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新たな障害保健福祉施策と介護保険との関係整理




平成16年10月25日
厚生労働省障害保健福祉部


I 障害者施策と介護保険との現在の関係


 1 対象者の関係(現状)

  図

 ※ 身体障害者療護施設、重症心身障害児施設等、障害程度が重度で入所期間が長期になる者が通常入所する施設等の利用者は、介護保険の適用除外で保険料免除(地域生活等において、介護保険に基づくサービスを受ける可能性がないという理由)。

(参考:介護保険創設時の対象者範囲設定の考え方)
 ○ 被保険者
介護保険制度は、老化に伴う介護ニーズに応えることを目的とすること。
老化に伴う介護ニーズは高齢期のみならず中高年期にも生じ得ること。
40歳以降になると一般に老親の介護が必要となり、家族の立場から介護保険による社会的支援という利益を受ける可能性が高まること。
 ○ 受給者
第1号被保険者(65歳以上)については、高齢者であることから、その原因を問わず要介護は一般的に対象とする。
第2号被保険者(40歳〜64歳)については、老化に伴う介護という観点から具体的な対象範囲を定める。




 2 給付対象サービスの関係(現状)
   介護保険による給付を利用できる者(事実上65歳以上の者)が利用可能なサービスについては、障害者は、他の高齢者等とは異なり、既存の高齢者サービス(特別養護老人ホーム等)では障害者の特性に合ったサービスを受けることが難しいため、事実上、共通サービス(ホームヘルプサービス等)に給付が限定される。

(共通部分のイメージ(現状)) 図




 3 両制度を利用する障害者の給付イメージ

  図


II 関係整理の基本的視点


 1 障害者の介護保険制度における公平の確保
   〜年齢・障害を超えたユニバーサルな保健福祉体系へ〜
 介護保険の被保険者として保険料を負担する障害者の公平の確保の観点から、当該障害者が利用可能な共通サービスの範囲を、実質的に高齢者サービスと同等程度に拡大する必要性があるのではないか。


 2 総合的な自立支援システムの持続的な発展の確保
   〜効果的・持続的な障害保健福祉体系へ〜
 障害保健福祉施策の見直しとを併せて介護保険との関係を見直すことにより、総合的な自立支援システムに財源を重点的・効果的に投入し、就労促進等による障害者の自己実現・社会貢献を持続的に支援する仕組みを確立できるのではないか。


 3 両制度を併用する際の整合性、効率性の確保
   〜重層的・効率的な障害保健福祉体系へ〜
 障害者が必要量の障害保健福祉サービスを確保するため、介護保険を利用する場合と利用しない場合において、手続きや利用者負担総額に整合性を欠いたり、事務処理が非効率にならないようにすることが必要ではないか。


III  整理すべき論点


介護保険の対象となる受給者、サービス

 1 両制度で共通する利用可能なサービスの範囲
  ○ 障害者介護給付(仮称)と介護保険との関係の整理
  ○ 障害者自立支援給付(仮称)と介護保険との関係の整理

 2 介護保険の受給者の範囲の変更
  ○ 第2号被保険者(40歳〜64歳)に係る「老化に伴う介護ニーズ」の制限
  ○ 被保険者、受給者の対象年齢の範囲(40歳未満)



両制度を併用する場合の整合性等の確保

 1 障害者本人に係る問題
  ○「介護」等に係る尺度の統一
  ○両制度で発生する利用者負担の取り扱い

 2 市町村、サービス提供者に係る問題
  ○両制度の決定手続きの整合性
  ○市町村、サービス提供者の事務負担の軽減


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