04/07/28 独立行政法人評価委員会第9回医療・福祉部会議事録         厚生労働省独立行政法人評価委員会医療・福祉部会                  第9回議事録 日時: 平成16年7月28日(水)13:00〜17:00 場所: 東海大学校友会館 富士の間 出席委員 浅野委員、石井委員、大石委員、岡田委員、川原委員、白石委員、宗林委員、      橋本委員、山崎委員 1.開会 ○部会長  それではただいまから、第9回になりますが、独立行政法人評価委員会医療・福祉部 会を開催させていただきます。委員の皆様におかれまして、お暑い中、なおお忙しい中 をお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本日、遠藤委員、小林委員、 山村委員が御欠席ということで御通知をいただいております。なお、山崎委員は少し遅 れるということでございますので、間もなくいらっしゃるものと思います。それではは じめに事務局から、きょうの議事につきまして簡単に御説明を頂戴したいと思います。 よろしくどうぞ。 ○政策評価官  7月23日付で厚生労働省の人事異動がございまして、私は政策評価官に着任いたしま した岩渕でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 ○福祉基盤課長  同じく23日付けで社会・援護局の福祉基盤課長を拝命いたしました矢崎と申します。 よろしくお願いいたします。 ○医政局総務課長  同じく医政局の総務課長を拝命いたしました原でございます。医療行政を担当してお ります。どうぞよろしくお願い申し上げます。 ○政策評価官  本日の議事でございますが、独立行政法人の評価に入ります前に、まず福祉医療機構 の債券発行及び第1・四半期の長期借入金につきまして、御報告をさせていただきたい と思います。この御報告のあと、本日以降行っていただきます独立行政法人の評価の進 め方につきまして、御説明を申し上げます。そのあと個別評価に移りまして、本日は福 祉医療機構についての御審議をお願いしたいと思います。 ○部会長  ありがとうございました。それではまず第1に独立行政法人の評価に入る前でござい ますが、福祉医療機構の債券発行及び第1・四半期長期借入金の報告をお願いしたいと 思います。よろしくどうぞお願いいたします。 <福祉医療機構の債券発行及び第1・四半期長期借入金の報告> ○福祉医療機構経理部長  私は福祉医療機構の経理部長の伊藤でございます。御手元に資料2−5というのがあ ると思いますが、平成16事業年度の債券発行及び第1・四半期の長期借入金の実績につ いて、御報告をさせていただきます。まず平成16事業年度の福祉医療機構の債券発行で ございますが、一般勘定と年金担保貸付勘定を合わせまして、600億円の債券を発行し ております。各資料の説明をさせていただきます。当機構としての第1回発行につきま しては、表の上のほうにございますように、一般勘定分250億円を6月14日に5年債で 発行いたしました。表面利率は表に書いてございますように、0.71%でございます。こ れは213回の国債の利率0.61%に10bp、いわゆる率にして0.1%を上乗せしたものでござ います。発行価格は99円97銭でございます。  それから2つ目のマスに書いてございますように、第2回の発行につきましては、同 日の6月14日に50億円を10年債で発行いたしました。利率は1.61%でございまして、259 回国債の利率1.47%に14bpの0.14%を上乗せしたものでございます。価格は99円99銭で ございます。第1回と2回の300億円の資金につきましては、福祉医療貸付の資金に充 てることになっております。  続きまして第3回の発行につきましては、総額300億円を7月9日に3年債で発行し ております。表面利率は0.54%でございまして195回の国債の利率0.44%に10bp、0.1% を上乗せしたものでございます。価格は100円でございます。この資金につきましては、 年金担保貸付の資金に充てることになっております。  第1回、第2回、第3回につきましては、厚生労働大臣より認可をいただいておりま すし、当機構の格付け機関でございますR&I社からAAを取得しております。  中程に平成16事業年度計画と書いてございますが、一般勘定、年金担保貸付勘定、そ れぞれ記載のとおりでございまして、今回発行の600億円の財投機関債は資金交付額の 財源として充当いたします。  下の表でございますが、過去の実績で社会福祉・医療事業団時代のものを参考に記載 しております。  続きまして次のページでございますが、福祉医療機構平成16事業年度の第1・四半期 の長期借入金の実績でございます。年度計画は上の表に書いてございますように、一般 勘定で3,467億円。年金担保貸付勘定で522億円となっておりまして、第1・四半期で認 可いただいた額は、一般勘定で565億円。それから年金担保貸付勘定は71億円でござい ます。それに対して実績といたしまして、一般勘定は下の表にございますが、5月25日 に固定金利分として345億2,000万円。それから10年経過後の金利見直し制度分として4 億8,000万円の、合計350億円。  それから右の中程でございますが、6月25日に固定金利分として201億3,000万円、そ れから10年経過後の金利見直し制度分といたしまして13億7,000万円の合計215億円。第 1・四半期の合計で565億円ということになっております。  年金担保貸付勘定につきましては、いちばん右に書いておりますとおり、5月20日に 60億円の借入ということになっております。以上で説明を終わりますが、参考として3 ページ目に、機構債券の発行の根拠となる部分を抜粋して添付してございますので、御 参照いただければと思います。以上でございます。 ○部会長  ありがとうございました。ただいま御説明いただきましたことにつきまして、御質問 あるいは御意見がございましたら頂戴したいと思いますが、いかがでしょうか。特にご ざいませんでしょうか。御報告ということてでよろしいでしょうか。では御報告をいた だいたということで結構かと思いますので、これはこれで済ませたいと思います。  それではその次になります。いよいよ評価に入るわけでございますが、まず評価の進 め方につきまして、事務局から資料が用意されておりますので、それに基づいて御説明 を頂戴したいと思いますので、よろしくお願いいたします。 2.議事 (1)独立行政法人の評価の進め方について ○政策評価官  それでは御手元の資料の1−1をごらんいただきたいと思います。「独立行政法人の 評価の進め方について」という資料でございます。本日は福祉医療機構、そして明日は のぞみの園の順に、それぞれの独立行政法人の評価を、この大きな個別評価資料がこち らにございますけれども、こちらに沿いましてお願いしたいと思います。医薬品医療機 器総合機構につきましては、今年の4月の設立ということで、平成15年度の評価は行わ ないということでございます。  個別の評価項目が大変多ございます。項目を便宜上4つのグループに分けまして、こ の4つのグループ単位でまず最初に業務の実績の御説明を申し上げまして、それについ て質疑応答、そしてそのあと評定の時間を設けて、この評価シートへの御記入をお願い するということ。これを4回お願いしたいと思っております。本日ですと資料1−1の 2ページをごらんいただきますと、個別の評価の項目が19項目ございますけれども、そ この太線で囲っております単位で、いま申し上げたような段取りで御説明を行って、質 疑応答をということで進めていただきたいと存じます。  個別の評定をお願いする場合には、できるかぎり理由を付していただきたいと思いま す。特に最高のSあるいは最低のDを付ける場合には、必ず理由をお付けいただくよう によろしくお願いいたします。  この個別評定の作業が終わりました後には、事務局で先生方の付けていただきました 評定を集計いたしまして、8月11日の第11回でこの評定を確定していただきたい。それ からこういった個別評価に関する評価を加えました総合的評価のためのフリートーキン グを、この第11回の会でお願いいたしまして、もし進捗が早ければその時に、あるいは 必要であれば第12回の会合を開催いたしまして、そこでおまとめいただきたいと思うの ですが、その際にはこの部会の中で各独立行政法人の担当の起草委員を決めていただき まして、この起草委員が代表して御一人の方に部会のほうに御提案をいただきそれに基 づいて、審議をするという進め方がよろしいかと思っております。それから同じく第12 回の部会で財務諸表に関する意見もとりまとめます。  起草委員をどなたにお願いするかということでございますけれども、事務局の案とい たしまして、資料1−2ということで、起草委員名簿(案)というものをお配りしてお ります。これにつきまして何かございましたら、また事務局まで御連絡いただければと 存じます。  それから本日、福祉医療機構の個別評価をお願いするわけですけれども、時間が短時 間でございますので、もし時間内に評点しきれないということでございましたらば、部 会終了後、作業をお願いしてこちらにいただくということも御了解願います。なお終わ りましたあとには恐縮でございますけれども、表紙にご記名いただきまして、こちらに お渡しいただければと。よろしくお願いしたいと存じます。評価の進め方についての御 説明は以上でございます。 ○部会長  ありがとうございました。繰り返しになりますが、資料1−1に基づきまして、ただ いまからの作業の大まかな点の御説明を頂戴いたしました。まずこれから今日は福祉医 療機構でございますが、そこからの御報告・御説明をいただいてから、個別の評価をお 願いするということになっております。その際、先ほどおっしゃったとおり、Sまたは Dの評定をする場合には、必ずその理由を明らかにしていただきたいということでござ います。そしてなお明日はのぞみの園のほうも、同じように行うということでございま す。  そして先ほども御説明がありましたように、1−1のページ2にありますように、例 えば福祉医療機構でしたら19項目ございますが、それを4つのグループに分けて、それ ぞれ作業していこうということになっておりますので、大分長丁場になります。  それから明日は3ページのほうにありますのぞみの園の問題でありますが、やはりこ れも4つのグループに分けて評価をお願いするということになっております。なお、こ れにつきましての今後の日程につきましては、4ページにございますような予定で作業 を進めていくということでございまして、8月18日を一応の目途に作業が完了というこ とになろうかと思います。なお、予備日として、一応は取ってありますが、可能な限り 8月18日をもって完了するように、御協力いただければ幸いであります。そしてまた作 業として起草委員を提案させていただいております。それぞれのメンバーは資料1−2 に提案させていただいておりますように、こういう委員の方々にお願いをしたい。そし て印を付けてある方には起草を担当していただくということで、御了解いただければと いうことでございます。  こういったことでございましたが、何かこのことにつきまして御質問・御意見がござ いましたら、ぜひ頂戴したいと思いますが、いかがでしょうか。作業日程等について、 何か御意見はございませんでしょうか。どうぞ。 ○宗林委員  S〜Dまでの判定基準は、この前言った「概ね合致がB」ということでよろしいです かね。 ○政策評価官  さようでございます。お手元に大きなファイルがございまして、この中に6番という 見出しがついているところをちょっとごらんいただきますと、これが評価の基準の細則 というものでございますけれども、いまお話がございましたように、Bが中期計画に概 ね合致しているというものでございます。Sは大幅に上回っている。Aは上回っている となっております。 ○部会長  お分かりいただけましたでしょうか。こちらのいちばん初めのグループの○の9でご ざいますね。ブルーの独立行政法人評価としてあります見出しの(6)。ここにいま御説 明のあった内容が示されておりまして、2ページの下のほうに判定基準として、S・A ・B・C・Dとございます。いま宗林委員がおっしゃったように、概ね合致しているの がBで、これが1つの標準的なレベルということになりましょうか。そんなふうな御説 明を頂戴しました。何かこれについて御質問・御意見はございませんか。  それではまた具体的な作業のさなかでいろいろ御意見も頂戴できるかもしれませんの で、大まかな線をただいまの御説明で御了解いただきまして、早速それぞれのほうか ら、きょうの場合には福祉医療機構でございますが、そちらからの御説明を頂戴できた らと思いますので、平成15年度の総括及び今後の方針について、独立行政法人福祉医療 機構の理事長様のほうから、御説明を頂戴できればと思いますので、よろしくお願いい たします。 (2)福祉医療機構の個別評価について ○福祉医療機構理事長  独立行政法人福祉医療機構の理事長の山口でございます。どうぞよろしくお願い申し 上げます。大変恐縮でございますけれども、資料の中に参考資料2−1という私どもの 説明用資料としてお配りをしたものがあると思います。それの1ページをお願いしたい と思いますが、御覧のとおり独立行政法人福祉医療機構はそこに書いてございますよう に、福祉医療貸付事業をはじめといたしまして、福祉医療経営指導事業、基金による助 成事業、あるいは退職手当共済事業、心身障害者扶養保険事業、福祉保健医療情報サー ビス事業、また年金担保貸付事業など、本当に広範多岐に亘る事業を実施いたしており ます。特殊法人改革の厳しい議論の中で、業務の縮小あるいは一部には廃止、民営化の 議論もございましたけれども、結局、全事業・組織について存続が認められました。こ のことはこれらの福祉医療に関する政策融資を柱とする公共性の高い事業を通じて、福 祉の増進と医療の普及向上を図るという当機構の機能・役割、その重要性が再確認をさ れたものと思っております。  私どもは独立行政法人の発足にあたりまして、「国の政策と連携をした福祉医療分野 の活動を通じて、国民に信頼される総合的な支援機関になる」ということを経営ビジョ ンに掲げまして、従来以上に誇りと自信を持って事業の推進にあたっていこうというこ とで、誓い合ったところでございます。また一方で、独立行政法人化するということ は、機構の業務全般にわたりましてより一層の効率化を図り、国民・利用者に対するサ ービスの向上を目指した業務改革が強く要請をされているというふうに受け止めており ます。独立行政法人化の初年度のこの期間に、独立行政法人化の趣旨を踏まえました業 務改革を最大の課題にして取り組みますとともに、中期目標・中期計画の達成に向け て、努力をいたしてきたところでございます。  業務改革につきましては、私どもこの15年度の計画の中で、最も重点的に取り組んだ 事項でありますので、ここで若干触れさせていただきたいと思いますが、この1ページ の資料に業務改革の三本柱とございますけれども、独法におきましては何よりも理事長 に権限を集中をして、経営責任の所在を明確にするということでございますので、トッ プマネジメントを有効に発揮するためのいわば作戦本部として、経営企画会議を設置を いたしまして、経営管理の一元化を図るとともに、そこで中期目標と計画の進捗状況を チェックをして、組織全体の業務管理の徹底を図る。経営に係る重要事項については、 迅速に意思決定をする。そういう体制をつくる。また併せて各事業部門の業務の責任者 を中心にした業務管理体制を確立いたしまして、業務管理の仕組みをつくる。さらには 人事評価制度を導入することによりまして、組織目標とリンクをさせ、目標管理の仕組 みを徹底する。これらを有機的に連携させることによりまして、相乗効果を発揮して業 務改革を推進する。そして当機構にふさわしいマネジメントを確立して、各事業部門に おいて業務の効率化、質の向上を図り、中期目標・中期計画の達成を確立することがで きるというような考え方で取り組んだところでございます。以上、総括をいたしまし て、平成15事業年度の年度計画を上回るような実績・成果を上げたと報告ができるかと 思います。  また今後でありますけれども、我が国の皆保険、皆介護、皆年金体制の基盤を整備す る。それを支える当機構の事業の重要性、役割というものは、今後も変わらないものと 考えております。私どもはそれに応えていくために、中期目標・中期計画を持っており ますが、御承知のとおり大変厳しく意欲的な目標をいただいております。こういう厳し い目標設定に加えまして、今後の国の政策・経済状況の変化を思いますと、これは予断 を許さないことではあると思いますけれども、この4年後の評価委員会で適正な評価を いただいて、機構が今後も長期的に発展をしていくための必要な陣立てというのは、今 回の私どもの取組みの中に込めることができたのではないかというふうに考えておりま す。どうぞよろしくお願いを申し上げます。 ○部会長  ありがとうございました。それでは個別評価を始めたいと思いますが、先ほど事務局 から説明がありましたとおり、個別項目の第1グループである個別評価シートの項目、 1〜7までの業務の実績を御説明いただきたいと思います。これはよろしゅうございま すか。 ○福祉医療機構理事長  1〜7の項目につきましては、今ほど御説明をさせていただきましたように、法人全 体の業務の運営の改善を目的とした体制づくりでございます。私どもがこの年度最大の 課題として取り組んだ事項でございます。御説明をさせていただきますが、先ほど申し 上げました私どもの説明用資料によりまして、ポイントの説明をさせていただきたいと 思います。説明用資料の4ページ、評価シートも4ページにございます。先ほど申し上 げましたように、私どもは今年度の業務改革の目玉といたしまして、ISO9001の認証 取得を掲げております。事業の効率化・質の向上に取り組むためには、業務を継続的に 改善をして管理をしていく品質マネジメントシステムの構築が有効であると判断をし、 これによって顧客満足度の高いサービスを合理的かつ安定的に提供できるであろうとい うことで、ISOの取得を目標にしております。  来年度には取得の予定でございますけれども、そのために4ページに書いてございま すように、内部で業務革新プロジェクトを開始いたしまして、ムリ、ムラ、ムダの発 見、改善等の洗い出しに努めたところでございます。また職員の意識改革という面で も、その意識の共有化を図るというようなことをいたしまして、17年5月の取得を予定 しておりますが、それに向けての成果が上がっているでところございます。独法でこの ISOの取得というのはあまり例のないことだと思いますけれども、挑戦をいたしたい と思っております。  次に6ページでございますが、評価シートの5ページでございます。業務革新のもう 1つの目玉といたしまして、人事評価制度の試行的運用と構築というのを掲げてござい ます。平成16年4月の導入に向けて制度の問題点解決策を検討いたしまして、人事評価 制度運用のマニュアルをつくる、あるいは一般職員への研修の徹底を図るということ で、平成16年4月からの前倒し本格実施に目途をつけることができました。それと同時 に、この人事評価制度の試行を行うことによりまして、冒頭御説明をさせていただきま したけれども、個々の努力目標、組織の努力目標がリンクするようなかたちでそれを運 用する。あるいは評価者と被評価者のコミュニケーションの向上ということから、相互 に納得し信頼性を伴った管理目標の設定ができるなどと、大きな成果が上がったところ でございます。  それから8ページ、評価シートの7ページでございますが、これは先ほど御説明をさ せていただきましたように、トップマネジメント機能の発揮がされるような体制づくり ということでございますけれども、理事長が主宰する経営企画会議をつくりまして、そ れによって経営管理の一元化を図る。またトップマネジメントを補佐する企画調査部門 の強化を図るということを実施をいたしました。加えて経営管理を行うための、8ペー ジに書いておりますように各種業務の進捗管理、中期計画・年度計画の実施状況を客観 的に把握をして、対応の指示・判断を迅速に行うということができるような体制が整っ たところでございますし、御覧いただけますようにISO9001の取得、あるいは貸付事 業におけるALMを踏まえました経営管理上の意思決定を行う。あるいは新規事業に対 する方針の決定等々に、多大な成果が上がっております。  また9ページ、業務管理のための仕組みの検討でございます。これも先ほど御説明を させていただきましたように、各事業部長を業務管理の責任者といたしまして、業務管 理体制の構築をいたしました。その結果、この体制を活用いたしまして、様々な成果が 上がっております。9ページの真ん中に書いてございますような新たな業務管理体制を 活用した業務管理が実施できるようになったということで、業務の性格に応じた測定基 準、管理手法、報告周期等、業務管理報告のルール化を行いまして、きちっとその実施 状況を報告をして、今後の対応、状況判断等に資するというような意味で、大変大きな 成果を上げているところでございます。  それから10ページのリスク管理体制の強化、評価シートの12ページでございます。リ スク債権管理の徹底に努めておりますが、特にこの中でも(1)に書いてございますよう な、リスク管理債権の発生要因の標準化に着手をする。あるいは今度新たに不動産や人 的担保に限定をされない新しい保全方法でございますけれども、診療報酬債権等担保制 度を導入をする。あるいはALMによりまして信用リスクモデルの開発に着手する等々、 大きな成果を上げることができております。下段にございますように、中期目標期間中 のリスク債権の比率2%を上回らないようにという目標を持っておりますけれども、そ の点につきましても、16年の3月末に1.5%の比率に止めることができております。  11ページ、評価シートの14ページでございます。ALMシステムの活用体制を構築す るということでございます。ALMシステムは御承知のように、貸付条件、資金調達の 変更、あるいは金利変動などが、将来の財政や経営成績にどのように影響を及ぼすかシ ミュレーションをするわけでございますけれども、下段にございますような金融リスク モデルに加えまして、信用リスクモデルの開発、あるいは年次モデルでありましたの を、月次管理モデルの開発に着手し精緻化を図るというようなことで、政府金融機関の ALMシステムと同等の水準を整備することができています。  それから12ページ、りん議・決裁システムでございます。評価シートは同じく14ペー ジでございますが、15年度中に開発を完了して、16年4月から前倒しで稼働をするとい うことでございます。しかもその開発費を抑制するために、厚生労働省のシステムを利 用し、それに新たな機能を追加するというかたちで開発をいたしまして、ここに掲げて いるような成果を上げたところでございます。  それから13ページ、評価シートの15ページ、一般管理費の経費節減でございます。一 般管理費等につきましては、中期目標期間中の最終年度において、14年度に比べて13% 程度の節減をするという目標を掲げております。それを達成するための計画も持ってお りますが、それに沿いまして15年度の予算を作成いたしました。基準年度に対して2% 削減をする予算を作成いたしましたが、実際には効率的な執行に努めまして、その年度 計画予算に対しまして97.5%の執行に止めたところでございます。  福祉医療貸付事業費の削減につきましては、これは支払利息等でございますけれど も、これも同様に5%程度の削減という目標を持っておりますが、その削減目標を考慮 しました年度計画予算に対して、99.8%の執行に止めております。また、この問題につ きましてはいわゆる元本償還の一部免除をする経費につきましては、将来これを削減す る。事業費の削減をすることになるわけですけれども、そういう削減方策もとるという ことで、取り組んだところでございます。  (9)のホームページの活用等については、それぞれの事業毎の項目で結果を評価して いただくことになっております。以上でございます。 ○部会長  ありがとうございました。7つの項目とは申しますが、大変内容は膨大でございます ので、それを短い間に御説明いただくのは大変難しかったと思いますし、我々のほうも なかなかこれをすぐ理解することは容易ではないというふうに思いましたが、何か今の 御説明については、御質問なり御意見はございませんでしょうか。どうぞ。マイクをお 使いいただきますようにお願いいたします。 ○川原委員  ありがとうございました。大変なボリュームを簡潔に御説明いただきまして、ありが たく思っております。大変な御成果を上げられまして敬服しているわけでございます。 若干確認と質問をさせていただきたいと思います。シートの4ページに当たる箇所でし ょうか。ISO9001を認証取得して業務改善に繋げていくのだというくだりがございま すが、ISO9001の対象分野は、あらゆる業種分野についてというふうに理解をしてよ ろしいのでしょうか。一応御確認ということでお聞きしたいと思います。ということ は、ISO9001の場合は個別分野だけを対象にすることもできるわけですね。ですから どの分野がいわゆるISO9001の対象分野になって、業務改善が図られるのかというこ とを、ちょっと確認したかったものですから。 ○福祉医療機構理事長  私どもの今の心づもりですけれども、機構の事業すべてについて取得するということ で、準備を進めております。 ○川原委員  すべてという意味に理解してよろしいですね。一応それを確認させていただこうと思 いまして。と申し上げますのは、4ページにも業務革新プロジェクトは機構の行う全事 業を対象としという一文があるものですから、一応それの確認ということで質問をさせ ていただきました。次にシートの10ページでしょうか。リスク管理債権についてのリス ク管理体制の強化及び云々というところで、ちょっと質問をさせていただきたいと思う のです。ということはリスク管理の債権のリスク管理体制の強化というのは、実質的に 非常に機構にとっては中心的な課題ということで、重要視されるべきものであり、また こういうような取扱いをなさっている、あるいは改善に向けてご努力なさっているとい うことは、私自身も非常に高く評価をさせていただいているわけですが、これは今回取 り組んだプロセス並びに結果について、ここで御説明を受けたわけですが、ただ、私ど も評価をする場合に、以前どのようなことを行っていたのか。その以前の体制と今回の 改善に基づく体制・成果との比較をちょっとしてみたいと思いますので、以前はどのよ うな管理体制をとられていたのか、ちょっとお聞かせいただければありがたいと思うの です。 ○福祉医療機構理事長  率直に申し上げまして、このリスク管理債権の管理につきましては、独立行政法人に なる以前の会計では貸倒引当金の計上等、比較的、今の目で見ればルーズなことで済ん でいた訳ですけれども、会計基準の改正後は、必然的にリスク管理の徹底ということが 求められることになっています。そのリスク債権の分析等々につきましては、従来は必 ずしも統一的な手法が要請もされていませんし、またやっていなかったことも事実でご ざいます。これにつきまして、債権の区分毎にきちっと整理をして、それにふさわしい 貸倒引当金を計上するというようなことにもなってまいりまして、その管理を徹底をす るという意味でいろいろな分析をしておりますけれども、そういう中でALM体制の下 でもその信用リスクを分析をし、そしてそれをシミュレーションに反映をするというと ころまで、いわば初歩の段階かもしれませんけれども、そんなところまで行き着いてい るというところでございます。 ○川原委員  大変懇切な御回答をいただきまして、ありがとうございました。 ○部会長  他にいかがでしょうか。御質問はありませんか。御指摘事項はないでしょうか。どう ぞ。 ○宗林委員  質問です。人事評価制度であるとかリスク管理強化であるとか、りん議・決裁システ ムの開発については分かりやすいのですけれども、その他のものについて全体的な運営 管理を変えられたということについては、かなりドラスティックに変えたというような 印象を受ける御説明だったと思うのですが、どのぐらいの変化と言いますか、以前はこ ういうようなトップマネジメントみたいなかたちのやり方をされていなかったのであれ ば、どういうかたちだったのか、定性的な感じでお聞きするしかありませんので、もう 少し伺わせていただければと思います。 ○福祉医療機構理事長  率直に申し上げまして、冒頭に申し上げさせていただきましたように、私どもの事業 というのは非常に広範多岐にわたっております。そしてあからさまに申し上げますと、 どちらかといえば、従来も理事長のもとに幹部会等があり、その事業全体を見て判断を していくことはもちろんでございますけれども、比較的そういう事業が多岐に亘ってい ることから、よく言われる縦割りの体制で事業が進んでいたというようなことも、実際 問題として否定ができません。それからそういう縦割りのものでありますから、機構全 体としての統一的な目標といいますか、そういうものも比較的十分ではなかった。  そういう中で独立行政法人になりまして非常に違った点は、組織全体としての目標、 事業としての目標が中期目標・中期計画というようなかたちで、あからさまに明確にな るようになりまして、組織を上げてその達成にあたらなければならないというようなこ とになってまいりました。そうなりますと組織横断的に、あるいは組織全体としての目 標に向かって、組織全体としてあたるということがどうしても必要になってまいりま す。そういう意味で従来幹部会等で全体を見ていたことは間違いありませんけれども、 トップマネジメントを徹底をするという意味で、冒頭申し上げましたように、経営企画 会議というものをベースにしていわばそれを作戦本部として、そこへ事業の中期目標・ 中期計画で示された計画の進捗状況等を適宜報告をし、チェックをし、必要に応じて決 定判断を迅速にするということにいたしました。なおかつそこに全組織が集中をして、 一体となってそれにあたるというためには、そういう組織を先ほど申し上げました業務 改革の三本柱ということで職員の個々人、それから組織体の各部門も、共通の目標認識 の下に組織を上げての事業の執行を図っていくという意味で、こういう体制にしていく ことが必須のことではないかということで、整理をいたしたところでございます。 ○部会長  よろしいですか。他にどうぞ。橋本先生。 ○橋本委員  御説明ありがとうございました。大変な御努力を続けていらっしゃるとよく分かりま した。1つ伺いたいと思いますのは、ISO9001の認証取得のために努力をしていらっ しゃる。とても大変なことだと思います。いま社会福祉法人なんかでも、そういう努力 をしているところがございますけれども、何のためにやるのかというのが、これは案外 はっきりしていないところがございます。社会福祉法人の場合ですけれども、認証を得 たからといって、それがどうサービスに活かされるのだろうと気になるのです。  こちらの場合もそれだけの努力をしていらっしゃいまして、たぶん数字出てくるもの はいろいろな財務諸表で、私はよく読めませんけれども、読めればかなり分かってくる だろうと思いますけれども、数字でない部分ですね。特に顧客満足度なんていうのは、 こちらのような福祉医療機構の顧客満足度を高めていくというのは、どんなふうに評 価、ISO9001の認証を受けられることは顧客満足度とたぶん関連があるはずで、安全 で安定的な効率のよい運営ということで、顧客満足度を高めていくための努力に、それ を活かしていこうとなさっていらっしゃると思うのですけれども、どういう意味なのか ちょっと読み取れないので、お教えいただきたいと思います。 ○福祉医療機構理事長  ISOは私の理解では、業務を遂行するにあたり、それが人が変わり状況が変わって も、必要な業務がきちっと行われ、それが継続して行われる。次々に改善の必要が加わ れば、それを改善していく。どちらかと言えばこれも私どもの具体的な業務の中で、マ ニュアルも含めましてそういうものがきちっと決まらずに、また個人個人がバラバラだ ったというようなこともございますので、それをISOによるマニュアルなり、それを 逐一改善をしていくような手続きをとることによりまして、その業務自体の質が常に改 善をされていく。その中に具体的にどういうことになるかですけれども、私どもで言え ば利用者・お客様の満足度というのは、これはスピードが速かったり中身が良かった り、満足度の範囲はいろいろだと思うのですね。しかしそれはやっぱりそのマニュアル なりISOのルールの中に含まれているというふうに私どもは理解をいたしております し、それが実際にやっていく中で、どんどん情況の変化とともに変わっていく。ISO というのはそういうものだというふうに理解をして、それがひいては顧客サービスの向 上につながる、またつなげていかなければいけないのではないかというふうに考えてお ります。 ○橋本委員  本当によく分かる説明でございまして、本当にサービスを共有化していくということ で、いま御説明いただきましたのはサービスの安定的な運営ができていく。ただ、ちょ っと私が拘りましたのは、御説明いただきました参考資料2−1の4ページでございま すけれども、この中に上の箱の中ですけれども、矢印がございまして、顧客満足度の高 いサービスを効率的かつ安定的に提供と書いてあるものですから、何か顧客満足度が高 いという具体的な表現があると、評価しやすいなと思ったものですから伺いました。 ○福祉医療機構理事長  これは私どもは具体的に利用者の国民の方々が相手ですから、効率化とか安定化のそ れだけではやはり国民に対するサービスとして十分でないので、マニュアルをつくるに しても改正の方向にしても、早急にお客さんの満足度を高めるというのがベースとして なければならない。そういう基準という願いを込めています。 ○部会長  ありがとうございました。いかがでしようか。どうぞ、石井先生。 ○石井委員  大変膨大な資料を読み込んだので、ピントの合っていない質問になるかも知れませ ん。2、3教えていただきたいと思います。まず全般的なこととして、自己評定をなぜ Aにしたか、たしかにというようなことをお聞きしてもいいのかどうかという質問で す。たまたま1〜7を見ると、A・S・S・S・S・A・Aになっていますので、とて も高く自己評価をされているのですが、「全体的に見てそれほど高い評価にやはりなっ たことに関して、一言いただけますか?」というような聞き方をしていいのかと、ちょ っと事前に教えていただきたいのが1つでありまして、あとは少し具体的な質問なので すが、最初の1番目の評価に関してですが、平成17年5月にISO9001を取得予定であ るというお話でありました。ということは来年1年間というか、もうすでに始まってい る16年4月から17年3月までの1年間は、取得されない状態で経過をしているというこ とでよろしいのかどうかということで、取得のタイミングが17年5月で来年の5月にな る訳なのですが、準備期間が2期あります。6ヶ月の1期と1年の1期と。今の状態で いくと、それがA・Aという格好で行くのかなと。  基本的なところで私自身が、こんなとてつもなく難しい評定をしなきゃいけないとい う立場にあって、分からなくなったのはそこでありまして、中期計画に概ね合致してい るというのがBになっていますので、平成17年5月にISO9001を取得したというの は、イコール・中期計画に概ね合致したということで、イコール・Bという話になるの かどうか。その辺の評価の考え方をできれば教えていただけないかなと。計画を概ね達 成したのがB、上回っているのがA、大幅に上回っているのがSというふうに判定基準 に書いてありまして、今のケースは達成に向けてまだ時間がかかるのだけれども、Aの 評価というのはなぜできたのかなというのが1つ。考え方の基本的なパターンをできれ ば教えていただけないかなというのがあります。  ちょっとそれに加えて、人事評価に関しては16年4月にこの新しい人事評価制度を導 入されるということなのですが、16年4月はもう経過をしておりますので、導入したと いう事実があるかというのを確認させていただきたいということと、この人事評価制度 自体は今のところはまだ給与体系とのリンクはないのだろうなと。給与体系とのリンク などということは、お考えになっているのかどうか。あるいはその目標化されているの かというのをお聞きしたいということと、それからリスク管理債権の比率は総体として 少し落ちたけれども、破綻先債権の比率は少し上がっているという状況がありまして、 目標が2%というのは一般的に言うとかなり高い比率だなと私は思うのですが、現実問 題として、11ページのこの評価シートの中には、いちばん最初のところにも書いてある のですが、まさに非常に厳しい情勢のなかで、これだけのことが実績として達成できた というのは、私自身はすばらしいのじゃないかと思っております。そう言う観点からい くと、いわゆる定量的な評価というのは、ここに出ているわけなのですが、そうすると これはAなのかなというのが少しあるのですけれども、総体的な問題に関して、どうも 評価をしていく上での心構えが個人的によく分からないというのが本音でございます。  あと、15ページのほうに経費削減がありますが、逆にそう考えた時に、元々2%の削 減を見込んでいて、それが2.5%の削減ができたということでありますので、目標値の 2に対して2.5、即ち率にすると25%を上乗せ達成をしてますから、これは中期計画を 大幅に上回っていると言ってもいいのかしらというふうに思ってしまったりもします と、自己評定Aに対して、私の評定はSになってしまうという話になるのですが、概ね の目安として、大幅というイメージがどんなイメージなのかをできれば教えていただき たい。質問は中身に関する質問よりも、評定をする上での心構え、少し具体的にしてい ただけると助かるなということでございます。 ○部会長  一般論として今の御意見に、事務局サイドからの御説明をもしいただければありがた いと思いますがどうでしょう。 ○福祉医療機構理事長  私からお答えできるのは、人事評価の部分については16年4月から本格実施をいたし ております。ただし、先生がおっしゃいますように、それをどういうふうに給与に反映 をするというようなことについては、目標を持っておりますけれども、まだ実現をして いないということでございます。それからリスク債権の2%というのは私のほうとして は非常に厳しい目標だと意識をしておりまして、ある意味では非常に心配な要素もござ います。ただ、この辺になりますと、先生御承知のように、その時々の個別の案件がど うなのかという辺りでも非常に影響が出てまいりますので、今回たまたま1.5ということ になっておりますけれども、率直に言ってこれはその時々の状況によって数字にブレが でてくるものと思います。ただ2%というのは非常に厳しい目標をいただいたというふ うに思っております。  それから勝手にSと付けてですが、例えばISOについて、私どもの気持としては例 えば4ページですけれども、ISOに向けての準備なり、ここまでは準備しようと思っ てやっていたところが、やっている中で波及効果も含めて、相当いい面が出てきたと。 冒頭に申し上げましたように、これが比較的事務処理体制の強化といいますか、充実を する中で、私どもとしては当初の目標よりは思いがけないというか、いい効果として将 来に結びついていくような効果が表われてきたと実感をしているものについては、そう いう意味で書かせていただいたということで、この自己評定のところでは、私は詳しく 説明をしなかったのですけれど、それぞれそういう気持で書かせていただいておりま す。 ○部会長  ありがとうございました。おそらくISOについて思いが深いと思いますが、私ども が日頃聞いておりますISOについての大きな効果の1つには、職員の意識改革がある ということをよく言われますが、おそらくそういうことを大分お感じになったというこ とでございますね。 ○福祉医療機構理事長  はい。 ○部会長  ありがとうございます。事務局として何か。 ○政策評価官  先ほども御紹介しました評価の基準の中で事業年度に係る業務の実績に関する評価と いう部分でございますので、この評価シートの中の中期計画に書いてございます個別項 目に対しまして、平成15年度の業務の実績の欄に書いてございますこの状況が、進捗状 況として中期計画を概ね合致しているものと判断できれば、Bということかと思いま す。数値目標が示されているものについて、現状のこの数値を、それではSと評価する ことが妥当なのか、Aかどうかというその点に関しましては、もうこれは委員の先生方 のそれぞれの御判断をお願いするというところでございます。 ○部会長  おそらく石井先生の御指摘になった点は、誰もがみな忸怩たる思いで受け止めたと思 うのですが、おそらくこれは今後私どもがこれを継続する中で、自ずと1つの基準が定 まっていくような気がいたします。そういうことは期待しておきたいのですが、どう ぞ、先生、御発言をお願いします。 ○川原委員  いま私が質問しようかなという項目につきまして、部会長が先に何か御回答をいただ いたようなことになりましたので、一応再確認ということで、ちょっと質問をさせてい ただきたいと思います。いま事務局のほうから御説明がありましたけれども、私どもは 本当にこういうようなエビデンスに基づいて、客観的に評価をし、評定をするという場 合に、やはり同じ価値観で同じ基準というものをきっちり持っていないと、人それぞれ の主観が入り込んで、結果的に出てきた数値は評価がバラバラになってしまうというこ とであると、非常に今後支障を来す危険があるのではないかなということで、あえて質 問させていただきます。  このSであるとかAであるとかBであるとかという評価なのですが、これは機構さん だけの問題ではなくして、全体というふうに理解をしていただきたいと思うのです。私 どもが評価する時に、ISOという言葉が出てきておりますが、ISOを認証取得でき たか。それから次に評価の視点なのですけれども、マネジメントシステムが適正に運用 されたかというように、要するに認証取得したかどうかという、あるいは認証取得後適 正に運用されたかどうかということに対して自己評価としての評定をしていくのか、あ るいはそのプロセスにおいていろいろなことを、実際に取り入れようとしている中で、 すばらしい成果というものは出てきていると思うのです。このような出てきた派生効果 をも、含めた中で評価をしていくのか。評価の仕方というものを、非常に狭い意味で限 定した評価の仕方をすればいいのか。あるいはもう少し幅の広い評価の仕方をすればい いのか。委員会としての統一的な意見というかたちでお聞きしたいと思います。後ほど 評価をするということになっておりますので、これは私どもちょっと混乱状態に入って しまうのではないかなと思いまして、それであえて質問させていただきました。 ○部会長  ありがとうございました。いかがでしょうか。私ども自身に問いかけられた問題でご ざいますが、例えばいま2つの立場があるとどちらを取るべきなのかということでござ いますが、この御提案に対して何か御発言いただければありがたいのですが、どうでし ょうか。 ○白石委員  いまの先生の御発言は、皆さんが統一的な見解を持ちたいとお考えだと思うのですけ れども、併せてちょっとそれくらいにもっていけるのかお伺いしたいのは、中期目標と いう一定のレベルを5年間の間に達成というかたちでのことを、私たちが評価するとい うことなのですが、その5年間の間に早く達成したほうがいいのか、それとも達成する スピードが速いほうが評価になるのかどうかというところをちょっと伺いたいのです が、いまの福祉医療機構のお話を聞いていますと、いろいろな波及効果もあったという ことなのですが、例えば人事評価制度でありますと、わりと半年でいわゆる一般的な考 課制度を導入されたということで、半年でそういうわりと人事から見ると大変なことだ と思うのですが、半年というスピードを評価の対象とするのか。それはどうしてお伺い するかというと、早く達成すると、そのあとの期間がまたあるわけですね。最初に斜め の線で順番に45度線で上がっていくのではなくて、それを上回るかたちで上がっていく 場合に、今年はSで評価させていただいていたとしても、次の年度は先に達成してしま ったあとは、どういうふうに私たちは考えるべきなのかというのが、非常に素朴な質問 で恐縮なのですけれども。 ○部会長  これは1つの方法論の上での疑問ということにもなりますね。どうぞ。 ○宗林委員  私は全体の中期目標の中に今年度の導入という言葉が入っていますけれども、ISO についても15年度の計画に対しての評価というふうに理解していました。ですから15年 度の目標として年度計画を立てておられますので、例えばISOであれば準備の過程ま でを、年度計画の到達目標としたということに対してのAという御判断なのかなという ふうに思っていたのですが、それが1点です。  それからもう1つは、先ほどちょっとそれに関連することで、はっきりお聞きできな かったのですが、機構全体のシステムというか、業務運営の改善とかそういったものに ついては、それ自体がSというのは、一体どういうことを指すのかなと素朴な疑問を持 ちました。むしろそれによってどの事業に具体的に反映されたのかというところで、高 い評価をしていくのかなというふうに思っておりましたので、運営のシステム自体を非 常にドラスティックに変えたということは、1つは先ほど質問させていただいたよう に、「今まではではどうだったのか」ということもありますし、当然、それなりのやり 方でおやりになってきたものだと思いますので、そうであればそこを変えたことで、変 えたこと自体に対して、そこでSという評価をどう受け止めればいいのかなということ で、先ほども質問させていただきました。  また例えば5年間とか4年間の期間の中で言えば、もし今年達成をした場合は、ま た、次の年度は目標をまた変えていくのかどうかということに繋がるのではないのかと 思っておりました。掲げた目標のそれぞれのステップで、非常にそれを超えた場合に は、目標値を変えていく、年度計画を変えていくかたちになるのかなというふうに受け 止めておりましたので、併せてお聞きしたいと思います。 ○部会長  この問題は大変難しい問題で、そう簡単に結論を出せるようには思いませんが、私な んかは予想いたしますと、明日予定をしておりますのぞみの園のほうは、さらに問題は 複雑ではないかなという気がいたします。なぜならば、のぞみの園は従来の機能を変え て、新しい機能を目標にしております。しかも一定の期間に実際に達成しなければなら ない事柄がはっきりしていながら、それに対するプロセスを説明を受けることによっ て、評価が変わりうる可能性がある。実際には今年度はそこまで行かなかった。けれど も、それだけの努力をして、そういう理由があるならば、評価してもいいのではないか というような部分が出てきやすい。そういったことも一方ではあると思うのですね。そ れだけにいまいろいろな立場で御指摘になった事柄について簡単に説明し、そして結論 を出すのは難しいとは思うのです。しかしこれは研究課題になりますので、この時点で もし事務局サイドで、いま御意見がありました事柄についてのコメントがあったら、頂 戴したいと思います。 ○政策評価官  いま部会長がおっしゃいましたようになかなか難しいと思いますが、先ほどお示しし ましたこの評価基準細則の中で、個別的な評価にわたっての留意事項というようなもの を書いておりますけれども、例えばその中では、業務実績について、数量だけで判断す るのではなくて、その質についても考慮するとか、あるいは業務実績に影響を及ぼした 要因、予期せぬ事情の変化についても考慮するとか、さらにはこの評点にあたっての業 務実績という結果だけでなく、その結果を導くに要した費用についても考慮する。ある いは中期計画に掲げられた具体的な取組み内容に対するものだけではなく、当該項目の 評価材料となる実績がある場合には、これらを考慮するものとするといったようなこと が決められているものと承知しておりますので、したがいましてやはり周辺の様々な要 因といいますか、そういったことも考慮に入れていただいた上で、評価をしていただく というのが、基本的な考え方なのではないかなと私は思います。 ○部会長  ありがとうございました。そういうことを前提にしながらも、やはり川原先生がおっ しゃったように、各委員がまったく違った価値観やスタンドポイントを持って評価をす れば、評価それはまた評価内容そのものに信憑性を失ってくるということもありますの で、私たち委員自身がある意味では議論をし、あるいはお互いの価値観を披瀝しあっ て、可能な限り共通に持ちうるものがあるならば、それを持ち合うという、こういう努 力が一方で必要になるように思います。そういう事柄を今後別のかたちでちょっと努力 もしなければいけないのではないかなと思いましたが、どうでしょうか。  とにかく私どもは8月の末までには、一定のやっぱり評価をしなければならない。こ れは至上命令です。しかしそれは必ずしも満足すべき完全なかたちで出すことはできな いのかもしれない。しかし誠意を持って出すことによって、次なる改善に向けていかな ければならないという、大変微妙な立場で評価をすることになるのではないかなと思い ますが、いかがでしょうか。  その他の委員の方々から何か御意見を頂戴できればいただき、そして今日は作業があ と4分の3残っておりますから、それもやりながら議論をさらに深めたいと思います が、どうでしょうか。でももう4分の1をとりあえず個別評価を、今から終えなくては ならないですね。それぞれの委員についてですね。どうでしょうか。どんなふうに進め たらいいとお考えでしょうか。わりあい私の見解では、自己評価については自己評価と して尊重はいたしますが、私どもはそれに影響を受けなくてもいいのではないかと思い ますが、いかがでしょうか。自己評価に必ずしも影響を受けなくてもいいという。この 立場はとってもよろしいのではないでしょうか。どうぞ。 ○橋本委員  それはやっぱり私たちのアンサーで、気持として引きずられるはなくもございません けれども。 ○部会長  十分理解はしなければいけませんが。 ○橋本委員  はい。理解はしたいと思いますし、やはり根拠のあることだと思います。でも私たち が基本的にはもっと客観的に評価させていただくというのが、あるべき姿ではないでし ょうか。 ○部会長  その点については御同意いただけますか。よろしゅうございますね。はい。ありがと うございました。それではどうしましょうかね。いろいろ本質的な問題をいくつか指摘 されましたが、私自身もそうですが、事務局サイドでも一度きょうの議論をちょっと整 理していただいて、もう一度別のかたちでこれについて見解を整理するというかたちを とりたいと思いますが、よろしいでしょうか。そういうことをお願いしておきます。そ れでは第1回目は非常に不十分なことかもしれませんし、あとで反省すべき事柄がある かもしれませんが、とりあえず19項目の内の7つについて、それぞれの委員が自らの責 任と判断で、評価を今から下していただきたいと思います。できましたら10分ないしは 15分以内でお願いしたいのですが、よろしゅうございますか。  これに記入すればいいわけですね。確かそう言っていましたね。確かこれに記入すれ ばよろしかったですね。このシートに。そしてこれを残すというかたちに。 <第1グループ:評価時間> ○部会長  それぞれの評価に10分とか15分というのはきつすぎたのかもしれませんけれど、きょ うのところは御勘弁いただきたいと思います。きょうはどの程度の実態になるかという ことが分からないままに、時間設定をさせていただいておりまして、今のところ大分予 定は、予定の配分からいきますと30分程度遅れているという感じはいたします。そろそ ろ終了していただければありがたいと思います。  大体よろしいでしょうか。あとでまたちょっと修正する時間は差し上げたいと思いま すが、次に進んでいきたいと思います。それでは第2グループで位置づけられておりま す個別評価シートの項目8〜11までの業務の実績を、御説明いただきたいと思います。 よろしくどうぞお願いいたします。 ○福祉医療機構理事長  項目の8〜11は、内容的には福祉医療貸付事業と福祉医療経営指導事業に係るもので ございます。説明用資料では15ページ、評価シートでは21ページを御覧いただきたいと 思います。福祉医療貸付事業ですけれども、これは国の施策に即しまして、民間の福祉 施設、医療施設等の整備に対しまして、長期の固定低利の資金の提供をするというもの でございます。現在ですと1.9%が基準でございます。福祉政策につきましては御承知 の3プランに即した施設整備。医療政策につきましても、国の医療政策の方向に沿った 整備の支援をするものでございます。実績としまして15ページでございますけれども、 福祉貸付については件数を15年度通年で行っております。  16ページに3プラン関係で、これがどんなことだったかということでございますが、 例えば特別養護老人ホームにつきましては、18,000人分を整備をし、その内、最近推進 をしております個室の特別養護老人ホームについては、15,000人分の整備をしたという ことでございます。こういったものがどれくらい政策目標に沿った融資ができているか ということを、なかなか数字で御説明をすることは難しいのですけれども、例えばここ に書いてございますように、試みに計算をいたしてみますと、例えば新ゴールドプラン (平成7〜11年度)の整備の実績数と、新しいゴールドプラン21(平成12〜16年度)の 整備目標でございますが、この差が特別養護老人ホームについて言えば63,000人ござい ます。これを5年間で整備をしていくということでありますと、大体その20%ぐらいず つということになるわけですが、15年度において特別養護老人ホームで私どもが融資を した人数がどうかと言いますと、18,000人分ということでございますので、29%程度、 あるいは介護老健施設ですと19%程度となっていることから、ゴールドプランの整備目 標に沿った支援ができていると言っていいかと思います。  同様に新エンゼルプランあるいは新障害者プランについても、そういう方向でこんな 融資がされております。新障害者プランの通所授産施設について、同様の計算をしてみ ますと、23%程度の御支援ができたということでございます。  17ページにまた別の観点から、国の政策との連携という意味で、国庫補助事業に対し てどれくらいの融資になっているかという点で見ますと、国庫補助されたものについて は、ほとんど私どもの融資がかかわったかたちで支援をすることになっているというこ とでございます。  医療につきましては17ページの実績でございますが、18ページでこれがどういう政策 目標に沿った融資になっているかということを記載しております。不足地域については 金利を優遇しこのような融資を行っております。これからの改革の方向として、医療に ついてはビジョンが出ておりますけれども、その方向に沿った病院機能分化というよう な観点から見ますと、ごらんのような件数の融資ができているということでございま す。  18ページの下段でございますが、15年度の特別の事業といたしまして、この時期に医 療保険制度の改正、あるいは診療報酬のマイナス改定、また金融機関の貸し渋りという ようなこともございました。厚生労働省からの要請によりまして、金融環境の変化に伴 う運転資金「緊急融資」という制度を15年4月から実施をいたしました。そういう事態 に鑑みまして審査の迅速化を図る、あるいは先ほども申し上げましたけれども、診療報 酬債権を担保に保証するというような新たな手法も講じまして、総額90億の融資をする ことができたということがございます。  19ページ、評価シートでは22ページですけれども、これらの融資につきまして、新規 の契約分につきましては、できるだけ利差益を確保するという目標を持っております。 15年度については何とか利差益を確保できましたが、将来に向けては、私どもの資金 調達は財政融資資金によっておりますけれども、貸出金利につきましては財政資金に連 動をしたものの他に、長期プライムレートに連動する二本立てになっておりますけれど も、これを将来に向けて金利体系を統一するという、利差益を確保しやすい仕組みに改 めるという方向での検討も進めたところでございます。  それから民間との協調融資等についても調査検討をするようにということでございま すが、これも具体的に協調融資制度の導入に向けた検討が具体化をいたしております。  20ページ、評価シートでは25ページでございますけれども、この事業の関連の業務の 質の向上に関する目標といたしまして、審査業務の迅速化を図るということで、平均審 査期間の目標を福祉貸付については4ヶ月、医療貸付については3ヶ月としております けれども、進行管理を徹底するということで、それぞれ目標を上回る成果を上げており ます。それから契約が終わりましてから資金交付までの業務も迅速化を図るということ でございますが、いずれも20営業日以内という目標の中に収めることができていま す。それから貸付申込書等の簡素化によって、利用者負担を軽減をする、また融資相談 等を実施することによって、利用者サービスの向上を図るという目標につきましては、 いずれも大きな成果を上げてございます。このためにこれについては目標を大きく上回 った成果が出ているということで、Sということにさせていただいております。  それから22ページ、評価シートでは27ページでございます。福祉医療経営指導事業で ございますが、御覧いただきますように、セミナー形式の集団的な指導、個別経営診断 ・指導、あるいは開業医承継を支援する事業というものを行っております。  まず業務運営の効率化に関する目標ということで、セミナーは開催経費を受講料で賄 うようにするという目標、それから個別経営診断の処理日数を短縮化するという目標、 個別経営診断の料金収入で賄う実費相当経費の範囲を決めるという目標、これらについ ては、目標を上回る成果が出ております。  23ページは、この関係の業務の質の向上に関する目標でございます。経営指導を担当 する職員の専門能力の向上、またそのための組織改正ということで、書いてございます ような実績を上げております。またセミナーの開催につきましては、例えば開催の広告 を2ヶ月前までに行うという目標、それから受講者の延べ人数についての目標、受講者 アンケートによる満足度の目標、これらすべての目標につきまして、実績がそれ以上に クリアをしたということでございます。また個別経営診断の診断件数は、目標の14件を 上回る。あるいは経営診断・指導方法の改善のため、新たな経営指標を作成する。開業 医の承継支援事業につきましても、メール配信等を行うことによりまして、紹介件数に ついて目標を上回る件数を処理できた。すべてこの関係については、目標を上回る成果 が上がったということで、Sの評価を付けさせていただいております。以上でございま す。 ○部会長  ありがとうございました。以上、4項目についての御説明・御報告をいただきまし た。御質問はありませんでしょうか。どうぞ。 ○川原委員  個別評価シートの25ページで、ちょっと記載事項について質問をさせていただきたい と思います。最上段の理由及び特記事項ということで、相談体制の強化及び審査業務迅 速化ということなのですが、まず最初の○のほうなのですが、最初の○はこれ1つしか ありませんけれども、借入申込み受理から内定通知までの平均所要期間についてはとい うことで、医療貸付の目標値3ヶ月以内を、それから福祉貸付の目標値4ヶ月以内をと もに大幅に上回る実績を上げたという。大幅という表現を使われているのですが、これ は取組む前は平均所要日数の期間はどのぐらいだったのでしようか。ちなみにちょっと 教えていただきとうございます。 ○部会長  具体的にお分かりになりますか。 ○福祉医療機構理事長  説明用資料20ページの上の参考のところに書いてありますが、14年度ではこれがそれ ぞれ福祉貸付については131日、医療貸付については113日でございます。だから福祉貸 付については131日が99日に短縮をされ、医療貸付については113日が75日に短縮をされ たということです。 ○川原委員  まさに大幅という表現どおりでございますね。。 ○部会長  よろしいですね。ありがとうございました。他にいかがでしょうか。どうぞ、石井先 生。 ○石井委員  すみません。よく理解ができなかったので。説明用資料の19ページの新規契約分の利 益差の確保のところの説明が、すみません、まったく私は理解できませんでしたので、 それで参考資料を見ると、この厚い個別評価シート添付資料の貸付の6という31ページ を見ると、新規契約分の利差額についてというメモシートがございます。基本的にはち ょっと私が勝手に理解したのでよろしいのか確認をしたいのですが、説明されている言 葉を読むと、政策の変更や緊急措置等のやむを得ない事情による影響を考慮した新しい 契約分に対する貸付金金利と調達金利との金利差を0.029%確保したと。つまり赤字じゃ なくて黒字だという話なのかなと。そうすると貸付の6という31ページの資料を拝見す ると、新規契約額がA1,574億あると。新規の貸付平均利率がB1.524%で、調達のほう が1.495%で、差額が0.029%であると、こういうことで、E欄に対する測定基準の説明 が、新規契約額Aに新規貸付平均利率と新規調達平均利率との金利差、即ちDを乗じて 算出した数字というようなことが書いてあるのですが、すみません、単純に電卓を叩く と17という数字が出ないのですが。1,574億円×年間金利差0.029%というのを単純に掛 けるといいのかと思ったのですが、そうじゃないようなので、1,700万円の計算式を教 えていただきたいのです。それともう1点。 ○福祉医療機構理事長  これは時間をいただいて、後ほど。 ○石井委員  それともう1点。川原先生が質問された件との関連なのですが、審査業務の迅速化が 非常に図られたという事実は極めて顕著に分かるわけですが、当然のこととして、審査 に必要な期間というのがある程度あって、過去の議論ではなくて、今回の99、75という 数値目標を達成するために、具体的に導入したというか、担保した作業イメージという のでしょうか。何かたぶん作業イメージを大幅に改善したので、とても大きく審査期間 が改善できたという、そのISOなんかの影響が具体的にあったのかなと。個別具体的 にはこういう効果がすごく出てきているのではないかと思われるのですが、そのへんを 少しだけ具体的に説明をしていただけると、助かるということなのですけれども。 ○部会長  いかがでしょうか。 ○福祉医療機構理事長  率直に申し上げまして、今回独立行政法人になって、こういう事務処理についても具 体的な目標として目標値が定められたということで、その目標に向かっての進行管理等 の体制を冒頭申し上げましたような体制の中で取り組むことによって、目標を達成でき たということでございます。今までは率直に言えば、何日以内に処理しなければならな いというようなことで、進行管理がなされることが少なかった。そういう意識自体がで すね。そういうこともございましたけれども、全体の作業を急ぐと同時に、そういう進 行管理をきちっとする体制をとったことによりまして、大幅な改善が図られたという要 素は非常に大きいかと思います。 ○部会長  ありがとうございました。よろしゅうございますね。そういう事情だということで。 どうぞ。 ○福祉医療機構経理部長  利差額1,700万円のお話ですが、これは単純に金利差にその契約額1,574億円を掛ける のではなくて、1,574億円は計算がありますので、毎月足していますから、ですから ちょっと細かい計算をしていないのですが、この1,574億円を年度当初全部貸してあれ ば、当然こういう金額になるのですが、平残になっていますので、その額は計算すれば 落ちるという意味でございます。どうでしょうか。 ○石井委員  分かりました。 ○部会長  よろしいですか。他にいかがでしよう。どうぞ山崎先生。 ○山崎委員  私、遅れてきてよく分からないので教えていただこうかと思ったのですが、23ページ のところですが、いろいろなところで目標値があって、その目標値を大幅に上回るとい うふうな表現がいくつかあるのですけれども、その1つで例えばの例ですけれども、開 業医の承継支援事業の充実ということで、紹介件数の目標が15件であったが、大幅に超 える36件になったとかわりとそういう表現があるのですが、目標値の例えば15件という その目標値を決める時の根拠というのは、どういう根拠でこのように決めていらっしゃ るのか。分かると、「あ、大幅に増えたんだな」ということが分かるのですけれども、 もしよろしければ教えていただきたいと思いました。  それからもう1つ。19ページに民間資金の一層の活用を促す仕組みについての調査と いうのがありますが、これはおそらくこれからの独立行政法人の中で、非常に重要な要 素を持つのではないかと思ったのですが、これらにつきまして民間金融機関4機関にヒ アリング調査を実施して、それからそのあと協調融資制度の導入に向けた具体的な検討 に着手したとありますが、これももう少し教えていただけると、今後の方向などが見え てきて、とても大事な側面ではないかなと思ったのですけれども、すみません。 ○部会長  初めの問題は23ページの問題でしたね。お分かりでしょうか。目標の設定値がどうい うことで定まったかという。 ○福祉医療機構理事長  過去の実績値が15件ということで、一応それを目標にして、実績を上回るものを目標 にさせていただいた事業もありますけれども、これは実績を目標にしたということでご ざいます。 ○福祉医療機構事務局  実績プラスで前よりは3%アップです。 ○福祉医療機構理事長  3%アップだそうです。 ○部会長  分かりました。それが15件。 ○福祉医療機構事務局  これは半期ですので、通年でいけば30件となります。 ○部会長  そういう背景で。 ○橋本委員  今頃お尋ねするのはおかしいのですけれども、こういう事業が件数が多いということ は、15件を大幅に超えている。紹介件数が増えたというのはどういう意味なのですか。 貸した分は貸し倒れされないように支援するとかそういう意味ですか。 ○部会長  行政目標に対するこれは貢献度を問題にしているのではないかと思いますが、どうで しょう。いまおっしゃった件数が増えることが本当にいいのかという。 ○福祉医療機構理事長  開業医の承継支援事業というのは、後継者がいない開業医の先生に、その後継者を紹 介し、うまくマッチングをすれば引き継いでいただくということで、開業医の先生方が 後継者がいないために、診療所を閉鎖しなければならないというようなケースがござい ます。それは全体の整備という面から、後継者がうまく繋がれば結構なことだというこ とで、それを御支援をするということで、その候補者が今までは15件ぐらいだったの が、もっと具体的に御紹介をして、御相談できる件数が倍に増えたということです。そ の中から実際に契約ができるかどうかというのはまた別なのですけれども、御紹介をし て、マッチングをするようなケースが増えたということでございます。 ○橋本委員  クリニックの設備を無駄にしないためにということですね。 ○福祉医療機構理事長  そうです。 ○部会長  地域事業に応えるという、そういうことですね。それでは山崎先生のもう1つの御質 問のほうはどうでしょうか。19ページでしたね。 ○福祉医療機構理事長  先生が御指摘のように、これからの我々の融資事業の中で、民間と協調できるところ は協調する。民間に任せるところは民間に任せるという方向を出していますから、この 協調融資をするというのは、1つの大きな方向でございます。初めて具体的な方向とし まして、今までなかなか福祉の施設については、民間からお金を借りることが難しいと いうこともございまして、件数は少なかったのですが、これからの方向として民間の社 会福祉施設についても、そういう資金を民間金融機関から調達する途が制度的に便宜が 図られるようなことにもなって、民間にも貸していただいて、私どもと同時に融資をす るというようなケースが増えてきております。  私どもが融資をしますと民間の銀行についても融資がしやすいということだろうと思 いますし、民間の融資の支援を得て私どもも支援ができるというのは、大変良いケース でございますので、具体的にこれを実現をしようということで、民間金融機関の4機 関、政府金融機関3機関を調査いたしまして、具体的には民間の金融機関1社ですけれ ども、16年度になりまして協調融資をするということで合意をしております。その場合 には、お互いに私どもも民間金融機関も、情報交換、担保のあり方等も含めてよく相談 をしながら、御利用される方に都合のいい方向で融資ができるというそういう仕組み を、1つ具体的な銀行との間に実現をいたしました。 ○部会長  ありがとうございました。山崎先生、いま御説明をいただきましたがよろしいでしょ うか。他にどうでしょうか。宗林先生、どうぞ。 ○宗林委員  個別評価シートの説明用資料のところでは18ページの医療の普及向上のための融資実 現というところがございます。これの全体像が読み切れないので、読み切れているかど うか分かりませんが、個別評価シートの添付資料の12ページを見せていただいて、医療 不足の解消というところへの金利優遇ということが全面に出ているのですが、甲種の増 改築資金よりも、乙種のところの増改築資金に対しての融資額のほうが、件数も施設数 も多いのですが、これと評価シートのほうで書かれているその不足地域に関してという ことが全面に出ていることの関係をお聞きしたいと思います。  また、これは単純に御質問なのですが、この一般病院に対して精神病院の施設数が3 分の1ぐらいであるにも係わらず、承認金額を見ますと、一般病院よりは精神病院に対 しての承認されている額が割合的には多くそれも不足地域というよりは、充足地域に対 しての乙種に対しての資金の割合が大変多いような気がするのですが、これについても 最終的に出てきた評価シートの御説明の辺りを、少し具体的に教えていただけないでし ょうか。 ○福祉医療機構理事長  御指摘いただいたように、乙種の増改築資金が全体として多いということは、これは 事実でございます。私どもの融資の立場といたしまして、過剰地域についてはできれば 病床削減した上で、例えば改築をするなり、新規は認めませんから改築をするというよ うなことを期待はしているのですけれども、実際問題として過剰地域に過剰なまま、そ の病院整備をするということが具体的なケースとして、非常に多いわけです。それ自体 過剰地域ではございますけれども、病院の施設が近代化されるものになるという点につ いては、私どもの融資の1つの方向でもございますので、過剰地域については貸さない ということをいたしておりません。  ただ、融資利率につきましては、比較的高い利率の利息をいただくという仕組みにな ってございます。したがいまして実績ではこういうかたちになっていることは事実でご ざいます。ただ、私どもの融資の本来のといいますか、最も優先すべき政策課題という ことですと、不足地域の医療事情の充足ということでございますので、それについては 低金利の優遇金利の融資をしていくと。その実績だけを書かせていただいたわけでござ います。  それから精神病院の額が多いということについては、これはちょっと分析してみない と分かりませんけれども、特に最近の傾向としては、精神病院が比較的古くなっている 病院が非常に多くなっております。それの改築期を迎えているというようなこともあ り、多くの実績がでているという感じもいたしますけれども、それももう少し調べさせ ていただきたいと思います。 ○宗林委員  本論ではないかもしれませんが、甲種と乙種の場合での利率というのは、大分違うも のなのでしょうか。 ○福祉医療機構理事長  甲種は1.9%が基準ですけれども、乙種は現時点では2.3%です。 ○事務局  基本的には、0.5%違えるように16年度から金利体系を変更いたしましたので、いま 経過措置期間中で2.3%なのですけれども、基本的には0.5差が付くようになっておりま す。 ○宗林委員  この精神病院については、特段精神病院だから長期療養という何らかの特別待遇があ るわけではないわけですよね。利率に関しては同じで、甲種と乙種の差がそのまま生き ているということですか。分かりました。 ○部会長  よろしいですね。いかがでしょうか。もしよければ評価に入っていただくということ になりますが、今から10分ないし15分以内でよろしくお願いいたします。今回は4項目 でございますから、そう時間はかからないかもしれません。 <第2グループ:評価時間> ○部会長  今度は第3のグループにあります個別評価シートの項目の12〜15までの業務の実績を 御説明いただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 ○福祉医療機構理事長  12〜15までの項目は、事業といたしましては長寿・子育て・障害者基金事業、それか ら退職手当共済事業、心身障害者扶養保険事業の3つの事業についてでございます。  まず長寿・子育て・障害者基金事業の関係でございますが、説明用資料の25ページを ごらんいただきたいと思います。これは基金の運用益で民間の福祉活動を助成をする事 業でございます。政府から合計で2,800億円の出資を受けまして、その運用益によりN POをはじめとする民間の福祉団体の地域活動を支援するものであります。  この基金事業に関する年度計画、課題でございますけれども、大部にわたっており、 評価シートの31〜34ページまでに掲げてございますが、それを整理いたしますと、1つ はこの事業の助成をできるだけ国の施策動向を含めまして、重点的分野を設けて支援を するということと、それから多様なニーズに幅広く対応するという意味で、独創的・先 駆的事業、あるいは地域でのきめの細かな事業を重視した助成をするように全助成のう ち70%はそういうものにあてるようにということを目標にいたしております。  また、基金がそれぞれ高齢者・子ども・障害者等々に分かれておりますけれども、必 ずしもそういう基金の枠にとらわれない新たな活動、枠をまたがるような活動について も、積極的に助成をするようにという課題。それから助成した結果の事後評価をきちっ と実施をして、その評価結果を踏まえた選定なり募集をするようにという課題でござい ます。具体的に説明用資料26ページでございますけれども、業務運営の効率化に対する 目標ということで、いま申し上げた大きな目標に、やや細かな点ではございますけれど も、1つは非常に低金利で厳しい運用環境にございますので、その助成計画を立てるう えでは資金配分の中期的な目標も十分考慮して、しっかりした計画を立てるようにとい うことでございますが、そのような努力をしたということでございます。  それから基金の運用は、いま申し上げましたように大変厳しい環境でございましたけ れども、できるだけの努力をするようにということで、この期間、国債の水準を0.3% 上回る実績をあげることができたということでございます。それから「ウ」につきまし ては、助成の交付に要する期間をできるだけ短くするということでございますけれど も、15年度では年度当初、事業団時代に大体処理が終わっておりましたので、具体的な 実績はございませんが、要因分析等を行ったということでございます。  それから27ページに、先ほど申し上げました大きな目標についての達成の状況でござ いますけれども、1つは利用しやすい助成制度ということで、助成の募集にあたって は、例えば2ヶ月前にホームページで公告をするとか、できるだけ広報をするというよ うなことがございますけれども、そういう目標にも応えた対応をしたということでござ います。それから電子申請の関係ではホームページからダウンロードをして、申請書を 入手できることとしたということでございます。  また、助成事業につきましては先ほど申し上げましたように、国の施策動向を踏まえ た重点分野の助成ということで、ここに書いてございますような重点分野が定められて おりますけれども、その重点分野への助成ということで、全助成の1割を超える88事業 について選定しております。それから多様なニーズに幅広く対応をするということで、 先ほど申し上げました独創的なもの、地域のきめ細かな事業に対する助成が7割を超え るようにということでございますが、これを上回る8割を超える件数を確保できたとい うこと、また新しい事業についても、基金の枠を超えた事業ということで、12事業が採 択をされております。  28ページの事業評価でございます。これも非常に大きな課題でございまして、特殊法 人改革の過程でも、事後評価を適切にして、それを反映した資源配分を行うということ が大きな課題になっておりましたけれども、事後評価をして、それを審査あるいは事業 の選定に活用をする。またその成果をあげた事業については、広くそれを周知をすると いうような目標を持っておりましたけれども、これは28ページに御覧頂けますように、 事後評価を800を越える件数にわたって本格的に実施することにしました。基本的には 助成団体においてまず自己評価をしていただく。ヒアリングにも出向いていく。さらに 書面による重層的な評価をいたしまして、その結果をできるだけ早く反映をするという ことで、14年度の事業について評価をした結果を16年度の助成事業の選定をするところ に反映をし、その最終的な評価結果をもって17年度の募集要領等に反映をする。またそ こで評価をされた事業については、広く広報等で御紹介をするというようなことをいた しました。29ページに書いてあるように、この事後評価につきましては、こういう事業 をやっております他のところでも、ここまで成果をあげているということはないのでは ないかと思いますけれども、目標に沿いまして、またそれ以上の実績をあげることがで きたということでSの評価をさせていただきました。  退職手当共済事業につきましては30ページ、評価シートでは43ページでございます。 この制度は社会福祉施設等を経営する社会福祉法人等の相互扶助の精神に基づきまし て、社会福祉施設等の職員の皆さんの退職手当金を支給する事業でございます。財源は 施設経営者と国、都道府県の三者負担ということになっています。社会福祉事業等に従 事する職員の方々の確保と定着のために、貢献をしている事業でございます。これにつ きましても退職手当金の請求から給付までの期間を75日以内に短縮をするという目標を 定めておりますが、実際は93.7日ということで、目標には至っておりません。  ただ、この事業は先ほど申し上げましたように、国、都道府県の支給財源によって実 施しているということで、15年度につきましては国の予算が足りなくなりまして、補正 予算で手当をしたということもございまして、そのために平均して50日ぐらい日数がか かったということで、やむを得ない事情によるものかと思います。ただ、支給できなか った請求者に対しては、文書等によって事情説明をするというようなこともいたしまし たし、また、資金があればもっと短い期間で請求ができるようにということで、事務的 なそういう努力もいたしましたけれども、結果的には目標を達成していないということ でございます。その他退職手当金の請求のための届出用紙をホームページから取得をす るとか、あるいは相談・事務処理機能を強化をするというようなことについても、努力 をいたしております。  31ページの心身障害者扶養保険事業、評価シートでは45ページでございます。これは 心身障害者の保護者の方が亡くなられた場合のあとの、心身障害者の生活の不安を解消 することを目的にして、地方公共団体が実施をしております心身障害者扶養共済制度に よって地方公共団体が、加入者である障害者の保護者に対して負っております共済責任 を保険するという事業でございます。御覧いただけますように、大変複雑な制度で、国 ・地方・当機構がそれぞれに責任を負っているという事業でございます。  これにつきましては、この扶養保険事業の実態を、この制度をお預かりをしている機 構としては、十分に財務状況について関係者に報告をするという目標に対して、そうい うことを毎年やっております。また、この扶養保険の資金の運用は、例によりましてな かなか厳しい部分がございますけれども、安全かつできるだけ有利にということで、一 応15年度には半年間で3.67%の運用ができたということでございます。  それから業務の質の向上に関する目標ということで、事務処理の手引き、あるいは加 入者名簿の電算処理等の事務処理時間の短縮、また、担当者会議を開いて、情報交換を するというような目標につきましては、そのとおりの実施をいたしております。以上で ございます。 ○部会長  ありがとうございました。第3のグループの4つの項目について、御説明を頂戴しま した。特に伝えられるところによると、第4の課題になっておりました心身障害者扶養 保険事業というのは、この事業そのものの見直しなども前提にになって、確か将来的に 位置づけられたものですね。これは違いますか。そうですね。 ○福祉医療機構理事長  はい。中期目標の中でも44ページの第3の5のいちばん左側の中期目標ですけれど も、「中期目標期間のできるだけ早い時期に事業が見直されるものとする」ということ で、厚生労働省を中心にそういう方向で進んでいるということが前提でございました。 ○部会長  ありがとうございました。4つの項目についての御質問はございませんでしょうか。 どうぞ。 ○白石委員  確認を2点ほどさせていただきたいと思うのですが、この評価シートの35ページのと ころで、長寿・子育て・障害者基金事業の「イ」のところで、事務処理の効率化を図り ということで、中期目標としては「30日以内で処理をするように努めるものとする」と なっているかと思うのですが、それで15年度の業務の実績としましては、同じ35ページ の右のほうに書かれておりますような処理の日数なのですけれど、一般分が48.7日、特 別分が50.2日、地方分が44.4日であったということでよろしいでしょうか。 ○福祉医療機構理事長  はい。15年度はもうすでに事業団時代に終わっており、そのような実績であったとい うことですけれども、ただここにも書いてございますように、この48日とか何日という 中には、申請書類が不備であったために、その影響で大変時間が延びたというようなも のも全部含めた数字ということでございますので、少し長く出ていることは事実でござ います。 ○白石委員  はい、分かりました。ありがとうございます。あともう1点。38ページのところで、 助成団体の事後評価のために審査・評価委員会を開かれたというお話だったのですけれ ども、これは独法になられるまでは、そういった仕組みはなかったということですか。 ○福祉医療機構基金事業部長  過去については、事業の中のごく一部について、試みで評価を行っていたことはござ います。それは数にして本当にもう数件でございまして、事後評価を本格的に始めたの は、独法になってからでございます。 ○白石委員  独法になってからは、ほぼ全部を事後評価されたということ。ありがとうございまし た。同じように同じ38ページなのですが、その次年度にも事後評価の成果を反映された というようなことが書かれているのですが、具体的にはどのようなところですか、もし 教えていただけたらと思います。 ○福祉医療機構理事長  資料の29ページで御説明を飛ばしましたが、評価をした結果、全体的な傾向を見てと いうことでございますが、例えば16年度の事業の選定にあたっては、ここにありますよ うに選定方針につきまして、具体的な評価をした後、こういうものについては問題があ ると、こういうものについては優先的にやったほうがいいというものが出てまいりまし たので、ここに書いてあるようなことを16年度の選定については反映をしたということ でございます。 ○部会長  いいですか。他にいかがでしょう。事業そのものが比較的特化されたものになってい るものですから、分かりにくい点もあろうかと思いますが、何か御質問はございません でしょうか。どうぞ。 ○石井委員  退職手当共済事業についてですが、唯一自己評定がBになっているというもので、そ の理由は何かという以前に、パワーポイント用のシートの説明資料のほうを拝見する と、退職手当共済事業の言ってみれば、当該事業における事業責任者は、福祉施設の経 営者と国と都道府県になっておりまして、直接的に当独立行政法人機構が義務を負うと いう性格ではないというのは、ちょっと特殊性があるのかなと。したがって業務の質を 上げるというのは、作業の言ってみれば委託事業のようなイメージかと思うのですけれ ども、事務効率を上げるという辺りにしか、あまり問題の所在がないということの認識 でよろしいのかどうかということ。それと損益計算書を見ると50億の赤字が出ていると いうことの関係がよく分からないのですが、よろしくお願いいたします。 ○福祉医療機構理事長  基本的には先生がおっしゃるとおりでございます。しかしここでBとしておりますの は、そういう制度を前提にしながらも一応目標を掲げましたのに、特殊な事情があった とはいえ、それが実現できなかったということで素直にBとしているということでござ います。それから赤字が出るのは、最初に緊縮の予算が組まれて金が足りなくなるわけ です。国は補正予算を組んで補助金が入ってまいりましても、地方がそれに追いつかな いということで、地方の部分が翌年度になるということがしばしばあるわけです。そう すると我が方の財務諸表で△になるというのは本当に気持ちが悪いのですけれども、先 生がおっしゃいましたような事業の性格からして、どうしても△が毎年のように出てき てしまうということはございます。しかし必ずそれについては補填をされるということ でございます。 ○部会長  そういうことでよろしゅうございますか。 ○石井委員  8月の財務諸表に関する議論の時に、少しそのへんを***ればいいのかなと理解い たしました。 ○部会長  ありがとうございます。他にいかがでしょうか。どうぞ、大石先生。 ○大石委員  ちょっと素人でよく分からないものですから教えていただきたいのですけれど、参考 資料の2−1の26ページの「イ」で、基金の運用に当たっては、財投機関債を中心とし た運用により長期運用利回りの指標となる国債を0.3%を上回る実績をあげたと言うの ですけれど、上回るというのはどのぐらいになっていて、そしてどうしてそういうこと ができるのかということが、私は素人で分からないものですから、その辺の御説明がも しできたらお願いいたします。  それともう1つは28ページなのですけれども、事後評価を利用して今後の助成事業の 審査、選定へ活用するということですが、これは実際にどんな例が具体的にあるのかと いうことが分かりましたらお願いします。 ○福祉医療機構基金事業部長  運用でございますが、基金事業の基金につきましては、法律で運用先が規定してござ いまして、安定的な運用ということで国債・地方債等の元本が保証される債券の購入を するという。しかもそれを満期保有をするというかたちの運用が原則になっておりま す。従来は財政投融資に預託するという方法もあったのですが、現在はそういうかたち になっておりまして、債券の種類によりまして利回りが多少違ってまいります。ここに もありますように10年ものの国債が基本になりますが、最近は財投機関債を出している ところが、たくさんございまして、そういうものの中に安定性がある程度見以上見込め るもので、国債より利回りが高いものがございますので、そういうものに運用できるよ う、15年度に厚生労働大臣の承認をいただいて運用先を少し広げていただきました。そ ういう試みをした結果としてこういう数字が出ております。国債がこの頃ですと大体 1.3%ぐらいで回っていたのに対しまして1.6%ぐらいで回すことができたということで す。  それから事業評価の成果の反映でございますが、前年度の事業を評価して、翌年度の 事業の選定と翌々年度の事業の募集との二段階で反映させております。17年度は実はこ の7月20日に募集要領の改定をして、そこに反映させたばかりですので、実際の事業に 反映させた例としましては、16年度の事業選定の場面で反映させていただきました。こ こにも書いてございますが、選定方針は今までも一定の基準はございましたが、明文化 した方針をつくりましたのは今回が初めてございまして、その中に先ほど次のページに 黒ポツで書いてあった事項で、他にも何件かございますが、具体的な視点を盛り込みま して、それに応じて各事業を選ばせていただいております。具体的には例えば物品購入 の事業に占める割合が高い事業について、事業内容に照らして不要と思われる物品が多 く含まれる事業については、甚だしいものはそもそも事業採択を見送るとか、もしくは 減額して採択するとか、そういうことを行ったり、それから事業目的が曖昧な事業につ いては助成対象から除いたり、費用対効果が悪いものについては事業内容の見直しをこ ちらから助言いたしまして、見直した内容で採択したりするとか、いくつかそういう具 体的なかたちで選定なり採択をさせていただきました。 ○部会長  大石先生、よろしゅうございますか。ありがとうございました。他にどうでしよう。 山崎先生。 ○山崎委員  長寿・子育て・障害者基金事業なのですけれども、この事業は先ほども御説明があり ましたように、独創的・先駆的な活動で、民間の創意工夫を活かしたボランティア団体 における自発的な福祉活動に対してというふうにうたってありますように、こうした民 間の活動を助成する上では全国的に見ても、このような大型の資金といいますか、全国 的なそうした住民の方々が参加できるような活動の基金というのは、本当に重要だと思 いますし、この事業のもつ意味はとても大きいというように期待しております。  その中で、先ほどNPOとボランティア団体と社会福祉法人等しっかりした組織のも のと、それからいまNPO、ボランティア団体というのは必ずしも組織がしっかりして いないために、申請する時の用紙がうまく書けなかったり、それから少し手直しをして いただかなければならないことというのは多々あるのですけれども、先ほど手引書をつ くられて、これを促進されたとおっしゃったと思うのですが、これはすごく重要なこと だったと思うのですけれども、主にどういうことを盛り込まれたのか。お金のことを盛 り込まれたのか、それともミッションをはっきりさせろということを盛り込まれたの か、あるいは書きぶりについて示されたのか、ちょっとそこを教えていただきたいなと いうことが1点です。  それから社会福祉法人等しっかりした団体は、助成がしやすいのですけれども、そう でない団体は片一方で考えますとかなりリスクもございますね。リスクというのは大丈 夫かなというふうに思われるようなこともあると思うのですが、全体的にはボランティ アのNPO団体と、法人格を持っていないそういうところが何%ぐらいの助成になって いるのか。その2つをお尋ねしたいと思いました。 ○部会長  はい。どうぞよろしくお願いいたします。 ○福祉医療機構基金事業部長  手引書につきましては、交付申請の事務手続き期間を短縮するために、実態把握をす るのが今回の目標でございましたが、それプラス、やはり実際に実態把握をしましたと ころ、原因としてやはり書類の不備というのが大きな比重を占めておりまして、従来も 申請書類を書いていただくための説明の文書というものを出していたのですが、その中 身の見直しを今回併せて行うことができました。そういう意味で少しBより上のAを付 けさせていただきました。  内容といたしましては、書類を出していただく際に、その書類を出すことの理由とい いますか、意味合いを必ずしも理解されていない団体がかなりございましたので、それ が記載要領の前にそれぞれの手続きの意味合いを、どういう意味合いかということを追 加する説明文書を入れるようなかたちにしましたことが1点と、記載方法について、や はり要領がよく分からないということがありましたので、記載例を少し増やしたりし て、少しでも分かりやすいかたちにする見直しを行いました。ただ、これは今回初めて 行ったばかりですので、今後、団体の意見を聞きながら、さらにブラッシュアップして いく必要があろうかと思っております。  それからNPOと任意団体との割合でございますが、15年度の例で申し上げますと、 NPO法人が大体21%、2割程でございます。それから実はいちばん多い割合を占めま すのは非営利の任意団体でございまして、これは47.6%ほどでございます。残りは社会 福祉法人が約10%、それから財団・社団等の公益法人というかたちでつながってまいり ます。なお、16年度では、ちょうど交付決定の事務を間もなく終えようとしております が、傾向としてはNPO法人の割合が増えております。これは任意団体からNPO法人 に移行される団体が最近、特にこの1、2年で増えておりますので、その影響かと思い ますが、全体としてはそういう傾向にあります。 ○部会長  そして助成した団体に対する信用度みたいなものを、ちょっと伺えたらと思います が。 ○福祉医療機構基金事業部長  今回の事業評価の結果でも、助成対象先の団体としての適性について、従前以上に留 意して選定を進めるべきということで、各委員が選定に当たられました。率直に申しま して、組織が立派なところほど逆に助成の必要性がないということで、そのバランスと いうのは非常に難しいのでございますが、予算・決算書の提出でありますとか、過去の 活動実績でありますとか、そういうものを出していただいて、例えば直前の年度の事業 費に対して助成申請されている事業費が、あまりに不釣り合いな金額になっているよう な団体については、やはり適性がないのではないかということで、少し見送らさせてい ただくというそういう努力をすることで、いま適性の確保を図っております。 ○部会長  ありがとうございました。他にいかがでしょう。はい、どうぞ。 ○川原委員  それではシートの44ページの心身障害者扶養保険事業の予算についてですが、当初の 見込と実績数値について、若干教えていただきたいと思います。まず新規加入者につい ては達成しております。それから新規年金受給者数は未達でございます。それから保険 対象加入者数は達成しております。その下が未達。それから死亡傷害保険金額が金額予 算としては未達。それから年金給付保険金額としては達成と、かなりバラツキがあると いうことが第1点。それからそのバラツキがある中で、それぞれが他の計画数字はかな り精緻な数字を上げてきているのですけれども、今回のこのケースの場合は、そのバラ ツキの差というものが意外と大きいように感じられるのです。ということは新規加入者 数は達成して喜ばしいことであるかどうかは分かりませんけれども、かなりの数がやは り増加している。あるいは年金受給者数については、50人弱の不足を生じている。それ からいちばん大きいのは、下から2行目の死亡傷害保険金額が、3億5,000万円の予算 計上のところが3億3,000万円という。これは金額は小さいとはいえ、9%前後の差異 が生じているわけです。予測違いというのでしょうか。これはどういうようなことでこ ういう結果になったのか。非常に金額が小さいので、そんなこと大したことではないの じゃないかということかもわかりませんけれども、ちょっと教えていただければと思い まして。 ○部会長  お分かりでしょうか。事業そのものの特殊性に基づくものではないかなと思います が、どうでしょう。 ○福祉医療機構事務局  御説明しますけれども、予算をセットする時には一応見込み数を出します。この数字 自体はあくまでも予測の数値でございまして、ここまで達成するという数値では元々な いものでございます。過去の実績から見まして、そういえば新規加入者はこれぐらいで あろう、それから新規年金受給者はこのくらいであろうということで推計をしていま す。それに基づいてそれぞれの金額をはじき出しております。新規加入者がこれだけ数 字が違っているところは、はっきりした説明はできませんが、半期で組んでいるので、 通常は1年間に何人加入しますというのを、15年度の場合はあくまで年間見込を立て て、それを前期・後期と2分したものでございます。どういうふうにやったかというと ころは詳しく説明できませんが、新規加入者については出した予測よりも多く新規加入 者があったという結果的な数字だと思います。  新規年金受給者、新しく年金をもらう方というのは、逆に言うと親御さんが亡くなっ た方ですので、その間に死亡された方が少なかったということでございます。結果でし て、これは死亡ですので、結果でしか数字的には出てきません。それから加入者数とい うのはそれの出入りを調整して何人という数値になっていますので、その差し引きの関 係です。  次の死亡保険金というのは、先ほど言ったとおりこれは親御さんが亡くなった時に保 険金をもらえますので、当然新規年金受給者が少なかったということは、親御さんが亡 くなった人数が少ないということですので、当然保険金も入ってこない。それが35億円 見込んでいたところが33億円であったということでございます。年金給付額というの は、これは当然新規年金受給者数、それとその間に逆に今度は障害者で亡くなって、年 金を払う必要がなくなった人、そういう出入りがあるので、これは実際的には45億が、 これは45億7,300百万円が、45億7,700百万円と、あくまでも結果的な数字でございま す。数字的にはすべて結果としてこうなったということです、最初の予算上は予測でこ のくらいだろうというものでございます。 ○福祉医療機構理事長  加入者も長期的には低下傾向にある。 ○福祉医療機構事務局  長期的に見ますと、前回の制度改正は平成7年度にしているのですけれども、制度改 正時に一旦落ちて、その後長期的には横ばいないし下向きに少しずつ減っているという ような状況でございます。新たな障害者の方の人数によって、ある程度数字的には動い てくるのだろうという予測はされるところでございます。それともう1つは、障害者施 策自体が良くなっているということで、新たにこの制度に加入しなくても、十分やって いけるというような状況にあると思います。 ○川原委員  いまお話を伺っていると、結果がこうなったという。すべての計画はそうだと思うの ですね。実際の実績というのは結果がそうなっているのであって、実績ができるのであ って。僕が聞きたかったのは、あくまでも金額が大きい小さいということではなくし て、要するに機構として行っている業務範囲の中で、できるだけ実績が極めて近いよう な予算を立てていただければありがたいのだけれどもということで、これからのお願い ということで聞いておいていただければありがたいと思います。 ○福祉医療機構事務局  私どももできるだけ正確な予測は立てたいと思っております。 ○川原委員  よろしくお願いいたします。 ○部会長  ありがとうございました。元々これは障害者がかなり短命の時代にできた制度でござ いまして、その後、障害者の寿命が急速に延びるということと、それからいまおっしゃ ったように、福祉制度が充実したために、この保険事業そのものが、もう時代の役割を 果たせなくなってきたというこういう背景があっての事柄で、大変予測が難しい。そし て知っている人はこれをうまく使って、ある意味では大変有利な結果を得ようとする人 たちが、いないわけではないというようなことも一方では言われておりました。そんな ことがあって、この事業にはご苦労が過去にあったということを聞いております。 ○橋本委員  ただ、いまの御説明で辻褄が合わないのは、ここで問題にする事ではないのですが、 やや分析の仕方としては新規加入者が3割も増えているというのは、やっぱり全然読み 方が違いますよね。実績が3割増えているわけですから。参考として15年度の予算が638 人だったのが、836人になっているというふうにこれは読むのですね。3割強ですよ。 政策の新規制度なんかの影響はありませんか。むしろそういう読み方のほうが正しいの じゃないかなと思うのですけれども。ここで議論することではないのですけれども、要 するに予算と実績の違いというのは、何かやっぱり根拠があるはずで、そのことは次の 時にも影響していくだろうと思いますので、正確な分析は必要でと思うのですけれど も。 ○事務局  よく分析しまして、今後に反映させたいと思います。 ○部会長  他になければ、この4項目につきましてそれぞれ評価の記入をお願いしたいと思いま す。よろしくどうぞお願いいたします。 <第3グループ:評価時間> ○部会長  それでは最後のグループの御説明を頂戴したいと思います。第4のグループでありま す4項目につきまして、個別評価シートの項目16〜19という、この部分についての御説 明をお願いいたします。 ○福祉医療機構理事長  16〜19につきましては、1つは福祉保健医療情報サービス事業、もう1つは年金担保 貸付事業に関するものでございます。まず、福祉保健医療情報サービスに関するもので すが、33ページ、評価シートでは47ページになります。これは福祉医療に関しまして、 行政機関や民間団体に対して全国的な規模での情報の共通の基盤を提供いたしまして情 報交換の推進を支援する。また福祉介護保険医療サービスの利用者に対して情報提供を 行うという事業でございます。  まずこのシステムの機器につきまして、平成10年に立ち上げたものでございますの で、ちょうど機器の更新期を迎えております。できるだけ効率的なものにしていくとい う目標を立てておりますけれども、それに沿った更新をしたということでございます。  それから2番目はせっかくのシステムでありますので大いに利用をするということ で、例えば厚生労働省の行政事務のオンライン化というようなことにも、利用できるの ではないかということを目標にしておりますけれども、具体的にそこに書いてございま すような報告システムをこのWAM NETに載せるというようなことも進んでおりま す。また、このWAM NETに関する経費を、今のところすべて国費でやっておりま すけれども、将来的により充実・発展をしていくためには、独自の適切な収入確保対策 をとったらどうかということでありますけれども、これにつきましても、そういった方 向でどんなことができるかを検討いたしまして、16年度でまだ料金をいただいているわ けではありませんけれども、試行的に実施をするというような方向で検討が進められて おります。  それから34ページに、この業務の質の向上に関する目標でございます。評価シートで は49ページですけれども、できるだけ網羅性、迅速性を高めるということで、例えば厚 生労働省へのホームページの個別情報へ直接リンクができるようにするとか、あるいは 今年度の大きな事業でございます医療機関情報の充実を図るということで、私どもが把 握をしております全国すべての病院、診療所、歯科診療所の基本情報に加えまして、我 が国では初めてのことだと思いますけれども、手術だとか施設の種類だとか、医療機関 の施設基準情報も掲載をした医療機関情報システムの情報の充実を図ったところでござ います。また、WAM NETに関する満足度調査等も行いまして、比較的高い満足度 ではございますが、その御意見等を踏まえて対処をするということもいたしておりま す。  またアクセス件数を高めていくという目標値を持っておりますけれども、それぞれ目 標をオーバーする御利用をいただいております。特に全体のアクセス件数は、目標数と いうことで420万件を目標にしておりますけれども、先ほど申し上げましたようないろ いろな内容の充実等を行うことによりまして、600万件を超えるアクセス件数をいただ いております。また、WAM NETを利用する人々のための講習会ですとか、情報の 更新あるいは定期的な検証をきちっとやるといった目標を書いてありますが、いずれも そのようなことで対応をいたしております。以上の内容からアクセス件数等も含めまし て、目標を大きく上回る成果をあげておりますので、Sの評価をさせていただいており ます。  35ページの年金担保貸付事業でございますが、評価シートでは52ページでございま す。この事業は御承知のとおり年金の受給権を担保に供することは、法律で禁じられて おりますけれども、当機構は特例として、年金受給権を担保にして必要な資金をご融資 するということで、年金受給者の生活の支援を行う事業でございます。効率化に関する 目標といたしまして、この業務コストと利率の設定として、コスト分析をしながら適切 な利率の設定をするということで、利用者負担にすべき経費を最小限の範囲で貸付金利 に上乗せをするという目標を置いております。ご覧いただけますように、特殊法人時代 に財政融資資金に上乗せをして、例えば0.7%ということでやっておりましたけれども、 独立行政法人になって会計基準も変わり、貸倒引当金等のコストも厳しく対応をしなけ ればならないということで、それをコストにしたいということでございます。その貸倒 引当金の実績を見ながら、平成16年の1月にはまた適切な利率設定を行うというような ことで対応をいたしております。  36ページ、評価シートは54ページでございますが、この事業を巡りまして悪質な貸金 業者が年金証書を預かって、高利で融資を行うというようなケースがございまして、大 きな社会問題になっております。利用者によくこの制度の趣旨をPRして、悪質な業者 に対する注意喚起をするということ、あるいは被害者団体との意見交換を行い、そうい ったことを防止をするということについても対応をするということを目標にしておりま す。また、受託金融機関について、きちっとした事務処理を行うということ、併せて悪 質な融資に対する注意喚起を行うというような目標を持っておりますが、それらについ ての対応をしたということでございます。  それから借入申込みから貸付実行までの期間は、いま概ね4週間を要しております が、これが短縮できないかというのは、いま申し上げました悪質業者が入り込むという ような隙を与えるということもございまして、かねてから大きな懸案になっていまし た。事務期間を短縮するということで、中期目標期間中に1週間短縮という目標を持っ ておりますが、これはそういう事態の深刻性にも鑑みまして、早急な対応をということ で、調整をいたしてまいりました結果、中期期間中の前半、今のところでは17年10月を 目途に、1週間の前倒しが実現をしそうなところまで努力をしたということでございま す。そんなことで、目標を大きく上回る成果をあげたということで、これもSの評価を させていただいております。以上でございます。 ○部会長  ありがとうございました。最後の4項目につきまして御説明を頂戴いたしましたの で、御質問・御意見はございませんでしょうか。どうぞ。 ○浅野委員  評価シートの47ページのところになりますけれども、WAM NETの中で、インタ ーネットを利活用して収入の確保を図るということで、広告収入のようなことを今後将 来考えていくということなのですけれども、具体的に収入の規模としては、どのくらい の規模をお考えになられているのでしょうか。もし数字等があれば教えていただければ と思います。 ○福祉医療機構理事長  率直に申し上げまして、まだその規模を考えられるような状況にはございません。収 入を得ると申しましても、民間のこういう事業と違いますので、むやみに収入になるか らということで、掲載をするということもできませんので、こういう公的な機関にふさ わしく収入が上がるような事業に協力ができるというようなものがあれば、ぜひやって いきたいということで、いまいろいろ検討もいたしておりますけれども、まだ事業自体 の目途も立っていないということで、どれくらいの額までというようなことを検討でき るような段階にございません。 ○浅野委員  分かりました。そうするとこのインターネットの利活用による広告で、このシステム の維持費用を確保するということではないわけですね。他にもいろいろと方策を立てな がら、総合的に費用の財源を考えていくという位置づけでよろしいわけですね。 ○福祉医療機構理事長  おっしゃるとおりであります。私どもとしてはできれば国費をいただいてやれれば、 いちばんいいと思っております。そういうわけにもまいらないという事情もございます ので、先生のおっしゃるようなことでございます。 ○浅野委員  分かりました。ありがとうございました。 ○部会長  他にいかがでしょうか。大体御説明でお分かりいただけたということでよろしいでし ょうかね。もしそうでしたら、評価をもうお出しいただいて結構でございますので、よ ろしくお願いいたします。 <第4グループ:評価時間> (3)その他 ○部会長  概ね作業を終えていただけたと思いますが、どうでしようか。包括的にここで御質問 あるいは御意見がございましたら頂戴しておきたいと思いますが、いかがでしょうか。 きょう初めてのことでございましたし、大変長丁場で作業も非常に膨大でございました し、かなり無理をお願いしてしまいましたが、そんなことも含めて御意見・御感想でも 結構でございます。何か頂戴できればありがたいと思いますが、どうでしょうか。は い、どうぞ。 ○宗林委員  最初からちょっと話題になっていたかと思うのですけれども、実はのぞみの園のほう も見せていただいていましたが、のぞみの園のほうが実はベースがBが多くてAが少し あるというような自己評価で見せていただいていました。それに比べますと、こちらの 法人の場合は、基本的にはAであり、それにプラスしてSがあるというような感じに見 受けられますが、その尺度のずれが実際はどういうものなのか。この評価委員会の中で はある程度共通の尺度を持つべきだろうと思ったので、最初からそこの部分をおたずね していたのです。  また例えば役員の退職金の業績勘案率などに換算する時も、1.5以上の場合には、非 常に逆にいろないろ問題があったり、あるいは来年度以降の計画について、どう考えて いくのかというようなこととか、いろいろな波及があると思います。私たちはいま見せ ていただいた自己評価項目を見ながら、それでやってまいりましたけれども、いまの自 己評価と併せて、少し尺度をもう少しうまく説明していただくなりというような、共通 の尺度を少し教えていただかないと、どうしてもこの自己評価を見ながらということだ けに終始してしまうような気がしますので、お願いしたいと思います。 ○部会長  そのことは私自身も感じてはおりましたが、おそらく明日の作業を終えてみて、いま の疑問に対して少し議論ができるいくつかのことが出てくるのではないかなという気が いたしました。内容的にあまりにも違いますし、スタートラインも違うという気がいた しますので、明日の評価をいただいたあと、もし許されるならば、いまのようなことに ついてお話し合いができれば、いいかなと思っています。事務局として何か御感想があ ったら、おっしゃってください。 ○政策評価官  いま部会長がおっしゃいましたとおりでございますが、のぞみの園の個別評価を終え ていただいたあとは、第11回で今回の個別評価の確定ということを予定しておりまし て、その際に御議論も踏まえた上で御検討をいただければと思っております。 ○部会長  ありがとうございます。他に何か。どうぞ大石先生。 ○大石委員  大変複雑な表でございまして、つくられるのが大変だったと思うのですけれども、私 たち評価する時に、もう少し表か何かが分かりやすく通し番号で番号が続いていると か、何か入れる欄が1つのこれを見ていて、分かりにくかったのですね。私はちょっと 頭が悪いものですからそのせいかもしれませんが、もうちょっと何かシンプルな表がで きていて、非常に項目するところと自己評価とが、なにかきれいに並んでいるような表 で1番から何番までというのをつくっていただくと、やりやすいかなと思うのですけれ ど。 ○部会長  ありがとうございました。ではちょっとこれは御検討くださいますように、お願いし ておきます。私どもはこれで評価をしたものを提出させていただくわけですが、おそら く福祉医療機構から見たら、腹立たしいような結果を示しているのかもしれませんが、 それらは今後の課題として残して、率直にまたいろいろ御意見を頂戴できればと思いま す。いずれにしてもそれぞれの御立場で誠心誠意一応の判定は出してくださったものと 思っておりますので、その点は素直にお受け止めいただければと思います。きょうは予 定の4時間をもう過ぎておりますので、これで終了させていただきたいと思いますが、 今後の予定につきまして、事務局のほうから御説明をいただいて、終わりたいと思いま す。よろしくどうぞお願いいたします。 3.閉会 ○事務局  事務局から御案内申し上げます。明日でございますが、のぞみの園の個別評価をお願 いしたいと存じます。明日につきましては、13時30分から17時までを予定しておりまし て、虎ノ門パストラル、プリムローズというお部屋がございます。本日同様、厚生労働 省の建物ではございませんので、そのへんを御留意いただきたいと思っておりますの で、ぜひともよろしくお願いいたします。なお、本日御記入いただきました個別評価シ ートにつきましては、検討の必要もございますので、氏名を御記入の上、机の上にお置 きいただければと存じます。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。 ○部会長  どうもご苦労様でございました。それではどうか表紙に署名欄がございますので、御 名前を記入してお帰りいただきますようにお願いいたします。                                     <了> 照会先:政策統括官付政策評価官室 政策評価第二係 電話 :03-5253-1111(内線7780)