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資料

業種区分の設定に係る検討メモ


項目 課題(論点) 意見
 基本的な考え方
労災保険制度は、業種ごとに作業態様等の差異により、災害率が異なるという実態を前提として、労働災害防止のインセンティブ促進の観点から、業種別に労災保険率を設定することが適切であるとの判断に基づき、業種別に労災保険率を設定する制度を採用しているが、どうか。

労災保険の業種区分は、労働災害防止インセンティブを有効に機能させるという観点から、作業態様や災害の種類の類似性のある業種グループ等に着目して、当該グループごとの災害率を勘案して分類することとしており、また、保険技術上の観点から、保険集団としての規模及び日本標準産業分類に基づく分類等について勘案することとしているが、どうか。
業種区分を考えるにあたっては、次のa、bをともに考慮する必要がある。
 社会保険には業種ごとの災害率等のリスクの幅を広げて、社会的な連帯責任の考え方を政策的に取り入れていくという側面があるため、一定程度規模以上の業種区分でグループ化する等、リスクの幅を広く取る必要がある。つまり、全産業の収支のバランスを取り、負担を広く求めるならば、小規模業種の統合を進める必要がある。
 「事業主の労働災害防止努力」を重視すれば、業種の異なる集団が連帯して労働災害防止を進めることは必ずしも容易ではないことから、業種の細分化をより一層推進すべきである。
業種区分の見直しに際しては、保険集団としての規模を考慮する必要があるとの意見があるが、どうか。

業種区分については、費用負担の連帯性の下に労働災害防止活動を効果的に浸透させていくことのできる業界団体等の組織状況等についても斟酌することとしているが、どうか。
業種区分の見直しに際しては、保険集団としての規模を考慮する必要がある。
 保険集団の最小規模は、労働災害が一般に想定される頻度で発生したとしても、当該集団の労災保険率が影響しない程度の規模とすべきであるが、社会保険としての保険集団の最低規模のメルクマールを一義的に定めることは困難である。
 業種区分の見直し
保険集団としての規模が相当縮小しているものが存在しているが、どう考えるか。
産業構造の変動により規模が急減したため、過去における災害等で収支状況が悪く労災保険率が高い業種について、どう考えるか。
規模は小さいが災害率が低いため、保険の収支状況と労災保険率が低く安定している業種があるが、どう考えるか。
 
「その他の各種事業」のように適用事業場数約132万、適用労働者数約2,858万人と、他に比して規模が大きく、かつ、卸売・小売業、医療、教育等の多様な産業が含まれる業種区分もあるが、どう考えるか。
業種区分の最大規模として、現行の「その他の各種事業」が全適用労働者数の約60%を占めている。このような状況を見直す場合、最小単位の適用事業細目における最大規模業種(「卸売業又は小売業」)の労働者割合が全適用労働者数の25%程度である状況を踏まえて、適切な適用労働者割合を考える必要がある。
以上の状況から、最近の産業構造の変動、技術革新の進展及び保険集団としての規模等の状況を踏まえ、業種区分に関する基本的考え方に基づき業種区分をあらためて見直すべきであると考えられるが、どう対応すべきか。
業種区分を検討するに際しては、基本的に「日本標準産業分類」を業種区分の見直しにあたっての参考にすべきである。
適用事業細目ごとの収支状況について、過去における給付データを集計しておらず、分析できないことから、今後の業種区分の見直しにあたり、適用事業細目を基準としたデータの整備を行うべきという意見があるが、どうか。
業種区分の一段下の区分である適用事業細目ごとの収支状況については、過去における給付データを集計しておらず、分析できないことから、今後の業種区分のグループ化の見直しにあたり、適用事業細目を基準としたデータの整備が望まれる。

「その他の各種事業」における現状の適用事業細目については、災害リスク等の観点から、より細分化する必要があるか見直しを行い、必要なものについては、適用事業細目を細分化してデータを集積し、検討すべきである。
 その他
(労災保険部会での意見)
「建設業や製造業においては、技術革新の進展により、作業態様等が類似してくるので細分化は必要ないのではないか」との意見については、どうか。
建設業や製造業においては、技術革新の進展により、作業態様等が類似してくるので細分化は必要ないのではないか。
※ 労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会


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