04/10/27 | 中央社会保険医療協議会 全員懇談会議事録 |
(1)日時 | 平成16年10月27日(水)10:01〜10:48 |
(2)場所 | 厚生労働省専用第18会議室 |
(3)出席者 | 星野進保会長 村田幸子委員 土田武史委員 対馬忠明委員 宗岡広太郎委員(代 松井) 大内教正委員(代 山口) 飯塚孜委員 松浦稔明委員 櫻井秀也委員 松原謙二委員 青木重孝委員 野中博委員 佐々英達委員 漆畑稔委員 <参考人> 福島健康保険組合連合会副会長 龍井日本労働組合総連合会政策局長 井堂日本歯科医師会会長 <事務局> 中島審議官 麦谷医療課長 間杉総務課長 他 |
(4)議題 | ○中医協を巡る贈収賄容疑事件を踏まえた今後の取組について |
○ | 現在、中医協における審議は、総会、各部会及び各小委員会ともすべて公開で行われているが、審議の過程において、非公開で協議が行われることがあった。 |
○ | 具体的には、支払側委員及び診療側委員の意見の隔たりが大きいときに公益委員が各側を別個に呼び込む場合や、中医協として意見書を取りまとめる際などに公益委員原案を各側に提示して意見を求める場合などがある。 |
○ | このような非公開の協議自体は、三者構成の下での合意形成過程として必要なものであると考えるが、審議過程の一層の透明化を図る観点から、今後は、このような非公開の協議を行った場合には、公益委員から、協議の経過について、公開の場で報告することとする。 |
○ | 近年、中医協における審議においては、支払側委員及び診療側委員のそれぞれから客観的なデータが提出され、これに基づき議論が行われるなど、根拠(エビデンス)に基づく議論が推進されてきている。 |
○ | さらに、平成15年には、中医協の審議に資するためにそれぞれ専門的な立場から調査を実施する診療報酬調査専門組織が設置され、平成16年度から、本格的にデータの収集に着手している。 |
○ | 診療報酬調査専門組織はデータの収集を行うための組織であり、ここで収集されたデータをも踏まえ、根拠(エビデンス)に基づく議論を行っていくのが中医協の場であるという自覚を新たにしつつ、審議の透明性の確保を図る観点からも、引き続き、客観的なデータに基づく議論の推進に努めることとする。 |
○ | 診療報酬改定の結果については、中医協の場において、医療費の動向の報告等が行われてきたが、これまで、診療報酬改定に至る取組と比べ、その取組は不十分であったと言わざるを得ない。審議の透明性の確保の観点からも、診療報酬改定の結果の検証を行い、これをその後の議論に繋げていくことが必要である。 |
○ | このため、中医協の中に、公益委員を中心として、診療報酬改定の結果の検証のための新たな部会を設置することとし、その具体的な体制の在り方について、平成16年度中に結論を得ることとする。 |
○ | 中医協の委員構成については、社会保険医療協議会法により、
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○ | 支払側委員と診療側委員とが保険契約の両当事者として協議し、公益委員がこの両者を調整して合意を得るという三者構成については、これを堅持していくべきであると考える。 | ||||||
○ | また、かねてより、委員に看護関係者の代表を加えるべきとの意見があるが、平成15年12月から看護の専門家が専門委員に任命されている。中医協委員としてこれを加えるには法律改正が必要である。 | ||||||
○ | これら中医協の委員構成の問題については、長期的に幅広く制度の在り方について議論が必要な問題であると考える。 |
○ | 中医協委員の任命については、社会保険医療協議会法により、厚生労働大臣がこれを行うが、支払側委員及び診療側委員については各関係団体の推薦によるものとされ、公益委員については両議院の同意を得なければならないこととされている。 |
○ | このように、中医協委員の任命は厚生労働大臣の権限であるが、今回の中医協を巡る贈収賄容疑事件を契機として寄せられた意見を踏まえ、また、中医協を正常な形に復帰させ、診療報酬の在り方についての本格的な審議を再開させるに当たっては、現時点において生じている5名もの欠員を可能な限り早期に充足させることが必要であるとの認識を共通にしていることを踏まえ、任命権者たる厚生労働大臣及び委員の推薦団体に対して、以下のような提言を行いたい。 |
○ | まず、支払側委員のうち被保険者を代表する委員については、これまで、厚生労働省より連合に対し2名の委員の推薦依頼が行われ、これに基づき委員の任命が行われてきた。 これについては、連合の改善案において、今後、「被保険者・患者代表」として委員を推薦するとされていることを踏まえ、引き続き、連合に対して2名の委員の推薦依頼を行うこととし、推薦依頼を受けた連合が、1名は患者一般の声をより適切に反映できるような委員の推薦を行うこととする。 なお、当該委員の推薦に当たっては、連合において、当該患者一般の声をより適切に反映できるような委員の推薦に当たっての基本的な考え方を取りまとめることが求められるので、それまでの間は、連合に対し1名の委員の推薦依頼を行うこととする。 |
○ | 次に、診療側委員のうち歯科医師を代表する委員については、これまで、厚生労働省より日歯に対し2名の委員の推薦依頼が行われ、これに基づき委員の任命が行われてきた。 これについては、日歯の改善案において、日歯及び日本歯科医学会が推薦委員をサポートする体制が報告されたことを踏まえ、引き続き、日歯に対して2名の委員の推薦依頼を行うこととするものの、推薦依頼を受けた日歯が、1名は日本歯科医学会の会員から委員の推薦を行うこととする。 なお、日歯については、他の委員を巻き込む形で今回の事件を引き起こしてしまった当事者団体であるので、日本歯科医学会の会員から推薦を行う委員を除き、日歯改革検討委員会における改善案の報告を踏まえて委員の推薦依頼を行うこととし、その間は、日歯への推薦依頼を留保することとする。 |
○ | このほか、中医協委員に病院団体の代表の参加を求める意見もあるが、既に、医師を代表する5名の診療側委員のうち1名は日本医師会の推薦に基づく病院団体の代表である。引き続き、日本医師会が病院団体の代表を推薦する形による病院団体の代表の参加を要望する。 |
○ | 今回の事件に関与した委員の推薦団体である健保連、連合及び日歯の改善案において、今後の委員の推薦に当たっての基本的考え方や推薦委員のサポート体制に係る検討状況が報告された。 |
○ | 今後とも、各関係団体において、委員の推薦に当たっての基本的な考え方を明確にするとともに、推薦委員のサポート体制を構築することとする。 |
○ | 中医協委員の任期については、社会保険医療協議会法により、1期が2年とされており、また、各種審議会に共通のルールとして、閣議決定により10年を超える任命は行わないこととされている。 |
○ | 今回の事件に関与した委員の推薦団体である健保連、連合及び日歯の改善案において、3期6年を上限とする考え方が示されたことを踏まえ、支払側委員及び診療側委員の在任期間については、各関係団体において、任期が6年を超えてからの新たな推薦は行わないことを基本として、厚生労働大臣に対し推薦を行うこととする。 |
○ | 中医協委員のうち、公益委員の身分は非常勤の特別職国家公務員であり、公益委員以外の委員は非常勤の一般職国家公務員であるが、これまでは、委員にそのような自覚が希薄であったと言わざるを得ない。 |
○ | 今後は、委員に新しく就任した者は、自らが国家公務員であり、高い倫理を保って行動する旨を宣誓することとする。 |
○ | なお、事務局に対しては、委員を新しく委嘱する際には、中医協委員が国家公務員である旨を必ず説明するとともに、関係法規を資料として提示して、国家公務員法上の禁止規定の説明等を行うよう要請する。 |
○ | 現在、中医協における審議は、総会、各部会及び各小委員会ともすべて公開で行われているが、その議事録については、概要を厚生労働省ホームページで公開するのみであり、必ずしも公開が徹底しているとは言えない。 |
○ | ついては、中央社会保険医療協議会議事規則の改正を行い、今後は、議事録について、事前に各委員の了解を得た上で、厚生労働省ホームページで公開することとする。 |
○ | なお、事務局に対しては、中医協における配付資料を速やかに厚生労働省ホームページに掲載するほか、診療報酬改定の内容を同ホームページ上で分かりやすく説明するなど、引き続き、国民への分かりやすい説明に努めるよう要請する。 |
○ | 診療報酬改定に国民の声をより適切に反映させるため、中医協委員が国民の意見を聴く機会の設定の在り方について検討し、平成16年度中に結論を得ることとする。 以上でございます。 |
【照会先】 | |
厚生労働省保険局医療課企画法令第1係 代表 03−5253−1111(内線3288) |