┌――――――┬――――――――┬―――――┐                 |確定拠出年金|  第11回  | 資料9 |                 | 連絡会議 |平成16年10月28日|     |                 └――――――┴――――――――┴―――――┘                確定拠出年金連絡会議                  (第10回)                    議事録                平成16年6月28日 確定拠出年金連絡会議(第10回)議事録 日時:平成16年6月28日(金)14:00〜15:51 場所:経済産業省 別館 第944会議室 議事:(1)確定拠出年金の施行状況について    (2)投資教育について    (3)その他 出席委員:加子座長、伊藤委員、田中委員、徳住委員、秦委員、福原委員      松田委員、光谷委員、吉田委員、渡邊委員、吉野委員 オブザーバー:      田村正雄(社団法人生活福祉研究機構理事)      石田成則(山口大学経済学部教授) 関係団体等:      松井博志(日本経済団体連合会国民生活本部本部長)      村杉直美(日本労働組合総連合会総合政策局生活福祉局部長)      小野 明(日本商工会議所新規プロジェクト担当付副部長)      鈴木英夫(経済産業省経済産業政策局企業行動課長)      仁木清一(金融庁総務企画局政策課金融企画管理官)      石塚 栄(厚生年金基金連合会企画事業部長) 事務局:厚生労働省年金局企業年金国民年金基金課 ○ 加子座長  それでは、定刻になりましたので、ただいまから第10回「確定拠出年金連絡会議」を 開催いたします。  本日は、大変お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。  それでは、まず、事務局よりメンバーの出欠状況をご報告いただきたいと思います。 ○ 矢崎課長  企業年金国民年金課長の矢崎でございます。まず、それでは、出欠状況について、ご 報告させていただきたいと思います。  最初にメンバーの方に変更がございましたので、ご紹介申し上げたいと思います。  お手元の資料の資料1の2枚目に、連絡会議参集者の一覧がございますので、そちら をご覧いただきたいと思います。  人事異動等により、メンバーの変更がございました。参集の方々を順にご説明させて いただきますと、日商岩井株式会社の姫野様が株式会社双日の松田健司様に替わられて おられます。  関係団体等の方々におかれまして、経済産業省の豊永様が鈴木英夫様に代わられてお られます。  また、今年度より金融庁からは仁木清一様にもご参画いただくことにしてございます。  なお、本日は、後ほどご説明いただきますが、確定拠出年金実施企業として、カゴメ 株式会社人事総務部人事グループ課長の小森様にご出席いただいております。  次にメンバーの出欠状況についてご報告申し上げます。  本日は、アプライドバイオシステムズジャパン株式会社の太田様、東日本旅客鉄道株 式会社の山根様がご欠席でございます。  また、関係団体等の方々におかれましては、日本労働組合総連合会総合政策局生活福 祉局長の小島様がご欠席でございますが、代理で村杉部長にご出席いただいております。  なお、本日も何名か実施企業の方々が傍聴されていらっしゃいますことをご報告させ ていただきます。  以上でございます。 ○ 加子座長  ありがとうございました。ただいま事務局からご報告がありましたとおり、本日も実 施企業の方々が傍聴にお越しいただいているようでございますので、前回と同様に、会 議の最後に若干の時間を設けまして、傍聴者のうち、確定拠出年金の実施企業の担当者 の方々からご質問等ございましたら、意見交換を行いたいと考えておりますので、よろ しくお願いいたします。  それでは、議事に移りたいと思います。  まずは事務局より、先の通常国会で成立した年金制度の改正案の内容及び確定拠出年 金制度の改正案についてご説明をお願いいたします。 ○ 矢崎課長  それでは、説明させていただきます。  お手元の資料の中にパンフレットで「『持続可能』で『安心』の年金制度とするため に〜平成16年 年金制度改正案のポイント〜」というパンフレットがあろうかと思いま す。これの24ページ、25ページをお開きいただきたいと思います。  この法案は、報道等でご承知のように、6月5日の国会の方ではご可決いただいたと いうことでございますが、企業年金の分野の概要を申し上げますと、大きく3点改正内 容が盛り込まれております。  1点目が厚生年金基金の関係でございますが、これのファイナンスの問題で免除保険 料というのは凍結されておりましたが、これの解除を図る。  それから、解散するときの特例措置、こういったことによりまして、厚生年金制度の 安定化を図ろうというのが1点目でございます。  2点目が確定拠出年金、右側の25ページの上の方でございますが「確定拠出年金の充 実」ということで、限度額の引き上げ等を図るというものでございます。  3点目が「企業年金のポータビリティーの確保(年金通算措置)」ということであり まして、厚生年金基金のみならず、確定給付企業年金も含めまして、雇用の流動化によ り対応できるような仕組みを入れているということでございます。  また、細かい点は厚生年金等の公的年金の改正内容も入ってございますので、また後 ほどお目とおしいただければというふうに思っております。  引き続きまして、資料番号の資料2というものを見ていただきたいと思います。  現在、私ども法律の公布を受けまして、関連の政令、省令、通知の制定作業を行って いるところでございます。  当面、資料のところに書いてございますが、これは確定拠出年金改正でございますが、 まず、10月施行というものがございますので、これについての関係の政省令、通知を 8月下旬ないし9月上旬には出したいということで、今、作業を行っているという状況 でございます。  見ていただいていますペーパーは、現段階での私ども作業の内容ということでござい ます。  まず、1点目でございますが、確定拠出年金の拠出限度額の引き上げ。これは、税制 改正でも決まっていることでございますが、具体的な数字というのは、そこにございま す確定拠出年金法の施行令で書くということになります。中身は既にご承知のように、 代表事例で申し上げますと、企業型、他の企業年金がない場合は月3万6,000円を4万 6,000円等に上げるということでございます。  2点目でございますが、これも税制改正の中で決まったことでございますが、移換限 度額、現在は一定の、例えば厚生年金基金や適格退職年金等から確定拠出年金に移行す る場合、限度額があるわけでありますが、これも限度額を撤廃するということでござい ます。  具体的には、今、政令で限度額が書かれておりますので、それの規定を削除するとい った改正形式になろうと思います。  ちなみに(注)のところで書いてございますが、既に確定拠出年金を実施していて、 今まで過去に移換されたという年金プランについては、まだ未移換分がある場合には、 その分も移換できるようにとそういう方向であります。  3点目でございますが、10月から限度額が上がるということでございますが、直ちに 限度額や掛金を引き上げていきたいという向きもあろうというふうに思っておりますの で、手続面も考えまして、事前にそういった規約の変更承認、施行は10月ですが、それ 以前にもそういった承認の受付を始めるというような方向で、今、事務体制を考えてお ります。2点目が事業運営の改善ということで、これも3月のこの会議の場でもご紹介 申し上げた点でございます。幾つか事業運営の改善点がございますが、1点目が「複数 事業所が実施する規約の変更手続の簡素化」というものでございます。  これは、タイプとすれば、厚生年金基金の世界で言えば、総合型に類するような多く の事業所が1つのプランで入っているというタイプでございます。  これにつきまして、これは法律改正もいたしたところでございますけれども、一定の 事項については、要するに複数事業所であっても、ほかの事業所に影響が及ばないよう な事項については、いちいち全事業所について労使合意を必要とするというようなこと はしなくていいと。そういった点について、あらかじめそのプランの規約で事項を定め ている場合には、その変更に係るところだけの労使合意でいいというふうにしたいとい うことでございます。  おめくりいただきまして、2ページでございますが、具体的な項目自体は、通知で書 くことにしたいというふうに考えてございますが、具体的な例としましては、固有のあ る事業所の運営管理手数料を変える。あるいは、その事業所の加入資格、そして掛金、 それから名称、こういったもので他の事業所に影響が及ばないと思われることについて 挙げていこうというふうに考えてございます。  2点目が「適格退職年金等から確定拠出年金への資産移換期限の緩和【確定拠出年金 法施行令】」の問題でございます。  これも実際に施行しまして、運用上の問題からこの期限が短くて非常に事務処理上き ついという話がございましたので、これを延長することにしております。  3点目が「軽微な事項の規約変更手続きの簡素化【確定拠出年金法施行規則】」とい うことで、施行規則、省令レベルで対応することになりますが、これも今回の改正で、 法律も手を入れまして、軽微なものについては労使合意を不要とすると。具体的な項目 は省令で定めるというようなスタイルにしております。  具体的な事項を省令で定めますが、現在、考えておりますのは、事業主の住所、実施 事業所の所在地、運営管理機関、資産管理機関の住所、こういったものについて対象に しようというふうに考えているところでございます。  4点目が「記録関連運営管理機関の保存情報についての事業主の提供義務化【確定拠 出年金法施行規則】」ということがございますが、情報として持っていただかなければ いかぬという事項の中で、事業主からの提出が必ずしもはっきりしていないという要素 がございまして、事務の円滑化を図る観点からそこの義務づけというものを明確化しよ うというものでございます。  5番目が「記録関連運営管理機関の保存記録の期限短縮【確定拠出年金法施行規則】」 ということでございますが、これもそこにございますような企業型加入者等の原簿、個 人型加入者等の帳簿の記載事項のうち、運用指図の内容等々について、現在は受給が終 わってから、なお5年間ということでございますが、実務を考えまして、保管期限を10 年というふうに改めようというものでございます。  6番目が「運用商品の除外の要件緩和【確定拠出年金法施行規則】」ということでご ざいますが、除外する場合に、商品の提供会社の解散等によって商品そのものが提供で きなくなる。こういった場合について、同意を必要としないと、こういったことを明確 化していこうということでございます。  めくっていただきまして、3ページでございます。  7番でございますが「企業型年金の終了に伴う資産の移換期限の明確化【確定拠出年 金法施行規則】」。これも6月ということでございますが、ここを明確化して事務の円 滑化を図ろうということでございます。  8番目が「事業主業務報告書の様式の変更【確定拠出年金法施行規則】」ということ でございますが、運用商品ごとの状況について、そこの(注)に書いてあるような区分 がわかるような、そんな形に改めたいということでございます。  ここら辺は、いろんな私どものデータ整備、あるいは状況の分析をする上で、やはり こういうことをお願いしておいた方がいいんじゃないかということで変えさせていただ こうというものでございます。  9番目が「運営管理機関についての事項【確定拠出年金運営管理機関に関する命令】」 ということで、これは金融庁さんとの共同省令の形になっておりますけれども、添付書 類も実際の運用との現行の取り扱いも踏まえまして、以下、3項目載せてございますが、 こういったものを省令上明確化する、必要な書類ということで明確化する。  最後の○でございますが、記載内容について、なかなか不明な点がございますので、 明確化を図ると、非常に事務的な話でございますが、こういった整理も図ろうというふ うに考えているものでございます。  私どもは、今、こういった線で政令、省令、通知の作業を行っておりますが、また、 確定拠出年金に限らず、他の企業年金の改正に伴います政令、省令、通知の作業も並行 して行っておりまして、近々に厚生労働省のホームページ上でパブリック・コメントの 形でお示しをしたいというふうに考えております。また、皆様お気づきの点等あれば、 ご意見等をお寄せいただければというふうに考えておりますので、よろしく申し上げま す。  以上でございます。 ○ 加子座長  ありがとうございました。何かご質問等はございますか。  それでは、続きまして、「確定拠出年金の施行状況」を事務局からお願いいたします。 ○ 松岡企画官  資料の3の1枚目をめくって2ページ目を見ていただければと思います。  平成16年5月31日現在の施行状況です。企業型年金の承認規約数ですが、898件で大 体900件近くになっております。それで加入者数が4月末ですが、91万8,000人というこ とでございます。実施事業主数が2,591社ということです。  個人型年金の方でありますが、1号、2号足し合わせて3万人程度になっているとこ ろでございます。  登録運営管理機関が692社ということでございます。  以下、詳細はこの後に付けておりますので、ご参照いただければと思います。  以上でございます。 ○ 加子座長  ありがとうございました。それでは、続きまして次の議題であります「カゴメの退職 給付制度」についてでございます。  先ほども事務局からご紹介がありましたが、本日は、確定拠出年金実施企業の報告を いただくということでございまして、カゴメ株式会社人事総務部人事グループ課長の小 森様にご出席いただいております。質疑応答につきましては、ご報告をいただいた後に 一括して行いたいと思います。  それでは、小森様よろしくお願いいたします。 ○ 小森課長  では、ご紹介いただきましたカゴメの小森と申します。本日はよろしくお願いいたし ます。  お手元のこちらの資料に基づきまして、ご説明を申し上げます。  会社の概要なんですが、1番のシートに記載のとおりです。創業105年という古い会 社です。  経常利益が40億から60億円程度の会社なんですが、退職給付会計が導入されたときに、 特別損失がその関係で40億とか20億ということが続いたことがございます。  社員数は1,300名強、これは合計が書いていないんですが、平均年齢合計で38.9歳、 平均勤続が17.2年です。  女性のところをごらんいただきたいんですけれども、女性の平均が34.0歳、平均勤続 が13.4年と女性も長期勤続する会社でございます。  なお、上部団体に属さない労働組合を有しております。  2枚目をお願いします。  弊社の退職給付制度の変遷を簡単に説明いたしますと、企業年金としましては、昭和 43年2月、1968年2月に退職金の外に代行型の厚生年金基金を設立いたしました。  次に、1983年、昭和58年10月に退職一時金の約50%を税制適格年金に移行いたしてお ります。これの給付利率、予定利率は5.5%でした。  対象給付会計の導入ですとか、企業年金の運用環境の悪化ですとか、公的年金の交代 を背景に、もうこれは確定拠出年金の導入しかないと考え、確定拠出年金の導入を想定 した退職金制度の改正を2000年4月に実施いたしております。  そのイメージなんですが、右のグラフにありますように、勤続年数偏重型であった退 職金カーブをほぼ真っすぐに伸ばすとともに、退職金の水準を勤続ではなく、成果や役 割ベースにすることによって、成果ですとか、役割の高い者の退職金水準を引き上げる ということを行いました。  その後、2002年8月に基金も適年も解散して確定拠出年金を導入するということをい たしました。  3枚目をごらんください。  2002年8月の退職金制度の改正は、目的を自主・自律型の社員の育成と、退職給付債 務の圧縮ということにおきまして、厚生年金基金の解散と適格年金の契約解除を行うと 同時に、確定拠出年金を導入するという大きな制度改正を行いました。  なお、カゴメの確定拠出年金制度は、前払い退職金制度との選択制としておりまして、 両制度とも全社員一律月額1万7,500円、年額にして21万円部分が確定拠出年金、また は前払い退職金ということです。  4枚目をごらんいただきたいと思います。  この制度改正をどのように準備し、教育し、行ってきたかというのを時系列に並べて ありますが、そちらの表であります。  まず、1999年4月に退職金に関する諸々の事柄を労使で検討するという協議会を設置 いたしております。これの内容なんですが、自社の退職金のみならず、公的年金の後退 問題ですとか、退職給付会計が会社にどういうインパクトを与えるのかというようなこ とを労使で情報を共有化いたしました。  最初のアウトプットは、2000年3月に63歳までの再雇用制度というのをテスト導入し、 2001年には再雇用制度を正式に導入しました。  つまり、60歳以降は退職金ですとか、年金だけを当てにするのではなく、働く意思と 能力のあるものについては、働く場所を提供するということを、まずやったということ です。2001年6月に、制度導入の1年2か月前なんですが、確定拠出年金を導入したい ということを組合に正式に申し入れをし、交渉を開始いたしました。  翌々月、8月に運営管理機関の選定をいたしまして、7社の中からみずほコーポレー ト銀行さんを運営管理機関に設定し、組合と会社と運管さんの3社で勉強会を開始いた しました。  並行しまして、将来のヘルプデスク窓口養成という意味のために、DCプランナーの 2級なんですが、3名が受験し、3名とも合格したと、そういうことをやっております。  それと、ムードを盛り上げるために、まず、2001年11月には、投資経験に関する社員 アンケートを実施し、想像どおりと言いますか、投資の経験はほとんどないということ を、ここで確認をいたしております。  中には、定期預金さえしたことがないという社員も10%程度おり、大丈夫かなという ようなことを労使で確認したということです。  ここから先、5ページ以降の写真も並行でごらんいただきたいんですが、制度導入の 準備といたしまして、2002年に入りますと、まず組合の執行部に対しまして、確定拠出 年金の模擬セミナーということを何回も繰り返し開催いたしまして、配布資料ですとか、 テキストがわかるかどうか。また、これは外部の講師、FPさんをお願いしておるん ですが、その先生がきちんとしゃべるかどうかという選抜も組合と一緒に行いました。  導入の年の4月には、全社員がインターネットで運用指図ができるように、本社です とか支店だけではなく、工場にも専用のPCブースを設置するということを行いました。  また、自分の退職金が幾らになるのかということを確認できるイントラネットサイト をつくったりとか、実際に、今、自分が退職をしたら、退職金が幾らになるのかという のを全社員に紙で知らせるということを行いました。  これは会社側の方でして、組合の方も独自に右下の写真にありますようなセミナーを 開催したということです。  6枚目のシートをごらんいただきたいんですが、実際の社員教育というのは、制度導 入の前年の12月から導入の年の3月、4月、5月で行ったんですが、導入前の社員教育 はボリュームですとか、これまでの関心等を考えて、3回に分けて実施するということ をいたしました。  それぞれ2時間ずつなんですが、1回目は制度の説明会。これは会社の人事が行いま した。このときに公的な年金とかも併せて説明をしております。2回目は、ライフプラ ンの説明会。3回目は投資の基礎知識を中心にということです。なお、2回目と3回目 のセミナーは社員ではなく、FPさんが講師になっておりまして、このときの対象者な んですが、勿論社員がメインではあるんですが、社員自身が家計を切り盛っているわけ ではないということもあるものですから、夫婦同伴を可として行っております。  そこでよく出た質問というのは、そこに記載したとおりです。意外と運用そのものは 余り関心がないのか、余り質問が出なくて、前払いと確定拠出年金ではどちらが有利な のかですとか、税金についての質問が多かったということです。  一番、回答に窮したのは、特別法人税とは何かと、これが徴収が開始されたときにど うするかというようなことでありました。  並行しまして、テキスト本ですとか、ビデオを適宜配布するというようなことを行い ました。  7ページ目をごらんいただきたいんですが、カゴメの制度は、毎年積み上がっていく 退職金のうち、21万円部分を確定拠出年金で受け取るのか、前払い退職金で受け取るの かということの選択制ですが、選択の結果、確定拠出年金が84%、前払い退職金が16% という結果になりました。  また、過去勤部分につきましては、適格年金から持ってくる部分、それから厚生年金 基金から分配される部分というのも、それぞれそのような選択結果になっております。  8ページをごらんいただきたいんですが、運用商品は、そこに紹介しているとおりで して、当初は元本確保型が6本、それ以外が18本の合計24本でしたが、今年の4月に、 これは制度導入して1年ちょっとのところですが、25番目の元本確保型の商品を1本追 加しております。  なお、本年3月末の平均商品組み入れ数は、1人3.8商品になっています。  9枚目をごらんいただきたいんですが、これは社員の資産配分状況のシートです。  適格年金からの当初の制度移行につきましては、83.5%が元本確保型商品でした。  一方で、その下の円グラフの方ですが、これが毎月の1万7,500円の配分ですが、元 本確保型が52.7%、半分程度ですので、徐々に元本確保型商品の比率が下がっていると いう状態であります。  10ページ目をごらんいただきたいんですが、制度導入時、2002年の初回拠出は9月で すので、9月では元本確保が83.5%でしたが、1年半経過した今年の3月の時点では、 75.2%まで低下をいたしております。  なお、スイッチングは、この確定拠出年金加入者が1,000人ぐらいなんですが、半年 間で130回です。1,000人で半年間で130回ですので、ほとんどされていないというよう な状況です。  なお、平均1回当たりスイッチング額が93万2,000円です。  11ページをごらんいただきたいと思います。  本年3月末時点での資産配分状況を年代別、男女別でご紹介をしております。年代別 では、20代では元本確保型商品というのが46.1%であるのに対して、50代では9割近い ということです。  これは、投資機関とリスクの取り方の投資教育がうまくいっている結果ということも 考えられると思います。男女はそこに書いてあるとおりです。女性は余りリスクを取っ ていないというような現状になっています。  12枚目のシートをごらんいただきたいと思います。  継続教育につきましては、制度導入以降、2回の4月入社の新入社員が入社していま すが、確定拠出年金の教育につきましては、入社式の翌日に行っています。入社の翌日 ですので、ほとんどピンときていないという状況でして、半年後の7月から9月辺りに もう一回復習をやっております。  なお、入社直後に40年も先までの人生の選択をするということは、恐らくできないで あろうというふうに考えまして、入社後の最初の1年間は全員前払い退職金制度に加入 させております。  その後、毎年1回だけ、4月に確定拠出年金への変更ということを受け付けいたして おります。  昨年の新入社員につきましては、3分の2ぐらいが1年目で確定拠出年金に移るとい う選択を実施しております。  次に、一般社員への教育なんですが、導入時教育の後は個人の資産状況ですとか、ラ イフプラン、つまり結婚するとか、しないとか、子どもをつくるとか、つくらないとか、 子どもの教育にお金をかけるとか、かけないとか、家を持つ、持たないとかというよ うな、そういう個別状況に非常に資産形成というのは影響を受けますので、集合教育は 行わなくて、すべて個別随時相談という受付をやっています。その窓口は、人事と財務 にあるヘルプデスクに社内メールで、その質問を受けまして、個別に回答するというこ とを行っております。  なお、そこで出た質問で一般的なものにつきましては、イントラネットにQ&A集と いうことで載せております。  また、年に2回ニューズレターというのを配布しておりまして、カゴメのグループ全 体では資産配分状況がどうなっているかとか、個別の商品の運用実績の開示をするとか、 それとか、もっと初歩的なコールセンターの利用方法等の教育等をいたしております。  前払い退職金から確定拠出年金への変更というのも年に1回行っていまして、このと きに、それぞれの制度のメリット、デメリット、特徴等を教育いたしております。  また、福利厚生施設制度でカフェテリアプランを実施しておるんですが、運用ですと か、ライフプランに関する通信教育メニューも加えるということを行っております。  13枚目のシートをお願いします。  今後の課題として認識しておることなんですが、まず、継続教育として、報告書を読 めていない社員がいるかもしれないとか、ウェブでのスイッチング等が、まだできない 社員がいるのではないかということで、これの教育。それから年金ですとか、税金の知 識の教育。それからライフプランの教育。それから、まだこれは発生していないんです が、定年退職後どのように受け取るのかというような教育をしていこうというふうに考 えております。  最後になりましたが、要望事項を3つほど出したいと思います。  1つ目は、まず、何%で回っているのかというようなレポートが今ないと思いまして、 幾ら増えている、減っているというのはわかるんですが、これは社員からの要望があ りまして、今、何%で回せているのかというのを、これは運営管理機関さんなのか、記 録関連機関さんなのか、そういうレポートを開発していただきたいということが1つで す。  それと制度につきましては、先ほども申し上げましたが、入社直後、40年間の意思決 定というのはなかなかできないものでありますので、途中払い出しということが、ペナ ルティーがあってもできるような制度にしていただきたいと。  最後に特別法人税の取り扱いについて明確にしていただきたいということを要望いた したいと思います。  以上、簡単ではございますが、報告を終了させていただきます。 ○ 加子座長  小森様、どうもありがとうございました。それでは、ただいまの報告につきまして、 何かご質問等ございましたらお願いいたします。  ございませんか。それでは、私の方から2点ご質問させていただきたいと思います。  まず1点目は、3ページに全社員一律で掛け金を月額1万7,500円という形にされた というお話がございましたが、いろいろな考え方があると思いますが、全社員一律にさ れたお考えを教えていただきたいと思います。  2点目は、9ページで過去からの移管分については元本確保型への配分が高く、これ からの拠出分では、投信の比率が高いということで、教育が行き届いた結果が現れてい ると改めて感じたわけでございます。まず労働組合に対してセミナーを開き、その後、 それぞれ会社と組合で教育を実施されたというお話でございました、教育における労働 組合の役割と言いますか、位置づけをお聞かせいただきたいと思います。 ○ 小森課長  まず、1点目の掛金がなぜ一律なのかということなんですが、退職金の勉強を労使で 始めたときに、退職金というのは、給与ですとか賞与のように毎年もらうものと違いま して、なじみがない制度でありまして、自社の退職金制度はどうなっているかというこ とから、まず、情報を共有化するところから始まりました。つまり、非常にわかりにく いということなんですね。ですので、確定拠出年金を新たに入れるときに、やはり資格 に傾斜配分すべきだというような考え方はあったんですが、まずわかりやすさというこ とを全面に考えて、一律1万7,500円というような意思決定をいたしております。  2点目の組合との役割分担ということなんですが、この制度と言いますのは、自主で すとか、自立とか、自己責任という言葉が付いて回る制度になりますので、そのために は十分な情報提供をするというのがキーになってくるのではないかということで、その 十分な情報提供とか、教育ができているかどうかをチェックする機能ということが1つ 組合にはあったということでして、それで組合独自の理解度調査というのを行いまして、 実は2回に分けて投資教育を行ったと申し上げたんですが、ある事業所については理 解が低いので、もう一回やってくれというようなことも、そこから要求があってやった ということもございます。  それと、確定拠出年金でもって、自己の資産を考えるというきっかけづくりにするの でありますが、ちょっと語弊があるかもしれないんですが、確定拠出年金で運用する資 産というのは、自己の資産のほんの一部でありまして、もっと自己の資産とか、全体の ことを考えるということになりますと、非常にプライバシーという部分もあります。会 社には直接聞けないというようなことについて組合が意見を吸い上げて、それで独自に 対応するというようなことを行うということをやりました。  特に、5ページの写真にありますような、この組合のセミナーにつきましては、ごら んいただけますように、全部女性なんですね。やはり、会社の仕組みというのは、まだ まだ男性中心の部分もあるということで、そこではやはり会社の説明では手が行き届か なった部分があったという判断でもって、女性専用のセミナーを行うというようなこと を役割分担と言えるのかどうかわからないんですが、そういうことを行ったということ であります。以上です。 ○ 加子座長  どうぞ。 ○ 矢崎課長  2点ほどお伺いしたいと思いますが、1点目は、10ページになりますが、資産の配分 の変化ということで、元本確保型のシェアが低下しているということでございますが、 ここら辺は要因としては、教育の効果というのが1つ考えられる。あと1つは、運用環 境の問題というのもあるんではないかと思うんですけれども、どちらの方がより影響が 多いというふうな印象で結構なんですが、お持ちなのかというのが1点です。  2点目は、特別法人税でございますけれども、これは私どもとしても制度的に大きな 課題だと認識しており、別にこれは確定拠出年金に限らず、企業年金全般の問題であり ますけれども、そういう問題意識を持っております。いろんな導入のときの従業員の方 の質問で、非常に特法税のご質問は多かったというお話だったと思いますが、やはりこ こら辺は課税されたという不安みたいなものが、やはり従業員の方にもあったと、そん な受け止め方でよろしいんでしょうか。 ○ 小森課長  まず、10ページの資産配分の変化の方なんですが、まず1つは、毎月の掛金が元本確 保以外の部分が多いという影響があったということ。  もう一つは、国内株式の運用環境が、この時点ではよかったということで膨らんでい るんだと思います。どちらの要因が影響が大きいのかというのは、済みません、余り分 析いたしておりません。  それと、運用報告レポートというのを年に2回配布しておるんですが、そうしますと、 一斉に配布しますから、社員の人は見せ合ったりするんですね。うまくいっている、 いっていないという情報交換で、これはたまたまなんですが、株で持っていた社員が増 えているというようなことが影響している可能性は高いと思います。  それから特法税のことなんですが、私どもが確定拠出年金の教育を行っていた時期と いうのは、2002年の春だったんですね、ですから企業年金等の運用状況は2年連続でマ イナス二けたという時代でしたので、というところで更に1.何%か引くのが理解でき ないという意見が非常に多く、ここについては不安だったというか、減っているものに 対して何で引くのかというような感情的なことが結構ありまして、凍結ということなの で、これが将来どうかなったときについては、もう一回交渉をやり直そうというような 話をして、お茶を濁しているというような形でございました。 ○ 加子座長  ほかにございますか。  どうぞ。 ○ 石田教授  初めのところで、女性の平均勤続年数も非常に長いというお話をいただいて、女性を 大切にしようとする職場であるのかなと思いました。  一方で、投資教育の風景を見ていましても非常に女性が多いということがよく見て取 れたんですけれども、そうした中で女性に対する投資教育上、何か工夫をされていると いうようなことがありますれば、お教えいただきたいと思います。これが第1点でござ います。もう1点は、全体で1,000人ほどが加入されているということなんですけれど も、男女別の加入の割合ということまでわかりますでしょうか。もし、わかればお教え いただきたいと思います。 ○ 小森課長  女性への投資教育の特段の工夫ということは、行っておりません。ただ、組合が行っ ていますようなセミナーは、投資ということに限定しなくて、私どもの会社は女性の勤 続は比較的長いんですが、これは育児休業期間が、子どもが満1歳を迎えた次の学年末 プラス1か月というふうにしているんですね。これは保育園に預けて、慣らし保育の期 間もクリアーできるようにというような意図でやっているんですが、そういう制度につ いても、まだ女子社員はよく知らない。そういうことも投資教育のときに併せて組合の 目線で知らせるというようなことはやっております。特段の工夫はいたしておりません。  なお、加入率はちょっと計算していないんですが、1,300人のうち300名程度が前払い 退職金なんですが、前払い退職金は男性が200人の女性が100人、このぐらいの割合です。 ですから、女性は3分の2以下が確定拠出年金、男性は8割が確定拠出年金という状 況であります。 ○ 石田教授  どうもありがとうございました。 ○ 加子座長  ほかにございますか。  どうぞ。 ○ 徳住委員  非常に労使で話し合いを丁寧にやって、合意の上で信頼感高い制度をおつくりいただ いているなというふうに拝聴させていただきました。  少し運用の方で教えていただきたい。適格年金からの移換の配分は、元本確保型が83 %で、その後の毎月の掛金運用では半分程度というご説明がありました。この結果、世 代別のトータルの合計75.2%というのは、元本プラス掛金の運用を合計したものですね。 他方、余り途中での切り換える回数は少なく、1,000人のうち半年で130回ぐらいしかな いというお話がございました。  やはり途中での切り換えみたいなものについて、特に、適格年金から移行してきた財 源というのは、抵抗感があるということなのでしょうか。  最初に移したときに債券に8割という部分については、これはやはり教育をされてこ ういうふうになったのか、その後の掛金の場合については、教育の効果が出ているとい うふうに見るのか、一応、元本確保型みたいなものをベースにリスク商品をというよう な教育みたいなものの成果なのか、少しその辺についてお教えいただければというふう に思います。 ○ 小森課長  適格年金資産から移換してくる額なんですが、こんなイメージなんです。入社1年目 でしたら、21万円ぐらいなんです。10年目でしたら、それの10倍かける金利で増えた分 ぐらいで、長く勤務している者ですと、1,000万円近くこれがあったと。それを83.5% は元本確保の定期預金とかに入れたという現状でありまして、これに対しては、会社は 特にこうしなさいということは、一切しておりません。  ただ、教育テキストの中に、イエス、ノーで順を追っていくと、あなたに適切な資産 配分が出ていくというような仕組みも1回つくりまして、その中で、私は投資で1円も 損はしたくないというようなことを選びますと、そちらの方にだんだん選ばれていくと、 そういった影響とかが多かったというのと、やはり経験が余りないので、株とか債券と かをやると、素人は損をするものだというような、そういう思い込みがある結果ではな いのかというのが印象です。何分大きな金額が来るものですから、安全をとったという ことだと思います。  一方、毎月の掛金の方で、今の適格年金資産からの移換につきましては、正直思って いたよりも元本確保が多いなという印象であります。  一方で毎月の掛金については、半分ぐらいが投資に行っているということについては、 投資というと、ものすごい大変なことをやるんだというような、そういう思い込みがあ るんですが、額で考えてみると、月々1万7,500円なんですね。よく比較で出したのが、 生命保険でそのぐらいの金額を平気でかけているんではないかというお話をしましたと ころというわけでもないんですけれども、投資というと大変だけれども、月1万7,500 円ならというような若干肩の力が抜けたような状況があって、半分ぐらいが投資に行っ たんではないかというような推測をしております。 ○ 加子座長  ありがとうございました。それでは時間もございますので、小森さんどうも大変あり がとうございました。  次の議題であります「投資教育の事例について」に進めせていただきます。事務局よ りお願いします。 ○ 松岡企画官  次に、投資教育の事例についてということで、資料5を見ていただければと思います。 後ろの方に参考ということで「投資教育の状況調査票」を付けております。  この4月から5月にかけまして、確定拠出年金の連絡会議のメンバーの皆様方に、下 にございます調査票をお送りさせていただきまして、お答えをいただきまして、いろい ろご協力いただきました。どうもありがとうございました。  それをまとめたものが資料5ということになっております。なかなか全体をまとめる のが十分できていないところもあろうかと思いますけれども、簡単にご紹介させていた だきたいと思いますので、また後で委員の皆様方から補足をいただいたり、ご説明なり していただけるとありがたいと思っております。  まず、一番目でございますけれども、投資教育の内容ということにつきまして、制度 導入時、それから新入社員、それから継続教育といった段階で、それぞれどういう点に ついて特色があるのかといったことをまとめたものでございます。  一番最初のところでございますが、制度導入時につきましては、この確定拠出年金制 度導入の目的や仕組み、それから確定拠出年金制度の退職金や、公的年金制度との関係 など、あるいは投資の基本的考え方など、基本知識を付与することを重点に実施いたし ておりまして、従業員が主体的に投資教育を学ぶ基礎をつくるといったことをねらいに しているというのが全体に浮かび上がってくるところでございます。  それから、制度導入前に段階を踏んで制度内容の理解の浸透を図りまして、テキスト などはわかりやすい内容にするといったことから策定されているということでございま す。主な事例で少し挙げさせていただいておりますが、一番最初に「すかいらーく」さ んでございますが、ステップアップしてやっていくといったことで、4段階ほどござい ます。導入の1年前から社内法を活用して啓蒙し、それから半年前からビデオを自宅に 配布され、それからあと従業員研修を開催しているといったことでございます。あと、 Q&A用語集を配ると、こんな段階を踏んでおられます。  それから、下の次のところの「サンデン」さんでございますけれども、説明会では、 投資の基本的な考え方や、具体的な投資商品の説明に特化するといったことでございま して、カリキュラムについては、組合の執行部と協議を重ねておられまして、研修会は 少人数制でやるといったことなどをやっております。  次のところで「三越」さんでございますが、「わかりやすい教育内容」という観点か らビデオ、テキストを作成されているといったことを取っておられます。  次のところで「IBM」さんでは、情報はすべてイントラネットで提供して、専用ボ ックスを設置して質問の受付をされているといったことでございます。  次が「東京電設サービス」さんで、多くの社員の方は、金融商品の仕組みなどには疎 いことから、できるだけ確実な商品を選択して、社員の選択が明確・容易になるように 同種のものは少なく選定したと、こういった工夫をされております。  2番目の「新入社員への教育」でございますが、主な傾向といたしましては、新人研 修の一環として投資教育を実施されておりまして、併せてこの制度や投資教育の基礎と なる経済用語など、基礎知識を習得させることを主眼にしていると。  新人研修では投資教育のポイントのみ説明をして、別途数か月後に行う投資教育では 踏み込んだ内容を行っているというケースもございます。  おめくりいただきまして、(3)の「継続教育」でありますが、継続教育の全般的状況 ですが、運用商品の状況の見方、資産配分の考え方など、導入時より更に進めた内容の ものを自主参加のセミナーなどで提供されていると。  一方で、従業員の知識、経験にも差がありますので、繰り返し初歩的な情報提供に力 を入れている例もあるということでございます。  資産運用に関する情報については、電子メールで発信したり、ウェブで情報提供され ている。あるいは、社内の広報誌などによって、運用結果を公開して興味を促している といったことがございます。  それから、個別の社員に対しましては、経済動向や投資などについて情報提供してい る例や、あるいは全体の運用結果を公開して興味を促す例なども見られております。た だ、一方で必要性を感じているものの、継続教育は未実施という例もございます。  主な事例でございますけれども、3つ目のところでございますが、社内ウェブによる 制度説明や、Q&Aなど、いろんな情報と併せて上級向けの投資教育も逐次行っている といったことで、これは「サンデン」さんですけれども、休み時間・就業時を利用して パソコン操作を行っているようなことなどをやっているということでございます。  それから、一番下の「ジューテック」さんなどでは、保有資産、投資経験、生活環境、 家族構成など、各人が数値を入れながら資産配分を考えることができるようにメールを 送付しているといったようなことなども行っておられます。  次が3ページ目でございますが「2.情報提供の方法について」でございます。  実際に行っている方法でございますが、制度導入時の方法といたしましては、説明会 ビデオ・DVDの作成、インターネット、イントラネット、コールセンター、いろいろ ひととおりやっておられるといったことです。  テキストも知識の段階的に作成するなど、より理解しやすいように工夫を凝らしてお られます。  主な事例といたしましては、「トヨタ自動車」さんの方でありますように、テキスト として制度編、運用知識編、解説編などを使って、説明会で実施をしているなどの工夫 をされております。  新入社員の方につきましては、基本的には導入時と同じでありますけれども、投資経 験を把握しながら個別に対応されているといったような傾向が見られます。  それから、継続教育につきましては、ウェブで商品情報、制度解説などを説明するな どして、情報を入手しやすい環境を整える、質問はインターネット、コールセンターで 対応しているということでございます。  加入者の水準別の研修を行う例とか、運用商品の状況などのメール配信を行っている 例もございます。  主な事例としては、日立さんの方で知識水準を考慮して、インターネットを活用して、 照会対応はコールセンターを設置していると。  それから、「トヨタ自動車」さんで投資に関する基礎知識を漫画で月1回の資料で配 布しているといったようなこともございます。  4ページでございますが、「すかいらーく」さんにおかれましては、全従業員にパフ ォーマンスを記載したペーパーを配布して、それから「サンデン」さんの方で研修会を 3つのコースに分けまして、加入者の任意で受講すると、そのほか、全従業員を対象に 就業時間内の集中的な継続教育を実施する予定であるということでございます。Aコー ス、Bコース、Cコースということで、段階に応じてやっておられます。  「三越」さんの方としては、各店などに福利厚生パソコンを置いて、情報を入手しや すい環境を整えておられると。  「双日」さんの方では、直近の商品の騰落率、先月の配分結果などをメール配信され ているといったことがございます。  次が事業主の協力ということでございますが、制度導入時でありますけれども、会場 の提供、説明用のテキストの企画、ビデオ・DVDの企画、就業時間内での説明会の開 催などを実施されております。  職種によりましては、就業時間内で難しい場合は、土曜日にやっておられる例もござ います。  主な事例でありますが「すかいらーく」さんの方で事業主の方で教育用のビデオ、資 料等のシナリオや原稿の作成をされているといったようなことが見られます。  それから「双日」さんの方で、事業主は説明書の印刷、それから商品説明等に協力さ れているといったようなことがございます。  次が(2)でございますが、新入社員につきましては、基本的に制度導入時と同じでご ざいますけれども、新入社員研修会の際に実施しているといった例も見られているとこ ろでございます。  続きまして、おめくりいただきまして5ページでございますが、(3)の継続教育であ りますけれども、商品のパフォーマンスや商品分析結果をメール、ウェブを使って事業 主が情報提供を行っております。  それから、時間外での教育の場を事業主が召集する例もあると、こういった形での教 育をされているということが見られます。  (3)でございますが「工夫している点、効果的と思われる点」を挙げさせていただ いております。  制度導入時でありますけれども、用語の解説、冊子の作成・配布、絵や図を用いて文 字数を減らしたテキストの作成と、漫画の活用など、できるだけ加入者が理解できるよ うに努力しております。  それから、説明の場では運営管理機関などから専門家を派遣しておりまして、加入者 からの質問に対して、的確な回答をすべく努力をしていると。  それから、ビデオの視覚を進める方策の実施、運用額の試算などの工夫も見られてお ります。  主な事例を幾つか挙げておりますけれども、上に書いているのと同様でございますが、 4つ目でございますけれども「すかいらーく」さんの方でビデオ作成に当たって、いろ いろ工夫をされているということがございます。  次に6ページでございますけれども、2つ目の「・」のところで、加入者自ら、各自 に自ら試算をさせているといったようなこともするということで、「東京電設サービス」 さんの方でそんなことをやっておられます。  新入社員につきましては、基本的には導入時と同様でありますけれども、できるだけ かみ砕いた説明を心がけているといったことでございます。  継続教育でありますが、これはウェブ情報誌を使って、加入者への効果的な、定期的 な情報提供に努めているといったようなことでございます。  それから、情報提供の内容といたしましては、具体的な数字をグラフ化して示すこと によって、加入者の興味を促すなど、そういったようなことなども見られております。  主な事例といたしましては、「アプライドバイオシステムズジャパン」の方で、会社 全体としての累積拠出額などをグラフ化しているということで、社員の興味を高めてお ります。  それから、四半期ごとの各市況のレポートをメール配信を行うなど、「双日」さんの 方でやっておられる例が見られます。  3つ目でございますが「投資教育の効果について」であります。  制度導入時/新入社員の関係ですが、なかなか導入時における効果というのは、定量 的には評価はできませんが、ただ、こういった説明会等々、情報提供、あるいはコール センターによる照会対応は、少なからず加入者の知識を向上させまして、興味を持たせ ることにつながっていると考えられます。  一方、資産運用への関心の薄い人に対して、関心を高めることの難しさを指摘する意 見もございます。  主な事例でございますが、7ページでございます。  「日立製作所」さんの方で、説明会を実施することによって、制度の認知度が向上し て、自主的参加の動機付けとなったということが見られているということであります。  「トヨタ自動車」さんの方で資産運用未経験者の方への投資教育ということで、やら れました結果、初回の配分は7割の方が分散投資をされたといったようなことがござい ます。それから、「サンデン」さんの方も、いろいろやられまして、投資選択に一定の 影響を与えたということがございますが、「ジューテック」さんの方では、なかなか関 心の薄い人の難しさということの指摘もされております。  次は継続教育でありますが、加入者の問い合わせ内容の高度化が見られるほか、研修 による成果事例も見られていることもございます。  一方で、制度導入後の時間経過に伴って、興味が薄れているというケースもありまし て、いかに加入者の興味を引くかが重要であります。  主な事例といたしまして「三越」さんの方で見ますと、コールセンターへの問い合わ せ内容などが具体的なものに変化をしてきたといったことなどが見られます。  それから、「すかいらーく」さんの方で、徐々に興味が薄れつつあるといったような 感じも出されております。  次が、投資教育の課題についてということでございますけれども、制度導入時でござ いますが、投資教育に関心のない人にどのように興味を持たせるかが重要であるという ご意見。それから気持ちを離さないためにも定期的に自身の運用状況を把握させるとい うことが重要ではないかというご指摘がございます。  それから、8ページの一番上ですけれども、投資教育と投資アドバイスの境界が難し いということで、ガイドラインが必要ではないかといったご意見などがございます。  それから、制度導入までの投資教育のための十分な時間の確保が必要である。  それから、説明会の講師、コールセンターに適切な人材の確保が必要であろうという ことでございます。  (2)は新入社員でありますが、ここについては、ある程度時間経過後にやった方がい いのではないかというご意見がございます。  継続教育でございますが、加入者のレベルに合わせた教育内容が必要であるといった ことや、導入時と同様にガイドラインが必要と認識しているというご意見もございます。  それから、「サンデン」さんの方でパソコンを使うようなきめ細かな研修というもの は効果的ではありますけれども、それには相当の時間やコストなどが必要であり、社内 コンセンサスづくりが重要であるというご指摘がございます。  次が「三越」さんの方で、総花的なプログラムの集合教育は費用対効果の面から見て 有益かどうか疑問があるといったことなどが挙げられております。  それから、下の方で、まず社員の声を聞いて課題を抽出し、そこからプログラムを構 築していくべきではないかといったご指摘がございます。  次の「双日」さんの方で、投資教育のレベルが高くなるにつれて、運営管理機関に依 頼する基準が高くなることから、定期的に意見交換の機会を設けることが必要ではなか ろうか。あるいは、自分は自分はどのような運用を行うかというイメージができていな い人が多いというご指摘がございます。  それから、次のIBMさんの方で投資教育というよりも、いかに社員に気づかせるか ということが課題であろうというご指摘がございます。  9ページでございますが、その他でございますけれども「日立製作所」さんの方から 少し具体的事例の紹介など、事例集としてまとめるようなやり方がないのかというご指 摘がございます。  それから、「トヨタ自動車」の方から加入者全員の強制参加の説明会形式の教育実習 は効果が期待できない。一方で、レベルごとの教育の設定は事業主の負担が大きいとい うご指摘がございます。  現在のところ、情報提供に重点を置いて実施されているということでございます。  徐々に質問の内容も多岐にわたりまして、専門的になったりしておりまして、コール センターのさらなる活用策が課題ということでのご指摘がございます。  それから、次の「サンデン」さんの方で、就業時間内の継続教育については、社内ト ップのみならず、具体的に人を計画的に送り込ませるなど、現場サイドでも抵抗が大き く、時間が経過するほど難しい点があるといったことで、言わばお墨付きが欲しいとい ったようなご指摘がございます。  それから、「すかいらーく」さんの方で、投資教育について、投資教育の方法として 何を判断材料にするか、その材料が理解できるか、その材料がどうすれば入手できるか などの最低限の知識を事業主が行うものとすべきではないかと、こういったご指摘がご ざいます。  以上がまとめさせていただいたものを簡単にご報告させていただきました。 ○ 加子座長  ありがとうございました。ただいまの「投資教育の事例について」のご報告に関しま して、調査票を書いていただきました内容の補足説明、ご意見、ご感想、質問等ありま したらよろしくお願いいたします。 ○ 伊藤委員  トヨタ自動車でございます。補足というわけではないんですけれども、昨年の10月に 加入者に対しまして意識調査を行いまして、その結果をちょっとご紹介して、我々はこ れからどうしていったらいいのかなというようなことを少しお話ししたいと思います。  まず、意識調査の結果なんですけれども、制度の趣旨を理解しているか。これは非常 に簡単な部分で、自己責任だとか、自分で選んで運用するんだとか、そういったところ が理解できているかどうかというのが、これはおおむね8割ぐらいの人が理解している ということです。  ところが、制度の内容になりますと、大体3割から4割、5割ぐらいがなかなか理解 していないというようなことが見受けられまして、例えば60歳まで引き出せないという ようなことを知らないものがやはり半数近くおりましたし、運用指図という言葉自体、 これが意味がわからぬというようなものも半分ぐらいおりました。  それから、コールセンターについても半分ぐらいがやはり知らないと、知っている者 が4割ぐらいですけれども、そのうちの6%ぐらいしか利用していない。  それから、ホームページも4割ぐらい者しか知らなくて、そのうちの半分ぐらいの人 しか使っていない。こんなような結果が出ております。  それから、セミナーは、これは大体半分はわかりやすかったというふうに答えていま す。これはテキストも、セミナー自体も半分ぐらいのものがわかりやすいというふうに 言っております。  ところが、継続で行いました任意のセミナーにつきましては、セミナーそのものがあ るということを知っていたという者が、大体15%ぐらいしかいませんで、これはちょっ と我々は非常にショックを受けたんですけれども、ただその15%の人たちのうちの4割 ぐらいの人が参加をしたということになっています。もう少し認知があれば、参加者が 増えたのかなという反省もございます。  それから、これからどんなセミナーを希望するんだというようなことを聞いておりま すけれども、もう一度基本的なところを復習させてほしいというものが40%ぐらいあり ました。これはちょっと複数回答になっています。  それから、自分の年金とか、退職金だとか、そういったことも含めて教えてほしいと いうものが大体3分の1ぐらい、36%ぐらいおりました。  それから、株式投資の仕組みだとか、税制だとか、その辺も30%ぐらいの者が希望を しておりました。一番多かったのが復習させてほしいというものです。  こういった意識調査の中身を、今、分析中なんですけれども、そういう意味では先ほ ども少しご紹介いただきましたけれども、なかなか一律の対応というのは難しくて、今、 私どもはコールセンターとか、ウェブとか、ペーパーベースですとか、あるいはセミ ナー、こういったものを使って教育をやっておりますけれども、これをもうちょっと有 効に組み合わせていくということを考える必要があるだろうなと。  つまり、その人のレベルと言いますか、投資に関するレベルだとか、そういったもの に合わせて少し色分けをしてやっていった方がいいのかなというような感じでおります。  先ほどの中にも少しありましたけれども、私ども導入教育のときには、とにかくリス クとかリターンとか、そういったことと、それから分散投資がとにかくこの制度には一 番重要なんだということを相当しつこく言ったものですから、先ほど7割というふうに 出ていましたが、これはちょっと多いかなと思いますけれども、要するに定期預金が2 種類あって、その定期預金を2つ選んだのも分散投資になっていたんではないかと思い ますけれども、実質で言うと、6割から7割ぐらいの間が何らかの形で分散投資をして いるというような状況になっていまして、制度を導入してから今日まで比較的市場がよ かったものですから、かなりの社員が収益を生んでいまして、そういう意味で、先ほど のような余り高くない数値でも余り文句が出ていないのかなというふうに思っています ので、これがマーケットが悪くなってきたりしますと、かなり社員の不満なんかも出て くる可能性がありますので、ここは1〜2年の間にもう一度しっかり教育をすべきでは ないかなと。教育と言いますか、制度に関する理解を深めてもらうというようなことが 必要なんではないかなと、そういうふうに思っております。  以上でございます。 ○ 加子座長  ありがとうございました。ほかにございますか。 ○ 秦委員  サンデンの秦でございます。私の方から少し今の実態、初めてだと思いますが、就業 時間内にかなり詰めた継続教育をやっておりますので、なぜそういうことを始めたかと いうこととともに、現状、全体の約二割がちょうど今終わったところなので、それを踏 まえて若干お話をさせていただきたいと思います。  まず、なぜ継続教育を、ちょうど導入して2年になるわけですが、やろうということ にしたかという理由なのですが、それは今のトヨタさんによく似ているのですが、去年、 やはり私どもも第三者機関を使って従業員の意識調査及び実態をアンケート調査をした わけです。かなり詳細な内容を調査したわけなんですが、詳しい内容にも関わらず、私 ども社員3,000人弱なのに、回答が2,400あったということで8割の回答率ということ で、やはりそれだけ見ても従業員がいかに興味を持っていたかということの一つの証左 だと思います。  その内容が、今のトヨタさんと同じように、詳細は省きますけれども、相当私どもの 思っていた以上に運用の内容がお粗末であったか、従業員の興味が少なかったのか、ど ちらかだと思いますけれども、かなり厳しい状況だなと、会社として、そういうふうに 認識したというのが1つの点でございます。  2つ目なんですけれども、今、まさに株が上昇しておりますけれども、私どもも過去 分も含めて移行しましたのが一昨年の秋だったものですから、言ってみると、どん底の ときにあったわけです。  しかしながら、そのときから割と株の方へ投資していった人たちが去年ぐらいから相 当もうけ始めたというとおかしいんですけれども、“車1台買えるようになった”とか、 かなりそういうのが、大体もうけた人は余り言わないんですけれども、それが飲んでい るときだとか、いろいろなときだと思いますけれども、ぱらぱらと出るようになってき て、やはり自分は定期預金ばかりしていると、これは大変だなという感じを持ってきて、 それまで本当に私ども会社の窓口だとか、組合窓口両方設けていますけれども、もう気 持ち悪いぐらい何のアクションもなかったんですけれども、去年ぐらいから非常に多く なったんですね。そういう実態を踏まえて、これはもう一回何とか継続教育をやらなけ ればいけないということで、先ほどもちょっと一部、このアンケートの中にも出ていま すけれども、かなり経営トップを説得するというのは、ちょっと時間はかかったんです けれども、私どもとして新しいタイプの継続教育をやってみようとした訳です。  具体的には、先ほど来、幾つかの会社さんからも出ていましたけれども、一律で同じ ものをやってもなかなか興味を持たないだろうということで、Aコース、Bコース、C コースということで、3つのコースに分けたんですね。  Aコースというのは、言ってみれば確定拠出年金とか、投資とかというものにほとん ど興味がない。最初やったら入れっぱなしというようなタイプの方々に何とか投資とい うものがどういうものなのかというのを知ってもらおうというようなタイプのコースに なります。  具体的には、制度がどうのこうのというのは、若干、最初に5分ぐらい話したんです けれども、あとは、基本的にマネーゲームみたいな形のものを取り入れたんですね。プ ログラムするのに相当私どもの希望を入れて一生懸命やってくれた業者さんがいたわけ ですけれども、それで組合執行部にもトライし、いろいろそういうのを繰り返して、大 分いい内容になったと思うんですが、言ってみれば、最初に100万円お金を持たして、 半年ごとに結果を見ながら、またリアロケートしていくというような形のものを3回繰 り返して、もうかった、損したというのを自分で計算してもらって、自分の利回りまで 計算できるように、まさに計算機を使って、自分でやってもらうという形を取ったわけ ですね。これがAコースなんです。  Bコースは、通常の導入時教育に割と近い内容にしました。後でちょっと敷衍します。 Cコースというのは、もう十分いろいろやっているという人の意見を、今度新しく私ど も8つほど追加の商品を入れるんですけれども、一部は新聞に出させていただきました けれども、ちょっと新しいタイプのリスクを取るような商品等を入れさせていただくと いうことを踏まえて、相当細かい、例えば同じインデックス型でも日経225とTOPIX で動き方がどう違うのか、それから、同じグロースの中でもそれぞれの投資商品が大型 株中心なのか、小型株中心なのか、その真ん中なのか、いろんなそういうタイプ、やや かなり中に入ったタイプのコースを用意したわけです。  今まで400人ほどやったわけですが、それは伊勢崎の私ともの本社がある部分と、周 りあります一部の工場を中心にしてやったわけですけれども、その地域では、Aコース をとった人が50%、Bコースが30%で、Cコースが20%というような比率だったんです が、来月早々から今度、私どもの一番大きな工場で約1,000名を超える工場が始まるん ですけれども、それもA、B、Cは比率がわかっておりまして、AとBがほぼ45%ずつ で、Cが10%と、ちょっとCが少ないんですね。今、そういうような形になっておりま す。  幾つかご紹介をしますと、Aコースというのは、実は大変に評判がよかったです。こ れは受けた社員の方も評判はよかったんですけれども、委託した業者さんの方も、要す るにだれも眠らずに真剣にやってくれた研修なんていうのは、後にも先にもこれだけだ ということで、非常に喜んでいましたね。大体の人は2時間やりますと寝てしまったり するわけですね。ただ、この研修は寝るどころではなくて、自分で手を動かしてやって いくというようなこともありまして、非常にそういう意味ではやる気も皆さんあってよ かったというような感想が出ています。  逆にCコースの方なんですけれども、これが非常にリスクの取り方が難しいものとか、 どういうリスクなんだということを説明してきましたから、結構内容的にはハードな内 容だったんですけれども、それ自体としては、皆さん方に大変好評で、これもまた余り 寝る人というのはほとんどいないという内容だったわけです。やはりこのクラスで出て きますのは、しょっちゅうスイッチングもやっている、今、大体弊社の場合、月500件 ぐらいスイッチングが起きている状況まで来たんですね。ですから、相当頻繁に動かし ているということなんですが、逆に頻繁に動かせば、動かすほど“値決めが決まらない、 いつの価格で解約され、いつの価格で買っているのかわからないような仕組みというの は何だ”というような、非常にそういう質問が殺到してきているということで、この部 分というのは、やはり動けば動くほど出てくる問題だろうと、予想されたことでありま すけれども、やはり非常に厳しい質問が来たということです。  それから、Bコースの場合が、これがやはり導入時教育と同じようなことをやったと いうこともあって、一番中途半端だったんですね。ですから、これをもう一回見直しを かけなければいけないなということで、もう少しCコース、上級に近いようなところの 内容まで踏み込んでいった方がいいのかなというようなことで、少し組み直しをしない といけないと考えています。やはり導入時教育と同じだと、知っているところもあると、 最初でもう寝てしまうとか、面白くなくなってしまうということで、興味が失われてし まうので、やはりこの辺のところが平均的なものではありますけれども、逆に言うと、 一番リスクが高かったかなという感じを持っております。  以上です。 ○ 加子座長  ありがとうございました。ほかにご意見、ご質問はございますか。  私の方から、今のトヨタさんやサンデンさんのお話を伺いまして、先進的な企業では 積極的にアンケートを取るなどし、日々新たな問題意識そのものを持ち、教育を進めら れている様子がわかり、非常に参考になりました。さて、この投資教育の事例をどのよ うに活用していくかという話ですが、例えば、只今ご紹介いただいたような事例を事例 集としてまとめるにしても、その企業としてはどんどん新しいものへ発展させています ので、あくまでも何月何日時点での、トヨタさんの例、あるいはサンデンさんの例とい うことになってしまいます。この事例集をどのように皆さんに活用していただくように するのがよいか今お話を伺いながら、私自身も考えていたのですが、その点について何 かご意見はございますか。  どうぞ。 ○ 矢崎課長  1つは、このご意見なんかでもガイドラインとか、あるいは責任みたいなお話も出て まいりましたけれども、なかなか行政としてレギュレーションめいたものというのは難 しいと思いますけれども、こういった形、事例みたいな形で、一般的にこういうふうな ご工夫をされているというのをまとめて広く見ていただくというのが、まず当面し得る ことではないかということで、今年度の1つのテーマとして、こういった投資教育を考 えておるわけでございます。  最終的には、冊子か何かわかりませんか、そういった形でまとめて、あるいは事例発 表していただいたような、企業さんなんかにも、あるいはご協力いただいて、幅広くす るとか、いろんな工夫をこれから考えていきたいと思います。  あとは、確かに刻々変わっていくということであれば、印刷物というのは固定化され てしまいますけれども、私はちょっとITは全然だめなのであれなんですが、ホームペ ージみたいなもので何かつくって、随時意見も伺うとか、なんかそんな工夫みたいなも のも考えられるのかなという気がちょっとしますけれども、いずれにしても、まずは骨 のところをご議論いただいて固めるという作業からやっていくのかなという気がします。 ○ 松岡企画官  この導入時期によって、またいろいろ違ってきますので、この事例集などをまとめる 際には、導入後、どれぐらい経過した時点でのやり方であるとか、そういったことにも ちょっと注意をしていく必要があるのかなというふうに思います。  それから、後ほど生活福祉研究機構の方からもご説明をしていただきますけれども、 また実態調査を行いますので、参加メンバー以外の方々の企業の方にも、またご協力い ただいて、そこでの投資教育の事例なども集めさせていただいて、そういったものとま とめた形で事例集というのをつくっていければなと思っております。 ○ 加子座長  ありがとうございました。ほかにご意見等ございますか。  どうぞ。 ○ 福原委員  三越の福原でございます。先ほど、2社の事例のとおりで、手前ども昨年の2月に導 入して、ちょうど1周年ということで、やはりアンケート調査して、結果としてほぼ同 様の結果が出ていまして、今後の課題としてあるんですけれども、その中で、1つ特に 感じましたのは、先ほどのカゴメさんの例でも今後の課題の中で出ていたんですけれど も、やはり従業員の一番理解していないところで、私どももそうなんですが、いわゆる 想定運用利回りは何%、各社によって違うかもしれませんけれども、これの意味が、や はりわかっていないケースが多いと。  逆にここを言いますと、本来、いわゆる資産としてあらねばならぬ金額というのが、 一体幾らなのかということが大事であって、本来200万に対して、自分は元本確保でやっ ていたら絶対に200万はないわけですね。想定運用利回りが何%かある場合ですけれど も、ゼロであればいいんですけれども、ゼロちょっとぐらいであればいいんですけれど も、その辺が、今後の大事なポイントかなと。人間やはり損していると思うと、嫌がる わけで、損はしたくないわけですから、この辺が自動的に伝わればいいなと、実は思っ ています。手前どもは、百貨店ですから、パソコンも1人1台ないわけですね。工場な どの現業もそうかもしれませんけれども、そのときに紙面でどこまで伝えられるかとい うのも、1つ大事でして、メールで毎回通達できれば、これは解決するんですけれども、 紙でしょっちゅう送るわけにもいかないしということで、手前どもでは、いわゆる、今、 退職金はポイント制にしているんですけれども、その際にDCポイントというのを更に くっつけまして、今まで年1回しか退職金ポイントは知らせていなかったんですけれど も、DCを入れたのを契機に年2回にしまして、単純にDCポイントに単価かけると、 本来あらねばならぬ個人の金額がわかるというようにしています。  ただ、それもそういうものだとわかっている方も、まだ十分にいないということも問 題ではあるんですけれども、資産運用管理機関の通知では、今、そこまでできるように はなっておりませんで、勿論、各社によって運用利回りは違うので対応できないという こともあるんでしょうけれども、そういったところも併せて、これから改善されていけ ば、本人も絶えず自分の状況がプラスマイナスがわかるということになると思いますの で、この辺もちょっと併せてやっていくと効果があるのかなという気がしております。  以上でございます。 ○ 加子座長  ありがとうございました。ほかにご意見ございますでしょうか。  それでは、この問題につきましては、今、いろんな意見が出ておりますので、これを 踏まえて、改めて整理をさせていただくことにさせていただきます。  次の議題であります、「平成16年度の確定拠出年金実態調査について」に移りたいと 思います。  この議題は、山口大学教授の石田様からご説明いただきたいと思います。  よろしくお願いいたします。 ○ 石田教授  それでは、平成16年度確定拠出年金実態調査についてご報告を申し上げたいと思いま す。まず、調査の概要につきまして、資料の6を順を追ってご説明したいと思います。  まず、これまで2年間、確定拠出年金の実態調査では実施をされていらっしゃる企業 及び加入者等に対しまして、アンケートの調査を行って、制度の実態の把握に努めてま いりました。  そうした中で、制度の概要ですとか、加入状況、手数料、更には投資教育の現状、そ うして運用商品の残高割合などの調査をしてまいりました。  こうした調査結果につきましては、過去2年間、2度にわたりまして、この会議でも ご報告をさせていただいています。  そして、こうした調査の結果によりまして、各企業が導入されました平均的な制度の 内容ですとか、投資教育の平均的な姿といったようなものが示されまして、これが新規 導入を検討されていらっしゃる企業に一定の判断材料を供してきたと考えられます。  また、手数料の問題ですとか、スイッチングの手続、こういったいわゆる関連業務な ども含めた問題点を洗い出しまして、実施主体、更には加入者の声を反映した制度づく り、在り方を模索してまいりました。  こうした中で、16年度につきましては、投資教育の在り方ということに焦点を絞りま して、インタビューを中心にした実態、実施調査を行う予定にしております。  ヒアリングの調査の対象企業につきましては、業種、規模、更には他の退職給付の状 況別に15社程度を抽出して調査を敢行する予定でございます。  具体的な調査の項目につきましては、1ページ目のところに書かれてあります事項を 検討してございます。  その中で特に各社が投資教育の目標というものをどのように考えられていて、そのた めにどのような整合的な工夫をしていらっしゃるのか、また、継続投資教育の効果をど のように定義されて、それを把握されようとしていらっしゃるのか、これはいろいろ困 難な技術的な問題もあるかと思います。  そのほか、投資教育の費用対効果というものを投資教育の在り方全体にどのようにフ ィードバックをされていらっしゃるのか。  また、これに関連いたしまして、事業主、更に労働組合等の教育体制、これがどのよ うになっているか、全社的な投資教育に関する協力体制がどのように構築されているの か。こういったポイントに的を絞りまして、インタビュー調査を敢行したいと考えてお ります。1ページおめくりください。  そういたしまして、以上の調査結果をまとめるということによりまして、確定拠出年 金の普及促進及び円滑な制度運営ということに関して知見を得たい。また、今年度こち らで作成をされます投資教育の事例集作成に役立てるということも視野に入れまして、 以下の数点につきましてとりまとめを行う予定でございます。  先ほど来、出ておりますけれども、加入者、受講者の基礎知識、それから投資経験な どに合わせた、投資教育上の工夫、更には興味を引くような投資教育上の工夫、更には 加入者、受講者によります投資教育への評価のポイント、すなわち投資教育に関するモ ニタリングというものがどのように行われているのか。それから、ウェブなどによる制 度説明や商品の説明に関する情報提供の在り方。最後に加入者が困ったとき、何か相談 ができるような窓口の在り方と、こういったものについてとりまとめをする予定でござ います。  調査の対象、2番目のところですけれども、調査の目的に照らしまして、現在、15社 程度を抽出する予定でございます。  また、併せまして、当該企業の労働組合ですとか、運営管理機関に対してもヒアリン グ調査を検討しております。  具体的には、7月中に予備調査書を送付させていただきまして、3の調査時期のとこ ろで、8月から10月、約三か月間かけましてヒアリング調査を実施したいと考えており ます。調査項目、更にはとりまとめの方向、こういったことについてご意見を賜われば 幸いでございます。  よろしくお願いします。 ○ 加子座長  ありがとうございました。今のご説明に対してご質問、ご意見等があれば、お願いい たします。  対象企業15社とありますが、これはある程度特徴はあるのでしょうか。 ○ 石田教授  ここに書いてありますように、業種別、規模別、それから他の退職給付別に、いわゆ る企業のクラスターのようなものをつくりまして、そのクラスターごとの特徴というも のを見ると、こういう目的でこのような種目別と言いましょうか、それに区分して、そ して調査を行う予定にしております。  ただ、これまで2年間にわたりまして、実施企業の方にアンケート調査をさせていた だいておりまして、2年間継続してお答えいただいたり、それから昨年度調査をしてい ただいて、かなり丁寧に工夫などを記載していただいた企業、こういった企業を対象に 実施する予定でございます。 ○ 加子座長  業種や規模でのクラスター分けとあわせて、先ほどからお話にある、例えばいつから 始めて、どのぐらい経過しているかという点も大切かと思います。例えば、先程のトヨ タさんやサンデンさんの事例のように、ノウハウを蓄積されている企業もあるようです。 調査の実施に際しては、これらの点にもご配慮いただきたいと思いました。  ほかに何かご意見等ございますでしょうか。  どうぞ。 ○ 松井本部長  今、座長がお話されたことに関連するのですが、仮に今回まとめるものが、今後、導 入する企業にも参考になるようにとご説明がございました。最終的にまとめ方の問題に なると思うのですが、当初こういうやり方をしてきたが、うまくいっていないとか、あ るいは初めて導入する企業にとって、先進的な企業の事例を見て、同じようにやらなく てはいけないと考えてしまうと、恐らく躊躇して、導入は進まないのではないかと思い ます。  したがいまして、まとめ方として、投資教育でもあったように、初級編、中級編、上 級編みたいなものがあるならば、まず、最初はこのぐらいは押さえてほしいという点な どをうまく整理していただいて、更に進んでいく過程で、こんなやり方の工夫があるよ という抽出の仕方をしていただければ大変ありがたいと思います。 ○ 石田教授  どうもご指摘ありがとうございます。そういう意味で、調査の対象企業にいたしまし ても、それからまとめ方にいたしましても、もう少し時系列でどのように進展していっ たのかということについて考慮いたしまして、対象を選ばせていただき、またとりまと めもそういった点に気をつけさせていただきたいと思います。  確かに、なかなか先進事例ばかりですと、おじけづいてしまうということもございま すので、そういう意味では失敗事例と言いましょうか、そういうのも含めてまとめてい きたいと思っております。  どうもありがとうございました。 ○ 秦委員  秦でございます。今のに関連してというか、401kの教育について、私もいろいろ金 融機関等とかのお話を伺っている限りは、やはり最大の問題は、導入社数では圧倒的に 多い中小企業さんだと思うんですね。この中小企業さんの教育をどうやっていくのか、 特に導入時はどこの企業さんでもやらないということはないというふうに思うんですけ れども、中小企業さんの継続教育というのは、私は非常に大きな問題なんではないかな というふうに思っていますので、ここのところがうまく反映されてくるような、また中 小企業さんでもこういうようなやり方をやっていけば、何とかやれるぞというようなこ とが見えてくれば、是非ものにしていただければなというふうに思います。 ○ 加子座長  ほかにございますでしょうか。  どうぞ。 ○ 小野副部長  今のサンデンの秦委員のご意見はもっともでございまして、実は私ども商工会議所に おいては、適年の移行を控えてということもあると思うんですけれども、401kを含め て、企業年金の再構築ということをテーマにしましたセミナー、相談会が各地で相当数 開催されています。  私ども日本商工会議所では、商工会議所年金教育センター立ち上げまして、今、それ らを推進支援しているわけでございますが、やはり制度設計と同時に、投資教育の部分 が話題になるものですから、特に商工会議所は中小企業が多いということもあり、そう いう意味では、中小企業が活用できる形でまとめていただければ、私ども全国の524商 工会議所、155万会員を抱えておりますので、その中で適年の移行対象となっている企 業、あるいは適年に限らず、年金制度の再構築を考えている企業、そういったものに対 する研修や教育の有力な教材として、是非これを有効に使わせていただきたいと思って、 私ども非常に楽しみにしております。この事例集につきましては、うまくいった事例に しろ、あるいはうまくいかなかった事例にしろ、それはそれで1つの大きなサジェスチ ョンを与えるものということになろうと存じます。投資教育については、日本でもなか なかなじみのないというか、これから1つの実験的に、ある意味では手探りでやってい く部分もあるかと思います。  ですから、これがすべてパーフェクトな投資教育であるというものを示すことは難し く、そう簡単に、すぐにはできないと思うものですから、やはりこういった積み重ねが 1つの大きなサジェスチョンになると思います。ですからそういう意味では是非先ほど の松井本部長のご意見にも同感ですし、中小企業の方が憶せず取り組んでいけるような、 そのような雰囲気が醸成できるというだけでも大きな価値があると思います。私ども商 工会議所は楽しみにしておりますので、是非いい投資教育事例、それから実態調査の結 果がまとまることをご期待申し上げております。  以上でございます。 ○ 加子座長  ありがとうございました。ほかにご意見ございますか。  ご意見も出尽くしたところでございますので、残りの時間を使いまして、冒頭にご提 案させていただいておりました、確定拠出年金の実施企業各社の方との意見交換という ことで、特に傍聴の方などから、本日の議事内容につきまして、ご質問、ご意見等あり ましたら挙手をいただきまして、座長から指名させていただきますので、お願い申し上 げたいと思います。  どなたかございますでしょうか。  どうぞ。 ○ 横河電機(傍聴)  横河電機と申します。今年の4月に確定拠出年金を導入しました。ちょうど今、導入 開始してとても大変なところなんですけれども、カゴメさんにご質問なんですけれども、 まず、過去分の移換のときに、移換限度額を超えられた方とかはおられたのでしょうか、 また超えられた方がいたらどのような取り扱い、例えばこういった部分は税金がかかり ますので、補填の対応や運用の対応などを教えていただけたら助かります。  もう一つ、あと社内メールでヘルプディスクを実施されたとあるんですけれども、何 通ぐらい、どのようなご対応をされたのか教えていただけると助かります。  よろしくお願いします。 ○ 加子座長  それでは小森様お願いいたします。 ○ 小森課長  制度移行で移換限度額が超えた者はおりませんでした。  2点目は、メールがどのくらい来たかという話ですが、ピーク時で1日30くらい来ま した。すべて窓口は2本に、財務と人事にしたんですが、運営管理機関さんを始め、振 りまして対応をして仕切りました。  メールですと、ためて回答ができるので、同じようなものは同じように回答するとい うような工夫はいたしましたのと、大体パターンが決まっているものにつきましては、 イントラネットにアップをしてまとめて回答するということをいたしました。 ○ 加子座長  ありがとうございました。ほかにどなたかございますか。  それでは、若干時間が早めではございますが、これで今日の議題は終了させていただ きます。  最後に、次回の連絡会議につきまして、事務局よりご説明をお願いします。 ○ 矢崎課長  本日は、ありがとうございました。次回でございますが、開催時期としては9月を目 途に予定していきたいと思っております。  具体的な日程につきましては、別途また調整させていただきまして、開催日時、場所 等について決まり次第追ってご連絡差し上げたいと思います。  どうも本日はありがとうございました。