04/07/29 独立行政法人評価委員会第9回調査研究部会議事録          厚生労働省独立行政法人評価委員会 調査研究部会                  第9回議事録           日時 平成16年7月29日(木) 15:00〜17:15           場所 東海大学校友会館 富士の間 出席委員 岩渕委員、五十嵐委員、大久保委員、岸委員、黒澤委員、酒井委員、      清水委員、武見委員、田村委員、政安委員、安井委員 1.開会 ○大久保部会長  それでは定刻になっておりますので、ただいまから第9回の独立行政法人評価委員会 調査研究部会を開催させていただきます。きょうは珍しく全員お集まりになってお一人 の欠席もない、大変ありがたいことでございますけれども、本当に、前回も申し上げま したけれども、期末のお忙しいところをお集まりいただきまして。よろしく。ありがと うございました。早く部会を進行させたいと思いますので、よろしくお願いいたしま す。  初めに、前回、退任のご挨拶をいただきました川尻評価官のご後任として、7月23日 付で岩渕豊新政策評価官が着任になっていらっしゃいますので、まずご挨拶をお願いし まして、あわせて本日の議事について簡単にご説明いただきたいと思います。よろしく お願いいたします。 ○岩渕政策評価官  7月23日付で政策医療評価官に着任いたしました岩渕でございます。前任の川尻同 様、ご指導のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。  本日の議事でございますが、産業医学総合研究所の個別項目に関する評価をお願いい たします。この評価に入ります前に1点、報告事項がございまして、7月23日付で総務 省のほうの政策評価独立行政法人評価委員会・独立行政法人分科会というところで、役 員退職金の業績勘案率に関する方針が出てございました。これにつきまして、初めにご 報告をさせていただきたいと思います。 ○大久保理事長  よろしくお願いいたします。それでは今のご提案どおり、役員退職金の業績勘案率に 関する方針ということで、きょうは産業医学総合研究所でございますけれども、この役 員退職金の業績勘案率に関する方針につきまして、再度ご報告をいただくということ で、よろしくお願いいたします。 ○岩渕政策評価官  それでは、お手元の配付資料の中で、資料1−1、それから参考資料1−1,1−2 という3つを用意してございます。独立行政法人の役員の退職金の支給率に関しまして は、この部会でもすでにご議論いただいたと承知していますが、、昨年の12月に閣議決 定がございまして、参考資料1−1というものでございます。  この参考資料1−1の閣議決定におきまして、独立行政法人の役員の退職金の支給率 について、平成16年以降の在職期間に関しては、役員の退職金について、「1月につい て俸給月額の100分の12.5を基準として、これに対して各府省の独立行政法人評価委員 会が0.0から2.0の範囲内で業績において決定する業績勘案率を乗じたものとする」とい うように各省に要請すると、こういう内容で閣議決定がされたわけでございます。  この閣議決定を受けまして、厚生労働省の独立行政法人評価委員会総会におきまし て、「独立行政法人の役員の退職金にかかる業績勘案率の決定方法について」というこ とで、今年の3月30日にご了解いただきまして、その後、この部会でもご了解いただい たというように聞いておりますけれども、それが参考資料1−2でつけているものでご ざいます。業績勘案率につきましては、「その個別評価項目ごとの評価結果に応じて、 評価結果に対応する率を定める」などの内容となっておりました。  先般、総務省のほうの政策評価・独立行政法人評価委員会の独立行政法人評価分科会 というところで、着眼点の議論がございまして、先週でございますが、7月23日にこの 総務省の評価委員会において、「役員退職金に係る業績勘案率に関する方針」というも のが決定されました。それが今お手元にお配りしております資料1−1でございます。 これで見ますと、「役員退職金に係る各府省独立行政法人評価委員会からの業績勘案率 の通知に対し、政策評価独立行政法人評価委員会として意見を述べる際の当分科会の検 討に当たっては、以下の方針とする」。  「業績勘案率は、独立行政法人の役員退職金を国家公務員並にするという今般の退職 金の見直しの趣旨にかんがみ、1.0を基本とする」。  「各府省の独立行政法人評価委員会からの通知が1.0を超える場合など厳格な検討が 求められる場合には、当分科会としては、算定に当たっての客観性の確保を、法人の業 績または担当業務の実績の反映重視を基本に、以下の観点から厳しく検討を行う」。  というようなことでございまして、以下続くわけでございますけれども、この内容を 3月の厚生労働省の評価委員会でご了解いただいた決定方法と比較いたしますと、いく つかの点で問題となり得る事項があるということがわかってまいりました。例えばでご ざいますけれども、法人設立直後で業務実績評価が存在しない場合には、当初の評価委 員会で示された方法ですと、年度業績勘案率を1.0とするということでお決めいただい ておりましたけれども、総務省の評価委員会では、当該機関の法人等の業績を客観的・ 具体的根拠によって認定していこうということになっています。  同じく、役員の退職時点において、この評価がまだ行われていないような場合につい て、当初の評価委員会では、「直近年度の年度業績勘案率を用いることにする」という ことをお決めいただいておりますけれども、これについても「法人の業績を客観的・具 体的根拠によって認定する」ということになっております。さらには、役員の職責との 関係ですけれども、当初の評価委員会では法人ごとに算定するということで、役員によ る差別化はしていないわけでございますけれども、総務省の評価委員会では、「理事 長、理事、監事等の個々の職責に応じた形で算定されていること」ということが書いて ございます。  いずれにいたしましても、この閣議決定を見ますと、「厚生労働省の評価委員会が業 績勘案率を決定するに当たっては、総務省の評価委員会に通知する」ということと、そ れから「総務省の評価委員会は意見を述べることができる」ということが、もともとル ールとして決まっておる関係上、現状のように、このように考え方で齟齬がございます と、今後、具体的なこの業績勘案率の通知に際して、いろいろ意見が出てくる可能性が あるというような状況でございます。  そこで今後、この当省のほうでお決めいただいた決定方法について、総務省の評価委 員会におきましてご議論をいただきまして、その結果を踏まえて、当省の評価委員会で 改めてその業績勘案率に基づく方法を議論していただく必要があるのではないかという のが、現在の状況でございます。これは具体的にまた総務省のほうと調整をいたしまし て、今後、そういった段階になりましたらば、ご相談させていただければというふうに 考えています。以上のご報告でございました。 ○大久保部会長  ありがとうございます。それではただいまの事務局のご説明に何か? きょうはご質 問だけということになるかと思いますが、ございましたらよろしくお願いいたします。  ございませんでしょうか。それでは、特になければまた総会のほうでの議論も踏まえ ながらということになるかと思いますので、この部会でもまた後ほど、ということでご ざいます。そうですね。 ○岩渕政策評価官  はい。 ○大久保部会長  そういうふうになりますので、よろしくお願いいたします。 2.議事 (1)独立行政法人産業医学総合研究所の個別評価について ○大久保部会長  それでは、きょうの本題でございますけれども、産業医学総合研究所の個別項目につ いて評価を行います。まず、評価の視点の追加につきましてご説明いただきますので、 事務局のほう、よろしくお願いいたします。 [評価の視点の追加] ○田中労働基準局安全衛生部計画課調査官  それでは、私のほうから説明させていただきます。前回、産業安全研究所におきまし てご説明したことと同様でございます。簡単に申し上げますと、昨年11月に総務省の政 策評価・独立行政法人評価委員会からの意見ということでご指摘いただきまして、その 指摘の中に、「トップマネジメントの分析・評価等について、その反映、具体化が行わ れることを要望する」とのコメントがございました。  これを踏まえまして、平成15年度の実績評価におきましては、その評価の視点といた しまして、第2の「業務運用の効率化に関する事項」のうちの1の「効率的業務運営の 確立」の中の、さらに(2)の内部進行管理の充実というところが、マネジメントの包 括的な項目であるということから、その部分に「法人の長がリーダーシップを発揮した マネジメントの体系化」という項目を追加するということでございます。以上でござい ます。 ○大久保部会長  ありがとうございます。それでは、ただいまのご説明に何かご意見、ご質問はござい ますか。これも前回、前評価会と同じ内容でございますけれども。  よろしゅうございますでしょうか。ありがとうございます。それでは事務局の提案ど おり、評価の視点を追加させていただきますので。よろしゅうございますか。  ありがとうございます。それでは、このようにさせていただくということで、実際の 評価に移らせていただきます。まず、評価の進め方につきまして、これも前回の評価部 会と同じでございますけれども、事務局のほうからご説明をお願いいたします。 ○岩渕政策評価官  それでは、まず初めに理事長から、法人の平成15年度の事業のうち特に重点的な事項 につきまして、10分程度で報告をいただきます。そのあと、個別項目の評価に入るわけ でございますけれども、項目を4つのグループに分けまして、このグループ単位で法人 のほうから業務の実績のご説明をいただきます。  大まかな時間配分といたしましては、この1グループについて、法人のほうからのご 説明をいただく時間が20分、それに対する質疑時間が10分、そしてそのあと、評価シー トに実際にご記入いただくのが10分ということで、一応40分です。これを4回行いまし て、全体で160分。最後に総括として5分ほど時間をとるということですと、予定してい る6時ごろになるという計算でございます。このとおり、なかなかいかないかとは思い ますけれども、目安としていただきまして、長時間でございますが、どうぞよろしくお 願い申し上げます。 ○大久保部会長  ありがとうございました。特にこれにつきましては、ご質問等ございませんでしょう か。それでは、そのとおりで。先ほどご説明がありましたように、一応の目安というこ とで、活動内容によりまして、多少の長い・短いがあると思いますので、その点もご承 知の上で、よろしくお願いいたします。  それでは最初に、産業医学総合研究所の荒記理事長から、法人の平成15年度の事業及 びこの事業のうちの特に重点的な事項についてのご報告をお願いいたします。よろしく お願いします。 ○荒記産業医学総合研究所理事長  産業医学総合研究所の荒記でございます。よろしくお願いいたします。早速ですが、 重点事項の説明に入らせていただきます。資料4−3−2の「平成15年度の業務の実績  重点項目」と、同じく資料4−3−1の「評価シート」、この2つの資料をもとにご 説明申し上げます。  まず最初の資料、4−3−2でございます。この2ページをお開きいただきたいと思 います。「重点項目」の2ページでございます。このページの上段の右下に表番号「3 」とありますこの表は、研究所の業務運営の、言ってみれば憲法に当たります「独立行 政法人産業医学総合研究所法」の条文でございます。ここで研究所の運営の目的と業務 範囲が規定されておりまして、この規程を第一に研究所は重要と考えまして、まずこの 条文を、研究所の職員全員に周知徹底を図りつつ、研究所の運営が進められておりま す。  また同様に、ここに示しませんが、独立行政法人通則法にも、重要な根本的な規定が あります。それは、業務を行うにあたって、1番目は公共性、2番目は業務の透明性、 及び自主性、この3つの項目を研究所運営の基本とすべきという規程がありますもの で、この考えに基づいて研究所の運営を行っております。  また、特にこの中期計画の実施に当たりましては、別に業務の、1番目は効率化、2 番目は質の向上、3番目に財務の改善、この3つの目標が掲げられておりまして、この 目標を達成するように、全般的、基本的な方針として努力をしております。  次に、2ページの下の表の4でございます。ここに産業医学総合研究所のマンパワー とファイナンス(財政)、及び3番目のインスティテューションの各指標となる数字を 示してあります。このように当研究所は、独法の研究機関の中で中規模の研究所に当た ります。ただし、厚生労働省の3つの独法の研究所の中では規模が大きい研究所ですの で、相対的には、なかなか小回りをきかすのは難しい組織だと理解しております。  次に3ページの上段の表でございますが、この研究所の組織を示しております。特筆 すべきことは、今回の評価年度の4月1日に、長年懸案となっておりました国際研究交 流情報センターの設置が認められたことでございます。この国際センターの発足により まして、平成15年度の1年間の研究所業務がこの新しい体制のもとで行われるようにな り、このことが研究所の質の向上と効率化にかなり貢献していると喜んでおります。  次に3ページ下段の6番の表でございます。ここに法人の長のリーダーシップの表が 出されております。これは実際、研究所の企画調整部と庶務課でまとめられた表でござ いまして、要点はここに書かれているとおりと。私も、このようなものだろうと理解し ております。  1番目は、理事長がまず研究所の使命と役割を、あらゆる機会を使いまして所員に明 示しまして、意識改革を徹底していくということで、これをやっております。  2番目に、同様に中期計画に定めた事項ごとに所内の担当部長を任命いたしまして、 年度計画の達成に努めております。これは評価項目22項目を中心に、プラスいくつかの 項目を含めて担当を決めております。  3番目に、毎月の研究職員の研究集会をやっております。これは、いわゆる学会発表 みたいなものでございますが。月1回やっておりますが、ここでの研究員の業績の報告 と研究発表につきまして、個人ごとに理事長が講評し研究指導をしております。  4番目に、同じく研究所の管理・運営業務の実施に当たりまして、さらに各種の行事 を開催するに当たりまして、各担当者と理事長が直接、事前の打ち合わせを行います。 また、事後の改善措置のほうの徹底を図っております。  この当研究所業務のリーダーシップのとり方、これは非常に難しい問題でございまし て、いろいろ問題があると思いますが、これにつきましては基本的に、私の個人的な問 題ですが、前任の国立大学医学部の公衆衛生学講座の主任教授を19年間務めておりまし て、このときの研究業務、教育業務、社会活動の業務の経験が参考になっております。 また若いころ、特に産業医学に関しまして、産業医学発祥の地でありますイギリスのロ ンドン大学の大学院のマスターコースで学んだことがあるのですが、この内容は日本で は当時学べなかった内容でございますが、このとき学んだ産業医学の体系と、行政機 構、及び事業所の医師の実務の実際、これは実習として行いましたが、さらにこういう ことを含めた実地教育を受けたことが非常に役立っております。  次のページ、4ページでございます。4ページの下段の表の8をごらんいただきたい と思います。これは当研究所が事務局となりまして、旧労働省の「21世紀の労働衛生研 究戦略協議会」がまとめました、今後10年間日本で行うべき労働衛生の3つの重点研究 領域と18の重点研究課題を示しております。  次の5ページ上段には、さらにこれらの重点研究を推進するための8つの推進戦略と いいますか、推進方策を示しております。これら3つの重点領域、18の優先研究課題、 8つの推進方策が、産業医学総合研究所の研究内容の基本的な方針になっております。 例えば、研究テーマの役に立つ等でございますが。現在はこの協議会に続きまして、労 働衛生重点研究推進協議会を組織いたしまして、以前の協議会と同じように、厚生労働 省安全衛生部の指導のもとに、国レベルで行うべき18研究課題の研究の推進を図ってお ります。  次に、5ページの下段から8ページ上段までをまとめてごらんいただきたいと思いま す。この5ページの下段からでございますが、産業医学総合研究所の研究業務のもう一 つの基本的な指針は、行政ミッション型の調査・研究機関となることを目指して、最先 端の行政課題を研究所の重点研究課題として積極的に取り込んでいくことでございま す。ここに示しました表の研究課題(1)から(6)までは、国の第10次労働災害防止 計画の行政課題となっておりまして、その行政課題と研究所で実施中の研究課題を対比 させたものでございます。  例えば現在、職業性疾病の発生に関しまして、じん肺の問題が大事な問題の1つとし てありますが、このじん肺に関する研究では、3つの課題の研究を所内で実施しており ます。同じように、そのほか、この職業性疾病の発生に関しまして、腰痛等の筋骨格系 疾患、IT化に伴う眼精疲労、それから騒音障害、振動障害、及び熱中症と、これが10 次防で大事な項目になっておりますが、これらの研究を同様に、この青印で示した研究 を所内で実施しております。  次は6ページの上段から7ページ上段にかけましての研究課題(2)から(4)でご ざいます。これは同じく10次防の化学物質による健康障害にかかわる行政課題と、それ に対応した研究所の研究課題でございます。読み方は同じでございます。太字で示した のが10次防の基本的な行政課題、青字が研究所の現在進行中の研究テーマでございま す。  さらに、7ページ下段の研究課題(5)のように、最近の行政上の最重要課題の1つ であると言っていいと思いますが、いわゆる過重労働と職場のストレスによる健康障 害、及びそれに伴ういわゆる過労死の問題につきまして、同じように、ここに示しまし たような研究テーマで研究を所内で行い、また8ページ上段のように、快適な職場環境 の推進と、10次防のこの課題と対応する意味で、3つの研究テーマで研究を続けており ます。  最後でございますが、最後に8ページ下段から最後のページまでに、この1年間の研 究所の主要な業務実績をリストアップいたしました。これらにつきましては、評価シー トをごらんいただきまして、研究所としてこの1年間に特に実績が上がったと考えます 自己評価でSをつけさせていただきました4項目と、もう1つ、限りなくSに近いと考 えます自己評価Aの1項目をごらんいただきたいと思っております。もう1冊の評価シ ートのほうをごらんいただきたいと思います。  この評価シートの1ページをごらんいただきたいと思います。1ページの一番右側の カラムに、「平成15年度の業務の実績」という見出しで、今後同じページに書かれてい るのですが、これをごらんいただきたいと思います。このページの評価項目は、真ん中 よりちょっと上の(1)の「効率的な業務運営体制の確立」でございます。これが、22評 価項目の今回の1番目の評価項目でございます。この評価項目に対しまして、研究所で は、このページの下段の真ん中に示しましたように、自己評価としましてSをつけさせ ていただきました。その根拠はここに示したとおりでございまして、基本的な根拠をあ げております。これは後ほど、こちらの企画調整部長のほうから詳細なデータは提示さ せていただきます。  次のページをごらんいただきたいと思います。次の2ページでございます。同じく右 側をごらんいただきまして、3行目の(2)の「内部進行管理の充実」とありまして、こ れが第2番目の評価項目でございますが、ここの同じく下段の真ん中に、自己評定とし まして、限りなくSに近いのですが、Aという評価を掲げます。その根拠は、同じよう にここに記入したとおりでございます。これも、後ほど説明させていただきます。  次は、5ページでございます。これも同じく、自己評定Sをつけた項目でございまし て、この右側のカラムの(1)と書いてあります「労働現場のニーズの把握と業務への 積極的な反映」という評価項目でございます。これも同じく、Sとした理由はこの下段 の真ん中に書いてあります。あとで、これもご説明申し上げます。  次は、9ページでございます。同じく9ページの右側のカラムの上から5行目、(4) と書いてある太字の項目でございます。「労働衛生に関する国際基準、国内基準の制改 訂等への科学技術的貢献」と。この評価項目に対しまして、同じく真ん中の下のように 自己評定Sをつけさせていただきました。これは同様の理由でございます。  最後に14ページをごらんいただきたいと思います。これが最後でございます。右側の 4行目ですか、(3)とあります。「国内の労働衛生研究の状況の把握及び労働衛生研究 機関への情報の提供」という評価項目でございます。これも同じく、この真ん中の下に 書きました理由からSをつけさせていただきました。私の報告は以上でございます。ど うもありがとうございました。 ○大久保部会長  ありがとうございました。それでは今のご報告にありましたように、重点的な事項に つきまして何かご質問等ございますでしょうか。ありましたら、お願いいたします。  はい。どうぞ、清水委員。 ○清水委員  パワーポイントのほうの3ページ目の下の「法人の長のリーダーシップ」ということ で、今回から新たに項目としてまた入ったということですけれども、ここで書かれてい ることは、いろいろ指示されたり、かえって徹底されたりということですが、そのほか に、例えば財務の面に限って言いますと、期間の途中で適時な、モニタリングというの でしょうか、法人の進捗状況をチェックされたり、それの状況によっては適宜な指示を 出されたりということだと思いますが、どのようなヒントでそういった財務的な途中の 実績を、フィードバックをモニタリングされているかというような点をまず1点、お聞 きしたいと思います。 ○荒記産業医学総合研究所理事長  年に4回ほど、いわゆる役員会議と称する会議をやっておりまして、ここに会計監事 さんもいらして、詳細な報告を行います。主にそこで、財務の関係は非常に難しいこと が多いのですが、私どもが理解できないことも結構あるのですが、基本的な問題として はそこでまず内容の理解と、それから具体的にどうすべきかという。ここに出席してい るのは役員――理事長、理事、それから監事、及び研究職員を代表する企画調整部長及 び庶務課長でございます。これで議論して、私のほうで、できる指示を出しておりま す。  ただ、やはりこれはこういう、特に国の研究所の今までのいろんな行政のやり方があ りまして、もう一度現場に戻して考えていただいて、最終的にどうするかを決めるとい う段階を追っております。ですから、私なりに必要な指示はすべて出しております。た だ、私の出した指示が全部履行されるわけではなくて、十分な検討をされた上で履行さ れないものも出てくるわけで、それは当然な形だと思いますが。要するに、理事長を含 めた担当者の全体の話し合いで決めております。  ただ、私は研究のほうから進みましたもので、かなり財務についてはわからない面が あるのですが、ただ、私が考えてやっぱり必要だと思う指示は出しております。 ○清水委員  今のお話ですと、年に4回というお話でございますね。 ○荒記産業医学総合研究所理事長  あとはふだんのいろいろな…。例えば部長会議と称する会議を月に1回やっておりま す。それから、これも監事を除く部長以外の方々が十分、毎月1回、2〜3時間かけて 議論をいたしますもので、そこで月1回、議論をしております。  あとは月1回の、いわゆる業務集会と研究集会というのは、別々に月1回やっている のですが、そこでも出てきた問題、これは所員全員出席しますもので、そこで議論を し、一応私のリーダーシップでやることになっておりますもので。そういう形です。  それからふだん、特に財務に関しましては、所内の庶務課長及び財務関係の係長2人 が担当でございますから、その方々とはふだんから、必要があればいつでも会って話を しております。 ○清水委員  すみません、ちょっと確認させていただきたかったのは、試算表なり、財務の途中の 段階のものが、役員会議なり部長会議なりに上がってきて、チェックされるタイミング というのは、月次でやられているというお話でございましょうか。 ○荒記産業医学総合研究所理事長  いや、それは。つい先日も役員会議で会計担当監事の監査で問題が出たのですが、会 計担当監事からは、会計を毎月月内で処理すべきだという意見が出ているのですが。時 間的な関係で難しい面がありまして。できるだけ、そのようにやるように努力しており ますが、でも必ずしも毎月単位で会計処理がやられているわけではないのです。ただ し、検討は今申し上げましたような複数の会議で、例えば部長会議では月に1回検討し ております。問題がありましたら、月単位で検討しております。 ○清水委員  すみません、それから今ごろこういうご質問をして恐縮ですけれど、先ほども、実は 最初の重点項目のところでお聞きすればよかったお話で、また先週もお聞きすればよか った話ですが、評価の視点、その法人の長がリーダーシップを発揮したマネジメントが なされているかということについて、その大きな括りの中で、業務運営の効率化に関す る事項の中に入っているのがなぜなのかなというのが、ちょっと気になっているんです けれども。あるいは、国民のサービスとか財務とか、それの前に来る話ではないのかと も思うのですけれども。これは先週の法人さんも共通する話なのですが、ここになぜ入 るのかということをご説明いただけたらと思います。 ○田中労働基準局安全衛生部計画課調査官  トップマネジメントということで、要するにマネジメントの包括的な評価項目として は、内部進行管理ということで、具体的にはトップの関与というのが評価できる項目と しては、ここが一番適切ではないかという判断のもとに、この項目に入れさせてもらっ たわけでございますが、確かに清水委員ご指摘の財務の部分においてやはりそこが、ど うトップマネジメントがされているかというところについても、これで読むほかないの かなというふうに理解したものですから、そこに入れさせていただきました。 ○大久保部会長  よろしいですか。ありがとうございました。そのほかにご質問等ございますか。  それでは、ございませんようですので、具体的な評価に入らせていただきます。資料 ナンバーが4−3−1、「評価シート」を参考にしていただきながら、まず第1グルー プの評価シート、右下の項目番号で1から4までの実績について、ご説明をお願いいた します。よろしくお願いします。 [個別項目1〜4の評価] ○本間産業医学総合研究所企画調整部長  産業医学総合研究所企画調整部長の本間でございます。よろしくお願いいたします。 座って説明いたします。  初めにお手元の資料で、資料4−3−3と書きました「平成15年度業務の実績、事業 報告書補足資料」としております資料がございますので、それをごらんいただきたいと 思います。その2ページ目を見ていただきますと、まず冒頭に産業医学総合研究所の組 織表がございますけれども、組織としてはそのような部構成になっております。それか ら、職員としては、そこに掲げている人数で運営しているというようなことでございま す。なお、常勤職員が平成16年3月末で74名ですが、平成16年4月に入って1名減とな りましたので73名となり、これは中期目標期間中の目標人数を、現時点では達成してい るということを申し述べておきます。  それからその下の「効率的かつ柔軟な組織体制」に関してですけれども、まず、部の 枠を越えた柔軟なプロジェクトチームを組んで研究課題を実行しているということでご ざいます。重点研究領域特別研究課題というのが産医研の中心的な研究課題になってお りまして、予算的にも人員的にも多大のものを投入しておるわけでございますけれど も、これは6課題同時進行しておりまして、このうちの5課題までは、複数の部からの 参加を得てチームを組んで実行しているということで、この重点研究領域、特別研究の 8割までは部の枠を越えているという形でございます。  それから採用に関してでございますけれども、次年度新規採用者公募。これ、次年度 は平成16年度のことを言っておりますけれども、それに関して公募をいたしまして、結 果として応募者が32名ございました。採用は2名決定いたしました。その結果、2名の うち1名は若手任期付の研究員の採用ということになりまして、これは産医研としては 若手任期付研究員を採用したのが今回初めてということになりました。  それから3月末で退職予定の者を、やはり平成16年から再任をすることといたしまし た。これも産業医学総合研究所としては初めてということになります。  それから全研究員の配置換えを検討いたしまして、研究員の約4分の1を、部間の異 動でございますけれども、15名の配置換えを決定いたしました。これによって、より適 切な部へ所員を配置するというようなことをやっております。  3ページにまいりますが、「組織体制の見直し」としてございまして、先ほど理事長 からも話がございました国際研究交流情報センターの開設がございました。これは平成 15年4月ですけれども、センター長以下専任の3名の研究員がおりまして、それに加え て各部から1名程度の研究員が参加して業務を行っているということでございます。業 務内容としては、労働衛生関連情報の収集・提供、国際研究交流、国際貢献、図書情報 業務というようなことで、そこに書いてあるとおりでございます。  実績としましては、国際セミナーを3回開催しておりまして、これは全身振動に関し てアメリカの研究員と、それからオフィスワークに関してスウェーデンの研究員と、そ れからJob Exposure Matrixと申しまして、作業環境と作業関連疾患の発生状況の解析 ということで、これはフィンランドの研究員とともに国際セミナーを開催したという実 績でございます。  それから、これは準備段階ですけれども、アジア労働衛生研究ナショナルセンター会 議というのを準備しておりまして。今年9月末から開催を予定しておりますけれど、こ れの準備ということを行っております。アジアの8か国からの労働衛生研究の主要なメ ンバーを招いて会議を行うことを計画しております。  それから、国際学術誌・業績誌等の発行ということでございますけれども、産医研の 英文国際誌Industrial Healthを年4回発行しております。これは年間で約50編ほどの 論文がのりますけれども、これの発行ということ。それから産医研年報。これは産医研 の業績等々、すべての情報がのっておりますけれども、これの発行。それから産医研 ニュースの発行。これは年2回。産医研ニュースには、各種の報告あるいはトピック、 技術情報等々、お知らせなどを掲載しております。これは年2回発行しております。  そのほかに、研究交流、共同研究、技術協力等々、多々ありまして、例えばJICA の派遣、研修生の受け入れ等々ございますので、これに対してもこのセンターが中心に なって対応しているということになっています。  これらの結果を受けまして、評価シートの1ページの自己評定につきましてはSとさ せていただいております。  それから3ページの下のほうにまいりますけれども、「内部進行管理の充実」という ことでございまして、調査・研究業務の効率化ということになります。これは、内部評 価委員会におきまして個人業績評価を実施しておりまして、評価項目としては、研究業 績、対外貢献、所内貢献、総合という各項目について5段階評価するということで、そ の結果において個人指導、配置換え、予算配分等に活用しているというふうになってお ります。  それから予算執行状況の把握ということでございますけれども、業務の進行状況を把 握するために、予算の執行状況について、随時LAN上で各人の執行状況が見られるよ うになっておりまして、それで各人ごとの予算の執行を把握して、そのことによって部 内予算配分を随時見直すというようなことに応用しております。  それから、4−3−3の資料でございますが、次の4ページに行っていただきます と、評価シートに関しては2ページでございますけれども、法人の長のリーダーシップ ということで、これは先ほど理事長のほうからお話し申し上げたような状況でございま す。  このようなことで、評価シートの2ページに関しましては、自己評定としてはAとい うふうにつけさせていただいております。  次に、評価シートの3ページにのっておりますが、このパワーポイント資料としては 4ページということになりますけれども。その下段ということになります。経費の節約 に関してですけれども、一般競争入札を徹底するというようなことをやりまして、施設 維持管理費5%、対前年比の減少、金額にして276万円ということになっております。 また、受変電設備定期点検につきましても、率にして13%、金額にして14万円の対前年 比減少ということになっております。  また、省エネルギーに関する職員の意識向上を図りまして、実験実施時期の調整、あ るいは廊下消灯等による経費削減を図りまして、対前年比の光熱水料は5.1%減、金額 にして350万円節減を図っております。  それから業務処理の効率化ということで、データ入力、定型的な機器分析、動物飼育 管理、図書整理等の定型的な業務がございますけれど、これについては外部委託という 形をとりまして、効率的な業務処理を図っております。  パワーポイント資料の5ページにまいります。その5ページの上のほう、評価シート でいきますと3ページですけれども、外部研究資金に関しましてですけれども、これに ついては、当研究所では文部科学省の科学研究費補助金、あるいは環境省の地球環境保 全等試験研究費、あるいは厚生労働省厚生労働科学研究費補助金等、平成15年度で合計 14課題をいただいておりまして、金額にして平成15年度で約1億800万円ということに なっております。そこに経年変化がのっておりますが、昨年よりは減っていますけれど も、平成13年度から見ますと、全体としては増加傾向にあるのではないかというふうに 認識しております。3年間平均すると、1億円程度ということになります。  それから、自己収入の確保に関してでございますけれども、これは4件の施設等の有 償外部貸与を行いました。これは産業医学総合研究所としては、有償外部貸与というの は初めてのことでございまして、そこに金額がのっておりますけれども、昨年まではそ ういう金額はゼロだったのですが、平成15年度になりまして、38万円という金額をいた だいております。  それから、公的機関等への技術協力ということで、様々な専門家派遣や資料の作成・ 提供等に協力しているということでございまして、平成15年度でその収入が613万円。 これは平成13年度から見ますと、396万円、621万円と来まして、平成15年度はほぼ平成 14年度並みの収入を得ているという状況でございます。  そのような結果にかんがみまして、評価シート3ページにつきましても、自己評定は Aとさせていただいております。  それから、パワーポイントの5ページの下段にまいりますと、評価シートの4ページ になりますけれども、これは「効率的な研究施設・設備の利用」ということで、研究施 設・設備の共同利用について、有償貸与できることをホームページで公表しておりま す。大型研究施設の共同利用の実績がありまして、これは振動に関する大型の研究施設 ですけれども、これについては4件ほどの共同利用がございました。その右のほうに振 動に関する、実際に共同利用をされた機械の写真がのっておりますけれども、写真のや や上のほう、奥のほうにシートがありますけれども、ここに人が座って振動を受ける と。それによって、快・不快等の生体影響を調べるというようなことに利用されており ます。  この振動装置は、6軸の振動を与えることができまして、x、y、z軸の3軸に加え まして、ローリングとかピッチングとか、合計6軸の振動を与えることができる画期的 な機械でございまして。聞くところによりますと、日本でもほとんどほかにない。ある いは、世界的にも珍しいというふうに聞いております。さらにその下、局所排気装置関 係、あるいは防振手袋関係の4件の有償外部貸与がございまして、これについて収入 は、先ほどその上のパワーポイントの図に示したように、金額としては38万円の収入が あったということになります。  そこで、評価シートの4ページの自己評定に関しましてはAということにさせていた だいております。以上でございます。 ○大久保部会長  ありがとうございました。何かご質問ございましたら、よろしくお願いいたします。 何かコメントも、もちろん。  どうぞ、酒井委員。 ○酒井委員  どうもご丁寧にご説明ありがとうございます。1,2点お伺いしたいのですけれど も、効率的かつ柔軟な組織体制をつくるためにということで、いろいろな試みをされて いるということはよくわかりましたけれども、全研究員の約4分の1を配置換えをされ た、15名だということですけれども、この配置換えをされたときの研究所としてのポリ シーというのですか、どういう視点でもって配置がされたのかというのを、1点教えて ください。  それから2点目は、さっきのこの国際研究交流情報センターの役割とか活動というの は大変立派なものだというふうに、私たち見せていただいているのですけれど、今年、 そのアジア労働衛生研究ナショナルセンター会議を今準備されているということですけ れども、この会議の目的といいますか、どういうことをねらってこういう会議をご準備 されているのかということを。とりあえずこの2点、補足していただければということ で。 ○本間産業医学総合研究所企画調整部長  では、ただいまのあとのほうのご質問で、ナショナルセンター会議を準備していま す。これはアジア各国では日本に比べてまだまだ労働衛生上の課題がたくさんございま して、例えば、ばく露濃度が高いとか、そういう問題がたくさんあるわけです。そこか ら我々の研究所として、データとしても、あるいは教訓としても学ぶことが非常に多い のでございまして、そういう情報を共有して、産医研の情報としてもほしいし、あるい はアジア共通の労働衛生の情報としてもほしいというねらいで、この会議を準備してお ります。  このような会議というのは、従前ほとんどなかったと思うのですけれども、この会議 によって、1つはネットワーク、労働衛生研究のネットワークをつくりたいということ がございまして、そういうねらいを兼ねて、さらに具体的に各国から責任者2人ずつが 集まって、顔を合わせて、具体的な各国の問題を提示し合って検討し、さらに今後の研 究課題にもしていきましょうと、そういうねらいでやっています。 ○荒記産業医学総合研究所理事長  最初のほうの、配置換えのポリシーでございますが、これは人事にかかわります問題 で、私のほうから答えさせていただきます。新しく独法化いたしまして、それぞれの組 織規程という、「それぞれの研究部では何と何と何をすべきだ」という厳密な規程がで きたわけです。それに合わせたということです。  では、従来はどうであったかと言いますと、その辺がかなりあいまいだったんです。 というのは、この研究所は一応医学研究所という名前がつきますが、いわゆる医学科出 身の方は10名弱でございまして、それ以外は主に理工系出身の方、一部、文学部とかあ るいは薬学とかで、今までは研究部にむしろ本人の出身の専門分野、例えば工学系とか 化学出身とかに合った研究部に配置されていたということがあります。  ところが最近、この5年、10年の間に、特にそれぞれの研究部の特徴がはっきり出て きまして。例えば最初の研究部であります作業条件適応研究部、これはストレスとかあ るいは過重労働の問題が行政的に非常に大事になりまして、ほかの研究部の理工系の方 が多数こういう研究をよりやりだしました。  それから2番目の健康障害予防研究部。基本的にはこれは、唯一実験が許される研究 部なのですが……、実験系、ライフサイエンス系の部だと私は理解しているのですが、 これも必ずしもそうなってない、前からここに別な方々が配置されていました。むし ろ、3番目の有害性評価研究部のほうにそういう実験系の方が半分ぐらいいたというよ うなことがありまして。特にライフサイエンスの研究は少数制で行くほかないので。あ まりほかに人員を集中させるわけにいかないわけで、現場の研究が大事なわけですか ら。ですから、本当にその専門の方だけそこに集めました。  それから3番目の研究部の有害性評価研究部。これは基本的には、国内で労働災害が 起こったときに、それに健康面で対応する、要するに健康障害の原因の追究ですね。と ころが、ここには過去にはかなり、実験系が半分ぐらい入っていたというようなことが ありまして。それを改めて、労働災害に健康面で対応できる方及び疫学研究ができる方 を配置したということです。主にこの3つの研究部を中心に、かなりの数の配置換えに なったという次第でございます。  もう1つは、この研究所の過去の体制が、いわゆる主任研究官制度という制度をつく っておりまして、これに対比される体制が部長制度です。中堅を占める方々が独立し て、いわゆる一匹狼で、それぞれの独自の研究をやっていました。統制がとれていなか った面があるのです。それを部単位に合わせまして、研究部単位でそれぞれ組織規程に 決められた研究を中心にやるということで合わせたということでございます。 ○大久保部会長  よろしゅうございますか。 ○酒井委員  はい。結構です。 ○大久保部会長  それでは岩渕委員、お願いいたします。 ○岩渕委員  大胆な組織改革をやられたようで、ある意味では今まで何をやっていたのかというこ とが言えないこともないのですが、あえてそれを承知でやられたということは評価いた します。ですから今後、それによってどういう実績を上げていかれるかというのを注目 してまいりたいと思います。  それから、そのほかの質問ですが、その2ページ目のパワーポイントの下のところに あります役員退職金の引き下げ、業績連動とありますが、要するに引き下げたというこ とは業績が落ちたと、そういう認識でよろしいのかどうか。それで、どういったところ が落ちたのかということも知りたい。  3ページ目のところへ行きますと、国際研究交流情報センター。これは、私の聞き違 いでなければ、効率化という言葉がさっきちょっと出たように記憶しているので。どう いった点が効率化なのかというところがよくわからない。  それから、その下のところ、内部進行管理の充実で、調査研究業務の効率化で、内部 評価委員会による個人業績評価の実施ということで、もうちょっと評価の結果、どうい うふうなことが明らかになったのか、もう少し具体的な話をお聞きしたいと思います。  4ページ目では、一番下のところにありますが、業務処理の効率化で、外部委託とい うことですが、これによってどの程度の効率化が達成されたのか、具体的な数字も含め てお尋ねしたいと思います。  5ページの上のほうでは、公的機関への技術協力ということですが、これはもう少し 具体的な話で、例えばどういうところへ派遣して、どういうふうな形で有償にしたの か。どれぐらいの、稼ぎというと変ですが、収入があったのかというようなこともちょ っと、もう少し具体的にお話しいただけないかというふうに思います。以上です。 ○本間産業医学総合研究所企画調整部長  まず、最初の役員退職金の引き下げに関しましては、これは国の仕組みとして、確か 4月でしたか、国の委員会におきまして退職金規程が変わりまして、その際にそれに合 わせて引き下げるようにというような形で規程が変わったと思いますけれども。そうい うことを述べておりまして、実際に役員退職金に適用をして引き下げたとか、業績に合 わせてということになったということではないというふうに考えております。  それから、交流情報センターの効率化でございますか。交流センターに関して効率 化? ○岩渕委員  いや、センターを開設して、効率化に務めたというようなことがあったような気がす るんですが。聞き違いだったら……。 ○本間産業医学総合研究所企画調整部長  それは、センターに情報関係の業務を集中いたしました。センターがない状態では、 国際情報だとか、あるいは各種の労働衛生関連情報というのは、適当に、全所的にばら ばらに対応していたということでございますけれども、研究交流センターができたこと によって、そこで集中的にいろんな労働衛生情報、あるいは国際交流情報が集まります ので、具体的に言えば、所として把握する情報が漏れたりはしなくなるということで、 効率化になっているのではないかというふうに考えます。  それから、その下の調査研究業務の効率化でございますけれども、これは内部評価委 員会で個人業績評価を行いまして、先ほどのようないくつかの項目について5段階評価 するということで、その結果、例えば個人的に研究内容が計画に対してうまくいってい ないというような場合は、部会あるいは部長がその業務を円滑に進めるために、さらに 助言する、指導するというようなことに活用しております。  4ページに行きまして、下のほう、業務処理の効率化でございますけれども、これは データ入力等の比較的単純な業務を外部委託いたしまして、効率化を図っているわけで すけれども、これが数字的にどのくらいの効率化になっているかということになります と、直ちに効率化の程度を数字で示すのはちょっと難しいかというふうに考えておりま す。  それから公的機関への技術協力でございますけれども、専門家派遣や資料提供等でい ろんな派遣をしておりますけれども、これについては、添付資料をごらんいただけばよ ろしいかと思いますが。分厚い事業報告書の資料がございますけれども、その中で、添 付資料13というのがございます。そこで、役職員の委員派遣等というのがございまし て、ちょっとそこをあけてみます。分厚い資料で恐縮ですけれども、添付資料13「役職 員の委任・派遣等」をごらんいただきますと、上のほうから、厚生労働省のシックハウ ス問題に関する検討会、あるいは厚生労働省の安衛法のGLPの査察専門家会議、ある いはアスベストのばく露の労働者に発生した疾患の認定基準に関する検討会というよう なたくさんの、ここにリストアップされましたような委員会に派遣しているということ でございます。 ○大久保部会長  よろしゅうございますか。 ○岩渕委員  はい。 ○大久保部会長  どうぞ、黒澤委員。 ○黒澤委員  パワーポイントの経費節約のところの省エネルギーについて、ちょっとお伺いしま す。この書いてある内容を判断いたしますと、実験施設の実施時期の調整、廊下消灯と 極めて受身的な対応になっている印象があるんです。省エネというのは文科省でも、最 近は積極的な対応が求められておりますね。多分、ここは研究所ですから、空調関係の 電気代が非常に多いのではないかという感じを受けるんです。もう少し、きっちりと分 析していただけるとわかると思いますが、かなり省エネの対策が現在進んでおりますか ら、相当節約できるだろうという感じがあります。廊下の消灯というのはまさに、極め て受身的な対応でございましてね。もっと積極的な対応をすれば、もっと節約できると いうイメージがあります。それだけ、これは意見でございますが、ちょっとコメントさ せて貰いました。 ○本間産業医学総合研究所企画調整部長  ただいまのご意見ですけれども、省エネルギーに関しましては、ここに書きましたの は実験実施時期の調整、あるいは廊下消灯等の経費節減でございますけれども、お話に ありましたような空調関係の金額というのは確かに多いと思います。直ちにはその金額 の程度はわかりませんけれども。それで、今年のような猛暑のときも、猛暑になります と、どうしても空調をたくさん使うようになるのですけれども、これは所内放送で呼び かけまして、なるべく抑えるようにというような呼びかけを行って、現時点でも経費節 減に努めているというような状況でございます。 ○大久保部会長  よろしゅうございますね。はい。  ほかにありますか。どうぞ、清水委員。お願いします。 ○清水委員  すみません、手短に4点ほどお願いしたいのですが、退職金の金額が非常に今期、多 いなという気がするのですけれども、これはその辞められた方が多かったというふうに 思われるのですが、この点と、パワーポイントのその2ページ目の下のほうの組織換 え、あるいは採用等の関係があるのかないのか。その点を1点お聞きしたいと思いま す。  2点目は、今の経費の効率化のお話ですが、比較的数値を多く出していただいてい て、わかりやすい形でお示しいただいているのですが、先ほど委員の方からのご質問に ありましたように、外部委託をすることによってどれだけ、では節約が達成できたのか という点につきまして、確かに外部委託費はふえておりますので、その分、例えば職員 の方をほかの仕事に回すことができたとか、そういった点でお示しいただけたらいいの かなと思います。また後日、その財務に関するご説明を受けるような機会もあるという ふうに思いますので、もしできましたらその点をお願いしたいと思います。  3点目は、これはちょっと確認ですが、パワーポイント5ページ目の上のほうの、自 己収入ということで、施設等の外部貸与、技術協力、この部分は、その他事業収入とい うことで計上されているという理解でよろしいかどうかということです。  4点目は、同じくその自己収入のところで、残念ながら数値を見る限りでは、受託研 究収入というのはちょっと減っている傾向にあるように思えるのですが、この点につい てのコメントをお願いしたいと思います。 ○本間産業医学総合研究所企画調整部長  まず、今の受託研究課題が減っているということでございますけれども、平成14年度 に比べますと確かに減っております。これは文部科学省の科学研究費補助金がたまたま この平成14年で終わりになったのが、かなりまとまってございまして、それを補うほ ど、平成15年度から新たに獲得することができなかったということで、こういうものは どうしても波があると思いますけれども、波の悪いところへ乗ってしまったかなという 印象でございます。事実としては、科研費等々の平成14年度終了が非常に多かったのが 響いてしまったというような結果でございます。ただし、金額としては、依然としてか なり大きいというふうに認識はしておりますけれども。  それから……。 ○酒井委員  これ、新規と継続の比がわかりますか。 ○本間産業医学総合研究所企画調整部長  比ですか。 ○酒井委員  およそでいいんですけれど。 ○本間産業医学総合研究所企画調整部長  項目が多くて、ちょっと大雑把でも計算するのが大変だなということはありますけれ ども、件数にしますと、不十分な答えですけれど平成14年度で終わってしまったのが6 件ございます。そのようなことで、あとは平成15年度新規が1件ですか。というような ところで、大分金額も減ってしまったというようなことでございます。 ○大久保部会長  酒井委員、よろしゅうございますか。 ○酒井委員  ええ。 ○本間産業医学総合研究所企画調整部長  先ほどの自己収入は、その他の収入に計上しているということでございます。 ○大久保部会長  それから退職金の金額が多いのではないかといったようなご質問もあったと思います が。 ○産業医学総合研究所庶務課長  庶務課長の平田でございます。15年度の退職者につきましては3名発生しておりまし て、その関係で組織換えも多いということは影響しておると思います。以上でございま す。 ○清水委員  2点目に申し上げました効率化の部分については、では後日ご説明ということでお願 いできますね。 ○産業医学総合研究所庶務課長  後日、説明させていただきます。 ○大久保部会長  どうぞ、政安委員。 ○政安委員  パワーポイントの2ページに、役職員の退職金の引き下げは書いてございますが、評 価シートの1で、職員給与規程の改定に触れられているのですが、これについてはどの ようになされたかということをお聞きしたい。  もう1点は、パワーポイントの3ページの下段になるのですが、部内予算配分を随時 見直しているというのですが、どの程度の頻度で見直されているのか、お伺いしたいと 思います。  もう1点は、多分法人の中で使命とか役割を職員に明示して意識改革というのは、大 変努力されているようですが、何か特化して、特にこういうことをやられているという こともありましたら、お知らせいただけたらと思います。よろしくお願いいたします。 ○本間産業医学総合研究所企画調整部長  まず初めに、職員給与規程の改定でございますけれども、これは人事院勧告に従って 規程を変えたということで、人事院勧告に従った規程の変更というふうになります。公 務員としての給与ですので、そのように改定しております。  それから、パワーポイントの3ページの下の、内部評価委員会における個人業績評価 の活用でございますけれども、これは個人業績評価に関しましては、内部評価委員会で 年1回行うわけですけれども、そのほかに各部で部会というのをほぼ毎月1回程度行い まして、そこでその時点での予算の執行状況を把握するというようなことができます。  基本的には、そのような部会の場で、その執行状況をにらんで業務の進行と合わせ て、妥当な予算執行を行っているかどうかと、あるいは研究内容に対応して妥当な予算 の出費を行っているかどうかということも検討をしております。基本的に各部の部会が 月1回程度行われておりますけれども、そこでそういう問題を議論して、必要に応じて 予算の配分を見直しているというようなことでございます。  3番目の質問は? ○大久保部会長  法人の役割といいますか、それにウェイトづけをしていらっしゃるかどうか、という ご質問だったと思います。 ○荒記産業医学総合研究所理事長  今のご質問の意味は、むしろ独法の趣旨の徹底を具体的に何をやっているのだという 質問だと、私、理解しましたが、それでよろしいですか。 ○政安委員  はい。 ○荒記産業医学総合研究所理事長  では、それに対してお答えします。これは先ほどの私の発言に関係することでござい ますもので、答えさせていただきますが、例えば過去の研究所、国研時代の研究所、先 ほど申しましたように主任研究官制度で、特に基礎研究がかなり重視されておりまし て。まあ、時代の流れもあったわけですが。ですから、それぞれの研究者が何をやって もいいということだった状況……、そういう研究者がかなり多かったわけです。ところ が独法になりまして、もうかっちり業務範囲が、先ほど紹介しましたように法律で決め られておりまして。要するに労働現場での研究テーマの研究に限られるわけですね。で すから、それに合わせまして、単に基礎研究だけではこれはいかんと。むしろ行政の現 場のテーマ、行政及び各事業所の現場のテーマに直接関連した研究を、少なくとも1つ はやるということですけれども。  ただ、これはやっぱり研究者というのは、片側では自分の研究テーマを追求する傾向 がありますし、またそれが実力をつけるために必要な面がありますから、それは今まで どおり、それはやっても構わないのですが、ただ、少なくとも1つは現場のテーマに合 わせた研究をやる。じかに現場からデータをとるとか、あるいは仮に実験中心の研究者 であっても、その研究テーマが今の行政課題、例えばダイオキシンとかシックハウスと か、そういう行政テーマに直接関係がある実験研究、そのメカニズムを解明するような 研究であるというように絞ったというのが1点でございます。  もう1つ、趣旨の徹底の具体例は、あとはその徹底の方法といたしまして、例えば部 長レベルの方々には、部長会をやったときにそれぞれの研究部の報告を求めまして、そ こで何をやっているかというようなことを議論するということ。それから、それ以外の 一般研究職員の場合には、月1回の研究集会及び全体の業務集会をやっているわけで す。その2つの場で、それぞれ自由に発言して。もちろん、研究集会では、その研究者 1年間にやった研究をまるごと、自分の業績とやった研究内容と両方合わせて発表しま すもので、そこで議論して、一目瞭然、何を1年間でやったかということがわかります もので、そこではたしてそういう現在の動向に合った研究をやっているかどうか、これ もわかってくるわけで、これを議論しております。そう強制はしていないのですが、お 願いですね。すべて急に1つのやり方を徹底するのは無理な話でして、長い時間かけて やる。そちらの方向に、長い時間かけてもっていくという方向でやっております。 ○本間産業医学総合研究所企画調整部長  先ほどお答えしたことで、急いでお答えしたので、若干数字の間違いがございまし た。外部研究資金のところで、平成14年度で終了した研究課題が4件でございます。平 成15年度スタートはゼロということでございました。その数字を訂正させていただきま す。 ○大久保部会長  よろしゅうございますか。 ○政安委員  はい。ありがとうございました。 ○大久保部会長  それでは、そろそろよろしゅうございますでしょうか。評価の、もうお書きになって いるかもわかりませんが、お願いをいたします。 (各委員 評価シートに記入) [個別項目5〜10の評価] ○大久保部会長  大体10分前後経過してございますので、次に進ませていただいてよろしゅうございま すか。それでは第2グループの評価シート、項目5から10まででございますけれども、 実績について、よろしくご説明をお願いします。 ○本間産業医学総合研究所企画調整部長  まず評価シート5に関しまして、パワーポイント資料では6ページになります。上の ほうの「現場ニーズ把握・業務への反映」ということで、労働衛生重点研究推進協議会 を設けるということでございます。これは、平成12年に21世紀の労働衛生研究戦略協議 会というものが、労働衛生関係で18の優先研究課題というのを設定いたしまして、それ について優先課題として重点的に推進していこうということで、さらに平成13年度から 労働衛生重点研究推進協議会というのを設置して運営しているという状況でございま す。  この協議会の事業としては、公開シンポジウムを開催いたしております。18優先課題 につきまして6課題ずつ分けまして、3年間で6課題ずつ講演を行うということで推進 しております。1年ごとに18のうちの6課題ずつ講演を行い、さらに行政あるいは労使 からパネリストを集めまして、推進に関してパネルディスカッションを行うというよう なシンポジウムを終日行っております。この場で優先研究課題に関するいろいろな情報 交換、あるいは意見を収集するというようなことを行っております。  もう1つ、この協議会の重点的な事業の1つとして、21世紀の労働衛生研究戦略協議 会が策定した18優先研究課題別の研究実施状況を調査するということがございまして、 その1つとして国内の関連学会会員のアンケート調査を行ったということがございま す。これは、産業衛生学会等々の労働衛生関連の学会の会員へのアンケート調査でござ いまして、現在取り組んでいる研究課題、あるいは今後取り組みたい研究課題について お聞きしましてして、それが18優先課題のどれに分類されるかというようなことを調べ ました。その結果を集約しまして小冊子とし、配布いたしました。  さらにもう1つの事業として、国内の公表論文に関しまして調査を行いました。これ は労働衛生関連の1998年から2001年までの4年間の国内の公表論文について、その内容 を調査して、やはり18優先課題別に、どのような分野に分類されるかというようなこと を調査した結果であります。  その結果がその下に書いてありますけれども、これはその調査のほんの一部でござい ますけれども、左のほうはアンケート調査の結果でございまして、現在取り組んでいる 研究課題の中で、各研究者は複数の課題があるわけですけれども、その中で各自が最も 重要だと考える研究課題について、「その研究課題はどんなものでしょう?」というこ とをお聞きして、その18優先課題別に、どの課題に分類されるかというのをお聞きして おります。  その右のほうは論文調査の結果でございまして、やはり98年から4年間の国内での論 文について、その論文が18優先課題のどの課題に属するかということを分類して、数を 棒グラフであらわしたというものでございます。これで見ますと、研究者の研究課題、 あるいは論文で見ましても、その多い・少ないという分布が非常に似た形になっており まして、研究課題あるいは論文数で非常に多いものが、3番目のメンタルヘルス・産業 ストレス、あるいは7番目の化学物質の有害性評価、あるいは12番目の健康影響指標・ リスク評価というような課題、あるいは労働生活の質の向上に関する17番目の研究課題 が非常に多いということがわかりました。このような結果を公表して、冊子あるいはシ ンポジウムにおける特別講演において公表しているという状況でございます。  パワーポイント7ページにまいりまして、上のほうが、同じく「現場ニーズ把握・業 務への反映」に関しましてですけれども、労働安全衛生研究連絡会議等々各種の会議を 行っております。月1回、厚生労働省安全衛生部との間で労働安全衛生研究連絡会議と いうのをもちまして、ここで安全衛生部とのいろいろな意思疎通を図っているというこ とでございます。  次の産業医学総合研究所研究推進協議会。これは年2回行いまして、主に6課題やっ ております重点研究課題について、ここで計画あるいは成果について、労働衛生課ある いは化学物質対策課、平成15年は調査課でございましたけれども、そこから様々なご意 見をいただくと。それによって、産医研のプロジェクト研究に関してご意見をいただく というような会議を開いております。さらに、外部との様々な研究交流等でございます けれども、客員研究員交流会研究発表会というのを年1回行っております。客員研究員 というのは産医研では45名前後おりますけれども、これはこの方々を対象として、産医 研のメンバーとともに研究発表を行うということで、年1回行っております。  それから産業医学総合研究所・産業医大産業生態科学研究所研究交流会というのも行 っておりまして、これも年1回行っておりますけれども、そこで産医研あるいは産医 大、それぞれから研究発表を行っておりまして、そこで様々な労働現場のニーズ、ある いは研究ニーズについて議論するということになっております。  そのほかに、ホームページ及び一般公開。これは科学技術週間における研究所の一般 公開でありますけれども、そこにおいて、国民の意見・ニーズを収集しているという状 況でございます。  そのようなことで、評価シート5に関しましては、自己評定ではSというふうにさせ ていただいております。  次に、評価シート6にまいりますけれども、パワーポイントの資料の7ページで下の ほうにまいります。重点研究領域特別研究の一覧がここにございますけれども、これが 運営費交付金としていただいているお金による産医研の中心的な重点研究というふうに なっております。平成13年から17年までの現在の中期計画期間中の課題を一覧として出 しております。ちょっと字が小さくて、読みにくくて申しわけないのですが、平成13年 度で終了したものも入れますと、1から13まで列記されております。平成15年に研究を 実行しておりました作業は、研究課題としてはそこの4番、5番、6番、7番、8番、 9番という研究課題が、平成15年度に実施した重点研究領域特別研究ということになり ます。  パワーポイント8ページにまいりますけれども、重点研究領域特別研究の実施プロセ スでございますけれど、まず研究期間、研究の方向等々を明確に記載しました研究計画 書をつくり、それを実行していく中で、内部評価委員会、あるいは外部評価委員会で研 究課題ごとに5段階評価を実施しているということでございます。事前評価につきまし ては、学術的視点、社会的ニーズ、あるいは行政的ニーズ等々の個別項目の評価をし て、なおかつ総合的な評価をも行うというところでございます。  中間評価及び事後評価につきましては、目標達成度、学術的貢献度、社会的貢献度、 行政貢献度等々につきまして、あるいは総合的な評価というポイントで、5段階の評価 を行っているということでございます。これらの評価の結果は開示されまして、報告書 としてまとめられます。その要約を翌年の6月末までに公表しているということで、研 究所のホームページに公表している状況でございます。それで、必要であれば計画修正 に反映させるということになっております。  パワーポイント8ページの下のほうでございますけれども、プロジェクト研究の例と しまして、「情報化職場の快適化に関わる労働衛生上の要件に関する研究」という課題 がございましたけれども、これの成果を一般にわかりやすく普及させるために、パンフ レットをつくりました。これは「パソコン利用のアクション・チェックポイント」とい う形で、日本語版あるいは英語版でつくって配布したということで、例えばパソコン利 用時に目の疲れ、あるいは筋肉の疲れなどがありますけれども、そういうものを減らす ためにどのような姿勢、あるいはパソコンの使い方をしたらいいかというようなこと を、極めてわかりやすく解説した日本語版及び英語版のパンフレットになっておりま す。これを広く配布しております。  そのようなことで、評価シート6に関しましては自己評定としてはAというふうにつ けさせていただいております。  評価シート7にまいりますけれども、パワーポイント資料の9ページでございますけ れども、基盤的研究につきましての実施プロセスでございます。これも、研究計画書を つくって、それに従って研究を実行し、内部評価委員会で研究課題ごとに5段階評価を 行うということで、事前評価。これも学術的視点等々の個別の評価項目と、総合評価と いう項目について評点をするというような形、あるいは中間評価及び事後評価につきま しては、目標達成度等々につきまして、及び総合評価という項目につきまして、5段階 評価を行うという形で評価しています。これらの評価結果は担当者へ開示されて、計画 修正等々に反映されるということになっております。  9ページの下のほうの基盤的研究の成果の例でございますけれども、1つ、2つあげ ますと、行政への貢献例としては、「悪性胸膜中皮腫に罹患した労働者に係る生体試料 分析」、「石綿ばく露評価に係る研究」ということがございますけれども、これの研究 成果が業務上・外認定、あるいは労災認定基準改正に寄与しております。それから、社 会的ニーズに対応した例としましては、「職業性ストレスと健康職場に関する研究」と いう課題がございますけれども、これにつきまして、職業性ストレス調査票の開発。こ れはもともと、アメリカの職業研究所のオリジナルがございますけれども、それを日本 向けにつくり直しまして、調査票をつくったということの成果でございますけれど、こ れを職場のストレス対策に活用しているというようなことでございます。  そのようなことで、評価シート7につきましては自己評定としてAというふうにつけ させていただいております。  パワーポイント10ページにまいりますが、評価シートの8に関しまして、「災害調査 等」でございますけれども、これは研究所の災害調査実施要項というのをつくりまし て、これに基づいて迅速、的確に調査できる体制というのをつくっております。平成15 年度は、労働基準監督署からの依頼分析等10件がございましたので、これを実施して、 安全衛生部に報告するということをいたしました。これは、技術的にも非常に高度なも のを要するということで、重要な貢献ができたというふうに自負しております。  そこで、評価シート8に関しましてはAというふうに自己評定しております。  パワーポイント10ページの下のほうにまいりますけれども、「国際・国内基準の制改 定への貢献」ということで、まず国際機関に関しましては、WHO、ISO、OECD 等の国際機関に設置された21の委員会等へ役職員を派遣して、研究成果を国際基準の制 改定等に反映させたということでございます。さらに、国内の行政機関や学会、協会等 に設置された86の委員会等に役職員を派遣して、研究所として貢献しているということ でございます。その例として、石綿による疾病の認定基準の制定、あるいはシックハウ ス症候群の病態解明に寄与したと。それから、労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリ スト作成委員会のチェックリスト(家族版)の作成に寄与したということでございま す。  この一番下の疲労蓄積度自己診断チェックリストというのは、仕事の上でどのくらい 疲労が蓄積しているか診断するためのチェックリストをつくりまして、それをまず労働 者版というのをつくったのですけれども、それを中央労働災害防止協会のホームページ に掲載しました。そこで非常に大きな反響がありましたので、さらに平成15年度は家 族版というのを作成しております。これは前の労働者版が自分で自分の疲労蓄積度をチ ェックするという形のチェックリストだったのですけれども、これは家族が働いている 人の疲労蓄積度を横から見てチェックするという形のチェックリストになっておりま す。これも、中央労働災害防止協会のホームページに掲載されております。  このように、多方面にわたって国内・国際基準制定に貢献しているということで、評 価シート9に関しましては、自己評定としてはSというふうにつけさせていただいてお ります。  評価シート10にまいります。パワーポイント資料のほうですと、11ページになりま す。国内外の化学技術情報の調査ですけれども、行政からの要請等によりまして、国内 外の文献調査結果を報告しております。これは、筋骨格系障害あるいは振動障害に関し て文献調査の依頼がありまして、それに対して調査をし、その結果をまとめて報告した ということでございます。  また、業務上疾病事例というのがございますけれども、それをデータベース化して、 小規模事業所を含めた事業所別、規模別の災害発生の特徴の解析等を行ったということ でございます。これは死傷病報告と申しまして、休業4日以上の業務上疾病の事例につ きまして報告がございますけれども、それをもとにいたしまして各種の災害発生の状況 を解析したということで、これをまとめて報告書として安全衛生部に提出しておりま す。  それから、衛生管理特別指導事業場における労働安全衛生マネジメントシステム導入 状況等の調査結果を、報告書として安全衛生部に提出ということでございますけれど も、これは全国に労働衛生環境の改善を目的とした、いわばモデル的な事業場として、 現在約150ほどの衛生管理特別指導事業場を設定していますけれども、そこを対象とし て、労働安全衛生マネジメントシステムがどの程度導入されているかというような状況 の調査を行いまして、報告書をつくったということでございます。そのような非常に貴 重なデータを使っていろいろな解析を行っているということでございます。  そこで、評価シート10に関しましては、自己評定としてはAというふうにいたしまし た。以上でございます。 ○大久保部会長  どうもありがとうございました。それでは、ご質問がありましたらお願いいたしま す。  田村委員、お願いいたします。 ○田村委員  現場ニーズの把握、業務への反映ということで、18優先課題を非常に重要視されて、 それをベースにして、重点研究領域特別研究とか、あるいは基盤研究あたりで、その点 を反映されているのではないかと思いますが、これはプロセスとしてはどういう形で反 映されているのでしょうか。 ○本間産業医学総合研究所企画調整部長  シンポジウム等々を開催いたしまして、そこでいろいろなニーズがあるのですけれど も、そこで集めた情報をいろいろな基盤研究、あるいは各種の研究課題を申請いたしま すけれども、そのときにどういう研究テーマを選ぶかというようなことを、選ぶ際に参 考にしていくということで反映させていくということでございます。  例えば、シンポジウム等々でいろいろな意見を聞きますと、現在ですと、例えばメン タルヘルスに関心が高いとか、あるいは長時間労働、過労死に関する関心が高いとか、 あるいは化学物質に関しては、いろいろありますけれども、環境ホルモンに関して関心 が高いと、心配であるというような、いろんな意見が寄せられますけれども、そういう ような意見を基盤研究あるいは各種の科研費申請課題等々に計画段階で取り込んでいく というようなことで反映させております。 ○田村委員  ということは、現場ニーズ等々を各研究員の方々が十分理解して、そして各研究員レ ベルで、例えば基盤研究とか、あるいは重点研究領域特別研究とかのテーマを提案して いくと、そういうことですか。特に何らかのプロセスでコントロールされているという ことではないですね。 ○本間産業医学総合研究所企画調整部長  そうですね。特別なプロセスが用意されているというふうにはちょっと言えないと思 いますけれども、いろいろな研究テーマ設定等々に当たりましては、例えばシンポジウ ム等々に関しまして、これは研究所のメンバーも非常に運営そのものにも参加しており ますし、その結果も非常に研究員が熟知しておりますので、そういう成果というのはか なり各研究員に浸透しているのではないかというふうに考えております。 ○大久保部会長  はい。どうぞ、安井委員。 ○安井委員  今のご質問に関連してですが、この18優先課題を使われていること自身はすごく評価 したいと思いますけれど、私自身ちょっと紹介がありまして、国際機関などに行ってみ ますと、こういうものというのはどうもより戦略的に使われているみたいなんですね。 それで、こういうことをせっかく調査されましても、優先というものの意味づけをもっ と徹底的に行う、例えばこういう優先課題というのは本当に研究者、専門家の数が足ら ないのかと。足らないとしたら、向こう何年間足らないのか。そこから先は余るのか。 などということまで全部、やっぱり解析をしないと、これを使って何か、ヤッとそちら に移ると、今度はこちらで余ってしまったとか、そういうことがあって。  あと、本当にタイムラインといいますか、「何年何月何日までに、こういうことはこ ういうふうにすべきだ」みたいなことまで、どうも国際機関というのはやっているよう なんですね。ということで、ちょっと感想を述べさせていただきました。 ○本間産業医学総合研究所企画調整部長  研究ですので、なかなか個々人の研究課題を状況に応じてパッと急速に変えていくと いうようなことは、現実にはなかなか難しい点はございますけれども、なるべく優先課 題というようなことに沿った研究という形で実践していこうという形でございます。 ○荒記産業医学総合研究所理事長  ちょっといいですか。今、言葉の使い方が多少我々のほうであいまいになってきてい る面があるのですが。最初は優先研究課題という言葉で始まったのですが、現在はむし ろ重点研究課題と言ったほうが正確なんですね。今の時代に、特に行政の方々及び大学 等の研究者の方々、それから現場の産業医等の方々、今実際にどのような問題を解明す るのが一番大事かとか。それを最初、確か53題か54題のテーマについて、優先順位を決 めたんです。初期はそういうことだったのですが、その後、さらにそれを整理しまし て、それらをほとんど全部網羅した18の重点研究課題に絞ったわけです。第1期の21世 紀研究戦略協議会ではそこまでやったのですが、現在、その後3年間の今の重点研究推 進協議会というのをやっておりまして、これは重点という言葉を使うようになっており ます。  ですから、この18項目は重点研究課題なので、どれもやらなくてはいけない。どれも 専門家がいろんな面から考えて、重要な、今の時代に一番大事な研究であるということ で。そういう意味で、むしろ重点研究という言葉のほうが正確になってきていると思い ます。  それから、それではその課題についてどの程度研究者がいて、競争していて実際の研 究にまかなわれているかということを今の3年間の協議会で調査したわけです。そのよ うに実際にその18課題について研究者がどの程度いるかを調べたら、相当なばらつきが ありまして。先ほど報告しましたように、4つぐらいの課題については、たくさんの研 究者がいてたくさんの論文が出ているのですが、一方、2,3の課題についてはほとん ど研究者がいない。ほとんど論文が出ていないと。これは重点的にやらなければいけな い研究課題にもかかわらず、研究者も足りない。論文もない。研究もやられていない。 ということがわかってきた状況でございます。  今回、この年度にその辺まで明らかにしました。研究者のバランス、論文のバランス までを明らかにした結果が出ましたもので、今後はその中で特に取り残されている重点 研究課題をやらなければいけないだろうということになり、今後それを提案していくと いう状況でございます。 ○大久保部会長  はい、酒井委員。 ○酒井委員  今の理事長のお答えで大体了解できたのですけれども、本当にこの2つのグラフはお もしろい、関心のあるグラフで、分析もそのとおりだと思うのですけれど、1つは田村 先生がおっしゃったように、現場ニーズを把握するという意味で、そういう分析で非常 に正しいのだろうと思うのですけれど、それを産医研の業務運営にどう生かすかという ところに、今、とても関心があるのですけれども。  右にあるその3年間の論文の数の分布ですね。それを産医研の、後ろのほうでやはり 大変な数の論文が産医研から創出されているわけですけれども、それがこれにのせたと きにどんな形になるのかということを、おわかりになれば教えていただけるとすごくい いということと、本当に数が少ないというのは、重要であるにもかかわらず少ないわけ ですから、日本国内のある意味で弱点かも知れない。労働衛生分野の研究の弱点かもし れませんので、そこのところへ、産医研としてどうされようとしているか。また、産医 研がその国内の労働衛生分野のリーダーの研究所として発信して、我々に対してどうい うことをおっしゃっていただけるのかということまで、この先解析していただければと いうふうに思っています。 ○本間産業医学総合研究所企画調整部長  初めの点でございますけれども、産医研の研究員が書きました論文について、このよ うな18分類にのせるとどうなるかということは集計しておりませんので、正確にはわか りませんけれども、印象としては、おおよそここに示したような分布の傾向になるので はないかというふうに感じております。 ○荒記産業医学総合研究所理事長  今後どうするかということ。確かにこれが一番問題なわけでございまして、今までや りました最初の協議会、第2期目の重点研究推進協議会、2期目で3年間で、この3月 で終わったのですが、実はこの4月から全部合計すると3期目の重点研究推進協議会を 今開始したところで、ここでこの問題を討議し、結論を出していこうということを考え ております。  ただ、やはりこの重点研究課題にしろ、優先研究課題にしろ、年数がたちますと、重 点度あるいは優先度が変わってきているわけです。ですから、これからは新しい、むし ろその後新しく優先順位が高くなった課題、あるいは重点的にやるべき課題、これをも う一度取り込んでいく必要があると思います。それを取り込みながら、しかも今まで遅 れているような実際に研究がやられていない領域、これもやっていくことです。そうい うことを総合的にどうしようかというのが、実は今年の4月から新しく協議会を発足さ せまして、今検討をしているところでございます。 ○大久保部会長  はい。どうぞ、岩渕委員。 ○岩渕委員  素人の目から見ますと、研究所でいろいろ、重点あるいは優先研究課題をずっとやっ てこられているのですが、成果の部分が国民の目から見るとあまりよく見えないという ことがあるんですね。どういう成果が上がったのかという点で。例えば疲労の蓄積など は、国民にとってわかりやすいテーマですが、それもチェックリストに反映された程度 なのかというところが、やや物足りなさを感ずるということがあります。  先ほど、施設は画期的な施設があるというふうなお話を伺いましたけれども、成果も 国民の側から見ると、これだけの人数でこれだけのお金を使っているのですから、でき れば画期的なものを期待したいところですが、こういう研究の正確から言って、画期的 なものを期待するというのはやっぱり無理というか、過大なのでしょうか。 ○荒記産業医学総合研究所理事長  成果がよく見えないということはそのとおりでございまして、一般国民への広報が足 りなかったことを研究所の弱点と考えています。然し、今回の22評価項目の中にも、研 究成果を評価する項目があるわけです。学会発表なり原著論文、それから学会賞、出版 物、専門書、これがまさに成果にあたるところでございまして。研究所としては業績を あげています。少なくとも去年の評価では、これはSをいただきました。我々の研究所 がいただいた唯一のSの項目が、この項目でございます。そういう意味で、学術的に客 観的成果をあげおり、少なくともこの委員会ではそう評価していただいたという結果で ございます。  それから、先ほどの疲労蓄積度のチェックリストをただつくっただけではないかと。 あまりそんな成果はないのじゃないかというご質問ですが、これは実は違います。この チェックリストを、この研究所の研究員が協力して、実際、中災防(中央労働災害防止 協会)の予算でつくったのですが、学術的にはこちらの研究所の研究員の方が中心にな ったのです。それを発表したためにインターネットへのアクセスが、それこそ何万、何 十万という、もうパンクするぐらいのアクセスがあり、国民の間に利用されているもの でございます。そういう意味で、学術的成果が社会的に非常に利用され、社会に対する 成果があったと理解しております。 ○大久保部会長  そろそろ評価をお願いしてよろしゅうございますか。それではお願いいたします。 (各委員 評価シートに記入) [個別項目11〜18の評価] ○大久保部会長  そろそろ次に進んでもよろしゅうございますでしょうか。  それでは、評価シート項目の11から18までの実績について、ご説明のほどをお願いし ます。 ○本間産業医学総合研究所企画調整部長  評価シート11にまいります。パワーポイント資料でまいりますと、11ページの下のス ライドでございます。まず「外部評価の実施と公表」でございますけれども、これはま ず平成14年度の研究評価報告書を発行して、ホームページで要約版を公開したというこ とでございます。また、有識者による外部評価委員会でプロジェクト研究の評価を実施 しているということでございます。6名の外部評価委員の先生方にお集まりいただい て、外部評価を実施しているということでございます。  それから、事前・中間・事後評価の結果を担当者へ開示して、実行計画へ反映させて いるということでございます。これは、評価のコメントがたくさんつきますけれども、 それを担当者へ開示しまして、そのコメントに対してどう対応するかというところを、 それぞれの担当者に記入させるということで、その時点でまず対応を考えてもらうとい うことをしています。その対応が実際の、例えば次年度の研究計画に反映されるかどう かというようなことを見るというような評価システムをとっております。  そういうことで、評価シート11に関しましては自己評定はAというふうにさせていた だいております。  評価シート12にまいります。パワーポイント資料12ページでございますけれども、上 のほう、学会発表等の促進ということがございますけれども、平成15年度は学会発表が 236回、論文発表が101編でございました。学会発表等の数値目標は、中期目標期間中、 すなわち5年間で学会発表は1,000回、論文400編という数値が明示されておりまして、 これを5で割りますと各年度、学会発表は200回、論文発表が80編というのが平均値に なります。平成15年度の学会発表236回及び論文発表101編というのは、その200回、80 編というのを大幅に上回ったという結果をもたらしました。  中期計画期間3年目に、平成15年度がなるわけですけれども、この3年目までの累積 で見ますと、学会発表が649回、論文発表は337編でございまして、5年間での数値目 標、1,000回及び400編と比べてみますと、これはあくまでも見込みでございますけれど も、達成できるであろうという見込みでございます。原著論文の約8割は英文の国際学 術誌に掲載しておりますので、これはもう世界の研究者に見ていただけるという形にな っております。  ということで、評価シート12に関しましては自己評定としてAというふうにつけさせ ていただいております。  評価シート13にまいりますが、「研究成果情報の発信」ということでございますけれ ども、まずインターネットによる情報発信ということを行っております。ホームページ を平成15年4月1日に刷新いたしまして、産医研国際セミナー開催、あるいは所の一般 公開等々の情報を広報するのに利用しているということでございます。  そのほかに、Industrial Health誌、これは産医研発行の英文国際学術誌でございま すけれども、これの掲載論文を全文掲載するということ。あるいは産医研ニュース。こ れは年2回発表している産医研の情報誌でございますけれども、これを掲載すると。あ るいは年報に産医研の業績等々がのりますけれども、その大部分を掲載するということ をやっております。あるいは、個々の研究成果等につきましても、ホームページ上にの せて公開しているということになります。  一方で、研究施設貸与や受託研究等がシステムとしてありますということを案内して おります。それを掲載しているということで、アクセス数は平成15年度で年間62万件と いう結果になりました。そのほかに、研究成果の一般誌への寄稿でございますけれど も、これは一般紙と申しましても特定分野の一般誌ということになるかと思いますけれ ども、例えばISO、JISの暑熱環境の基準に関する技術解説等々の内容があります けれども、技術解説等について55編を一般誌へ寄稿しているという成果でございます。  それから、いくつかのものについては、マスコミで研究成果が紹介されておりまし て、その1つとして、「子供のパソコン利用環境」というようなテーマで、平成15年7 月の『ASAHIパソコン』、これは雑誌に掲載されたというような例があります。こ のような例が8件ございまして、そのような成果としてマスコミに紹介されているとい うことになります。パソコン利用環境というのは机やいす等々、パソコン自体も、普通 大人向けにつくってあるようにみえますけれども、それではやはり子供は体が小さい 等々の問題がありまして、やはり子供には子供の使用環境というのが必要ではないかと いうようなことを紹介した成果でございます。  そこで、評価シート13につきましては、自己評定Aとしてございます。  パワーポイント資料の13ページにまいります。評価シートのほうですと14になります けれども、「国内研究状況の把握」ということでございます。これは先ほどお話しいた しました労働衛生重点研究推進協議会の活動。あるいは産業医科大学や客員研究員との 研究交流会。これは研究発表でございますけれども、研究交流会。あるいは学会活動等 により、社会的ニーズ、研究動向を把握しております。  それから、労働衛生重点研究推進協議会の活動の一環として、労働衛生研究の実施状 況を把握するということで、文献検索によって過去4年間の18優先課題別の論文数、内 容を調査したと。あるいは、アンケートにより、全国の労働衛生研究者について18優先 課題への取り組み状況を調査したというようなことがございます。  一方で、「労働衛生研究機関への情報提供」ということでございますけれども、これ は産医研として、Industrial Healthというタイトルの英文学術誌を出しています。こ れは現在でVol.42でございまして、これは年当たりVol.1ですので、過去42年間の歴史 があるという雑誌でございます。数年前までは、労働衛生分野での英文の国際学術誌と してはこれが唯一のものだったということで、非常に長い間、労働衛生研究に貢献して きたというふうに自負しております。これは1,300部を年4回発行しておりまして、国内 外に発送して情報提供ということにしております。平成15年度ですと、年間54編が掲載 されました。  それから産医研ニュースも年2回定期発行で、これは2,200部を発行しているというこ とになります。  それから、先ほどの労働衛生重点研究推進協議会の報告書。これは平成15年度は第2 年次の報告書をつくりまして、1,500部配布しているということです。それからシンポ ジウムにより、情報を提供しているということ。それから、18優先課題に関する調査結 果を講演及び冊子発行により公表しているということで、先ほどの文献調査、あるいは 労働衛生の研究所が取り組んでいる課題を調査したと。その結果を冊子に発行したとい うような活動をしておりますので、それを成果としています。  そのようなことで、評価シート14に関しましては自己評定はSというふうにさせてい ただいております。  続きまして、評価シート15にまいりますが、パワーポイント資料で14ページになりま すが、講演会等の開催。これは先ほどの労働衛生重点研究推進協議会の関係でシンポジ ウムを開催しておりまして、平成15年の場合は参加者230名余りを得ております。それ から産医研の国際セミナーというのを主催しておりまして、これは年間3回行っており ます。  それから研究所の一般公開でございますけれども、これは科学技術週間中の土曜日 に、広く研究所を公開するということで、近隣住民、あるいは小学生、企業等に案内を 出しまして、参加者80名余りを得まして一般公開を行ったということでございます。こ の内容は、講演3題、ポスター展示11題、あるいは体験コーナーといいますか、健康測 定、血圧、心拍数等々をはかるというようなことを行っています。  それから、特定の施設については見学していただいているというようなことでありま す。  それから、たくさんの見学者がございますが、JICA、WHO、ILO、労働安全 衛生コンサルタント、行政研修、あるいは地域の経済人、隣接小学校等々、見学者が多 数ございますので、それに対して対応して、基本的には見学希望には応じているという 形で、できるだけ産医研を知ってもらうという形にしております。あるいは、見学者の ニーズに応じて講演、講義、施設見学をできるだけ実施するようにしております。  それから各種アンケート調査ですけれども、シンポジウムあるいは研究所の一般公開 の折の見学者に対してアンケート調査を実施して、いろいろなご意見をいただいている という状況でございます。  その下のほうに「講演会等の開催」という写真がございますけれども、4つほど写真 が出ておりまして、左側の2枚はシンポジウムの様子でございます。左上はパネルディ スイカッションの様子でございます。労働衛生課長、あるいは経団連、連合等々の方々 にパネルディスカッションに参加していただいているという形でございます。右側のほ うの写真2枚は、一般公開の様子でございますけれども、講義を聞いていただく、ある いは心拍数等の測定を実際に体験していただくというような体験コーナーを開催してお ります。  以上のようなことで、評価シート15に関しましては自己評定としてはAというふうに させていただいております。  次に評価シート16にまいりますが、パワーポイント資料では15になります。上のほう の「知的財産の活用促進」ということでございますけれども、職務発明規程を改定いた しまして、厚生労働省の技術移転機関(TLO)と契約を結びまして、特許が有効に活 用できるようにという形をとっています。さらに、特許取得を目指すという形で、発明 者の権利に特段の配慮をして職務発明規程を定めているという形になっております。そ れから当面使用予定のない特許については、データベースに2件登録をいたしました。 平成15年度中の審査にかかっている件数が8件でございますけれども、新たに平成15年 度に特許出願いたしましたのが3件でございます。ここに書いてある腰痛防止のための 姿勢補助装置等とございますけれども、この特許は、食器洗浄作業において腰痛がよく 出ますけれども、それを防止するための装置を考案いたしまして、特許を出願したとい うような例でございます。  その結果、評価シート16に関しては自己評定ではAというふうにつけさせていただい ております。  続いて評価シート17にまいります。「国内の若手研究者等の育成」ということで、ま ず制度的基盤の整備ということで、研修生規程、連携大学院に関わる大学院生受入規 程、客員研究員規程というものを整備いたしまして、制度的に受け入れられるようにと いうことでつくっております。若手研究者等育成の実績でございますけれども、これは 科学技術特別研究員、外国人特別研究員。これは学術振興会のものですけれども。ある いは、重点研究支援協力員と。あるいは、大学あるいは大学院の研修生ということで、 合計13名の若手研究者を受け入れております。それから技術支援に関してですけれど も、これは国際協力機構(JICA)に対しての技術協力、あるいは厚生労働省労働衛 生専門官の研修、中央労働災害防止協会の国際安全衛生センターの研修、海外技術者研 修協会研修、大学での講義等々、合計37件につきまして、協力あるいは支援を実施して いるところでございます。  ということで、評価シート17に関しましては自己評定はAとさせていただいていま す。  続きまして、パワーポイント16ページに移りますけれども、「研究協力の促進」とい うことで、評価シート18ページになりますが、外部との研究交流会を様々に行っており ます。客員研究員交流会。これは年1回行っておりますけれども。あるいは、産業医科 大学との研究交流会。これも年1回行っております。この中でそれぞれ5題ないしは8 題程度の研究発表を行って、研究交流、技術あるいは知識の交流ということを図ってい ます。そのほかに、研究員が主体となって行っていますものに、人体振動の勉強会、あ るいは職業性ストレス研究会の定期的な開催というようなことを行っております。これ はそれぞれ、年数回、開催されております。そのほかに、例えば産業衛生学会に付属す る研究会を、産医研の研究員が主催したなどというものもございます。  国内外の研究協力協定締結機関との協力でございますけれども、産医研はアメリカ、 韓国、スウェーデンのそれぞれの労働衛生のナショナルセンターと研究協力協定を結ん でおります。国内では労働科学研究所と、同様の研究協力協定を締結しております。こ のような研究所と相互に研究員の派遣、受け入れを行っておりまして、その合計が12名 というふうになっております。産医研国際セミナーにつきましては、3回行ったわけで すけれども、全身振動に関して、これはアメリカの研究者と一緒に行ったということで す。それから、スウェーデンとの国際セミナーでは、IT利用に関してということで国 際セミナーを行っています。それからもう1つ、ここには書いてありませんが、フィン ランドとの国際セミナーもございまして、これは先ほども申しましたJob Exposure Matrixというようなテーマで国際セミナーを行っております。  共同研究の実施促進ということでございますけれども、プロジェクト研究・基盤的研 究課題すべてのうち、約10%が共同研究になっていると。大型研究施設の共同利用とい うことで、先ほど写真をお見せしました振動関係の機械でございますけれども、これに ついて4件の共同利用があったということでございます。  それから、開発途上国への労働衛生技術協力でございますけれども、先ほど、アジア ナショナルセンター会議を準備しているというような話をしましたけれども、このよう なことによって、アジア諸国との研究交流情報ネットワークを構築しているというよう な現状でございます。  ということで、評価シート18につきましては自己評定としてはAというふうにつけさ せていただいております。以上でございます。 ○大久保部会長  どうもありがとうございました。それでは何かご質問あるいはコメント等ございまし たら。どうぞ。 ○武見委員  大きく2つの場所ですけれど、1つはパワーポイントの11ページですか、「外部評価 の実施と公表」のところで、その外部評価をやった結果を非常に、担当者というか個人 へも丁寧にフィードバックされているという様子はさっきのご説明でよくわかったので すけれども、そういう個人へのフィードバックというのは、今年度、15年度から行って いるのか、あるいはもっと前から行っているのか。もっと前から行っているのであれ ば、そういうフィードバックをすることによって具体的にどういうふうに改善されてい るのかというあたりを。どういうふうに評価されているかというところまでお聞きする と、この評価のやり方の意味がすごくよくわかってくると思うので、そこをお聞きした いことが1点です。  もう1点は、パワーポイントの12ページ目で、「研究成果の情報の発信」というとこ ろですけれども、インターネットのアクセスが62万件とか、この数字だけ見ていても、 それがどういう意味があるのかちょっとわかりにくくて。例えば前年度に対してどうだ ったのか。さっき、疲労度チェックでしたか、それがあって非常にアクセスがふえたと か、ああいう具体的なことがあるととてもよくわかると思いますが、その辺、教えてい ただきたいというふうに思います。 ○本間産業医学総合研究所企画調整部長  評価結果の研究者への開示でございますが、先ほども説明いたしましたような評価結 果が出るわけですけれども、評価結果・コメントへの対応を書かせるというようなとこ ろまでは、従来やっていなかったわけです。そういうことをやることによって、実際に どういうコメントが出ているかということを、実際に担当者に強く認識させるといいま すか、そういう効果をねらって、外部評価への対応までを具体的に書き込ませるという ような形をとっているということでございます。  それで、その結果といいますか効果というのは、具体的に図りがたいところがありま すけれども、それなりに各研究員の認識度を高めているのではないかというふうに考え ております。  それから、インターネット関係の情報発信に関してですが、アクセスは年間62万件と いうお話をしましたけれども、これは前年度、平成14年度のアクセスが66万件でござい まして、数的には若干減ってはいますけれども、ほぼ同程度の水準というふうに考えて おります。アクセスの内容ですが、どのような国からアクセスをされているかというこ とですけれども、例えば日本国内からは全体で44%、そのほかは外国ということになり ます。外国の中でも、アメリカの高等教育機関から、あるいはイギリスからと、あるい はカナダからというようなところが比較的多いというふうになります。  それから、どのような内容がリクエストされているかということですけれども、ディ レクトリ別に見ますと、これは一番多いのがやはりIndustrial Healthの原著が掲載さ れていますので、それへのアクセスが多い。全体の約33%でございます。続いて、一般 的な研究情報について19%、研究業績について10%と。以下、年報、研究所の案内、情 報公開、産医研ニュース等々というような大体の内容になっております。 ○大久保部会長  ほかの方、どなたかいらっしゃいますか。どうぞ。 ○五十嵐部会長代理  1つお聞きしたいのは、評価シートの11ページです。事前・中間・事後評価というの が書いてございます。これは多分研究所の中のいわゆる重点項目、あるいは基盤研究に 対しての評価だと思うのですが、例えば競争的資金の、例えば厚生労働省でやっていま す資金のあれにつきましても、事前・中間・事後と全部ありますね。そういうものは実 際に研究者の方にどの程度流されていらっしゃいますか。それが1点。  もう1つは、Industrial Health、年間54編というお話でございましたが、その中で 産医研関係から投稿されたのはどれぐらいあったかということをお聞きしたい。以上で す。 ○本間産業医学総合研究所企画調整部長  まず競争的資金に関しましてですけれども、これは環境省からの研究課題、あるいは 文部科学省からの科研費、あるいは厚生労働省からの厚労科研費というようなところが 主なところでございます。これはそれぞれの、環境省なら環境省で研究報告をして評価 されるという場がございますので、産医研としては、そのような課題については特に評 価の対象としない、という整理でやっております。  それから……。 ○五十嵐部会長代理  あと、Industrial Healthの54編中どれぐらいが産医研関係ですか、という。 ○本間産業医学総合研究所企画調整部長  54編中、所内から8編になります。 ○大久保部会長  ほかに? はい、どうぞ、岸委員。 ○岸委員  産業医学総合研究所の研究そのものは、例えば過重労働の問題にしましても、日本の 今の壮年期の自殺者の数が、ほとんど働いている方だと思いますが、非常な高い数に上 りまして、それが国民の寿命を、最近の1,2年下げているというようなことからしま しても、研究所でやられた研究がどのように国民、特に労働者に、あるいは産業の現場 に還元されるかということが、成果を国民的な成果にするためにも非常に重要だと思い ます。  また、研究所の大きな意義が、国民からも期待されていると思いますけれども、産医 研ニュースは2,200部、年2回定期的に発行されてきているということで、私のほうも 大学におりまして見させていただいて、内容が、カラーになってきましたし、とても読 みやすくなってきましたが、そういう働く人々ですとか事業所ですとか、そういうとこ ろに配布するような、国民に対して提供するサービスということになりますと、やはり 産業医学総合研究所ですとか産業安全研究所ですとかそういうところは、その辺、予算 との問題もあると思いますけれども、どんな工夫をこれからされていくご予定なのか。 ちょっとここに書いていないところをあえて、私は期待が大きいと思うものですから、 お尋ねしたいと思っております。 ○本間産業医学総合研究所企画調整部長  今のところ、産医研ニュースの配布先としては、大学とか労働衛生関係機関というの が中心でございまして、確かに企業に送っている例は、産業医の先生方等々いらっしゃ いますから、そこにはお送りしていますが、あまり多くないのではないかと思います。 私、リストを細かく見ていませんので、正確なところはわからないのですが、ご指摘い ただいたような実際の事業所レベルへ、労働衛生研究の成果を直接還元していくという 意味では、今お話しいただいたようなことは非常に重要なことかなと思いますので、こ れから十分検討して、そのような方向を目指していきたいというふうに考えておりま す。 ○岸委員  今申し上げましたのは、研究所が本当に地道に、地味な研究を非常にたくさん、最近 も発表されてきておられますけれども、国民の中での存在意義を高めるためには、非常 に大きいのではないかというふうに思いますので、ぜひ検討していただきたいと思いま す。  それから、中災防と産業医学総合研究所が……。おそらく中災防がかなりサービス機 関で、いろいろされていると思うんです。それから産業医学総合研究所はかなり、中災 防ではできないような非常に高度の研究もされていると思いますので、その辺のニュー スとか、あるいは今、先に申し上げましたようなことの、連携のとり方というのでしょ うか、国民に対して提供するサービスという面では……。これはちょっと個別の研究所 への要望のような形になって恐縮ですが、やっぱり特色ある研究所であればあるほど、 国民に対して提供するサービスというものを、必ずしもこの評価シートの点数のみなら ず、そこら辺のところはぜひ期待したいと思って、アナウンスさせていただきました。 ○荒記産業医学総合研究所理事長  追加させていただきます。国民への、要するに研究成果の社会への還元というのは、 分類としていくつかあるんです。一番やっていることは、研究者へですね。専門家、研 究者への情報提供です。これは一番やっているわけです。これは問題ないと思っていま す。それから次には、労働現場の方々。これは労働衛生の専門家です。実践家です。こ れへのサービスです。これも、例えば重点研究推進協議会とかをやりまして、積極的に その成果報告書を送っているわけですから、かなりやっております。ただ、今まで私ど もの研究所が欠けていたのは、それ以外の一般国民へのサービス。これが確かに一番の 弱点であったわけです。研究成果情報の発信がそれにあたりまして、これはこのパワー ポイントの12ページの下でございますが、ここで、先ほど申し上げましたように、1つ はインターネットによる情報発信です。インターネットの中身に力を入れまして、国民 がだれでもアクセスできますので、研究所のいろいろな内容、あるいは研究成果を書い てあります。この面で、一般国民へのサービスをかなりやり始めております。  それからここ、2番目に書きました一般雑誌への寄稿です。単に専門雑誌ではなく て、あるいは論文等ではなくて、一般国民の方がわかりやすい形で一般誌に原稿を研究 職員が書くことをかなりやりました。ただ、これはまだ必ずしも十分ではないですが。  もう1つ厚生労働省のほうから言われておりますことは、特にマスコミ関係への積極 的な広報です。研究所の研究成果をマスコミに流すということです。これは過去には、 国研時代にはむしろいろいろ制約があって、やってはいけないことであったわけです。 ただ最近、やはり国のほうも独立行政法人に対しましては考えが逆になってきた面もあ りまして、積極的に広報するということを言われて始めております。例えばテレビとか 新聞社とか雑誌社のインタビューに応じたり、出たりしております。これはここに書き ましたように、それなりにやっております。  今後はこういうことをどんどん、この線でやることが必要だと思います。あと、もう 1つ新しいこととしましては、いわゆる産業界、これは研究所なり国の予算が一般会計 以外に特別会計というのがありまして、特に労災関係の予算がたくさんあります。これ は主に産業界、経営者側から出てくるのです。その方々に対する説明責任ですね。広報 活動をやらなければいけないと言われています。これは非常に欠けているところであり まして、今後の新しい課題としてはこの辺も、一応この対象も一般国民の中に入るとは 思いますのでやるつもりでおります。 ○大久保部会長  はい。では、よろしゅうございますか。それでは武見委員。 ○武見委員  今のことに関してですけれども、一般国民への情報提供というのはすごく大事だと思 いますし、積極的にやっていただきたいと思う一方で、場合によってはそれを直接やる のではなく、やはりしかるべき研究、別の大学とか例えば専門職種とかに提供して、そ の人たちからさらに発信していく、というふうな意味での情報発信のやり方というのも あると思うんです。もし、すべてが全部一般国民からいろんな問い合わせが殺到した場 合、はたして研究職の方たちが、これだけのプロジェクト研究とかいろいろやっていら っしゃる中で、そこまで対応できる体制になっているのかということも含めて、そのバ ランスとか、そこの考え方で、これはおそらくこの研究所だけに限らずすべての研究所 に共通する点だと思いますが、やってほしいと思う一方で、それができる体制になって いるのかということも含めての、やっぱり評価というか検討が必要なのではないかとい うふうに思いました。意見です。 ○大久保部会長  どうぞ、コメントをお願いします。 ○本間産業医学総合研究所企画調整部長  確かになかなか日常の業務が大変な中で、もしたくさんのそういう情報に関するアク セスがありましたら、対応できないことがあるということは事実でございます。先ほど のチェックリストに関しましても、労働者自己診断版についてはホームページがパンク してしまったというようなことがございまして。そのような事例もあるので、なかなか 難しいところではありますけれども。  例えば客員研究員交流会などでやっているのはそういう目的でございまして、客員研 究員として産業医の先生方が非常にたくさん参加されておりますので、そういう方々に 集まっていただいて情報を提供していくと。そうすると産業医の先生方は、所属してい らっしゃる企業でそういう情報が成果として生かされるというような形になるのではな いかというふうに考えております。これは、そういうような形を目指している1つのあ らわれというふうに考えておりますが、これからもいろいろあり得ると思って、検討し ていきたいと思います。 ○大久保部会長  岩渕委員、それではご発言をお願いします。 ○岩渕委員  マスコミ関係者として一言申し上げておきたいと思いますが、先ほどから、前にも言 いましたからあまり繰り返して言いませんけれども、マスコミを通じた国民への情報提 供ということになりますと、売れるニュースでないとだめなんですね。つまり、全く興 味のない、非常に学術的な、いくら「値打ちがあるんだ。画期的な成果だ」と言われて も、国民にとって意味のわからないようなものでは、そういうものはとてもマスコミは 使えません。そういうことを基本的に念頭に置いていただければ。まずテーマアップ。 研究手法も若干、これからもう一度考え直してもらいたいと思うところがある。例えば 国民の目から見て興味のあるのは、先ほどからいろいろ話は出ていますが、例えば自殺 だとか、それから受動喫煙。これはやっていらっしゃいますよね。だけれどこれは、こ れだけのおもしろいテーマが全く、そういう意味で言うと生かされていないのではない かと、そういう心配があるんです。それから、過労死の問題だとかですね。  そういったようなものというのは、一般の労働者にとっても大変に興味のあることで はありますし、産業界にとってみると、今まではそういう意味で言いますと労働者に対 するようなものが、例えば経営者サイドがあまりいい顔をしないとかというのがあった のかもしれませんけれども、そんな時代ではないというふうに思いますので、そのテー マとか手法、そういったようなことから、もう一回……。それは結果はどういうことに なっても構いませんけれども、もう一回、単にマスコミ対応をちゃんとやるのだとか、 産業界にどうするのだということではなくて、その土台のところからもう一回考え直し てもらいたいというふうな感じがいたします。 ○荒記産業医学総合研究所理事長  先ほどからどうもおっしゃることが、私どもの報告の内容が理解されていないように 思うんですが。例えば今おっしゃいましたテーマアップをするということで、自殺の研 究をやると。あるいは受動喫煙をやると。過労死をする。これは先ほど私が、10次防と の関係でご報告しましたように、すべて研究員が研究をしている項目でございます。し かも、例えば受動喫煙の問題はマスコミに、新聞記事も、むしろ積極的に取材を受けま して、大きな見出しで出ている問題でございます。ですから、今おっしゃいました代表 的なテーマは全部、研究所がやっています。だから、テーマアップをしろと言われまし ても、今まで私どもがやっていない項目が何であるかを言っていただけないと、私ども は対応しようがない。  それから最初の質問でございますが、マスコミに出すなら売れるニュースが必要だ と。これは重々わかっております。むしろ、私どもは受身でございまして、マスコミの ほうから売れるニュースを求めてどんどん取材に来るわけなんです。それに、今までで すとできるだけ対応しないでいたのですが、それをできるだけ対応するようにし始めた のです。ですから、売れるニュースが必要だということをわかっていないとおっしゃる のは、これは全く私どもの現状を理解されていない要求でございます。私どもは十分理 解しております。 ○岩渕委員  理解している割には対応がなされていないということだけは、では申し上げておきま す。 ○荒記産業医学総合研究所理事長  例えばどういう対応をしろということですか。やっていると思いますが。 ○岩渕委員  だから、最初から申し上げているように、例えばテーマアップの段階でこの受動喫煙 なんか、いいテーマを取り上げているなというふうに評価してるんですよ。だから、そ れについて言えば、その取り組みの体制とか、重点化というのはもう少し重点を置いて やるとかですね。それから、国民にわかりやすく、もっと説明をするとか、そういうよ うな。もう少し工夫。それはだから、理解していないほうが悪いというふうな言い方と いうのは、やっぱりちょっと研究者ばかとしか言いようがないというように思います。 ○荒記産業医学総合研究所理事長  研究者ばかと言われても私どもなりに対応していることをお認め下さったことですの で結構でございます。 ○岩渕委員  だから、やっているから理解しろというのは、それは無理だというんです。 ○大久保部会長  岸委員がお手をおあげになっているので、よろしゅうございますか。 ○岸委員  実は私は大学で労働衛生をやっておりまして。国民の立場でさっきは申しましたけれ ども、大学で労働衛生をやっている立場で少しお話したいと思います。大学はやはり 今、かなり細分化されておりまして、所帯がどこの大学も非常に小さくなっておりま す。ですから、私どもの教室の組織で、もちろん労働衛生をある点、非常に深く研究し ておりますけれども、ここの産業医学総合研究所のような、最初のシートにありまし た、作業条件、健康障害予防、有害性評価、作業環境計測、人間工学、これだけの広い 総合的な視点で研究することは全く、北海道大学から琉球大学まで探しても、そんなこ とできる大学は1つもございません。ですからそういう点で、非常にこの産業医学総合 研究所というのは、日本で唯一の国立に近い、労働科学研究所、歴史の長いいい研究所 もございますけれども、それだけの人材と設備を持っている、しかもガバメントに非常 に近くていろいろな情報を持っている、国際機関とも交流できる。もうその特長を生か して、どんどんいい研究をやっていただきたいと、私は思っているわけなんです。  ですけれども、せっかくのいい成果を、やはり国民にダイレクトにも還元する。せっ かくニュースレターを持っていらっしゃるなら、それをもっとやると、それが非常に国 民の側からの期待がもっと大きくなるし、「もっとこういう研究をしてほしい」という 声が、研究所のほうに届くと思うんです。それこそ、私ども国民も国も期待するところ だと思うんです。それをぜひ、よろしくお願いしたい。  それから、私、外国に何回も行っておりますけれども、そこでアメリカにおりまし て、日本の労働衛生のスタティスティックスを使って、何か向こうでレビューを書こう と思っても、なかなかデータがないんです。ですから、Industrial Healthは長く、非 常な努力をされて編集されていると思いますけれども、できましたらば、そういうとこ ろにやはり日本の統計を、これは日本産業衛生学会、最近結構英文誌を学会として出し ておりますけれど、やっぱりそれは学会でやる仕事ではないだろうと思います。学会は やっぱりその研究者が個人のインタレストでどんどんやっていくわけですから、国の機 関に、独立行政法人になりましたけれども、そういうところではやはり国際的に、よそ の国の人が見て日本の労働衛生の現状がわかるようなスタティスティックスを入れるよ うなことをどんどんされますと、また存在価値が上がるし、それはもう大学や学会では 本来はしないことですので。  そこら辺も今、議論が白熱したのをちょっと私、違う方向から、冷ましていただくと いうよりも、いい方向に。皆さんがおっしゃっている意見はどれも、おっしゃることは 私、わかるんですけれども。ちょっとすみません。 ○大久保部会長  いずれにしましても、岩渕委員と理事長の目的とされるところは全く合致していると 思いまして。岩渕委員が、もっともっとということを強調しておっしゃったのだろうと いうふうに理解しておりますので。いろいろとご発言はあるかと思いますけれども、こ こらあたりでそろそろ評価のほうに移らせていただいてよろしゅうございますでしょう か。  よろしゅうございますか。それでは、評価のほうをよろしくお願いいたします。 (各委員 評価シートに記入) [個別項目19〜22の評価] ○大久保部会長  それでは最後になりますけれども、第4グループの評価シートでございますが、項目 にしますと19から22までのご説明をいただけたらと思います。 ○本間産業医学総合研究所企画調整部長  評価シート19から始めさせていただきます。パワーポイントの資料では16ページにな りますが、その下のほうのスライドでございます。「経費節減(外部収入・自己資金) 」に関しましては、先ほどから説明が重複するものがありますが、外部研究資金として 種々の課題で総額1億800万円を得ております。それから自己収入につきましては、振 動関係の施設の有償貸与ということで38万円の自己収入を得ております。それから技術 指導・委員派遣等によりまして、613万円の自己収入を確保しております。  これらの成果で、評価シート19に関しましては自己評定としてはAとさせていただい ております。  評価シート20にまいります。パワーポイント資料では17ページでございますけれど も、「予算、収支計画及び資金計画」に関しまして、人件費に関して計画と実績に差異 がありますが、これは予算上はある程度、定年退職以外の退職があり得るかということ で予定していたわけですけれども、それがなかったということと、人事院勧告に基づい て給与等の減額があったということで、計画と実績に差異があるということになりまし た。一般管理費の節減に努めまして、先ほども申しましたような種々の節減により、研 究部品の購入に充当いたしました。  そのようなことで、評価シート20に関しましては自己評定でAとさせていただいてお ります。  評価シート21にまいります。パワーポイント資料17の下になりますが、「人事に関す る計画」に関しましては、平成15年度は特に新規職員の採用はございませんでした。平 成16年度新規採用について公募をいたしたわけですけれども、結果的に若手任期付研究 員1名を含む2名の採用を決めたということでございます。この若手任期付研究員は、 分野としてはメンタルヘルスの分野に属しまして、やはり近年、メンタルヘルス関係の 研究が非常に重要になっておりますので、そこのあたりを考慮して採用したということ になります。人件費の実績は予算を上回っていないということでございます。  そのようなことで、評価シート21に関しましては自己評定としてはAとさせていただ いております。  評価シートの22にまいります。パワーポイント資料では18ページになりますが、「施 設・設備に関する計画」でございます。これは経年劣化が著しい空調自動制御機器及び 低電圧電源回路を改修いたしました。これは計画どおりでございます。それから高圧蒸 気滅菌装置にクラックが発見されたため、重大な事故・災害の発生が懸念されるので、 急遽、改修を行ったということで、これは当初の計画になかったのですが、急遽、対応 したということでございます。  このようなことで、評価シート22に関しましては自己評定をAとさせていただいたと いうことでございます。以上でございます。 ○大久保部会長  ありがとうございました。それではご質問等ございましたら、よろしくお願いしま す。  どうぞ、黒澤委員。 ○黒澤委員  この最後のページのパワーポイントですが、施設・設備ですね。経年劣化によるもの で、計画どおりとこういうことですが、これはそのとおり経年劣化が著しいということ が、多分計画的にわかっていたということからこうなったのだと思います。その下の高 圧蒸気、これはまさに突発的に起こった。しかし、多分施設的にみますとかなり古い状 態にあったのではないかと、推測されるんです。むしろ私はこういう問題を、産医研さ んが災害を起こしたらとんでもないことになるというイメージがありましてね。むし ろ、もっと積極的に対応されたほうがいいのではないかという感じを持っています。今 後も、おそらくあると思うんです。いつ起こるかわかりませんから。産業安全、あるい は産業衛生のところからそういう事故が発生するということは、イメージ的に非常にマ イナスであると。先ほどのメディアに対してもマイナスのイメージが拡大されますか ら。ぜひこの点は、もう少し計画的に前向きに対応されて、積極的にメンテナンスをや られるということが大事だとこういうふうに思います。よろしくお願いします。 ○本間産業医学総合研究所企画調整部長  ありがとうございます。これは当初の見込みでは十分まだ耐用年数があるといいます か、使えるというふうに考えておったわけですけれど、結果的にひび割れが見つかりま して、それに急遽対応したということで、今後はそういうようなこともできるだけ計画 に組み込んでいって対応したいと思います。 ○大久保部会長  ほかに? どうぞ、清水委員。 ○清水委員  1点だけ確認させていただきたいのですが、評価シートの21項目です。「人員の指標 」、中期計画のところで、「期末の常勤職員数を期初の96%とする」と書いてありま す。これは中期計画期間の期初が76であれば、最後は73名にするという意味なのかとい うふうに思うのですけれども、今現在74名と書いてございますけれども、これをさらに あと、17年度のところで1名削減するというふうなのが中期計画ということでございま しょうか。 ○本間産業医学総合研究所企画調整部長  平成15年度末は、この間の3月31日でございますけれど、その時点で74名であったの ですが、そこで定年退職及び補充、採用がありまして、それをトータルしますと1名減 ということで、平成16年度4月1日からは73名になったということで、それによって、 すでにもう中期計画中の目標を達成したということでございます。 ○大久保部会長  ほかにいかがですか。酒井委員、どうぞ。 ○酒井委員  先ほどの議論の中で、研究成果を非常にわかりやすくつくって公開していくというこ とで。でも、私にとって、例えば30年前に労研に入ったときに、産医研が今回紹介され ているようなパソコンの使い方が、あんなわかりいい、非常に見やすいものが出るなど ということは思いもよらなかったことで。そういう意味では非常に努力されて、わかり やすさということを強調されているんです。ただ、そのことと予算との関連ですけれど も、例えばそういう研究成果をあらかじめ予期してそれを公開するという意味での予算 というのは、どんなふうに立てられているのでしょうか。 ○本間産業医学総合研究所企画調整部長  一応年度当初の予算の中で、かなり留保と申しますか、予備費としてとっておりま す。そのようにいろいろな突発的な支出もございますし、あるいはこのように、研究成 果をパンフレットとしてまとめる見込みができたからそれをつくりたい、というような こともございますので、ある程度の需要と言いますか、そういうものに対しては対応で きるように、予備費というような形で対応しています。 ○酒井委員  それは一般的にはよく理解できることですけれども、むしろそういうものを予算化し ていくということも、研究テーマを、たくさんのものを、研究所ですから当然やってい くということと同時に、大事なことで、そういうことをほかの先生方もおっしゃってい たのではないかというふうに思っているんです。 ○本間産業医学総合研究所企画調整部長  Industrial Healthのような定期的に発行して、何部発行するというようなことがわ かっておりますと、経費的にも十分予測できるのですが、研究成果を一般向きにパンフ レットをつくるというようなことが、必ずしも年度当初にこれだけのお金が要るという ようなことを予測しがたい部分もございまして。あまり具体的に細かく、例えばこのパ ンフレットにいくら用意するというようなことはしにくいかなということも感じます。 お話のようなそういう支出が必要であるということは重々承知しますけれども、やはり ある程度予備費のような形で大枠の予算を取っておいて柔軟に対応するというのが、現 実的ではないかというふうに考えております。 ○大久保部会長  そうですか。よろしいですか。はい。どうぞ。 ○五十嵐部会長代理  今の出版物関係ですが、実は財務省の印刷局が独法化していますので、あそこでいろ んな、いわゆる一般向けの本をつくり始めているんですね。私も頼まれてやっておりま すが。あまりたくさんの厚さではなくて、100ページぐらいの本で、1,000円ぐらいで全 部つくってくれるんです。しかも、官庁の、霞が関にもありますけれども、ああいうと ころで販売をするという施設ができてありますので。  多分、直接は持っていかれにくいだろうと思いますので、どこか業者を通して、実は そういうものを自分のところで執筆をすると。ですから、印刷局に持ち込むような、中 間でやっているような業者はたくさんいますから、そういうところを通しておやりにな れば、ライターが書いて、それを先生方が全部手を入れて直せばいいわけですから。話 をしながらライターに書かせると。そうすると、もっとわかりやすいものが、私はでき るだろうと思うんです。  ですから、そういうようなシステムが、国も変わってきていますので、そういうこと をやはり研究所でおやりになるのでしたら、そういう、自分のところで全部抱え込んで 出さなくてもいいから、印刷局なんかでも出しますので、そういうこともお考えになっ たらどうかという気がいたします。 ○本間産業医学総合研究所企画調整部長  ありがとうございました。いろんなマスコミの取材なんかを受けますと、そういう記 事を各専門の方ですから、非常にこちらの説明をうまくまとめて記事にしてくれるとい うことがありまして、餅は餅屋と申しますか、そういう一般向けの記述というのは、や はり専門家にしていただくと非常にいいというようなこともあるかと思いますので、お 話のようなことも十分考えていきたいと思います。 ○荒記産業医学総合研究所理事長  これは確かにいいアイディアなのですが、現実には、必ずそういうライターに書いて もらおうと思うと、余分な予算がかかるようになるわけです。料金を請求されるわけで す。出版社のほうで、売れていくらでも、それこそ先ほどの話ではないですけれど、も うかるというのだったら任せてやっていただけるのですが、たいていのものはこちらで ある程度負担しないとやっていただけない。そうすると、私どもの研究所としてはそう いう予算を取っておかなくてはいけないことになります。ただ、私どもの実力がもっと 上がり、研究所でやったことがすぐ一般社会に、全部無料で書いてくれるという状況が 出てくれば、そうなるんですが。それは努力目標ではあるのですが、なかなかまだそこ まで行っていない状況です。 ○五十嵐部会長代理  そのときは、実はだれもお金を払っていません。ですから印刷局が全部、リスクは受 けているんです。最終的には、企画さえよければということがありますので、産医研で おやりになれば、例えば厚生労働省なり産医研がお墨つきでお書きになれば、多分印刷 局も「うん」と言うでしょうし。特にお金はかからないと思います。ですからそれは、 回収するのに、例えば3,000部であるとか5,000部だとかいう程度の印刷部数ですから。 僕らはもっとつくれと言うのですけれど、なかなか乗らないんですが。そういうこと で、研究所に負担がかかるようなことではなくて、僕はできるルートが、そういうのが ございますので、またお話します。 ○大久保部会長  ありがとうございます。そのほかに? どうぞ、岩渕委員。 ○岩渕委員  これは皆さんのご判断ですけれど、先ほど、要するに「いや、マスコミにも紹介され た」というようなお話があって。私自身はその新聞記事か何か見ていないものですか ら、全然ピンと来なかったのですが。そういう意味で言いますと、全部、例えばマスコ ミに報道されたら関係者はみんな見ているのでしょうけれど、一般のほかの人というの は見ていないことが結構多いものですから、この評価委員会でもしいろいろ、これだけ 実績を上げたというのを力説なさる場合には、その補助材料として、例えば掲載された 新聞記事のコピーを補強材料としてお出しいただくとか、そういったようなことも。  どうでしょう? これは考えてみてもらってもいいと思うんです。私は、手前みそに なりますけれども、新聞報道のほうが自己評価よりも参考になるように思いますけれど も。これは私の単なる感想ですけれども。そういったような材料もあっていいのではな いかというふうに思いますが、いかがでしょうか。 ○本間産業医学総合研究所企画調整部長  今の新聞報道の材料ですけれど、全く私たちもそう考えまして、残っているかという ふうに探しましたら、実は手元に新聞報道は残っていなかったんです。それで、残念な がら、材料として提供できなかったということです。 ○荒記産業医学総合研究所理事長  いや、これは当然いくらでも出せる資料です。企画調整部のほうでは公式に研究所と しては持っていなくても、研究員や私は持っていますからね。後ほど出させていただく 用意があります。新聞記事に出たものがいくつかあります。ただ、同じテーマで年度が たまたまその年度に相当したものがあるかは、調べてみないとはっきりしませんが。と にかく新聞記事はいくつか持っていますから、それは具体的に請求していただいてぜひ 出させていただきたいと思います。 ○大久保部会長  ありがとうございます。そのほかにどなたかご質問等ございませんでしょうか。  それではご記入をお願いします。 [総括] ○大久保部会長  まだ書き込みをしていらっしゃいますけれども、よろしゅうございますでしょうか。  岩渕先生、最後のその総括でご質問等ございますけれども、もうよろしゅうございま すでしょうか。  それでは、以上で評価をしていただくのを終わりますけれども、最後に総括としまし て何か、委員の先生方からご意見あるいはご質問等ございましたら、よろしくお願いし ます。  はい、酒井先生。 ○酒井委員  ありがとうございます。産医研に関してではなく、最後に岩渕さんと議論されていた 件ですけれども、これで1年半ほど、栄養研が残っていますけれども、やってきて、や っぱり評価の視点に基づいて評価をするということですけれども、皆さん方から「こう いうことを1年間やった」、「やった」、「やった」というふうに報告されて、それに 基づいて評価するのですけれども、もう少し、最後に岩渕さんが言われたようにエビデ ンスベースドに切りかえていかないと、ものすごくブレるんですね。  そのことが当然、皆さん方にとっては、評価されるほうの側ですから、いろいろ気づ かいもある反面、するほうもその辺はかなりストレスでして。やっぱりその手段として はぜひ、また来年も再来年もあるのかもしれませんけれど、少しそのエビデンスベース ドで評価をするということを一度検討していただけるとありがたいというふうに、素直 な感想を持ちました。よろしくお願いします。 ○大久保部会長  ありがとうございました。 ○本間産業医学総合研究所企画調整部長  よろしいでしょうか。そのエビデンスの話ですが、具体的に一つ一つを出すのはなか なか大変ということがありまして、添付資料という形で1から23まで、いろいろな細か い資料を出しているわけですね。本当はこれを見ていただきたいというのが、こちらの 率直な気持ちです。プレゼンテーションとしても、これをうまくまとめるというような 形で何かできたらいいということで、今のご意見にこたえたいというふうに考えており ます。 ○大久保部会長  ありがとうございました。そのほかにいらっしゃいませんでしょうか。 3.閉会 ○大久保部会長  それでは、本当に長時間にわたりましてありがとうございました。おつかれさまでし た。  何か疑問点等ございましたら、あるいはご意見等ございましたら、明日また第10回が ございますので、その際にぜひご質問等、よろしくお願いをいたします。  それでは本日の会議はこれで終了とさせていただきまして、今後の予定について事務 局からご説明をお願いいたします。 ○事務局  事務局からでございますが、明日、第10回の調査研究部会でございますが、国立健康 ・栄養研究所の個別評価をお願いいたします。明日につきましては、本日と同じように 15時からでございますが、建物は厚生労働省の建物でございます。厚生労働省の17階に ございます第18会議室のほうで開催をさせていただきますので、よろしくお願いいたし ます。  なお本日、評価シートにつきましてはこのあと回収させていただきます。あわせまし て、本日の配付資料につきましては事務局のほうで、膨大な量でございますのでファイ ルをさせていただこうかとこのように存じておりますので、ひとつよろしくお願いした いと思います。  本日はどうもありがとうございます。以上でございます。 ○大久保部会長  本日の部会は以上とさせていただきますけれども、前回も申し上げましたけれども、 評価シートへの書き込み、まだ足りないという方がいらっしゃいましたら、ぜひこの場 にお残りいただいて、作業をそのまま継続をお願いいたします。  なお、長年、事務方として大変ご協力をいただきました田中正晴調査官、きょうでお しまいということでございまして、長年、本当にご協力をこの評価部会に対しましてい ただきましてありがとうございました。委員の先生方と、心から御礼を申し上げます。 今後のご健康とご活躍を心から期待をしております。ぜひぜひ、また今後ともよろしく お願いを申し上げます。  それでは、きょうご出席の産医研の諸先生はもちろんでございますけれども、ご出席 の皆様方、本当にご苦労さまでございました。明日また、大変な労働が待っております けれども、よろしくお願いをいたします。以上で終わりにさせていただきます。ありが とうございました。  田中調査官、何かございませんか。はい。それではおしまいにさせていただきます。 ありがとうございました。                                    (終了) 照会先:政策統括官付政策評価官室 企画係 電話 :03-5253-1111(内線7783)