社会保障審議会-福祉部会 | |
第11回(H16.9.27) | 資料1 |
1. | 退職手当共済制度の仕組みと現状 |
2. | 退職手当共済制度をめぐる課題 |
3. | 見直しに向けての論点 |
社会福祉施設職員等退職手当共済制度の概要 |
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制度のポイント
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参考:社会福祉施設職員等退職手当共済法の主な経緯 |
創設時(昭和36年) |
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平成4年改正 |
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平成12年改正 |
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退職手当共済制度の実施状況 |
介護保険制度の施行等に伴い、社会福祉法人の経営する施設・事業が増加していることから、被共済職員数、退職者数及び給付費は増加する傾向。 |
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各年4月1日現在の被共済職員数 (人) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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○被共済職員の加入期間の状況
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○退職手当受給者の加入期間の状況
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退職手当金の算定方法 |
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= |
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× |
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○ | 計算基礎額(政令事項)
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○ | 支給乗率(法律事項)
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被共済職員期間 1~10年
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被共済職員期間 11~19年
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被共済職員期間 20~24年
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被共済職員期間 25年以上
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┌ | | | | | | | | └ |
【支給乗率の計算方法】
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掛金額の推移 |
社会福祉施設等職員1人あたりの掛金額(単位掛金額)は、年額42,300円(申出施設等職員1人あたり年額126,900円)。掛金額は、おおむね5年を通じ財政均衡を保つことができるものでなければならないこととされており、平成13~17年度の額として年額39,000円に設定していたが、退職者の増加に伴い、16年度に額を引上げ。 |
単位掛金額の推移
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※単位は円。 額は年額。申出施設等については、3倍の額 |
課題1:民間の事業主体との間の対等な競争条件の確保(イコールフッティング) |
介護保険制度の対象となる高齢者関係の施設・事業への多様な主体の参入が進展する中で、退職手当共済制度については、介護保険における民間とのイコールフッティングの観点から、助成の在り方を見直すことが閣議決定等で指摘されている。 |
特殊法人等整理合理化計画(平成13年12月19日閣議決定)(抄)
社会福祉・医療事業団 【社会福祉施設退職手当共済】
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(※) | 社会福祉・医療事業団は独立行政法人化され、平成15年10月より独立行政法人福祉医療機構となっている。 |
独立行政法人福祉医療機構法案等に対する附帯決議(参議院)(平成14年12月5日)
九 独立行政法人福祉医療機構については、次の措置を講ずること。
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課題2:退職手当給付費の増大への対応 |
退職者の増加等による給付額の増大に伴い、掛金・公費補助額ともに、今後増大するものと見込まれる。 |
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(1) | 被共済職員数
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(2) | 退職者数 平成14年度における年齢別、経験年数別の脱退率を使用。各年度の被共済職員数に脱退率を乗じ、年次別に追跡する方式で推計。 | |||||||||||||||
(3) | 退職金給付額 (2)で求めた退職者数に、平成15年度在籍者の本俸月額に支給率を乗じて計算。本俸のベースアップの要素は織り込んでいない。 | |||||||||||||||
(4) | 退職者平均在籍期間 平成15年度は月単位も含めた数(例 3年8月)の平均であるのに対し、推計である平成18年度以降においては、月単位を切り捨てた年単位の数(2年、3年等々)の平均となっている。 |
(1)助成の在り方について |
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○ | 介護保険制度の対象となる高齢者関係の施設・事業において、社会福祉法人が経営する施設・事業所数の割合は、約15%にとどまっており、多様な主体が参入している。 |
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出典:WAM NETデータベース |
注) | 経営主体別の職員数についての直接的なデータはないが、施設サービス(特養、老健、療養型)における社会福祉法 人の職員数(常勤換算)の比率は、5割弱程度となっている。(「平成14年介護サービス施設・事業所調査」) |
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○ | 経営者としては、少なくとも既加入職員については、国及び都道府県から高率の補助が行われ、低い掛金負担のもとで退職金給付が支払われることを期待。 |
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○ | 仮に、経営者の期待利益の保護の観点から、既加入職員の分のみ従来通り公費補助を行うこととした場合、包括加入の原則にしたがえば、改正後に加入した職員も必ず加入しなければならないため、経営者の負担が選択の余地なく増加することとなる。(改正後の加入職員の分について、仮に公費補助を廃止すれば、これまでの額の3倍となる。) |
(2)給付の在り方について |
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○ | 今後の給付費の増大に伴う掛金負担増(現行 年額 42,300円 → 2025年 年額59,000円) |
○ | 助成の在り方の見直しを行う場合には、加入職員1人あたりの掛金額が増加(仮に公費補 助を廃止すれば、3倍)するとともに、仮に介護保険制度の対象となる高齢者関係の施設・事業に係る新規採用職員を任意加入とすれば、新規加入の抑制が見込まれる。 |
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○ | 現行では、加入年数が長くなるにつれて退職金額が大幅に伸びる。 |
○ | 仮に給付水準を見直すとした場合、経過措置として、現在の加入職員が現時点で既得している退職金額の水準(支給乗率)の確保をどのように考えるのか。 |
参考:退職金制度の状況 |
各種調査の結果によれば、退職金制度を導入している企業は、全体の8割~9割と高い数字を示している。 |
○ | 「平成15年就労条件総合調査」(平成15年厚生労働省) 退職給付(一時金・年金)制度のある企業数割合は86.7%となっている。(うち、退職一時金のみは46.5%、一時金と年金の併用は33.9%) |
○ | 「平成13年民間企業退職金実態調査」(平成14年総務省) 退職一時金があると答えた企業は全体の92.2%に及ぶ。 |
○ | 「中小企業の賃金・退職金事情」(平成14年東京都) 退職金制度があると回答した企業は全産業で88.8%に及ぶ。ただし、サービス業で見ると、80.9%となっており、全産業に比べて低くなっている。 |
退職一時金の受給に必要な最低勤続年数は、3年とするところが多い。 |
○ | 「平成15年就労条件総合調査」(平成15年厚生労働省) 自己都合退職の場合で、「3年~4年未満」とする企業が全体の60%と最も多い。(支払い準備形態が社内準備採用の企業) |
○ | 「中小企業の賃金・退職金事情」(平成14年東京都) 自己都合退職の場合で、「3年」とする企業が全体の45.7%と最も多い。 |
(単位:千円) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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退職給付(一時金・年金)制度について、「過去3年間に見直しを行った」企業数割合は14.3%、また、「今後3年間に見直しを行う」企業数割合は20.5%となっている。
見直しの内容をみると、過去3年間では「退職一時金」についてとする企業数割合が67.1%と高く、今後3年間では「退職一時金」「年金」ともそれぞれ53.7%、52.0%と高くなっている。
○退職給付(一時金・年金)制度の見直しの時期、有無についての企業数割合
(注) | 1) | 「退職一時金」には、退職一時金制度について導入又は廃止、全部又は一部を年金へ移行、算定基礎額算出方法の変更、支給率の増加又は減少を、過去3年間に行った又は今後3年間に行う企業を計上したものである。 |
2) | 「年金」には、退職給付(年金)制度について導入又は廃止、年金支給期間の延長又は短縮、算定基礎額の算出方法の変更、賃金や物価上昇率に伴う給付水準の見直し制度を導入、支給率の増加又は減少を過去3年間に行った又は今後3年間に行う企業を計上したものである。 | |
3) | 「個人年金」には、労働者の個人年金(財形年金等)への援助の開始又は終了を、過去3年間に行った又は今後3年間に行う企業を計上したものである。 |
公務員制度改革大綱(平成13年12月25日閣議決定)(抄)
II新たな公務員制度の概要
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