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適格退職年金制度から中小企業退職金共済制度への移換
に関する関係法令改正の概要

1. 改正の概要(国民年金法等の一部を改正する法律(平成16年法律第104号)による確定給付企業年金法の改正)

 適格退職年金制度の廃止(平成24年3月まで)に伴い、適格退職年金制度で積み立てていた資産を中小企業退職金共済制度(中退制度)に移換し、120月を上限として中退制度の掛金納付月数に通算できることとしていた。
 今改正により、資産の全額の移換を可能とするため、上限(120月)を撤廃するとともに、引渡金額のうち掛金納付月数の通算に係る額を差し引いた残余の額(残余額)について、政令で定める利率を付して退職金額に加えることとした。
 施行日は平成17年4月1日(政令も省令も同様)。

(参考)適格退職年金制度の概要
 適格退職年金制度は、法人税法上に定める適格要件を満たし、税法上一定の優遇措置を受ける社外積立型の企業年金制度で、昭和37年(1962年)創設された。平成14年(2002年)4月から施行された確定給付企業年金法においては、新規の適格退職年金契約は認められなくなり、また、既存の適格退職年金については、経過措置を講じて10年以内に廃止又は他の企業年金制度等へ移管することとされた。


2. 政令の概要(確定給付企業年金法附則第二十八条第一項の政令で定める額等を定める政令の一部を改正する政令(平成16年政令第320号))

(1)  掛金納付月数の通算に係る額
 資産の移換にあたっては、掛金納付月数を通算することが原則であることから、政令で定める掛金納付月数の通算に係る額は、引渡金額の範囲内で最高の額となるものとした。
(2)  残余額について政令で定める利率
 残余額の算定に係る利率は、中小企業退職金共済法施行令第8条に規定する利率(年1%)とした。
(3)  別表の改正
 掛金納付月数の通算に係る額とそれに対応する掛金納付月数に通算すべき月数を規定する別表について、120月を超えて延長した。


3. 省令の改正(確定給付企業年金法附則第二十八条第一項の被共済者の持分を算定する方法等を定める省令及び確定給付企業年金法附則第二十八条第一項の政令で定める額等を定める政令第一条第二号の金額を定める省令の一部を改正する省令(平成16年12月目途公布予定))

(1)  移換に関する手続きの改正
 独立行政法人勤労者退職金共済機構に提出すべき書類の項目の整理を行った。
(2)  付加退職金部分の引渡額の規定の整備
 中退制度上の退職金は基本退職金と付加退職金に分かれているが、付加退職金分についても引渡金額に算定する必要があるため、それを規定した。


適格退職年金からの移行状況(平成15年度)

平成15年3月末現在の適格退職年金契約件数
((1))
平成15年度の適格退職年金解約件数
((1)−(2))
移行先内訳 平成16年3月末現在の適格退職年金契約件数
((2))
中小企業退職金共済(共済契約者数(申込)) 確定拠出年金(規約数) 確定給付企業年金(規約・基金数) 厚生年金基金(基金数) 廃止
66,741 7,578 2,198 340 175 不明 不明 59,163
(資料出所) 移行先内訳以外 「企業年金に関する基礎資料」厚生年金基金連合会調べ
  移行先内訳 厚生労働省調べ

<参考> 平成15年度の移行先各制度の新規加入状況(適格退職年金からの移行を含む)
   中小企業退職金共済 14,936件(共済契約者数)、確定拠出年金 167件(規約数)、確定給付企業年金 30件(規約・基金数)、厚生年金基金 0件(基金数)。

<注>
 ○  中小企業退職金共済への移行件数は、従業員数(被共済者数(実績))でみると、66,839人である。うち、21.1%に当たる14,070人が移換上限の120月分の資産の移換を行っている。
 ○  確定拠出年金及び確定給付企業年金については、複数の企業で単一の規約又は基金を設けている場合があり、規約数及び基金数の合計と企業数とは一致しない。また、移行に係る従業員数は把握していない。


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