04/07/29独立行政法人評価委員会第10回医療・福祉部会議事録          厚生労働省独立行政法人評価委員会医療・福祉部会                  第10回議事録 日時: 平成16年7月29日(木)13:30〜17:00 場所: 虎ノ門パストラル プリムローズ 出席委員 浅野委員、石井委員、遠藤委員、大石委員、岡田委員、川原委員、白石委員、      宗林委員、山崎委員 1.開会 ○部会長  定刻になりましたのでただいまから第10回の独立行政法人評価委員会医療・福祉部会 を開催させていただきます。昨日に引き続いての会議でございます。どうかよろしくお 願い申し上げます。  今回は小林委員、橋本委員、山崎委員、このお三方がご欠席でございます。なお、昨 日、出席いただけなかった遠藤委員と山村委員は午前中いっぱいかけて厚生労働省の方 で今日、実績の報告を受け、その評価を済ませてきていただいております。大変ご苦労 様でございました。よろしくどうぞお願いいたします。  それでははじめに事務局の方から本日の議事につきまして簡単なご説明を頂戴したい と思います。よろしくどうぞ。 ○政策評価官  はじめに7月23日付で事務局の方で担当課長の交代がございましたので一言ご挨拶を 申し上げます。 ○部会長  では、よろしくどうぞお願いいたします。 ○障害保健福祉課長  7月の23日付で障害保健福祉部の障害保健福祉課長になりました松嶋でございます。 よろしくお願いいたします。 ○部会長  どうぞよろしくお願いいたします。 ○政策評価官  それでは昨日に引き続きまして本日は国立重度知的障害者施設のぞみの園の個別評価 につきましてご審議をお願いしたいと存じます。  その前にご報告事項がございまして、7月23日付で総務省の方の政策評価・独立行政 法人評価委員会の独立行政法人分科会におきまして決定されました役員退職金の業績勘 案率に関する方針、これにつきましてご報告をさせていただきたく存じます。  昨日の第9回の部会におきまして、委員の皆様方から評価の在り方につきましていろ いろご指摘を賜ったところでございますけれども、そのうちのいくつのか点につきまし て昨日も私ども、議論させていただきましたので、その点、少しご説明をさせていただ ければと思っております。  あと、本日、この部会と併行いたしまして他の会場で調査研究部会が開催されますの で、大変申し訳ございませんが、途中で私、そちらに向かわせていただければと存じま す。よろしくお願い申し上げます。 2.審議  (1)「役員退職金の業績勘案率に関する方針」についての報告 ○部会長  ありがとうございました。  それでは今、ご説明がございましたように、まず、「役員退職金の業績勘案率に関す る方針」というものは総務省の方で出されたものでございますが、それに関するご報告 を頂戴したいと思います。よろしくお願いいたします。 ○政策評価官  はい。それではお手元の資料の資料1−1、参考資料1−1、1−2と3つ退職金関 係の資料をお配りしております。独立行政法人の役員の退職金の支給率に関しまして は、平成15年の12月に閣議決定が出ておりまして、平成16年以降の在職期間については 役員の退職金の支給率について一月につき俸給月額の12.5/100というのを基準とする と、これを各府省の独立行政法人の評価委員会が0.0から2.0の範囲内で業績に応じて決 定すると、そういう業績勘案率を乗じたものとするように各府省に要請すると、こうい う閣議決定がなされております。これは委員の皆様方、ご承知のことと存じますが、参 考資料1−1がその資料でございます。  この閣議決定が出ましたので、厚生労働省の独立行政法人評価委員会におきまして 「独立行政法人の役員の退職金に係る業績勘案率の決定方法について」、今年の3月30 日の評価委員会の総会でご了解をいただいた。そして、この後、この部会においてもご 了解をいただいたものと承知をしておるところでございます。この資料が参考資料の1 −2でございます。  先般、総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会、総務省の評価委員会というふう に言わせていただきますけれども、7月に入りましてから業績勘案率についての着眼点 というものをまとめまして、それを受けて7月23日に総務省評価委員会としての「役員 退職金に係る業績勘案率に関する方針」というものを決定いたしました。これがお手元 の資料の1−1というものでございます。  「役員退職金に係る業績勘案率に関する方針」ということでございますけれども、役 員退職金に係る各府省独立行政法人評価委員会からの業績勘案率の通知に対し政策評価 ・独立行政法人評価委員会として意見を述べる際の当分科会の検討にあたっては、以下 の方針とするということでございまして、以下、全部、読み上げるのは省略させていた だきますけれども、先に当厚生労働省の評価委員会におきまして決めていただきました 業績勘案率の決定方法についてと、今回、新たに総務省の評価委員会から示されました 方針というもの、これを比較いたしますと、既にご了解いただいている厚生労働省の方 の決定法について何点か問題となり得る点があると考えられます。  具体的に申し上げますと、例えば法人設立直後で業務実績評価結果が存在しない場合 にどういうふうに取り扱うかという点について、当省の評価委員会としては年度の業績 勘案率を1.0とするということで決めていただいたわけですけれども、総務省の評価委 員会は当該機関の法人等の業績を客観的・具体的根拠にして認定することというような ことが書いてあるのですね。  役員の退職時点において未だ評価が行われていない場合に、当省の評価委員会では直 近年度の年度業績勘案率を用いることとするというふうになっているわけですけれど も、総務省の方では、これも客観的・具体的根拠によって認定していることと。あるい は当初の評価委員会で法人ごとに率を算定することにしまして、役員によって差別化は していないわけでございますけれども、総務省評価委員会では理事長、理事、監事等の 個々の職責に応じた形で算定していることというようなことも書いてございます。  そういったことでいくつか問題となり得る点があるわけでございます。今後ですけれ ども、当初でお決めいただきました業績勘案率の決定方法について、これについて総務 省の方の評価委員会において今後、ご議論いただきまして、その結果を踏まえて改めま して当省の評価委員会において決定方法について議論していただく必要があるのではな いかと思っておりまして、本日の時点ではそういった新しい状況になったということの ご報告をさせていただきたいと存じます。以上でございます。 ○部会長  ありがとうございました。この総務省の方の方針の取り扱い方について今、ご説明を いただきましたが、何かご質問ございませんか。例えばこれは常時、総務省の方に我々 の方も従属する立場を持っているというふうに理解すべきなのでしょうか。 ○政策評価官  はい。その点なのですが、さきほどご説明をいたしました中に閣議決定の文書がござ いました。参考資料の1−1というものですけれども、これを見ていただきますと1の 独立行政法人のところで各府省の評価委員会のことなのですが、各府省の評価委員会は 業績勘案率の決定に当たり、あらかじめ総務省政策評価・独立行政法人評価委員会に通 知する。この場合、総務省政策評価・独立行政法人評価委員会は独立行政法人評価委員 会に対し、意見を述べることができるという記述がございまして、こちらの厚生労働省 の評価委員会として決めていただいた方針で個別の具体的な率について審議いただき、 決定にあたって総務省の方に通知するわけですが、現在のような状況ですとその際、総 務省の方の評価委員会からそれと違う意見が出てくることになろうと思われると。そう いった状況でございまして、この考え方自体についてやはり総務省の評価委員会との間 での調整が必要な状況ではないかということでございます。 ○部会長  はい。ありがとうございました。という状況でございますが、いかがでしょうか。こ れについて特に今の段階では異論とか、あるいはないのかもしれません。今後、どうい う形になるのか、明確になるだろうということでございますので、報告という形で留め てよろしゅうございますか。いいですね。はい。ありがとうございました。それではそ のご報告を頂戴したということにして、次に移りたいと思います。  (2)独立行政法人の評価の在り方について ○部会長  その次はいよいよ独立行政法人の評価の在り方についてということに入るわけでござ いますが、昨日、会議が終わりましてから事務局サイドはまた内部で随分いろいろ議論 とまとめをやってくださったようです。その結果について事務局のコメントという形で ご説明を頂戴できればと思いますのでよろしくどうぞお願いします。 ○政策評価官  たくさんのご指摘をいただいたのですが、十分整理しきれませんでして、私の方で議 論した結果をご報告いたしまして、ご参考にしていただければということでいくつかの 点についてお話をさせていただきます。  昨日、ご指摘いただいた中に、まずひとつは平成15年度の事業実績の評価、本日もや っていただくわけですが、これは中期計画に照らして行うのか、それとも15年度の事業 計画に照らして行うのかという点があったかと思います。  この点につきましては法令上の規定を調べてみますと、まずひとつは独立行政法人の 通則法では、各事業年度における業務の実績についての評価委員会の評価は中期計画の 実施状況の調査をし、及び分析をし、並びにこれらの調査及び分析の結果を考慮して当 該事業年度における業務の実績の全体について行わなければならないということで、や はり中期計画の実施状況の調査分析に基づいてやるということが法律に書いてあるとい うことが1点ございます。  そういうことがありまして、この厚生労働省の評価委員会の方で評価の基準というも のを既にお決めいただいておりますけれども、その基準の中でも15年度における業務の 実績に関する評価は中期計画の個別項目毎の進捗状況について測定するという、そうい う記述になっております。法令上の規定はそういうことでございます。  通常、考えますところの各年度の計画、年度計画というものは当然でございますけれ ども、中期計画を実現するためにしかるべき内容になっているはずでありまして、通常 は年度計画に照らしても支障はないものというふうに思われるのです。  ただ、議論の整理という点でちょっとひとつ極端な例で仮定で申し上げますと、仮に 中期計画の期間内で実現すべき内容をもう初年度で全部やってしまうというような意欲 的な計画を立てた場合、それが実現できなかったと、そういった実績をどう評価するか ということになりますと、それは年度計画に照らしてということではなくて、やはり中 期計画の進捗状況としてそういった状況をどう判断するかということで評価をしていた だくということなるのではないかということでございます。以上が1点目でございま す。  2点目に、これと関連いたしますけれども、中期計画の期間内に実現すべき目標を大 変意欲的に前倒しをして初年度に達成してしまったような場合、その場合にどういう評 価になるのだろうかという議論があったと思います。そのような場合には当然、初年度 については意欲的に、昨日もお話がございましたけれども、高い評価をなされるものと いうふうに考えられるわけでございますけれども、次年度以降の評価をどのようにして いくべきかという点であります。  これを議論してみたのですが、やはり目標の設定の仕方によっても異なってくるので はないかということで、一概に言い難いというのが私どもの感じなのですけれども、例 えば申請を受けて、それの処理期間を中期計画の期間内に徐々に短縮をしていって迅速 化していって一定の目標まで短くしていくと、こういうような目標設定だった場合に、 初年度に一挙に短縮してしまって次年度以降も高いレベルをずっと維持しているという ようなケースであれば、例えば初年度について例えばでございますけれども、S、次年 度はAと、しかし、年度終了、中期計画の最後の段階では予定どおりということでBと か、そういった評価が考えられるのではないかと思います。  一方で何らかの規定を作るというような目標、規定類ですね。それを作るというよう な場合にも初年度に全部作ってしまったと、2年度以降は何もやらないといったような 場合に同じような評価の仕方でいいのかどうかというと、そこはまた2年度以降は法人 としての取り組みが当然違ってくるわけですので、そういった点についてどういうふう に評価していくかというのは一概に言えないのではないかということで、目標の設定の 仕方に則してその段階でご議論をいただかざるを得ないのかなというような、そんなこ とまででございました。  3点目に議論いただいた点で数値目標が設定されておりまして、実績がこれを上回っ た場合に、では、どのぐらい上回ったらSになるか、どのぐらい上回ったらAになるか というような、こういう尺度を作っておかないと各委員の評価がばらばらになってしま うので共通の尺度を設定できないかというご議論があったと思います。  この点についても現段階で事前に案をお示しして議論していただいて決めていただく というのはやはりちょっと難しいのではないかなということなのです。これについては 他の部会でも同じような議論があったそうでございますけれども、結局、当面の取り組 みとしてはそれぞれの委員のご判断で評価を実績、どのぐらい上回ったかということに ついて評価をしていただいて、その平均値を以てこの部会の評価とするという、そうい う考え方をとっていくという方式を取らざるを得ないのではないかということでござい ました。  そういうことで以上3点について昨日、事務局内で議論したのでございますが、いず れにしましてもいろいろな問題、さらにございますし、実際の評価を進めながらこうい った評価のあり方についてもぜひ、ご議論いただいてご指導賜ればというふうに考えて いるわけでございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 ○部会長  ありがとうございました。今、ご説明のとおり、実は昨日、いろいろな点をご指摘い ただいたのですが、その中でその一部という形で、しかもまだ確定的な考え方を示す段 階ではないけれども、事務局の中で議論をして当面、このような態度で臨むべきではな いのかというようなことをご披露いただいたと。ですから、今の内容が絶対的なもので はないと思いますし、今後、さらに加えられていくものもたくさんあるのではないかと 思いますが、そんなことをご披露してご参考までにということでございます。  何かご質問ございませんか。昨日の議論に伴う今の見解についてですが、よろしゅう ございますか。それではまた後で当然、これに関連した議論が出てくると思いますの で、そのときまた深めていただければと思います。  (3)国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の個別評価について ○部会長  それでは今日の主題であります国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の個別評価に 入りたいと思います。  まず、それではその開始にあたりまして国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の遠 藤理事長様より平成15年度の総括及び今後の方針などについてお話をいただければと思 いますので、よろしくどうぞお願いいたします。 ○のぞみの園理事長  理事長の遠藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。座って失礼いたしま す。  私どもの法人は重度の知的障害者を対象としまして、その自立支援を先導的に、先導 的にと言うのはモデル的にということだと思いますけれども、先導的に総合的に提供す る、そういうことを目的とする法人でございます。昨年10月に独立行政法人に移行しま して10か月が過ぎようとしておりますけれども、厚生労働省はじめ、関係各位のご理 解、ご協力をいただきましてお蔭様で概ね順調に移行できたかと考えております。  従来の特殊法人から独立行政法人への移行に際しましては、旧法人から職員と施設の 入所利用者全員を引き継ぐということでありましたけれども、施設の目的が従来、重度 の知的障害者を全国から受け入れて一生お世話する、そういう施設でありましたもの が、今度は重い障害があっても施設から地域に移行して普通の暮らしができるように支 援する施設へと、言わば180度変わると、そのような事情がございました。  また、旧法人の業務というのは施設の運営というのがほとんどを占めておりましたけ れども、のぞみの園法ができまして、その第11条で業務が列挙されておりますけれど も、施設の運営はもとより調査・研究、人材の養成・研修、その他の業務ということで 診療所の運営ですとか在宅サービスの実施などもありますけれども、そういった各業務 をバランスよく充実させていくと、そのことによって当法人の専門性を高めていくと、 そのような方向を目指すことが必要と考えております。  今、申し上げましたように法人の目的、施設の目的も、また、業務内容も大きく様変 わりする中で、大臣から指示されました中期目標の達成に向けまして役職員が一致協力 して取り組むと、そのためにはまず職員の意識改革が必要であるということで職員の意 識改革に取り組み、また、施設運営はもとより調査・研究ですとか養成・研修、このよ うな法人の業務全般を効果的、効率的に実施していくための体制の整備、具体的に言い ますと法人内の組織の整備ですとか、外部から専門家を招聘して職員になっていただく とか、自治体とか関係団体などにいろいろ協力要請をするとか、そういった体制整備に 取り組むというのがこの6か月間の重点を置いた取り組みであったということができる かと思います。  このような体制整備も概ね一段落いたしまして現在、中期目標に示されておりますい ろいろな課題に本格的に取り組んでいるところでございます。成果も少しずつではあり ますけれども、出てきていると、そういう実感を持っております。詳細はこの後、担当 理事からご説明いたしますけれども、若干、時間をいただきまして当法人の主な業務毎 に総論的なご説明をさせていただきます。説明の内容が15年度の6か月間に留まらず、 現在進行形みたいに今の取り組みも含めたものとなっておりますこと、ご容赦願いたい と思います。 まず、当法人として最大の課題と受け止めております施設の入所利用者 の地域への移行についてでございます。中期目標では当施設の入所利用者、約500名お りますけれども、その3割から4割を地域に移行するように取り組むとなっておりま す。このような大規模施設に入所している知的障害者を地域に移行させるということに ついては、既に宮城県ですとか長野県でも先駆的に取り組んでおります。ただ、当法人 の場合、これらの県の取り組みと比較しますといくつか異なる事情があるというのも確 かだと思います。  第1に私どもの法人は全国44の都道府県、300の市区町村から入所利用者を受け入れ ております。なお、入所利用者の平均年齢は54歳、入所期間が30年以上経っているとい う方も8割おられます。また、宮城県とか長野県では県内の移行先の条件整備と言うの でしょうか、受け皿づくりのために県単独事業などでいろいろ上乗せの補助金などを作 りまして受け皿づくりに県としても取り組んでいるということでございますが、私ども の法人の場合にはそれぞれ入所利用者の出身地が様々でございますので、移行先となる 自治体の福祉施策の枠組みを前提にいろいろ条件整備をしていくと、具体的には移行後 の生活設計をし、支援体制を整備していくと、そういうことを個々にやっていくという ことが必要でございます。ざっくばらんに言いますと、私どもの法人から地域移行する 人に特別の補助金をつけるというようなことはないわけでございます。  このような事情にございますけれども、私どもの法人としてはこれから5点程、申し 上げますけれども、5点の方針の下に一人ひとり丁寧に手順を踏んで進めて本人の幸せ につながる地域移行、家族にも納得していただける地域移行の実現に取り組んでおりま す。  方針の第1点は障害の重いとか軽いなどで区別しないで入所利用者の全員を地域移行 の対象者として考えるということであります。第2点は本人の意向を尊重するというこ とは当然ですが、家族の意向も丁寧に聞いて納得をしていただくということでありま す。第3点は経済的な負担も含めて家族に負担を強いないということであります。第4 点は移行先の条件整備にできる限り努め、きちんと支援できる体制を整えた上で移行す るということであります。第5点は移行後の生活状況もフォローいたしまして移行先で の生活の継続が困難となった場合には私どもの施設に再入所するということも対応方法 として予め考えておくということでございます。  以上のような5点の方針の下に今、取り組んでおりますけれども、平成15年度の6か 月間は、まず、全体的な状況を把握するために保護者、これは家族のことであります が、家族のアンケート調査、入所利用者の出身自治体における在宅福祉サービスの整備 状況の調査、これは移行先としてどこにするかというのがあるのですけれども、まず、 出身自治体の方から考えていくということで出身自治体の方の調査をいたしました。  こういった調査をするとともに当事者である本人とか家族に対するいろいろな説明を 繰り返して行ったり、また、関係者である自治体とか施設の団体、親の会の団体などに もいろいろ説明をして協力要請を行った次第でございます。  その結果として今年度に入りまして地域移行に向けた協議調整が進んできたケースも 出てきておりまして、近々、第1号ということで恐縮でございますけれども、地域移行 のケースが段々と出てくるという状況になってきております。  また、施設の関係で私どもの施設の役割としてこういった地域移行を推進していると いうことに加えまして、地域で暮らす知的障害者、この地域というのは私ども、都道府 県単位ぐらいの広がりを想定しておりますけれども、そういった地域で暮らす知的障害 者、あるいは知的障害児に総合的な相談サービスですとか、在宅サービスですとか、通 所のサービスですとか、外来の専門医療などを積極的に提供して地域の中核施設として 役割を果していくということも重要と考えております。  このような施設の業務に加えまして調査・研究、専門職員の養成・研修などについて も業務の柱となるように充実していこうということで取り組んでおります。調査・研究 につきましては旧法人では施設内での生活の支援という、そういう視点が中心でござい ましたが、新しい法人になりまして重度知的障害者の自立、あるいは地域への移行と、 そういう視点から専門性の高い調査・研究に取り組んでいかなければならない。その成 果を全国に発信していかなければならないと考えております。  幸い、平成16年度の厚生労働科学研究費の補助金を申請して採択されました。これは 国立精神保健研究所、国立秩父学園と共同で申請いたしまして採択されたということで 3年計画、初年度900万円の内示をいただきましたが、こういった研究を柱に関係機関 と連携して、また、外部の専門家の協力もいただきながら取り組んでいきたいと思って おります。  人材の養成・研修については旧法人時代から福祉大学とか保育専門学校などから実習 の受け入れをしておりましたけれども、これからは全国の知的障害福祉の関係者を対象 に専門的を研修をやろうということで企画している最中でございます。重度知的障害者 の地域移行ですとか、健康管理など、当法人の特色を出せる研修を実施するということ で鋭意、検討中でございます。  最後に当法人の今後の目指す方向でございます。これは中期目標の期間がまだ3年ご ざいまして、とにかく当面、この目標達成に全力を尽くすということは申し上げるまで もないわけですし、また、次の中期目標というのがきっと示されるはずでありまして、 それに沿って当法人を運営していくことも、これも当然でございます。  ただ、私ども、日常の業務に取り組むにあたって常に2つのコンセプトを念頭に置い てやろうということで役職員一体となって取り組んでおります。第1にさきほど地域で 暮らす知的障害者の自立支援と言いましたけれども、そういった地域で暮らす知的障害 者の自立支援も含めた、そういった地域の中核施設として各都道府県に同じような規模 の施設がございますので、そういう施設のモデル的な役割を果していけたらと、そうい う地域の中核施設というコンセプトであります。  第2に関係機関として国立精神神経センターですとか、国立秩父学園ですとか、いろ いろございますが、そういった機関と連携協力を図って福祉施設サービスですとか、調 査・研究とか養成・研修、私どもの業務の専門性を高めていって全国の関係者に専門性 の高い情報を発信できたらと、そういう役割を果たしたいというのが第2のコンセプト であります。  このような2つのコンセプトを念頭に置いてと申し上げましたが、当法人というのは まだまだ力不足ということも確かでございますので、これから当部会の委員の先生方は じめ、関係者の皆様のご指導、ご鞭撻をいただいて、私ども、高い志を持って取り組ん でまいりたいと考えております。どうかよろしくお願いいたします。 ○部会長  ありがとうございました。大きく方向、あるいは機能を変えることになっておりまし たのぞみの園の過去6か月間を評価するにあたって理事長さんから特に総論的なお話を 頂戴いたしました。  引き続きまして個別評価に入りたいと思います。昨日もそうでございましたが、4つ のグループに分けてそれぞれ評価をお願いいたしますが、のぞみの園の場合には16項目 の中期目標がございまして、そのうちの1から5までの項目を第1グループとしてご説 明をいただいて、その評価をお願いしようと思いますのでよろしくどうぞお願いいたし ます。 ○のぞみの園理事  のぞみの園の担当理事をしております大河内と申します。よろしくお願いします。そ れでは座ってやらさせていただきます。  第1のグループのテーマは業務運営の効率化に関する事項ということであります。当 法人はさきほど理事長の方からお話し申し上げましたとおり、重度の知的障害者をお預 かりするための入所機能というものを持っております。その他、調査・研究、養成・研 修事業、あるいは指導・助言、付帯的事業というような5つの柱でやっております。5 つの柱の事業を4つの部門と総合施設、総合施設の中には3つの部があります。そうい うところでそういう組織でやっているわけでございます。  中期目標では業務運営の効率化を図りながら調査・研究を充実していきなさいという ご指示であります。具体的には効率的かつ柔軟な組織編成を行い、資質の高い人材を広 く求め、きちんと内部で進行管理をしながら進めなさいと。その際には経費の節減をし て既存の施設、設備等を有効に活用しなさいというご指示であります。  最初のシートでございますけれども、効率的な業務運営体制を確立せよということで ありますが、中期計画では組織体制を自立のための支援を先導的、総合的に行うという ことで業務部門の統合再編を柔軟かつ重点的な職員配置により実施するということと、 人事配置といたしまして職員の能力と実績を適切かつ厳格に評価した適材適所の配置と するとともに、外部の関係機関との人事交流等を実施するという計画を立てさせていた だきました。  15年度は計画といたしましては組織体制としては、まず、地域生活支援室を設置する と。年度中に居宅支援の充実強化を目的とした体制整備を行うと。さとほどのアの組織 や体制整備を地域移行や居宅支援に総合的に対応するため、業務部門の統合再編を柔軟 かつ重点的な職員配置により実施するという考え方に立ってしていきますというような こととか、人事配置では適材適所の配置を確保するため、人事評価制度の導入の検討に 着手する、あるいは地域移行を進めるための実績と知見を有する者などの人事交流を実 施するという計画を立てさせていただきました。  実際には一番右の欄でありますけれども、組織体制では新法人発足とともに地域生活 支援室を設置いたしました。体制としましては下の(注)書きに書いてあるとおりであ ります。いずれも他の部門から配置替え等々いたしましてやったわけでございますけれ ども、居宅支援も充実せよということで居宅支援係3名と地域移行の係が4名と、それ ぞれ専任の職員を置かせていただいております。  組織づくりとして、まず、とりあえずは地域生活支援室というものを設置したわけで ございますけれども、少し新理事長が来られましてから長期的にのぞみの園の運営を的 確にやっていくためにはどういう組織づくりがいいかという観点から議論をいたしまし て、16年の4月からは、まず、とりあえず総合施設部門を設けました。その結果という ところに書いてありますけれども、入所者等の生活や活動の支援に関わる部門の一体的 かつ効率的な運営を図り、併せて入所者及び地域の障害者の地域生活を支援する部門の 充実強化を図ることとして従来の東西の居住区と作業活動部、地域生活支援室を統合し て総合施設としたと。要するに直接、入所者に関わる部門を統合しまして、併せて地域 生活支援をしていくには各それぞれの入居者のことと密接な関わりがあるので地域生活 支援室も併せて統合して総合施設部門を作ったと。  もうひとつの要素としましては今まで旧協会時代には理事長の下に運営管理の部門と か直接、入所者に関わる部門とか、一緒くたにして皆、理事長の下にやっていたわけで すけれども、運営管理の部門と少し切り離した方がいいのではないかというようなこと がありまして、こういう組織、総合施設という組織を設けたわけでございます。  また、これから地域移行を進めていく中で入所者が減少しております。そうしますと 寮の再編成というものを考えなければいけないわけでございます。もうひとつ、医療関 連部門として治療訓練部とか診療所があるわけですけれども、そういったことの在り方 を検討しつつ、同じような部門でやったらいいのではないかという意見も出ておりまし て、3段階ぐらいで今、考えているわけでございます。その辺はまた今後、詰めていき たいと考えております。とりあえず16年4月1日から総合施設という部門を作って他の ところの部署も若干、課から部屋に格下げしたりして効率化を図ったりしながら組織編 成をしたわけでございます。  なお書きのところでありますけれども、デイサービスセンターというものをやってお ります。地域のニーズに対応しましてもう少し支援時間を増やしてほしいというような 声もあります。併せて私どもののぞみの園、収入の確保という観点から利害が一致いた しまして4時間超から6時間超というようなサービスの拡大を図ったわけでございま す。  人事配置の点でありますけれども、人事評価制度でありますけれども、当法人施設は ご案内のように対人業務であります。必ずしも一般の事務所、企業とかといったところ と違いまして、結果を重視するというよりも、その入所者に対する支援とか、そういっ たところというようなことで必ずしも一般の人事評価制度がそのまま生かせるというわ けではないかと思いまして、今、いろいろと議論しているところであります。  今、考えているのはポスト毎に、職毎に標準職務というものをきちんと押さえて、若 い人、中堅、上級とか、そういった階層毎にそれぞれどこまで達成しているのかという ような基準をしっかり作りまして、その評価表に基づいて評価するというようなことを 検討しているわけでございます。いろいろな民間の企業の評価制度とか、あるいは他の 先行法人の評価基準とか、そういうものをお伺いしながら今、固めているということで あります。 人材のところで書いてありますけれども、私どもの法人施設は30年有余、 高崎のところでひとつの単体でやっているわけですので、えてして独りよがりというよ うな観点に陥りやすいのでよそからの人材というような人材を求めていくのがいいので はないかというようなことで積極的にその辺のことを考えているわけでございまして、 研究員とか医療担当者もドクターとか看護師、そういった方がこれまでも人事交流をや ってきております。さらに地域移行というものを積極的に推進するということにあたり まして、そちらの方の実績と知見を有する方を登用することがベターではないかという ようなことで、民間の施設等で先駆的に地域移行に取り組んで実績を上げている方を、 言葉は悪いのですけれども、スカウトしてまいりました。  ひとつは役員待遇の参与で、非常勤でございますけれども、おしまコロニーにおられ ます近藤さんという方を来ていただいております。総合施設長兼地域生活支援部長でさ きほど理事長のお話の中にありましたけれども、宮城県フナガタコロニー等で活躍され ました渡辺施設長さん、今日、来ておられますが、渡辺施設長でございますけれども、 来ていただきました。地域移行課長ということで旧姓、ネゴロさんですけれども、この 方も全国的には評価をされている方であります。その3人の方に来ていただいて、この 16年の4月1日付から業務をやっていただいております。  次の頁に入ります。評価でございますが、初年度というようなこともありまして組織 の関係では地域生活支援室というものを作りました。次年度に向けてさきほども申し上 げました組織改変を考え、あるいは将来を考えております。効率化というような観点か ら退職者が結構あるわけでございますけれども、後補充は抑制して、その減員の中で新 しい方、人材を採用したりしておるわけでございますが、ここには書いてありませんけ れども、資質の高い人材をより広く求めることができるような工夫をしているかという 評価の視点がありますので申し上げますと、一般の職員はもう新規採用を見合わせてお りますのでやっておりませんけれども、特定の職種を採用するという段になりますと、 ホームページに掲載したり、社会福祉人材バンクに問い合わせたり、いろいろな工夫は しております。そういったことでたまたまさきほどの3人の方はいろいろな図書、ある いは評判、あるいは関係方面といろいろお伺いしながらスカウトしてきたというような ことであります。  人事交流につきましては国と国の付属機関としての国立秩父学園等と人事交流を行っ ております。以上によりまして計画以上のことはできたかと思っております。目標自体 が定性的な表現になっておりますので、自己評定といたしましてはBとしたということ であります。  次のシートに入らせていただきます。内部進行管理の充実という観点からの目標であ りますけれども、業務の進行状況を組織的かつ継続的にモニタリングし、必要な措置を 適時かつ迅速に講じるための仕組みを導入し、実施することということであります。業 務を進行するにあたっては常に点検しながら進めていくことが必要であろうかと思いま す。その際には特にリスクマネジメントという観点からも配慮していかなければいけな いと思いますけれども、私どものリスクと申しますと健康、安全、あるいは事故を起こ さないというようなことが私どもの最大のリスクであります。そういった観点からリス クマネジメントもやっていると思っております。  さらに事業を進めていくにあたりましてはコンプライアンスを務めながらユーザーか らクレームがくればそれに適切に対処していくというようなことが重要かと思っており ます。そういう観点から苦情解決システムというようなものを用意しまして、さらには 自己点検をやったり、あとで申し上げますけれども、第三者委員会というものを作った り、あるいは監事の監査というようなものを受けながら適切な進行状況の管理をしてい るということであります。  中期計画では業務の進行状況を職員の中から選んでモニターしてもらうというような ことでモニタリングシステムを構築し、評価会議を開催するというようなことで計画を 立てさせていただきました。15年度の計画でもモニタリングシステムの構築と評価会議 を年度中に2回開催するということで計画を立てさせていただきました。  業務の実績でありますけれども、右の方の一番右の欄でありますけれども、入所者、 職員の健康・安全の確保という観点からは入所者、職員とも、それぞれ定期的な健康診 断、あるいは予防接種とか、職員の場合は人間ドックとか、そういったことを実施して おります。またのところに書かせていただきましたけれども、第2回「障害医療セミナ ー」というセミナーを地域の方々にも公開して実施しておるわけですけれども、その中 でも感染症を取り上げて講演会を実施したりしております。たまたまこの時期、インフ ルエンザの流行が心配され、鳥インフルエンザがちょっと話題になっておりました。S ARSもまた再び流行するのではないかというような懸念があったので、この道の専門 家の方をお招きしまして講演会をやったということでございます。  リスクマネジメントの観点からしますと、法人の中に「事故防止対策委員会」という ものがありまして、定期的に実施して発生した事故の分析とか対応策とか検討しており ます。ヒヤリハットがあった場合にも隠さずちゃんと出せというようなことで報告させ て、それについての対応策等の検討をしているということであります。  苦情解決システムでありますけれども、これまでは第三者委員という形で常勤の監事 を依頼していたわけでございますけれども、新法人発足を機に見直すこととしまして第 三者委員として弁護士さんを加え、今まで常勤監事の方を非常勤の方に代えたりしまし て、少し透明性を高めたということであります。  苦情ができるだけ出しやすい環境を整備するという観点から、保護者会の機関誌、あ るいは法人内の広報誌やら「苦情受付箱」という箱を用意しまして要所要所に用意して 出やすいようにしたということであります。  モニタリングシステムでありますけれども、12月1日に、その前に実施要綱等を作り まして業務目標を設定して12月10日には各部門から中堅職員を選任しましてモニターを 発令しましてシステムを作りました。そしてモニタリング評価会議というようなことで 15年度中には年2回、実施したということであります。これを作ったことによりまして 職員の意識の改革にも図れたのではないかと思っております。  自己評定でありますけれども、そういったことで一応、15年度の計画を果たしたと、 計画どおり整備したというようなことでBといたしました。リスクマネジメントとかい ろいろ配慮しましたのでAにしようかといろいろ迷いましたけれども、定性的なお話で ございますのでBとしたということであります。 ○部会長  ちょっとお願いなのですが、大変重要なところなので時間がかかるのは止むを得ない のですが、1グループだいたい25分ぐらいで済ませるということで予定をさせていただ いておりますので、ちょっと時間が食い込んでおりますからもうちょっと簡潔にお願い したいと思います。 ○のぞみの園理事  はい。わかりました。すみません。  次の頁でありますけれども、経費節減の関係でございますが、経費節減は最終年度の 19年度には13%以上縮減せよという目標をいただいております。13%と言いますと約4 億円近い、4億円ぐらい数字になるかと思いますのでかなり厳しい目標でありますが、 そういう中で計画では給与水準の見直し、あるいは退職者の補充をしないで非常勤職員 を積極的に活用するというようなこととか、機能訓練の有償化の検討をするとか、ホー ムヘルパー研修受講者等の実習について、失礼しました、専門学校の学生等の実習料の 引き上げを検討するとか計画いたしました。  右の実績の欄でありますけれども、経費の節減としましては退職者の補充は原則とし て行わないというような観点から非常勤職員を積極的に活用することとしております。 給与水準でありますけれども、国家公務員の給与改定では1.07%の引下げであったわけ ですけれども、私どもの職員は1.09%と少し国家公務員よりも多く引下げたわけであり ます。  なお書きに書いてありますけれども、次年度以降、さらに水準を引き下げるというこ とで法人独自の措置を検討しまして、後ろの頁に出てきますけれども、3.5%の減をい たしました。この7月からです。その他、いろいろ既定経費の見直しを行ったり、収入 の確保対策というようなことでイのところに実習料、いろいろな学校の学生たちが来る わけでございますけれども、その実習料を引き上げて収入増を図ったり、さらにいろい ろな研修事業を誘致するというようなことでガイドヘルパー研修というものを受託する ことになりまして収入増を考えております。  評価、自己評点でありますけれども、特に給与水準の見直しでありますけれども、労 使間で長い間、話し合いをしながら16年度は役職員一律に3.5%引き下げることとした わけであります。17年度以降も国家公務員の状況等を勘案しながら引き続き見直しをし ていくこととしております。そういったことで私どもの法人としてはかなり思い切った ことをしたと思っております。内容からするとSかAでないかと思っておりますけれど も、結果は16年度以降になりますので15年度としてはBとしたということであります。  次の効率的な施設・整備の利用の観点でありますけれども、7頁でございます。当法 人には土地、建物等、多くを政府から出資を受けております。また、職員も300人近い ものがおりますので、そういった意味で公共財、あるいは知的財産として当法人の機能 の活用を図ることを指示されているかと思いますけれども、15年度につきましては計画 では効率的な施設設備についてボランティア活動の場としての利用を進めるとか、入所 者と地域との融和を図るための住民参加型の交流会を実施するとか、いろいろな研修会 等を誘致するとか、診療部門とか治療訓練部門、作業活動部門の活用を図るというよう なことを、その次の頁に出てきますけれども、職員宿舎等の空き室については利用者の 自活訓練の場としての活用を図るということを計画したわけでございますけれども。  実績でありますけれども、まず、施設の有効利・活用という観点からもう少しいろい ろな観点から検討をしようということで、法人の中に「資産利用検討委員会」を設置い たしました。今、現在、鋭意検討しているところであります。住民参加型の交流会とい うことで「第1回のぞみふれあいフェスティバル」というようなことで10月に開催した わけですけれども、およそ1,700人の方々が来ております。いろいろ研修会等、開催誘 致の呼びかけを積極的に行いまして自己評定のところに書いてありますけれども、3件 ばかり、誘致できました。いずれも地元の県内の団体等のものでありますけれども、誘 致できました。 (2)の総合的機能の地域の知的障害者に対する支援の活用というよう なことで診療所の外来診療とか、デイサービス事業とか、ショートステイ事業などを実 施しておるわけですけれども、診療所においては外来の方がかなり増えてきているとい うことでありますし、「障害医療セミナー」におきましてもよその方がだんだん多くな って、最初は内部の職員が多かったのですけれども、最近は外の方が多いというような 状況であります。  (4)でありますけれども、この16年の4月から通所部というものを設けております。 そういったこととか、さきほど申し上げましたガイドヘルパー研修も16年度に受託する ことにしております。  次の頁でありますが、職員宿舎の空き室についてでありますけれども、今まで「施設 内グループホーム事業」というようなことでやってきているわけですけれども、さらに 宿泊体験の場というようなことで活用をしているわけでございます。  次の評価でありますけれども、目標はかなり定性的なものとなっておりますので、い ろいろな面で有効活用が図られたのではないかというようなことでAをつけさせていた だいております。  次のシートでありますけれども、当法人には様々な業務があります。定型的な業務に ついては12の業務を外部委託しており、単純業務のうち5件の業務を競争入札させてお るわけでございますけれども、もっとこれを拡大せよというようなお話でありますけれ ども、15年度計画におきましては12外部委託につきましては12業務以外の業務について も可能性について検討するとか、競争入札も同じようなことで書いてあるわけですけれ ども、当法人の業務は重度の知的障害のある人が対象であり、いろいろな障害特性を持 っているというようなことで、しかも常時、安定的な供給や臨機に対応してくれるとい うようなことが担保されるかどうかというのをいつも検討、研究しているわけでござい まして、なかなかそれに適した業者というか、そういった方がなかなか見当たらないわ けでございまして、今、なかなかこの拡大については難しいというふうに思っておるわ けですけれども、一番右の欄でございますけれども、そういう委託業務を検討している 中で少し単価等を委託費の額等を見直そうというようなことで委託費の縮減をすること ができました。  私どもの施設は駅から車で11分か12分あるわけですけれども、市内のバスは下の300 m近く離れたところにしか停まらなかったわけでありますけれども、園内に乗り入れて もらうよう要請しましたら、この16年の4月1日から乗り入れていただくようになりま して、その効果としまして今までのぞみのバスを出していたわけですけれども、それを 運行業務を縮小することができました。  そういったことで次の評価でありますけれども、直接、15年度は外部委託の拡大と か、あるいは競争入札の拡大には至らなかったわけですけれども、委託額を大幅に節減 できたというようなことからAとさせていただきました。ちょっと最初、詳しくやりす ぎまして時間オーバーしまして恐縮しました。 ○部会長  ありがとうございました。部会長としてやや失礼なことを要求したかもしれません。 お許しください。  ただいま、ご説明いただきました5項目でありますが、ご質問、ご意見、頂戴できれ ばありがたいのですが、いかがでしょうか。どうぞ、宗林委員、お願いいたします。 ○宗林委員  給与水準の引下げのところで少し伺いたいのですけれども、この3.5%の引下げを今 年度の7月から行うというお話を伺いました。大変大きな引下げではないかなという実 感を持ったのですが、これは具体的にはテーブル表とか、そういったもの自体を変えた というようなやり方なのでしょうか。具体的なやり方をひとつお聞きしたいのと、この ことをすることによって期間中の13%の一般管理費の引下げの目標値があるわけですけ れども、この16年度のこの引下げは具体的にはどのぐらいの13%に対して、どのぐらい の割合になるのでしょうか。 ○のぞみの園理事  最初のご質問、ちょっと聞き取れなかったのですけれども、方法ということですか。 ○宗林委員  ええ、ちょっとびっくりするぐらい私は大きな数字だなというふうに思ったのです か、この数字を具体的には皆さん、例えば昇給をストップしたとか、テーブル表を全体 的に変えたとかの具体的な方法と、あと、ここまでの数値をどういう形で出されたのか なというのを伺いたいと思います。 ○のぞみの園理事  お答申し上げます。3.5%、まず、数字の根拠でありますけれども、私どものテーブ ル表からしますと国家公務員と約14%、格差があります。残りの中期目標期間が4年あ りますので、それを単純に4で割りますと3.5ということであります。そういうことで 3.5という数字を出したのですけれども、次年度以降、続けて3.5をするかということに つきましては労使もありますし、国家公務員の改定状況等を見ながら検討していきたい ということでございますが、ここに至るまでは労使間でなかなか難しい場面もありまし たけれども、いろいろと交渉したりしてやったきたわけであります。その効果につきま しては約1億です。1億、これでもって節減できたということであります。 ○のぞみの園理事長  ちょっとお答えしづらい部分なのですけれども、やり方としてはテーブル表について それぞれ概ね3.5ぐらいずつ下げております。ただ、さきほど公務員に比べて14%高い と申し上げましたが、これは福祉職の職員の場合でして、私ども、事務職の職員がおり ます。事務職についてはこの間、新聞報道がございまして特殊法人、あるいは独立行政 法人のグループの中で私ども、下から2、3番目でございまして、事務職で言いますと 国家公務員とあまり変わらないのですけれども、今回はとにかく法人全体の役職員皆が 給与引き下げについて我慢するということで事務職、福祉職、だいたい3.5ぐらいずつ 下げたということでございます。  中期目標の最後の年度で交付金を13%程度減らされなければいけないということであ りますが、私ども、交付金の使途の大半は人件費でございますので、人件費を切り下げ ていくことによって交付金の減ということに直接結びついていくと考えております。そ ういう点も勘案して中期目標の交付金に関する部分をぜひ、達成したいと、そういう決 意で臨んでおります。 ○部会長  ありがとうございました。よろしいですね。他にいかがでしょうか。管理運営事項に 関わる事柄が多かったと思いますが、ご質問などありませんでしょうか。どうぞ、大石 先生。 ○大石委員  細かいことで恐縮なのでございますが、3頁のリスクマネジメントと苦情解決システ ムというものについての成果についてお伺いしたいのですが、言葉で書いてありますと ちょっと何か把握しにくいのですけれども、例えば何件ぐらいどういうものがあって、 それが15年度はそうだったのですが、それが16年度では減ってくるとか、何かそういう 数値的な実績がありましたら教えていただけるとありがたいのですけれども。 ○のぞみの園理事  今、資料、出しておりますけれども、最初に苦情解決システムの方からお答え申し上 げますと、私どもがシステムを作ってから出てきたのは2件だったのです。この新しい 新法人になってから今のところ、0であります。そういったことでいろいろな要望等あ ろうかと思います。  なぜ、出てこないかというようなこと、いろいろ考えてみますと、コミュニケーショ ンが取れない方、利用者サイドではあると。保護者の方は遠方におられるということで なかなか利用者の方の日常生活に触れない部分があるので、それで出てこないのではな いかというようなことで、システムがおかしいのではないかといろいろ考えながら、そ んなことを分析しておるわけでございます。  その次のリスクマネジメントの関係でありますけれども、いろいろな事故があるわけ でございます。例えば転んで骨折したり、裂傷、打撲をしたり、所在不明、所在不明と いうのは行方がちょっと見当たらなくなったというようなことでありますけれども、平 成14年度でいきますと79件、15年度でいきますほぼ同数の81件というようなことで、こ の辺のトレンドがどういう状況になっているか、最近、こういう仕方でデータを取るよ うにしましたので、そのトレンドの方向がわからないというのが今のところのあれで す。そういうことでございます。 ○部会長  はい。一応、よろしいでしょうか。大石先生。ちょっと回答の中には要望したくなる ことがあるのかもしれませんが、先生から何かありましたらおっしゃってください。 ○大石委員  そうですね。できればそういうのを評価の対象にできるように数値化できたらいいの ではないかなとちょっと思ったものですから。 ○部会長  ありがとうございました。他にいかがでしょうか。はい。どうぞ。 ○山村委員  ひとつは今のことに関連しまして、全く僕も同じことを思っておりました。リスクマ ネジメントに関連してヒヤリハットの事例だとか、あるいは苦情もほとんど全くと言っ ていいほどないとか、システムはあるけれども、実際に機能していないと言ってもいい ような状況というのはやはり運営上に問題があって、より一層改善をしないといけない のではないかというふうに思われます。  私の経験では僕の属している法人では1か月にヒヤリハットの案件が600件から800件 集まってまいりますし、苦情という形の手前の手前に様々な要望とか改善を求めると か、そういうものが、苦情が氷山のトップであるとしますと手前のあたりまでたくさん あると考えられます。それをどうやって拾い上げていくのかということはやはり本格的 にこういうシステムを動かすためにどうしても必要なことなので、それはさきほどのご 説明がありました遠隔地におられるとか、そういう問題では絶対ないと思われます。  のちほどアンケートの話になるかと思いますが、あのあたりに入っているようなお気 持ちとか、そういうものも日頃からいろいろな形で家族と連絡されるときに入ってく る、それをどうやってすくい上げていくのかというのが、これはシステムをどうやって 制度化するかという、そういうことにもなると思いますので、ぜひ、そのような形だけ でなくて実質、機能させるようなことにしていただきたいと、そういう観点から僕は評 価をさせていただきたいと思っております。  今、ひとつ、これまたさきほどの宗林先生と同じことなのですけれども、中期目標の 期間中、到達すべき節減目標というのが13%以上ということになっているのですけれど も、それが13%ということではなくて13%以上ということになっていますので、むしろ 以上のどういうあたりを狙っておられるのか、なかなか明確にはできないと思いますけ れども、やはり以上という以上はさきほどの国家公務員との給与格差の問題とか、他に もいろいろ節減する案件があると思われますので、ぜひ、上方修正を13%がその最高目 標ではなくてもっと条件を探っていただきたいという期待を込めてそんな感想を持ちま した。とりあえず以上です。 ○部会長  はい。ありがとうございました。いかがでしょうか。いくつかまだあるかもしれませ んが、石井先生、どうぞ、よろしいですか。どうぞ。 ○石井委員  いくつもたくさんあるので、すみません、明日、10時半から申し訳ございません、財 務諸表の方の担当をしておりますので、かなり少し細かいご質問をさせていただきます のでよろしくお願いいたします。  ここでは2点だけ、非常に簡単な質問をさせていただきたいのですが、10月以降の退 職者が10名、そのうち8名を非常勤、うち2名は必要性から常勤というような形の記載 がございますが、決算書を拝見しますと6か月間の予算ベースにおいて利用者の減があ ったというふうな記載がございまして、利用者の減少が6か月間で約2,700万ぐらい収 入ベースであると。年間ベースで5,000万程あるのかなと。その利用者の減という問題 とこの職員増減という問題はどういう関係にあるのかなということがひとつ。明日、細 かくお聞きしますが、47億円に及ぶ退職給付債務は運営費交付金で全額処理されるよう ですので、そういう観点から考えたときにどういった形のイメージを中期計画の中で持 たれているのかというのは明日、ちょっとお聞きしたいと。  もうひとつ、参考資料を拝見しますと診療事業部を拝見しますと歯科と外来診療とい うようなものをされているのですが、総数ベースのデータ、いただいていますけれど も、医科の保険診療に関わるところの1日平均の患者数と歯科の患者数、それに対応し ている医師及び歯科医師の数というのはちょっと教えていただきたいのです。お願いい たします。 ○のぞみの園理事  まず、利用者の減と収入の関係というご質問でありますけれども、利用者の減と申し ますのは利用者が亡くなられたということであります。利用者が亡くなられますと支援 費による収入が減るという関係になっております。具体的な数字につきましては明日、 よろしいでしょうか。  2番目の退職給付債務の観点でありますけれども、退職手当につきましては予算のと ころで予め算入されておりまして、その予定以上出ますと私どもの運営費の中でやりく りしなければいけないと、こういう構図になっております。従来ですと引当金を設けて おりましたけれども、独立行政法人になってからは引当金はできないということであり ますので、そういうことであります。これは他の法人も共通かと思います。次は診療所 の関係でございます。 ○のぞみの園総務部長  私の方から診療所の件数、15年度、年間でいきますと外来利用者が一般の歯科を除く 医療関係でもって15年度、1年間でもって16,015件、これは利用者と言いますか、中に 入っておられる入所利用者の関係でございますが、歯科の方が1,388件、外来で来られ ている方、地域の方等でございますが、医療の方で1,664件、地域のこれは知的障害者 等になろうかと思います。歯科の方が746件ということで月平均にいたしますと歯科の 方が全体を12か月で割りますので60件ちょっとになりましょうか。一般の医療の方です と110件前後かと思います。ちょっと電卓がないので細かい数字、出せませんが、よろ しいでしょうか。 ○部会長  それを支える医師はどうなっていますか。医師の数。 ○のぞみの園総務部長  歯科につきましてはドクター1人でございます。ドクターの15年度ですと神経科と内 科と常勤ドクター2人、あとは非常勤という対応になっております。 ○部会長  はい。そんなところですが、石井先生、細かい点はまた明日ということで。すみませ ん。 ○のぞみの園理事  すみません。さきほど最初のご質問で利用者の減と職員の点でご質問があったかと思 いますが、私、勘違いしまして収入との関係でお答えちゃったのですけれども、私ども の予算の構図というのはいわゆる収支差補助ということであります。一定の事業費があ りまして、それから収入を差し引きまして、不足分を交付金で見るというような構図に なっておりまして、利用者の減と直接、職員の増減との関係はしないわけですが、ただ し、それだけ運営が苦しくなるという状況になろうかと思います。回答になっているか どうかわかりませんけれども、付け加えさせていただきます。 ○部会長  ありがとうございました。どうぞ。 ○川原委員  私も人件費について教えていただきたいと思います。5頁でございます。さきほど人 件費の削減ということでかなり大幅な3.5%の削減を行ったと。また、その理由等々に ついてもお聞きいたしました。そこで私、2点程、質問したいのですが、まず、第1点 は3.5%の削減を行ったと。これは毎年、これからおそらく出てくる問題だと思います。 ということになりますと、今回、3.5%の削減をすることによって職員のモラルという ものに対してどういうような影響が出てき始めているのか、あるいは将来どのような影 響が見込めるのかということがまず第1点。  第2点といたしまして人件費の削減そのものについてですが、人件費の削減というこ とには2つの手法があると思うのです。まず、ひとつは現在いる方々の人件費そのもの の圧縮。2つめとしては人員そのものを将来的に縮減をしていくのだという方法がある と思うのです。  さきほど退職者が10名前後出たということで、今年に限って申し上げますと非常勤職 員の補充というような形で事実上、頭数という意味においてはさほど差異が出ないよう な状態でクリアされたというふうに私は今、理解をいたしました。そうなりますと将来 的な戦略と、人件費戦略についてお聞きしたいわけですが、これは今年は平成16年にも 絡んでくるわけですけれども、いわゆる人員の削減戦略というものをどのように考えて いるのか。これは今年の補充人事の非常勤の方々の採用とも絡めてちょっとお聞きした いと思います。以上でございます。 ○部会長  はい。では、理事長先生、どうぞ。 ○のぞみの園理事長  まず、給与引下げと職員のモラルでありますけれども、これはとにかく会社が変わっ たと。旧法人がいろいろな事情があって、言わばなくなったのだと。新しい会社として 出直さなければいけないと。そういうことで職員には説明しまして、まさに私どもの法 人がこれからはそういう重度の知的障害者の支援という、そういう中で大きな役割を果 たすと、そのためにやらなければいけないこと、これをとにかくやろうと。給与につい ては公務員に比べて高いと、とかく批判もあったわけですから、そういう意味で今回は 納得が得られたというのは幸いであったかと思います。  ただ、さきほども申し上げましたけれども、新しい法人になって仕事の内容が変わっ てきた、あるいは単に施設の現場だけでなくて調査・研究とか養成・研修とか、そうい うものもやっていかなければいけないということでだいぶ多様な仕事も出てきたと。そ ういう中で職員としてモラルを保ちつつ、そういう給与引下げにどこまで耐えられるの かと、これはちょっと私としても自信がないという点はございます。  いずれにしても私どもとしては給与引下げというのは必要はありますけれども、ま ず、何が大事かと言ったらやはり職員として今の職場に誇りを持てるように、やる気を 持って取り組めるようにと、そういう中で給与の問題というのを丁寧に説明して納得を 得てやっていかなければいけないのかなと思っております。  人員の削減でございます。これは私どもの施設の特性というのもあるのですが、ひと つの生活寮、25人の利用者が入っております。それを職員10人で対応しているという現 状でございます。年中無休24時間営業でやりますと労働基準法などの制約もありまして 職員の10人という頭数を減らすことができません。したがって、今ある生活の寮、これ が22ございますけれども、この寮を減らさなければいけません。  しかし、昭和46年に施設がオープンして30年以上、暮らしているという方が多数いま して、言わば職員とまた一緒に生活する他の利用者、そういうもので疑似ファミリー的 な、そういう環境ができてしまっているのですね。したがいまして、単に空きができた からと言って他にすぐ移すこともできないので、今、入所者全体をいろいろな状況を調 べて寮の再編成をして寮の数を減らすということに取り組んでおります。そういう中で 職員の頭数というのは減らせると考えております。  診療所の関係なのですが、これは有床診療所で13のベッドを持っております。したが って医師の当直ですとか、看護師さんとか、そういう関係もありましてちょっと採算性 から見ても非常に悪くて、私どもの施設としてこの診療所をどう運営していくか、そう いう基本的な方針をしっかり決めた上で職員をもう一度見直して効率化を図っていかな ければいけないということで、これも現在、ちょっと検討中ということではっきりお答 えできないのが非常に申し訳ないのですけれども、そういう状況でございます。 ○部会長  はい。ありがとうございました。かなりいろいろな困難を抱えておられますし、その 中で呻吟しながら現在、進んでいるという、こういう状況はご理解いただきたいと思い ますが、とりあえず時間的にこの割り振りが難しくなってきましたので、ここで一旦、 質疑は終わりまして、今、いただきました1から5までの項目の評価をお願いしたいと 思います。10分程度でお願いできたらありがたいのですが、よろしくどうぞお願いいた します。                  (評価記入) ○部会長  だいたいよろしいでしょうか。第2のグループは1項目だけでございます。個別評価 の6という実績につきましてご説明をいただいて審議に入りたいと思いますので、よろ しくお願いします。 ○のぞみの園理事  それではさっそく入らせていただきます。今度のテーマは地域への移行を積極的に推 進し、中期目標期間中に3割から4割程度、入所者を縮減しなさいという目標でありま す。中期計画では実施体制を整えて入所者一人ひとりについて地域移行計画を作成し、 関係方面の協力の下に実践するということであります。  15年度はどういうことをしてきたかと申し上げますと、一番右の(1)のところをご覧 いただきたいと思いますけれども、流れといたしましては入所者の自立支援、すなわち 地域移行を推進するにあたって、まず、地域生活の移行を推進するための内部の実施体 制を整え、職員研修会や他施設への派遣研修による職員の意識改革を図り、地方公共団 体や関係団体等の各方面に対して当施設の取り組み方針等の説明や、あるいは協力要請 を行って受け入れに関しての支援と協力を得ることができるように努めたわけでござい ます。  一方、入所者本人や保護者が地域生活に関する理解を深めるように説明会等を実施 し、日常の個別支援では自立支援に向けての支援を行い、かつ施設内の宿舎や民間集合 住宅を活用した地域生活の体験事業を実施したりしたわけです。さらには関係地方自治 体等の協力を得て入所者一人ひとりについての移行プランを作成することを検討したと いう流れで取り組んだわけでございますけれども。  時間が押しておりますので簡単に申し上げますと、(1)の実施体制では、まず、地域 移行推進本部を開催しまして地域生活支援室を設置したということはさきほど申し上げ たとおりでございます。組織改変を行い人材登用を行ったと。寮の再編成の検討委員会 もやったということであります。実施計画の作成と実践の観点からは、まず、職員向け の基本方針、これはさきほど理事長のお話の中で5つの方針ということで申し上げてお ります。それを作成し、それを基に職員全体の説明会やら打合せ等々やってきたという ことであります。  職員の意識改革というようなことで説明会をやるとともに、次の頁でありますけれど も、「国立のぞみの園の利用者支援要綱」というものを制定したり、「職員行動基準」 というものを見直したりしたわけでございます。職員を研修会に積極的に出すというよ うなことで研修会に派遣研修したり、逆になりましたけれども、公開による講演会など を開催しております。公開による講演会では地域移行に関して著明な先生方をお招きし まして講演会をやったりしております。  関係方面への協力要請ということでありますけれども、厚生労働省、あるいは関係団 体等が主催する全国規模の会議に出向いていきまして私どもの考え方や進め方を説明し て協力の要請をしております。課長会議には理事長自ら、出ていって出席して説明など していただいておるわけでございます。先駆的に取り組んでいる施設、例えばさきほど 話が出ましたフナガタコロニーとか、おしまコロニーとか、そういったところの先行施 設に訪問調査を実施したり、入所者の出身地の関係団体等の方が来訪する際には説明し たり、協力要請をしております。  ただ、そういうことだけではなくて利用者についても地域生活に向けて段階的にそう いった支援というものをやっていかなければいけないわけでございまして、個別支援計 画というものを一人ひとり立てておるわけですけれども、これまでの計画とは異なりま して地域移行、あるいは地域生活を睨んだ計画にしまして日々の個別支援にあたって は、例えば買い物を頻繁に行ったり、路線バスを利用したり、あるいは交通ルールを取 得するための外出をしたり、そういった支援をやったりしております。  さらには地域生活体験の試みということで宿舎を活用した宿泊体験、施設内に宿泊設 備、ゲストハウスと言っておりますけれども、そこにも宿泊体験をしたりというような 機会を増やしております。ユニットケアというものを試行しておりますけれども、その ステップアップとして施設外、市街地に民間のアパートと言いますか、集合住宅を借り 上げて地域生活の自活訓練事業ということで体験をしていただいたりしております。  ウのところに書いてありますけれども、理事長の宿舎が古かったので取り壊しまし て、その跡地に地域生活体験ホームというものを整備してあります。そこには7室ある わけでございますけれども、今年の6月に開所式に済ませております。10月頃から本格 的にこれについての宿泊体験をやりたいと考えております。  次の頁でありますけれども、何よりも地域移行にあたっては本人、保護者、家族への 説明と同意の確保が必要だというような観点から、保護者会の理事会に出向いて説明し ましたり、各寮で行われている保護者会があります。そこに出向いて行って説明したり しております。その前にパンフレットを作ったりしております。理事長名の文書を付け まして、その趣旨とかご理解ご協力を依頼する文書を付けてパンフレットを送ったりし ております。  16年の早々に、2月にアンケート調査をやりました。470人中386人の方から回答を得 ております。この時点で言いますと概ね総論賛成、各論賛成というような方、15人程 度、総論は賛成だけれども、反対だというような方が133人、絶対両方だめだと、総論 でも各論でも反対というような方、148人というような数字でありました。その後、渡 辺施設長をはじめ、地域移行支援部の職員が各寮の保護者会がありますので、かなりと いうか、全ケ寮、赴きまして説明したりしておりますので、最近は少しずつ理解が深め られてきているのではないかと思っております。  入所者本人に対しましては同じようにパンフレットを作りまして利用者の説明会を行 っております。なかなか言語によるコミュニケーションが取れない方が多いわけでござ いますので、ビデオを使ったり、パンフレットをできるだけビジュアルな形にしまし て、それを使いまして説明をしたということであります。  施設支援計画ということで、自活訓練等の段階的移行メニュー、地域生活移行の流れ というものを作りつつ、円滑な移行に向けて考えていかなければいけないということが 大切かと思います。そういう中でさきほども話が出ましたけれども、「地域移行検討書 」等を作ったりしております。地域移行を考えたときには移行先のサービスメニューと いうか、住まいの場とか、あるいは日中活動、それを言わば生活設計、それを考えてあ げなければいけないわけです。家計負担とか、そういったことでありますが、まだ、15 年度は具体的に移行先が決まるというようなことには至らなかったのでこの辺はちょっ とできていないということであります。  次の頁でありますけれども、移行先の状況、移行するにあたっては把握していく必要 があるとともに、その整備を考えていかなければいけないというようなことで、いろい ろな会議、全国的な全国規模の会議とか、地方自治体の障害福祉担当者とか、あるいは 関係者に対していろいろ説明、協力を要請したりしております。  そんなことをやってきたわけでありますけれども、法律が変わり、目的が変わったと いうようなことで保護者にとっては大きな驚きということがあったかと思います。保護 者自体も高齢ということでいまさら兄弟やお孫さんとかということを考えると地元に来 てもらっては困ると、いろいろ心配だというような声がある中で、職員も同様でありま す。これまで施設の中で長期というか、終生に渡って少しでも社会的生活に慣れるとい うような支援をやってきたわけですけれども、法律が変わって支援の方針も変わるわけ であります。そういう意味でいろいろな戸惑いがあったかと思います。理事長のお話に もありましたように、まずもって皆さんの理解を深め、職員については意識を変えても らうというようなことで15年度の半年間をそういったことに重点を置いてやってきたわ けであります。  そういったことで数字としては出ているわけではありませんけれども、とにかくこの 地域生活移行というものはプロセスが大事だというようなことで私どもは作業をしてお ります。そういった中で保護者の方が少しでも理解も進んできているような気がいたし ますし、具体的な動きがポチポチと出ているという中で、そういう話もありますのでA というような評価にさせていただきました。ちょっと端折りましてすみませんが、以上 です。 ○部会長  ありがとうございました。のぞみの園においては最も困難と目されております課題で あり、最も重要だと考えられている課題でもあります。その点についてどうぞご質問、 ご意見、あるいはご示唆をいただければありがたいと思いますが、いかがでしょうか。 どうぞ。 ○山村委員  3点、お願いをいたします。ひとつはアンケートのことですけれども、アンケートを 実施されまして470人、送られて386人から回答を得られたということで、回収率82%、 すなわち18%の方は回答がなかったわけでありますけれども、この方は多分、84人にな るのではないかと思いますが、この人たちへの再度の対応というのはなされているの か、なされていないのかということをお聞きしたいのが1点であります。  2つめは同じくアンケートの設問8、一番最後に自由記述がありまして、様々な心配 事とかご希望などあれば聞かせてほしいという、そういう設問なのですけれども、これ の整理はなされているのか、あるいは分類なり、そういうものがなされているのか、僕 は個人的に、ぜひ、この中身を見せていただきたいのですけれども、そういうことは可 能なのかどうか。これが2点目です。  第3点目は、入所者の方の出身市町村、300に及ぶということは理事長からお聞きい たしましたが、その出身市町村の人たちが支援費制度に変わった中で来訪されている と、そのときにお出で願った人に支援を要請したという、そういう記述もございますけ れども、その300市町村のうち、どれぐらいの市町村から来訪があったのか、その3点 についてお願いをしたいと思います。 ○部会長  おわかりになる部分からどうぞ。 ○のぞみの園理事長  はい。アンケートで回収率82%で18%未回答でありました。未回答の人については特 に再度の働きかけというのはしておりません。それは私ども、保護者に対して説明をい ろいろな機会を捉えてやっておりますけれども、そのときの保護者の反応としてしょう がないかなという方もおられるのですが、大半の方はそういうのを聞きたくもないと、 こういう方が多いわけです。したがいまして、私どもとしてはとにかく82%の方が答え をくれたと、これだけでそれなりの成果かなと思っております。  さらに回答をしていない方にさらに働きかけをするというのは却って頑な対応を、そ ういう方向にいってしまうのかなという懸念もございまして、これはとりあえずこれで 打ち切りというか、一区切りつけたということであります。むしろさきほどもちょっと 説明がございましたが、それぞれの生活寮毎に保護者会というのを順次開いておりまし て、そのときに出席される方もかなりいますので、そういう現に直接お話をできる方と 今度は丁寧に会話をしていく中で理解を深めていくと、そういう方向で今、取り組んで おります。  このアンケートで自由記述のところ、これについては一応、整理して、その整理が十 分かどうかというのはありますが、まとめたものがございます。それを追ってお届けい たします。  この自由記述のところ、私も読んだのですが、書いてある内容というのはなかなか私 も読むのも辛いような内容がございまして、例えば保護者の方が自分も体も弱って年も 取ってこれから老人施設に入ると。こういう中で子どもの地域移行と言われてもどうし ようもないのだとか、そういった感想というのか、意見というのか、訴えを書いている 方も少なからずおられました。あるいは施設でなくて病院とか、そういうケースもあり ましたし、また、親の方が亡くなって今は兄弟である自分が一応、保護者ということで 施設には登録しているけれども、自分のところも自分の生活で精一杯でなかなか現に施 設に入って一応、穏やかな生活を送っている、そういう自分の家族というか、兄弟のこ れからは地域移行と、そういうことはとっても考えられないとか、そういうものもござ いまして、私どもとしてはここにこういう欄を設けたのはそういう保護者の方の心配と いうものをざっくばらんに聞いて、そういうものも踏まえて皆さん方が不安に思ってる こと、それに対する答えをきちんと用意して改めて説明すると、そういう趣旨で設けた 次第でございます。まとめたもの、追ってお届けいたします。  支援費の関係で、市町村から担当者がお出でになっておりまして、ただ、数が現在、 ございませんので、これ、のちほどまた数えてお知らせできたらと思います。 ○部会長  ありがとうございました。他にいかがでしょうか。どうぞ。 ○白石委員  同じくアンケートの中なのですけれども、回答があった82%の保護者の方とはとりあ えずコミュニケーションが取れているので、それを大切にしたいというような理事長の お話があったのですが、そのパンフレット、ご送付したと、それをご覧いただけました かという回答の中で読んだがよくわからなかったというのが41%あるということで、生 活寮毎に保護者会を何度か開いているというようなご説明がありましたけれども、地域 移行に保護者の方が賛成するか、反対するかという、その意思決定の前にまずよくご理 解いただくというのが、地域移行というのはどういうものなのかというのをご理解いた だくというのが多分、先にプロセスとしてはあるのかなと思いますので、多分、ここら 辺はフォローアップを法人の方も考えていらっしゃると思いますが、よろしくお願いし たいと思います。  地域移行の話でご本人と保護者への配慮というのは非常に重要なのですが、ご説明で もありました職員の方の意識改革が新しい法人になりまして新しいお仕事をなさってい ただいているのですが、その職員の方々の意識改革はどの程度、進捗しているのかとい うのをちょっとお伺いしたいと思います。支援要綱を、職員の行動基準を見直したり、 新たに作ったりというお話がありまして、あと、そういうことによって新たな目標、職 員の方々で確認をされたということだと思うのですが、それとあと、研修というのもひ とつのポイントだと思います。  資料2−4に職員の方の研修の状況が資料4ということで4頁に書いてございまし て、職員研修会の実施ということなのですけれども、この見方が実はよくわからなく て、職員研修ということで、例えば参加者数161名とか書いてあるのは、これはのぞみ の園で2時間なり、セミナーが開催されて、それに職員の方がお出になったというよう なこと、それが2回行われたということでしょうか。ですから、だとするとお話を聞い たというのが2回あったと。実際に他の施設に行かれて研修をなさってというのは(2) の職員実務研修ということで、これは1人がこの1週間程度行かれたという理解でよろ しいでしょうか。  3番目の実務研修参加者による報告会というのは、そういった実務研修をなさった方 の報告をのぞみの園で報告会というような形でお聞きになったというようなことでよろ しいのでしょうか。と言いますのは、他にも(4)から(6)で研修会とか研修セミナー等々 にもいらっしゃると思うのですが、なかなか地域移行の具体的な職員の研修の在り方が こうあるべきというのがよくわからないところがあるのですが、これで実際の移行に間 に合うぐらいなされているのかどうかというところをちょっとお伺いしたいと思いま す。 ○のぞみの園理事長  最初の職員の意識改革がどれぐらい進んだかというのは、これはちょっと定量的に測 ったということはないので全く私の感触というのでしょうか、そういうことでお答えさ ぜるを得ません。私としては職員が、さきほども言いましたけれども、新しい会社にな って新しい目的の下に新しい仕事をすると、その点については十分理解をしているかと 思います。  問題はそういう新しい目的とか仕事に職員がどれだけ誇りを持ってやりがいを持って 取り組んでいるかということでありまして、その点については日頃から職員に対してい ろいろな働きかけを行ったりということが必要だと思います。その点、一応、総合施設 長というのを置いて以下、施設の現場の方でも今、いろいろな取り組みをやっています ので、もう少しお時間をいただいて成果を報告できたらと思います。  研修の資料の見方につきましては、これは職員研修会、この半年間に2回やりまし て、その際、外部の人の参加も呼びかけまして、その結果として参加者が例えば161人 のうち外部から36人の方が、うち36人の方が参加したということであります。  いずれにしても施設の現場抱えています、診療所の現場もありますということで、こ ういう研修会を開いても全員が参加できません。そういうことでちょっと職員が300名 ぐらいおりますけれども、実際の参加者というのは職員の一部にならざるを得ないとい う面がございます。職員の実務研修ということである程度の期間、派遣してというのも やっておりますが、その中でその成果をこの法人の中でもう一度持ち帰って法人の中で その報告会をやると、法人の他の職員にもその成果を伝達すると、そういう趣旨で(3) の報告会などを行っております。  こういった研修会をやっておりますが、私どもとしてはもちろんこういう研修会も大 事なのですが、要するに日々の業務の中でどうやって地域移行というものを理解し、そ の地域移行に取り組むためのノウハウを身につけて取り組んでいくかということであり まして、その点についてはさきほど説明をしましたように外部から専門家を招聘して、 その直接の担当の地域生活支援部長、地域移行課長ということで、その専門家が現に職 場に張りついて取り組んでおります。そういう中で現場の職員に対しても大きな影響力 を及ぼして地域移行に取り組む、そういう心構えから始まってノウハウ、そういうもの もきちんと伝わっていくと、そういうことで取り組んでおります。 ○部会長  はい。ありがとうございます。他にいかがでしょうか。大変難しい評価の内容でござ いますので、それぞれ戸惑いが多いと思いますが、私からもお願いをしておきたいこと があるのですけれども、私自身も過去3回、大変評価が落ちてしまった施設を建て直す という形で関わって、そのときの経験を今、思い出しているのですが、どうでしょう か。今、理事長さんと総合施設長である渡辺さんが今日、この時点で難しい課題ではあ ったけれども、なお、重苦しい思いでしか、この課題を理解できていないのか、あるい は希望やあるいは自信を持ち始めているのか、その辺をちょっと教えてください。どう でしょう。 ○のぞみの園理事長  では、私からですけれども、重苦しい課題、難しい課題という表現がありましたが、 私も法人の長として中期目標のいろいろな課題、これについては非常にプレッシャーあ ります。ですが、これと言うのは実は知的障害者の福祉の行政、行政と言っても国から 地方までありますし、あるいは福祉のそういう現場、そういう中でぜひとも達成しなけ ればならない課題であるはずでありまして、これはプレッシャーありますけれども、し かし、これをやれと言われたからにはどうしてもやらなければいけないと、そういう気 構えでやっております。  実際に現場に出て取り組んでみると、少しずつではありますけれどもいろいろ改善で きている点もございますし、また、関係者のご理解、ご協力というものも少しずつ得ら れておりますので、少々時間かかりますけれども、私としてはこれはある程度の成果は 絶対納めると、そういうつもりでやっております。 ○部会長  では、総合施設長の渡辺さん、ぜひ。 ○のぞみの園総合施設長  相当プレッシャーの下にやっていることは事実であります。  さきほどの質問の件も含めてちょっとお話をさせていただきたいのですけれども、パ ンフレットを送ったときに158名、41%の方が理解できなかったということがございまし たので、これが各寮の保護者懇談会で私どもが保護者に直接語りかけたひとつの原因で もあります。と言いますのはやはり文書だけではわからないというのがあると思いまし て、4月から7月18日までの間に20ケ寮、22ケ寮あるのですけれども、前年度に1ケ寮 だけやってありましたので、私が来てから20ケ寮について私と移行課長の2人で出てい きまして、保護者の方にご説明をさせていただきました。ここに参加された20ケ寮で約 220家族の方で310名ぐらいの方が参加してくださいまして、かなりそれで保護者の方の ご心配の一端は取り除くことができたのではなかったかなというふうに思っておりま す。  ただ、その中でやはりかなりきつい質問もありました。地域移行というのは弱者切り 捨てにつながるのではないかとか、かなりきつい質問をされたりとか、激論と言います か、かなり怒って我々に食ってかかってくるような方もおりましたけれども、全体的に はこの話をしてからかなり保護者の方の理解が進んできているのではないかなというふ うに思っています。  もう1点はこの席にはできるだけ職員の方も出てくださいということでお話をいたし まして、多分、半分以上の職員は私とあるいは課長の話を聞いていると思います。寮に よっては全員出勤という形を取って全員で聞いてくださったところもあります。寮によ って温度差はありますけれども、職員自身も相当真剣に聞いてくださったというふうに 思っています。  あと、若手の職員と我々で話がしたいと若手の職員から話がありまして、一度だけで すけれども、これまでお話をいたしました。30人から40人近くの方が夜集まってくださ っておりますので、かなり真剣に彼らがこの問題を考えているという、我々のある意味 では仲間がこれだけいるのだということは身を持って実感できた場でもありました。  そういう背景を考えていきますと、難しい点は確かにあると思います。3割、4割と いう目標は我々にとっては途轍もない目標だというふうに思いますけれども、私は目標 をこの期間中にもちろん達成できればそれに越したことはないと思っておりますけれど も、できるだけとにかく丁寧に説明をしながらやっていきたいと。そうすると多分、流 れができるのではないかと。そういう意味ではこの中期目標の20年3月末までにこの目 標が達成できないとしても、その後、かなり早い機会にそれができるであろうし、ま た、それ以上の成果を上げていくことができるのではないかなというふうには思ってお ります。その気持ちで今、やっております。 ○部会長  ありがとうございました。説明とか文書を読んでもなかなかわかり得ない内容のもの ですから、敢えて私の方からそういう現状の現在の感触を伺わさせていただいたわけで ありますが、大変ありがとうございました。  それではいかがでしょうか。他に何かご質問ありませんでしょうか。もし、なければ 評価に入っていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。                  (評価記入) ○部会長  委員の方には大変申し訳ありませんが、時間が迫っておりますので次の第3のグルー プに入りたいと思います。第3のグループは項目が7から10という4つでございます が、これにつきましてのぞみの園の側からご説明をお願いいたします。 ○のぞみの園理事  第7の評価シートでございますけれども、調査・研究のものについてでございます。 調査・研究は当法人にとっても重要な仕事と考えております。これまで少ない職員の中 で細々とやってきたということでありまして、内容も施設間における支援の事例提供を 中心としてやってきたところでございます。この度、独立行政法人となりまして法律の 目的の下でこれからは少し内容も充実させ、地域移行、あるいは地域生活を睨んだテー マで調査をしていきたいと中期目標ではそういう指示であります。これを受けて実施体 制、あるいは調査・研究の内容を充実するという計画をさせていただきました。  15年度の実績のところをご覧いただきたいと思いますけれども、実施体制といたしま しては2人の企画研究部の職員だけではなかなかいい研究はできないということで、い ろいろな部門、その他の業務部門の協力を得て行うというようなことで「研究調整会議 」というものを今、検討しているものでございます。  法人内の職員だけでは独りよがりになりがちというようなことで、外部の先生をお招 きして「研究会議」というものを設けましていろいろなご意見なり、考え方をご指導い ただくということを考えまして、15年度中は人選を行いました。ウのところに書いてあ ります厚生労働科学研究のことなどもありまして、今年に入って先般、7月9日に実際 の研究会議を実施しました。著明な有馬先生を座長とした会議でございましたけれど も、いろいろな有意義なご意見を賜りました。  ウのところでございますけれども、理事長の話にもありましたけれども、厚生労働科 学研究というものの申請を15年度より準備いたしまして、これも先般、内定を得たとい うことであります。テーマはここに書いてあります「知的障害者の地域生活移行を困難 にする二次的障害とその対策に関する研究」ということであります。  調査・研究の内容に関わることでございますけれども、3つの分野で調査・研究を行 うことを計画いたしました。ひとつはアのところでありますけれども、重度・重複知的 障害者の地域生活移行に関する分野、イは地域で暮らす重度知的障害者の援助に関する 分野、3つ目が重度化・高齢化した知的障害者の援助に関する分野ということで研究を 進めたわけでございますけれども、従前の研究に加えて新法人になってからは地域生活 移行という観点からの研究をしようというようなことで、アのところに書いてあります けれども、さきほど来、話題に出ておりました当施設の保護者の地域移行に関するアン ケート調査の集計・分析をして報告書としてまとめております。それを保護者会にフィ ードバックをしているということであります。  2番の地域で暮らす重度知的障害者の援助に関する分野では動的遊具、例えばリボン とか風船バリアボールとか、そういった遊具を利用した軽運動を重度の知的障害者の日 中活動や余暇活動の援助モデルとして有効かというようなことでの研究をしたわけでご ざいますけれども、こういった軽運動、ムーブメントセラピーと言いますか、こういっ たものがひとつの援助として効果があるというような示唆を受けております。  次の頁でございますけれども、重度化・高齢化した知的障害者の援助に関する分野で は、私どもの強いところは30年間、入所している方々が多いわけでございまして、いろ いろな経年変化が研究ができるということはちょっと不謹慎なことかもしれませんけれ ども、そういった観点から20例の経年変化をした経年変化に関する研究をいたしまし て、いろいろな重度化の進行状況についての一端が把握することができたということで あります。  そういったことで自己評定につきましては今までの分野に加えて地域移行に関するひ とつの分野をしましたし、研究会議ということもしまして計画以上のことができたと思 っておりますが、成果の発表とかしておりませんが、その辺ではまだということもあり ましてBというような点にしております。  次の頁でありますけれども、成果のことでありますけれども、成果の積極的な普及・ 活用というようなお話でありますけれども、計画ではインターネットによる調査及び研 究成果情報の発信ということと、次が講演会等の開催というようなものもありますが、 これは別のシートですのでのちほどにしまして、インターネット等による調査及び研究 につきましてはホームページに掲載しなさいと、あるいは一般誌やニュースレター等で 成果の普及を図りなさいというようなことでありまして、私どももホームページに順 次、掲載していくと。関係団体とのリンクを通じた情報発信を行うと。一般誌への発表 の機会を求めるとか、ニュースレターの発行を検討するというような計画を立てまし た。  ホームページへの活用でございますけれども、現在、50テーマを掲載しております。 ただし、中身の全部までちょっとまだ入力できておりませんでして、研究題名、あるい は研究者名とか研究機関名とか、だいたいの概略とか、そういったことは載せてありま す。というようなことを順次、続けて掲載していくというようなことを考えておりま す。  ニュースレターでありますけれども、これもお金をかけないで発行していくというよ うなことで一生懸命検討してきたわけでございますけれども、創刊号、一応、8月10日 を目処に発行することにしております。16年度につきましては四半期毎に1回を原則 に、期の真ん中ということで8月、11月、2月と、この3回を予定しております。17年 度以降は4回を目処に発行することとしております。一般誌への発表の機会ということ でありますが、ここに書いありますようないろいろな学会、あるいは大会で発表するこ とを予定しております。  この件につきましては自己評定は成果のいろいろな掲載も努力中、ニュースレターも 近々発表できるというようなことで計画どおり実施できているというようなことを勘案 しましてBとしております。  次の頁でございますが、講演会等の開催でありますけれども、調査・研究の成果を一 般への普及を目的とした講演会等を開催し、主要な調査・研究成果の紹介を行うという 目標であります。15年度に計画いたしましたのは調査・研究の成果の一般への普及を目 的とした講演会等の開催計画を策定するということでありますが、これは私ども自ら開 催するというようなことでありまして、それの開催計画、人の計画したものに乗るとい うものではなく自分たちでやるという講演会でございます。そういう観点からの計画を 立てるということと、イは関係団体の実施する講演会等のプログラムのひとつとして組 み入れるよう協力依頼を行うというようなこととか、ウのところで知的障害者の地域生 活に関する医療の現状と課題及び対応策について講演会を開催するという3つの計画を しました。  その実績につきましては自らのというような観点からでは「障害医療セミナー」を定 期的にやっております。治療研究部の中に心理科がありますが、「心理外来研修会」と いうものの実施をしております。関係団体の方のプログラムのひとつとして組み入れる ような協力要請というようなことで、ここに書いてあるような会議等で講師やシンポジ ストとして参加することが内定しております。  ウの点でありますけれども、重度の知的障害者の方々の地域で生活するときには病気 になったときいろいろなバリアがあるというようなことでありまして、重度の方々が安 心して生活できるように医療機関等とネットワークを作って、これに対処するというよ うなことが望ましいというようなことでネットワークシステムを作ろうということで昨 年以来、地域の関係者にいろいろ声をかけていろいろ奔走していたわけでありますけれ ども、だんだん話がまとまってきまして今日、ちょうどその考える会というようなこと を開催する運びになりまして、今、担当理事がそちらの方にまわっているということで あります。そういったネットワークシステムの構築についてというようなことを踏まえ た講演会を開催するというのが計画でありましたけれども、システム自体がまだ15年度 中はできていなかったわけです。ただ、16年度に入って少しずつその動きが出たという ことであります。  自己評定としましてはAに近いと思っておりますが、このネットワークシステムとか そういったことが今年度に入ったというようなことでBとさせていただきました。  次の養成・研修であります。この部門の実際に担当している者は今までは兼任でやっ ておりました。言わば1人の人が他の仕事もやったというようなことでなかなか体制と しては十分ではないということでありますけれども、そういう中でも大学等で実施する 養成・研修の実習の受け入れとか、いろいろやってきております。なかには宿泊施設も あるので大変喜ばれているというようなことでありますけれども、中期目標ではもっと 自前の研修もしっかりやっていきなさいという指示であります。  そういうことで計画といたしましては実施体制を整備するということと、具体的な実 施計画ということで養成・研修のプログラムを作成するということで15年度は計画させ ていただいたわけでございますけれども、実施体制といたしましては企画研究部が養成 ・研修の企画立案とか実施を主管して研修生等の実習の受け皿というものを作業活動部 門とか担当して実施してきているわけですけれども、4月から養成・研修の専任の係と いうものにしたということであります。これによって少しは充実してくるのではないか と思っております。  養成・研修のプログラムといたしまして平成17年度から自前の養成・研修事業を実施 するということで計画を立てさせていただきました。現在、いろいろ検討中な点もあり ますけれども、3つの養成・研修事業を計画しております。ひとつは、地域生活移行支 援のための研修というようなことで、基礎コースというようなことで銘打って300人ぐ らいの規模の研修会を計画しています。2番目として知的障害者の健康管理のための研 修、これは50人程度と。さきほどの地域生活移行での関係での発展コースといたしまし て地域生活移行支援者養成コースというような、これも50人規模ですけれども、そうい った研修を今、具体化しつつあります。  そういうことで15年度の計画は実施体制を整備しようということとプログラムを作成 しなさいという観点からは計画どおりできましたので自己評定はBということでさせて いただきました。以上です。 ○部会長  はい。ありがとうございました。以上の項目に関してご質問、ご意見ありませんか。 どうぞ。 ○山村委員  2点お願いします。1点は19頁の調査・研究の普及・活用という項目の成果を全国的 な利用に供するためニュースレターを発行されるということと、今ひとつは一般誌への 発表をされるということの予定なのですけれども、質問のひとつはニュースレターのイ メージといいますか、それをちょっとどんなものかお聞きしたいのがひとつ。  2つめに一般誌への発表の機会ということでいくつのか学会名が出ておりますけれど も、最も全国の知的障害の関係の人たちが集ったり、目に触れる機会というのは日本知 的障害者福祉協会という協会の様々な研修会に成果を発表していただくとか、あるいは 機関誌に『サポート』という機関誌がございますけれども、その機関誌に積極的に投稿 なり関わっていただくということで広く全国的な利用に供することができると。幸いに も総合施設長の渡辺さんとか、あるいは地域支援の課長さんでしょうか、深くこの『サ ポート』の機関誌に関わっておられますので、ぜひ、こういう文面の中にもそのような ものを以後、盛り込んでいただくようにお願いをしたいと思います。  2点目なのですが、実習生のことですけれども、21頁、あれだけの規模のところです ので様々な方々が利用されているし、学生も来られているという数字は見せていただき ました。質問は実習依頼があったときに断ったりしている事実があるのかどうかという ことをお聞きしたいと思います。僕が申し上げたいのは128名の実習生を受け入れてい るということなのですけれども、500人規模でやりますのでこれは通例の施設、50人規 模に換算をいたしますと1年間に12人みたいな数になるので、多いということ、評価と いうか、自己評価ではおっしゃっておられますけれども、必ずしも多くないし、むしろ 少なすぎるという見方もできるのではないかというふうに僕は思っておりますので、も し、断ったりされていることがあるのかないのか、そのあたりをお聞きしたいと思いま す。以上です。 ○部会長  はい。ありがとうございます。どうでしょうか。 ○のぞみの園理事長  ニュースレターはさきほどご説明したように近々できあがって、委員の先生方にもお 送りいたす予定であります。ニュースレターの中でどういう記事を載せていくか、どう いう狙いで発行するかということなのですが、一応、私どもの法人が独立行政法人に移 行して新しい取り組みをしていると、その取り組みの中でトピックス的に法人としてい ろいろ新しい方向に動いているのだと、そういうことをご理解いただけるようなテーマ を選んで、なおかつそこでいろいろ記載してあることが、それを読んだ関係者の方にと っても何か活用していただければ、そういう観点から記事をまとめたいと思ったので す。  ただ、何分にも創刊号、漸くできそうだという、そういう段階でございまして、おそ らく私どもの意図しているとおりには十分なもの、できていないかと思います。これも 皆さんからいろいろご意見いただいていいものにしていきたいと思っております。  実習生については特に依頼があって断ったということはないのですが、地理的にやは り近隣の福祉系の大学とか保育士の養成学校などが主になります。私どもの施設の所在 地が駅から近いのですが、ただ、ちょっと山の上、山と言うと語弊がありますけれど も、ちょっと標高200m、100何十mのところにありまして実習して、特に福祉系の大学 などですと4週間とかある程度長期間寝泊まりして実習するという、そういうことにな ってきますとどうしても私どもの職員宿舎の空きなど、そういう宿泊施設を近くに置い て、それで実習していただかざるを得ないという事情がございます。  そういうことで受け入れのキャパシティというものがそう余裕がないものですから、 年間を通してこの程度の数字になっております。これは確かに50人規模の施設に直すと こんなものだというのがそのとおりだと思いますので、私どもとしてもこういう実習の 受け入れにはそれなりの役割を果たさなければいけないと思っておりますが、何と言う のでしょうか、私どもの施設としていろいろなことを今、やろうとしているものですか ら、その中でこの実習関係、どの程度、力を割けるかという、そういう問題もございま して、16年度もだいたい現状維持というようなことで予定しております。そういう点で 今日、こういうご意見をいただいたこともありますので、実習についてこれからもう少 し効率的、効果的、あるいはそういうもっともっと依頼があった場合に対応できるよう な、そういうことについては検討してみたいと思います。 ○部会長  ありがとうございました。他にどうでしょうか。今、理事長さんからもお話がありま したようにやはり今、大変、コロニー、国立のぞみの園の場合にはすべてにおいて新し い努力を展開する中でどうしても濃淡ができやすいという、その中のひとつなのかもし れません。そういう意味では例え評価が落ちたとしてもそれは今後には期待できる問題 だというふうに考えられますので、どうか率直なご批判、あるいは評価をいただいてよ ろしいのではないかと思います。  どうでしょうか。よければ評価を頂戴いたしまして最後のグループに入りたいと思い ますので、よろしくお願いいたします。                  (評価記入) ○部会長  それでは最後のグループになります。6項目ございます。どうかご説明とその内容に ついてのお考えをお示しください。 ○のぞみの園理事  それでは第3の4の援助・助言のテーマでございます。知的障害者援護施設の求めに 応じて効果的な援助・助言を行うこと。とりわけ重度知的障害者の地域への移行に向け た取り組みに関する援助・助言を積極的に行うことという目標でございます。  それに対しまして15年度の計画では調査・研究を進めていく中で成果についての積極 的な援助・助言のための方策を検討し、実践するということであります。今、いろいろ 検討しているわけでありますけれども、独法化検討委員会が開催されている頃、その検 討過程においてのお話がマスコミに取り沙汰されて以来、いろいろ地域移行の取り組み に対していろいろな方面から照会なりがきております。そういう中でどういうものを指 導・助言という形で位置づけていくかというようなことで、その在り方について部内で 検討しているところでありますけれども、その在り方につきましてどう対応していく か、実践していったらいいかというようことで検討しております。  15年度の実績について書いてあることは地域生活支援に関する照会が多いので、窓口 を今までの企画研究部から生活支援を担当する部門に移管したということと、ホームペ ージの相談コーナーを設置して相談しやすいようにやるということであります。  自己評定につきましては、さきほど申し上げましたように今までの相談事業との関 係、指導・助言にあたる職員の在り方とか定量的な把握の方法等、課題が多いわけで、 その方向にどのような方策がよろしいかというようなことで検討をやっている中で実質 的にはいろいろな相談、指導・助言はやっているというふうに思っておりますので、定 性的な目標でありますので評価Bと、自己評定はBというふうにさせていただいており ます。  次の頁でありますけれども、付帯する各種の業務に関することでありますけれども、 付帯業務としましては診療所の業務、相談事業、デイサービス、ショートステイ、通所 部等々の事業をやっているわけでございます。これも目標としては各種の業務を行うこ とということで、15年度計画では知的障害者に対する診療業務を行うと。あるいはさき ほどお話に出ました専門学校の学生、ホームヘルパー研修受講者等の実習の受け入れを 行う。居宅の知的障害者に対する相談を行うということでそれぞれ実施しているわけで ありますが、これも件数を申し上げれば下の自己評定の欄のところに診療所であっては 入所者、地域、その他の項にしまして3年間の診療件数を並べてみました。括弧書きが 心理外来件数ということでありますけれども、いずれにしても地域がどんどん、地域の 障害者の方々の利用が増えているということであります。  養成・研修ではさきほどお話が出たとおりでありますが、ちょっと付け加えさせてい ただきたいのは、平成15年度に司法修習生からの受け入れ要請があったということが特 徴だと思います。その他、医学部の学生も受け入れております。最近では警察学校の方 でも依頼があるわけでございます。そういったことで地域からいろいろ期待されており ます。  相談事業、これにつきましてはなかなか実際、数字的な把握というのが難しいわけで ございますが、それぞれの診療所なり、デイサービスセンターなり、直接、相談に来る というような方が最近では増えているというようなことで、件数的には横ばいというこ とになっております。件数というか、定量的な観点からすると少しBというのではなく てAというようなことでつけさせていただいております。  次の頁にいかさせていただきます。本シートのテーマはサービス提供に関する第三者 評価の実施及び評価結果の公表というようなことで、そういったことをやっていきなさ いという目標でありますけれども、平成15年度の年度計画では第三者評価委員会を設置 する、15年度中に1回開催して評価の実施と評価結果の公表を行うということを計画さ せていただきました。第三者評価委員会の設置につきましては有識者、保護者、地域代 表というような方々の中から選任させていただきまして構成された評価委員会を作って おります。  現在、学識経験者の方が3人、保護者の方が2人、地域の代表者が2人というような ことでありますけれども、実際の評価委員会はちょっと人選が手間取りまして15年度中 は開くことができませんでして、結局、これも近々でありますけれども、来週の8月の 3日に実施するということにしております。そういうようなことでほぼ計画どおりいっ ているのではないかというようなことでBとさせていただきました。  次の頁でありますけれども、電子政府化に関する事項であります。15年度の年度計画 におきましては業務の電子化について利用者情報を一元化する等、着手可能なものから 実施するということであります。15年度の業務の実績におきましては園内にLANシス テムというものを作っておりましてグループウェアなどやっておるわけですが、施設内 のペーパーレス化というものを一層促進するというようなことで、これの活用、連絡事 項等はグループウェアでやるというようなことでペーパーレス化を図っているというこ とであります。  共通文書の電子化ということでありますけれども、各部門、いろいろな部門があるわ けですけれども、それぞれ利用者情報を持っております。それらを一元化していこうと いうようなこと、基本データを可能なものから今、入力しているということでありま す。今はだいたい利用者のプロフィール、保護者の状況とか、あと、支援費関係とか、 そういったものを入力しているわけですけれども、さらに可能なものから入力していき たいと思っております。  いろいろな文書、規定類とかあるわけでありますけれども、それについての共有化を 図るというようなことで、これもサーバーの中に入れておりまして、担当者が一覧でき るようなことにしております。これも定性的なご指示でありますので評価といたしまし ては計画どおりやっているということでBとさせていただきました。  次は財務内容の改善に関する事項とあります。自己評価の下の欄の理由及び特記事項 のところに関してご説明していきたいと思いますけれども、当法人の自己収入としまし ては施設訓練等支援費収入、居宅生活支援費収入とか、診療収入とか実習生等受入負担 金収入というふうになっております。当法人の総事業費が16年度予算で45億円というこ とになっておりますけれども、そのうち、17億円ということであります。その中で多い のが支援費収入ということで約15〜16億ということであります。  そういう現実の中で15年度はもう少し自己収入が伸びるというような観点からも地域 のニーズもあるわけですけれども、通所部の開設をしたり、デイサービスのサービス時 間の延長を行ったり、あるいは実習生等の実習料の引き上げを行ったりというようなこ とで検討しまして、皆、実現しております。今後も努力していきたいと考えておるわけ でございます。目標は自己収入の比率を38%以上にすることというようなことでありま すけれども、これについても目標を達成するように今後も努力していきたいということ で考えています。したがいまして、本年度は数字的にも目標どおりいっておりますので Bとしております。  節減の関係を言い忘れましたけれども、最初の頃より人件費の節減を考えるというよ うなお話をしております。そういう観点から財務関係への努力というものを考えると私 自身としてはSぐらいに考えたわけですけれども、さきほど言いましたように目標どお りということでBとしております。  次の頁でありますけれども、最後でありますけれども、人員の適正配置により業務運 営の効率化を図ることということと、業務運営の効率化を促進するための人事評価シス テムの導入に向けて検討を行うことというような目標であります。そして中期計画では 中期目標期間中に人員を削減して期末の常勤職員数を期初の9割とする。1割削減する という計画にしております。そして人件費を削減するということであります。  これもさきほど来、お話が出ておりますので時間の都合もありまして省略させていた だきます。評価につきましてはSかAかというようなことでちょっと迷ったのですが、 Aにさせていただきました。ちょっと端折りまして恐縮ですけれども、以上でございま す。 ○部会長  はい。ありがとうございました。最後の6項目についてのご説明と評価した結果につ いてのご報告でありました。ご質問、ご意見頂戴できますか。どうぞ。 ○白石委員  2点お伺いいたします。まず、第三者評価制度なのですが、実際にはこれから開催さ れるというようなお話があったのですけれども、具体的にはどのような会、制度にする ご予定なのか、地域移行に関して保護者の方からいろいろな不安の声もたくさん上がっ てきているというようなお話もあるのですけれども、そういった保護者の方々への不安 を解消するような何か手だてもこの評価制度の中でお考えになっているのかどうかとい うことと、あと、職員の方でモニタリングシステムを始めたということなのですけれど も、それと第三者評価制度と何かリンクをしてというようなことがあるのかどうかとい うことをお伺いしたいと思います。  一番最後、人件費のお話で平成15年度における人件費の実績は予算額を上回っていな いということなのですが、なぜ、上回らなかったのか、退職された方がいらっしゃった のでそのタイミングとの兼ね合いなのかもしれないのですけれども、そこら辺をちょっ と教えていただきたいと思います。 ○のぞみの園理事  まず、評価制度の観点からお話を申し上げますと、まず、評価制度はモニタリングシ ステムと異なりまして評価制度というのはと個人個人を評価するということであろうと 思います。目標管理制度、企業の中ではそういう制度を取り入れている企業が多いわけ でありまして、目標、実行、評価と、それが目標管理制度と思います。  私どもの評価制度の中にその目標管理制度を入れるか入れないかという観点から今、 ちょっと観点についていろいろ中で研究しているわけですけれども、目標とは何ぞやと いうことになるわけですけれども、例えば中期目標、中期計画、あるいは年度計画とい うものをやるのか、それとも個別のいろいろな支援目標、そういうことやるのかという ようなことでなかなか具体的に地域移行に関して保護者の理解を得る努力をしているか と。そういう観点からの評価になるとも言えないこともないと思うのですが、その辺の 評価の視点というか、それは今、検討しているということではっきりした回答はちょっ とできませんけれども、そういうことであります。 ○のぞみの園理事長  第三者評価との関係でのご質問でしたね。すみません。最初の質問は第三者評価でし たですね。それで第三者評価については近々やるということなのですが、一応、メンバ ーの中に保護者の会の代表の方2人も入っております。委員が7名おりまして、そのう ち2人、保護者の方、委員になっていただいております。  その中で私どもとしては我々が提供するサービス、これは日常的な生活の施設での生 活の場面でのサービス、デイサービスとかショートステイもやっていますので、そうい う在宅関係のサービス、診療所の診療面のサービス、そういうものを全体についてサー ビスの質の評価をしていただくと。そういうことでこれから具体的なサービスのやり方 というのでしょうか、あるいは基準みたいなものを具体的に決めていくと、そういう段 階にございます。  そういう中で私どもの法人、あるいはそういう直接、国民の方、あるいは利用者の方 に関わるという仕事の中で地域移行というものが大きな課題になっておりますので、そ の地域移行についてもやはりやり方というのでしょうか、プロセスについて第三者の目 でしっかりと見ていただく必要があるかと思います。  ただ、さきほど申し上げましたように第1回目を近々ということで、その会議の場で これから具体的にどういう第三者のそういう評価をやっていくかと、そこら辺はちょっ といろいろご議論をいただいた上で、その第2回目に具体的な評価の仕方についてまと めていこうと、こういうちょっと手のかかるような段取りを考えております。そういう ことで今日、いただいたご意見、十分参考にさせていただいて、地域移行についてのや り方についてきちんと第三者から評価していただけるような、そういうことを考えてみ たいと思っております。 ○部会長  では、人件費の問題。 ○のぞみの園総務部長  最後のご質問になりました人件費が当初予算と比べて決算でもかなり差があるけれど も、その要因ということで、さきほど理事の方からご説明をいたしました15年度中の給 与改定、これに伴う差額分が8,000万程ございます。今回、ここの表に上がっております 予算額、実績で1億4,000万、そのうち8,000万についてが給与改定に伴う減の分、残り 分がいわゆる定年退職と年度途中退職者の部分と、それに伴います、そこであと補充を しております非常勤等々の関係での経費を差っ引いた残り分という形で、いわゆる人件 費からの流用分ですね。そういうものを除いた分が残り約6,000万程あるということでも ってトータル1億4,000万の差になっているという形でございます。以上です。 ○部会長  よろしいですか。私からちょっと確認させていただきたいのですが、24頁に左側に評 価の視点というのがありますね。そのところに有識者、保護者、あるいは地域代表等か らなる第三者評価機関を設けているかという、この方針は目標の中で定められていたも のなのですね。通常、第三者評価というとこういう形でない第三者評価が今は一般的に 理解されていると思うのですが、そのあたり、どうなのでしょうかね。事によるとそう いう方針を予め出してしまっていればもちろんこれでいいのですが。 ○のぞみの園理事  今、先生がおっしゃられる意味は社会福祉法の流れの中で国が今、第三者評価制度。 ○部会長  はい。いわゆる専門評価機関を設けて、それによって行われるという意味ではないも のですよね。これは。 ○のぞみの園理事  ええ、私どもの法人独自の評価制度ということで今、考えております。ただ、将来、 評価制度について国の制度が成熟してくるとするならば、それとの整合性を評価基準と いう観点からいろいろ活用するというのはあるのかなというようなことで、まだ、その 辺はちょっと模索中だということであります。 ○部会長  はい。ちょっと戸惑った、こういう形の第三者評価を設けることが義務づけられてい るのかどうかということをちょっと知りたかったのですけれども。 ○のぞみの園理事  法律上はありません。のぞみの園法の個別ので。ただし、業務方法書で作りなさい と、作るということにしております。 ○部会長  そうですか。なるほど。何かご質問、ご意見ございまか。どうぞ、大石先生。 ○大石委員  私、よくわからないのですが、第三者評価機関と言うのですが、保護者が2名入って いる。これ、第三者と言ってよろしいのですかね。よくわからないのです。今、ちょっ と疑問に思って。 ○部会長  そのあたりがだいぶ議論になるところかもしれませんね。第三者評価という限りはと いうようなことが起こるのではないかなという気がいたしますが。 ○のぞみの園理事  国の第三者評価で考えられていることも、その社会福祉事業の経営者がその施設で行 われている支援が適切に行われているかどうかという観点で第三者、保護者を含めた第 三者を前提としているような法律の組み立てになっておりますので、そういうことから して私どもも保護者の中から選ばせていただいたということであります。 ○部会長  なるほどね。そういうことであればそれは限定的に理解すればよろしいことだと思い ますし、また、そういうやり方が適切かどうかは今後の結果を見て判断をしていけば自 ずと結論は出てくるだろうと、こういうふうに理解をしておきたいと思いますが、よろ しいでしょうかね。他に何か。どうぞ。 ○宗林委員  診療所の数値を出していただいているので、これについて少しご質問をしたいのです けれども、地域の利用者がということで、23頁の表なのですが、地域の方、知的障害者 の方の利用が増えているということが数字ではわかるのですが、これについてもこれは 歯科と合わせた数字だろうと思いますので、簡単に割り算をしていきますと1日、歯科 と医科を合わせて10人足らずの利用になるのかなというふうに今、簡単に計算していた のですが、増えてきたということについては開放したということだけではなくて具体的 に何か策を講じられたのかということについて伺いたいということと、やはり施設など を見せていただきまして、この施設の規模であるとか設備投資であるとかということを 考えますと、もっと地域医療の中のひとつの位置づけとして機能していくべきなのかな という思いがあるのですが、この辺についてはいかがでしょうか。 ○のぞみの園理事  件数についてのご指摘でありますが、これが評価はなかなか難しいと思います。私ど もが言えるのは重度の知的障害者の方はかなり診療時間が診察の時間というのが長くか かるというようなことで、なかなか件数をはい、次、次というような町の診療所のよう にはいかないというふうなことで見ていただくとありがたいと思っております。  地域の人がこれだけ増えたのは何か策を講じているのかというようなお訊ねかと思い ますが、私どもでさきほど申し上げましたけれども、障害医療セミナーというものをや り始めております。その障害医療セミナー、最初は職員がかなり多数を占めていたので すが、口コミという言葉はちょっといいのか悪いのかわかりませんけれども、かなり口 コミで地域の保護者の方、あるいは施設の方、養護学校の方とか、いろいろ増えてきま して、今では職員よりも多いぐらいになっております。併せて心理外来をやっていると いうようなことで、言わばいろいろPRは一般的にはしていますけれども、そういうの が多いのではないかと思っております。 ○宗林委員  すみません。さきほどのご説明の中で13床というお話がありまして、24時間というお 話がありましたけれども、これはどのぐらいの稼働率と言いますか、ベッドが埋まって いる状態なのでしょうか。 ○のぞみの園理事  13床の中で私どもの入所者が多いわけでして、9人から10人ということかと思いま す。全部、満床にしてきてしまいますと逆に突発的なことがありましたときに困るとい うようなこともあって、だいたい10人乃至11人、多少余裕を持たせてやっているという ようなことであります。そういったことです。 ○部会長  では、遠藤さん、何か付け加えることがありますか。 ○のぞみの園理事長  診療所の活用方策みたいなものをさきほどご質問の中にあったかと思いますけれど も、私ども、一応、保険指定を受けて保険医療機関としてやっておりますが、主たる対 象は障害のある方ということでやっております。そういうことで地元の医師会の協力も いただいております。  これからの活用方策としてということなのですが、さきほどご説明する中で確か20頁 に県内の知的障害者の医療ネットワークシステム云々という説明がございました。15年 度の4の実績の20頁のウとして書いてございますけれども、これはさきほどご説明しま したように私どもの法人が呼びかけまして県内の医師会、県の担当部局、県の知的障害 者の福祉協会、県内の群馬大が高度医療機関でございますので群馬大の精神科の教授、 その他、主な医療関係者の方々に呼びかけしましてこういう障害者の医療のネットワー クシステムをつくって知的障害のある人も普通の人と同じように医療機関へのアクセス をよくしようと、そういう狙いで今、働きかけをして少しずつ具体化している最中でご ざいます。  これがうまくいきますれば、我が法人が事務局的な役割を担って県内の障害者の医療 についていろいろ調整役というのでしょうか、そういうこともやっていけたらと思って おります。そういう中で私どもの直営の診療所も活用していただければ、そういう方策 を工夫していきたいと、こういうことでやっております。 ○部会長  はい。ありがとうございました。新しく県内で知的障害者を中心とした人々のための 医療ネットワークをのぞみの園が中心になって運営できたらということでありますね。 いかがでしょうか。それではそろそろ評価をお願いいたしまして、あとは総括的なご連 絡をさせていただこうと思いますので、よろしくお願いいたします。                  (評価記入)  (2)その他 ○部会長  それでは終えられたと思われますのでこれで終わりたいと思いますが、何か総括的な ご質問なり、ご意見があればと思います。今、石井委員の方からは今日も同じことであ りますが、個別評価シートを残して、そちらに回収していただくことになっております が、それぞれにパーソナルなかなり記述もあるので、できたら返してもらうことはでき ないかということでございますが、事務局としてはいかがでしょうか。 ○金刺補佐  委員の先生のご希望によってということでよろしゅうございますか。どうしましょう か。我々も一旦、集計のためにいただきたいという趣旨でございますので、その後でよ ろしければ、例えば、もし、石井先生でありましたら明日、お願いしますので、そのと き、お返しすればよろしいですか。他にも、もし、ご希望の委員の方、おられましたら のちほどご連絡いただければお返しすることも。 ○部会長  ただ、取り扱いについてはご注意いただきます。お願いいたします。  さて、それでは今ののぞみの園の場合には昨日のような福祉医療機構のようにもう既 に定められた業務を目的に向かって正確に有効にかつ合理的に行えばいいという類のも のとはちょっと違いまして、場合によると事業そのものの意味を問われたり、あるいは 現在、行っている行為そのものの可否を問われたりするような、そういう内容を含んだ 評価でございますで大変難しかったと思います。  私自身含めて委員の方々、皆、そういう印象を持っておられるのではないかと思いま すので、どうか今回のことをベースにしまして以後、いろいろお話し合いをした上で改 善すべきものがありましたら、ぜひ、改善を図っていきたいと、こんなふうに思います ので、そういうおつもりでご協力を今後ともにお願いいたします。 3.閉会 ○部会長  一応、今日はこれで終わりますが、事務局の方からご挨拶をいただきまして今後のこ とを含めてお知らせをいただきたいと思います。 ○金刺補佐  はい。事務局から次回のご連絡を申し上げたいと思います。次回は8月11日の水曜 日、13時から16時まで開催させていただきます。内容につきましては総合的な評価に向 けてのご議論をいただきたいたと考えております。場所は厚生労働省内の省議室を予定 しておりますが、また、別途、紙にてご通知をさせていただきたいと思います。  なお、さきほど石井先生からお申し出がありましたように個別評価シートは本日のと ころはとりあえず残していっていただきたいと思っておりますが、もし、返却、その 他、ご希望される方は個別にお申しつけいただきたいと思いますのでよろしくお願いし たいと思います。以上でございます。 ○部会長  ありがとうございました。それではどうか2日間に渡って大変長時間の難しい作業を お願いいたしました。一応、予定どおり、無事終了いたしました。本当にご苦労様でご ざいました。次回は8月11日ということでお目にかかりたいと思います。ありがとうご ざいました。                                     (了) 照会先:政策統括官付政策評価官室 政策評価第二係 電話 :03-5253-1111(内線7780)