、仮に合併症のない結核患者についても、結核患者の要件に含めるとした場合、問題があると考えている医療機関
→ 10医療機関
【主な意見等】
 ・合併症のない結核患者を要件に含めた場合、合併症のある結核患者の収容に支障の生じる恐れがある。
 ・当院は、精神疾患のある患者を対象とした病院であり、合併症のない患者(精神疾患のない患者)については想定していない。
 ・合併症のない結核患者は、結核の専門病棟を有する施設での対応が望ましい。

 施設の構造及び設備の要件について、適切でないと考えている医療機関
→ 7医療機関
【主な意見等】
 ・空気しゃ断について、引き戸と開き戸を比較しても気密性に差がないため、陰圧及び2重扉にして病室から廊下までの開放を避ける構造であれば、必ず引き戸にしなくてもよいと考える。また、要件中の「扉は自動的に閉じる構造とすること。」という表現は、手動扉による半自動構造も含まれるのかどうか曖昧だと思われる。
 ・換気について、陰圧に保つ設備、独立換気及び屋外へ排気する際のフィルターの装着は、必須要件にすべきだと思う。
 ・殺菌等設備について、病室内に殺菌等設備を設置することは、空気の除菌や安全確保の両面から考慮すると効果的ではないと考える。
 ・手洗設備について、手洗設備は必要であるが、要件中の「消毒できる設備を設置すること。」という表現は削除してもよいと考える。
 ・トイレについて、他の一般患者と共用の便所を使用する場合は、結核患者専用のトイレを設けることとあるが、患者が病室から外に出る場合、当然マスクを着用しており、専用トイレを設置する必要はないのではないか。また、腸結核等を想定しているのであれば、室内ポータブルトイレがよいのではないか。
 ・浴室について、やむをえず結核患者と一般患者が共用する場合は、同時に使用 させないこととあるが、共用するだけでも曝露のリスクは高いと考える。
 ・処置室について、結核患者専用の処置室を設けることが望ましいとあるが、スペース上難しい。

 患者管理及び施設運営の要件について、適切でないと考えている医療機関
→ 3医療機関
【主な意見等】
 ・結核患者は、通常のガーゼマスク又は使い捨てマスクを着用することとあるが、例えば、排菌及び未治療の場合は外科マスクが必要ではないのか。

 その他の要件について、適切でないと考えている医療機関
→ 8医療機関
【主な意見等】
 ・モデル事業に従事する病院職員について、定期的に結核感染の有無を検査によって確認しなければならないとあるが、「結核と診断された患者に接した職員は〜」という条件をつけるべきではないか。
 ・モデル事業実施施設には、経験を有する医師等が常勤していることを原則とするとあるが、単科精神科では、経験を有する内科医の非常勤併任で十分と考える。
 ・モデル事業に係る諸施設について、定期的に結核菌有無の検査を行うこととあるが、陰圧管理を行っているのであれば、結核菌有無の検査は不要と思われる。

 その他、結核患者収容モデル事業に関する意見等
 ・酸素、吸引設備に関する要件や別途補助があってもよいのではないか。
 ・精神病床をモデル病床として運用する場合、施錠等の取り扱いについて、精神保健福祉法等との整合性を図り、明確な運用基準を整備する必要があるのではないか。
 ・モデル病床を設置する場合、設置規模(病床数)に応じた設備等に関する基準が必要ではないか。

以上


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