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障害保健福祉施策の現行の制度的課題について


 現在の障害保健福祉サービスに係る課題

 (1)  大きな地域差の縮小

【現状】

 支援費支給決定者数  : 7.8倍
 身体障害者ホームヘルプ利用者数  : 5.5倍
 知的障害者ホームヘルプ利用者数  : 23.7倍
 障害児ホームヘルプ利用者数  : 44.4倍
 精神障害者ホームヘルプ利用者数  :  11.6倍

【地域差の原因】

(1)  サービス提供基盤の整備状況の差異
(2)  市町村の支給決定の仕方の差異
(3)  利用者や地域の福祉サービス利用に対する考え方の差異
(4)  ニーズの把握とサービスの計画的な整備に差異

 (2)  伸びるサービスへの対応

 身体障害者ホームヘルプサービスの支給決定者数  :  1.28
 知的障害者ホームヘルプサービスの支給決定者数  :  1.50
 障害児ホームヘルプサービスの支給決定者数  :  1.86
 ※  平成15年4月時点を1とした場合の平成16年3月時点の状況

 市町村からの要望

 (1)  国庫補助を含めた安定的な財源の確保
 (2)  ケアマネジメントの制度化
 (3)  支給決定基準の策定
 (4)  地域の実情に合わせたサービス提供のための弾力化 等



これらの現行の制度的課題の解決を図る必要がある。



制度改正に係る基本的な視点と主要な検討事項

基本的な視点

1 障害保健福祉施策の総合化
 身体・知的・精神等と障害種別ごとに対応してきた障害者施策について、『市町村を中心に、年齢、障害種別、疾病を超えた一元的な体制を整備』する中で、創意と工夫により制度全体が効果的・効率的に運営される体系へと見直し、『地域福祉を実現』することが必要である。

2 自立支援型システムへの転換
 障害者施策について、政策のレベルにおいて、保護等を中心とした仕組みから、『障害者のニーズと適性に応じた自立支援』を通じて地域での生活を促進する仕組みへと転換し、障害者による『自己実現・社会貢献』を図ることが重要である。また、これにより、地域の活性化など、地域再生の面でも役割を果たすこととなる。

3 制度の持続可能性の確保
 現行の支援費制度や精神保健福祉制度は、既存の公的な保険制度と比較して制度を維持管理する仕組みが極めて脆弱であり、必要なサービスを確保し障害者の地域生活を支えるシステムとして定着させるため、国民全体の信頼を得られるよう『給付の重点化・公平化』『制度の効率化・透明化』等を図る抜本的な見直しが不可欠である。

図

主要な検討事項

現行の制度的課題の解決を図るための政策群

1 市町村を中心とするサービス提供体制
 ○  福祉サービスの提供に関する都道府県事務の市町村移譲と支援体制の確立
 ○  障害保健福祉サービスの計画的な整備
 ○  各障害共通の効果的・効率的な事務執行体制の整備
 ○  障害等に対する国民の正しい理解を深める国の取り組み

2 効果的・効率的なサービス利用の促進
 ○  重層的な障害者相談支援体制の確立
 ○  支援の必要度等に係る各サービス共通の尺度
 ○  ケアマネジメント制度の導入と支給決定プロセスの透明化
 ○  人材の確保と資質の向上

3 公平な費用負担と配分
 ○  福祉・医療サービスに係る利用者負担の見直し
 ○  国費による地域差の調整機能

新たな障害保健福祉施策体系を構築するための政策群

1 障害保健福祉サービス体系の再編
 ○  総合的な自立支援システムの体系化
 ○  障害者の施設、事業体系や設置者、事業者要件の見直し
 ○  権利擁護の推進とサービスの質の評価
 ○  新たなサービス体系に適合した報酬体系の導入

2 ライフステージに応じたサービス提供
 ○  障害児施設、事業のサービス体系の見直し
 ○  雇用施策と連携のとれたプログラムに基づく就労支援の実施
 ○  極めて重度の障害者に対するサービスの確保

3 良質な精神医療の効率的な提供
 ○  精神病床の機能分化の促進と地域医療体制の整備
 ○  入院患者の適切な処遇の確保
 ○  精神医療の透明性の向上

介護保険制度との関係の整理


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