資料1−1 |
【個人情報保護法】 (定義)
【行政機関個人情報保護法】 (定義) 第二条
【独立行政法人等個人情報保護法】 (定義) 第二条
【指針】 第2・4 研究機関の長の責務
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○ | 指針で定義される匿名化された情報は、法の「個人情報」の定義と照らして、どのように解釈すればよいか。 |
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○ | 指針及び個人情報保護法の「個人情報」の定義では、「容易に」が含まれているが、行政機関又は独立行政法人等個人情報保護法では、「容易に」の文言はなく、より厳しい定義となっている。指針の枠組みからみれば、匿名化された情報の個人の識別可能性は、上述の議論から、実質的に照合可能か否かにより判断されるところであり、照合可能性の容易さは特段考慮されない。したがって、指針の「個人情報」の定義は、行政機関等の個人情報保護法の定義と同様の規定とし、「容易に」の文言は削除する。 |
【個人情報保護法】 (利用目的の特定)
(取得に際しての利用目的の通知等)
【指針】 第3・8 インフォームド・コンセント
第4・11 研究実施前提供試料等の利用
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○ | 代諾者等への同意について 法第16条では、個人情報の利用目的の達成に必要な範囲を超えた場合の利用にあたっての本人の同意を得ることを規定しているが、指針では原則本人の同意を必要としているが、一定の条件の下、代諾者等の同意による利用も可能としている。 |
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→ | 法第16条第3項第3号において、公衆衛生の向上のために特に必要がある場合であり、本人の同意を得ることが困難であるときは、本人の同意を必要としない。指針において、代諾者等の同意により個人情報の利用を可能としているが、この場合、
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○ | 利用目的変更時の本人同意について 法第15条では、個人情報保護の利用目的の特定、法第16条では、個人情報の利用目的の達成に必要な範囲を超えた場合の利用に当たっての本人同意を、法第18条では、利用目的を変更した場合は、変更された利用目的について、本人に通知し、又は公表することを規定しているが、指針では、C群試料等(試料等の提供時に、研究に利用することの同意が与えられていない試料等)の利用にあたって、要件を定めて提供者等の同意を得ないで利用を可能としている。なお、この場合、指針第4・11の細則4・2)・dにおいて、研究の実施状況について情報公開を図ること、また提供者等に試料等の研究への利用を拒否する機会を保障するための措置を講じることを求めている。 |
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→ | 本人の同意を得ないで試料等を利用する場合として、指針では社会的利益の貢献が大きな研究に限定しており、すなわち法第16条第3項第3号の例外規定の「公衆衛生の向上」の要件の該当性について、倫理審査委員会において審査されると考えられること、さらに、法第18条については、この場合は指針で公表することが規定されていることから、法の趣旨を踏まえた対応がなされているものと考えられる。 |
【個人情報保護法】 (適正な取得) 法第十七条 個人情報取扱事業者は、偽りその他不正の手段により個人情報を取得してはならない。 【指針】 第3・8 インフォームド・コンセント |
○ | 指針において、試料等の提供を受ける場合は、インフォームド・コンセントを取得することを求めている。インフォームド・コンセントの取得にあたっては、説明文書により研究内容等について示すこととされており、当該文書は研究計画書において明記され、研究機関等の倫理審査委員会において審査され、かつ研究機関の長の許可を得るものであり、偽りその他不正の手段により個人情報を得ることは想定されず、指針において法の趣旨を踏まえた対応がなされていると考えられる。 |
【個人情報保護法】 (データ内容の正確性の確保) 法第十九条 個人情報取扱事業者は、利用目的の達成に必要な範囲内において、個人データを正確かつ最新の内容に保つよう努めなければならない。 【指針】 規定なし。 |
○ | 指針に当該規定はないことから、個人情報(匿名化された場合は匿名化情報)を正確かつ最新の内容に保つよう努めることを規定する。 |
【個人情報保護法】 (安全管理措置)
【指針】 第2・3 すべての研究者等の基本的な責務
第2・5 研究責任者の責務
第2・6 個人情報管理者の責務
第4・12 試料等の保存及び廃棄の方法
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○ | 安全管理措置について、指針では研究機関の長が遺漏防止の措置を講ずること等が規定されているが、個人情報の遺漏防止は個人情報保護にあたって重要であると考えることから、どのような措置が必要であるのか以下により示すこととする。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
→ | (対応案)
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○ | 委託者の監督について、個人情報保護法第22条を踏まえ、「研究を行う機関の長は、研究を委託する場合は、委託された個人情報の安全管理及び個人情報に該当しない匿名化された情報の適切な取扱いが図られるよう、委託を受けた者に対する必要かつ適切な監督を行なわなければならない。」ことを追加して規定する。また、「必要かつ適切な監督」の例示として、「委託契約書において委託者が定める安全管理措置の内容を契約に盛り込むとともに、当該内容が遵守されていることを確認すること」を規定する。 |
【個人情報保護法】 (第三者提供の制限)
【指針】 第3・8 インフォームド・コンセント
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○ | 法第29条第3項及び政令第8条で、開示等の求めは、法定代理人または任意代理人によってすることができるとあるが、指針では任意後見人等の他に「親族またはそれらの近親者に準ずると考えられる人」に対しても、本人の委任がなくても代諾者として開示を求めることができるとしている。 |
→ | 代諾者等からの開示の希望があった場合、指針では「その代諾者が開示を求める理由又は必要性を倫理審査委員会に示した上で、当該委員会の意見に基づき研究機関の長が対応を決定」することとしている。 そこで、倫理審査委員会が審査を行う際、及び研究機関の長が対応を決定する際に、当該開示の理由又は必要性が法第23条第1項第2号及び第3号に掲げる場合に該当することを個別に確認できれば、代諾者等のうち「親族またはそれらの近親者に準ずると考えられる人」についても提供者の個人情報を提供することは妥当である。 |
○ | また、指針では提供者の血縁者に、提供者本人の遺伝情報から導かれる遺伝的素因を持つ疾患や薬剤応答性に関する情報を伝えることができるとしている。 |
→ | この場合は、血縁者の生命に重大な影響がある可能性がある場合と規定しており、法第23条第1項第2号「人の生命・・の保護のために必要がある場合であって・・」に該当するものと考えられ、第三者である提供者の血縁者に開示を認めることについては、法の趣旨を踏まえた対応がなされている。 |
【個人情報保護法】 (保有個人データに関する事項の公表等)
(保有個人データの適正な取扱いの確保に関し必要な事項)
【指針】 第2・5 研究責任者の責務
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○ | 指針では、説明文書の記載に関する細則において、一般的に記載すべき事項を示しているが、法第24条第1項第1号及び第3号に関して補足しておく必要があるか。 |
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【個人情報保護法】 (開示)
(個人情報取扱事業者が保有個人データを開示する方法)
【指針】 第3・9 遺伝情報の開示
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○ | 法では、定められた場合を除き本人から開示要求があった場合には、開示しなければならないと規定しているが、指針では、提供者からの開示要求があった場合でも、遺伝情報を提供する意義がない場合については開示しないことを規定している。 |
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→ | 指針でいう「意義」とは、予防、治療としての臨床的な意義のことと考えられる。従って、意義がないと認められる場合とは、法による不開示理由「本人または第三者の生命、身体、財産その他の権利利益を害するおそれがある場合」、すなわち得られた研究結果の精度・確実性が不十分である場合、開示することにより本人に精神的負担等を及ぼす可能性が考えられることから、この場合は従来どおり開示しない。 なお、「意義がない」との記載は、研究の意義がない等の誤解を招くおそれがあることから、指針においても法の規定にあわせて「本人または第三者の生命、身体、財産その他の権利利益を害するおそれがある場合」と規定することとする。
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【個人情報保護法】 (訂正等)
【指針】 第3・8 インフォームド・コンセント
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○ | 研究の実施において取得した個人情報の取扱いにおいて、訂正等の規定を設ける必要があるか。 |
→ | 指針には当該規定はないことから、提供者又は代諾者等から、研究機関が保有する提供者が識別される個人情報の内容が事実でないという理由によって当該情報に対して訂正、追加又は削除を求められた場合に、調査結果に基き、内容の訂正等を行うことを規定する。なお、法では本人から訂正等の要求があった場合までしか想定されていないが、指針では、提供者の判断及び理解力を考慮の上、本人に代わりインフォームド・コンセントを与えることができる代諾者を選定することを可能としていることから、代諾者等からの申し出も受け付けるものとするが、この場合はその事実性について、特に慎重に判断する必要がある。 |
○ | 法では、保有個人データの利用停止等行ったとき又は利用停止を行わない旨の決定をしたときは、本人に対し、遅滞なく、その旨を通知しなければならないことを規定しているが、指針では、利用停止はインフォームド・コンセントの撤回であると考えられ、その場合には原則、試料等は廃棄することとしているが、本人に通知することまでは規定していない。 |
→ | 指針において、試料等を廃棄しないこと(連結不可能匿名化の場合やバンクへの提供など提供者から廃棄しないことの同意が得られている場合は除く。)又は廃棄したことについて通知することを規定する。 |
【個人情報保護法】 (開示等の求めに応じる手続)
(開示等の求めを受け付ける方法)
【指針】 第3・8 インフォームド・コンセント
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○ | 法では、開示等の求めを受け付ける方法を定めることができることを規定している。指針ではインフォームド・コンセント取得の際の説明文書に開示に関する事項を記載することを示している。 |
→ | 法ではあくまでも「方法を定めることができる」としていることから、インフォームド・コンセント取得の際の説明文書の記載事項において、インフォームド・コンセント撤回に関する事項に、「必要であれば撤回の求めを受け付ける方法を含む」こと及び開示に関する事項に、「必要であれば開示の求めを受け付ける方法を含む」ことを追記する。 |
○ | 法では、開示にあたって、手数料を徴収することができることを規定していることから、開示手数料を徴収する場合は、インフォームド・コンセント取得時に提供者に説明することを追記する。 |
【個人情報保護法】 (理由の説明)
【指針】 第3・8 インフォームド・コンセント
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○ | 指針において、試料等の提供を受ける場合は、インフォームド・コンセントを得ることを必要としており、利用目的を通知しないことは想定されない。 |
○ | 指針において、開示をしない場合は、インフォームド・コンセント取得時等に説明することを求めていることにより、既に対応されている。 |
○ | 提供者又は代諾者等からの訂正要求内容に対して訂正しない場合は、その理由を説明するよう努めることを規定する。なお、この場合、診療情報等に関する訂正要求内容が事実でないことを説明することは提供者又は代諾者等への精神的負担等になることがあり得るなど、慎重に配慮する必要があることから、事由に応じて適宜対応することも併せて規定する。 |
○ | 指針において、インフォームド・コンセントの撤回の際に試料等の廃棄をしない場合(連結不可能匿名化の場合やバンクへの提供など提供者又は代諾者等から廃棄しないことの同意が得られている場合は除く。)の理由については、インフォームド・コンセント撤回者に通知することが規定されていないことから、その理由を通知することを規定する。 |
【個人情報保護法】 (個人情報取扱事業者による苦情の処理)
【指針】 第2・3 すべての研究者等の基本的な責務
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○ | 苦情処理については、指針においても規定されているおり、法の趣旨を踏まえた対応がなされているが、苦情の窓口として、提供者又は代諾者等が申し出のしやすい窓口を設置するよう配慮されるよう追記する。 |