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船員保険制度の在り方検討会 資料2−1
平成16年11月29日

船員保険の職務上年金部門の必要保険料率等の機械的な試算


1.試算の基本的な枠組み

(1)  平成17年度末における積立必要額及び積立不足額、並びに積立不足を平成17年度から一定の期間内に償却するために必要となる保険料率について、一定の前提の下に試算を実施した。

(2)  保険料率は、「今後発生する給付に係る費用を賄うために必要な部分」と、「積立不足の償却に充てられる部分」とに区分して試算を行った。

(3)  平成17年度末における積立必要額については、労災保険における積立金の積算と基本的に同じ手法によって推計した。積立不足額は、積立必要額から平成17年度末の積立金残高見込額を差し引くことによって試算した。

(4)  今後発生する給付に係る費用を賄うために必要な保険料率は、労災保険で採用している「充足賦課方式」(=将来給付分も含めた年金給付に要する費用を全額徴収する方式)により試算した(以下「充足賦課料率」という)。

(5)  積立不足償却料率は、償却期間において「一定の料率」となるように試算を行った。
※労災保険においては、積立不足額を利回りを勘案しながら償却期間内で各年度に均等に割り振り、その単年度の償却額を向こう3年間の平均総報酬額で除して料率換算している点で、今回の試算は労災保険の計算方式とは異なっている)


2.試算に当たっての前提

(1)  償却期間について

 積立不足の償却期間については、「15年(=平成32年に償却完了)」と「20年(=平成37年に償却完了)」の2とおりについて、試算を実施した。

(2)  被保険者数の推移について

 被保険者数の推移については、以下の2とおりの仮定に基づいて試算を実施した。

(1)  被保険者数が直近3年間(平成14〜16年)の平均減少率で減少し、4万人で下げ止まるとの仮定(平成25年に下げ止まり)
(2)  被保険者数が直近3年間(平成14〜16年)の平均減少率で、積立不足の償却期間中は減少し続けるとの仮定(平成32年で約2万7千人、平成37年で約2万人)

(3)  経済前提について

 労災保険に合わせて、賃金上昇率は1.0%(平成18年度以降)、運用利回りは2.0%(平成18年度以降)としている。

(4)  その他の留意点

 今回の試算は、特別支給金を考慮に入れていないものであることに留意が必要。


3.積立必要額・積立不足額の試算の結果

(1)  労災保険と基本的に同じ方式で積立必要額を計算するとした場合の、平成17年度末における積立必要額は、約2,200億円と試算された。

(2)  労災保険と基本的に同じ方式で積立不足額を計算するとした場合の、平成17年度末における積立不足額は、約1,400億円と試算された。


4.保険料率の試算の結果

ケース 15年償却 20年償却
4万人下げ止まり 被保険者数下げ止まらず 4万人下げ止まり 被保険者数下げ止まらず
充足賦課料率 11.6‰ 11.6‰ 11.6‰ 11.6‰
積立不足償却料率 45.7‰ 49.6‰ 36.2‰ 42.5‰
保険料率合計 57.3‰ 61.2‰ 47.8‰ 54.1‰


5.償却完了までの収支等の推移の見込み

   積立不足の償却が完了するまでの期間に係る、職務上年金部門の収支及び積立金額の推移については、別紙を参照。



船員保険職務上年金部門の将来推計


○被保険者数:平成25年度に4万人で下げ止まり ○過去期間債務:15年償却
  収入 支出 収支差 年度末
積立金
利率 保険料率
  うち
保険料収入
うち
運用収入
  うち
保険給付費
うち
諸支出金
  億円 億円 億円 億円 億円 億円 億円 億円
平成16年度                    
平成17年度 146 131 15 173 43 130 ▲27 797 1.9 44
平成18年度 180 164 16 167 44 124 12 809 2.0 58
平成19年度 171 155 16 162 44 118 9 818 2.0 58
平成20年度 164 147 16 158 44 113 6 824 2.0 58
平成21年度 156 140 16 154 45 109 3 827 2.0 58
平成22年度 150 133 16 149 45 104 0 827 2.0 58
平成27年度 135 119 16 128 47 81 7 828 2.0 58
平成32年度 141 123 18 109 49 60 32 938 2.0 58
平成37年度 40 27 13 93 50 42 ▲53 652 2.0 12


船員保険職務上年金部門の将来推計


○被保険者数:平成32年度に2万7千人 ○過去期間債務:15年償却
  収入 支出 収支差 年度末
積立金
利率 保険料率
  うち
保険料収入
うち
運用収入
  うち
保険給付費
うち
諸支出金
  億円 億円 億円 億円 億円 億円 億円 億円
平成16年度                    
平成17年度 146 131 15 173 43 130 ▲27 797 1.9 44
平成18年度 191 175 16 167 44 124 24 821 2.0 62
平成19年度 182 166 16 162 44 118 20 841 2.0 62
平成20年度 174 157 17 158 44 113 16 857 2.0 62
平成21年度 167 150 17 154 45 109 13 870 2.0 62
平成22年度 160 142 17 149 45 104 10 881 2.0 62
平成27年度 130 112 18 127 46 81 3 907 2.0 62
平成32年度 108 90 18 106 46 60 3 918 2.0 62
平成37年度 27 14 13 86 44 42 ▲59 601 2.0 12


船員保険職務上年金部門の将来推計


○被保険者数:平成25年度に4万人で下げ止まり ○過去期間債務:20年償却
  収入 支出 収支差 年度末
積立金
利率 保険料率
  うち
保険料収入
うち
運用収入
  うち
保険給付費
うち
諸支出金
  億円 億円 億円 億円 億円 億円 億円 億円
平成16年度                    
平成17年度 146 131 15 173 43 130 ▲27 797 1.9 44
平成18年度 151 135 16 167 44 124 ▲16 781 2.0 48
平成19年度 144 128 15 162 44 118 ▲18 762 2.0 48
平成20年度 137 122 15 158 44 113 ▲21 741 2.0 48
平成21年度 130 116 14 154 45 109 ▲23 718 2.0 48
平成22年度 124 110 14 149 45 104 ▲25 693 2.0 48
平成27年度 110 98 11 128 47 81 ▲18 571 2.0 48
平成32年度 113 102 11 109 49 60 3 544 2.0 48
平成37年度 118 106 12 93 50 42 26 628 2.0 48


船員保険職務上年金部門の将来推計


○被保険者数:平成37年度に2万人 ○過去期間債務:20年償却
  収入 支出 収支差 年度末
積立金
利率 保険料率
  うち
保険料収入
うち
運用収入
  うち
保険給付費
うち
諸支出金
  億円 億円 億円 億円 億円 億円 億円 億円
平成16年度                    
平成17年度 146 131 15 173 43 130 ▲27 797 1.9 44
平成18年度 171 155 16 167 44 124 4 801 2.0 55
平成19年度 163 147 16 162 44 118 1 802 2.0 55
平成20年度 156 140 16 158 44 113 ▲2 799 2.0 55
平成21年度 149 133 16 154 45 109 ▲5 794 2.0 55
平成22年度 142 126 16 149 45 104 ▲7 787 2.0 55
平成27年度 114 100 15 127 46 81 ▲13 730 2.0 55
平成32年度 93 80 13 106 46 60 ▲13 664 2.0 55
平成37年度 77 65 12 86 44 42 ▲9 611 2.0 55


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