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第3回ILO懇談会議事要旨


1.日時:平成16年9月1日(水) 14:00〜16:00

2.場所:厚生労働省専用第20会議室

3.出席者:(敬称略)
(1)労働者側
日本労働組合総連合会総合国際局長 中嶋 滋
日本労働組合総連合会雇用法制対策局長 長谷川 裕子
日本労働組合総連合会国際局部長 大久保 暁子

(2)使用者側
日本経団連国際協力センター参与 鈴木 俊男
日本経済団体連合会国際労働政策本部長 讃井 暢子
日本経済団体連合会労働政策本部長 川本 裕康

(3)政府側
厚生労働省大臣官房総括審議官(国際担当) 長谷川 真一
厚生労働省大臣官房国際課長 村木 太郎
厚生労働省大臣官房国際課海外情報室長 野地 祐二
厚生労働省大臣官房国際課企画官 辻田 博
厚生労働省大臣官房国際課課長補佐 宮原 真太郎
外務省大臣官房国際社会協力部専門機関課長 山田 洋一郎

4.議題
(1)2004年年次報告について(協議)
(2)第92回ILO総会について(報告)


5.議事要旨
(司会)
それでは第3回ILO懇談会を開催いたします。私、厚生労働省大臣官房国際課長の村木が、本日の司会を務めさせていただきます。はじめに、開催に当たりまして、主催者であります厚生労働省の長谷川総括審議官から一言御挨拶をさせていただきます。

(長谷川総括審議官)
本日はお忙しいところ第3回ILO懇談会にお集まりいただきましてありがとうございます。
この懇談会は御承知のとおり、144号条約が我が国においても昨年6月に発効いたしまして、昨年8月が第1回、今年の4月の第2回に引き続きまして、今回が第3回の会合となります。今回の会合におきましては昨年8月の会合と同様に、既批准条約の年次報告等についての協議を中心に議論を行いたいと考えております。本日お集まりいただいた労使のメンバーにおかれましても、本懇談会が建設的に行われ、意思の疎通がより一層深められるよう、御協力のほどをよろしくお願い申し上げます。
また、本日来ていただいております関係各省庁、そして省内他部局の皆様のいろいろな協力に感謝を申し上げますとともに、この懇談会の議論を踏まえて今後とも引き続き御協力のほどをよろしくお願いいたします。

(司会)
つづきまして出席者の皆様の紹介をさせていただきます。
労使、政の順番で御紹介します。
まずは連合の中嶋総合国際局長、長谷川雇用法制対策局長、大久保国際局部長、続きまして使用者側の鈴木日本経団連国際協力センター参与、讃井日本経団連国際労働政策本部長、川本労働政策本部長、最後に政府側は、ただいま御挨拶申し上げました長谷川総括審議官、私が国際課長の村木、国際課海外情報室長の野地、同じく国際課の辻田企画官、ILO担当の課長補佐の宮原、そして今日は外務省から国際社会協力部の山田専門機関課長がお見えになっています。

(司会)
それでは、早速議題のほうに入りたいと思います。議題1は、2004年年次報告についての協議でございます。まず、政府側より報告案について御説明いたします。

(政府側説明)

(司会)
以上が政府報告案の説明でございます。このあと、労使双方の御意見を伺ったあと、質疑応答に移りたいと思います。
それではまず、労働者側の御意見について御説明をお願い申し上げます。

(労働側)
29号については、条約の適用とは直接の関係はありませんが、連合は日本政府に対して、被害者に対し、被害者の納得のいくような措置を追求するように、これは改めてという形ですが、引き続き求めていきたいと思っております。
これについては、強制労働、強制連行問題について、未払賃金の問題がありまして、当時の金額にして合計約1億円東京法務局に供託されたままになっていまして、特に死亡弔慰金が遺族の方に渡っていない状態です。また法的に請求権がないという取扱いになっているために、供託されている金額が遺族・御本人のところに渡らず宙に浮いた存在になってしまっていますので、そういう問題について納得のいく措置がとられないと、確かに連合としてもILOの問題として取り上げられるべきではないという見解を持ってはおりますが、関係国の代表等の理解を得るというのもなかなか難しいという現実もありますので、あえてコメントさせていただきます。

144号に関しては、たとえば未批准条約について、その条約がなぜ批准できないのかなど、問題点を明らかにして、それをどのように克服していくのかということを政労使三者で協議していくという役割が当懇談会の大きな役割だと思っていますので、全面的、率直かつ有意義な協議がなされるべきだという考えを持っております。

(司会)
ありがとうございました。
続きまして使用者側の御説明をお願いいたします。

(使用者側)
検討いたしました結果、特段加筆修正すべき記述はない、とさせていただいております。

(司会)
ありがとうございました。
以上、政府側からの御報告と、労使それぞれの御意見について御説明いただきました。
これらにつきまして、御意見、御質問がありましたらお願いいたします。

(使用者側)
年次報告で労働基準法第5条違反容疑で労働基準監督官が検察庁に送検した件数等の記載がなされているところがありますが、傾向として上がっているのでしょうか、下がっているのでしょうか。

(労働者側)
「権限ある機関への報告の義務」について、ILOで議論されたことが国内の政策の中に反映されるべきだと考えておりますが、今のやり方には少し疑問もあり、この場でも議論すればいいのではないかと思います。

(使用者側)
船員の身分証明に関する条約に係る権限ある機関への報告のような海事の案件についても、協議ではなくとも、この場で報告をしていただいたほうが望ましいと考えます。

(司会)
ご指摘の点については、柔軟な対応に努めたいと思います。
「権限ある機関への報告」ということについては、内部で一度議論したいと思います。また、世の中一般への周知という観点も重要だと考えます。また、未批准条約については、伺った問題意識を踏まえ、実質的な議論ができるような用意をしたいと思います。

(労働者側)
国会への報告をどうやってするかということに関して、厚生労働委員会を活用するなどの方法があると思います。
また、ILO総会の報告を労使の方が政府よりもよく知っているように感じます。労使のほうが早く情報が伝わっていて、その情報を活用していくスピードが速いのではないかと思います。

(山田外務省専門機関課長)
29号条約について、この場でありましたお話は当省でも報告して、これから外務省として何がしていけるのかをよく考えていきたいと思っております。

(政府側)
使用者側から御指摘のありました件数の傾向についてですが、一度きちんと整理させていただきたいと考えております。

(司会)
それでは議題1の年次報告案についてはこれで終了させていただきます。なお今後の取扱いについては、政府報告案については今日出ました御意見も含めまして関係省庁に送付して、報告案の修正も含めて検討させていただきます。また労使の御意見について、最終的に労使の御意見を添付する形でILOに提出いたします。

続きまして議題2の第92回ILO総会について御説明いたします。

(政府から説明)

(司会)
総会に出席されました皆様方、それぞれ御意見、御感想をお願いします。

(使用者側)
今回は、ソマビア事務局長の第2期ということで、新しいページが開かれた総会だったと思います。ワールドコミッションの報告書に書かれているように、ソーシャル・ダイアログが大切になってきており、グローバルプレーヤーとしてのアカウンタビリティ、情報開示、そしてコラボレーションが重視されていくというのが今後のILOの流れになるのではないかと思っております。

(労働者側)
ワールドコミッション報告は、実施をどうするかが問題です。その点、ソマビア事務局長来日時のシンポジウムは意欲的でいいことだと思います。労働側としても、報告を参考として、果たすべき役割を考え、進めていきたいと思います。

(長谷川総括審議官)
今のお話でもありましたが、ワールドコミッション報告を今後ILOがどのように展開していくのかというのが最重要ではないか、という気がします。今後ILOとして具体的に理事会でどういう議論をしていくのかというのが一つのポイントだと思います。
もう一点として、いろいろな国際機関の間の連携というものに関心が持たれてきています。経済政策や社会問題をやっている国際機関ともっと議論を深めるべきだということで、ワールドコミッション報告でいえばブレトンウッズの機関とか、国連とかWTOとか、そういうところでもっとILOを含めたいろんな議論がなされるべきだと思っております。ILOだけで決められる話でもないので、議論の動向を注視しなくてはならないと考えております。

(司会)
他に御発言が無いようでしたら、議題2を終了させていただきます。
本日はこれで閉会といたします。どうもありがとうございました。

−了−

照会先:
 厚生労働省大臣官房国際課
 国際労働機関第2係
 03-5253-1111(7310)
 03-3595-2402


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