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分科会における検討結果の骨子(素案)


1 労働時間等をめぐる現状と課題
 ・時短促進法に基づく労使の取組等により労働時間の短縮は着実に進んできたところであり、総実労働時間は同法制定時と比べ約100時間短縮
 ・一方、近年、労働時間別にみた労働者分布の「二極化」が進展し、週労働時間60時間以上の労働者が増加
 ・また、年次有給休暇取得率は引き続き低下し、47.4%
 ・こうした中、過重労働による健康障害が深刻化するとともに、育児・介護や自己啓発など多様なニーズを満たすための時間の確保が求められているところ
 ・労働時間、休日及び休暇(以下「労働時間等」という。)の在り方を、労働者の健康確保や生活に配慮したものとしていくことが重要な課題

2 時短促進法の見直しの方向
(1)基本的な方向性
 時短促進法(以下「法」という。)について、労使の自主的な努力を促進するための法律という基本的な性格は保ちつつ、「年間総実労働時間1800時間」という目標に向けて計画的に時短を進めるための法律から、労働者の健康や生活に配慮した労働時間等の設定の改善を進めるための法律(労働時間等設定改善法(仮称)、以下「改正法」という。)に改正することとしてはどうか。
  労働時間等の設定:労働時間、始業・終業の時刻、休日数、年次有給休暇その他の休暇の日数及び付与する時季その他の労働時間等に関する事項を定めること

(2)具体的な改正内容等(案)
  (1)労働時間短縮推進計画について
 現行の労働時間短縮推進計画に代えて、法に基づき厚生労働大臣が指針(労働時間等の設定の改善に関する指針)を定めることとし、これに盛り込まれた内容を参考として、個々の労使が実情に応じた自主的な改善の取組を進めることができるよう、指針の内容を定めることとしてはどうか。
  指針の内容としては、例えば、
 ・ 事業場内の体制整備等の基本的な事項、
 ・ 長時間労働者に対する事後措置など健康の保持に係る事項、
 ・ 育児・介護や自己啓発等を行う労働者のニーズに見合った労働時間等の設定のための事項(フレックスタイム制度など弾力的労働時間制度の活用、短時間勤務制度の導入、有給教育訓練休暇の付与等)、
 ・ 計画的付与制度の導入促進など年次有給休暇の取得促進のための事項
等が考えられるのではないか。

  (2)労働時間等の設定改善の実施体制について
 事業主は、事業場内の体制整備を行う観点から、現行の労働時間短縮推進委員会の設置に代えて、労働時間等の設定の改善を図るための委員会の設置に努めなければならないこととしてはどうか。

  (3)労働時間短縮支援センターに係る規定の削除等
 「公益法人に対する行政の関与の在り方の改革実施計画」(平成14年3月閣議決定)等を踏まえ、指定法人及び指定法人に対する交付金等の規定は削除することとするが、業種によっては労働時間が相当長いことや、年次有給休暇の取得促進が課題となっている現状にかんがみれば、労働時間等の設定の改善に向けた事業主等に対する国の支援に関して、その方策については工夫した上で、何らかの措置を講ずることが必要なのではないか。

  (4)その他労働時間短縮実施計画等についての所要の改正

3 その他
(1) 労働者側委員から週労働時間の特例措置(44時間制)及び割増賃金率の見直しについて、使用者側委員から労働時間規制の適用除外について、それぞれ意見が示されたこと。

(2) 2(2)(2)の労働時間等の設定の改善を図るための委員会を設置することが困難な事業場については、労働者の健康増進との関連を考慮し、衛生委員会で一定の要件を満たすものを同委員会とみなすことができることとしてはどうか。


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