戻る

社会保障審議会−福祉部会
第12回(H16.11.2) 資料1


社会福祉施設職員等退職手当共済制度の見直しの方向について(説明資料)


1. 助成の在り方の見直し等について
2. 給付の在り方の見直しについて
3. その他の論点



1.助成の在り方の見直し等について



助成の在り方の見直しの方向(案)

 介護保険制度の対象となる高齢者関係の施設・事業等(社会福祉事業)の職員については、介護保険における民間とのイコールフッティングの観点から、公費助成を廃止してはどうか。(なお、児童・障害等のその他の施設・事業については、従来通り公費助成を行う。)
 この場合、経過措置として、経営者の期待利益の保護、掛金負担の激変緩和の観点から、既加入職員については、退職時まで現在の助成(2/3)を継続してはどうか。
 また、介護保険制度の対象となる高齢者関係の施設・事業等(社会福祉事業)に係る新規採用職員の加入については、申出施設等並みの掛金(3分の3)の負担が必要となることから、経営者の申出によるものとしてはどうか。

助成の在り方の見直しの方向(案)の図


参考:介護施設等に対する助成の経過措置のイメージ

 既加入職員についてこのような経過措置を講じることとすれば、介護保険制度の対象となる高齢者関係の施設・事業等に係る新規採用職員について制度に加入した場合においても、既加入職員については退職時まで公費助成が残るので、経営者の負担は一気に増加することとはならない。

参考:介護施設等に対する助成の経過措置のイメージの図

注) なお、制度改正時の既加入職員については、改正法施行後に他の施設等から介護施設等に異動した者についても公費補助対象とする。



2.給付の在り方の見直しについて



給付の在り方の見直しの方向(案)

 退職金をめぐる状況、その他の雇用環境の変化を踏まえつつ、経営者の掛金負担を軽減し、制度を安定的に運営していく観点から、給付水準を抑制してはどうか。
 その際、民間における退職金給付とのバランスもかんがみ、現行の国家公務員準拠の給付体系(加入年数が長くなるにつれて退職金額が大幅に伸びる)を見直してはどうか。
 経過措置として、既加入職員の期待利益の保護の観点から、改正後の支給乗率が、改正前の時点で退職したと仮定した場合の支給乗率を下回る場合は、改正前時点での支給乗率によって計算した額の退職金を支給してはどうか。

  【現行の給付水準】

 ○ 国家公務員退職手当制度の給付水準(自己都合退職)に準拠(普通退職の場合)
<基本的な考え方>
  1) 勤続20年から24年の支給率について、1〜10年を1.0、11〜20年を1.1、21〜24年を1.2に設定
  2) 勤続19年以下(=勤続年数が短くして退職)については、勤続年数に応じて、上記1)の支給率に一定の減額率をかけて計算。
勤続年数1〜5年 → ×0.6 6〜10年 → ×0.75 11〜19年 → ×0.8
  3) 勤続25年以上については、上記1)よりもさらに高い支給率を設定。
(1〜10年、11〜20年、21〜24年の支給率は、1)の支給率の25%増)
支給率は、1〜10年が1.25、11〜20年が1.375、21〜30年が1.5、31年〜が1.25となっている。


給付水準の改正案

支給率設定の考え方
改正案1 民間の退職金給付の水準を踏まえ、現行の節目の年で過去の年数分の支給率も引き上げるという方式はすべて廃止し、以下のように支給率を設定。
 ・ スタートの支給率を0.6から0.5に引き下げて設定。
 ・ 現行と同じように25〜30年のところに支給率のピークをおく。
 ・ スタートからピークまでは5年ごとに段階的に支給率設定。
 ・ 31年以降は段階的に引き下げる。
(これにより、全体的に給付水準を引き下げるとともに、勤続11年、20年、25年でそれ以前の年数分についても支給率が引き上がることがなくなり、これまでよりも、なだらかに給付が増加するような給付カーブとなる。)
改正案2 基本的には改正案1と同様の考え方。(現行の節目の年で過去の年数分の支給率も引き上げるという方式はすべて廃止)以下の点で改正案1と異なる。
 ・ スタートは現行と同じ0.6に設定
 ・ 11〜19、20〜24、25〜30年で段階的に支給率を設定
改正案3 民間の退職金給付の水準を踏まえるとともに、現行の給付カーブとの連続性も配慮しつつ、支給率を設定。
 ・ 長期勤続者に過度に有利となっている現行制度を是正する観点から、勤続25年以上を優遇する措置を廃止。
 ・ 現行の11年、20年で過去の年数分の支給率も引き上げる方式を維持しつつ、一律に概ね2割支給率を引き下げて設定。
改正案4 現行の支給率を一律に概ね1割引き下げて設定。

  ☆  いずれの改正案についても、業務上の死亡や傷病による退職の場合には、現行と同様、基本となる支給率(現行では勤続20年〜24年の支給率)の1.5倍の支給率を設定することとしてはどうか。また、現行では国家公務員の場合と同様、当分の間の措置として、支給率によって計算した退職手当の額に調整率100分の110(国家公務員は平成15年の改正により100分の104に引き下げられている。)をかけた額を支給額としているが、これについては廃止することとしてはどうか。

  ☆  なお、支給乗率については、上限(現行では60)が定められており、これについては維持することとしてはどうか。


参考:改正案(支給乗率)のイメージ

改正案(支給乗率)のイメージのグラフ


支給乗率案の比較

  現行 改正案1 改正案2 改正案3 改正案4
在籍期間(年) 支給率 支給乗率 支給率 支給乗率 支給率 支給乗率 支給率 支給乗率 支給率 支給乗率
1 0.6 0.6 0.5 0.5 0.6 0.6 0.48 0.48 0.54 0.54
2 0.6 1.2 0.5 1 0.6 1.2 0.48 0.96 0.54 1.08
3 0.6 1.8 0.5 1.5 0.6 1.8 0.48 1.44 0.54 1.62
4 0.6 2.4 0.5 2 0.6 2.4 0.48 1.92 0.54 2.16
5 0.6 3 0.5 2.5 0.6 3 0.48 2.4 0.54 2.70
6 0.75 4.5 0.6 3.1 0.7 3.7 0.6 3.6 0.675 4.05
7 0.75 5.25 0.6 3.7 0.7 4.4 0.6 4.2 0.675 4.73
8 0.75 6 0.6 4.3 0.7 5.1 0.6 4.8 0.675 5.40
9 0.75 6.75 0.6 4.9 0.7 5.8 0.6 5.4 0.675 6.08
10 0.75 7.5 0.6 5.5 0.7 6.5 0.6 6.0 0.675 6.75
11 0.88 8.88 0.7 6.2 0.8 7.3 0.704 7.10 0.792 7.99
12 0.88 9.76 0.7 6.9 0.8 8.1 0.704 7.81 0.792 8.78
13 0.88 10.64 0.7 7.6 0.8 8.9 0.704 8.51 0.792 9.58
14 0.88 11.52 0.7 8.3 0.8 9.7 0.704 9.22 0.792 10.37
15 0.88 12.4 0.7 9 0.8 10.5 0.704 9.92 0.792 11.16
16 0.88 13.28 0.8 9.8 0.8 11.3 0.704 10.62 0.792 11.95
17 0.88 14.16 0.8 10.6 0.8 12.1 0.704 11.33 0.792 12.74
18 0.88 15.04 0.8 11.4 0.8 12.9 0.704 12.03 0.792 13.54
19 0.88 15.92 0.8 12.2 0.8 13.7 0.704 12.74 0.792 14.33
20 1.1 21 0.8 13 0.9 14.6 0.88 16.8 0.99 18.90
21 1.2 22.2 0.9 13.9 0.9 15.5 1.0 17.8 1.08 19.98
22 1.2 23.4 0.9 14.8 0.9 16.4 1.0 18.8 1.08 21.06
23 1.2 24.6 0.9 15.7 0.9 17.3 1.0 19.8 1.08 22.14
24 1.2 25.8 0.9 16.6 0.9 18.2 1.0 20.8 1.08 23.22
25 1.5 33.75 0.9 17.5 1.0 19.2 1.0 21.8 1.35 30.38
26 1.5 35.25 1.0 18.5 1.0 20.2 1.0 22.8 1.35 31.73
27 1.5 36.75 1.0 19.5 1.0 21.2 1.0 23.8 1.35 33.08
28 1.5 38.25 1.0 20.5 1.0 22.2 1.0 24.8 1.35 34.43
29 1.5 39.75 1.0 21.5 1.0 23.2 1.0 25.8 1.35 35.78
30 1.5 41.25 1.0 22.5 1.0 24.2 1.0 26.8 1.35 37.13
31 1.25 42.5 0.9 23.4 0.9 25.1 0.88 27.68 1.125 38.26
32 1.25 43.75 0.9 24.3 0.9 26 0.88 28.56 1.125 39.38
33 1.25 45 0.9 25.2 0.9 26.9 0.88 29.44 1.125 40.51
34 1.25 46.25 0.9 26.1 0.9 27.8 0.88 30.32 1.125 41.63
35 1.25 47.5 0.9 27 0.9 28.7 0.88 31.20 1.125 42.76
36 1.25 48.75 0.8 27.8 0.8 29.5 0.88 32.08 1.125 43.88
37 1.25 50 0.8 28.6 0.8 30.3 0.88 32.96 1.125 45.01
38 1.25 51.25 0.8 29.4 0.8 31.1 0.88 33.84 1.125 46.13
39 1.25 52.5 0.8 30.2 0.8 31.9 0.88 34.72 1.125 47.26
40 1.25 53.75 0.8 31 0.8 32.7 0.88 35.60 1.125 48.38
41 1.25 55 0.7 31.7 0.7 33.4 0.88 36.48 1.125 49.51
42 1.25 56.25 0.7 32.4 0.7 34.1 0.88 37.36 1.125 50.63
43 1.25 57.5 0.7 33.1 0.7 34.8 0.88 38.24 1.125 51.76
44 1.25 58.75 0.7 33.8 0.7 35.5 0.88 39.12 1.125 52.88
45 1.25 60 0.7 34.5 0.7 36.2 0.88 40 1.125 54.01


平均退職手当金額の比較

  現行 改正案1 改正案2 改正案3 改正案4
在籍期間(年) 平均退職手当金額(円) 平均退職手当金額(円) 平均退職手当金額(円) 平均退職手当金額(円) 平均退職手当金額(円)
1 96,000 80,000 96,000 76,800 86,400
2 210,000 175,000 210,000 168,000 189,000
3 315,000 262,500 315,000 252,000 283,500
4 420,000 350,000 420,000 336,000 378,000
5 570,000 475,000 570,000 456,000 513,000
6 855,000 589,000 703,000 684,000 769,500
7 1,076,250 758,500 902,000 861,000 968,625
8 1,230,000 881,500 1,045,500 984,000 1,107,000
9 1,383,750 1,004,500 1,189,000 1,107,000 1,245,375
10 1,650,000 1,210,000 1,430,000 1,320,000 1,485,000
11 1,953,600 1,364,000 1,606,000 1,562,880 1,758,240
12 2,293,600 1,621,500 1,903,500 1,834,880 2,064,240
13 2,500,400 1,786,000 2,091,500 2,000,320 2,250,360
14 2,880,000 2,075,000 2,425,000 2,304,000 2,592,000
15 3,100,000 2,250,000 2,625,000 2,480,000 2,790,000
16 3,519,200 2,597,000 2,994,500 2,815,360 3,167,280
17 3,752,400 2,809,000 3,206,500 3,001,920 3,377,160
18 3,985,600 3,021,000 3,418,500 3,188,480 3,587,040
19 4,218,800 3,233,000 3,630,500 3,375,040 3,796,920
20 5,880,000 3,640,000 4,088,000 4,704,000 5,292,000
21 6,216,000 3,892,000 4,340,000 4,984,000 5,594,400
22 6,552,000 4,144,000 4,592,000 5,264,000 5,896,800
23 7,380,000 4,710,000 5,190,000 5,940,000 6,642,000
24 7,740,000 4,980,000 5,460,000 6,240,000 6,966,000
25 10,800,000 5,600,000 6,144,000 6,976,000 9,721,600
26 11,280,000 5,920,000 6,464,000 7,296,000 10,153,600
27 12,495,000 6,630,000 7,208,000 8,092,000 11,247,200
28 12,240,000 6,560,000 7,104,000 7,936,000 11,017,600
29 13,515,000 7,310,000 7,888,000 8,772,000 12,165,200
30 14,025,000 7,650,000 8,228,000 9,112,000 12,624,200
31 13,600,000 7,488,000 8,032,000 8,857,600 12,241,600
32 15,750,000 8,748,000 9,360,000 10,281,600 14,176,800
33 16,200,000 9,072,000 9,684,000 10,598,400 14,581,800
34 16,650,000 9,396,000 10,008,000 10,915,200 14,986,800
35 17,100,000 9,720,000 10,332,000 11,232,000 15,391,800
36 17,550,000 10,008,000 10,620,000 11,548,800 15,796,800
37 18,000,000 10,296,000 10,908,000 11,865,600 16,201,800
38 18,450,000 10,584,000 11,196,000 12,182,400 16,606,800
39 18,900,000 10,872,000 11,484,000 12,499,200 17,011,800
40 19,350,000 11,160,000 11,772,000 12,816,000 17,416,800
41 19,800,000 11,412,000 12,024,000 13,132,800 17,821,800
42 20,250,000 11,664,000 12,276,000 13,449,600 18,226,800
※平成15年度退職者の平均本俸月額をもとに計算。


平均退職金額の比較

(単位:円) 平均退職金額の比較のグラフ


平均退職金額の比較

  退職手当(現行)
(円)
退職手当(改正案1)
(円)
退職手当(改正案2)
(円)
退職手当(改正案3)
(円)
退職手当(改正案4)
(円)
中退金(年額120,000円)(円) 民間(1)(円) 民間(2)(円)
1年 96,000 80,000 96,000 76,800 86,400 36,000 56,000 85,000
3年 315,000 262,500 315,000 252,000 283,500 360,000 163,000 196,000
5年 570,000 475,000 570,000 456,000 513,000 608,000 326,000 379,000
10年 1,650,000 1,210,000 1,430,000 1,320,000 1,485,000 1,265,600 900,000 1,045,000
15年 3,100,000 2,250,000 2,625,000 2,480,000 2,790,000 1,950,000 1,874,000 2,117,000
20年 5,880,000 3,640,000 4,088,000 4,704,000 5,292,000 2,666,600 3,266,000 3,621,000
25年 10,800,000 5,600,000 6,144,000 6,976,000 9,721,600 3,420,800 5,138,000 5,574,000
30年 14,025,000 7,650,000 8,228,000 9,112,000 12,624,200 4,213,100 7,291,000 7,801,000
35年 17,100,000 9,720,000 10,332,000 11,232,000 15,391,800 5,045,800 9,178,000 9,970,000

注)
「退職手当(現行)」は平成15年度の平均支給額。
「退職手当(改正案1)」、「退職手当(改正案2)」、「退職手当(改正案3)」及び「退職手当(改正案4)」は、平成15年度の退職者ベースで改正後の給付水準(改正案1、改正案2、改正案3及び改正案4)を適用した場合の平均支給額。
「民間(1)」は、「中小企業の賃金・退職金事情」(平成14年版、東京都)(全産業、高卒、自己都合退職)
「民間(2)」は、「中小企業の賃金・退職金事情」(平成14年版、東京都)(全産業、高専・短大卒、自己都合退職)


参考:既加入職員の給付水準に関する経過措置のイメージ

既加入職員の給付水準に関する経過措置のイメージのグラフ


改正後の単位掛金の推計

推計1:介護新規加入100%ケース
    H16(2004) H18(2006) H22(2010) H27(2015) H37(2025)
(円/年) 現行 42,300 43,000 42,900 47,700 58,900
改正案1 42,300 39,000 32,300 32,800 38,500
改正案2 42,300 41,200 36,200 37,200 43,400
改正案3 42,300 39,000 34,100 36,200 43,800
改正案4 42,300 40,200 38,600 43,000 53,000

推計2:介護新規加入率1/2ケース
    H16(2004) H18(2006) H22(2010) H27(2015) H37(2025)
(円/年) 現行 42,300 44,700 48,300 55,000 69,300
改正案1 42,300 40,500 36,200 37,500 44,400
改正案2 42,300 42,800 40,500 42,300 49,800
改正案3 42,300 40,500 38,300 41,600 51,000
改正案4 42,300 41,700 43,500 49,500 62,400

推計3:介護新規加入率1/3ケース
    H16(2004) H18(2006) H22(2010) H27(2015) H37(2025)
(円/年) 現行 42,300 45,300 50,400 58,200 74,600
改正案1 42,300 41,000 37,800 39,600 47,400
改正案2 42,300 43,400 42,300 44,600 53,000
改正案3 42,300 41,000 40,100 43,900 54,700
改正案4 42,300 42,300 45,400 52,400 67,200

推計4:介護新規加入なしのケース
    H16(2004) H18(2006) H22(2010) H27(2015) H37(2025)
(円/年) 現行 42,300 46,500 55,500 66,600 90,700
改正案1 42,300 42,200 41,600 45,000 56,600
改正案2 42,300 44,600 46,400 50,500 62,900
改正案3 42,300 42,200 44,100 50,100 65,800
改正案4 42,300 43,400 50,000 60,000 81,700

注)1. 介護施設等、申出施設等については、掛金は3倍となる。
2. 社会福祉法人立の介護老人保健施設(申出施設等)は、現在1/3程度が加入。


参考:改正後の掛金等の推計(詳細)

○推計1(介護新規加入率100%ケース)
  H15(2003) H18(2006) H22(2010) H27(2015) H37(2025)
  被共済職員(万人) 58.8 70.2 87.6 97.3 107.9
給付者数(万人) 6.0 6.6 8.4 9.3 9.8
退職者平均在籍期間(年) 5.00 4.46 4.50 5.24 6.23
制度
改正
ケース
I
(現行
制度)
退職金給付総額(億円) 740 906 1,128 1,394 1,906
退職者平均給付額(万円) 123 137 135 149 194
国庫補助金(億円) 238 266 260 268 275
掛金単価(円/年) 39,000 43,000 42,900 47,700 58,900
II
(改正
案1)
退職金給付総額(億円) 740 821 849 959 1,246
退職者平均給付額(万円) 123 124 101 103 127
国庫補助金(億円) 238 241 196 184 180
掛金単価(円/年) 39,000 39,000 32,300 32,800 38,500
III
(改正
案2)
退職金給付総額(億円) 740 868 952 1,085 1,407
退職者平均給付額(万円) 123 131 114 116 143
国庫補助金(億円) 238 255 220 208 203
掛金単価(円/年) 39,000 41,200 36,200 37,200 43,400
IV
(改正
案3)
退職金給付総額(億円) 740 821 896 1,058 1,418
退職者平均給付額(万円) 123 124 107 113 144
国庫補助金(億円) 238 241 207 203 205
掛金単価(円/年) 39,000 39,000 34,100 36,200 43,800
V
(改正
案4)
退職金給付総額(億円) 740 846 1,016 1,255 1,716
退職者平均給付額(万円) 123 128 121 134 175
国庫補助金(億円) 238 249 234 241 248
掛金単価(円/年) 39,000 40,200 38,600 43,000 53,000

注)1. 単位掛金額は16年度より42,300円となっている。
2. 介護施設等、申出施設等については、掛金は3倍となる。
3. 掛金は100円単位でまとめた。


○推計2(介護新規加入1/2ケース)
  H15(2003) H18(2006) H22(2010) H27(2015) H37(2025)
  被共済職員(万人) 58.8 67.6 76.1 79.1 80.4
給付者数(万人) 6.0 6.6 7.2 7.5 7.2
退職者平均在籍期間(年) 5.00 4.70 5.08 5.92 7.01
制度
改正
ケース
I
(現行
制度)
退職金給付総額(億円) 740 906 1,102 1,305 1,672
退職者平均給付額(万円) 123 137 152 175 233
国庫補助金(億円) 238 277 293 309 324
掛金単価(円/年) 39,000 44,700 48,300 55,000 69,300
II
(改正
案1)
退職金給付総額(億円) 740 821 827 890 1,071
退職者平均給付額(万円) 123 124 114 119 149
国庫補助金(億円) 238 251 220 210 208
掛金単価(円/年) 39,000 40,500 36,200 37,500 44,400
III
(改正
案2)
退職金給付総額(億円) 740 868 926 1,004 1,201
退職者平均給付額(万円) 123 131 128 135 167
国庫補助金(億円) 238 265 246 237 233
掛金単価(円/年) 39,000 42,800 40,500 42,300 49,800
IV
(改正
案3)
退職金給付総額(億円) 740 821 875 986 1,230
退職者平均給付額(万円) 123 124 121 132 171
国庫補助金(億円) 238 251 233 233 238
掛金単価(円/年) 39,000 40,500 38,300 41,600 51,000
V
(改正
案4)
退職金給付総額(億円) 740 846 992 1,175 1,505
退職者平均給付額(万円) 123 128 137 158 209
国庫補助金(億円) 238 258 264 278 292
掛金単価(円/年) 39,000 41,700 43,500 49,500 62,400

注)1. 単位掛金額は16年度より42,300円となっている。
2. 介護施設等、申出施設等については、掛金は3倍となる。
3. 掛金は100円単位でまとめた。


○推計3(介護新規加入1/3ケース)
  H15(2003) H18(2006) H22(2010) H27(2015) H37(2025)
  被共済職員(万人) 58.8 66.7 72.3 73.0 71.2
給付者数(万人) 6.0 6.6 6.9 6.8 6.3
退職者平均在籍期間(年) 5.00 4.79 5.32 6.24 7.42
制度
改正
ケース
I
(現行
制度)
退職金給付総額(億円) 740 906 1,093 1,275 1,594
退職者平均給付額(万円) 123 137 159 187 253
国庫補助金(億円) 238 280 306 327 349
掛金単価(円/年) 39,000 45,300 50,400 58,200 74,600
II
(改正
案1)
退職金給付総額(億円) 740 821 820 867 1,013
退職者平均給付額(万円) 123 124 119 127 161
国庫補助金(億円) 238 254 229 222 222
掛金単価(円/年) 39,000 41,000 37,800 39,600 47,400
III
(改正
案2)
退職金給付総額(億円) 740 868 917 976 1,133
退職者平均給付額(万円) 123 131 133 143 180
国庫補助金(億円) 238 269 257 250 248
掛金単価(円/年) 39,000 43,400 42,300 44,600 53,000
IV
(改正
案3)
退職金給付総額(億円) 740 821 868 962 1,168
退職者平均給付額(万円) 123 124 126 141 185
国庫補助金(億円) 238 254 243 247 256
掛金単価(円/年) 39,000 41,000 40,100 43,900 54,700
V
(改正
案4)
退職金給付総額(億円) 740 846 984 1,148 1,434
退職者平均給付額(万円) 123 128 143 168 228
国庫補助金(億円) 238 262 275 294 314
掛金単価(円/年) 39,000 42,300 45,400 52,400 67,200

注)1. 単位掛金額は16年度より42,300円となっている。
2. 介護施設等、申出施設等については、掛金は3倍となる。
3. 掛金は100円単位でまとめた。


○推計4(介護新規加入なしのケース)
  H15(2003) H18(2006) H22(2010) H27(2015) H37(2025)
  被共済職員(万人) 58.8 64.9 64.6 60.8 52.8
給付者数(万人) 6.0 6.6 6.1 5.6 4.5
退職者平均在籍期間(年) 5.00 4.97 5.92 7.12 8.75
制度
改正
ケース
I
(現行
制度)
退職金給付総額(億円) 740 906 1,076 1,216 1,438
退職者平均給付額(万円) 123 137 176 218 317
国庫補助金(億円) 238 288 337 374 424
掛金単価(円/年) 39,000 46,500 55,500 66,600 90,700
II
(改正
案1)
退職金給付総額(億円) 740 821 805 822 896
退職者平均給付額(万円) 123 124 132 147 197
国庫補助金(億円) 238 261 252 253 264
掛金単価(円/年) 39,000 42,200 41,600 45,000 56,600
III
(改正
案2)
退職金給付総額(億円) 740 868 899 922 996
退職者平均給付額(万円) 123 131 147 165 219
国庫補助金(億円) 238 276 282 283 294
掛金単価(円/年) 39,000 44,600 46,400 50,500 62,900
IV
(改正
案3)
退職金給付総額(億円) 740 821 855 915 1,043
退職者平均給付額(万円) 123 124 140 164 230
国庫補助金(億円) 238 261 268 281 308
掛金単価(円/年) 39,000 42,200 44,100 50,100 65,800
V
(改正
案4)
退職金給付総額(億円) 740 846 968 1,094 1,294
退職者平均給付額(万円) 123 128 158 196 285
国庫補助金(億円) 238 269 303 336 382
掛金単価(円/年) 39,000 43,400 50,000 60,000 81,700

注)1. 単位掛金額は16年度より42,300円となっている。
2. 介護施設等、申出施設等については、掛金は3倍となる。
3. 掛金は100円単位でまとめた。


推計方法

 推計に当たっては、施設等を8つに区分((1)保育所、(2)保育所以外の児童福祉施設等、(3)介護保険制度の対象となる老人福祉施設等、(4)(3)以外の老人福祉施設等、(5)支援費制度の対象となる障害者福祉施設等、(6)(5)以外の障害者福祉施設等、(7)その他の施設、(8)申出施設等)し、以下の方法により計算した。
(1) 被共済職員数
平成16(2004)年度から20(2008)年度までは、平成15年度の被共済職員数をもとに、平成7年度から11年度の被共済職員数の伸び率を使用して計算。
平成21年度〜37年度までの推計方法
保育所及び保育所以外の児童福祉施設等
  2004〜2008年度(5年間)の伸び率から、5年間かけて徐々に「日本の将来推計人口(平成14年1月)」(以下「人口推計」と言う。)(児童人口)の伸び率に推移するように推計。2014年度以降は人口推計に基づき推計。
老人福祉施設等  (1) 介護保険制度の対象となる老人福祉施設等
平成16年5月「社会保障の給付と負担の見通し」の給付費を基に、2025年度まで推計。
 (2) 上記以外の老人福祉施設等 2009年度以降は、2004〜2008年度(5年間)の伸び率から、5年間かけて徐々に人口推計(高齢者人口)の伸び率に推移するように推計。2014年度以降は、人口推計の高齢者人口の伸び率に基づき推計した。
支援費制度の対象となる障害者福祉施設等、それ以外の障害者福祉施設等、その他施設等
  2009年度以降、2004〜2008年度(5年間)の伸び率から、5年間かけて徐々に人口推計(総人口)に推移するよう推計。2014年度以降は、人口推計の総人口の伸び率に基づき推計
申出施設等 介護保険制度の対象となる老人福祉施設等に準じて推計
(2) 退職者数
平成14年度における年齢別、経験年数別の脱退率を使用。各年度の被共済職員数に脱退率を乗じ、年次別に追跡する方式で推計。
(3) 退職金給付額
(2)で求めた退職者数に、平成15年度在籍者の本俸月額に支給率を乗じて計算。本俸のベースアップの要素は織り込んでいない。なお、給付水準見直しに伴う経過措置(従前支給率保証)は考慮。
(4) 退職者平均在籍期間
平成15年度は月単位も含めた数(例 3年8月)の平均であるのに対し、推計である平成18年度以降においては、月単位を切り捨てた年単位の数(2年、3年等々)の平均となっている。



3.その他の論点



介護保険制度の対象となる高齢者関係の居宅介護サービスと障害者関係の居宅介護サービスのどちらも提供する事業所の取扱いについて

 障害者に対する支援費の対象となる事業所として指定されているもののうち、介護保険の指定を併せて受けている事業所は、居宅介護において約8割弱(平成15年4月)を占めており、これらの事業所における公費助成の取扱いについて整理する必要がある。
 今回の見直しで、介護保険制度の対象となる高齢者関係の施設・事業(社会福祉事業)についての公費助成を廃止することとしても、主として障害者関係の事業を行うものについては公費助成を継続して行うこととしてはどうか。
 このため、両方のサービスを提供する事業所については、
 二つの事業について、組織的に切り分けられる場合には、各事業毎に適用関係(任意包括加入とするか)、公費助成を行うこととしてはどうか。
 二つの事業について組織的にも一つの業務単位で行っている場合には、両方の業務量によって、適用関係や公費助成の有無を判断することとしてはどうか。また、業務量の変動により掛金の負担額が一挙に変動しないことが望ましいため、業務量の比率に応じた職員数の分について公費助成を行うこととしてはどうか。

二つの事業について、組織的に一つの業務単位で行っている事業所、職員の取扱い(案)

障害者関係の業務の
比率
施設類型の分類 適用関係 公費助成
2/3以上 社会福祉施設等 任意包括加入 有(2/3)
2/3〜1/3 介護事業等 任意の申出により加入、
脱退
業務量の比率に応じた職員数の分について公費助成を行う。
1/3未満 なし

注) 業務量については、原則として、前年度実績を用いる。


施設・事業所単位の脱退(部分的脱退)について

 現行制度では、共済に加入する場合は、申出施設等を除き包括的に適用されるとともに、脱退については、申出施設等を含め包括的な脱退のみが可能(脱退の際は被共済職員全員の同意が必要)であるが、介護保険の対象となる高齢者関係の施設・事業等について公費助成を見直す場合、このような包括加入や脱退の仕組みを維持するかどうか整理が必要。
 介護施設等については公費助成を廃止し、経営者が新規加入者については3/3の掛金を負担することとなることから、施設・事業所ごとの任意加入を可能とするとともに、当該施設・事業所ごとの部分的脱退についても可能とすることが適当ではないか。
 あわせて、同様に、公費助成のない申出施設等についても、部分的に当該施設・事業所単位での脱退を可能とすることとしてはどうか。
 いずれの場合にも、脱退については、現行と同様、脱退の対象となる当該施設・事業所の職員全員の同意を必要とすることが必要。

加入及び脱退の取扱(現行と見直し案の比較)

  加入 脱退
現行
見直し案 【掛金】
現行 見直し案
社会福祉施設等 共済に加入する場合には、包括加入が必要 1/3 共済から脱退する場合は、包括脱退のみ可能。(被共済職員全員の同意を必要とする。)
介護施設等 同上 施設・事業所ごとに任意加入
申出施設等と異なり、社会福祉施設等がなくとも共済加入は可能。
経過措置として、既加入職員のみの継続加入も可能
3/3(既加入職員については、経過措置として1/3) 同上
施設・事業所単位での部分的脱退を可能とする。
経過措置として、制度改正後の新規加入者単位での部分的脱退を可能とする。
(※脱退対象となる職員全員の同意を必要とする。)
申出施設等 施設・事業所ごとに任意加入
社会福祉施設等又は介護施設等がなければ、申出施設等だけで共済に加入することはできない。
3/3 同上
施設・事業所単位での部分的脱退を可能とする。
(※脱退対象となる職員全員の同意を必要とする。)


勤続3年未満の支給の廃止

 民間の退職金の実態を見ると、退職一時金の受給に必要な最低勤続年数を3年とするところが多いことから、これとの均衡を図り、加入期間が3年未満の者について給付を行わないこととすることについてどう考えるか。
 一方で、上記のような見直しを行うとすれば、以下のような論点があるがどう考えるか。
 現在の受給者のうち約40%の人について給付を行わないこととなることをどう考えるのか。
 3年未満を支給しないこととしても、全体の給付額の抑制にはつながらず、財政的な効果は小さいが、これをどう考えるのか
 給付の財源である掛金は、加入期間の長短にかかわらず職員全体の人数に応じて広く負担していることとの関係はどのように考えるのか。
 中小企業を対象とした退職金に係る公的制度のひとつである中小企業退職金共済制度においても、加入年数1年以上の場合に退職金の支給を行うこととしていることとの均衡をどのように考えるか。

受給者の被共済職員期間数

(平成15年度)
被共済職員期間 職員数(人) 構成比(%) 累積構成比(%)
1年 13,872 23.10 23.10
2年 10,577 17.61 40.71
3年 7,454 12.41 53.12
4年 4,857 8.09 61.21
5年 4,184 6.97 68.18
3年未満を支給しないこととした場合の財政効果

H37(2025)年における給付総額と掛金の抑制効果(給付維持ケース)
介護新規加入率100%の場合
   給付総額  1,906億円  →  1,862億円
   単位掛金額  58,900円  →  57,500円
介護新規加入率50%の場合
   給付総額  1,672億円  →  1641億円
   単位掛金額  69,300円  →  68,100円
介護新規加入率0の場合
   給付総額  1,438億円  →  1,421億円
   単位掛金額  90,700円  →  89,700円


トップへ
戻る